0049 国外出国者の不動産を賃借したり購入したりする場合 | パピルスから電子文書へ

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文書名 国外出国者の不動産を賃借したり購入したりする場合
文書番号 0049
作成日 2013/09/01
ジャンル 所得税

Ⅰ 事例
① 内国法人に勤務する甲氏は5年間の海外支店勤務を命ぜられ、前年11月に出国した。

② 乙氏不動産業を営んでいるが、甲氏と友人である。出国した甲氏が住んでいた国内にある居住用家屋を本年1月から賃借することになった。甲氏に対して家賃を支払っている。

③ その後、乙氏はその家屋を甲氏から譲渡してもらうことになった。本年12月末に家屋の購入代金を支払っている。

この場合の所得税の取扱いはどうなるか。

Ⅱ 取扱い

●国内の乙氏の取扱い

① 1年の海外勤務なので甲は非居住者に該当する。故に非居住者の税務が適用される。
② 家屋の賃借料に対して、その支払の際20%の所得税が源泉徴収され、その徴収の日の属する翌月10日までに納付しなければならない。
③ 家屋の購入代金に対しては、10%の所得税が源泉徴収され、その徴収の日の属する翌月10日までに納付しなければならない。
③ なお、上記の源泉徴収については次の場合には課税されない。
自己の居住の用に供する場合の賃借料
自己の居住の用に供するために購入した家屋で譲渡対価が1億円以下

●出国した甲氏の取扱い

  恒久的施設の有無に関わらず、課税関係は次の取り扱いとなる。
① 家屋の賃貸料は不動産所得の収入金額となり総合課税される。
② 家屋の売却は譲渡所得となり、申告分離課税される。
③ 徴収された源泉所得税は確定申告により精算される。

Ⅲ 根拠
[1] 非居住者の定義  所得税法2①
①居住者とは国内に住所を有し、又は、1年以上居所を有する個人をいう。
②非居住者とは、居住者以外の者をいう。

  この場合住所とは生活の本拠をいう。この場合の生活の本拠とは、客観的に生活している場所のことを指し必ずしも住民票の所在地とは一致しない。居所とは、居場所のことをいう。甲氏は、5年間海外勤務を予定しているので、生活の本拠は国外であり、かつ、居所も国外なので、非居住者に該当する。

[2] 源泉徴収義務
① 源泉徴収義務者
(イ)非居住者に対し国内にある不動産の貸付けによる対価の支払をする者はその支払の際所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月10日までにこれを国に納付しなければならない。
(ロ)非居住者に対し国内にある土地等又は建物等の対価の支払をする者は、その支払の際所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月10日までにこれを国に納付しなければならない。

② 源泉徴収税額
徴収して納付すべき所得税の額は、貸付の場合にはその対価の額に対し20/100、譲渡の場合には10/100に相当する所得税額とする。

③ 源泉徴収を要しない場合
  ①(イ)の場合において、その貸付が個人の居住の用に供される場合には源泉徴収は要しない。
  ①(ロ)の場合において、その譲渡が個人の居住用とされる場合であり、かつ、譲渡対価の額が1億円以下の場合には源泉徴収を要しない。

[4] 不動産所得の意義
  不動産所得とは不動産等の貸付に係る所得をいう。不動産所得の金額は、他の所得と合算され課税標準の計算上総所得金額を構成し超過累進税率により課税される。

[5] 譲渡所得の意義  土地建物等の譲渡
  土地建物等の譲渡による所得は、他の所得と区分し、短期譲渡所得又は長期譲渡所得の金額として、比例税率により課税される。この場合において譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額がある場合には、その損失の金額はなかったものとみなす。

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