カウンセリングを習うとき

「アドバイスをしない」と聞くことが多いようです。

 



私も、最初は

そのように教えてもらった記憶があります。

 

 


でも、実際に臨床経験を積んでみて思うのは

 

アドバイスは

するときもあればしないときもある。

ケースバイケースである。

 

ということ。

 

 


 

 


アドバイスをしない=良いカウンセリングではない


 

むしろ、「アドバイスをしていない」ことを

良いカウンセリングの条件だとしていたり

 

「アドバイスする」ことを

禁じ手のように位置づけているなら

 

ちょっと注意したほうがいいのではないかな・・

と思っています。

 

 


アドバイスすることが良い悪い、

アドバイスするカウンセラーは良い悪い、という議論は

全く意味がありません。

 

 


来てくださったクライアント様に全集中して

その時間をその方のために提供する、

その方の人生に一瞬でも思いやりをもって共にいる、

 

ということから

ずれてしまうからです。

 


 

クライアント様はそれぞれに

置かれている状況も悩みも違います。

 

こうしていればOK、

こうするのはNG、と

安易に捉えることは良いカウンセリングにはなりません。

 


アドバイスが必要な場面は

あると思っています。


 


 

 



ただし、アドバイスの仕方には

注意を払う必要があります。

 


どんな状況に対しても、

「打開策が唯一これしかない」

ということはありえないし

 

「カウンセラーの提示する方法がいつも正しく、

クライアントはそれを受け入れなければならない」

という関係性に追い込むのは間違っています。

 

 

 

カウンセリングにおける効果的なアドバイスの条件


 

①クライアントがアドバイスを聞きたいと思っていること

これが第一条件だと思います。

 


頭の中に何らかのアドバイスが浮かび、

これはきっとクライアント様の役に立つんじゃないかなぁ、と

感じていても

 

直球でその場に出すのは少し我慢。

 

 


まずは、

「今、役に立ちそうなことで、

お伝えしてみたくなっていることがありますが・・

どうでしょうか、聞いてみたいですか?」

という確認から入ることが大切ですキラキラ

 

 


いつも同じフレーズではありませんが、

私はこのステップは飛ばさないようにしています。

 

 


 

 


②他にも選択肢はあるというニュアンスを忘れない

 

「いろいろ考えられる方法のひとつとして」

「他にもいい方法はあると思いますが、今思いつくものとして」

「私が関わってきた中での話ですが、こう感じています」

などなど

 

これが唯一絶対で、他の方法よりも優れている、という

提示の仕方は私はしません。

 

 


クライアント様のほうが良い方法を知っていることもあるし

これから伝える方法はすでに試したことがあって

効果を感じられなかったという歴史があるかもしれない。

 

 


もしくは、すごく良い方法だし実践できたらいいいけれど

どうしても条件的に無理、ということも

あるかもしれません。

 

 


これが絶対にいい、

この方法でなければ状況を変えられない、

これさえ実践すれば楽になれる、

 

そのような提示の仕方は

それができないとき

やったけどうまくいかなかったときに

絶望しか生みません。

 

 


それに、世の中いろんな考え方があり

どんなことがきっかけとなって状況が変わるかなんて

わからないものです。

 

 


いろんな選択肢の中のひとつとして提示する、

その少しのスペースというか身動きのとれる感じを

大切にしたいと思っています。

 

 


 

 


③クライアントの好みを確認する

 

アドバイスしたら、クライアント様がどう受け取ったか

確認することも忘れてはいけないと

思っています。

 


「聴いてみて、どうでしょうか?」

「実践するとしたら、どんな感じがしますか?」

「やってみようという感じなのか、ちょっと難しいなという感じかといったら、

どちらが近いでしょうか?」

 

というフレーズをよく私は使います。

 

 


言いっぱなしで「いいこと言った!!」と

満足してしまうのが最悪のパターンで

 

このパターンが多いから「アドバイスはするな」という

教えにつながるのではないかと感じています。

 

 


相手がどう受け取ったか、は

コミュニケーションにおいてはとても大切な要素ですよね。

 

カウンセリングの場で

カウンセラーという(強い)立場に置かれているからといって

このステップをサボってはいけないんですよ~ニコニコ
 


 

ここでちゃんと時間をとって話し合わないと

クライアントさんというのは、

往々にしてカウンセラーに話を合わせてくれてしまいます。

 

「そうですね。やってみます。(無理だろ・・)」

「ありがとうございます。(もうやったことある)」

「ああ・・・はい・・(微妙・・)」

みたいなことになり

 

せっかく時間とお金をかけてカウンセリングを受けたのに

なんの役にも立たなかった、と

なってしまうのですよね。

 

 

これではあまりに残念です。

 

 

 

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アドバイスは、丁寧に相手の様子に合わせながら

「その場にそっと置く」ことができれば

とても喜ばれますよ!

 

 


 

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大阪で公立小学校・中学校でスクールカウンセラーをしています。

息子は3人とも不登校経験あり、フリースクール・通信制高校に通ってます。

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