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ラフラフ日記

主に音楽について書いてます。

浜崎あゆみ TA LIMITED ~Thank U tour~ 2024
2024年9月2日(月)3日(火) Zepp DiverCity


浜崎あゆみのファンクラブツアー、初日と 2日目の 東京 Zepp DiverCity に行ってきました。

 

もう二ヶ月経ってるし、ツアーは 10月2日(あゆの誕生日!)に終わって、いよいよ今日からアジアツアー!(この記事の最後参照)のタイミングになってしまったけど、アジアツアーがはじまる前に。

行ってきてすぐにインスタには書いてて、そちらの方を読んでください!でもいいのですが。

 

 

そこにも書きましたが、とにかく、

あゆの歌が良かった!

今回ライブハウスで、両日とも後方から観たので姿は見えにくかったのだけど、見えなくても聴こえるだけで構わないくらい良かった!(聴こえるだけで見えてくるというか)

ある曲で海の映像が出てきたからか、歌声が「波」のようだった。

寄せては返し、表情を繊細に変えていく波を、波打ち際で眺めるような、ずーーーっと聴いていたかった。

優しい歌が多く感じたのは、あゆの歌声が優しかったからか。

それに加えて今回は、「光」を感じた。あゆの歌声がきらりと輝いてるような。

闇の中にあっても光を強く求めていくような歌声がこれまでだとしたら、自ら光ってみせることもできる歌声だった。

 

書きながら今、中島みゆき「時代」のカバーを聴いたときのことを思い出した。「この景色を見たことは、きっとこれからの浜崎あゆみに新しい何かをもたらすだろう」 → 浜崎あゆみ「時代」を聴いた。

 

ファンクラブツアーで、タイトルが「Thank U」。47都道府県ツアーが 4月に終わって、今日(11/1)からアジアツアーがはじまるが、アジアツアーの前にツアーをやることは予定していたのだろうか。25周年や 47都道府県ツアーの「ありがとう」を TA(ファン)に届けたいと思ってくれたのだろうか。こちらの方こそ「ありがとう」なのに!

 

そして、ファンクラブツアーということで事前に聴きたい曲アンケートが実施されて、それが流石な結果になったらしく、レアなセットリストになると。そう言われていた通り、ライブではじめて聴く曲(Story)、数回しか聴いたことなかった曲(meaning of Love など)、ひさしぶりに聴く曲(Out of control とか)とあった。けれど、どれも「レアな曲を引っ張ってきました」感がなく、いつも歌ってるように聴こえたことに心打たれた。ファンクラブ限定でも、レアな曲でも、その歌はやはり全方位に開かれていた。

「Present」なんて、初期の曲で、今のあゆが歌うとどうなるんだろうって、その違和感を聴きたい!とか思ってたくらいなんだけど、違和感なくてびっくりした。昔の日記を読むようなこそばゆさがあるかと思ったら、確かに初々しさはあるけれど、今もそれはリアルで、ピュアで、光り輝いてた。

 

私がアンケートに書いた曲は歌わなかったんだけど、前のアンケートで書いた「WORDS」を歌ったのが嬉しかった!

 

ねぇあなたに言わずにいたけれど
理想通りのようなあの部屋が
大嫌いだったよ

 

会社が辛いとき、「心の歌」になってたよ。

 

レアなセットリストといえば、約三年前にこんなアンケートをやったんです。あゆがまだライブで歌ってないと思われる曲で聴きたい曲はどれですか?というアンケートだったんだけど、あれから約三年、あゆはここから半分くらい歌ってる。

 

上記アンケートは『MY STORY』以降だったんだけど、それ以前だと「still alone」歌ってないよね? 今回メドレーで「still alone」歌ったよね? メドレーでさり気なく(?)だけど初歌唱だよね?

 

 

そうそう、ツアー初日が 9月2日で、その前日の 9月1日が a-nation だった。生配信があり、私はそれで見た。

 

ツアーはファンクラブ限定でライブハウス、a-nation はフェスでスタジアムという全く異なるライブで、しかも連日ということがすごいが、a-nation はヒット曲に夏曲という順当なセットリストで。いつも一曲くらいは意外な曲を入れてきたりするから、あゆにしては珍しいのかな?と思ったけど、すぐあとに TAツアーがあったから、a-nation は a-nation に振り切れたのかも知れない。a-nation、4年ぶり?5年ぶり?の開催だし。

 

といっても、いつも終盤にやる「Boys & Girls」を 1曲目にやり、しかも、お客さんと交互に歌うのが恒例になっていたこの曲を、フルで 1人で歌って、ファンを驚かせた。予定調和にならない浜崎あゆみ。浦田直也がゲスト出演したし。

 

オープニングがここで少し見れます。 → https://www.instagram.com/p/C_h5iW3vvDL/

 

その a-nation の翌日にこの TAツアーを観たからなお思ったのか、あゆは「浜崎あゆみを演じ切ってる」とか「役割に徹してる」とか言われたりすることがあると思うんだけど、a-nation でもファンクラブツアーでもどんなときでも、あゆはいつも本当のあゆを見せてくれてるって思った。なんかそう感じた。

 

 

MC や企画の話は、上記のインスタに書いたから見て欲しいのだけど、今回ファンクラブならではの企画で、ルーレット&ダーツで当たった曲を歌うというのがあって。東京では、田園(玉置浩二)、ひとり(ゴスペラーズ)、MUGO・ん…色っぽい(工藤静香)もルーレットの中にあって!(あゆの曲はもちろん) 愛のかたまり(KinKi Kids?)もあったかな。

 

で、あゆが歌う「田園」「ひとり」「MUGO・ん…色っぽい」がすこ~し聴けたの!!!

 

といっても、ルーレットが出てきたときにワンフレーズ歌っただけだったんだけど、それだけでもあゆの歌のうまさが伝わってきたというか、聴きたい!聴きたい!もっと聴きたい!って思ってしまった。

「浜崎あゆみはオリジナルよりカバーで歌の上手さを感じる」と言ってた人のことを思い出したゾ。

 

ってか、初日は「MUGO・ん…色っぽい」が当たったんだけど、あゆが歌うんじゃないんかい!(笑)

ダンサーの MIDORIさんが歌ってくれました!素敵でした! これぞ TAツアーならではだね!

 

で、二日目は「田園」が当たり、ダンサーの ZINさん(北海道出身)が! ZINさん、カラオケの十八番なんじゃ?

でね、あゆがハモって、あゆと ZINさんがハモる「田園」が聴けたの! 歌い終わったあと、あゆが “生きていくんだ” のところを繰り返し歌って、モノマネみたいになっちゃうと言いながら、どんどんギリギリな感じになりながら、「尊敬してるんですけどね」と言ったのがツボだった(笑)。

 

「BYE-BYE」の MV が教室&制服姿だったことから、ライブの後半、「浜崎学園」がテーマになってて。チャイムが鳴ったり、教室の絵がバックに出てきたりしたんだけど、そこに習字が貼ってあって、そこに書いてある漢字が「妬」「影」「醜」「絶」「虚」「愚」「哀」「酷」「堕」「餓」とか、明るい教室とは対照的にダークな文字だったのが目を引いた。この習字、前にライブであったよね?

 

そして、「浜崎学園」ということで、毎回、期末テストをあゆ、ダンサー、スタッフ含めてやって、その回答用紙のコピーが会場に貼り出されて。直筆は紙飛行機にしてライブ中に飛ばして。取れた人ラッキー!

 

テストはこんな感じ!

 

3枚目以降に注目!

 

貼り出されてたの、私も撮ってみたんだけど、

 

これは東京 2日目。1日目は貼り出されてなかったと思う。

 

これ、他の日のもストーリーとかで見たんだけど、あゆ結構スゴくない!?(東京のだとあまりスゴさ伝わらないかもだが笑) やだー!あゆが頭良いのバレちゃう! ってもうとっくにバレてると思ってたけどー!

「ayuって意外と頭いいね」と TA やスタッフから言われたらしいんだけど、ぜんぜん意外じゃないっす!

 

しかも、名古屋のときだったかな、「本能寺の変は誰と誰の戦いか答えなさい」という問題で、あゆ、

 

しいな と りんご

 

って書いてた!!

 

しいなりんご!?ってテンション上がってたけど、これって、“本能” 寺の変だからですか!? やだー、あゆスゴ!

 

ちなみに、椎名林檎が「アユ」と書いたこともあります。 → 2017年12月1日のアフターMステ

 

 

というわけで、あゆは今日からアジアツアーです!

 

1分で即完!? メルセデス・ベンツアリーナって、18000人くらい入る会場なんでしょ!?

 

 

見てください!これ!すごくないですか?すごーーーい!

 

 

そして私は今日、宮本浩次「今、俺の行きたい場所」ツアーに行ってきます!

ミュージック・マガジン 2024年8月号で、「2000年代 Jポップ・ベスト・ソングス100」が特集された。

 

ミュージック・マガジン 2024年8月号

 

2000~2009年にリリースされ、オリコン50位以内に入った日本制作のシングルA面曲の中から、ライターがそれぞれ 25曲選び、その集計を元にしたランキング(1~100位)が発表された。

そこに浜崎あゆみが入ってないという話題を見かけた。

またその話か…と私などは思ってしまうのだが、浜崎あゆみは 2000年代を代表するアーティストとも言えるのだから、そこに入ってないことについては何度でも考えていいのかも知れない。

ただ、私としては、あゆは入ってないけど、エレカシはどうなんだ?ってなるわけじゃないですか。

エレカシ、入ってませんでした。

なら、考える必要なし!と立ち去ることもできるのだが、少し考えてみたいと思う。

 

こういうランキングは、自分の好きなアーティストや曲が選ばれれば、もちろん嬉しいが、そんなに嬉しいか?というのもある。もっと言えば、選ばれなかったらダメなのか?というのもある。
自分の好きなアーティストや曲が選ばれる社会の方がより良い社会だと思うから選ばれて欲しい!というのなら、わかるはわかるが。

しかし、何にでも限界はある。

この特集の対談で、ライターのつやちゃんが「Tommy february6 が入って、浜崎あゆみが入らなかった」ところに過渡期が現われてると言っていたが、これはどういう意味だろう?
「Tommy february6 が入ったのだから、これからは浜崎あゆみも入っていく」という意味なのか、「浜崎あゆみではなく、これからは Tommy february6 が入っていく」という意味なのか。
「ゆっきゅんは入るが、浜崎あゆみは入らない」みたいなこと、これからもあるような気がするけど。

私は「Tommy february6 が入って、浜崎あゆみが入らなかった」ところにミュージック・マガジンの限界があると思っている(浜崎あゆみの限界とも言える)。過渡期ではなく、限界。
その限界が今後どうなっていくのかという話かも知れないが、何にでも限界があって、その有限性がものごとを面白くしていると思うから、その限界がミュージック・マガジンの面白さでは?とも思う。

つやちゃんは、浜崎あゆみは曲では入らなかったけど、アーティストランキングだったら入っただろうと言っていて、それは確かに!と思った。

ただ、対談でも「入らなかった」ことについて触れられて、これからあげる動画でも「浜崎あゆみランク外問題」が語られてて、入ってる人より目立ってない? 入ってないのに、入らなかったことについて語られ、下の方の順位に入るより目立ってる?

これはもはや、「選ばれない」という形で選ばれてるのでは?

やはり、浜崎あゆみは「狭間にいるアーティスト」なのかも知れない。過渡期あるいは限界の側にいつもいるアーティスト。以下のブログで書いたように、批評性とシリアスの狭間だったり。
 

 

 

で、「浜崎あゆみランク外問題」が語られてる動画というのは、

 

(22:09~ 浜崎あゆみランク外問題)

 

音楽メディアで活動する、照沼健太(てけ)と伏見瞬(しゅん)による「てけしゅん音楽情報」です。まず、

てけさん、浜崎あゆみを選んでる!(7位に「NEVER EVER」)

それで、浜崎あゆみが入らなかった理由として、しゅんさんは「カルチャー全体がオタク寄りになっていて、マイルドヤンキー感が不在であること」をあげている。

が、私には、浜崎あゆみはマイルドヤンキーなのか?という疑問がまずあって、でも、マイルドヤンキーというなら、Awich やちゃんみなは良くて浜崎あゆみはダメみたいのがあるじゃん?というのもある。
(Awich はマイルドヤンキーではなくてヤンキーということ? え? マイルドじゃないヤンキーなら良いということ? え? その違いは? え? あゆは?)

そのへんのことを前に書いたブログ。

 

 

 

それと、(浜崎あゆみは)いろんな曲にバラけたから入らなかったと。それでも、(浜崎あゆみを)選んだ人は少なかったとてけさんは指摘するが、代表曲が決まってるアーティストが上位に来やすいので浜崎あゆみは不利だったとしゅんさんは言う。

 

あ!ここで言っておきたいが、ランキングにエレカシは入ってなかったが、エレカシを選んでる人はいたんです。「俺たちの明日」を選んでたはず。

 

話を戻して、浜崎あゆみは代表曲が決まってない。これは、わかる。あゆには代表曲がないのでは?ってこと、大分前だが書いてた。

 

 

 

しかし、ちょっと思うのが、てけさんが「NEVER EVER」を選んだことについて「この曲は誰とも被らないだろう」と言ってて、そういう曲を選ばせる浜崎あゆみのマイノリティ性みたいなものがあるんじゃないか。てけさんが選んだ理由はわからないが、そういう「誰とも被らないもの」を選ばせるような性質が。

 

評価されないことは才能。マジョリティでありながらマイノリティであること。前に書いたこんなこと。

 

 

 

さらに、ちょ~っと思ったのが、2000年代は「Jポップ」と「硬派なロック」がわかれていて、だから、ブランキー・ジェット・シティやミッシェル・ガン・エレファントやナンバーガールは入れなかったと、てけさんもしゅんさんも言ってて。くるりやスーパーカーは「Jポップ」に入れて良いけど、ブランキーやミッシェルは入れられなかったと。そして、このときは「ミッシェルが売れてた時代」でもあったと。

 

それで、私は思った。実は、浜崎あゆみはミッシェルタイプだったのでは?

 

そのことは、このへんでもちょっと書いたかも知れない。

 

(「ロック系」と「ヒット系」。「ヒット系なのに、ロック系に踏み込んできた」。こちらの方が書いてるかも知れない)

 

いや違うだろ!と言われてしまうかも知れないが、私はどうだったかというと、実際、私は浜崎あゆみを syrup16g や THE BACK HORN と「同じもの」として聴いていたかも知れない。ブランキーやミッシェルを聴いてたのはそれより前だから、ちょっと比べづらいけど。

 

 

私は、こういうときに浜崎あゆみが入らないのも、あのとき(2001年3月28日)「宇多田ヒカル vs 浜崎あゆみ」をやってしまったことが今も関係してるんじゃないかと思ってる。というか最近そう思えてきた。

 

「宇多田ヒカル vs 浜崎あゆみ」の功罪。

 

「宇多田ヒカル vs 浜崎あゆみ」の構図が浜崎あゆみへの見方を今も歪めてるというか、その構図がなければ、浜崎あゆみは浜崎あゆみとして、もっとフラットに見られるんじゃないか。宇多田ヒカルに対抗するしないじゃなく、宇多田ヒカルとは関係なく、浜崎あゆみを見る。それが意外とできてないんじゃないか。

なんというか、「天下の宇多田ヒカルに喧嘩売ってんじゃねぇーよ!」みたいなものが、今もどこかにあるんじゃないかって。

 

ただ、こういうランキングがあったときに、「入ってない!」と声高に言うのは、そのアーティストなり曲なりを「評価してる人」を無視することにもなりかねない。あまり知られてないアーティストならまだしも、浜崎あゆみは知られてるわけだから、それだけ多くの「評価してる人」を無視することになる。いや、そういう人を無視して欲しくないから、「入ってないじゃないか!」と主張するのだってことかも知れないけど、「評価してる人」を軽視してないか? 自分が評価されたい人に評価されたいように評価されたいだけではないか? 「評価してる人」を忘れずにいたい。この前の桑田さんもそうだし)

「インテリはポップを間違えた方向に持ち上げて平気で殺す」とスージー鈴木が言ってたと思うが、前は「評価されたら終わり」というのが私の中にあったけど、それよりも今は「評価されても終わりじゃない」ってことかも知れない。

最近、評論家の柴崎祐二がこんなことを投稿していた。

元来は既存ジャーナリズム言説へのオルタナティブでもあったはずのポプティミズムが広く共有されて、定量的レベルでの「勝者」への単なる付和雷同めいた言説がそれなりのプロップスを得てしまっていると。
(私は「ロックは偉くなってしまった」と書いたブログを思い出してしまった)

そこで思ったのが、浜崎あゆみがすごいのは、「ポプティミズム」が盛り上がっても、そこに乗っからないところではないか?
(Dos Monos の TaiTan が言ってた、「Y2K」とか文脈に乗っかってこないところとも通じる)

偉くなるためにやってないというか。それに飲み込まれないというか。

 

 

ああ、「少し」どころか、たくさん考えてしまった。

 

2000年代は入ってなかったけど、1990年代に入ってたりするかもよ? 1990年代はどうなのか!

 

ってことで、ミュージック・マガジン 2022年10月号、特集「1990年代 Jポップ・ベスト・ソングス100」をチェックしてみた!

 

そしたら、96位に浜崎あゆみ「Boys & Girls」入ってた!

 

(ここでもエレカシ入ってなかったよ!もう! 選んでる人はいた)

 

 

そして、大変長らくお待たせしました!(笑)

 

書くからには私も選んでみようと、25曲選びました!

シングル曲で、オリコンランキングは無視して。

 

選んでみてわかることってありますね。2000年代は私にとって「(椎名林檎と)エレファントカシマシと浜崎あゆみ」と思ってたけど、そしてそれは間違いなくそうだけど、そっか、私はこの曲が 1位か。

 

「2000年代 Jポップ・ベスト・ソングス25」

 

1 「キャノンボール」中村一義
2 「ギブス」椎名林檎
3 「38 special」SHERBETS
4 「ワールズエンド・スーパーノヴァ」くるり
5 「DANCEHALLIC」PUSHIM
6 「波動」AJICO
7 「SURREAL」浜崎あゆみ
8 「リアル」syrup16g
9 「マウンテン・ア・ゴーゴー」キャプテンストライダム
10 「オンリー ロンリー グローリー」BUMP OF CHICKEN
11 「so many people」エレファントカシマシ
12 「Your Song」LOVE PSYCHEDELICO
13 「traveling」宇多田ヒカル
14 「楽園ベイベー」RIP SLYME
15 「未来」THE BACK HORN
16 「changes」Base Ball Bear
17 「訳も知らないで」スネオヘアー
18 「Love Addict」中島美嘉
19 「サヨナラCOLOR」SUPER BUTTER DOG
20 「A Perfect Sky」BONNIE PINK
21 「MY THING」ホフディラン
22 「泥棒」UA
23 「Sports Wear」SPORTS
24 「CHE.R.RY」YUI
25 「くちばしにチェリー」EGO-WRAPPIN'

 

エレカシは「俺たちの明日」と迷ったし、AJICO も「美しいこと」と迷ったし、宇多田ヒカルも「誰かの願いが叶うころ」と迷った。あゆは、「Bold & Delicious」も入れたかったー! GRAPEVINE の「ぼくらなら」も入れたかった。他に、レミオロメン「粉雪」とか森山直太朗「さくら(独唱)」とか。Tommy じゃなくて the brilliant green を入れたかったけど、ブリグリは 1990年代かぁ。と、これを選んだことによって、1990年代も 2010年代も選びたくなった!

 

25位→1位の順でプレイリストも作りました。

https://open.spotify.com/playlist/7nOoIoQGnW93LqPuqa96Vp

(キャプテンストライダム「マウンテン・ア・ゴーゴー」は未解禁)

 

あなたは、どんな曲を選びますか?

 

それでは、2000年代 Jポップ・ベスト・ソングス、私の第1位をお送りしてこの記事を終わりにしたいと思います! 長々とありがとうございます!

 

7月のライブが書き終わったところで、最近(でもないけど)読んだ本の話をしたい。話というか、心に残ってる箇所を書いておきたい。

 

 

まずは、

 

小松亮太『タンゴの真実』

 


「蛇腹楽器奏者の祭典」の記事で、読みはじめたと書いてた本。
 

分厚いし、タンゴのこと全然知らないし、読めるかな?と不安だったけど、小松さんの文章が面白くてドキドキしながら読んだ。

 

その中から……

 

「タンゴとはこういうもの」「いや俺はそう思わない」という食い違い、ぶつかり合いがタンゴを揺さぶり面白くしてきたのは事実だ。ところが、そういった発展のプロセスからはある副作用が生じた。つまりタンゴの「主義」や「観念」が発達しすぎたために、人々は「家紋」とか「トレードマーク」が提示されていないタンゴの意味をキャッチできなくなってしまったのだ。
本当は、「あっちがそうなら、俺はこうだ」という「主義を打ち立てること」は音楽の本質とは違う。

(第6章 タンゴ黄金時代の創造神たち - これがタンゴの “ど真ん中” アルフレド・ゴビ)

 

ロックにも、「ロックとはこうだ」とか「これはロックじゃない」とかある。それがロックを面白くしてきたのはあるだろうけど、そういった主義や観念なしにロックを捉えられなくなってしまう。ロックにも言えることだと思った。

 

楽器弾きの中には、誰をも感嘆させるテクニック(たとえば極端な速弾きなど)を持ちながら、技術の要らない簡素な音楽では砂を噛むような味気なさを露呈してしまう人がいる。逆のタイプの人は感情表現に長けてはいても、メカニカルな面白さやスピード感、技術面での難局を乗り切るカタルシスを表現しづらい。(中略)
そういった相反する要素を併せ持っている人、天から二物を与えられている人こそが本当の一流だ。しかし一流として生きるにも難しさはある。
それは技術と芸を持っていれば持っているほど、節度とナチュラルさも同時に求められることだ。
超絶的「技術」、一瞬でその人とわかる個性的な「芸」、しかしまったく自己顕示欲を感じさせない「節度とナチュラルさ」を兼備した、超A級のバンドネオン奏者。それがレオポルド・フェデリコである。
「名人は危うきに遊ぶ」とは、まさに彼のことなのだ。揺るぎない安定感の中に秘められた、今にも暴発しそうな危うさ。爆弾を抱えた常識人であり、最高の馬力とスピードを誇る木造のスポーツカーだったのだ。

(第10章 独断で綴る巨匠たち - バンドネオン レオポルド・フェデリコ)

 

木造のスポーツカー!

技術と芸と節度とナチュラルさ……それをこんな風に表現してしまえるなんて。

 

録音の中の彼は実に安定してい(るように聞こえ)て、緊張と緩和、シリアスとユーモアを寄せては返す波のように交錯させているではないか。「大巧は拙なるが如し」(本当に上手な人は、かえって下手に見えることがある)という中国のことわざの通り、あの本番中のグニャグニャとした曖昧さこそが、800人の観客が鑑賞するにふさわしい、巨大な大気を生んでいたわけだ。高層ビルがユラユラ揺れることによって地震の衝撃受け流すのと同じことだったのだ。

(第10章 独断で綴る巨匠たち - コントラバス エクトル・コンソーレ)

 

「大巧は拙なるが如し」から、ユラユラ揺れることによって地震の衝撃を受け流す高層ビルを発想する小松さんの発想力に魅せられてしまう。

 

マイナーな音楽を好む人の中には、商業的でないなら純粋で、嘘がなく、素晴らしいはずと決めつける人がいるが、拙速だ。商業ベースに乗るということは、ある程度の洗練が施されるということでもある。世の中の向かい風にさらされたことがないロビーラの音楽は、良く言えば音楽家の生々しい独白。悪く言えば自己陶酔・自己満足である。

(第14章 アウトローたちのバンドネオン - エドゥアルド・ロビーラ)

 

「売れる曲と良い曲」を思い出した。

 

オルガン・パートをバンドネオンで美しくも豪快に弾き切っているこの音源からは、彼が演奏家として、いや人間として、どんなに地道で、世間的評価の恩恵から隔絶された人生を覚悟した人なのかが痛切に伝わってくる。パイプオルガンとはまた違った、バンドネオンならではの息遣いが充満した本物の求道者の演奏だ。

(第14章 アウトローたちのバンドネオン - アレハンドロ・バルレッタ)

 

世間的評価の恩恵から隔絶された人生を覚悟した、求道者。心に鋭く重く響いた。

 

 

続いて、

 

桑田佳祐『ポップス歌手の耐えられない軽さ』

 

 

桑田佳祐の本。

『週刊文春』 2020年1月16日号から 2021年5月6・13日合併号まで連載された「ポップス歌手の耐えられない軽さ」に加筆・修正したもの。

 

その中の「出でよ!! 色っぽい歌姫」の回は、こんな出だしではじまる。

 

 アタクシもこれで日頃、いろんな音楽を聴く方なんだけど、最近注目している事があって。
 それはね、そろそろ日本にも、セクシーな女性歌手出てこないかなぁ……。ってことなんだよね。

 

最近は、あいみょん、米津玄師、サカナクション……男女問わず、品があって頭も良さそうな歌い手たちが人気なのは分かるが……という。

 

倖田來未の「セクシー・クイーン」は良かった! が、それは別にして、“セクシー” といってもエロばかりじゃなく、“匂い立つ” というか、色っぽさみたいなものが滲み出てもイイのにね、と。

 

そこから、「ニッポン最強の歌姫」は誰か?という話になり、美空ひばり、ちあきなおみ、藤圭子、YUKI、大黒摩季、渡辺美里、ユーミン、中島みゆき、吉田美和、Superfly、MISIA、椎名林檎、高橋真梨子、竹内まりや、山本潤子……などなど、書き切れないくらいたくさんの名前が挙げられる。そして、アタシ(桑田さん)が思う「最強のエリート歌姫」は……小柳ルミ子である!!と。

 

その理由が 5つ書かれていて、

 

 彼女を「最強」たらしめる、同じ条件を備えたエンターテイナーは、世界を見渡しても、あのマドンナか、レディー・ガガしかいないだろう(いや、もっといるよね)。

 

そして、こう続くのだ。

 

 そして、この令和の世に、そのルミ子を超えて行って頂きたい歌姫がいる。「あゆ」こと、浜崎あゆみである!!
 最近じゃ、ご自分をモデルにしたテレビドラマで話題だ。出産を経験され、「大人の女」の色気を纏った彼女は、今が最も美しい。ぜひ若い頃にはあり得なかった、“汚れちまった” ビリー・ホリデイのような歌声をたくさん聴きたいと、アタシは切に願うのだ。

(中略)
 彼女が今、自分の起伏(スキャンダル)に富んだ人生を背負い、虚飾を取り去り、切々朗々と歌い上げたら、先に名前を挙げた偉大で色気たっぷりの歌手の方々に、絶対負けない存在感を放ち、パフォーマンスが出来ると信じている。
 浜崎、あーゆーれーでぃー??(ごめんちゃい)

 

あゆはこのこと知ってるかなぁ。桑田さん大好きなあゆ。Mフェアで桑田佳祐の「東京」を歌っていたよね。

「今が最も美しい」という桑田さんの言葉が嬉しい。

 

「浜崎あゆみ 色気 だだ漏れ」と書いたこの記事でも、私は「今って、ちゃんと色気やってる人なかなか少なくない?」と書いてたんだよなぁ。

→ TA LIMITED LIVE TOUR 2016 (10/19・20)

 

この記事では、あゆのセクシー路線はいつから?という話から、あゆと色気の関係について書いている。

→ 引き裂かれた魂、からの、官能性

 
 

最近読んだ “よっちゃん” こと野村義男のインタビューにも、あゆについての嬉しい言葉があったので書いておきたい。

 

 

「彼女のプライベートはまるでわからないけど、はじめて会ったときから声質の説得力は飛びぬけていると感じました。あと、根性というか肝のすわり方も人並外れているんです。不思議なことにライブのMCとかは天然で、同じことを何度も言ったりしてお世辞にも上手とは言えません(笑)。でもね、曲の中で歌われるあの声はすさまじい説得力があります。すばらしい才能ですよね」

 

 

さて、

 

あゆの「みんなのうた」デビューを知ったとき、私はあれがあれじゃないかと思ってると書いたことを覚えてくれてる方はいらっしゃいますか? その「あれ」というのは、2024年度後期朝ドラ『おむすび』のことだったんです! 阪神の「アレ」のように、あえて「あれ」って書いてたんですね。だって、これですよ?

 

 

平成、ギャル、福岡、仲里依紗、、、、、、

 

あゆ要素満載じゃないですか!

 

しかも、仲里依紗さん演じる “伝説のギャル” の役名、米田歩(よねだ・あゆみ)。“あゆみ” ですよ!?

 

これはあゆ初の朝ドラ主題歌か?と思われましたが(勝手に)、主題歌は B'z だそうです!(あゆって、あゆじゃなくてもかもだが、あまりにピッタリ過ぎたり予想できたりすると違うってこと、ありますよね?)

 

でもね、安室奈美恵さんに憧れた “コギャル世代”、米田歩(よねだ・あゆみ)。

 

これはもはや、あゆ出演してると言えるんじゃないでしょうか? なーんて。

宇多田ヒカル SCIENCE FICTION TOUR 2024
2024年7月24日(水) さいたまスーパーアリーナ

 

 

「宇多田ヒカルのライブ行くよ!」と友達に言ったら、「え? 意外!」と言われた。

 

どうだろう。あゆが好きっていうのも驚かれたことあるけど。でも、思ったのは、「宇多田ヒカルが好きそうな人」ってよくわからない気がする。ライブにどういう人が来そうというのがあまりイメージわかないというか。ファンのイメージっていうのが浮かばない。それってすごいことなんじゃないか、そこに宇多田ヒカルのすごさがあるんじゃないかとか思いながら。

 

「そう? 結構ね、曲が好きなんだよ」とか友達には答えてみたけど、はじめてライブに行って思った。

 

私、こんなに宇多田ヒカルの曲が好きだったのか!

 

私は自分が思ってたよりずっと、宇多田ヒカルの曲が好きだったみたい。心の深い部分に入り込んでくるんだよな~、曲が。

 

いやもう、1曲ごとに溜め息。

 

あの曲もあの曲も聴けちゃって、昇天か!

 

あの声を生で聴けたよ~!と叫び出したい気分であった。

 

ライブは撮影OKだった。

 

なんて言うんだろう、宇宙から来た人、未来から来た人に大丈夫だよと言われてるような。いや、大丈夫かどうかはわからないけど、宇宙から来た人、未来から来た人に出会えるような感覚。それはどういうことかというと、「何色でもない花」で歌われてるように “そんなに遠くない未来 僕らはもうここにいない” のかも知れないけど、会えるはずのない未来の人に会えるような、会えると思えるような感覚というか。

 

100年後には消えてしまうかも知れないけど、時を飛び越えて、100年後も会えるんだと思えるような。そのために、未来から会いに来てくれてるような。

 

それでいながら、まず思ったのは、

 

宇多田ヒカルは、人間だった!

 

宇宙から来たのでもなく、未来から来たのでもなく、私たちと同じ今を生きる人間。決して完璧ではない、感情の揺れもある、生身の人間。どうしても天才!とか思っちゃってたけど、生の歌声を聴いて、宇多田ヒカルも人間なんだ~!って思った。

 

音楽では、時空を超えるような、未来とつながれるような音楽を聴かせてくれるのに、MC になると、「いってみよう!」とか、シロ○トか!みたいな感じで(笑)、それが可愛くて、天然で。でも曲がはじまると、あの宇多田ヒカルで。なんだけど、感情の揺れもある生身の歌声で。

 

ヒカルちゃん、笑ってる? 楽しそうに歌ってるのが伝わってきて嬉しいシーンあったよ。

 

途中、衣装を替えてきて、「派手な衣装に替えてきました」って言ってたんだけど、あゆを観てる私は「ぜんぜん派手じゃないよ!」とか思ってしまった(笑)。

 

そうだなぁ。あゆでは味わえない幸福感があったかも。もちろん、あゆのライブでは宇多田ヒカルでは味わえない幸福感があるのだけど。

 

宇多田ヒカルは、宇宙や未来から会いに来てくれる、あるいは、宇宙や未来に一緒に飛べる恍惚?

浜崎あゆみは、一緒に地球にいて、共に未来に向かっていく感じ?

 

自分の 25周年を祝うんじゃなくて、みんなの 25周年を一緒に祝いたいというようなことを言ってて、あゆと同じこと言ってるって思った。

 

ヒカルちゃん、25周年おめでとう!

 

そしてライブ後、すっごいことに気がついた。バンドメンバーにハリー・ブロードベントいた! いや、ちゃんとメンバー紹介してくれたんだけど、まさかいるとは思ってなかったから、気づかずにただ聞いてた。ハリー・ブロードベントって、元クーラ・シェイカーのハリーだよ! 私、ハリーがいたときのクーラ・シェイカー観てるし、サインももらってるよ! → SHOWER YOUR LOVE

 

ハリーのインスタ参照

https://www.instagram.com/p/C-AX6a2St4k/

https://www.instagram.com/p/C_fgqnWNYk7/

 

私が宇多田ヒカルのライブ行くの意外って言われたけど、なんだ、つながってるじゃん!

 

 

ヒカルちゃんが撮影したこの写真&動画(のどこか)に私写ってるんだ。特に動画、ヒカルちゃんの声も入ってて、泣いちゃう。

 

これを撮影してるとき、私も撮ったの!

 

ステージから客席の方向。

 

客席からステージの方向。

 

宇多田ヒカルを愛称で呼ぶなら「ヒッキー」と私言ってたと思うけど、なんかこのライブを観て「ヒカルちゃん」と呼びたくなったのでそう書いてます。

 

セットリスト <さいたまスーパーアリーナ>

 

01. time will tell
02. Letters
03. Wait & See ~リスク~
04. In My Room
05. 光 (Re-Recording)
06. For You ~ DISTANCE (m-flo remix)
07. traveling (Re-Recording)
08. First Love
09. Beautiful World
10. COLORS
11. ぼくはくま
12. Keep Tryin'
13. Kiss & Cry
14. 誰かの願いが叶うころ

15. BADモード
16. あなた
17. 花束を君に
18. 何色でもない花
19. One Last Kiss
20. 君に夢中

21. Electricity
22. Automatic

 

宇多田ヒカルがライブでいつも何歌うかとか知らないんだけど、「Wait & See ~リスク~」が聴けると思ってなかったぁ。「traveling」で “とら~べりんぐ♪” ってところお客さんにマイク向けてた。遂に本人の「First Love」。まさか「ぼくはくま」が聴けるとは。私が最近見てる猫の動画で、ずんぐりむっくりしてるってことで「ぼくはくま」を BGM にしてるのがあって、すごく可愛くて、その猫を思い出してぐっときてしまった。「誰かの願いが叶うころ」響いた。アルバム『ULTRA BLUE』好き。

「あなた」「花束を君に」「何色でもない花」…たまらない。“初めてのルーブルは なんてことはなかったわ♪” 最近の曲は大人っぽくてシリアスな雰囲気感じてたけど、楽しいね。

アンコール。最新曲「Electricity」の “エ、エ、エ、エ、レ、エ、エ、エ、クトゥリィイ、シティイ” も楽しい。そして、デビュー曲の「Automatic」。

 

 

「HIKARU UTADA SCIENCE FICTION TOUR 2024」after movie

 

 

<ライブレポートいくつか>

 

宇多田ヒカル、夢と現実の狭間に灯す美しい光 25年分の“変化”を辿ったツアー『SCIENCE FICTION』
https://realsound.jp/2024/09/post-1775704.html


宇多田ヒカルが自身とファンの25年間を祝った、至福のコンサート。
https://madamefigaro.jp/series/music-sketch/240905-hikaru-utada.html


宇多田ヒカル 約6年ぶりツアー【SCIENCE FICTION TOUR】で肯定した、“わたし”と“みんな”が歩んだ25年
https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/141312

 

『SCIENCE FICTION』とは、宇多田ヒカルそのものだ──デビュー25周年ツアーをつやちゃんが総括
https://rollingstonejapan.com/articles/detail/41538

まだ 7月の話を書いてて、もどかしいですが。

 

チャラン・ポ・ランタン

結成15周年記念公演「RANTAN-CIRCUS~とおまわりしつつ、とおあまりいつつ~」
2024年7月21日(日) Club eX

 

 

チャラン・ポ・ランタンの「RANTAN-CIRCUS」。

 

感動しっぱなしだった。

 

具体的で、より詳しいライブレポートはこちらで。写真 45枚!

 

姉妹で歩み続けた15年の集大成、チャラン・ポ・ランタン流のサーカスが終幕
https://natalie.mu/music/news/583451

 

サーカスと名の付く通り、入ると 360度の円形ステージで、まさにサーカステント。

 

↑こんな感じ。

 

装飾やら何やら、すべてが可愛くて、愛おしくて、外にも「壊れたミニアコーディオンを使ったオブジェ」とか「はろり神」とか。はろり神とは?笑 写真はこちら

 

しばらくすると、パトロンの CM が流れはじめた!

 

今回パトロン(名付けてポパトロン?ポトロン?)を募集して、チャラン・ポ・ランタンが CM ソングを作ったのだ!

 

何、この楽しい空間。

 

5月のブタ音楽祭のときも思ったけど、こういう隅から隅まで楽しい空間を作るのが本当にうまいというか、才能とセンスのかたまり。

 

今回の出演者は、チャラン・ポ・ランタンの二人の他に、

 

ふーちん(ドラム)
さくらん(ベース)
岡村“オカピ”トモ子(テナーサックス)
山本茉莉奈(クラリネット)
織田祐亮(トランペット)

長谷川愛実(エアリアル)
Coppelia Circus(ダンサー)
Juggler Laby(ジャグリング&バランスラダー)
SUKE3&SYU(アクロバット)
ゼロコ(パントマイムコメディ)

 

7月19日~21日の 3日間で 4公演。私は 21日のマチネ、最終公演に行った。

 

観た後、もう一回観たい!何度でも観たい!と思ったけど、一度きりの宝物を抱きしめる。

 

ゼロコって、無音でパフォーマンスするんだよね? ライブでどうなの? と思ってたら、チャラン・ポ・ランタンの歴史を体現するパフォーマンスで、無言で雄弁な語り部! 「え?」とか「あ!」だけでいろんなことを語れちゃうのに感動。

 

それもあって、チャラン・ポ・ランタンと自分の歴史に思いを馳せた。

 

はじめてチャラン・ポ・ランタンのライブを、まだよく知らないのに衝動のままに、キネマ倶楽部でのワンマンを、観に行ったこと。

 

円形ステージで、青山円形劇場でガレージシャンソンショーとのライブを観に行ったことも思い出した。

 

チャランポがきっかけで大道芸を観に行き、SUKE3&SYU を観て、あゆ一座でもパフォーマンスしてる二人だあ!と嬉しくなり。

 

メジャーデビューが決まって「ええ!エイベックス!?」と驚いた日のこと。「忘れかけてた物語」を聴くと、そのころのことを思い出してしまう。「忘れかけてた物語」を歌い続けてくれて嬉しい。

 

「脱走」が聴けて嬉しかった。ちょうどこの曲がリリースされたころ、会社を辞めて、私のテーマソングだった。

 

そして、「無神経な女」。

このライブの数日後に親知らずを抜くことになってる中、聴く「無神経な女」は痺れた。小春さんに「虫歯!」と指さされて本望です。親知らずに生まれてきた意味をありがとう(笑)。

数日後、親知らずは無事に抜かれていきました。

 

チャラン・ポ・ランタンで一番共感を集めてるという(?)、涙なしには聴けないこの曲をどうぞ。

 

他にも「ワーカホリック」とか、よくぞこういう曲を作ってくれた!という魂の叫びを歌にしてくれて、ほんと、助かってるよチャラン・ポ・ランタン。

「ワーカホリック」かっこ良かったなぁ。さくらんちゃんのベース!

 

「メビウスの行き止まり」での SUKE3&SYU のパフォーマンス。息を切らす SUKEさんにぐっときた。

 

「人生のパレード」は東日本大震災、「空が晴れたら」はコロナ禍(緊急事態宣言)のときの歌。

続けて聴くことで、人々の暮らしを思う。

 

「ほしいもの」(名曲!)は、いつ聴いても涙を誘う。

 

が、そこで品川水族館にも負けないキラキラの衣装に着替えてきたももちゃんで涙が乾く(笑)。

 

今回大きかったのは、ひさしぶりに至近距離で観ることができたこと。アイコンタクト可能な距離で観る実体験。ステージと客席ではなく、チャラン・ポ・ランタンの二人から直接手渡しで受け取る感覚。

 

これは私の席が近かったのもあると思うけど、きっと、どの席からでもこの感覚があったんじゃないかな。ライブ後、「ようやく肉眼で見える状態に持って来れた感じがあって」と小春さんが投稿していて、小春さんが言ってる話とは違うかも知れないけど、「肉眼で見えた」という感覚が確かにあった。

チャラン・ポ・ランタンの描くサーカスが、漠然とした夢物語ではなくて、肉眼で見て手で触れられるものとして浮かび上がってきた。

 

そして、そしてそして、遂に聴けた、「Oppai Boogie」!!!

 

もういつぶりに聴いた? わからないけど、前はライブで毎回と言っていいほど歌って盛り上がったの。それが、いつからかやらなくなって。でもそれは、盛り上がる曲が他にもたくさん生まれてるし、チャラン・ポ・ランタンも進んでるわけだから、そうだよなと言い聞かせていた。が、ときどきは聴きたい、オッパイブギ…。

 

それをやったんだよー! イェイイェイイェーイ!

 

これも Coppelia Circus のおかげだよね。とってもかっこ良かったし、ハッピーなオーラを感じた。

 

「進め、たまに逃げても」、フルで聴けた。

ライブでは「ムスタファ」とメドレーで歌うことがほとんどだったから。そうだ、今回カバー曲がなく、全部オリジナル曲だったよね!? これ私が行ったチャランポのライブでは初では?

 

「進め、ために逃げても」の、“いってきます” ~ “いってらっしゃい”、“ただいま” ~ “おかえりなさい” のももちゃんと小春さんのかけ合いが好きで、二人が向き合って歌うのが、綺麗で、美しくて。

 

円形劇場で、ステージも回るから、みんなでメリーゴーランドを回ってるようだった。

 

二人が向き合って歌うとき、ももちゃんの背中越しに小春さんが見え、小春さんの背中越しにももちゃんが見える。

 

そのとき私も「何か」に向き合っていた。その「何か」が「チャラン・ポ・ランタン」なんだって思った。

 

そして、すべてがここに集まってくるような、「内緒の唄」の全員の行進、ゾクゾクするくらいかっこ良かった。

 

旗を持って勇ましく行進する SUKE3&SYU を見てると、どうしても思い出してしまう。二人がいたときの浜崎あゆみ一座を。

 

ランタンサーカスを見た友達が「日本でこういうライブやってる人いないよね」と言うので、その気持ちもわかるのだけど、浜崎あゆみもやってるんだよ!と叫びたくなる。好き嫌いはともかく、日本でこういうライブをやってる人がいること、もっと知られて欲しい! 浜崎あゆみの名前は知られてるだろうけど、ライブの様子も少しは知られてるかもだけど、やってることを!

チャランポラーにも伝わって欲しい!

 

浜崎あゆみがシルクドソレイユ風のコンサートを実施。超本格的なパフォーマンスにビックリしました。
https://shoichikasuo.com/entry/AyumiHamazaki_cirque
「一流を使っても、本気じゃなければ活かせない。浜崎あゆみさんのコンサートはどのシーンも本気なんですよ」


浜崎あゆみ 命綱なしで宙へ! 聖地で創造した最高峰の総合芸術「どれだけ愛せるかなんだよ」涙の熱唱も
https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/39841

「まるでシルク・ドゥ・ソレイユが江戸時代にタイムスリップしたかのような衝撃的過ぎる、これぞ百花繚乱な世界観を構築」

 

お金かけてるとか、それだけじゃできない。

 

この日も、お金は情熱で動くこと、チャラン・ポ・ランタンに教えられた。