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文書名 擬似資本について 
文書番号 0058
作成日 2013/09/04
ジャンル 中小企業経営

Ⅰ 事例
  借入金は返済することが前提だが、日本における中小企業金融の特徴として、借換等により 借入金の返済が実質的にはなされていないケースが多い。その借入金は実質的にその中小企業の資本金とみなすこととする場合が適切だ。
このような借入金を経営分析の用語でいうと 擬似資本という。しかし、資本金と違ってまずい点は銀行の環境次第で、生殺与奪の権限を銀行に与えてしまうことだ。この場合、優良企業でも銀行の経営状況が悪くなれば、全額の返済を求められてしまうことがある。
 長期の借入金は期限の利益があるので、一括返済を銀行がもとめにくいことがある。しかし、短期借入金については、期日がきたら、従来更新して期日を伸ばしていた案件について、銀行側から更新はしない、一括返済してくれと 求められるケースがある。
 長期借入金を短期借入金に切替をしてほしいと 銀行に要請されたら、慎重にするべきだ。この場合、期限の利益がなくなってしまうことになる。しかも、銀行はその時の法的な意味については、説明しない。つまり、期限の利益があれば法的にやっかいだが、短期借入金に契約を変更できれば、ややこしい手続きなしに、取り立てることができる。

ちゃんと 説明しない銀行は問題があるが、そのような借換を迫られる企業も問題があるのだ。しかし、銀行の批判が本稿の目的ではない。日本の企業においては、借入金は中小企業にとって 資本金に等しいということの レクチャーをしたかったのだ。

この資本金に等しい銀行からの借入金を擬似資本という。

  

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文書名 事業を廃止した場合の必要経費の特例について
文書番号 0057
作成日 2013/09/04
ジャンル 所得税

Ⅰ 事例
① 物品販売業を営んでいた個人事業者甲氏は、前年度において事業を廃止した。廃業時に得意先A株式会社に対する売掛金200万円があったが、今年になってA社が倒産し売掛金の回収が不可能であることが判明した。
  この場合、甲氏の所得税の取扱いは?

Ⅱ 取扱い
① 甲氏は前年に事業を廃止しているので、原則的には本年度に生じた貸倒れ損失は、なんら考慮されない。
② しかし、事業を廃止した場合の必要経費の特例により、貸倒れた売掛金の損失の金額はさかのぼって前年又は前々年の必要経費にすることができる。この場合には、更正の請求をすることが必要になる。

Ⅲ 根拠
[1] 事業を廃止した場合の必要経費の特例
  居住者が不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業を廃止した後において、その事業に係る費用又は損失で、その事業を廃止しなかったとしたならばその者のその年分以後の各年分のこれらの所得の金額の計算上必要経費に算入されるべき金額が生じた場合には、その金額は、一定の順序により、その者のその廃止をした日の属する年分又はその前年分のこれらの所得の金額の計算上、これらの年分の所得の金額を限度として、必要経費に算入する。

[2] 更正の請求
  確定申告書を提出し、又は決定を受けた居住者は、その申告書又は決定に係る年分の所得税につき、[1]の事実が生じたときは、その事実が生じた日の翌日から2月以内に限り、税務署長に対し、更正の請求をすることができる。

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文書名 人材派遣、モデル、マネキンの税務
文書番号 0056
作成日 2013/09/04
ジャンル 消費税、所得税

Ⅰ 事例
A社が支払った経費で、次の各場合についての取扱いはどうなるか。

① 親会社から出向で受け入れた社員に対する給与負担額を、親会社に対して経営指導料として支払った場合。経営指導料には出向社員に対する通勤手当相当額も含まれている。
② 人材派遣会社と契約して人材派遣を受けて、人材派遣会社に支払った人材派遣量。なお派遣料の計算根拠はA社の給与規定をベースにしている。
③ A社のホームページに掲載する女子社員の写真に使うために、女性モデルに依頼してモデル報酬を支払った。
④ A社の商品の販売促進のために、スーパーマーケットにマネキンを派遣した。マネキン紹介所に紹介料を支払っている。

Ⅱ 取扱い
① 出向契約に基づき経営指導料の名目で支払う経営指導料は給与に該当するので、消費税法上は不課税となる。ただし、通勤手当相当分は、課税仕入れとなる。

② 人材派遣契約に基づく人材派遣料は、その計算が給与に基づくものであっても、消費税法上は課税仕入れとなる。

③ モデル報酬は、事業所得又は雑所得に該当し源泉徴収義務がある。給与に該当しないことから、消費税法上は課税仕入れとなる。

④ マネキン紹介料は、所得税法上は給与に該当し源泉徴収の義務がある。消費税法上は給与なので、不課税取引となる。

Ⅲ 根拠
[1] 課税仕入れの意義
  課税仕入れの意義において、役務の提供については給与を対価とする役務提供は除かれているところから、不課税取引となる。

[2] 出向先が負担する給与負担金   消費税法基本通達5-5-10
  出向先が自己の負担すべき給与に相当する金額を出向元に支出したときは、当該金額は給与として取り扱う。なお、経営指導料等の名目で支出した場合も同様に取り扱う。

[4] 労動者派遣に係る派遣料   消費税法基本通達5-5-11
  労働派遣契約に基づく労働は検量は、資産の譲渡等の対価に該当する。

[5] モデル等の報酬料金の源泉徴収  所得税法204条1項4号
   ファッションモデル等に支払う報酬については、100万円以下の部分は10%、超える部分については20%の源泉徴収を要する。
  つまり、給与等の源泉徴収ではないので給与所得に該当しない。

[6] マネキンが支払を受ける対価   所得税法基本通達 204-21
  モデルやマネキンのうち、デパート等で常時役務提供を行い、その勤務形態がデパート等の職員に類似しているものについては、給与等として源泉徴収しても差し支えない。
  なおマネキン紹介所を経由してマネキン本人に支払われる場合にも、源泉徴収が必要となる。

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文書名 たまたま土地を売却した場合の消費税について
文書番号 0055
作成日 2013/09/04
ジャンル 消費税

Ⅰ 事例
① A社は課税製品を扱う物品販売業である。各年の課税売上割合は95%を超えている。仕入に係る消費税については、毎年全額控除している。
② 本年、駐車場として使用していた土地をたまたま売却した。土地の譲渡は非課税なので、課税売上割合が50%を下回ることとなった。
③ その結果、控除対象仕入税額の全額控除ができなくなり、納付すべき消費税額が各年と比較して増加することになった。

この場合の消費税における救済措置はあるか。

Ⅱ 取扱い
① 課税売上割合に準ずる割合の承認申請書を納税地の所轄税務署長に提出し、その承認を受けることにより次の割合のいずれか低い方の割合で計算することができる。
  (イ) 直前以前3年間の課税売上割合の平均
  (ロ) 直前の年度の課税売上割合
Ⅲ 根拠
[1] 課税売上割合に準ずる割合 消費税法30③
(1) 内容
   課税売上割合に準ずる割合として、次の要件を満たすものがあるときは、その承認を受けた日の属する課税期間以後の課税期間の個別対応方式の計算については、課税売上割合に替えてその割合を用いて計算する。
(イ) その割合がその事業者の営む事業の種類又は費用の種類に応じて合理的に算定されたものであること。
(ロ) 納税地の所轄税務署長の承認を受けたものであること。

(2) 承認の申請
  この容認を受けようとする事業者は、課税売上割合に準ずる割合の適用承認申請書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。

(3) 承認または却下
  税務署長は、その申請が相当でないと認めるときはその申請を却下する。その申請につき承認又は却下の処分をするときは、書面によりその旨を通知する。

[2] たまたま土地等の譲渡があった場合の課税売上割合に準ずる割合の承認  質疑応答事例より
  土地の譲渡が単発のものであり、かつ、当該土地の譲渡がなかったとした場合には、事業の実態に変動がないと認められる場合に限り、上記 (イ)(ロ)の割合のいずれか低い割合により課税売上割合に準ずる場合の承認を与えることとしてさしつかえないこととします。・・・・

Ⅳ 所感
  課税売上割合に準ずる割合もこのような活用方法があったのですね。なお、適用を受けることができるのは承認を受けた日の属する課税期間からとなるので、提出日を誤ると損害賠償請求ということも考えられるので要注意です。
  土地の譲渡があれば、決算を待たずに即日課税売上割合に準ずる割合の承認申請書の提出を検討しましょう。決算までのんびりと待っていると、その年度から適用を受けることができなくなります。

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文書名 在庫に関する経営戦略
文書番号 0053
作成日 2013/09/02
ジャンル 財務会計

Ⅰ 事例
① 在庫は、すぐに売れるものと売れずに滞留しているものを明確に分類しよう。すぐに売れる在庫は、不足すると売上に影響する。売れない在庫は死に金と同じだ。

在庫削減のマスターブラン

まず第Ⅰ段階として、死に筋と売れ筋の在庫を1品目単位でグルーピングすることだ。この場合、主観的な判断ではなく、商品回転率を計算すること。 商品回転率は 在庫の金額 ÷ 年間の売上高 ×365日で 計算できる。
これを 商品グループごとに 細かく算出して ランキングすべきだ。また、率だけではなく 量にも注目する必要がある。

第Ⅱ段階は、売れ筋と死に筋の分析になる。なぜ売れ筋なのか、なぜ死に筋になってしまったのか。そこを明確にしないと改善策は出ない。例えば季節商品で売れ残ったから死に筋になったと仮定する。なぜ、今年だけ売れ残こったのか、近隣に大規模店鋪が出店したのか。もしそうならが、その大規模店鋪の売場に毎日 観察しにいくことが必要だ。孫氏 曰く、「敵を知り己をしれば 百戦百勝危うからず」 

そのような研究と考察を毎日繰り返していると、かならず見えてくるものがある。この大規模店鋪は、ここが不足しているな、あるいは 顧客はこういうことに不満を抱いているかもしれない。その ニッチなスキマにこそ、チャンスが存在する。

  中小企業の多くは、このような調査して戦略を立てる人材が乏しい場合が多い。自社内の欠落する経営資源を補う方法としては、いまは 公的なサポートも多い。また、会計事務所や取引銀行と懇意になって アドバイスを求めることも有効だ。

Ⅱ あとがき
  在庫がキャッシュ・フローを圧迫するという記事を書こうとした。多くの経営分析の書籍では、在庫を圧縮して資金回収することとしか 書かれていない。だれも 好き好んで在庫を抱えてる商売人はいない。
  在庫が売れれば資金繰りは楽になる。そんなこと だれでも分かる。重要なのは在庫を減らすためにはどうすれば良いかをアドバイスすることだ。難しい問題ではあるが、小規模の店鋪を想定してアドバイスを考えてみた。
  その一方で小規模店鋪の経営者も改善すべき事項がある。キチンと在庫を把握していないことだ。「どんぶり勘定」では改善できない。 


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文書名 現物給与の課税関係
文書番号 0052
作成日 2013/09/02
ジャンル 法人税、所得税、消費税

Ⅰ 事例
① 自動車販売会社であるA株式会社が、その役員である甲氏に販売している車両を、譲渡した。その内容は次のとおりである。 消費税の課税関係は?
譲渡の内容
  通常の販売価格   200万円
  仕入価格       120万円
  甲氏への売却金額 80万円

Ⅱ 取扱い
① 消費税の取扱い
  通常の販売価格200万円の50%未満で役員に譲渡した場合は、低額譲渡になる。この場合は、甲氏に対して200万で譲渡したものとみなす。従ってA社は、その差額の金額 200万 - 80万 = 120万の売上を計上しなければならない。

☆☆☆ おまけ

② 所得税法の取扱い
  差額の120万円が甲氏に対する現物給与として課税される。

③ 法人税の取扱い
帳簿上では 処分損  仕入れ価格120万円- 売却金額80万円 = 40万円
益金算入  みなし処分益  200万円 - 120万円 = 80万円
損金算入  給与    200万円 - 80万円 = 120万円

Ⅲ 根拠
[1] 低額譲渡    消費税法28①
① 法人が資産をその役員に譲渡した場合において、その対価の額が譲渡時の資産の価額に比し著しく低いときは、その資産の価額を対価の額とみなす。

② 棚卸資産の場合は、次の要件のいずれかに該当するとき低額譲渡に該当しない。  消費税法基本通達10-1-2
  (イ) 仕入価額以上であること。
  (ロ) 売価の50%以上であること。
つまり 仕入金額未満又は売価の50%未満の場合は低額譲渡に該当する。

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本日のトレーニング

スクワットマシン 65kg 10回 × 3セット
本日はバーベルが混んでいたため マシンスクワットをした。
筋トレは丁寧にゆっくりと 効果を感じながらやることが肝要だ。

ランニング 小雨の大泉緑地 3km走る。時々パラパラと小雨がふったが 全然気にならない。
ランニングコースには500mごとにラインがひいてある。1kmと2kmの地点で200mくらいダッシュをすることにしている。

スイミング
アップ 50m  5回
クロール 50m 10回
平泳ぎ⇒クロール 50m  ダッシュ
ダウン 50m 1回

本日も時間不足につき、半分のメニューとする。



文書名 社外取締役等の考察 会社法の改正
文書番号 0051
作成日 2013/09/02
ジャンル 経営法務

Ⅰ 事例
  商法改正により、社外取締役、社外監査役の制度が導入された。経営者にしがらみのない人物を取締役や監査役におくことで、独立した立場から意見を述べてもらおうということだ。利益一辺倒の経営に対してブレーキをかける役割を期待されている。例えば敵対的買収がかけられた場合に、現存の取締役は自己の立場保身からどうしても防衛的な立場にたってしまう。現状の経営陣で良いのかどうかの判断を客観的に下すためには、しがらみを断ち切る必要がある。社外取締役、監査役はそのような役割を期待され制度がスタートした。

  そして平成24年どの会社法改正論議で、この社外取締役等の設置義務化が議論されたが、どうやら見送りになったようだ。経団連などから反対の声が強かったとのことだ。

  確かにここ数年で起こった経営者一族が関わったことによる不祥事、損失隠し、会社財産の私的流用などの事件をみるかぎり、特にワンマンオーナー企業に対しては外部取締役などの仕組みが必要であるとも思う。

  しかし、しがらみのない関係というところが難しいと思う。取締役に推挙されるひとは二種類ある。その会社に何らかの関係があるか、あるいは、学者や有識者など全くズブの素人か。

  社外取締役でございますといって、よく目にするのが、毒にも薬にもならない有識者を並べている場合が多い。
仮にしがらみがなくても、報酬や地位の保証、人間関係などで社外取締役というども経営者のイエスマンになる可能性が高い。

  日本人のメンタリティを鑑みれば、制度は作ったが、魂を入れるのは難しい。

Ⅱ 説明
社外取締役、監査役とは
会社法第二条十五、十六
社外取締役とは株式会社の取締役であって、当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役もしくは執行役又は支配人その他の使用人でなく、かつ、過去に当該株式会社又はその子がイャの業務執行取締役又は支配人その他の使用人となったことがないものをいう。
 社外監査役とは株式会社の監査役であって、過去に当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与もしくは執行役又は支配人その他の使用人になったことのないものをいう。


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文書名 外注費か給与か それが問題だ 消費税
文書番号 0050
作成日 2013/09/01
ジャンル 消費税

Ⅰ 事例
① 建設工事でA社より人的な役務提供(人夫に係るもの)について、外注費を支払った。この場合、消費税法上、人的な役務提供に係る外注費についても課税仕入れとして計上できるか。

Ⅱ 取扱い
① 課税仕入れとなる。

Ⅲ 根拠

[1] 課税仕入れの意義
  事業者が事業として他の者から、資産を譲り受け、借り受け、又は役務の提供(所得税法に規定する給与を対価とする役務提供を除く)を受けることをいう。
  その他の者が、その資産を譲り渡し、貸付け、役務提供をしたとした場合に課税資産の譲渡等に該当することとなるものをいう。

  給与を対価とする役務提供は課税仕入れに該当しない。しかし、人夫に給与を支払うのは外注先のA者である。役務提供を受けた当社と、役務提供をしたA社の従業員との間には雇用関係はない。従って、課税仕入れとなる。

[2] 外注費と給与との違いについて 所得税法
① 給与は雇用関係に基づき支払われる。
② 外注費は、その業者について 独立性、代替可能性、指揮命令関係、などにより判断される。

参照 大工・とび職・左官等の受ける所得についての取扱い 法令解釈通達
アドレスは
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kobetsu/shotoku/shinkoku/091217/01.htm

Ⅲ 補足
  人材派遣会社を設立して、そこに自社の従業員を移し外注費として仕入税額控除の適用を受けていた会社が脱税として摘発されている。また、悪質なことに2年ごとに会社を廃止して、また新たに作り、その人材派遣会社自体の消費税も免れていたとのこと。
  この悪質なスキームをアドバイスしたのは、顧問税理士だったとのことだ。



文書名 国外出国者の不動産を賃借したり購入したりする場合
文書番号 0049
作成日 2013/09/01
ジャンル 所得税

Ⅰ 事例
① 内国法人に勤務する甲氏は5年間の海外支店勤務を命ぜられ、前年11月に出国した。

② 乙氏不動産業を営んでいるが、甲氏と友人である。出国した甲氏が住んでいた国内にある居住用家屋を本年1月から賃借することになった。甲氏に対して家賃を支払っている。

③ その後、乙氏はその家屋を甲氏から譲渡してもらうことになった。本年12月末に家屋の購入代金を支払っている。

この場合の所得税の取扱いはどうなるか。

Ⅱ 取扱い

●国内の乙氏の取扱い

① 1年の海外勤務なので甲は非居住者に該当する。故に非居住者の税務が適用される。
② 家屋の賃借料に対して、その支払の際20%の所得税が源泉徴収され、その徴収の日の属する翌月10日までに納付しなければならない。
③ 家屋の購入代金に対しては、10%の所得税が源泉徴収され、その徴収の日の属する翌月10日までに納付しなければならない。
③ なお、上記の源泉徴収については次の場合には課税されない。
自己の居住の用に供する場合の賃借料
自己の居住の用に供するために購入した家屋で譲渡対価が1億円以下

●出国した甲氏の取扱い

  恒久的施設の有無に関わらず、課税関係は次の取り扱いとなる。
① 家屋の賃貸料は不動産所得の収入金額となり総合課税される。
② 家屋の売却は譲渡所得となり、申告分離課税される。
③ 徴収された源泉所得税は確定申告により精算される。

Ⅲ 根拠
[1] 非居住者の定義  所得税法2①
①居住者とは国内に住所を有し、又は、1年以上居所を有する個人をいう。
②非居住者とは、居住者以外の者をいう。

  この場合住所とは生活の本拠をいう。この場合の生活の本拠とは、客観的に生活している場所のことを指し必ずしも住民票の所在地とは一致しない。居所とは、居場所のことをいう。甲氏は、5年間海外勤務を予定しているので、生活の本拠は国外であり、かつ、居所も国外なので、非居住者に該当する。

[2] 源泉徴収義務
① 源泉徴収義務者
(イ)非居住者に対し国内にある不動産の貸付けによる対価の支払をする者はその支払の際所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月10日までにこれを国に納付しなければならない。
(ロ)非居住者に対し国内にある土地等又は建物等の対価の支払をする者は、その支払の際所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月10日までにこれを国に納付しなければならない。

② 源泉徴収税額
徴収して納付すべき所得税の額は、貸付の場合にはその対価の額に対し20/100、譲渡の場合には10/100に相当する所得税額とする。

③ 源泉徴収を要しない場合
  ①(イ)の場合において、その貸付が個人の居住の用に供される場合には源泉徴収は要しない。
  ①(ロ)の場合において、その譲渡が個人の居住用とされる場合であり、かつ、譲渡対価の額が1億円以下の場合には源泉徴収を要しない。

[4] 不動産所得の意義
  不動産所得とは不動産等の貸付に係る所得をいう。不動産所得の金額は、他の所得と合算され課税標準の計算上総所得金額を構成し超過累進税率により課税される。

[5] 譲渡所得の意義  土地建物等の譲渡
  土地建物等の譲渡による所得は、他の所得と区分し、短期譲渡所得又は長期譲渡所得の金額として、比例税率により課税される。この場合において譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額がある場合には、その損失の金額はなかったものとみなす。

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