※アクセルスペーサー記事
①「4mm版」はこちら
②「5mm版」はこちら
③「模倣品出現」はこちら
④「模倣品の続き」はこちら
⑤「5mm版一部改良」はこちら
⑥「6mm版」はこちら
⑦「ヤリス版」はこちら
⑧「とんでもない人登場」はこちら
⑨「7mm版」はこちら
これまで企画してきたアクセルスペーサーは、もともとは自分の乗っているクルマに向けたものでした。
たまたまソレが他の車種にも適合したというだけで・・・。
他にもアクセルペダルの低い現代のMT車はありますが、例えばスズキのスイフトやマツダのロードスターは個人的にはあまり興味がないのでスルー。
しかし、どうしても目が離せないクルマが近年登場しました。
それは、トヨタのGRヤリス。
2020年に登場し、ワシもけっこう興味があって、2021年春にレンタカーで長時間の試乗をしていたのでした。
(その時の試乗記はこちら)
この時、想像どおりアクセルペダルが低いのが気になり、ヤリスにもアクセルスペーサーが必要だと思うに至っていたのです。
…が、試乗の終わり際に確認したところ、GRヤリスのアクセルユニットはボルト長の余りがそれほどなく、スペーサーはあまり厚くできそうにありません。
そのうえ自分の所有する車種でもないということで、ヤリス用のアクセルスペーサーはなんとなくそのままお蔵入りとしたのでした。
念のためGRヤリス用のアクセルユニットを購入して、一応の準備はしてはいたものの、気分が乗らなければ仕方ありません。
が、昨年秋くらいからちょくちょくと
「ヤリス用のスペーサーは作らないのですか?」
という問い合わせをいただくように。
それでも腰を上げる気にはならず。
アクセルペダルが低いのは、ペダルカバーでうまくやってよ、と…。
さらに今年になってどこかの誰かさんがヤリス用のアクセルペダルスペーサーを売り出し、被るのは嫌なので余計にやる気がなくなりました。
が、そんな折、とある方から
「偽物はどうしてもイヤです」
と、熱烈なオファーが。
ふむ・・・。
こうもオファーを多くの方からいただくというのは、実に光栄なことなのではないか。
それに購入済のGRヤリス用アクセルユニットをそのままにしておくのももったいない話。
それじゃあ作ってみるか・・・ということになったのでした。
製作に当たっては、購入済のGRヤリス用アクセルユニットから図面を引きます。
けっこう複雑な形状をしているうえに、ユニット底部に位置決め?の出っ張りがあったりして少々手間取りました。
というわけでいつもの業者さんに依頼して完成した試作品。
しかしこの試作で意外なことが判明しました。
ヤリスのアクセルユニットは3か所をボルト止めするのですが、ボルトの入る金属カラーがちょっと出っ張っています。
そのせいで、スペーサーはカラーの部分にしか接触していないのです。
つまり、ヤリスのアクセルユニットはほとんどこの3か所のカラーだけで荷重を受け持っていたのでした。
ということは極端な話をすれば、このカラーの部分だけをカサ増しすればいいということ。
↑黄色の部分が荷重を受け持っているところ。
カラーのない部分も1か所(上の画像の左下)ありますが、底面の形状の関係で、ココにもギリギリ土台が当たってるかいないか、という感じ(アクセルユニットの個体差にもよる←複数の車のアクセルユニットで確認済)。
VABのアクセルユニットを元にした初代アクセルスペーサーは、アクセルユニットの形状をほぼそのままトレースしたのですが、このヤリスに関して言えば、アクセルユニット底面形状のまま造形するのは無意味。
だって3か所のカラーにしか乗っかってないんだもん。
というわけで、必要な荷重を受け持たせられ、かつ軽量で、そのうえスペーサー自体の強度も確保できる形状として、こうしました。
もしかすると、
「こんな形状では強度が…」
とかDisってくる人もいそうですが、そんなことを言う人は「分かっていないだけ」なのでほっておきましょう。
ところで肝心の厚みですが、試乗の時にボルトの余りがあまりなく、4mmがきつそうだったので3.5mm厚のステンレスで試作。
で、ワシに熱烈オファーをくださった方に試作品をお送りしてフィッティング確認をしてもらいます。
その方に撮影してもらったのがこの画像。
しっかりネジ山にナットがかかっています。
4mmだとちょっと不安です。
よっしゃ、これで特注だ・・・となったところで問題発生。
ここ1年くらい、じわじわとステンレス材の価格が上昇していたのですが、中国のロックダウンや戦争の影響でこの春から価格が爆上がり。
こりゃあステンレスだと無理だなあ・・・というわけで、不本意ながらスチールに変更。
スチール材も価格は上がってきていますが、ステンレスほどではありません。
剥き身の鉄は錆びますが、電着塗装なので問題なし。
厚みは、4mmだとナットがネジ山にかかりきらないため、規格品の3.2mmに。
・・・というわけで、完成。
ワシもレンタカーでGRヤリス借りた時にコイツがあれば、少しはマシになったろうになあ・・・。
とはいえ、3.2mmなんてさほどの厚みではないので、あくまで「アクセルペダルカバーを装着して“もう少し厚みがほしい”」という時や、あるいは微調整がしたい、という方にお勧めです。
ちなみに別のGRヤリスの人に1個贈呈したところ、10mm以上の分厚いスペーサーをかました所イマイチだったので、これくらいの厚みのものが欲しかったと喜んでくれました。
【適合】
GRヤリス…GXPA16GR(6MT)、MXPA12GR(CVT)
他にも、普通の(?)ヤリス系やヤリスクロスにも当然ながら適合しますが、GRヤリスでもなければこのスペーサーは要らないんじゃないかな。
ちなみにヤリスは現行カローラと同じ形状のアクセルユニットのため、現行210系カローラにも合います。
ということは今年の秋に販売開始されるというGRカローラにも適合するはずで、それも今から楽しみです。
カローラ…NRE210
カローラスポーツ…NRE210H
カローラツーリング…NRE210W
他の210系カローラ達にも合うでしょう。
でもMT車でなければ、わざわざスペーサー入れなくても気にならないと思います。
厚みはどこまでいけるのか分かりませんが、わざわざ車種ごとにボルト長を変えるとも思えないので、ヤリスと同じボルト長と見てよいのではないでしょうか。
そしてついでに、実はC-HRも同じアクセルユニット形状なので、C-HRにも適合すると思います。
C-HR(FF)…NGX10(6MT/CVT)
C-HR(4WD)…NGX50(CVT)
他にはハイブリッドのZYX10やZYX11がありますが、それらも同じじゃないかな?
↑
こんなこと書くと、今度はどこかの誰かさんがしれっと「カローラ・C-HRにも対応」とか言い出すんだろうなあ(予言)。
しかし・・・メーカーのテストドライバーさんはあんなペダル位置でヨシと思っているのでしょうか・・・?
【装着方法】
スバル系のものと異なり、10mmのナット3か所で止まっています。
ただ、ヤリス系はハンドル下のカバーが邪魔になって、左側の2か所はいいものの、右上の1個がアクセスできません。
そんな場合はカバーを外します。
そうやってアクセルユニットを外し、スペーサーを置くだけ。
ほぉら簡単。
いやちょっと作業野が狭くて大変ですけど。
しかしどうしてこうも近年の車ってのはペダル配置がこうなんだろう・・・
(続く…のか?)
【追記】
予言的中(笑)
ワシがオクで出品した一週間後に、誰かさんが「カローラ対応」とかで続々出品しだしました。
ホント、自分で適合調べないまま手柄を誇るお方だなあ。
さすがにC-HRまで真似するのはしてないけど。