※アクセルスペーサー記事
①「4mm版」はこちら
②「5mm版」はこちら
③「模倣品出現」はこちら
④「模倣品の続き」はこちら
⑤「5mm版一部改良」はこちら
⑥「6mm版」はこちら
⑦「ヤリス版」はこちら
⑧「とんでもない人登場」はこちら
⑨「7mm版」はこちら
2017年にWRX-STI(青いVAB)に乗り換えたワシですが・・・
とてもいいクルマではあるものの、ミニサーキットに持っていったら走りづらいったらない。
いろいろ操作系に難があることはあるのですがそれらはここでは脇に置いておきまして・・・
日常使いでは全く気にならないものの、サーキットやジムカーナでのヒール&トゥをしようとすると「スカッ」としてしまうのがアクセルペダル。
そう、近年の車はブレーキとアクセルの踏み間違い防止のためか、アクセルペダルが必要以上に奥まっているのです。
(ちなみに逆にクラッチペダルは手前すぎ)
それを改善するために買ったのが、クスコのアクセルペダルカバー。
被せたあとに別金具でひっかけて締めるタイプなので、外れにくくてお勧め。
まあこれはこれで悪くはなかったものの、せっかく純正でかっこいいアルミペダルがついてるのに金出してカバー被せるのももったいない。
それに少しペダル面がブレーキに出っ張るため、靴によってはブレーキを踏んだ際にアクセルペダルも同時に煽ってしまうこともあるのが悩みでした。
で、ネットを徘徊してみると評判がよく、ユーザーも多いのが、コレ。
しかし難点は、ちょっと取り付けに手間がかかることと、あとはお値段。
たかだかペダルに、さすがにここまでのお値段は出したくありません。
だってもともとメーカーがちょっと変えてくれればいいだけの話なのですから。
それにやはりペダルがブレーキ側に広がっているのでパス。
カー用品店にいくとこういうペダルカバーが売っていますが・・・
これも自分的にはアクセルがブレーキに近寄ってしまうのと、あと取り付けが甘いとズレたり外れたりしやすいので注意が必要。
というわけで、その後にジムカーナもやりだしてから、シフトダウンのたびに「・・・。」と思う日々が続いたのでした。
そんなある日思いついたのが、
「今の電子スロットルの車はアクセルのユニットごと外せるから、根本から嵩上げすればいいじゃん」
ということ。
(アクセルユニットの裏側)
この上下のボルト穴にステンレスワッシャを何枚から挟み、4mm程度嵩上げするという方法です。
当然ながらそれだけだとあからさまにぐらぐらしてしまうので、土台にゴム板を挟んでみます。
これでとりあえず高さを稼ぐことができることは確認できました。
が、普通にアクセルを踏む分には問題ないものの、ヒール&トゥをするとグニョるのです。
やはりゴム板だとダメで、実質的にワッシャだけで支えているようなものだからでしょう。
やはり金属製の嵩上げ部品が要る・・・
ちなみに市販の、割と人気のこういうの↓もありますが
・・・かなりお高い。
しかもこれを挟むと25mmもの嵩上げになってしまい、ストッパーも嵩上げする必要が出てきます。
↑の製品には嵩上げストッパーも同梱されていますが、そもそもヒール&トゥがやりにくいといっても、日常使いでそんなことする必要はなく、逆に普段使いの、つまりそれほどブレーキを踏み込まない状態で踵でアクセルを煽りやすくすると、本来必要な場であるサーキットやジムカ―ナだと逆にやりづらくなってしまいます。
またこの製品はアクセルペダルをブレーキに近づけるというオフセット機能もありますが、それはクスコのペダルで解説したように、ブレーキを踏んだ際に靴の大きさによってはアクセルペダルも踏んでしまうことになります。
中にはアクセルペダルがブレーキに寄るほうが好みという方もいるとは思いますが、ワシには合いません。
ワシはあくまでアクセルペダルの高さだけをちょっと高くしたいのです。
・・・というわけで、状況は整いました。
これは、ワシが使いやすく安価なスペーサーを開発するしかありません。
幸か不幸か、89式小銃の官品負い紐レプリカ製作のために特注部品を依頼したことのある会社さんがあり、素人図面を作って試作を依頼。
こんな素人丸出しの図面からちゃんとしたものを作ってくれるのですから、プロは素晴らしいです。
厚みを4mmとしたのは、うちのVABに装着してナットを締めた時、ねじ山が1mm余るから。
本当は6mmくらいがいいとは思っていたのですが、あまりギリギリに設定してもし個体差でネジ山にかかりきらないと危ないしなーと思ったため、余裕を持たせました(なので本当は5mmまでは大丈夫)。
そしてこのくらいの嵩上げなら、アクセルを踏み抜いてもちゃんと床面のストッパーに当たるので、ストッパーの嵩上げは必要なし。
素材はステンレス一択。
軽さでアルミという手もありますが、前述の既製品のような厚みではないのでそれほどの重さにもならず、それなら強度優先でいこうと(これが後で効くことに)。
ステンレスむき出しだとアレだし作業中に角で手を切るかもしれないので、角はちょっとだけ研磨してもらい、表面処理は黒染めに(追加製作分からは電着塗装に)。
まあ挟んでしまえば見えないパーツなのですが・・・
さて、お付き合いのある工場さんに依頼したら試作品が来て装着して普段使いの確認をしてから、ジムカーナで試し、また知人に試作品を贈呈して試してもらい、その感想も含めて細かい修正依頼を。
なぜかというと、単に位置の確認なら本気のヒール&トゥの実験というのはまず公道だとしないですし、というかしちゃ危険だからです。
そのため検討開始から一年くらい時間がかかってしまいましたが、満足のできるモノが完成したのでした。
ちょんまげインプの部屋製、
「アクセルスペーサー」
です!
ステンレス製の65g、厚さ4mm!
取り付けは簡単。
画像の工具だけで作業できます。
ちなみにこの作業だけなら、センサーのカプラーは外さないでOK。
もしユニット自体を外す場合は、本来ならバッテリーのマイナス端子を外すべし、となっています(わしはバッテリーは無視したままやってますが)
ユニットが浮いたら、
スペーサーをこの向きで被せます。
これで嵩上げできました。
装着しても全くわかりません。
VABでボルトのネジ穴が約1mm余裕があります。
なのに、アクセルの位置はかなりの改善となりました。
たかだか4mmでここまで変わるとは・・・。
MT乗りの皆さん、お勧めです!
*R1.12追記
・・・というわけで2018年末にリリースしたものの、当初はさほど見向きもされなかったこのアクセルスペーサー。
ですが、とりあえずいろんな方に試してもらって自分も最終型のF型に乗り換えたのでVABの全年式に適合することが分かり、そしてWRXのS4や、レヴォーグにも適合することが判明(当たり前かもですが、合わない可能性もあった)。
CVT(要するにオートマ)には関係ないかと思ったのですが、実家のレヴォーグで試した所、それまでシートの前後位置の調整でしっくりこなかったのが、しっくりくるようになったのです。
そしてフォレスター(SK9、SKE、SJ5、SJG)にも適合したという報告もいただき、ワシもイベント参加の際にインプレッサスポーツやXV(GP、GT)、G4(GJ,GK)の方にも協力してもらいつつ適合確認をし、かなりの車種に適合することが確認できたのでした。
なんでこんな簡単な(そして安い)パーツがこれまで世に存在していなかったのか・・・
そのうちクチコミで広がり、ネットでも多くの方が
「最近流行のアクセルスペーサーを試してみたのですが…」
と書いてくださるなど、なんだか嬉しい状況になっています。
やっぱりアクセルに不満を持った人が多かったのですね、スバルさん聞いてます?
というわけで、ユーザーならではの必要とするパーツを、これからも開発していければいなと思いましたです、マル!
(適合車種)
WRX-STI(VAB)、WRX-S4(VAG)、レヴォーグ(VM4,VMG)、フォレスター(SK5,SK9,SKE、SJ5,SJG)、インプレッサスポーツ・XV(GP,GT系)/インプレッサG4(GJ,GK系)
(続く)