依存症は、
「否認の病気」と言われます。
依存症の患者さんは、
必ずと言っていいほど、
自分は依存症じゃない!
辞めようと思えばいつでも辞められる!
というセリフを仰います。
このような状態の患者さんに対しては
ほんとうは本人もちゃんと分かっていて、
でもどうしても自分と向き合うことができなくて、
依存症を認めるわけにいかない。
否認するしかない。
という葛藤に寄り添うことが大切です。
もっと踏み込んだ言い方をすれば、
依存を辞めさせたければ、
辞めさせようとしない
というのが鉄則なんです。
どういうことかというと、
例えばアルコールであれば、
とにかくアルコールの話には触れない。
アルコールを辞めさせようとして、
あなたに関わっているのではない
という立場を徹底します。
じゃあどんな話をするかというと、
なんでもない、たわいもない話です。
その方の好きな話題、
興味のあることにチャンネルを合わせ、
こちらからの話題としてはそれしか出しません。
アルコールであれば、
直接問いたださなくとも、
部屋にある缶のごみをさりげなくチラ見すれば
どれくらい飲んでいるかは推測できますし、
そもそもお会いするタイミングで酔っていたり、
お酒の匂いがしたりすることもあります。
そういう情報はしっかりとキャッチしながら
気にしていないふりをして、
関係を築いていきます。
依存症の方は、まわりの人から
「いいかげんにやめろ」
「やめたほうがいい」
「なんでやめられないの?」
などと言われてきている方が多いので、
最初はなかなか心を開いてくれませんが、
辛抱強く
「辞めさせるために関わっているのではない」
という態度を徹底すると
少しづつ心の武装が解けていきます。
そして、
「実はさ、やめられないんだよ」
「やめようとして、失敗したんだ」
「つい、やっちゃうんだ」
というような一言が出てくれば、
もう依存症のケアは半分くらい成功しています。
「やめたいけれどやめられない」という
葛藤を分かってくれる人
というポジションにつくことができれば、
つらさ・苦しさを共有できる存在になります。
すると、依存症は回復に向かい始めるんですよね![ニコニコ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char4/590.png)
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つらさ・苦しさを共有できると回復に向かう。
それはなぜでしょうか。
ほんとうは、カッコよく、立派に生きたい。【依存症】でも書いたように
依存症の方は、自分の根底を揺るがすような不安を抱えていて、
それゆえに依存症という状況に陥っています。
誰にも受け入れてもらえない。
本当の自分が分からない。
自分には価値がない。
そういう思いを抱え、
人としての土台の部分が、
底なし沼のようにドロドロしている状態です。
立ちたくても立てないのです。
無理に立てば、
飲み込まれて息ができなくなる。
そんなふうに想像してみてください。
すごく怖いですよね。
「辞めたいけど辞められない」
という葛藤を理解してもらえたとき、
こんな自分を受け入れてくれた。
こんな自分を理解してくれた。
こんな自分に価値を見出してくれる人がいる。
という思いが出てきます。
すると、
底なし沼に、足場ができるんです。
だから、依存症は回復に向かうんですね![ニコニコ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char4/590.png)
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