⑱校庭に潜むクギと学校事故

※この記事は常に新鮮なネタを提供すべく、随時、更新されています。

 

参考記事

文科省、学校法人同志社を指導 辺野古事故、安全管理「不適切」

     共同通信 2026.5.22

     この報道自体には何の価値も感じない。このような事故を二度と繰り返さないために文科省が何を問題視し、学校の何をどのように指導したのか、そして学校側が何をどのように問題視し、具体的に何をどのように教訓として活かしていくのか、私たちにはまったく不明である点で、日本の教育界全体にとってもほとんど意味不明な報道であろう。

     文科省が学校法人に指導を加える事は余りにも当たり前すぎて、この程度の空疎な内容を現段階で速報として仰々しく報道する意義が一体どこにあるのか、むしろ問い質したい。

     なぜ、これほどの杜撰な修学旅行が繰り返し実行されてきたのか、その実行に誰がどのように関わっていたのか、校長や引率責任者に個人的な責任は無いのか、旅行計画を事前に検討する学年会議ではこのコースについて一体どの程度まで検討が加えられたのか、引率教員らはなぜ、これほどの杜撰な計画を見過ごしてきたのか…等、問うべき点は多岐にわたり数多く存在している。もちろん、これらに関してはいずれ第三者委員会などによる調査報告がまとまり次第、私たちにも公表されるだろう。

     教師たちがこの事故を機に修学旅行、遠足、部活動の遠征などについて児童生徒の安全に対する配慮を徹底できるようになれるのか否かは、あくまでも事故に至るまでの経緯への詳細な検証とその報告が出てからの問題。詳細な事実関係が十分につかめていない現段階での文科省の指導なぞは、表向き「仕事してます」感を演出するだけのポーズに過ぎない。こんな演出ごときにマスコミが仰々しく速報を通じて反応する必要などあるわけがない。

〈白バス暴走事故〉「部活は全て丸投げしてました」理事長の無責任発言は“事実”

     「顧問任せは全国どこの高校でも同じです」部活強豪校顧問にのしかかるプレッシ

     ャーと構造的問題 集英社オンライン 2026.5.21

     学校の管理職のほとんどは教師たちの部活動指導の内実を知りもしない。そもそもが知ろうとする努力すら放棄している。部活動は学校の業務ではなく、あたかも教師たちの個人的趣味か、管理職の介入を極端に嫌う教師と生徒との自治的活動であるかのような扱いなのだ。したがって部活動で生じた問題に校長らが関与することはほとんどなく、多くの事は教師たちの自己責任と捉えられてきたように私は感じている。

     そのくせに部活動の顧問人事を最終的に決定するのは教頭や校長らである。古くからいる教師たちの多くが嫌がる運動部顧問は時によって「ノー」と言えない新任教師に押し付けられる。もちろん校内人事の責任は管理職にあるのだが、新任教師の苦悩は無視される。未経験の部活動を任されるとなれば、教師の負担感は極大に膨れ上がるにもかかわらず、である。

     …部活動の成績は高校の知名度を上げ、入学を志願する生徒を集める大きな武器になっている。学校がその“果実”を得ながらリスクを顧問だけに押し付けてきたこれまでの構造は、異常というしかない…

     「異常」を「異常」と知りつつ放置してきた文科省や教育委員会の責任は極めて重大である。同時にこの問題の責任の一端を負うべき高体連や高野連が、この事故に対して有効な対策を発表できるようにも思えない。つまりこの問題はブラックな体質を抱えてきた学校教育全体のブラックボックス化によって長期にわたり隠蔽されてきた、深刻な問題の一例に過ぎまい。

     部活動の地域社会への全面的移管は高校でも行われるべきであろう。

《北越高校マイクロバス死亡事故》「部活はもう辞めろ」論にまで発展、運動部バス

     事故の土壌 週刊女性PRIME 2026.5.19

     教育予算の削減が続き、児童生徒への健康管理や安全確保のための体制が極めて不十分で、お金も人も深刻なレベルで不足している日本の学校…これまでのように校外学習や部活動を野放図に行っていればこのような重大事故は不可避となるのが当たり前である。欧米では学校の教育活動を責任のとれる範囲内に厳しく限定し、日本のような部活動や学校行事はほぼ存在していない。

 「SNSでは“部活はもうやめろ”論にまで発展。問題はそんなに単純ではなく……。」と記事にあるのだが、問題は極めて単純。学校の部活は廃止して地域社会に移管すれば良いだけである。日本の学校ができもしない事を無責任にも無制限に丸抱えしてきた代償こそが深刻な学校事故の多発であろう。

なぜ日本の学校は「暑くて寒い」のか…専門家が「先進国とは思えない」とあきれ

     る「日本の公共建築のお粗末さ」   プレジデントオンライン 高橋 彰 2026.5.18

     日本の学校は戦前からの鍛錬主義の残存と教育予算の削減を前提とした政府の財政政策によっておよそ先進国としてふさわしくない貧弱さを長らく維持してきたようである。災害時の避難先となって近隣住民が体育館で寝起きしない限り、その貧弱さは広く認識されることが無かった。近年、この記事のような指摘がなされるようになったのは、阪神淡路大震災、東日本大震災、能登沖大地震などが相次ぎ、人々の避難先たる校舎の居住性への関心が高まってきたことが背景にあるのだろう。

 問題は校舎の設備面、機能性の貧弱さを日々、痛感してきたはずの教職員側からの発信もまた貧弱だったことに潜んではおるまいか。学校に冷房の無かった時代、汗まみれになってどうにかこうにか夏をやり過ごしてきた児童生徒たちの不満を、教師たちはなぜ声を大にして代弁してこなかったのか…児童生徒の安全や健康を、日本の教師たちは本当に真剣な気持ちで心配してきたのか…いまだに鍛錬主義の亡霊が日本の校舎を徘徊してはいまいか…管理職らの責任も厳しく問われるだろう。

溝口紀子氏 磐越道バス事故で同乗していなかった部活顧問を非難 教員として失格 

 東スポWEB 2026.5.13

 部活動でバス、マイクロバスなどを業者に依頼し、遠征することはよくある話。特に大会で上位を狙うような部活では、県内だけに留まらず、県外にも頻繁に出かけるだろう。中でも軟式、硬式テニスでは千葉県のように試合会場が遠く、公共交通機関で移動することがかなり難しいケースはままある。県大会などでは学校の所在地によって大会会場近くに前日から宿泊することだってザラにあるはず。まして長期休暇中の合宿では、学校から遠く離れた涼しい避暑地のような所で数日間の宿泊をする部活だって珍しくあるまい。

 部活動の顧問はそうした事の手配を出来る限り早めに済ましておかないと、直前となってからでは宿泊先や移動手段の確保が困難となり、慌ててしまうことになる。こうしたことの準備だけでも顧問の負担は決して軽くない。

 他方で生徒たちの負担も大きい。野球の名門校ともなれば遠征試合の回数は年に数十回。県外の強豪校とも試合日程を数多く組まなければならず、その費用の多くは自腹である。ただでさえ、部員たちが毎月のように納める部費の負担は想像以上に重く、そこに宿泊費、合宿費が重なる。野球に限らず、個人のユニフォームや用具代だってスポーツによっては相当な額にのぼるだろう。

 顧問はそのような状況を踏まえてできる限り、保護者の経済的負担を軽くするよう工夫し、少しの節約にも励む。バットやボール、ヘルメットなど、重くてかさむ用具などは顧問がマイカーで運ぶことは野球部に限らず、多くの部活では当然のように行われてきた。むしろ顧問がマイカーで運ぶことを前提として多くの遠征、大会参加は何とか実現できている、といっても過言ではあるまい。

 溝口氏は柔道畑出身らしいが、柔道は他の競技と違い、顧問がマイカーで運搬すべき用具などが極めて少ないものと推察するのだが、いかがか。マイカーで用具を運搬することがデフォルトとなっている部活の顧問からすれば、溝口氏の批判は的外れどころか、噴飯物なのではあるまいか。

 今回の事故と辺野古沖の転覆事故とはわけが違うだろう。ただでさえ日々、自己犠牲にまみれて部活動に献身してきた顧問にたいして「教師の資格がない」という冷酷な断定は高所から見下した、まさに暴言そのものではないのか。そもそも部活動においてバスに顧問が同乗していないこと自体は、競技によっては少なからず生じる現象であると思うのだが、いかがか。彼らもまた教師としての資格が無いのだろうか。

 このような悲劇を完全になくそうというのであれば、まずは欧米と同様、日本の高校もまた部活動を地域社会へ移管すべきであろう。こんな的外れな指摘をするヒマがあるのならば、社会学者として運動部顧問の負担を軽くするような提言をしていただきたいものである。

・辺野古転覆事故

参考動画

教員は乗船せず…状況明らかに 生徒死亡の高校会見 沖縄・辺野古 船2隻転覆2人死

    亡【スーパーJチャンネル】(2026年3月17日)    ANNnewsCH 3:24

    教員が一人も乗船していなかったという驚くべき事実が明らかとなった。そもそも女生徒の存在から見ても、また2艘で20人近くの人数から見ても各船に一人ずつ、せめて二人くらいは教師として乗船すべきであろう。ところが教師は一人も乗船せず、であった。呆れるほかあるまい。最悪の事態を前提にして生徒の安全確保を図るべき通常の教師の思考からすれば、まったくあり得ないレベルの大失態であり、最優先すべき安全面の配慮を疎かにした学校及び引率教員たちの責任は極めて重大である。

    沖縄への修学旅行ではかなり昔のことだが、高校生が潮に流されて死亡するという痛ましい事故があった。以後、マリン体験のほとんどを禁止する高校が出てきたのも個人的には頷ける現象であった。実際、私の経験ではホテルのプライベートビーチですら、生徒だけで散策することを禁じていた高校も20年近く前にはあった。

 当然、沖縄修学旅行の事前学習として海の怖さや海の危険生物、ハブへの注意などに関してもかなり詳細に触れてきた過去がある。生徒の安全を第一に考えるのが普通の教師のはず…ただ、進学校ばかり経験してきた教師の中には、ややもすれば「大勢の命を預かっている」という認識から来るはずの緊張感を欠き、教師自身がお気楽な行楽気分で引率している方が散見されたことは残念ながら事実である。

 もしかすると当該高校、私学でそれなりの進学校であるとすれば、聞き分けの良い生徒たちの存在によって教師たちがすっかり油断してしまい、生徒の安全確保に関してやや注意散漫になっていたのではあるまいか。

【小型船2隻が転覆】 現場海域では波浪注意報も「急な突風と横波」か 女子高校生1人

 と70代船長が死亡 沖縄・辺野古沖 日テレNEWS 2026/03/16 3:45

 あってはならない死亡事故であろう。当然、船を乗せた側の過失責任は重いが、学校側の責任も決して軽くはない。この動画では女生徒たちがスカートで船に乗り込んでいた可能性をうかがわせる場面が出てくる。仮にそうだとすれば指導にあたった教師たちの責任もまた厳しく問われることになるだろう。

 加えて修学旅行に際しては大抵の場合、事前に教師たちが下見をすることになっている。少しでも危険が予想される場合には特に念入りな報告が校長らにも届けられているはず。一体、どのような報告があったのか、まず確認すべきだろう。

 個人的には20年余り前、沖縄修学旅行の引率でグラスボートに10名余りの生徒たちと乗り込んだ記憶がある。確か12月頃だった。風が強くて波もかなり高く、船が大きく揺れて少し怖かったのを覚えている。ただし馬力のある観光用の少し大きめのボートなので、転覆する危険性はさほど高くなかったように当時は感じた。

 今回、転覆した船はそれよりも小型船であり、揺れは相当激しかったに違いない。船体の左右のバランスを保つべく、乗員を左右均等に配置していたとしても、大波で急激に船体が大きく傾いてしまえば、船べりを掴んでいた手が離れ、乗員は左右どちらかに偏って移動してしまう危険性がある。実はグラスボートの場合、中央に海底を覗くためのスペースがあるため、結果的に人が突然片側に移動できないよう中央部で仕切られており、船体がバランスを崩す危険性も少ない。しかし、今回の船はそうした仕切りの無い、普通の小型船に過ぎなかったようだ。

 つまり今回の船は波の状態によっては転覆する危険性が決して小さくはなかったと素人でも簡単に推測できるものであった。ならば、教師たちはせめて事前に生徒たちへ、イザという時に備えて最低でも上下ジャージ姿で乗り込ませる指導をとっておくべきだった。学校長の会見では海や船の事はよく分からないのですべて専門家=船長に判断を委ねていた、との発言があったが、教師としてあり得ない発言である。航空機の飛行に関してならば教師が責任を持てないのは分かるが、船の航行に関して教師がまったく分からない、では大人としての道理が通るまい。責任逃れも甚だしいのだ。

 もちろん、当日の天候を踏まえれば、船長は万が一を考え、出航を諦めるか、より安全な航路に変更すべきだったに違いない。とはいえ、引率教師たちもまた転覆の危険性を予知し、少なくとも事前に生徒たちへ何らかの注意を促す程度の指導はできたはず。たとえば上下とも全員ジャージに着替えさせる、という厳し目に見える指導であっても、それが結果的には生徒たちに転覆の危険性を予め察知させ、お行儀の悪い一部の生徒たちによる船内での危険行為を予防することにも多少は役立つはずである(もちろん事故に遭った生徒たちはおそらく全員お行儀が良いのだろうが…)。

 この事故、知床遊覧船のケースとは違って、船長や船を所有する団体などへ全責任を丸投げできる案件では決してない、と思うが、いかがか。

参考記事

辺野古転覆、生徒ら防波堤から乗船 現場視察の沖縄県議「誰が見ても危ない」

     産経新聞 2026.5.1

     しつこいようだが、修学旅行団側には生徒たちへの安全配慮の欠片も無かったことが続々と判明してきている。この学校がまともな校外学習をできるようになるには、そもそも組織の大幅な刷新を必要としていると思うのだが、いかがか。もはやこの組織に自己改革する力も、改革主体となる権利自体もほとんど存在していないのではあるまいか。

     校外学習を早期に復活出来るように学校側が願う前に、教師たちが解決しておくべき課題は余りにも多い。こんな杜撰で無様な「引率」のあり方を見ると、校外学習の早期復活を願う裏側に、自分たちの責任回避といった自己保身が潜んでいるとすら疑われても仕方あるまい。

同志社国際高校が校外活動の自粛を決定 辺野古転覆事故巡り 危機管理マニュアルに

     多くの不備、京都府が要請 ABCTV NEWS 2026.4.28

 京都府として当然の判断であるが、学校側のコメントには相変わらず事態の深刻さを理解できていない、酷く危機感の欠けたピンボケぶりが窺える。

 …高校は27日、「全行事の点検及び再発防止策の策定が終わるまで校外活動を自粛する」と、保護者に連絡していたことがわかりました。高校は、校外活動をできる限り早く再開できるよう、努めたいとしています…

 とのことだが、この学校が今、目指すべきことは断じて校外活動の再開などではあるまい。その言葉を口に出す前に取り組んでおくべきことは数多くあるはずだ。学校や教師たちの安全意識の緩みが一体、どんな理由で生じていたのか、原因の追究は厳格に行われるべきである。さらに校長や教師たちの責任を一体、どこまでどう問うていくのか、こちらも決しておざなりにできる課題ではあるまい。また二度とこのような事故を起こさない体制をこれからどう作っていくのか等々、学校が検討し、解決すべき課題は山積している。

 最優先すべき生徒たちの安全確保を、第三者からすれば呆れるほどのレベルで蔑ろにした学校…この際、組織の膿を徹底的に絞り出す覚悟が学校法人側には求められている。ろくに生徒の命を守ろうともしなかった学校が校外学習再開、などという極めて不謹慎で余りにも暢気すぎる発言をして良い立場にあるわけがない。

同志社を現地調査へ、安全管理や平和学習の内容確認…辺野古沖の転覆死傷事故受

     け文科省 読売新聞 2026.4.12

     遅きに失した感は否めないが、ようやくにして文科省も重い腰をあげたようだ。しかし文科省の事である。この調査に大した成果は期待できないだろうが、安全対策への配慮を少しばかり喚起する一助くらいにはなるだろう。

辺野古転覆事故「リスク<教育目標」学校の重い罪

     東洋経済オンライン 東洋経済education × ICT 2026.4.8

 総論としては内田先生の指摘された通りである。論点が良く整理されていて大いに参考となる。ただしこの学校の体質には内田先生が指摘する以上のレベルで見過ごしできない、組織的問題があるように思えるのだが、いかがか。

     修学旅行の引率、という職務に伴う責任の大きさに対する教師たちの考え、思いが余りにも浅過ぎるようで元教師としては唖然とするほかない。安全に対する学校側の事前指導にも大きな欠陥があったことはこれまでの報道内容から見てほぼ間違いないだろう。

 生徒たちへの安全配慮に思いがほとんど至らない…生徒たちの命を預かっていることから生じるべき緊張感の欠片も感じられない…この教師集団が抱える組織としての病状は相当、深刻であると感じる。ただの油断、平和ボケ、という言い訳は決して通用しないはずだ。もしかすると学校全体が、既に解体的出直しを必要とする段階となっているのかもしれない。

<独自>私立高の修学旅行先、東日本18都道県で8都県が把握せず 平和学習に監督

     が及ばず 産経新聞 2026.4.2

 これはビックリする記事である。高校の修学旅行先の変遷は時代の流れ、流行も反映していて興味深いデータであろう。そのデータが公立高校に偏っている都道府県があるのは残念である。

     かつて修学旅行先と言えば関東ではもっぱら京都、奈良であった。もちろん歴史学習を主眼とし、寺社の見学がメインであった。やがて教育困難校では歴史学習をメインにすることの難しさから次第に東北、長野などへのスキー体験を加えたものへと旅行先を変えていく学校が目立ち始めた。また困難校ではない高校も、京都・奈良方面に加えて大阪・神戸、特にUSJをコースに加える高校が増えていった。同時に奈良での宿泊を辞めてしまった学校も多くなった。

     さらに修学旅行における飛行機の搭乗への制限が緩和されると、関東では2000年代から沖縄や九州への旅行が急速に増えていく。特に沖縄は困難校を含めて多くの高校が旅行先に選ぶようになった。

 今後は私学の無償化が進み、多くの公立高校が淘汰されて私学が大幅に伸長する時代になると見られる。旅行の安全確保のためにも、修学旅行に関して都道府県はすべからく私学にもきちんとした報告(事前、事後とも)を求めていくべきだろう。

辺野古転覆事故】女子生徒死亡の同志社国際の保護者が怒りの告白 学校側の船長を

     信頼の釈明に不信感 「学校と信頼関係が結べるのか心配です」

     NEWSポストセブン 2026.3.31

     …「去年の夏に学年主任と担任2人が沖縄に視察に行ったそうです。それなのに3人とも今回の船には乗らず、見てもいなかった。海上からの見学は2023年に始まり今回で4回目ですが、教員が(1日)2回の航行に同乗したのは2024年だけだったそうです。今回、引率した教員2人は波浪注意報が出ていたことも知らず、それで出航した。

 先発した船に乗るはずの教員は24日の報道では『体調不良』とのことでしたが、25日の説明では『乗り物酔いするから乗らなかった』。後発の船に乗るはずの教員は乗らなくても大丈夫だと思ったから乗らなかった、と。仕事をする気がなかったとしか思えない」…

 この学校の教員たちにはどうやら責任感の欠片も無さそうだ。次々と判明してくる教員の振る舞いには驚きを禁じ得ない。ただただあきれ果てるのみ。同じ教員とは思えないほどの無責任さであろう。おそらく修学旅行の下見に行った3人はタダで行けるラッキーな観光旅行としてひたすら旅行業者の接待を楽しんだだけではあるまいか。

 徹底的にこの学校の教師集団における安全に対する取り組みの問題点を洗い出し、修学旅行や学校運営のみならず、教師採用のあり方(もしかすると同志社の卒業生に偏っているのでは…)まで根本から見直すべきであろう。低レベルの「馴れ合い」ほど組織を腐敗させるものは無いはずだ。

辺野古沖の転覆死亡事故、学校側が「第三者委」設置…研修旅行の実施経緯や対応

     の問題点調査へ 読売新聞 2026.3.30

     学校法人として当然の対応である。とはいえ、はてさてどのような調査結果が出てくるのやら…何はともあれ、他校においても同じ轍を踏まぬよう、教訓として随所で役立てられるような、しっかりとした調査が行われることを期待したい。

沖縄・名護湾で高校生「ボートが沖に流され戻れない」、1人は自力で戻り3人を救

     助…教員は陸上で監視 読売新聞 2026.3.27

 まだ詳細は不明だが、辺野古沖での転覆事故があったばかりであり、しかも同じ名護市内である。辺野古の教訓を生かせないこの学校と教員の鈍感さ、安全意識の低さには唖然とさせられる。仮に生徒がボートに乗る場合は、教員が一緒に乗船するか、背が立つレベルの浅瀬で、かつ教員が泳いでたどり着ける程度の距離の枠内にとどめておくか、どちらかの安全措置をとるべきだろう。

 生徒が泳ぐ場合もボートと同様に離岸流によって沖合に流される危険性があり、通常は教師がボートに乗ってすぐにそばで救助できる状態を保つべきだろう。そもそも陸にいて安全確保できるのか、はなはだ疑問である。

 幸いに犠牲者がでなかったとしても、この学校名はすぐにでも公表すべきであり、同志社国際高校と同様に厳しく糾弾されるべき事案ではないか。長期休業中の外泊を伴う部活の合宿の場合には学校として事前に詳細な活動計画を記した報告書の提出を顧問には義務付けていたはず。特に東京から沖縄への長距離移動であり、海洋生物などの調査を行う等の内容が記載されていたはずである。当然、報告書の記載内容を管理職はどこまで把握していたのかも、気になる点だ。

 また、なぜ読売新聞は校名を発表しなかったのか、その理由についてきっちりと説明すべきである。と同時に学校側は顧問も含めてボートや遊泳の危険性について、事前にどれほどの指導をしていたのか、ただちに包み隠さず公表すべきだろう。仮にこの調査が以前から行われており、恒例となっていたとするならば、顧問への指導不足と見なされ、管理職の責任まで問われるはずである。

 またもや過去の教訓を生かせず、学校側の安全意識の低さが露呈してしまった事件である。なぜこれほどの意識の低さが当該高校で生じてしまったのか、今後の詳細な報道がまたれる。もちろん生物部の顧問と部員たちとの馴れ合いの中でついつい安全意識が欠如してしまった…との言い訳はもう世間的に通用するタイミングではない。

沖縄・辺野古沖 船転覆事故 過去にも教師乗船せず出航   テレ朝NEWS 2026.3.25

 案の定、この学校は過去にも同じ過失を犯していた。おそらく生徒と乗船しないことが教師の職務放棄とほぼ変わらぬ極めて無責任な行いである、という共通認識すらここの教師集団内には存在していなかったということだ。大人としての良識の有無が疑われる、というほかあるまい。この学校の危険性に対する鈍感さ、無責任体質を育んできた教師文化には空恐ろしささえ、感じてしまうのだが、いかがか。

 敢えて厳しい言い方をすれば、生徒たちの命を預かっている、という真摯な職務に対する恐ろしいほどの無知、慢心、怠惰がこの学校には浸透してしまっている…

 今後はなぜこのような無責任体制がこの学校で存続しえたのか、しっかりと究明する必要があるだろう。そしてこの学校が自らの無責任体質を完全に改められる間、この学校の遠足、修学旅行は全面的に中断されるべきである。

 とはいえ以下に列挙されている通り、日本の学校事故を省みる時、児童生徒の安全確保に対する配慮の欠落が日本の多くの学校で生じているような印象を受けるのは私だけではあるまい。だからこそ人権意識や防災意識、設備すら欠損だらけにもかかわらず、どの学校も平気で避難所を引き受け、結果的に避難民を苦しめてきた、受け入れ能力を度外視して多様性尊重のもと障がい者や外国人を普通の学校で無制限に受け入れてきた、津波に際しては大川小学校などの悲劇を生み出した、校庭に数えきれないほどのクギを放置してきた、批判をよそに人間ピラミッドによる死傷事故を平気で繰り返してきた…違うだろうか。

 この事故が物語るのは日本の学校教育の綺麗ごとの裏に隠されてきた本質的なうさん臭さ、欺瞞そのものではあるまいか。そしてひたすら教育予算をケチってきた日本政治の本質的な貧困が学校教育の欺瞞、偽善性を生み出してきたのではあるまいか。

「辺野古沖の抗議船転覆に思う 市民団体と学校の安全意識」 東浩紀

     Yahooニュース 2026.3/24(火) 17:30配信 

    確かに私もこの事故をきっかけにして沖縄における米軍基地への反発や平和学習自体を貶める発信が急増しているように感じている。そしてこの事故の本質は安全への配慮義務に欠けた団体と学校の問題にあり、東氏の指摘するように、反米基地闘争や平和学習全体を否定する材料に利用することは許されまい。それは事故から得られる教訓を捻じ曲げ、ひたすら政治利用せんとする扇動家のやり方である。

 私としてはあくまでも元教師としての観点に立ち、このような学校事故が二度と起きないよう、重要な教訓をここから得たいと切に願っている。そのためにも学校側の安全意識の様相を深掘りしたい、という考えのもと、発信している。改めて言うまでもないことだが、沖縄の米軍基地問題は現在においても極めて深刻であり、未解決の部分もまだまだ大きい。また沖縄戦の悲惨さから私たちが学ぶべきことは多く、沖縄修学旅行に平和学習を取り入れるのは高校教育の一環としてごく当然の内容ともいえる。以上の点はこの件をめぐる議論の前提として決して見誤ってはなるまい。

引率教員の不在は体調不良のため 他の教員も代理で乗船せず 同志社国際高が釈

    明 産経新聞 2026/3/24

    代理だから乗船せず、というのは何一つ釈明にはなるまい。代理だろうが何だろうが、引率教員が生徒たちと乗船することはマストである。自分たちだけ安全な場所にいて、生徒たちばかりを危険な目に遭わせてしまった責任は余りにも重大。

 あらかじめ決められていた教員がなぜ二人も同時に体調不良になってしまったのか、代理の教師たちはなぜ乗船しなかったのか…元教師からすればかえって強い疑念と不信感が次々と湧いてくる。

 仮にやむを得ない理由があって教師たちが乗船できないのであるならば、波浪注意報が出ていた状況を踏まえて生徒たちだけの乗船を中止する、といった大人としての判断も十分有りえたはずである。生徒の命に係わる重大な判断を安易に船長らに丸投げする…といういい加減なレベルで教員らが判断をしたとするならば、彼らも校長と同様、教師として、大人としてまともな責任感があるとは思えない。

 やはりこの学校、教員集団、どこかが狂っているに違いない。もしかするとこのコースを始めた時から現在に至るまでの間に、教師が乗船しなかったケースが複数存在していたかもしれない。また旅行前、このコースの下見を繰り返し、教師たちはしてきたはず。下見の際、教師たちは乗船したのか、乗船したとすればどのような報告が引率教師らに提供されてきたのか…早急にその実態を過去にまで遡って調べ、保護者たちに納得できるような、具体的かつ詳細な説明を学校側は行うべきだろう。

 学校側は事故現場で誰がどのような判断をしたのか、判断の根拠も含めて詳細に説明する必要がある。とすれば保護者への説明会ではもはや校長だけではなく、引率教師たちによる釈明も求められるべきだと私は思う。

修学旅行に絡む児童生徒死亡、20年間で全国で計22件 同志社国際高マニュアルの不

    備は 産経新聞 2026.3.24

 高校側のマニュアルがどのようなものであり、なぜ、教員が生徒たちと一緒に乗船しなかったのか、等が報道を通じて詳細に明らかとされない限り、この事故は今後の教訓とされることなく、瞬く間に忘れ去られてしまうだろう。そして残念ながら高校側の修学旅行における安全確保に関わるマニュアルは私の知る限りいまだに報道されていない。なぜ、学校事故の教訓がこれまで生かされてこなかったのか、その理由がこうした表層的報道のあり方や学校側の自己弁護的、自閉的姿勢にも見え隠れしているのだろう。

    …医療費や見舞金が給付される「災害共済給付制度」。この制度を運営するJSCのデータベースによると、平成17年~令和6年度に学校行事中の事故で死亡見舞金を支払った事例は計87件あり、このうち修学旅行は計22件…と記事にある。JSCという組織のデータ(日本スポーツ振興センター「学校等の管理下における死亡見舞金の状況」)を参照しなければ、学校教育下での死亡事故の統計はほぼほぼ確認できない点にまず大きな問題があるだろう。つまり、報道側や学校側が自らの手でよほど積極的に学校事故の事例や統計を探さない限り、事故の教訓を学ぶことは出来ないのである。ここには厚生労働省と文科省と縦割り行政の弊害もあるのかもしれない。

    「校庭に放置されるクギ」問題や「人間ピラミッド」問題などがこれまで長らく放置されてきた背景にも、学校事故の統計や事例集が多くの教師たちにしっかりと共有されてこなかった、同じような構造があると私は感じている。

    このような状況下では、修学旅行などの学校行事における安全マニュアルが漠然としたものになりがちなのは当然である。具体的な事故の事例と統計が示されないままでの抽象的な注意点の羅列が説得力をもつはずはない。

    沖縄ではカヤックなどでマングローブの湿地帯を見て回る体験学習が人気となっている。波のほぼ無い浅瀬が多く、命の危険まではあまり無いだろうが、それでもカヤックの漕ぎ方や転覆した際の対応などは業者から事前にそれなりの時間をかけて指導されている。当然、救命胴衣は必須である。修学旅行におけるカヤックの死亡事故はこれまで報告されたことはあるのだろうか。おそらく無いはずだ。

    マリン体験は沖縄修学旅行においてこれまでも生徒たちにとって大人気コースとなっており、それだけに学校側は安全確保に対して細心の注意を払ってきたはずである。業者側もそれなりの事故事例と教訓を共有してきたに違いない。

    今回はそうした観光業者ではない団体が、安全性に大きな問題のある小舟で、しかも波浪注意報の出ている外洋に出てしまっている。加えて元教師としては驚き呆れることだが、教員が一人も乗船していない。

    これほど杜撰なコースを学校側は何ら疑問を持たずに設定し、何年もの間見直すことも無く漫然と繰り返してきた…そのこと自体がそもそも常識的な安全マニュアルから完全に外れている、余りにも非常識で無責任な行為であることはもはや疑いようが無い。これは生徒の安全確保を最優先すべき学校としてあるまじき大失態である。

    ならばなおさら学校側の安全への配慮を欠いたコース設定は、その意思決定の経緯の詳細を含めて公開されるべきである。そして多くの学校の教訓となるよう、その情報はしっかりと共有され、末永く記憶されていくべきではないのか。

「平和丸」船長の男性、記者の呼びかけに応じず 辺野古沖転覆で11管が実況見分 

    産経新聞 2026.3.22

 この件に関する報道のあり方にやや違和感を覚える。もちろん船の運航に関わった団体の責任は極めて重大であり、報道各社が責任追及を続けること自体はマスコミとして当然のことではある。しかし、高校側の安全に対する認識の甘さにも、もっと鋭い追及が行われてしかるべきではないのか。

 加えて学校が沖縄での平和学習を重視していることに疑問を持ち、批判する文脈での発信も目立っている。特に辺野古への基地移転を反対する勢力への攻撃材料としてこの件が利用されている傾向には危うさを感じる。

    この件で学校関係者が重点を置くべきなのは、この件の教訓を生かして同じような事故の発生を未然に防ぐことだろう。今後の修学旅行のあり方を考える上でも、元教師の私としてはそこに徹底的にこだわりたい。

 なぜ、教員は生徒と一緒に船に乗らなかったのか、7つのコースにどのような教員を引率者として配置したのか、事前の引率計画はどのようなものだったのか、旅行団のトップは計画に対してどのような点検を事前におこなっていたのか…学校関係者として知りたいことは山ほどあるのだが…私の疑問に答えてくれるような報道がいまだになされていないように見えるのは極めて残念である。

辺野古の船転覆 海の危険甘く見た学校の責任 読売新聞 2026.3.19

辺野古転覆 学校側の甘い安全対策浮き彫り 船長任せ、教員乗船せず、「抗議船」説

    明なく 産経新聞 2026.3.20

    平和学習の内容に関する疑義は確かにあるが、ここでは詳細な内容や意図、事前学習からの流れが不明なので言及しない。ただし抗議船に乗ることと平和学習とは必ずしも直結しないし、平和学習という高尚な目的の陰で慎重に慎重を重ねるべき安全への配慮が教師側に欠けていたことはもはや疑いようがあるまい。

    平和学習の具体的内容をしっかりと把握できていない校長の釈明会見は、どこか漠然とした言い訳ばかりで、他人事のようにしか聞こえてこなかった。結局は管理職として安全への配慮が大きく欠落していた、という印象だけしか伝わらなかった。これでは事故の原因究明と再発防止に役立つ具体的な情報が余りにも少ない。

 今後は引率教員の責任者が事前にどのような安全確認をしていたのか、詳しい報告が必要とされてくるに違いない。なぜ小舟への乗船という安全への配慮を要するコースに37人もの生徒を割り当ててしまったのか、なぜ、たった2人の教員しか引率させなかったのか、なぜ、教員は乗船しなかったのか、教員の配置の決定、役割分担はどのような考えのもとに決定されたのか、旅行団の団長(副校長?)及び学年主任はどこまでこのコースの内容を把握していたのか、安全への配慮を教師たちへどこまで求めていたのか、特に乗船組の引率を任された2人の教員のおよその年齢と性別、水泳能力の有無についても学校側はしっかりと隠すことなく公表すべきだろう。

 

参考記事

横浜市中学校給食、「いま」を見ず減らなかった異物混入    産経新聞 2026.3.26

 …横浜市ではデリバリー方式による中学校給食での異物混入などの報告が昨年度1年間で342件あった。今年度も2学期までに275件と減る気配はなく、そのうち「重大な健康被害に至る可能性がある混入」が6件。いつ深刻な被害が現実のものになっても不思議ではない状況が続く…

 なぜ横浜市教委が即座に動かないのか、理解に苦しむ事例である。給食への異物混入は児童生徒の健康と安全に直接的にかかわる重大事件であるはずなのに、事態の改善が一向に見られないのはなぜなのか、なぜ、市民は声を上げないのか…疑問は尽きない。

    「髪の毛が混じったご飯」「カメムシが入ったすまし汁」…被害者の中学生たちが給食の時間をどのような気持ちで今も過ごしているのか、市教委は本腰を入れて一度でも調査したことがあるのだろうか。このような状況のままで皆さんは自分の子を横浜市の中学校に進学させたいと思うのだろうか。

 子ども不在、生徒全員を見事に置き去りにする教育行政…横浜市教委、どうみても凄すぎる杜撰さ、無責任さである。

【速報】小4男児死亡プール事故、当時教諭だった女性(27)に禁錮1年4か月・執行猶

    予3年有罪判決(高知地方裁判所)当時は体育主任として現場に、業務上過失致死の

    罪に問われていた KUTVテレビ高知 2026.3.25

    まだ校長らの判決が出ていないので、判決に対する全体的な判断は控えるべきなのだが…「禁錮1年4か月・執行猶予3年」の高知地裁の有罪判決…余りにも残酷な判決に対し、元教師としてはひたすら慄くしかない。

    音楽部担当の若い女性教師(現在27歳)が突然、学級担任とともに体育科主任とされてしまった事自体、専門性と経験や年齢を無視した極めて異常で惨酷すぎる人事である。そもそもこの非道な人事を承認してしまった管理職の責任は極めて重大であろう。判決には若い女性教師の弱い立場が基本的に考慮されておらず、残念な判決というほかあるまい。このような判決がまかり通るようであるならば、今後、高知県の教員不足はさらに悪化するに違いない。

 小学校のプールの故障が事故のきっかけを作っている(前任者の管理責任があるはず)、女性教師が中学校のプールでの水泳授業に不安があることを校長に訴えていた(教育委員会と相談するという動き以外にも校長にはできることが沢山あったはず)、残業時間が月に50~100時間であった(学級担任が自分の所属以外の学年の授業を受け持ち、しかも専門外で初めての教科を主任として担当するというハードルの異様な高さ)…こんな過酷さの中で一体、誰が働きたいと思うだろう。

 この人事ではむしろ起きるべくして起きた事故ではないのか。未経験な若い女性の責任を情け容赦なく問う地裁の冷酷極まる判決には絶望しか感じない。

高校サッカー試合中落雷事故「予兆なく発生」も指導教諭らは注意義務違反? 悲劇

 防ぐ 「ためらわない」判断力 弁護士JPニュース によるストーリー 2024.4.10

 この悲劇的な事故を不運な出来事と捉えているうちは落雷による悲劇を防ぐことはできないだろう。屋外で行われるスポーツはすべて同じ危険性をはらんでおり、児童生徒自身の判断での回避が難しい条件下では顧問の判断が生死を分ける。したがって顧問の責任は極めて重大であると考えざるを得ない。

 実際、落雷の予兆を察知するのは非常に難しく、特に相手方のある試合等の中断を判断するのに悩まされるケースは多かった。とりわけせっかく苦労して日程を組み、時間をかけて会場を整備した公式試合ともなれば会場責任者の決断は苦渋に満ちたものになるかもしれない。しかしその苦渋は児童生徒たちの命と比べればまったく価値のないものに過ぎないはず。判断を渋って避難の時間を遅らせることが絶対にあってはならないのだ。

 とはいえ学校におけるこうした事故が後を絶たない背景に教師たちの過重な負担があることは間違いあるまい。顧問たちの家族を犠牲にして休日に行われる公式の大会は雨天順延が原則。つまり順延となればその後の個人的な予定はキャンセルされ、家族の不満は募る一方となる。家族の行事が基本的に順延できない性質のものだとしたら猶更である。

 また平日に順延されれば顧問は急いで自習課題を用意し、学校に連絡して自習監督を依頼することになる。つまり試合は期限内に必ず実施されなければならないため、雨天等の順延は間違いなく顧問たちの負担を増やすことにつながるのだ。こうしたことが予想されるため、大会責任者が時に土砂降りとなっても試合を続行することすらかつては少なくなかった。そうした危険をはらむ判断に対して責任者以外の顧問たちが意見することは、責任者の気持ちを忖度するときわめて難しくなるのは心情的に理解できる点がある。

 しかし結論から言えば落雷の危険性が少しでもある場合は中断や延期の判断を遅らせてはならない、ということになるだろう。そうした決断に強い抵抗感や無理を感じる人ならば運動部の顧問を辞めるべきなのである。最悪の事態は試合の延期などではなく、事故による児童生徒への被害の発生なのだ。

 ただし以上の結論は正直に言えば教師の心情からみてあまり現実的ではないようにも思える。つまり多少の危険を承知の上で無理をしてでも日程を消化してしまいたい、という強い欲望に逆らえる教師はそう多くないのではあるまいか。実際、自分の経験でも落雷の危険を感じて練習や練習試合を中断したことは何度かあった。生徒を校舎内に避難させた途端に落雷と土砂降りが始まり、かろうじて間に合ったことにホッとした時もあった。しかしよくよく考えてみればその時、既に手遅れになっていた可能性は決して低くなかったはず。

 ほとんどの顧問は実際のところ結果的に運が良かったために事故に遭わずに済んでいただけなのではないのか。ただ単に落雷の被害に遭う確率の低さゆえに事故に遭わずに済んできたのだとすれば熊本での事故の責任をかの顧問に問う資格など私にはあるまい。私が事故に遭わずに済んだのはやはりただの偶然に過ぎないのだ。決して雲行き、天候の急変を見抜く力があったわけではない。

 根本的に考えれば今の教師のブラックな働き方においてはこのような事故を完全に防ぐことなど不可能に近いだろう。仮に個々の顧問の責任が問われないようにするとしたならば、雷注意報が出された時点で屋外におけるすべての学校スポーツの中断を求める絶対的指令を情け容赦なく機械的に出すほかあるまい。個々の顧問の判断に任せているから事故が生じてしまうのだ。ただし誰がその指令を出すのか…どの地域を限定して出すのか…指令はいつ解除されるのか…等々、実施上の難点は少なくない。

 ならばいっそのこと、高校を含め、すべての部活動を地域社会に完全移譲するのはどうだろう。今はそれしか児童生徒と教師たちを守る手段は無いのではあるまいか。地域社会に移譲できれば指令の主体は自治体であり、責任は市町村が負えばよい。いかがだろう。

 たとえば以上のことをぜひ授業を通じて生徒たちに考えさせたい。これは多くの生徒にとって他人事ではない悲痛な事故であり、かなり真剣に考えてくれるはずだ。

小中高校の死亡事故456件、7割が国に未報告…文科省が指針改定で学校の調査

   対象や方法を明示 読売新聞 によるストーリー 2024.2.27

小中高校での死亡事故報告が不徹底、盛山文科相「改善が望まれる」…今年度内に 

   指針改定へ 読売新聞 によるストーリー 2024.2.27

 悲惨な学校事故がなぜこうも繰り返されるのか、これまで幾度も疑問が呈されてきたが、その都度、教育委員会や校長から事故発生の原因究明と再発防止に努める、との聞き飽きた形式的な声明が打ち出されてきただけ。

 今回、その背景はいまだボンヤリとしているが、しかし学校教育の闇の奥がわずかながら透けて見えてくるような衝撃の事実が判明したようだ。

 死亡事故ですらそのほとんどが国に報告されておらず、事故防止の教訓が学校現場で広く共有されることすらなかった…尊い命の犠牲が長きにわたってほとんど学校現場に生かされることなく徒に埋もれてきた…この事実が何を意味するのか、誰しもが考えれば考えるほど学校、教育行政側の対応に見られるあまりの無責任さ、杜撰さに怒りは収まらなくなるに違いない。

 記事では学校の忙しさが未報告の理由に挙げられているが、この件に限ってはその手は通じないだろう。間違いなく学校業務の優先順位の第一位は児童生徒の安全確保であり、その命を守ることである。まして死亡事故ならば文科省への報告が必須となるのはもはや疑問の余地無し。また当然のことながら学校教育には死亡事故がつきもの、といった時代遅れで無責任極まる野蛮な認識は今時、世間の共感を得られるものではない。

 通常、学校での事故による児童生徒のケガが発生した場合、関係するクラス担任や顧問などの教師は学校保健の手続きのために、事故の発生場所、日時、状況、経緯、考えられる主な原因…などを所定の用紙に記入して保健室へ提出するように義務付けられている。私としてはその後、用紙は学校保健の手続きだけにとどまらず、コピーされて関係部署に送られ、学校事故の統計などの資料に有効活用されているものと考えていた。

 もちろん学校保健上での全国的統計はこれまでもなされていただろうが、同時に事故の多い体育の授業や運動部の指導、体育祭などにそのデータは事故再発防止のためにしっかりと活用されているものとこれまで思い込んできたのだ。

 一体何のための書類作成だったのか…完全に裏切られた気分である。

 体育祭などでの人間ピラミッド、騎馬戦、特定の部活や体育の種目でなぜこうも執拗に重大なケガや死亡事故が繰り返されてきたのか、その反省が十分に生かされてこなかった理由の一端はこれでハッキリと示されただろう。冷静に振り返れば確かにこれまでの学校現場では事故発生の状況や原因についてのまともなデータが完全に不足しており、教師間でのデータの共有はほとんど無かったといって良い。もちろん当事者であった自分の認識の甘さ、迂闊さは遅ればせながら深く反省すべきである。

 一般教職員、さらには教育委員会や学校管理職にある者たちの児童生徒の命、安全に対する認識と関心の欠如がまずは指摘されよう。さらには学校側の落ち度を探られないよう、事故発生の本質的要因を探られないようにするための姑息な隠蔽体質が学校教育村の隅々まで蔓延している…ということに改めて気付かされる。

 こうした教育行政の古くて閉鎖的な体質が他方で学校でのイジメをもはびこらせ、教師による暴言、体罰、シゴキを温存させ、終いには組織ぐるみでの事件の隠蔽をはびこらせてしまった大きな要因なのはもはや疑いようもあるまい。

校・園庭から くぎ3917本除去 金属探知機で足立区が点検

   東京新聞 2023.10.21

    この数字をどう評価するのか、アンケートをとって生徒の印象をまとめてみるのも良いだろう。さらに、なぜこのような杜撰な安全管理が教育の世界でまかりとおっていたのか、原因をできるだけ多く挙げさせたい。また主たる原因はどれなのか、意見を集約してみよう。以後、どれが主因なのか、のアンケート結果をもとにグループ分けし、検討をしていくための材料探し等を通じて、各グループで主因の深堀りをさせていくと面白いかも。

小学校校庭の大量くぎ問題 実効性ある安全点検は「学校任せ」でよいのか

 東京新聞 2023.6.19

 案の定、校庭の釘放置は都内各所で確認されている。都や区の教育委員会の指導がこれまでどうだったのかが、厳しく問われよう。小学校では近年、相次いで英語や情報といった新しい授業が導入され、教師はその対応に追われている。確かに多くの教師たちには時間的、体力的余裕がない。しかし本来、児童生徒の安全確保ほど教師が優先すべき作業・点検項目はないはず。教師のゆとりが無いからといってこれを業者任せにする発想はどう考えても芳しくないだろう。むしろ教師たちが校庭の安全点検をきっちりと行えるだけの時間的、体力的ゆとりを確保していくことこそが最も優先される課題と思うが、いかがか。

 安全性の確保・点検は校庭だけではなく、当然、各種教室や階段、駐車場、体育館、遊具、U字溝のフタなど、学校の隅々まで実施できなければなるまい。児童生徒と日常的に向き合っている教師でなければ、目が行き届くことの難しい箇所だって少なくない。様々な施設・用具があり、死角の多い学校空間である。

 ごく短時間しか学校に来られない業者が児童生徒の予想しがたい動きをも想定した点検ができるのか、疑わしくはないだろうか。たとえ予算がついて特定の業者に任せられたとしても、本当に実効性のある安全確保など外部の業者には極めて難しいと思うが、いかがか。

 もちろん、児童生徒の健康や安全確保を最優先する心構え自体が従来の日本の学校には圧倒的に欠けていた側面があることも否めないだろう。深刻な組体操の事故が相次いでいても決して止めようとしない学校はいまだに少なくない。また暑い日であるにも拘わらず敢えて運動会や長距離走を強行したり、蒸し暑い体育館で長時間にわたり全校集会、学年集会を強行して大勢の児童生徒を体調不良に陥れることを繰り返す学校も少なくない。

 今や傷害罪に問われるかもしれないような、我慢大会と化した学校行事の数々…そうした戦前からの集団主義的、鍛錬主義的な教育の在り方は時間をかけて徹底的に見直すべきであろう。そしてそのためにこそ、教師たちには児童生徒の健康と安全を確保する地道な点検作業だけはむしろ万難を排してでもすべからく、怠りなくやり続けていくべきである…今後、様々な学校事故を少しでも着実に減らしていくにはそれしかあるまい…と思うのだが、いかがだろう。

 実は学校でのケガ、体調不良の発生を安易に児童生徒の自己責任・自己管理能力の欠如と決めつけるような、学校事故・事件の当事者意識に欠ける教師は現在も決して少なくない…というのが私の正直な実感である。

校庭のくぎ問題、続々見つかる 江東、北、江戸川区の小中学校、幼稚園などから

 計1236本 東京ニュース 江東区 2023年6月1日

 何と校庭への釘放置問題は杉並区にとどまらず、北区、江東区、江戸川区でも広範に確認されたという。私としてはビックリ仰天の出来事なのだが、おそらく他の区でも、いや全国の学校でもこれは少なからず露見してしまうようなありふれた事象なのであろう。

 だとすればこの問題は日本の教師たちが普遍的に抱える、子供たちに対する人権感覚の低さが学校風土全体にはびこっていることを示しているのかもしれない。でなければ20年近くもの間、クギは放置されてこなかったはずである。

校庭から約5000本の釘やペグ状の金属見つかる 東京・品川区内の23の小

 中学校 テレ朝news によるストーリー 2024.4.30

 確かに高校の校庭でも小さからぬ数の石が埋もれていたことは幾度か体験している。部活動で生徒たちが転倒やスライディングなどした際に危険なので見つけ次第掘り起こして校庭の端に捨てていたが、この場合は誰かが故意に石を埋めていたわけではあるまい。精々、事務長か誰かがグランドの土を入れ替える際に費用を節約するため、砂礫の混じる安い土を業者から購入してしまったのが最大の原因なのだろう。釘を故意に放置していた東京都の案件と比べればそれほどの「悪意」は覚えない。むしろただでさえ少ない学校の予算の中での、苦しいやり繰りから生じてしまった、ある程度はやむを得ない出来事だったとさえ思われる。

 それにしても校庭の釘問題、なかなか奥は深そうだ。二言目には子供たちの健康と安全を口にしながら、性懲りもなく体育祭や運動会での事故、熱中症の集団発生を繰り返してしまう日本の学校教育の持つ人権意識の低さは本来、最優先されるべき子供たちの安全への配慮に綻びをうみ、肝心な場面での気の緩みを招く。積年、校庭に放置された釘の数々はそうした教師たちの心理を雄弁に物語っているに違いない。

 

・学校事故と体育の授業

参考動画

【衝撃動画】大阪府八尾市の中学校組体操10段ピラミッド崩壊事故

   2015/10/05 3:49

 古い動画だが、このテーマの導入として利用できるだろう。なぜ、学校は危険を承知でこのような種目を温存してきたのか、生徒たちに理由を挙げさせてみたい。

参考記事

10段の人間ピラミッドが崩壊、6人重軽傷 尾木ママ「大人の安全意識が低すぎ

   る」運動の秋、気になる事故が起きています。

   2015年10月05日 21時35分 JST 安藤健二The Huffington Post

なぜ生徒の死亡事故も起きた組体操を強行…“他校への対抗心”で暴走する一部教師

   たち business journal  2019.11.07  文=粟野仁雄

中学生、部活で頭部負傷し緊急手術 顧問は119番せず 名古屋

 毎日新聞 によるストーリー 2024.6.14

大豪雨なのに集団登校なんて、まるで軍隊…豪雨で見えた「学校現場の命に関わる

   ナンセンスルール」FORZA STYLEオピニオン 2023.6.5

参考動画

【体育】前へ習えや整列は必要?水泳授業で溺死が減った?義務教育における体育

 授業の役割とは ABEMA Prime #アベプラ【公式】  2022/05/26  14:20

 夏野氏の体育不要論はかなり重要なポイントをついていて実に面白い。討論の議題にすれば議論百出し、かなり盛り上がるだろう。

[NHKスペシャル] 重い後遺症も。運動会の「むかで競走」で繰り返される事故 |

  いのちを守る学校に 調査報告学校事故 | NHK  2023/07/19  5:34

[NHKスペシャル] 窓からの転落死、給食での窒息死8729件の記録 | いのちを守

 る学校に 調査報告“学校事故 | NHK  2023/05/12  4:39

 学校事故の調査結果の共有、原因の究明、再発防止策の提言…当然、行われるべき対応がなぜ行われてこなかったのか?児童生徒の健康、生命を守るべき学校で一体何が起きているのか、何が行われているのか、外部からはうかがい知れない闇がある。

選択の幅を拡げる努力、工夫が日本の学校には不足しているだろう。

遠足で小1女児の「お茶買いたい」認めず、熱中症で救急搬送 学校側を提訴

   産経新聞 2024.2.27

 校長の判断だったことに驚く。事件の経緯から見れば学校側の責任はかなり重大であり、通常ならば校長の適格性が疑われ、降格処分は避けられないだろう。そもそも体調がすぐれなかった児童を担任が半強制的に遠足に参加させたこと自体、大きな問題をはらんでいる。しかも児童の訴えを校長が無視した結果、救急搬送される事態を招いた点は絶対に許容できるものではあるまい。同時に請求の棄却を求めた八尾市側の判断も明らかに常識に反したもの。

 やはり大阪府と兵庫県の教育風土は突出して異常であり、その背景に何があるのかをマスコミはしっかりと追求し、報道すべきだろう。

遠足で「お茶買いたい」認めず、小1女児熱中症 「過失なし」と全面対決する学校

 の言い分 産経新聞 2024.4.9

 本来、学校の遠足や修学旅行は軍隊の行軍から派生したもので歴史的には鍛錬的な要素が強かった。しかし皇国民錬成のための遠足や体育の発想は遠い過去のものであるはず。

遠足だけでない…部活動での熱中症巡り相次ぐ訴訟、2億円超の賠償判決も 学校の

   過失焦点 産経新聞 2024.2.27

参考記事

日本とフィンランド、実は「体育の授業」に決定的な違いがあった…! 「運動」の

 位置付けがまるで異なる 現代ビジネス 岩竹 美加子 の意見 2022.11.23

 運動部や体育、運動会(体育祭)の在り方を根本から見直す上で非常に参考となる資料。フィンランドと日本の学校教育の決定的な違いに注目したい。

なぜ「体育の授業で運動が嫌いになった」「大人になってスポーツが楽しい」という人

 がこれほど多いのか?   プレジデントオンライン 平尾 剛 の意見 2023.7.6

大阪の小学生17人が熱中症か 体育のリレーで体調不良、12人搬送

 朝日新聞社 によるストーリー 2023.7.7

 天気予報では熱中症の警告が出されているこの日の真昼、なぜリレーをさせたのか、教師の判断力が疑われよう。児童たちからすれば競争心を煽られるリレーともなると手を抜くことはあまり考えられない。チームのために多くの児童が必死に走ってしまうことは当然、予想できたはず。

 気温33度に達する猛暑の中、結果的に体調が悪くなる児童が多少出ても不思議ではあるまい。したがってたとえ児童全員からリレーをやりたいと懇願されていても教師は大人の判断としてリレーの中止を選択すべきであった。

 12人も搬送することになった責任は一体、誰がとるのだろう。児童の自己責任を問うことは出来ない。むしろ下手をすれば教師側が傷害罪を問われかねないほどの不祥事である。

 大阪、兵庫地区はけが人続出の組体操を長年行い続け、イジメ事件の隠蔽や体罰など、各種不祥事を連発させてきた。どうやら学校における行き過ぎた鍛錬主義と集団主義の見直しが殊の外、急がれる地域なのだろう。

 

⑦手遅れの弥縫策

※この記事は常に新鮮なネタを提供すべく、随時、更新されています。

 

参考記事

高校で蔓延する「やりすぎ教育」…「特色や魅力づくり」の過熱化で教職員も生徒

     も負担増、いったい誰のための改革か?

     東洋経済オンライン 妹尾 昌俊 2026.5.21

     私たちは「やりすぎ教育」の弊害にもっと目を向けるべきだろう。辺野古沖の転覆事故のように「やらなさすぎ教育」の問題ばかりが目立つ現在、妹尾氏の指摘は貴重である。高校での部活動の民間委託や学校行事の削減など、文科省が主導して行うべき改革はまだまだ数多い。学習指導要領の改訂で「特色や魅力づくり」に精を出せるほど余力の残っている高校は数少ないはず。まずは学校業務の削減を最優先させることこそ、文科省が全力を挙げて取り組むべき改革だろう。

午前中5時間授業」宮崎市の小学校で進む“学びの多様化” 下校が早まり放課後が

     充実・先生の働き方にも変化が     FNNプライムオンライン 2026.5.6

 これは高く評価できる取り組み。中高でもぜひ、同様の取り組みを試みてはいかがか。ただし、中高ではどうしても部活動の完全外部委託、カリキュラムの大幅な見直し、学校行事の精選、公民館の拡充などが予め必要となってくるだろう。すなわち国家的規模の決断が求められているはずだ。

「私の人生を返せ」小中高生の自死が“過去最多” 女子急増が注目される陰で…見過

     ごされる「男子」の孤立 弁護士JPニュース 2026.5.5

 20代以上の自殺者数が減少する中で、なぜ10代の自殺者数だけが増え続けてきたのか、その理由について考えさせたい。特に女性の自殺者数の増加は深刻な問題を孕んでいそうだ。その理由についてもいくつかの仮説を挙げさせ、それぞれ是非を検証させてみたい。

日本の基礎研究力に危機感、国際的地位が大幅低下…NISTEP定点調査2025

 リシード 2026.4.27

 教育予算の削減が続いたことの当然の帰結として、いよいよ日本経済への悪影響まで懸念される事態が生じてきたようだ。この事はかなり前から科学者の間で話題に上っていたが、政府は一向に気にも留めてこなかった。このままでは公教育の衰退どころか、学校教育全体の衰退と学術研究の停滞、さらには日本経済の沈滞を招くに違いない。その責任は一体、誰がとってくれるのだろう。

深刻な教員不足に文科省の「ズレた対策」では限界

 東洋経済オンライン 齋藤 浩 2026.4.16

 確かに文科省の対策は呆れるほどにズレている。しかし「2校で大学の教職授業を担当」しているはずの齋藤氏の提言もまた文科省以上にズレまくっているというほかあるまい。

 まず、齋藤氏が提案している改善案はどの学校段階を前提にしているのかが、不明である。小学校、中学校、高校、それぞれどの学校段階にも共通する問題は多少あるが、まったく異なった問題点だって少なからずある。しかもどの学校も、地域の特性の差によって抱えている問題点はかなり異なる。小中高すべての学校を十把一からげで論じてしまう乱暴さにまず、呆れてしまう。

 …「放課後等に教室に残留させる」「授業中、教室内に起立させる」「学習課題や清掃活動を課す」等は指導の範囲内とされているのだが、意外と知らない教員が多い…

これまた暴論である。太字の箇所などはまかり間違えば教師によるパワハラであり、体罰に相当しかねない。そもそも児童生徒への指導に疲弊する原因を教師が強めの指導ができなくなったことに求める、短絡的で危険極まる発想はいかがなものか?かえって教師たちのストレスを倍増させかねまい。 

 学校のブラック化によって学校行事や授業などの準備時間が十分に確保できずにストレスを抱えている教師だって決して少なくないはず。時間不足の結果、不本意にも拙い授業、指導しかできない教師たちに強めの指導を許してしまったら、かえって大事になるのではあるまいか。

 …一人ひとりの教員に個室を提供することを提案したい…

 …夏休み期間の出勤をなしにしてはどうだろうか…

どうしてこんな珍妙な発想しかできないのだろう。教師の個室などは無意味の極致。むしろ教師たちをただ孤立させてしまう危険すら出てくるだろう。学校の現場を知らない者の思いつきだけでこの問題は決して解決できまい。

 早急に着手すべきは教師負担の劇的軽減である。たとえ夏休みを完全な休暇にできたとしても、9月以降の職務が大幅に軽減されていなければ、児童生徒と同様に夏休み明け、教師の不登校や自殺が増えるかもしれない。日々の職務の軽減こそが今、最も求められているのだ。

参考動画

定員割ればかりの私立大…文科省の対応は遅すぎる!

    コバショーの受験最前線【CASTDICEサブ】2025/05/03  11:50

    コバショーさんもついに文科省の、あまりのいい加減さ無責任さ堪忍袋の緒が切れてしまったようである。とうの昔から日本の少子化が分かっていたはずなのに直近25年間で150校も大学数を許認可して増やしてしまった文科省の責任は確かに重いだろう。しかも家政学部や歯学部の人気が下がってきたにもかかわらず、学部設置を唯々諾々と許可してきた文科省にはデータを分析する能力以上に、教育の責任官庁として致命的なレベルでの自覚不足が糾弾されるだろう。今はまさに「財務省解体」デモ以上に「文科省解体」デモが必要となっているはず。

 高校生には切実なテーマであり、視聴後、ぜひ討論させたい。

先生がいなくなる 日テレNEWS NNN 2024.10.30 5:35

 学校の教師が置かれている状況を理解してもらうために視聴すべき動画としては時間的に見てもこの動画が一番ではないか。

参考記事

「教員不足、ここまで来たか」免許なしで合格→後から取得、さいたま市異例採用

     に賛否噴出…「現場ではすでに最悪の事態が」と専門家は指摘

     集英社オンライン 2026.4.7

 内田氏の指摘する通り、教師の職務を大幅に削減しない限り、この手のゴマカシ戦術、弥縫策は却って教員の質低下と学校のブラック化をひたすら加速させるだけとなるだろう。

 教師の職務削減は必ずしも文科省しかできないわけではあるまい。神戸市のような取り組み例がある。学校行事の大幅な削減も各学校の裁量部分が大きい。しかしそれらの取り組みはとりあえず学校の力の低下を自ら認め、恥も外聞もかなぐり捨てて公言し、周囲の広範な理解をあらかじめ得る必要がある。そんな胆力と決断力のある管理職がそうそういるとは思えまい。表面をきれいごとを並べて糊塗し、ブラック化した学校の実態を何とか隠蔽してきた都道府県から公教育の崩壊が本格化してくるに違いない。千葉県などはその先頭に立つはずである。

高校無償化拡大と中学「35人学級」、4月からスタート 改正法成立

     朝日新聞社 2026.3.31

 こんなことすらまだ法制化されていなかったのか…呆れてものが言えなくなる。中学生人口は2024年段階で314万人余り、ピーク時の1962年の733万人弱のほぼ43%に過ぎない。とっくの昔にマスプロ教育の弊害が叫ばれ、個別最適化の学習が希求されて久しい現在、学級定員は出来る限り少ない方が望ましいに違いない。特に指導の難しい中学生ならばなおさらであろう。

     仮に人口減に比例する形で学級定員の上限を定めたとすれば、現在は40人(1962年における中学校の標準学級定員)×0.43=17.2。つまり1クラス17人となる計算だ。それが、何とその2倍余りの35人、しかも今さらようやく変更できたというのだから悲鳴が出そうにもなろう。この取り組みの圧倒的な遅さが意味する事は一体、何だろう。ぜひ、生徒たちに考えさせたい。

 なお日本のGDPに占める教育予算の割合はバブルがはじける前まで5%を超えていたが1993年以降、急激に低下し、今は3.3%を切っていてほぼ途上国並みである。

小中高生の自殺が過去最多の538人に 令和7年、原因は「学校問題」が最多

     産経新聞 2026.3.27

     小中高生の自殺者数が過去最多となり、最大の原因が「学校問題」となっている。これもまた日本の学校教育の行き詰まりを示すデータの一つだろう。

AI時代を生き残るのに必要な探究力とは? 難関大の総合型選抜も狙える「探究力」

    を鍛えるには、格差広がる中学・高校選びが重要!    ダイヤモンド・教育ラボ 

 まずは探求学習を高校に定着させる上での条件整備について、きちんと議論すべきだろう。探求学習が今後、非常に重視されてくる学習のあり方であることはもはや言を俟たない。ただ学校現場の業務量の大幅な削減ができなければ、これまでがそうであったように多くの公立高校は「やったフリ」をするのが精一杯となり、むしろ公教育の破綻を加速させるだけとなる。では高校の大幅な業務量の削減は具体的にどうすれば実現できるのか、そのことの方を最初にしっかりと考えておくべきなのだ。

 公教育においては学校行事の大幅な削減、簡素化に加えて、部活動を学校教育から社会教育へ全面的に移管する。これに伴い、高校での体育科と芸術科を廃止し、同教科の教員の多くを社会教育機関に移す。これらの教科が減ったことにより、一日5時限の時間割が実現可能となる。探求的学習を取り入れた授業を時間割の中に埋め込むとともに、5時限終了後の放課後は毎日一時間分の探求学習を社会教育の中で選択して異年齢集団の中で取り組んでもらう。

 以上が欧米の学校をモデルにして私が個人的に考えてきた、公立高校への本格的な探求学習導入、定着のために必要となる改革案である。これまでの教育改革のように探求学習のメリット等のきれいごとをいくら並べてみても、前提として教員負担の大幅な軽減を伴わない限り、改革の構想は百害あって一利なし、むしろ有害な「絵に描いた餅」に過ぎない。文科省の探求学習に対する本気度はこうした教員負担軽減を巡る大胆な取り組みをするだけの覚悟があるのかどうかにきっと表れてくるはず。引き続き、今後の成り行きを厳しい眼差しで監視していきたい。

日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示さない

    ニューズウィーク日本版 舞田敏彦 2026.3.6

 データに裏付けされた、極めて真っ当な主張であろう。しかし日本での実現は極めて難しい。問題は政府に教員の待遇改善への熱意がほとんど存在しないことにあることに加えて、教育予算を常に低く抑えようとする政治勢力が国会で多数派を占め続けてきた点に求められるだろう。教育が主な政治的焦点とならないこの国では教育予算の大幅な増額を伴う改革がほぼ絶望的である。

 予算の増額は無理としても、今すぐにでも出来る事はまだ沢山あるはずだ。教員の待遇改善は給与引き上げだけではない。業務量の大幅な削減こそが真っ先に取り組まれるべき現実的な改善である。財務省に頭の上がらない文科省には予算確保のために教員の業務を増やし続けた過去があるのではあるまいか。その発想は今すぐにでも捨てるべきだろう。学校の業務量を適正規模に縮小することが、今、文科省の取り組むべき最大の任務であると思うが、いかがか。

 教員の人気が低落しつつある現時点で、大学院卒を教員免許の授与条件にしてしまうと何が起きてしまうのか…考えるだけで空恐ろしい。教員の人気が回復し、教員不足が解消されてから後に、教員免許の取得条件の見直しを行うべきではないのか。

公立校の教員不足深刻、昨年4月時点の欠員4317人に…4年前の1・7倍に増

     加 読売新聞 2026.3.5

 この統計がどれほど信用できるものかはさておいて、教員不足に対する文科省や各教育委員会の取り組みが表層をなぞるだけでの弥縫策に過ぎなかったが故の現状であろう。結果的に苦しみが増すのは学校現場であり、学校のブラック化は進む一方となっている。これで若者の教員離れも加速するに違いあるまい。

    とは言え、大胆なレベルでの教師の業務削減が待ったなし、であることに文科省や政府が気付くとは思えない。いよいよ公教育の崩壊が間近となってきた。

日本の教員は依然として長時間労働......保護者対応や煩雑な事務作業に追われ 

     ニューズウィーク日本版 舞田敏彦(教育社会学者) 2025.11.5

 …他の先進国と比較すると、日本では教員の「教えることの専門性」が軽んじられている…教員の主な業務は授業なのだが、日本の中学校教員で言うと、週の授業時間(準備含む)の平均値は26.0時間で、参加国の平均値(30.0時間)よりも少ない。上述のように、総勤務時間は55.1時間なので、残りの29.1時間、仕事の半分以上が授業以外の業務ということになる。このような国は他にない。

     日本の教員の長時間労働は、授業以外の業務が多いことが原因だ。膨大な事務作業、部活指導、保護者対応、さらには学校の安全管理(点検)などだ。教員は、教えることの専門職ではなく、あたかも「何でも屋」であるかのように扱われている。採用に際して「教員免許は不要」を掲げる自治体も出てきているが、こういうところにも、教員の専門性を軽んじる姿勢が表れている。「何でも屋」を雇うに当たって、専門性を担保する免許状など必要ない、ということだ…

     …日本の教員の選択率が国際平均より目立って高いのは、保護者対応や煩雑な事務作業であるのに対し、海外の教員では、生徒の学力やウェルビーイング維持といった項目の選択率が日本と比較して高い。後者は、教えること、子どもの可能性を引き出す専門職としての教員ならではの悩みだ。

     多くの教員は、教えることの専門職でありたいと願っているし、「もっと授業に注力したい」と思っている。教員の仕事を授業に特化するなど不可能と思われるだろうが、南米のブラジルやチリでは、教員の勤務時間の95%が授業(とその準備)だ。地球の裏側の極端な例だが、アメリカでも8割というように、教員の業務を授業に絞れている国は数多くある

 …まずは少数の実験校という形でよいので、教員の仕事を授業に特化した学校を設置してみてはどうか。部活は地域移行、給食は食堂、生徒指導や問題行動への対処は専門のカウンセラー、保護者対応は教育委員会設置の窓口、事務作業は業務支援員、学校の施設管理は専門業者......。

     まずはこのような(夢のような)学校を意図的に作ってみて、どういうことが起きるかを観察してみることからだ。何もせず、通り一遍の「働き方改革」を連呼するだけよりはいい…

     舞田氏の指摘はこの問題の核心をついていていちいち小気味よい。「給食は食堂…」などは学校が災害時の実効性ある避難先として一定期間、機能する上でも必要であろう。大した設備が無いクセに、無責任にも避難所を引き受ける…ただの嘘つき、ほら吹きに過ぎない「何でも屋」、すなわち日本の学校ほど無能で質の悪い施設は他にあるのだろうか。

 授業を軽視する日本の学校教育の悪しき伝統も根本から見直していくべきである。

<社説>教員の働き過ぎ 定員増やす抜本策こそ 東京新聞 2025.11.4

 抜本策は決して教員の定員を増やすことではない。これまでの教育行政を振り返れば十分に予想できることだが、定員を増やすとこれに応じて必ず教員の職務が増える。そして増えた分の仕事はただのサービス残業として教師が自宅に持ち帰るだけになる。実態としては教師の負担がさらに重くなるだけなのであるが、得点稼ぎに走る管理職の過少報告も手伝って表向きの「残業時間」は減る、といういつものゴマカシ、常套手段が作動するだけなのだ。

 決して騙されてはなるまい。「教員の働き方改革」はほとんど前に進んではいない。学校での残業が減った分、教師の持ち帰り残業が増えただけである。すなわち教師の自宅での光熱費が増えているに過ぎない。

     これは「働き方改革」に名を借りた教育行政側の経費節約策に過ぎず、得をしているのは国や地方自治体だけである。児童生徒、それに教職員はむしろ損をしていると言った方が良いだろう。だからこそ不登校とイジメは増え続け、教員の精神疾患も増え続けているのだ。

 手始めに打つべき抜本策は学校の職務の大幅な削減しかない、と思うのだがいかがか。

「うちらは捨てられてる」先生が教室に現れず、授業を受けられない子どもが増

 加…教育現場で今起きている“非常事態” 

 文春オンライン いしい しんじ によるストーリー 2023.6.19

 学校教育の隠蔽体質は、ただでさえブラック化した学校において正規教員の不足という最悪の事態の進行をも招いてしまった。学校自らが教師不足という致命的な事態を世間一般からは見えにくくしていたのだ。それが社会問題と化し、表面化してきた現段階に至ってしまっては最早、手遅れに近いほどに学校の病巣は進行し、肥大化しているのではあるまいか。

 もはや手の施しようのない末期患者と同様、日本の公教育は大げさに言えば存亡の危機に直面しているのではないのか。垂れ流し状態の「教育改革」の連打がいかに学校現場を疲弊させ、限界まで追い詰めてきたか、改めて教育行政の責任を問いたい。

学校の保護者対応、民間で 教員負担軽減へ文科省モデル事業

   共同通信  2025.2.1

   文科省の迷走ぶりには呆れるほかない。教師たちのストレスは膨大な仕事量によって本来、力を入れるべき授業準備が疎かになっている点に由来する側面が大きいだろう。教師の校務の一部に保護者対応があり、いわゆるモンペアへの対応は確かに強いストレスを教師にもたらす。しかし、だからといって保護者対応を民間機関に任せることがはたして良策なのだろうか。

   学校や特定の教師への保護者による強い抗議や要望の中には、公務員が厳守すべき守秘義務の対象となりうるものも少なからず含まれている。おそらく守秘義務に関わる重大な内容の多くは外部の民間機関に委ねるわけにはいくまい。つまりそれらは学校側や教育委員会側が相変わらず受け付けることになるのだろうが、それでは教師の仕事量の実質的削減にはほとんどつながるまい。

   強烈なストレスを教師たちに与える保護者対応の多くを、結果的に学校や教育委員会が引き受けることとなってしまうのならば、この施策にどれほどの意味があるのだろう。これはまさに文科省が表向き教師の負担軽減のために一生懸命「やってます」感を演出するだけの、ただの見せかけに過ぎないのではあるまいか。

 こんなゴマカシに無駄な労力や経費を費やすヒマがあるのならば、もっと有効な対策に集中すべきだろう。まずは学級の定員を30人に減らして教員の数を増やす。それが当面、無理ならば学校行事を大胆に軽減して部活動の地域移行を徹底する、校務の合理化、DX化を加速させる、スクールロイヤーの増員と配置、学校カウンセラーやケースワーカーの増員と常駐化、彼らの待遇改善…

 文科省がやれること、やるべきことは山ほどある。文科省のお役人たちだって余分なことをしているヒマなど無いはずだ。教育行政としてやるべきことは多々あるだろうが、まず最初に着手すべきは政策の基礎基本たるしっかりとした学校の現状把握。そこが恐ろしいほどいい加減だから、文科省はその場しのぎで的外れの政策をひたすら繰り返してきたのではなかったか。信用できるはずのない教育委員会からの報告を鵜呑みにして自ら直接、学校の現状確認をサボり続けてきた文科省の責任は重い。

教職調整額13%実現へ、日高教が署名提出 リシード 2024.12.4

 …教員業務には、教科指導や生徒指導、進路指導、キャリア教育、ICT教育、特別活動の指導、部活動指導、高校魅力化推進活動、地域連携活動などが含まれる。これらの業務を遂行する過程で、生徒対応や保護者対応、地域連携対応、特別支援対応、いじめ対応、不登校対応、貧困およびヤングケアラー対応、危機管理対応など多岐にわたる対応が求められる。教員は多くの知識と専門性を駆使し、日本の未来を支える人材の育成を行っている。

 教職調整額13%の実現は、教育が多様化・複雑化し、多くの知識や高度な専門性を必要とされる現代の教師という仕事の特殊性に対し、教師の尊厳とプライドの対価として支払われるものだと考えられている。教職調整額は、教師の残業代として支払われるものという誤った認識があるが、時間外勤務の代償は、学校における働き方改革の延長線上に、残業手当としてあるべきである。・・・

 ほとんど学校教育の現状を知らない者たちの聞き捨てならない妄言というほかあるまい。現在の高校教師たちの中で「教科指導や生徒指導、進路指導、キャリア教育、ICT教育、特別活動の指導、部活動指導、高校魅力化推進活動、地域連携活動」のすべてにわたって高度な知識、専門性を持つ人物など本当にいるのだろうか。仮にいるとすればそれはまさに「スーパーマン」そのものであろう。我こそはスパーマンなりと自負する教師がいるのなら、ぜひ、名乗り出てもらいたい。

   現今の採用試験の倍率、大学での教職教養の講義のレベル、教員に向けて教育委員会が行う研修のレベル…どれをとっても、大抵は世界標準で「教師の尊厳とプライド」を満足させるものからはほど遠いものだったはず。それが日本の教育事情であろう。むしろ高校教師のほとんどは処理能力の限界を遥かに超えたレベルで複雑多岐にわたって多様化し、日増しに高度化する業務の重圧と膨大な事務仕事量に耐え兼ね、働き方改革が遅々として進まない学校の現状に絶望しつつあるのではあるまいか。

 世の中は広い。確かに「生徒対応や保護者対応、地域連携対応、特別支援対応、いじめ対応、不登校対応、貧困およびヤングケアラー対応、危機管理対応」といった業務をすべて満足のいくレベルで遂行できている、と平気でホラを吹く教師たちが世の中にまったくいないわけではあるまい。しかしそれらの内、一つでも専門的な教育を受けたことがある教師ならば即座に断言できるはずである。そんな超人的な仕事をこなせるのはスーパーマンだけなのだ。

 出来ないことを出来る、というウソはもうつかないでほしい。今、出来ること、あるいは近い将来、出来そうなことに教師たちが専念する体制作り、すなわち教師の業務の大幅な削減と事務仕事の大胆な合理化を即刻、文科省は断行すべきではあるまいか。給与や残業手当の件はその次に着手すべき課題であると思うが、いかがだろう。

持ち帰り業務、約56%が実施…教職員の勤務環境調査   リシード 2024.11.29

   学校での残業時間が減る一方で自宅への持ち帰り業務が増えていくことは以前から予想されていたことである。この調査に特に目新しい発見は無い。そもそも全体の業務量を減らさない中で、学校での残業時間を数字だけ減らそうとしている事の間抜けさ、トンチンカンさに呆れ果てる。

   文科省に業務量を削減する意欲は見られず、さらにやる能力すら無いのならば、今後も時間の無駄が続いてしまうので、まずは文科省自体を一刻も早く解体すべきだろう。存在価値が認められない省庁を存続させる意味は無い。

教員給与の段階的引き上げ 現場は評価もサービス残業を懸念

   毎日新聞 によるストーリー 2024.11.8

   給与の引き上げ、残業手当の支給などによる教師の待遇改善は無論必要であるが、それよりも急がれるのは職務の大胆な削減の方だろう。下手に給与の引き上げが先行してしまうと、流れとして職務の削減が不徹底になりやすい。すなわち給与が上がったくせに、しかも公務員のくせに仕事をさぼるのか・・・といった民衆の不満がこの景気低迷の中で政府やマスコミによって煽られ、変に暴発しないとは限るまい。

   教師たちの心身を追い詰めているのは決して給与の低さではなく、ほとんどブルシットジョブと思えるような、大量の事務仕事と部活動、学校行事の数々である。それらこそが教師の時間と体力と精神的ゆとりを奪い、心身共に疲弊させている張本人であろう。にもかかわらず敢えて給与引き上げを先行させようとするのは、こっそりと教員のタダ働きを継続させることで財政支出増の元を取ろうとする文科省、財務省など、政府側の悪だくみの様にしか思えないのだが、いかがか。

財務省の「教職調整額10%へ段階的引上げ」に反論…文科省

   リシード 2024.11.13

   …教師の時間外労働は改善傾向にあるとしたうえで、勤務時間の縮減を給与改善の条件とする提案は、学校教育の質の低下につながる…という文科省の反論には呆れるしかない。本当に「教師の時間外労働は改善傾向にある」のだろうか。一体、どういう調査結果に基づいているのだろうか。

   どうせ都道府県教委からの報告に基づいた見解なのだろうが、そもそもそうした調査報告がどこまで信用できるのか、文科省は一度でも疑ってみたことがあるのだろうか。教師たちの在校勤務時間は確かに減ってきているだろうが、業務量自体にはさほどの変化がなく、ただ単に自宅への持ち帰り残業が増えただけではないのか。重要なのは各教師の心身におけるゆとりが実際に回復できているかどうかであろう。

   …教職員定数等の充実をすることなく、単に学校現場の業務縮減の努力のみをもって学校における働き方改革を進めようとする提案は、学校現場への支援が欠如している…という、一見もっともらしい見解を文科省は示しているようだが、これも噴飯物である。給与引き上げと教職員定数等の充実を前提としてしまえば、今後、学校での仕事量削減への反発が強まり、むしろ仕事量の増大すら招きかねない。「学校現場の業務縮減」という面倒な作業を何とか後回しにし、できればそれをサボりたい文科省の本心が透けて見えるようだ。

 学校が出来もしないレベルの量と質をもつ雑多な仕事をあまりにも請け負い過ぎてきたことこそ、諸悪の根源であろう。教師の業務削減こそ最初に着手すべき改革であり、順序を間違えると事態はさらに悪化しかねないと思うのだが、いかがだろう。

   ※参考記事

  〈教員の残業〉「働いた対価が得られないなんて意味不明」「まじめな教師ほど病む」“教職調整

   額見直し”報道に現役教師たちが吐露するもっと深刻な問題

    集英社オンライン 2024.11.9

不登校の小中学生、初の30万人超 コロナ禍以降で15万人増

   朝日新聞社 によるストーリー 2024.10.31

   不登校が増えた理由をもっぱら外部的要因たるコロナの流行や児童生徒本人の意欲低下等に求めているようだが、これで良いのだろうか。そもそも文科省の調査は児童生徒の不登校の原因の選択肢に教育行政や学校側の要因をほとんど入れていないという、まさに責任逃れで片手落ちの内容となっており、調査そのものに信頼性、妥当性がまったく欠けていると私は考える。

 文科省は家庭側の要因や教員不足、専門的対応の不足などに多くの課題を求めているようだ。しかし最も重大な原因がこれまで看過され、その解決がひたすら先送りにされてきたからこそ、不登校児童生徒の増加、イジメ重大事態の増加といった危機的状況を招いているのではないだろうか。すなわち日本の教育行政の長く続いた迷走と停滞により、日本の学校現場が徒に混乱させられてきた。そのことによって時代の急激な変化から学校は完全に取り残され、もはやガラパゴス状態となってしまった。そこから生じた様々な不具合こそがこうした問題の背景にあるのではあるまいか。

 多様性や個性、主体性を重んじ、話し合いによる協同作業を軸とした授業内容と授業方法の抜本的見直し、管理主義的、画一的教育行政の変革、教員養成教育と教員人事の見直し、学校の業務量の大幅な削減…どれもが一瞬たりとも先送りできないはずの巨大な課題が山積する中でついに表面化してきた教員不足という恐るべき末期的症状。この公教育の深刻な危機を小手先の弥縫策で乗り切れるわけがあるまい。

小学校教員採用予定の倍以上が合格しても募集人員確保できず 辞退7割 高知県教委

 テレ朝news によるストーリー 2024.10.31

 いよいよ文科省や都道府県教委の行った教員不足解消策が完全な的外れであり、かつまったくの「手遅れ」であったことがよく分かるデータであろう。高知大学の教育学部学生がかなりの人数で教師としては地元に留まらなくなっている、という事実が物語る現実はあまりにも過酷なものとなるだろう。学校での教員不足によって生じる諸問題の悪化が予想されるという、当然の帰結を招くだけではあるまい。極端な少子高齢化に直面する高知県での若者の人口減が一層加速し、県全体レベルでの過疎化がより進行してしまう、ということでもある。

 ただでさえ南海トラフ地震による大津波が予想され、高知県に居住する人々の不安が強まっている。そうしたタイミングでのこのニュースは県政をほぼ致命的なレベルまで追い詰めてしまう可能性があるだろう。

 ただの教育問題に過ぎなかったはずの教員不足を何一つ解消できず、むしろ若者の教師離れを加速させてしまったことがもたらすであろう地方の未来は暗い。教育問題を過疎の問題に直面する地方での急速な少子高齢化、人口減という大きな社会問題にまでこじらせてしまった、無能で無策な文科省、政府の責任は極めて重大である。

不登校のキミはどう生きるか? 鴻上尚史が解く「不登校」の背景 学校・教師が抱え

 る問題とスマホの悪影響 コクリコ編集部 の意見 2024.10.31

 日本が教育予算をケチってきたがために様々な問題が生じてきているのは間違いあるまい。なぜ手遅れとなるまで学校教師を放置してきたのか、政治責任が厳しく問われるだろう。

 鴻上氏が参考にしたユネスコのデータを下に紹介してみる。

 

・公的教育費の対GDP比率 国際比較

 単位 : %  出典:UNESCO  データ更新日:2024年9月20日

 ・世界の公的教育支出・教育費の対GDP比率 国際比較統計・ランキング。

 ・各国の公的教育費に対するGDP比率と国別順位を掲載。

 ・単位は%。

 ・公的教育支出は公的機関における教育上の全ての支出を含む。

 ・公的機関は中央政府・地方政府・地方自治体・市町村及び他の公的教育関係機関を含む。

 ・ランキング表示では当年のデータが無い場合、過去のデータで補完表示。

 

 以下、トップ10に加えて日本の順位の周辺にある国も併せて列挙してみた。このデータがどこまで信用できるのかについてはトップ10の国名を見ると、特に途上国のデータはかなり信頼性が欠けるように感じられる。したがって本来ならば比較的データが信頼できる先進国間での順位を重んじたいが、途上国込みのデータ自体の衝撃度はかなり大きいので、今回は途上国こみの順位の方を紹介する。

 なお日本の順位は男女平等度の国際比較での順位と極めて近く、子どもや若者、および女性を尊重しようとしない歴代内閣の政策がものの見事に反映されているように思えるが、いかがか。

 

     トップ10

1 キリバス       14.20       

2 ツバル        12.85       

3 バヌアツ       10.64       

4 ミクロネシア連邦   10.54       

5 キューバ        9.39       

6 ナミビア        9.04       

7 ソロモン諸島      8.29       

8 ボツワナ        8.06       

9 ナウル         7.81       

10モントセラ       7.61      

 

   日本の順位と周辺の国々

119      フィリピン           3.62  

120      アゼルバイジャン   3.58  

121      ザンビア              3.58  

122      アンギラ              3.55  

123      パラオ               3.44  

124      サンマリノ           3.43  

125      コートジボワール   3.43  

126      パラグアイ      3.41  

127      ベナン        3.38  

128      パナマ        3.37  

129      ルーマニア           3.32  

130      タンザニア      3.26  

131      セルビア              3.24  

132      日本         3.24  

133      カタール              3.23  

134      グアテマラ           3.18  

135      エルサルバドル    3.17  

136      ヨルダン              3.16  

137      マダガスカル       3.14

前年比1.4倍に大幅増の「いじめ重大事態」 調査する校長にも大きな心身への負担 

 「今でも涙が出る…」 医療機関にも通院 弁護士を自費で雇おうともしたが

 TBS NEWS DIG_Microsoft によるストーリー  2024.11.1

 教育予算の不足はイジメ問題の解決を一層、困難なものにしている。

なり手不足が深刻化 教員採用改革をどう進めるか? 文科省で全国教育委員会連絡会

   採用試験の全国統一化も検討 受験者の負担を減らす狙い

   TBS NEWS DIG_Microsoft によるストーリー 2024.10.8

   文科省が「教員採用改革」をテーマとしている限り、教員不足や不登校、イジメ問題など、山積する学校の課題は何一つ、改善しないだろう。これまでの文科省の対策の多くがただの弥縫策であり、学校教育行政が本来着手すべき問題の矮小化、ゴマカシに過ぎないことは既にこのブログでも繰り返し指摘してきた。

 むしろ教員採用試験の全国統一化を進めることで、大学での教員養成教育への国家による統制の強化を図らんとする文科省の小賢しい狙いが透けて見えてくる。今回の検討事項もまた「教員不足への対応」という大義名分に便乗せんとする、ただの悪質な詐欺的改悪であると断じて良いのではあるまいか。

 文科省が直ちに検討すべきなのは自ら大きな痛みを伴う自己改革の方であろう。上意下達の管理主義的統制を排した文科省自体の改革、とりわけ文科省の官僚が都道府県の教育長に天下りするような悪習の廃止や年功序列的教育行政人事の根本的な見直しではあるまいか。さらに教育内容の大幅な自由化、正解主義で一方通行の詰め込み教育を排し、教育の個別最適化と協働的学習を軸とした教育方法の改善、授業力向上を柱とする教員養成教育の刷新…等々であり、これらの方向性を踏まえた上での教員採用改革であるべきだと考える。今回のような、改革の名を借りた怪しげな方向性を模索するだけの文科省のプランに学校側がやすやすと乗っかるわけにはいくまい。

学校内に「居場所」設置46% 不登校対応、文科省整備加速へ

 共同通信 によるストーリー 2024.8.29

 記事で紹介されている文科省の措置はあくまでも対症療法であり、その場しのぎの応急手当てに過ぎない。重要なのは学校教育の魅力をより一層増大させて不登校に至る児童生徒を出来る限り少なくすることの方だろう。

 学校生活のメインとなる授業を楽しく、分かりやすく、有意義なものにしていく努力・工夫に加えてブラック校則の見直し、部活動の地域移行の推進、イジメ問題への対応力の向上、教員養成教育の見直し、教育行政の民主主義化、児童生徒の主権回復など、文科省以下教師に至るまでやるべきことは多い。それぞれが「居場所」の設置以上に重要な施策である。また文科省や教育委員会自体の組織改革も不可避となるだろう。さもなくば教師たちの「不登校」も増えてしまうに違いない。

教員確保の実現へ危機感 国や自治体の努力不可欠 中教審が給与アップを答申 

   産経新聞 2024.8.27

 中教審の答申や文科省の取り組みは西村氏が懸念するように肝心のポイントを巧妙にずらして組み立てられた、その場しのぎの誤魔化しに過ぎない、と思うがいかがだろう。当然、教員の給与引き上げは必要であるが、それ自体は児童生徒への還元が約束されない点で根本的な改革とは程遠いものである。さらに教員の増員と業務量の削減も同様に急がれるべきであるが、やはりそれだけでは必ずしもその成果が児童生徒に還元されるものとは限るまい。

 児童生徒が学校での生活にそれなりの喜びと意義を見出して生き生きと学校で過ごしていけるための最大のポイントとなるのはやはり授業であろう。もちろんブラック校則の見直しは言うまでもないが、それを実現するためにも児童生徒の人権が一層認められる授業内容と授業方法が模索されるべきである。一日あたり6時間をも占める授業こそが学校教育において最も比重の重い時間になるべきであり、授業改革を伴わない改革にはさほどの意味が無いと考える。

 もちろんIT化を推進して学習の個別最適化を図ることは重要であるが、それだけでは片手落ちの誹りを免れまい。より重要なのは時事問題に対する児童生徒の意見表明および話し合いの機会を豊富に設けて、彼らに社会と積極的に関わろうとする当事者意識を育むことだろう。この問題を考える上で工藤勇一氏の論考に加え、「子ども若者抑圧社会・日本」(光文社新書 2023)を著した室橋祐貴氏の考察も非常に適格で有効だと思われる。

 室橋氏はこの本で選挙権取得年齢の引き下げを主張するかたわら、日本の学校教育の問題点についてかなり詳しく触れている。児童生徒をあくまでも「未熟」な存在と捉え、その権利を幅広く制限しようとするこれまでの日本の管理主義的学校教育のあり方が現在の「子ども若者抑圧社会」を拡大再生産してきた、とする点は工藤氏の指摘と重なる点が多い。

 現今の教員不足と各種の学校を巡る事件、事故の背景に画一的で硬直した管理主義があると考え、そこに本質的な原因を見る立場からすると、教員の増員や給与引き上げ、仕事量の削減などはあくまでも副次的で対症療法的な対応に過ぎない。

 加えて児童生徒の意見表明や討論の機会を拡充するには教員養成教育の大幅な改革が不可避である。授業で児童生徒に意見表明の機会を数多く設けて多様な意見を交流させる討論型の授業を成立させるには、どうしても大学での少人数による濃密な授業体験の繰り返しが不可欠となる。子どもの権利条約の学習機会は大学においてもあらかじめ十二分に設けられてしかるべきである。

 中教審や文科省の打ち出す表層的な改善はかえって根本的な改革を先延ばしし、日本社会の停滞を延命させることになりかねない、と思うのだがいかがか。

全公立中学校に不登校やいじめ対応専任の「生徒指導担当教員」、文科省が体制強

   化…来年度から配置 読売新聞 によるストーリー 2024.8.23

   ほとんどその場しのぎのゴマカシで無意味な対症療法しか思いつかない文科省の停滞ぶりには呆れるほかあるまい。自分たちの責任を棚に上げ、不登校やイジメの増加は教師の力不足や人員不足から生じているとの、政府の浅はかな考えが透けて見えてくる。責任官庁が責任転嫁ばかりする文教行政に明るい未来は期待できない。

 生徒たちには文科省の対策が本当に功を奏るのか、考えさせたい。

教員8割超、外部人材活用で負担減予算は不足 リシード 2024.8.8

多忙化か薄給の2択? 現役教員らが中教審提案の新ポストを疑問視

 毎日新聞 によるストーリー 2024.8.3

 給特法の改正が根本的な解決につながらないことは言を俟たない。教師の給与を少しばかり上げたところでもはや「焼け石に水」であり、根本的な解決とは程遠い。もちろん教師の給与を上げること自体に反対しているのではない。問題なのは中教審や文科省に蔓延してきた、学校現場への無知、無理解に基づく頑固極まりないある種の偏見であろう。何だか知らないが教師どもが騒いでいるようだからエサをあげればきっと大人しくなるに違いない、と言わんばかりの言い草には辟易する。こうして繰り返される不真面目極まりない教育行政側の姿勢の背後に、学校現場への致命的なレベルでの無理解と理解しようとする意欲の乏しさを強く感じてしまうのだ。

 今年度の教員採用試験の志願倍率を見れば一目瞭然であるが、根本的な課題は教師の業務量の大幅な削減の方にある。今の若者は明らかにブラックな職場を敬遠しつつあり、それは教師採用試験の倍率低下、中途退職や休職の増加、教師不足の現状となってここ数年、表面化してきている。給与が高くて多少のやりがいがあればきっと若者は食いつくだろう、といった、明らかに若者と学校現場をなめ切ったような観点から繰り出されるどんな施策も、わずかな効果すら期待できるはずがない。

 近年、現役高校教師として果敢に発言している西沢氏が指摘するような「魔改造」レベルの施策しか考えられない中教審の無能さには呆れるほかあるまい。主幹教諭に加えて主任教諭を設けたところで、大幅な教員定数の見直しや業務の削減といったような肝心の支援措置の見通しはまったくといってよいほどに不透明…実にトンチンカンも甚だしいのだ。これでは教師脂肪の若者と現役教師の間には将来への絶望感しか湧いてこないだろう。

先生が足りない! 教員採用試験前倒しは解消に繋がる? 1クラス1人の担任制を廃

 止し「チーム担任制」を導入した小学校も【news23】

 TBS NEWS DIG_Microsoft によるストーリー 2024.6.18

 教員採用試験前倒しがその場しのぎに過ぎないとの指摘は正しいだろう。またこうした泥縄式の対応策が続く原因の一つに文科省の官僚が学校現場への無知があるとの指摘も納得できる。とはいえ文科省による画一的で管理主義的な教育行政こそが教員不足と学校の荒廃をもたらしている根本原因との認識が見られない点に個人的には不満が残る記事である。

狙いは「ブラック職場」隠し? 文部科学省の逆ギレ抗議の怪しさ 教員の「定額働か

 せ放題」NHK報道めぐり 東京新聞 2024.5.25

文科省、NHK報道に抗議 中教審の教員確保策巡り

 共同通信 によるストーリー  2024.5.21

 「定額働かせ放題」という表現を一部の教員や学者によるものとする報道にも呆れ

るが、文科省の厚顔無恥な責任転嫁の姿勢にも呆れるほかない。ここまで深刻な若者の教職離れを推し進めてきたのは一体どこのどなたなのだろう。

 若者の教職離れを促進している学校のブラック化はもっぱら文科省と政府の責任である。画一的な管理主義的教育行政を根本的に見直すと同時に部活動の廃止などの施策が断行される上での教員確保策でなければまったく意味が無い。今、文科省が取り組んでいるのはすべて泥縄式の誤魔化しばかり。しかも言葉尻を捉えて己の責任を棚に上げ、NHKに抗議するというトンチンカンさが文科省というお役所の深刻な劣化ぶりを示していると考えるが、いかがだろう。

先生の6割が「3年以内の離職・転職」を考えている教員不足で現場に起きている

 ひずみの数々 東京新聞 2024.4.10

   なぜ、教師たちの不足が生じているのか、その原因を生徒たちに考えさせて対応策を提案してもらうとその後の議論が深まるだろう。

「不登校・いじめ緊急対策パッケージ」(2023.10.17 文科省)

 文科省の頑なで傲慢な姿勢は相変わらずだ。教職員に対するこれまでの20年余りにわたる、息つく暇も与えないバカげた「教育改革」の連打こそが現今の学校教育問題大量発生の土台にある。そうした基本的認識すら欠如していたことが直近における深刻な教員不足を招いた最大の問題点ではなかったか。過去の間違いだらけの教育行政を反省することなく、こうした不毛な弥縫策を飽きることなく次々と現場に押し付け、現場をひたすら混乱させ、疲弊させる…こんな悪循環をいまだに断てないのも、学校現場の疲弊ぶりを本気で探ろうと努力しない、もはや探求する意欲と自省する力を一切失っている文科省自身の欠陥が一番の原因ではないのか。

 一体、いつになったら学校現場の実情が文科省の役人たちに伝わるのか…やはり絶望的にならざるを得ない。地方の教育委員会から上がってくる怪しい調査結果、どうにでも取り繕える信頼性の低い数字ばかり相手にしているからこそ、こういう悲劇的事態を招いているのだ。いい加減そのことに気付いて現実を直視していただきたい。

 教育委員会や管理職が事実を歪曲したり、表面を金メッキで糊塗できないよう、まずは自分たちの目で「お忍び」「潜入」を敢行してでも直にありのままの学校現場を視察すべきであろう。こうした組織が学校を含めてどれだけ酷い隠蔽体質を抱えているのかを示す資料は、このブログでも紹介してきたように、枚挙にいとまがなく、既に膨大な数に及んでいる。

 したがって地方からの報告を鵜吞みにすることが現場を信用している事の証…などともしも文科省が言い訳しようとするならば、それは文科省がいかに現場の実態を知らないか、知ろうとすらしていないかを証明しているようなものである。県教委を牛耳っているのは文科省からの天下り役人=都道府県教育長であり、現場の実態を知らない、などと文科省に言わせてはなるまい。

 適当に弥縫策を打っておけば当分の間、国民の目を逸らすことが出来る…という小ズルい判断を文科省が持っているとしたならば、「国家百年の大計」は早晩、崩れ落ちるに違いない。行き当たりばったりの対症療法でごまかすのはもういい加減止めていただき、公教育の在り方を本腰を入れて根本から見直すべきではあるまいか。

   たとえば「不登校特例校」を「学びの多様化学校」と名称を変えてみてもただのごまかしであり、根本的な問題から一時的に目を逸らさせるだけのことに過ぎまい。特例として特殊な目的を持つ学校を一握り創り出すことで公教育の根幹部分には一切手を付けさせず、温存させておこうとする魂胆がそこには透けて見えるのだ。

 あくまで「ガス抜き」としての特例に過ぎない学校を設ける…そんな事では、なぜこれほどにまで学校が忌避されているのか、なぜ学校がイジメの温床となっているのか、その本質的な問いをスルーしてしまうに違いあるまい。根本的に変えるべきは上意下達の教育行政と画一的、管理主義的学校の在り方全体であろう。

 もちろん、教員の働き方改革などの対症療法も急がれるのは確かであるが、本来、改革すべきはもっと根深いところにあるはず。画一的、管理主義的教育の徹底的な見直しだけではなく、教員養成教育の抜本的な見直しも急がれる大きな課題の一つであるだろう。これは安倍政権下を中心に進められてしまった諸々の「教育改悪」を全面的に修正するだけでもまだまったく不十分。戦後教育の全面的なリニューアルをともなう大改革が今、日本の教育界に切実に求められていると思うのだが、いかがか。

いじめ・不登校対策を前倒し、過去最多の認知件数で政府方針…早期に兆候発見狙

   い 読売新聞 によるストーリー 2023.10.11

 対症療法が無意味だとは言わないが、あくまでもその場しのぎの弥縫策に過ぎない点は忘れてはなるまい。なぜ、イジメや不登校が増加の一途をたどっているのか…日本の学校教育の在り方に問題は無いのか、根本から問い直すべきでは?

参考動画

【不登校】国家を根幹から崩す?フリースクールの選択肢は?無理やりでも登校? 

 親の責任論は的外れ?大空幸星&元当事者|アベプラ

 ABEMA Prime #アベプラ【公式】 2023/10/25  19:10

 この問題をフリースクールや特例校を設けることで解決させてはならないという点で大空氏の見解に同意する。根幹となるべきは公教育の根本的な見直しであり、特例校の設置はあくまでも応急措置の対症療法に過ぎないことを私たちはしっかりと理解しておくべきだろう。

 

参考記事

東京の小学校教員、採用試験が定員割れ寸前に 「休めない」職場環境に学生も不

 安? 東京新聞 2023.11.2

 案の定、付け焼刃の対策も効無し。千葉県でも全体で2.2倍程度の倍率なので教員の不足に加えてついに質の低下が懸念される危機的状況となっている。そもそも、若者人口減少が続く中で優秀な人材は海外に流出する一方であり、学校に限らずとも日本全体が若い人材の不足と質の低下に直面している。

 長いこと教育予算をケチり、教育改悪にばかり励んできたツケがいよいよ本格的に日本社会を襲い始めたのである。しかも残念ながら基本的には「時すでに遅し」というほかあるまい。

教師を取り巻く環境整備…緊急提言踏まえた取組み徹底を通知

 リシード 2023.9.11

 ようやく文科省が中教審の提言を受けて重い腰を上げようとしているが、これまでのことを考えるとやはり期待薄であろう。なぜならここまで学校のブラック化を招いた張本人は、誰あろう政府と文科省である。

 特にかつて実施されていた教員免許更新制は教師の意欲を喪失させるうえで決定的であった。そしてその後も強要される意味不明で役立たずの官製研修の数々。これまでの「教育改革」と称する政策への真摯な反省と長く現場を混乱させ続けてきたことへの謝罪の言葉一つ見られない点に絶望的なものを感じてしまう。

 

 あたかも地方の教育委員会や学校の努力や工夫がまだまだ足りない、と言わんばかりの、あからさまな上から目線…

 

 こうした教育行政の、自らの責任を回避しようとする姑息なあり方は先頃、性加害を巡って行われたジャニーズ事務所の会見に少し似ているのかもしれない。

 敢えて文科省の通知の言葉を借りるならば、文科省自身がまさに「自分事」としての切実な認識に欠け、責任転嫁の意図を見透かされるような、他人事の文言に終始している点に気付いていない…といった批判、ブーメランを返されてしまう情けなさを私は感じている。

 

 やはりこのお役所に学校のブラック化を改善できるなどと期待してはなるまい。

 

教員不足解消へ全国調査 文科省、教委の具体策確認

   共同通信社 によるストーリー 2024.1.23

   教員不足の原因はあたかも教委の努力、工夫の不足だと言わんばかりの居丈高な姿勢がこの調査の背景に見えてこないだろうか。長い間にわたり教師による独自の努力工夫の芽を摘まみ、踏みにじり、ブルシットジョブの嵐で体力、気力、時間を教師から奪い続けた挙句の教員不足ではないのか。犯人が自分の罪を棚に上げて犯行原因をこともあろうに犯罪の被害者に捜査させようという、凄まじいほどの転倒が起きている。そもそもこの調査自体がブルシットジョブそのものだろう。

   文科省の言う事を素直に聞いていればこんなことにはならなかったはずだ…ということか。ただの罰として強制される、まったく無意味な調査を敢えて最も忙しい時期にやらされる身にもなってもらいたい。

精神疾患により離職した教員 公立の幼小中高校で過去最多の「995人」 文科省調査

 TBS NEWS DIG_Microsoft によるストーリー 2023.7.28

 2022年度における教員の精神疾患による離職者数、および転職による離職者数が過去最高を記録したという事実の重みをおそらく政府や官僚はきちんと受け止めることが出来ないだろう。

   結局は教員の不足を補うためにペーパーティーチャーの雇用促進や教員免許の無い人材の登用、教員採用試験の日程調整等による青田買いといった逆効果を招きかねない弥縫策を続けるしか能は無いのだ。すなわちこうした教職の安売り、大バーゲンセールは教職の価値をさらに暴落させ、教職離れを一層、加速させかねないだろう。

【発明】成田悠輔「価値を言語化しないとダメ」研究者が消える?すぐに成果を求

   める日本社会の壁 ABEMA Prime #アベプラ【公式】  2022/06/08  25:00

【研究者の給料】准教授で30万円は安すぎ?「日本は例外的 研究開発・人材育成に

 お金を投じてない」【西田亮介】|アベヒル

 ABEMAニュース【公式】  2023/09/25  14:01

 人口100万人当たりの博士号取得者数が日本は現在、ドイツ、アメリカ、イギリス、韓国などの半分以下、ほぼほぼ三分の一近くにとどまっているという衝撃のデータはこの20年余りの文教政策の誤りが日本経済の低迷と深くつながっていることをよく示しているだろう。それは高校以下の学校における職場としてのブラック化とだいたい並行して進んでいると思える。若者の未来をこれほどの酷さで一貫して暗く閉ざすような国家に明るい未来が訪れるはずはない。

維新の「高校完全無償化」が教育を破壊する可能性も…目先の人気取りに偏った政

   策の“2つの問題点”   文春オンライン 竹山 幸男 によるストーリー 2024.1.12

   高校授業料の無償化が一体、何を目指している政策なのかはしっかりと疑ってかかった方が良い。維新の会が持つ本質的な危険性がそこには見られるに違いないからだ。行政による教育への介入が強まることで私立高校の多様性、個性を成立させている基盤が崩れてしまいかねない点は特に憂慮される。

 教育の多様性と個性化への道は高校の場合、私立高校の取り組みに期待するところが極めて大きい。文科省以下、行政組織にがんじがらめにされて工夫の余地がわずかしか残されておらず、予算も人手も不足がちな公立高校に出来ることなど極めてちっぽけなものに過ぎまい。画一的で管理主義的な学校教育を変えたいのならば、今の日本では公立を二の次にして私学の活躍しやすい環境を整え、私学の定員を増やしていく事の方がはるかに現実的で有効だと考えるが、いかがだろう。

 貧困家庭に対する私学での授業料減免措置は今の制度の枠内で十分に実現可能なはずである。なぜ、敢えて今、「高校完全無償化」などと大阪万博の強行で今後一層財政難に苦しむはずの地方自治体が主張するのか…その真意はこれまでの維新の会の政策から見て明らかだろう。どうせ弱肉強食の競争原理をさらに大きく公教育に持ち込むことで公立高校の淘汰を進め、教育予算の削減を図るとともに学校教育への国家主義的統制の強化に努めることと私はかんぐっている。

 

・カッパ一押しの教育本「コロナ後の教育へ~オックスフォードからの提唱~」(苅谷剛彦 中公新書ラクレ 2020)

 「コロナ後の教育へ・・・」で日本の教育行政に対し「・・・エセ演繹型思考と法治主義をセットにしたアプローチでは、設計段階での欠点や欠陥を見過ごし、思った成果を上げられるかどうかを不明にしたままでも制度改革が出来てしまう。さまざまな副作用についても思慮の外に置かれる」(p.63)との苅谷氏の指摘は実に鋭い。

 立て続けに断行されてきた教育改革の発想の根幹を揺さぶるものであろう。また政治家や官僚側が常に自分達の謬見や過ちを棚に上げて学校を一方的に断罪し、改革と称する学校現場の破壊的政策をひたすら推進してきたこれまでの経緯の背景が見えてくる点で教師必読の書と考える。

㊱討論型授業のキモ

※この記事は常に新鮮なネタを提供すべく、随時、更新されています。

 

参考動画

否定的な人が組織に必要な理由【失敗を防ぐ思考法】

     Motocrab | 世界構造考察 2026/05/18 26:45

     この動画は討論を軸とする授業をする上での注意点にもなるだろう。自分や誰かの意見が否定された時に、どのようにして批判を建設的な方向に活かしていくのかが示されているようにも思える。教師として、ぜひ視聴しておきたいオススメ動画。

学校教育にも押し寄せるAIの波『生成AIパイロット校』で聞いたポイントは「AI丸

 投げ」ではなく「使いよう」 生徒はAIを「ほぼ友達」

 TBS NEWS DIG Powered by JNN 2026/05/05  4:59

 AIを授業に利用する際の注意点など、参考になるポイントが短時間でつかめる。AIの答えを鵜呑みにしたり、AIに丸投げすることを防ぐ上でも、討論型授業を導入すべきだろう。

参考記事

教員志望の学生「知識がなさすぎる」大学の危機感

     東洋経済オンライン吉田 渓 2026.4.6

 教員の質低下の原因は多岐にわたる複雑なものである。教員採用試験の倍率低下は教員採用の入口の問題だが、他にもこの記事で指摘されているように教員養成教育のレベルの低さも大きな問題である。やはり教員養成教育を根本から見直して再編成し、大学院の修士課程修了を教員免許状取得のための最低条件とすべきだろう。

 質低下の要因はまだまだある。教員に採用されてからの、学校現場の環境の悪さも教員がなかなか成長できない大きな理由の一つである。官製研修のお粗末さ、学校の異様なまでのブラック化が本来、教員が持っているはずの能力の発揮を大きく阻害している事も、決して見落としてはなるまい。学校のブラック化こそが結果的には教員の質を一層、低下させているはずである

 つまりこの記事で紹介されている教員養成教育に携わっている「長野(仮名)」氏の指摘には一部、大きな違和感が残るのだ。教員の知識量の低下、だけではなく教員の考える力の低下までが深刻であるのは、当然のことながら教員養成教育段階での教育の質が低いからでもあろう。教員の知識の欠如は探求学習の重視によって知識の獲得が疎かになっているからだ…などといった短絡的な決めつけは大きな間違いのもとなのではないか。

     大学での教員養成教育段階で探求型の学習機会がどれほど用意されてきたのか、も問われるはずだ。知識が実際の従業で役立つまでに応用力を帯びてくるには、授業に関する知識を応用実践する機会が学生たちに豊富に用意されている必要がある。つまり学生一人一人が濃密な授業実践をどれほど繰り返してこられたか、がやがて教員の質を大きく左右していくはずである。

 従来型の授業こそが、深い理解を抜きにした表層的な知識の丸暗記を生徒たちに強要し、学習への嫌悪感を増幅してきたのではなかったか。その結果、大学生の質の低下をも招き、授業で応用のきかない教員を大量に生み出してきたのではなかったのか

 作者や出題者の意図を忖度させる、といった下らない出題を生み出すような従来型の発想が国語教育を堕落させ、日本人にありがちな「忖度マシーン」の大量生産に貢献してきた…いかにも長文読解に一つの正解があるかのような錯覚をまき散らし、やたらに忖度能力を高めて挙句の果てには作家名や作品名、文法、漢字の読み書きの丸暗記を徒に強いてきた…そうした古い国語教育の悪しき側面への深刻な反省が国語教員の養成に携わる人物に微塵も感じられないのは実に不思議である。

 国語教員の養成に関わる方ならば、まずは率先して従来の国語教育自体を根本から見直しておくべきだったのではないか。そして自身が国語教育のみならず、学校教育の在り方の根本的な再検討を探求型の学習を通じてきちんと行ってきたのか…手始めにしっかりと問い直した方が良いと思うのだが、いかがか。

教員の授業を「5分で可視化」、宮城県内の教育機関でAI分析アプリを実証

     こどもとIT 大塚雷太 2026.3.26

     授業改善の方法として授業中の様子を録画することは学校現場でも古くから行われてきたが、児童生徒のプライバシー保護の問題があり、今は難しくなっている。またこうした手法が悪意に満ちた管理職や教育委員会に悪用され、教師の教育内容や方法への過剰な干渉、統制につながる恐れも十二分にあるだろう。

     授業中での児童生徒の発言が十分に授業評価とリンクできていない、という点はこのシステムの致命的な欠陥と思えるが、いかがか。このシステムを「5分で可視化」と表現できるほどの分析能力は今のところ乏しい、とみた。そもそもブラック化した現状の学校で自分の授業を反省的に振り返る余裕などほとんどあるまい。まずは教師たちのゆとりを生み出す工夫こそ、急がれているだろう。

 授業改善の取り組みは確かにマストなのだが、それを易々と実行できるほど学校現場は甘くない。この取り組み自体も改善の余地が大きいようだ。仮に冒頭の不安要素を解消し、学校現場で導入可能なレベルまでシステムの改善が進んだとしたならば、最初に導入すべきは大学の教員養成教育においてであろう。つまり宮城教育大で教育実習の事前教育に用いてみて、その効果をしっかりと判断してから学校現場の利用を検討してみれば良いと思うのだが、いかがか。

「探究公害」とSNSで拡散高校「探究学習」の弊害

     東洋経済オンライン 杉浦 由美子 2026.1.29

 高校教師に探求学習の指導が困難な人は多いだろう。高校に限らず、職務があまりにも多くて、肝心の授業準備に十分な時間をかけられない事が教師たちの大きな悩みになっているはずだ。しかしだからといって探求学習や集団で議論を重ねる授業が不要、というわけでもあるまい。ネットを最大限に有効活用すれば、生徒たちが時間を費やして大学などを煩わせることは少なくなるはず。今時、多くの時間を教室内で済ませることは決して不可能ではないはずだ。

 探求学習を進路指導のための個別最適な学習法として狭く捉えているとしたら、教師の負担は無限大に増えていくだろう。テーマ別でグループ分けして複数の教師で指導することも負担を軽減する一つの手段である。その際、グループ内で生徒たちが議論する機会はできるだけ数多く設けたい。

 他方で学校や教師の大胆な職務軽減は探求学習導入のためにも必要不可欠な前提条件となる。先行すべきは探求学習の導入ではなく、職務の削減であり、この順番は決して間違えてはなるまい。

「1,2,3,4,5,6,7,8,9の中で素数だけ選べ」中学生の7割が誤答。全国学力調査で見え

     た“いまの子どもに足りない力――週末ベスト     日刊SPA! 2026.1.24

 このような浅薄な俗説をいつまでマスコミは垂れ流し続けるのか、理解に苦しむ。まず、学校教育は義務教育と非義務教育にわけて考えるべきだろう。小学校や中学校では義務教育なので必要最低限の学力を出来るだけ多くの児童生徒に身に付けさせていく努力義務が学校側にはある。

 特に10~12歳頃は理解力よりも記憶力が突出して勝り、とりわけ暗記力は人生において最高水準に達すると言われている。したがって重要項目の暗記は小学校高学年にこそ集中的に実施するのが学習心理学、発達心理学の観点からも好ましいといえるだろう。当然、授業を通じて記憶することを目標とすることが多いので、半強制的に反復、暗唱させることは一つの技法としてこれまでも授業に定着してきた。

 とは言え、相手は子どもである。楽しくもない授業に集中力が切れてしまう子どもを一方的に咎める権利は教師側に無い。「掛け算九九」であってもできだけ楽しく、お遊戯のように唱えて覚えていく方が、効果的であるに違いない。また、観察や実験などを通して事象の発生理由を考えさせることも、子どもたちの授業参加度を高める工夫の一つである。なんら工夫せずに暗記を強要するだけでは余りにも能があるまい。

 まして義務教育ではない高校以上の学校段階では、自らの力で調べ、考え、集団の中で切磋琢磨して知識と思考力をお互いに高めていく学習法を身に付けることが、今後は一層、重要になってくる。もちろん、この段階でも重要知識の習得は不可欠であるが、残念ながら年齢的に機械的な暗記力は急速に衰えてしまう。理解したことの記憶力はまだまだ衰えないので、中学生以降は覚えるためにもしっかりと理解することが重視されるのだ。

 理解は暗記だけではなかなか得られず、自分の頭で考え、自分なりに納得していくプロセスが欠かせない。この作業は単純に暗記するよりも脳への負荷が極めて大きく、誰もが気安く取り組めるものではあるまい。当然、理解したい、という欲求が強く湧いてこない物事はなかなか理解が進まず、長期的な記憶も難しい。内発的動機付けが大切となってくるだろう。

 授業中、生徒たちに考えさせる時間や工夫が不十分であれば、結局は訳も分からないまま、ただ受け身で教えられた「正解」を丸暗記することになる。これがいかに無駄で苦痛ばかりの学習かは多くの人の痛感するところだろう。

 高校生レベルになればダジャレを用いた丸暗記は、古文の助動詞の活用や化学での周期表など、一部のやむを得ない内容を除いて絶対的に禁物なのだ。どう見ても高校での「詰め込み中心教育」は多くの生徒にとって効果が少なく、苦痛ばかりとなり、基本的には百害あって一利無し、となるのではあるまいか。

中高の「やらされ探究」で大学教員が悲鳴の解決策

     東洋経済オンライン 藤原 さと 2026.1.14

 探求学習をめぐる諸問題をざっと捉える上で非常に便利な記事である。文科省、学校現場、大学等の問題点をそれぞれ要領よく理解できるだろう。

 もっとも探求学習が学びの多様化、個別化を軸とするものとは限るまい。議論を通じて生徒個々人の学びを集団で共有し合う側面も、探求学習には不可欠であると思うが、いかがか。

校則で「ツーブロック禁止」がゼロに 千葉市の市立中学・高校

     朝日新聞社 2025.12.9

 この手のような空虚な報道を繰り返しているから「マスゴミ」と批判されてきたのではなかったか?本質的に重要なのは「ツーブロック禁止校則」がゼロになった事ではあるまい。校則改訂がどのような議論のもと、どのような手続きを経て決定されたのか、が厳しく問われるべきはずであった。マスコミとしてそれに言及できない、記事としてのレベルの低さがまたもや露呈している。

 仮に「バスに乗り遅れるな」とばかりに周囲の学校の動きに追随し、世間体を気にする余り、校則改訂を急ぎ過ぎてしっかりと生徒側の意見を聞かないまま、校長主導のもとに職員会議で一方的に決めてしまったとしたら、どうだろう。むしろこのことこそ「教育の場」として極めて不適切であり、最悪の決定プロセスとすら言えると思うのだが、いかがか。。

 「ツーブロック校則」が話題になってから既に5年以上は経過している。にもかかわらず突然、今更のごとくバタバタと校則の改訂が行われてきた千葉市のプロセスには政治的な圧力によるもの、との疑念しか湧いてこない。「金魚の糞」のように、何も考えずにひたすら「右に倣え」を繰り返してきた千葉県の教育界らしい出来事、と周囲から茶化されてもおそらく教育委員会は反論できないのでは?

 とは言え、この記事、ぜひとも授業で議論させたい。議論噴出する活発な討論のたたき台として絶好のネタ、ではある。

学校の「カリキュラム」多すぎでも減らせない事情

 東洋経済オンライン 妹尾 昌俊 2025.10.22

 学校が引き受けている仕事量と同様に教育内容もひたすら増え続けてきた。もちろん「ゆとり教育」の際に学校で教える内容の大胆な削減が試みられたのは事実だが、その際に問題だったのは教える内容以上に膨れ上がってきた教師の仕事量への削減がほとんど進められなかった点であろう。

 教師の仕事量は教える内容が多少、減ったとしてもほとんど軽減されないほどにたっぷりと加算されてきた。そのことへの教育行政側の反省が無い限り、教育内容の見直しがどんなに適正に行われたとしても、児童生徒にもたらすプラスの効果は極めて限られてしまうに違いない。教師の負担軽減が大胆に進められない限り、肝心の状業改善が滞ったままだからだ。

 ただし授業内容の改善は授業方法の改善と密接につながる側面がある。もっぱら「覚える事」を軸とした受け身の教育から、多少とも主体的に学び、考える教育へと軸を移すべき時でもあるだろう。当然のことながら、教育目標の見直しに伴う教育内容と教育方法の改善は、授業以外での教師の負担の大胆な削減と同時に推進していくべきなのである。

・討論型授業のためのバイブル

 「子どもたちに民主主義を教えよう~対立から合意を導く力を育む~」

 (工藤勇 一・苫野一徳 あさま社 2022)

 この本さえ読んでおけば討論型授業への恐怖感、抵抗感は解消され、討論の本質的意義をつかめるはず。読みやすく、分かりやすいカッパ一押しの本。

 

・前提となる基本的スタンス

 現実の社会では今すぐに正解を見いだせない「不良設定問題」が多いことを前提に、敢えて論争を呼びそうな不良設定問題への思い切ったチャレンジを試みる。

 「VUCA」という用語が注目されてきているように現実の社会問題は学校のテスト問題とは異なり、正解が一つとは限らず、そもそも事前に正解が用意されている訳ではない。まさにVolatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)に満ちているのが現代社会である。

 そうした中で様々に異なる意見同士の粘り強いすりあわせを通じて、現時点での最適解を追求する討論型学習を行うとともに、生徒が自ら調べ、自分の考えを深めていくこと、そして各々が納得感の獲得できる個別化、個性化学習へと授業の軸足を移していくことが喫緊の授業目標となっている。

 

 これらの学習過程を通じて生徒、教師共に考え方の多様性に気付き、意見の異なる他者を尊重する姿勢を育むと同時に異常なまでに同調圧力の強い日本の硬直化した学校文化を徐々に相対化し、学校教育に一層の奥行きと柔軟性、多様性をもたらすことを目指していく。

 

参考記事

20年で7600の小中学校が廃校…統廃合巡り保護者や地域との合意形成に壁、

 文科省が事例集公表へ 読売新聞 2025.9.6

 …小中学校の標準規模は法令によって、それぞれ「12~18学級」とされるが、全国の小学校の4割、中学校は5割が下回る。文科省は、学校再編の手引で「児童生徒が多様な考えに触れ、協力し合う教育を行うためには、一定の集団規模の確保が望ましい」としている…とのこと。皆さんはこの文科省の考えをどう思うだろうか。

 今や小中学校での教育は一学級を20人以下の少人数にして教師の目がしっかりと一人一人に行き届きやすくし、学習の個別最適化を図るのが基本であると私は考えている。したがって現在の少子化の流れはこの少人数教育を実現させる上で絶好の追い風となっているはずだ。

 ところが国はこれまでもひたすら教育予算の削減を図るべく、少子化を理由にして学校の統廃合を推進してきた。その結果、少人数教育の実現は蜃気楼のようにひたすら遠のくばかりとなっている。

 学校で「児童生徒が多様な考えに触れ」るためには、日本の場合、児童生徒の意見表明の機会を劇的に増やすことがまず必要とされるだろう。そのためには当然のことながら少人数教育が実現できていなくてはならない。しかし国は相変わらず安価で効率的な多人数教育を理想としているのだ。

 おそらく多人数教育による画一的な一斉講義形式の授業こそが児童生徒に集団主義的心性を涵養し、協調性の豊かな国民を育てることにつながる、というのが老害政治家たちの本音なのだろう。児童生徒が「多様な考えに触れ」ることなどは実際にはどうでもよくて、それはあくまでも従順な国民作りという本来の目的をごまかすための口先だけの綺麗ごとに過ぎないのかもしれない。

 今も一学級35人体制すら徹底できていない劣悪な条件の下で、教師は文科省の指示に従って児童生徒の学習を個別最適化すべく奮闘努力させられている。おそらく国はICT化さえ進められれば学習の個別最適化はある程度可能だと踏んでいるに違いあるまい。しかしそれはあくまでも学力向上を目指すだけの手段であり、必ずしも児童生徒の個性や多様性の尊重を目指すものではない。

 児童生徒の意見表明権が小学校の現場に浸透するのは遠い先の事。実際には次の学習指導要領が登場する2030年以降の事である。しかし多人数教育の下でブラック校則や一斉講義形式の授業が残存するような現状では、今後も児童生徒の意見表明権など尊重されるわけがあるまい。「児童生徒の意見表面権の尊重」というフレーズもまた国民の目をごまかすための、ただの綺麗ごととして利用されてしまうのではないか。

 同質性が高く、同調圧力の高い社会は政府にとって極めて効率的であり、政治的な安定性を保てるがゆえに、日本の学校は安価で効率的な多人数教育の下、画一的な一斉講義形式による指導を通じて同質性と同調圧力の高い社会を今後も再生産しようとしている…実はそういうことなのかもしれない。

参考動画

【危険】今、日本人が自分の頭で考えられなくなっている理由

 曖昧な思考 2025/06/05  16:51

 面倒な事実関係の検証をサボり、深く考えることをしないまま、ただ単に周囲の空気を読んで大勢の意向に合わせることは簡単で楽な行為のため、省エネに走りがちな脳が自然に好む選択肢の一つであるだろう。敢えて意識的な努力を重ねなければ人は自分なりの思考を放棄しがちなのだ。したがって現代のSNS、ネット上にはびこる「思考の放棄」現象から自分を引き離すことは誰にとっても極めて困難となる。

 であるならばなおさら、高校生のうちから可能な限り周囲の空気に流されずに自分の頭で考える訓練を繰り返すことこそが今の日本で最も必要とされているように思えるが、いかがか。討論、議論を軸とする授業が生徒たちの自分なりの思考力を鍛える上で大いに役立つはずである。

 この動画はわずか一度の視聴で理解できるものではあるまい。解説を挟みつつ、できれば二度は繰り返してじっくりと視聴させたい。ただし「曖昧な思考」というチャンネルではかなりスピリチュアルに偏った内容の動画が数多く見られるので、宗教的勧誘の側面には要注意。したがってこれ以外の動画の多くは決してお勧めできない。

参考記事

乙武洋匡氏 ryuchellさんが「多様性は強要しない」と 「友達なんかじゃな

 かった。」と悔恨 デイリースポーツ によるストーリー 2023.7.15

 「多様性で大事なのは、強要しないことじゃないかな。自分はこう思うからあなたもわかって!ではなくて、なるほどあなたはそういう意見なのねって、まずは認める姿勢を見せること。相手にも自分にもどこまでやわらかくなれるかだと思うんです」

 多様性の尊重とはどういうことなのか、ryuchellさんが遺した言葉に耳を傾けたい。彼が討論の場でこのことを常に意識していたからこその、あのソフトな語り口調だったのだ。いつも討論する際には心がけたい金言。

参考動画

【賢さの価値は暴落】AI時代に親ができること「日本の教育の未来」【安野貴博 ×

     HR高等学院】HR高等学院の非常識な職員室 2026/01/29  29:16

 安野氏はAI時代に育むべき力として「何かを始める力」「不確実性、リスクに対する耐性」「コミュニケーション能力」(対人だけではなく対AIとのコミュニケーション能力を含む)の三つを挙げている。

     同様にHR高等学院でも「挑戦数」=「越境数」失敗数」「この指とまれ数」「表現数」を重要な評価指数としているという。これらはグーグルが急成長できた要因ともかなりの部分で共通する要素であろう。

 これまでの日本の学校教育では学習指導要領の改訂、すなわち学習内容の見直しが10年に一度という、世界の急速な変化にまったくついていけないレベルの圧倒的な遅さであり、なかなかアップデートされないもどかしさがまず大きな問題点として挙げられている。同様の観点から、学校教育へのAIの導入が完全に遅れたため、個別最適化の方向が地方の学校現場ではイマイチ実現できていない点も指摘されている。

 端的には日本の公教育が長年抱えてきた「画一性」と「アップデート頻度の遅さ」こそが日本の学校の大きな「バグ」の本質、と安野氏はいう。

 教師として今後、重要とされる仕事はおそらく一方的に教え込むことよりも、AIを多用しながら脇からサポートしていくコーチング的なものに主軸を置いていくことになるだろう。特に生徒たちにできるだけ多彩な数多くのロールモデルを提示して生徒たちの主体性を引き出していくことは生徒たちの挑戦欲を引き出す上で不可欠の体験であり、教師の本質的に重要な任務となっていくはず。

 今後の教育を考える上で極めて重要な示唆に富む貴重な動画であり、できれば授業でも使ってみたい。少なくともすべての教師が視聴されることをオススメする。

【コミュ障?】最近の若者が社会人になっても人付き合いを避ける理由…

 山田玲司の原作が10倍おもしろくなる解説【山田玲司 切り抜き】

  2022/06/07  10:25

 討論型の授業を展開するために最初に視聴させたい動画の一つ。相手の意見をしっかりと聞くことができる事と自分の意見を持ち、それを分かりやすく伝えることができる事がいかに大事か、まずは知っておきたい。そして日本の学校ではなぜ討論型の授業が広がらなかったのか、根付かなかったのかを考えさせたい。

【ファクトチェック】正しい情報を国が判断ってアリ?言論弾圧?民間企業に任せ

 るべき?ABEMA Prime #アベプラ【公式】2024/08/08  20:42

 討論の土台とすべき事実認識に一定レベルの思い違い、事実誤認が存在してしまう可能性を完全に排除するのはおそらく無理だろう。そしてたとえ多少の思い違いに基づく意見であってもその意見が全くの無意味であると決めつけること自体も実は間違いである可能性はある。そもそも私たちがある意見を持つために必要とされる知識はいつだってあまりにも不十分なレベルにとどまっていて、むしろ自分の意見を完全なものとみなすほどの知識を誰一人所有していないと心得るべきなのではあるまいか。

 日本の戦後政治はGHQやCIA、日米合同委員会などの働きもあって数多くの情報がいまだに国民には隠蔽されたままであると見て良いだろう。たとえば正力松太郎の戦後日本における役割とは何だったのか、その全貌を掴むことはおそらく今も不可能であると考える。アメリカの公文書館等に保管されている彼の関係資料には現在も黒塗りされた部分が少なくあるまい。同様に731部隊の全貌もすべてを白日の下にさらすことは未だに出来ていない。沖縄関係に限らず、日米間の各種密約の全貌もしかりである。それが極めて重要な知識であるにもかかわらず「ファクト」自体の多くがひどく限定されている日本のような状態では「ファクトチェック」もまた不十分なものにとどまるのは不可避である。当然、このような状態の下では政府側にファクトチェックを委ねることほど危険なことはあるまい。それは「知らしめず、依らしむべし」の愚民化政策を加速させるだけである。

 かつて動燃が原子力発電に関わる事故隠しを続け、国民の信用を完全に失ったように、日本政府もまた近年のモリカケ問題などに見られたゴマカシ、隠蔽工作を性懲りもなく繰り返し、国民からの信用をひどく失いつつある。こんな隠蔽体質に覆われた政府による検定教科書を教師が疑うことなく鵜呑みにして漫然と授業をして良いはずがない…という考えははたして極論なのであろうか。

 情報を発信する立場にある者はすべてファクトチェックの努力をすべきだが、誰であっても完璧なファクトチェックを期すことは不可能である。重要なのは乱立し、対立する多様な意見をただちに感情的に排除するのではなく、時間をかけて自説を検証し、出来る限り広く深く考え、とりあえず現状で探りえた事実、知識を用いて自説を補強していく事、ないしはより良い他説に乗り換える事。同時に自説と異なる各種の意見への理解を深めつつ、現状で考えられうる限りの反証を試みてみる…こうした地道な努力をすべての人がお互いに果てしなく続けていくことであろう。

 討論型の授業は以上のような観点からも高校での授業に積極的に導入されるべきだと考えるが、いかがか。

【議論の仕方】多様性を大事にしても議論はうまくいかないので、同質性を大事に

   しましょうということについて解説します

   謎解き統計学 | サトマイ  2024/06/28  14:23

   非常に面白い、かつ重要な観点を提示してくれている。ただし突っ込みどころが無いわけではあるまい。まずは生徒に視聴させて突っ込みどころの有無を問いたい。授業における対話型討論を有効に機能させていくために必要とされる重要な観点を生徒たちが見つけられれば極めて有意義な動画視聴に転換できる。

   個人的には差異、多様性よりも同質性に注目することで、一見対立する意見同士のすり合わせを実現する…これはスピーディーかつスマートな形で議論の収束、意見の統一を図ることを目的とするならば、当然の心構えと言える。しかしたとえ対立する者同士で目的、理念が共通していても、目的達成に至る方法論が異なればいずれにせよ自分たちの目的や理念に到達できない可能性はあり、まったく異なる結果をもたらす危険性すらあるだろう。方法論の違いの底には意外なほどに根が深い差異、対立点が潜んでいる場合は十分あると思う。それは民主主義をどう捉えるのかにも関わってくる重大な観点ではあるまいか。

 議論においてあらかじめ同質性を重視することも間違いだが、異質性を強調し過ぎるのももちろん間違いである。それは人としての遺伝子情報の同質性の高さとは無関係の話であり、社会のあり方を論ずるときには生物学や医学での学説を安易に当てはめて説明するのがそもそも筋違いなのである。

 日本社会における同質性の高さは、集団的作業での効率性の良さとなって高度経済成長期を実現させてきた重要な因子の一つである…このことはほぼ疑いえない事実だろう。しかし高度情報化社会においては組織の効率性のみならず、個の突出した力が問われる。常に周りを忖度し、個性をイジメの原因と見なして排除しがちな同質性過剰強要の日本社会で今、一番問われているのはやはり個性や多様性の尊重なのだと思うが、いかがだろう。

 今までの様に結論を急いで忖度を強要し、タイパ、コスパばかりを重視していると日本社会の息苦しさは強まる一方となるかもしれぬ。むしろタイパ、コスパを多少犠牲にしてでもじっくりと議論のすり合わせを続けていく努力が、少なくとも学校教育段階では切実に求められていると考えるが、いかがか。授業のタイパ、コスパを少しばかり犠牲にできる程度の、本当の「ゆとり」が今の青少年にはとりわけ必要なのではあるまいか。

 日本に限らず、世界の姑息な政治家たちはさも民衆に迎合するような政策を自分の理念、ポリシーとして掲げつつ、いつの間にか政策の実現方法や論点をずらして民衆の期待を根本から裏切る…そういった汚い技をこれまでも得意とし、長い事駆使しきたのではあるまいか。今や彼らの皮相な理念など信用する方が間違いなのであり、裏に秘めた彼らの本当の狙いに気付くべき時なのではあるまいか。

心理的安全性を高める。どうしたら皆が働きやすい会社をつくれるか?

 精神科医がこころの病気を解説するch 2024.1.16 11:45

 皮肉ではあるが今の日本の学校がどれほど「心理的安全性」が脅かされる場所となっているのか、なぜイジメがはびこり、不登校が多いのかがよく分かる動画となっている。相手の個性や多様性を重んじて時代の変化に柔軟に対応し、外部からの批判に学ぶような謙虚な姿勢があれば組織の心理的安全性は高まる、という指摘と真反対にあるのが隠蔽と自己保身に走り、画一的で管理主義的な今の日本の学校なのだと思うが、いかがだろう。

 当然のことながらこうした日本の学校文化においては、討論型の授業ほど根付きにくいものはあるまい。日本の場合、教師や生徒たちが活発に自分の意見を言えるような「心理的安全性」が極めて低いからである。しかしだからこそ討論型の授業を根付かせていく努力が必要なのであり、その努力こそが学校改革の中核部分になりうるのだと私は考える。

バカになるな!論破のテクニックで騙されてはいけない!【宇野常寛】

 たかまつななチャンネル 2022.10.10 22:50

 討論中心の授業とする場合、ディベートのような論争の勝ち負けにこだわる「ひろゆき」流あるいは「橋本」流の論破ゲームに陥らないような配慮が肝要となってくる。宇野氏の指摘する「スネ夫症候群」に要注意。基本的には討論の過程で多様な意見の創出をまずは目指すべきだろう。そして大勢の意見を聞くことを通じて多様な価値観がこの世に存在することの社会的意義を確認していく・・・それこそが一人でも多くの生徒を巻き込む、討論を用いた授業の最重要目標とされるべきだろう。意見の多様性を熱望する討論の場のあり方の中にこそ、ラディカルに「問いそのものを問い返す」可能性や問題解決に向けたオルタナティブで建設的な意見の創出に向かう可能性が胚胎するに違いない。従って教師は討論において決して議論を一つの結論に導いていくような誘導や断言をしてはなるまい。一つ一つの異なる意見が持つ様々な意味、意義を注意深く見出し、生徒達にもしっかりと気付かせていく事に教師は最大限の労力と工夫を払っていきたい。

 もちろん、議論の方向性が一定せずにあてどなく彷徨ってしまっては論点がぼやけてしまうので、ある程度構造化されたアンケートや発問計画を事前に用意してから討論に望むべきなのは当然の事である。

【心理的安全性】誰もが率直に意見を言える環境とは?組織改革を進めるカギ?超

 重要概念を学ぶ

 2022/05/29 ABEMA 変わる報道番組#アベプラ【公式】 24:20

 多様な意見を引き出すために必要とされる「心理的安全性」とは何か、理解できる。「心理的安全性」をまず確立しておかないと討論型授業は成立しないだろう。

【ハーバード大学准教授が語る】社会的に消す「キャンセル社会」の闇【ひろゆき 

 の妻&奥井奈南】 ReHacQリハック【公式】  2023/05/14  34:50

 多様な意見を引き出す上でキャンセルカルチャーの危険性に留意する必要があるだろう。

参考記事

Z世代に聞いた「理想の学校」──「居心地がよく、学びやすい環境が整っている」

    が半数超に【プレマシード調査】 EdTechZine 2025.9.27

 調査対象者数が600名と余りにも少なすぎてあくまで参考程度のことしか言えないが、以下の調査結果はぜひ記憶しておきたい。

 …「理想の学校の環境・コミュニティ」の条件を尋ねたところ(複数回答)、「居心地がよく、学びやすい環境が整っている(周辺環境・設備など)」(54.8%)がもっとも多い結果となった。「自分のペースで学べる」(54.3%)「相談しやすい教員や大人がいる」(44.8%)、「自由度が高い」(36.8%)がそれに続いた…

 さらに

 …「理想の学校の勉強」の条件を尋ねた質問(複数回答)では、「教え方がわかりやすく、やる気を引き出してくれる教員がいる」(50.3%)が最多となった。

以下「将来や社会につながる学びができる」(40.5%)「主体的に学ぶことができる」(34.8%)、「得意なことを伸ばせるカリキュラムがある」(34.7%)が続いている…

 とのこと。きわめて常識的な結果であるが、教師としては「学び」に必須の条件についてこの程度のポイントはあらかじめ弁えておくべきだろう。

多数派の考え方を変えるために少数派の人たちができることとは?

  【社会心理学】 ラブすぽ の意見 2023.6.22

 少数派の意見が多数派に影響を与えられるようになる条件として、少数派の意見が一貫している(多数派に阿らない)、他の論点では多数派の意見を持っている(ただの天邪鬼ではない)、多数派が現状に満足できず、改革を求めている、などがあるという。社会を変えていこうとする場合には大いに参考となる知見だろう。

 

 

 もちろん教科書を軽視するのではなく、重要事項の理解や暗記もある程度は要求しつつも、多様な意見を引き出し、多様な意見が飛び交う中で最適解を目指して粘り強く思考する対話的な力を養うことをより重視する。必ずしも多数派の意見を支持するわけではなく、少数意見にしっかりと耳を傾けることで多様性の持つ豊かさが担保され、すべての生徒が自己の意見表明をしやすくしていく・・・という目指すべき討論型授業への基本的スタンスを堅持する。

 

・討論型授業のキモ

 授業が十分に活性化しているならともかく、いきなり手を挙げさせて一握りの生徒に意見を言ってもらう展開は出来るだけ避けたい。討論や考える事自体を面倒くさがる生徒は多い。誰か一人が意見を言うと、他の生徒は自分なりの考えをまとめようとしなくなり、他人の意見に流されがちになる。教師には意見が出尽くすのを待つゆとりが必要である。

 意見が大体出揃った時にはA~Dどの意見に賛成か・・・などと生徒全員にそれぞれ挙手させて数を数え、その場でクラスの意見のあり様を類型化して確認させたい。

 ただしその際、マイナーだった意見の持ち主を見捨てない事が肝要。時にはマイナーな意見の背景や根拠を生徒全員で共有できるよう、深掘りしていくべきケースも大いに考えられる。

 当然、他の生徒から多く賛同を得られた意見が正しいとは限らない。むしろ多数派の意見がひっくり返るような、予想外の展開こそ、目指したい。もしもそのような展開になれば大成功。今後、多くの生徒が意欲的に討論に参加するようになるだろう。

 

参考動画

【天安門事件以来の盛り上がり】中国の言論統制と闘う若者たち 家族や仲間が拘束

 され銀行口座も凍結 [クロ現] | NHK  2023/09/14 9:46

 中国の若者たちの言論の自由を求める命がけの取り組みに対して、まず、どう思う

のか、生徒たちに問いかけたい。さらに、日本の若者たちに今、言論の自由が本当にあるのか、問いたい。

 特に李苹さんの「意見を持つことは国への最大の愛情です。希望を抱くからこそ声を上げるんです」という発言について深く考えさせたい。

 続けて言論の自由が成立する前提条件に付いていくつか列挙させたい。特に「情報公開」や「知る権利」をキーワードにして一歩踏み込んで深く考えさせたい。例として社会科の教科書で本当に自分の意見が持てるのかどうか、確認させよう。

 ここで「君が代」について歌詞の意味を問うのが良いだろう。

 そしてもう一度、日本の若者に言論の自由が本当にあるのかを問いたい。

ひろゆき、EXITアベプラ・平石アナはなぜ猛獣軍団をファシリテートできるの

   か? 新R25チャンネル  2021/04/26  9:00

 討論型授業におけるファシリテイターとしての教師の役割を考える上で大いに参考となる動画。

【論破ブームの危険性】アベプラ平石アナの「論破上手=優秀はテレビの世界だ 

 け」に若新雄純が本領発揮【前編】 新R25チャンネル  2023/06/07  29:52

【議論で重宝される人】「議論で熱くなってもなぜか愛される人」。アベプラコン

 ビ・平石アナ×若新雄純がたどり着いた結論 

 新R25チャンネル  2023/06/14 28:38

 討論の進め方、注意点がよく分かる。「ムキにさせる」「審判を下さない、勝敗をつけない」「多様性尊重」…

【誹謗中傷する人の心理】脳を惑わす3つのバイアス/SNSはロジックのズレだら

 け/ハーバード大学と日本の違い/脳は省エネモードで動く/違和感に向き合え 

 PIVOT 公式チャンネル  2023/05/20  35:51

 認知、認識における無意識のバイアスの存在と「中傷」、「攻撃的言動」の背後に潜む歪んだロジックを知っておかないと討論がただの論破合戦に陥ってしまう危険性が生じてしまうだろう。討論型授業を行おうとする教師にとって必見の動画である。

 

 したがって多数決にもっていくような展開は最悪ディベートはあくまで討論に刺激を与えるべく議論の導入時のみ、利用するだけ。一つの結論が欲しいわけではないので議論の勝ち負けや多数決は完全に無意味。特定の結論を出す必要もまったくない。あくまでも大切にすべきは、意見の多様性を確認させ、それぞれの意見の存在理由をできるだけ深掘りすること。

 

 またアンケート形式の質問用紙を多用し、口頭では発表できない慎重派や引っ込み思案の生徒の意見表明の機会をしっかりと保障すべきである。アンケート結果の集計と共に意見の一部は次回の授業で紹介する・・・などの工夫を重ねて生徒達の意見を一人でも多く、また少しでも多様な考えを引き出し、共有していくことを重視。アンケートの集計結果を公開する際にも少数意見に十分留意し、生徒たちが少数意見に注目するよう、繰り返し注意喚起しよう。

 アンケートへの回答を通じて生徒達が多様な意見の存在理由をしっかりと確認出来るよう、質問項目を工夫したい。同時に多様な観点によって混乱しがちな頭の中をスッキリと整理出来るような方向性を持たせた質問項目の内容と配列、組立て方を予め計画しておくと安心。これは相当難しい作業だが、議論の無秩序感を低減するためには事前に必要とされるものだろう。従って当然の事ながら教師側には議論のテーマに関する広い知識、深い理解が備わっているに越したことはない。

 

 ただし、十分な力が無い状態であっても討論型授業へのチャレンジは果敢にトライすべきである。何事も経験を積み重ねていかなければ前進できないはず。討論がアナーキーな状態のまま終わってしまう事は先生方の職員会議の場面ですら、普通に生じている。失敗は成功の本である。まずはトライあるのみ。

その1.沖縄における観光業

※この記事は常に新鮮なネタを提供すべく、随時、更新されています。

 

 

おもてなしは本当に“いい文化”なのか?     ゆるゆる地政学 026/05/16  16:00

 「おもてなし」を美化し過ぎることの問題点は知っておくべきだろう。観光業がブラック化しがちな理由の一つ。外国人観光客と外国人労働者の急増は持続可能なおもてなしのあり方を再考すべきタイミングが来ていることを示しているようだ。

今が穴場?ジャングリア沖縄のオープンから2ヶ月たった現状をこの動画で確認して

     ください【PR テーマパーク】  下矢一良の正直メディア 2025/10/12 26:08

     基本的には沖縄観光の健全な発展を願っている立場から見てジャングリアの現状には物足りなさ、寂しさを感じざるを得ない。開園までのPRの派手さとのギャップがかえってSNSでの炎上レベルの批判を招いている点も、見通しの甘さを含めた戦略的なミスがありそうだ。広い園内に案内図が不十分、休憩所が足りない、雨宿りの場所も足りない、食事処も足りない、肝心のアトラクション自体、ショボいし数も少なすぎる、アプリの使い勝手と効率が悪い…すべては資金力の無さが背景にあるようだが、派手なPRがあっただけに今更、言い訳はできまい。

     とは言え、この段階で撤退は許されない。沖縄観光の将来が左右されかねない、大プロジェクトであり、森岡氏の責任は重大であろう。今後の挽回策を期待したい。

沖縄県の「守られる山」と「変わりゆく貧困」

     ゆるゆる地政学 2026/01/31  19:31

 意外なほどに幅広くかつ細部まで目配りのきいた動画でビックリさせられる。沖縄社会が抱える光と闇の両側面を分かりやすく整理して捉えるにはうってつけの内容。

ただしあまりにも上手に整理され過ぎていて理解が深まらずに記憶には残りにくいかも。授業では適宜、視聴をストップし、じっくりと調べたり、いろいろな意見や立場を知るための時間をしっかりと設けて利用したい。

沖縄への入域観光客数 2025年の1年間に1075万人、過去最多を更新

 【琉球放送】RBC NEWS  2026/01/27 1:18

 ようやくコロナ禍直前の数字を上回った。より一層の沖縄観光の発展,充実を期待したい。とりわけ沖縄観光業の労働生産性、収益率の向上が待たれる。

【沖縄×ビジネスの未来】沖縄経済の光と闇/インバウンド需要と観光閑散期/Tリ

     ーグ王者が仕掛けるビジネスイベント/冬の沖縄に集うトップ経営者/観光単価を

    上げ/アスティーダ(明日の太陽)で照らせ

    PIVOT 公式チャンネル 2025/09/03  30:37

    沖縄の将来性に注目。

「琉球ロストフード」沖縄の在来作物を使い忘れ去られつつある郷土料理を未来へ

    つなぐ 沖縄ニュースOTV 2026/01/17 9:04

入札不調 どうなるMICE計画(沖縄テレビ)2024/9/25

 OTV沖縄テレビ 2024/09/26 6:13

 観光地としてイマイチの状況にある沖縄本島東海岸の振興を進める上でカギを握るのが西原、与那原地区におけるMICE計画。しかし現状ではそこに進出する企業が一つもない。この深刻な結果をどう分析し、打開の道をどう探るのか…検討すべきポイントは多い。ぜひ、授業で議題に挙げて討論に持ち込みたい。 

 大きなポイントとなるのはおそらく那覇からのアクセスの改善であろう。環境に配慮した移動手段、すなわちモノレールの延伸をふくめた鉄道の敷設が計画されない限り、同地区への企業の進出はほとんど望めないと考えるが、いかがか。

 ヤンバルでは森岡氏が進めているジャングリア構想があり、この成功のためにもいずれは那覇からのアクセスの改善が必須となってくるだろう。那覇から名護までの鉄道敷設は遅かれ早かれ、沖縄全体の振興にとって欠かせない施策となるはずだ。そしてこの路線の敷設は米軍基地の返還と切り離して実現できるものではなく、二つが同時に実現することこそ沖縄県民の最も熱望するところであると考える。

 もちろん沖縄の経済的発展は中国による台湾進攻や尖閣諸島への進出を防止する上でもマストの課題となろう。特に観光業の発展は沖縄経済の発展において最も重要な柱であり、欧米からの観光客の増加は沖縄の基地問題、尖閣諸島の領有問題を世界に知らしめる上で少なからず役立つ。沖縄における交通網の整備、米軍基地の縮小・削減がもたらすプラスの効果は計り知れないはずである。

「東京・京都大阪」の次へ動き始めたインバウンド… 沖縄が一気に前年の5倍に…

   「欧・米・豪」から見た沖縄旅行の魅力とは

   【琉球放送】RBC NEWS  2024/10/07 5:33

何を求めて沖縄へ? 増加する欧州からの観光客

   OTV沖縄テレビ 2024/07/26 7:46

   沖縄にヨーロッパからの観光客が増えている点は非常に喜ばしい現象だが、彼らが求めている長期滞在型の観光に耐えうる異文化体験、自然体験への対応がまだまだ不十分かもしれない。外国人を意識した、もう少し本格的な内容の焼物、組踊、三線、空手、染色、ダイビング、トレッキングなどの体験コーナーをさらに充実していく事が求められているだろう。

【2030年に外国人観光客は2倍】オーバーツーリズム問題の対策/外国人にとって

   わかりにくすぎる日本の暗黙のルール/外国人観光客の「価格」は変えるべき?

  【KUROFUNE】 PIVOT 公式チャンネル 2024/07/20  32:13

 観光公害の問題にどう対処すれば良いのか、大いに参考となるだろう。

【日本の定食⇒米国なら5000円】値下げを美徳とするな/チップを払いたい外国

 人/観光客価格と日本人価格を分けるべきか/外国人観光客との摩擦/人口の1割が外

 国人になる【KUROFUNE】 PIVOT 公式チャンネル 2024/07/27  37:58

 確かに日本の観光業の場合には高品質・低価格路線から高品質・高価格路線に舵を切る必要があるだろう。特に外国人向けの観光としては長期滞在型を念頭に置いたツアーの開発が急がれる。たとえば複数の霊山巡りや長距離のサイクリング体験、地方の銘酒案内、スキーとダイビングを抱き合わせての日本列島南北ツアーの提案などが考えられよう。

 外国人観光客がとりわけ日本の高品質で高価格なツアーの出現に期待している円安の今こそ、すっかりブラック化してしまった日本の観光業の体質改善を一気に図る絶好のチャンスである。特定の観光地に外国人が集中しがちな傾向も、日本在住の外国人ユーチューバーを積極的に活用して、穴場的な地方での観光地キャンペーンを海外向けにドシドシ発信することで少しは観光客を分散できるだろう。

 観光業を日本経済発展の要の一つとして捉え、観光客受け入れのキャパシティ拡大を推し進める戦略が求められている。生徒たちにも、どんなコース設定をすればより多くの外国人の興味をひけるのか、価格設定プランとともに提案させてみたい。

【解説】日本"観光世界1位" 交通インフラなど評価 課題は"デジタル化"の遅

   れ?『知りたいッ!』 日テレNEWS  2022/05/25  9:48 

   日本全体の観光のポイントについては非常によく整理されている。まずはここから理解しておきたい。

 復活インバウンド モノ消費⇒コト消費へ 日本の文化・伝統で観光産業への商機

 は…【Bizスクエア】TBS NEWS DIG Powered by JNN  2023/10/28  12:09 

 体験を観光の目玉とすることは観光客の一点集中を避けて分散を図り、オーバーツーリズム、観光公害の解消につながる可能性を秘めているだろう、さらに長期滞在型を増やして観光業の利益率を向上させ、観光業従事者の生活改善にも役立つ可能性はあるだろう。

 特に目立った観光資源が存在しない地方でも外国人に何らかの日本の伝統文化、食文化の体験を提供できるはずである。成田氏が指摘する日本文化が持つ「発酵と珍味」を生かした工夫は日本のどの地域においても可能なはず。地方の少子高齢化や荒廃を防ぐうえでも海外に向けての発信力が問われているに違いない。

参考記事

平均寿命、躍進の滋賀、転落の沖縄、短命の青森が集まり分かったこと

 朝日新聞社 2025.12.27

最も貯蓄・年収の多い都道府県は? 平均貯蓄・年間収入ランキング

    NewSphere 2024.1.5~7.22

「家計調査」(2023年データ)によると「1位東京と47位の沖縄とでは、貯蓄額に1757万円の差がある。東京の平均貯蓄額は、沖縄(963万円)の2.82倍に相当する計算だ。なお、全国の世帯あたりの平均貯蓄額は1904万円で、前年(2022年)比で0.2%の増加となっている。増加傾向は5年連続だ。中央値は平均値よりもかなり低く、1107万円となっている。一部の富裕層が平均値を押し上げている実態を物語る。」という。中央値の動きは中流階層の没落傾向が続いていることを示しているだろう。

    また最下位の沖縄とトップの東京都との格差が3倍近くもあることに注目したい。東京都での平均年収が816万円に対し、沖縄は545万円で42位。沖縄の順位は最下位の青森と比べて物価が高いことに起因しそうだ。中央世帯の経済的豊かさのランキングは沖縄が46位であり、やはり貧困問題の解消には程遠い現状があると見て間違いあるまい。なお通勤による損失を考慮すると東京都の豊かさは最下位レベルに転落してしまい、東京都民が皆、必ずしも豊かさを享受できているわけではない。

「インバウン丼」食べない人にも批判された深い訳 テーマパーク化するニッポンに、

   どう向き合うか 東洋経済オンライン 谷頭 和希 2024.12.12

 インバウンド丼の話など興味深いエピソードが多く、日本の今後の観光業のあり方を考える上で大いに参考となるだろう。次の記事とともに参考資料としてぜひ授業で紹介したい。

「高くなったディズニー」に抱く"寂しさ"の正体 テーマパーク化していく狂った街の

   生き抜き方 東洋経済オンライン 谷頭 和希  2024.12.11

   ここでいうところの外国人富裕層に観光のターゲットを絞った「ニセコ化」は沖縄にもある程度まで必要とされるだろうが、それが地元民の排除につながらぬような工夫が必要となってくるだろう。沖縄の若者の就職先として貢献しようとするジャンガリアもまたニセコ化の弊害を想定した、利用者側へのもう一工夫が出てくると、さらに沖縄全体にとって素晴らしいアミューズメント施設となるに違いない。

沖縄が誇る泡盛がユネスコ無形文化遺産へ「戦火をまぬがれた黒麹」「西のスコッ

   チか東の泡盛か」先人の情熱が結実   FNNプライムオンライン  2024.12.4

【星野リゾート代表に聞く】観光地の混みすぎ&高すぎ問題...解決のカギは『休み

 の分散』と『自然観光』!本当は教えたくない...「オススメ旅先」とは?

 毎日放送 の意見 2024.10.6

 よくポイントが整理されていて資料としての利用価値は高い。

「安いニッポン」インバウンドはいいが…貧しい国、人権も尊重しない国に外国人

   は住みたいか AERA dot. 小塚かおる によるストーリー 2023.10.24

 沖縄に限らず、日本の観光業と労働環境、移民問題を同時に俯瞰して検討するにはかなり役立つ記事であろう。まとめとして使えるが、見通しを立てやすくするために冒頭で紹介する手もありうる。まずはこの記事で日本全体の問題をある程度、掴んでおいて、さらに沖縄特有の問題に目を向けていくという展開はいかがか。

「日本に来ないで」 ネットにあふれる外国人観光客への罵倒! 観光立国なんて実

 はタテマエ? 「外国人嫌悪」という現代病から考える

 Merkmal 昼間たかし(ルポライター) の意見 2024.7.7

 観光公害や日本人の「ゼノフォビア」(外国人嫌悪)の問題にどう向き合うのか、対応が迫られているだろう。森岡氏の構想はこれらの問題をどう解消していくのか、という課題の克服無しでは前進できない。ただし元来が国際色豊かな沖縄のことである。おそらく沖縄の場合、「ゼノフォビア」の問題は内地ほど深刻ではあるまい。

過去10年で外国人が倍以上増えた自治体は280 10倍超も

   毎日新聞 によるストーリー 2023.10.24

 上の資料と併せて紹介したい。観光業の目覚しい発展で注目される北海道の現状はいずれ沖縄でも表面化してくるであろう。また欧米の富裕層が安心して晩年を過ごせる高級なリゾート地としての長期滞在型高齢者向け施設の建設も今後は積極的に取り組む必要があるかもしれない。移民問題は差別問題の箇所でも詳しく触れるが、観光業発展を図る上でも避けられないテーマである。

「島民の平均年収は1100万円」高額納税者たちが瀬戸内海の離島に続々と移

   住してくるワケ 日刊SPA! の意見 2023.10.24

   周防大島での取り組みは同じくハワイへの移民が多かった沖縄にとっても大いに参考となるだろう。

質は高いのに生産性が低すぎる日本のサービス業、コロナ明けの賃上げにつなげる

   には? 弁護士ドットコムニュース によるストーリー 2023.5.14

日本の「観光GDP」実は、欧米水準の半分程度 求められる「より稼げる産業」へ

   の変革 まいどなニュース の意見 2024.5.31

   日本の観光業の最大のウィークポイントは生産性の低さにある。どうしたら観光業の生産性を上げていけるのか、沖縄を例にしてその方策を考えさせたい。

 

 コロナ禍が始まる前までは沖縄を訪れる国内観光客数は修学旅行を含めてやや頭打ちの感があった。しかし近年は中国、台湾を中心に外国人観光客数が急増しており、全体的に見れば沖縄の観光業は順調に発展してきたと言って良いだろう。実際、ビーチには豪華な観光ホテルが乱立してきていたし、かつて修学旅行の生徒達にはあまり「美味しい」という評判を聞かなかった沖縄料理も今は見違えるほどの進化を遂げている。ハイセンスな喫茶や国際色豊かな飲食店はむしろどこよりも集客力が高く、沖縄観光の目玉とすら言えるだろう。

   ただ残念なのは沖縄を訪れるヨーロッパ人の少なさ。日本好きの多い彼らの平均的滞日期間はかなり長いのに沖縄があまり選ばれていないのはなぜだろう。これはぜひ考えさせたいテーマの一つ。ヨーロッパ人観光客の増大は今後の沖縄観光業の発展に向けて大きな課題となるであろう。

・沖縄への観光客数の推移

 1972年(沖縄、本土復帰)56万人

 ⇒2018年958万人で約17倍に急増

 特に外国人観光客はここ10年間で15倍に急増

Q.「どこの国から数多く来ている?トップ4を挙げてみよう。」

 ※2012年以降、中国人(香港を含む)観光客が激増し各地で「爆買い」。沖縄にも多数来訪。中国、

  台湾、韓国、米国の順

 中国など東アジアの多くの観光客は「沖縄」という特別感がなく、日本に行くのにたまたま一番近い場所だったという感覚で訪れる傾向がある。日本らしい商品(四宝など)や食べ物(タラバガニやメロン、神戸牛など)を求めてくるのに、そこにあるのが沖縄県産の商品ばかりでは、せっかくの購買機会を逃してしまうかもしれない。香港や中国から富裕層がきても、沖縄で欲しいものがなく帰ってしまうのは大変な機会損失となり、そのお金持ちの方は決してリピートはしてくれない。

.「かつて爆買いの定番商品であり、中国人観光客の間で「四宝」と呼ばれていたの

 は何?

 「炊飯器」「魔法瓶」「温水洗浄便座」「セラミック包丁」。その他、紙オムツや

 生理用品、医薬品、化粧品も人気だった。

 

 2019年の統計では観光客のリピーターの多い台湾が36%近くを占め、沖縄観光業界における台湾の重要性が改めて確認できる。また中国と香港を合わせると37%になり、台湾と肩を並べる存在になる。尖閣諸島の領有を巡って台湾や中国との対立が生じているものの、沖縄の経済にとっては両国との友好関係構築こそ死活問題である。ただでさえコロナ禍で大きな打撃を受けている沖縄観光業界にとって、中国が香港や台湾を政治的、軍事的に圧迫している今の状況は悩ましい限りであろう。

 

・観光業の沖縄経済に占める地位

 コロナ禍が始まる直前、沖縄の観光収入は年間約7000億円、それによる経済波及効果は約1兆1700億円。沖縄の県民総生産は約4兆3000億円だったので、今や沖縄経済の3割近くが観光業に依存していると考えられる。雇用に関しても県民の4人に1人の割合で観光関連に携わっている。

Q.「外国人観光客が多数訪れる都道府県トップ5は?」

 観光業の依存度は北海道のそれの2.4倍、雇用依存度は2.9倍にものぼる。インバウンド依存度(観光客に占める海外客の割合)も全国で5番目の高さ(京都、大阪、東京、北海道、沖縄・・・)である。

Q.「観光業の発展によって沖縄の貧困問題は改善してきたのか?」

観光公害」の側面も

 沖縄には鉄道がモノレール=「ゆいレール」(走行距離17㎞ほど)しかないので多くの観光客はバス、タクシー、レンタカーなどを用いる。もちろん沖縄県民も移動手段としてバスやタクシー、自動車に頼るので道路はいつも渋滞してしまう。道路の慢性的渋滞は人々の移動に支障が出るだけではなく、物資の輸送にも大きな障害となり、沖縄全体の経済発展の妨げにつながるかなりゆゆしき問題。⇒貧困問題の一因

Q.「なぜ沖縄本島には現在、長距離の鉄道がないのだろう?」

 ⇒基地問題(自衛隊基地と米軍基地)

※戦前は軽便鉄道が沖縄県営の路線として存在し、那覇と糸満、与那原、嘉手納を結ぶ三路線があり、

 総延長は47.8㎞ほどあったが、敗戦後、米軍によって完全に破壊された。

・沖縄の自衛隊基地:2018年段階で離島中心に50施設(1972年3施設)、面積で728

 haほど(1972年の4.4倍近く)。自衛隊員の数は7700人ほど。

・米軍基地:2018年段階で本島中心に33施設(1972年87施設)、面積18708ha余

 り(1972年28660ha余り)。軍人軍属家族数は2012年以降非公表で2012年の推

 計が47300人(1972年42229人)。面積3割減、人員微増。

LRTの導入に向けてパブリックコメント受付開始 (24/05/02 19:20)

 OTV沖縄テレビ 1:16

【鉄道復権?】沖縄の鉄道の歴史を振り返り、未来の鉄道建設構想を考察

 鐵坊主  2021/08/10 8:45

車社会の沖縄 求められる鉄軌道とは?(沖縄テレビ)2022/4/4

 2022/04/05 OTV沖縄テレビ 6:18

 那覇周辺の道は渋滞が慢性化し、その改善が早くから求められていた。しかし米軍基地の存在と市街地化の進展によって鉄道の敷設はこれまでも困難を極めてきた。しかしより一層の観光業発展を期する上でも鉄道敷設はマストの課題であり、一刻も早い敷設計画の実現が待たれる。

「台湾地震沖縄県への影響」津波警報発令で県民が高台に避難した~

 街歩きokinawa  2024/04/10 8:05

「沖縄移住に失敗する人」に決定的に足りない視点 沖縄に進出したが、なじめず帰っ

   てしまうことも 東洋経済オンライン 伊波 貢 の意見 2024.9.5

「10秒前に津波警報」沖縄へ着陸直後に…“機内騒然 車大渋滞高台に避難者多

   数【スーパーJチャンネル】ANNnewsCH  2024/04/03 7:39

 琉球大学の地震研究室によると沖縄は1771年に南西諸島南部の先島諸島で発生した明和の大津波(八重山地震津波)では大きな被害を受けている。石垣島南東岸から東岸では最大遡上高が30mに達し、多良間島から宮古島南部海岸にかけても遡上高は10m以上に達したという。津波による死者は全体で約12000人にも達し、宮古・八重山諸島に多大な被害を与えた津波災害が江戸時代にあったのである。

   1960年にはチリ沖の大地震による数メートルの高さの津波に沖縄の東側沿岸が襲われ、大きな被害が生じたこともある。

 これらのことを考えると、今回の台湾での地震に際して発令された津波警報に対する沖縄の人々の避難状況にはどうしても大きな懸念が残るだろう。特に車社会の沖縄らしい問題点として高台に自動車で非難する人々が殺到してしまい、ただでさえ狭い道路の多い沖縄の随所で大渋滞が見られた点は見逃せまい。米軍基地が多くを占める海岸部の、ごく限られた低地に密集する沖縄の住宅事情を考えると、この問題の解消は非常に難しい。

 まずは本島中南部の海岸部の多くを占める米軍基地の縮小と高台に向かう道路の拡幅工事が急がれよう。また同時に市街地や住宅地での津波避難タワーの設置も急がれる。さらに高台への避難だけではなく、屋上の開放を含む高層ビルへの避難誘導もある程度まで可能とする特別な措置が必要だろう。

 生徒には沖縄の津波対策に関してどのような問題点があるのか予想させ、今後の対策を中長期的な視点からも考えさせたい。

   なお、日本はそもそも自然災害の多い「災害大国」であり、それが外国からの観光客に敬遠されてしまう原因になりかねないことは考えておくべきだろう。また日本は世界でも有数の少子高齢化に直面している「老人大国」でもある。若者が少なく、老人が過去にしがみついて改革を怠り、活気の失われた、ただの不景気な国家、しかも恐ろしい「災害大国」となってしまえば、せっかく増えてきた観光客の足もいずれは急速に遠のいてしまうに違いない。

 しかし今後、早急に来るべき自然災害に備え、綿密な防災設備と迅速な対応を可能とする体制を充実させていけば、日本は「防災大国」と評価される国にもなりうるであろう。また高齢者人口の急増に日本がうまく対応していければ、日本は世界公認の「介護大国」にもなりうるはずだ。

 「防災大国」、なおかつ「介護大国」と世界から認められれば、老後であっても安心安全、かつ最上のおもてなしと豊かでユニークな伝統や四季折々の美しさを味わえる「リゾート大国」日本として、海外から今以上に長期滞在型の観光客が押し寄せるに違いない。

 そうした観点からも、沖縄の防災体制と医療介護体制の、一層の充実が急がれるはずである。

京都や沖縄でも… 大混雑の観光地で人手が足りない バスに乗れない 「オーバーツ

   ーリズム」が深刻化 [クロ現] | NHK 2023/05/21 8:04

暮らしと観光の両立は 問われるオーバーツーリズム対策(沖縄テレビ)

   2023/9/7 OTV沖縄テレビ 2023/09/08 6:47

もう許せない!「外国人達へ、リスペクトできないら日本へ来るな」と英語で言わ

   せてもらった!『日本語字幕付き』Can't Respect Japan? DON'T Come!

   スティーブ的視点 Steve's POV  2024/06/13  11:37

   日本好きで知られるスティーブ氏の指摘は沖縄を訪れる修学旅行生のナイチャーや外国を訪れる日本人にも突き刺さるだろう。修学旅行の事前学習にぜひ、視聴させたい動画の一つ。

【オーバーツーリズム】観光地はキャパ超え?日本人が住みにくい?観光税も?イ

   ンバウンドは成長戦略に?|アベプラ

   ABEMA Prime #アベプラ【公式】  2023/08/17  17:25

 日本経済のなかで大きな地位を占めてきている観光業のジレンマを克服することが喫緊の課題。

ごみ問題、交通渋滞、投資による地価上昇…京都・北海道から学ぶオーバーツーリ

   ズムの教訓とは?【ウェークアップ】読売テレビニュース  2022/07/16  10:24

 様々なポイントからアプローチされていて問題を概観する上で役立つ動画。

冨山和彦さんが“直言”超・人手不足時代をどう乗り越える?[NHKスペシャル&日

   曜討論] | NHK  2023/11/03 8:31

 少子高齢化の中でとりわけ福祉や観光業、飲食業といったエセンシャルワーカー部門の人手不足が深刻化している日本。一体、どんな対応が求められているのか…機械化、DX化による生産性の向上、企業の淘汰による労働力の流動性を高めたうえでの集約化、公定価格制の見直しなど、参考となる。

参考記事

「日本はオーバーツーリズムではない」政府観光立国のブレーン、アトキンソン氏

     が提言…外国人旅行者6000万人達成へ出国税引き上げ

     FNNプライムオンライン 2026.1.22

     非常に重要な指摘だと思うが、いかがだろう。少子高齢化が急激に進む日本で、現時点でも確実に稼げる主要な産業の一つは観光業であろう。しかも観光地としての日本人気は今後も当分続くと見られるので、この段階で一気に観光業の収益率を高めて外国人富裕層の長期滞在をさらに増やしていくのが得策ではないか。よく指摘される外国人観光客のマナーの悪さは、日本側の対応の甘さに加え、日本観光のサービスの質の高さにまったく見合わない途上国レベルの、驚くほどの価格の「安さ」にも由来するだろう。

日本は住みにくい?「外国人が暮らしやすい国」ランキング・トップ&ワースト10 

     居住者が評価  NEWSsPhere 2022.9.22

     …日本は「生活の質」が比較的高く、世界17位となっている。だが、「定住のしやすさ」で下位に沈み、同カテゴリ内の「文化と歓迎」「住人の友好度」「友人の作りやすさ」のいずれの項目でも40位台ないしはそれ近くとなった。デジタル化の遅れも深刻で、ドイツに次ぐ世界ワースト2位となっている…との指摘は沖縄の観光業の発展を考える上で大いに参考となるだろう。

     このところ海外の旅行先として日本を選ぶ外国人が増え続けているが、日本の観光業の労働生産性は相変わらず低く、観光業従事者の多くはブラックな労働を今も強いられている。観光公害を防止しつつ、観光業の収入拡大を図るためには、海外の裕福な人たちの日本滞在期間をさらに延ばす工夫が必要不可欠となっている。おそらくこの記事で指摘された太字のポイントを改善していくことが、そのために役立つに違いない。

沖縄移住で「なじめる人」「なじめない人」決定的差 「出身はどこ?」という質問に込め

   られた意味 東洋経済オンライン 伊波 貢 の意見 2024.9.14

   観光地としての沖縄に憧れて移住までしても、残念ながら3年以内で沖縄を離れてしまう人が少なくない、という。沖縄独自の慣習、しきたり、生活への関心と理解が無ければウチナーの社会に溶け込むことは難しいだろう。ナイチャーが沖縄について不勉強なまま、リゾート気分のままでナイチャーの社会に無理やり割り込もうとするのはウチナーとの軋轢を生むだけかもしれない。しかしウチナーの側も自分たちとは異なる価値観や多様性を少しは受け入れる柔軟性が必要であろう。時間さえかければお互いに歩み寄れる機会はきっとあるに違いない。

ディズニーだけはない、「若者のテーマパーク離れ」が止まらない…観光業全体で

   起きている「量から質」の転換

   現代ビジネス 谷頭 和希(ライター・作家) の意見 2024.9.14

 「量から質」への転換は日本の観光業における労働生産性を挙げる上で避けて通れない関門の一つだろう。谷頭氏はこの変化を総じて否定的に見ているようだが、安さに惹かれて来日し徒に問題を引き起こすタイプの外国人観光客数を減らす努力は必要である。他方で真摯に時間をかけて伝統的な日本文化への理解を深め、自然の豊かさを満喫しようとする質の高い外国人観光客を増やす工夫もまた同時に、沖縄を含めた日本の観光業全体に必要不可欠であると思うが、いかがだろう。

いつかマツコと有吉に食べさせたい…テレビで「味付けしてない里芋」と酷評された

   ドラゴンフルーツ農家の叫び

   プレジデントオンライン 山口 亮子 によるストーリー 2023.10.24

 この観点は沖縄の観光と農業を考える上で極めて重要なのかもしれない。実際、ドラゴンフルーツを国際通り近くで購入して食べてみたが味が薄くてフルーツの名称から連想される味には程遠かった(下写真)。おそらく輸入物だったのだろう。

 記事を読んで実際に沖縄産の新鮮なドラゴンフルーツを食べてみたくなった。もしも美味であるならば本来がインスタ映えする色鮮やかなフルーツであり、お洒落なカフェでは今以上に欠かせない食材となっていくはず。使い方次第では沖縄観光の目玉に化ける可能性まで出てくるかもしれない。

 上間氏が指摘されたように、サトウキビと補助金に大きく依存する沖縄農業はあまり持続可能とは言えないのかもしれない。したがって丈夫で育てやすいドラゴンフルーツが沖縄南国フルーツの期待の星として成長し、その栽培が多くの農村に普及できれば農民の所得向上にもつながり、沖縄観光の更なる発展を支える特産品の一つにもなるだろう。

【客層に変化】群馬「草津温泉」 欧米からの観光客急増のワケ『気になる!』 

   日テレNEWS 2023/11/21  5:25

 欧米への情報発信が沖縄ではイマイチ足りていないのでは?

【時給2200円】好循環が遂に実現?インバウンドで経済成長?給料が上がったニセ

   コで何が?リゾートアルバイター|アベプラ

   ABEMA Prime #アベプラ【公式】  2023/12/13  15:55

 沖縄観光が今後、目指すべき道がニセコを通じて見えてくるだろう。観光業の労働生産性の向上こそ、沖縄貧困問題の解決に直結するポイントだと思うがいかがか。

「日本の印象や日本に来た理由」を聞いてみた | 外国人観光客 in 沖縄 国際通り

 【海外の反応】   Sushi Street Talks【外国人インタビュー】  2023/11/12  13:23

 この動画を通じて外国人から見た日本の魅力と観光面での改善点が少しずつでも見えてくるだろう。特に沖縄の長所と短所が両方、つかめる点で非常に便利な動画。沖縄学習の時間が少ない場合には沖縄観光の概略を要領よく説明しやすいため、特に役立つであろう。

   沖縄観光の最大の強みは日本の中で例外的に味わえるトロピカルな魅力。特に慶良間ブルーは世界的に有名であり、工夫次第ではダイビングスポットとしてもっと数多くの外国人観光客を呼べるはず。

   また米軍基地が多いことでもたらされている沖縄の人の英語に対する拒否反応の小ささ、沖縄での英語表記の多さは外国人観光客をさらに呼び込む上で内地と比べればかなり有利に働くであろう。

   沖縄に不足しているのはヨーロッパからはるばるやってくる観光客がダイビング以外の目的でも長期滞在できるような施設や娯楽、体験型アミューズメントの少なさなのではないか。世界遺産に認定されている組踊や各地のグスクの魅力をもっと海外にも積極的に発信し、英語を用いた外国人向けの観光案内だけではなく、三線やカチャーシー、空手、ヤチムンつくり、黒糖つくりなどの体験コーナーや中長期に及ぶ講座数を、その指導者数を含めてどんどん増やしていくべきであろう。

   ヨーロッパからわざわざ沖縄に来る観光客は比較的目的意識が高く、多少は裕福であり、本来ならば内地だけでなく沖縄でも長期滞在を望んでいるはず。もっと言えば彼らが老後になってからでも沖縄で過ごしたくなるほどの魅力を備えることが出来さえすれば沖縄観光の将来は極めて有望に違いない。

 確かにオーバーツーリズムを背景とした一部の外国人観光客のモラルが欠落した行為やキャパシティの不足による観光業のブラック化に日本全体が直面している。しかし沖縄の場合、どのような外国人観光客を招き寄せるのか、きちんとターゲットを絞るような戦略があれば十分、改善可能だろう。

   たとえば円安による物価高に便乗して全体の客単価を20%以上、一気につり上げてアジアからの団体観光客の増大を防ぐ。そもそもが日本の物価より2~3倍は高いヨーロッパからすれば2~3割程度の価格上昇で客数が激減することなど無いだろう。むしろマナーをわきまえた、金離れの良い上客の割合が増えるかもしれない。

 その一方で、これを機に一部のサービスを高額化させつつ欧米の裕福な階層向けに特化させて観光業全体の利益率を向上させ、低賃金、長時間労働におちいりがちな観光業の体質改善につなげるべきではあるまいか。これは沖縄の貧困問題の解消にも少しはつながるだろう。

 ハワイと同様、南国の楽園としての高級リゾート地、裕福な高齢者が外国人を含めて晩年を過ごす高級保養地としての定評を確立することこそが、今後、沖縄観光の目指すべき道だと思われる。いかがだろう。

参考記事

ハワイ追い抜く「沖縄」観光地モラル低下のヤバさ サンゴの踏みつけなど生態系への

 影響も問題に 東洋経済オンライン 田中 俊徳 の意見 2024.6.17

 沖縄での観光公害の側面にも注目したい。

「食の欧米化が日本人の生活習慣病を増やした」のは本当か? この謎を解く沖縄の

 「平均寿命」と「脂質摂取比率」の意外な関係 集英社オンライン 2024.4

 47都道府県の内、平均寿命がかつては男女ともトップレベルをキープしてきた沖縄が近年、徐々に順位を下げてきていることは知られていた。その背景には安価で「大盛り」を謳う沖縄の大衆食堂やこじゃれたカフェなどで提供される沖縄スイーツ、歩くことや自転車に乗ることが少ない車社会の問題…などがありそうだ。したがってこの記事にあるように、単純に食の欧米化が生活習慣病につながる、とするのは欧米、とりわけヨーロッパの人々に失礼であろう。「沖縄危機」のポイントはもっぱら炭水化物、糖分の取り過ぎと運動不足であると思うがいかがだろう。

入館者急増の広島平和記念資料館、8月には2時間待ち…ネット予約・電子チケッ

   ト3月導入 読売新聞 によるストーリー 2024.2.12

 外国人の入館者が4割にも達しており、入館者数急増の大きな要因となっているのはなぜだろう。沖縄の平和祈念公園、平和祈念資料館に今後、新たに必要とされる工夫があれば、それは何だろう。生徒の意見を募りたい。

日本は住みにくい?「外国人が暮らしやすい国」ランキング・トップ&ワースト10 

     居住者が評価 NEWSsPhere 2022.9.22

 …日本は「生活の質」が比較的高く、世界17位となっている。だが、「定住のしやすさ」で下位に沈み、同カテゴリ内の「文化と歓迎」「住人の友好度」「友人の作りやすさ」のいずれの項目でも40位台ないしはそれ近くとなった。デジタル化の遅れも深刻で、ドイツに次ぐ世界ワースト2位となっている…との指摘は大いに参考となるだろう。

 このところ海外の旅行先として日本を選ぶ外国人が増え続けているが、日本の観光業の労働生産性は相変わらず低く、観光業従事者の多くはブラックな労働を今も強いられている。観光業の収入拡大のためには、海外の裕福な人たちの日本滞在期間をさらに延ばす工夫が必要不可欠となっている。おそらくこの記事で指摘されたポイントを改善していくことが、そのためのヒントとして役立つに違いない。

上がドラゴンフルーツ、下がスターフルーツ

どちらとも味はイマイチだった

 

 

「外国人が外国人を呼ぶ離島」小値賀島の秘密 観光客9倍?世界に魅力を発信する

  秘策【Jの追跡】 ANNnewsCH  2023/09/30 13:07

 沖縄に限らず、外国からの観光客を増やす戦略として非常に興味深い取り組み。沖縄の離島における観光振興策として模範になるだろう。

その3.沖縄戦~学校とマスコミ~

※この記事は常に新鮮なネタを提供すべく、随時、更新されています。

 

参考動画

沖縄県の「守られる山」と「変わりゆく貧困」

 ゆるゆる地政学 2026/01/31  19:31

 沖縄の貧困問題を理解する上で役立つオススメ動画。多角的な観点をコンパクトに分かりやすく整理してあり、視聴時間はやや長いが、ぜひ利用したい。内容がギッシリと詰まっているので、前半、後半と二分して適宜、質問や討議を入れるなど、ゆっくりと時間をかけて視聴させたい。

沖縄県民はなぜ優しいのか?その裏にある“生きづらさ”

     アラカキ 沖縄を楽しくするチャンネル 2026/05/04  6:26

 沖縄社会の特色を短時間で概観するにはとても便利。イジメや不登校問題にも目を向けている点が貴重であり、バランス感覚を感じられる。

【80年目の真実】「非国民」少年を戦争へ導いたものの正体 元志願兵が語る"目に

    見えない空気"とは 愛媛 NNNセレクション

    日テレNEWS  2025/08/25 13:29

    国民の間に戦争を煽り、人々を戦場に駆り立てる空気感を醸成してきた張本人は政府や軍部、在郷軍人会などを除くと、第一にマスコミ、第二に学校、第三に同質圧力の強い地域社会であったと考えるが、いかがか。

    この番組では国防婦人会といった村社会に根付いた地域組織の問題が挙げられているが、マスコミと学校の負の役割はそれよりも遥かに大きいだろう。その点も考慮に入れて授業では扱いたい。

歴史を“レスバ”の武器にするな】辻田真佐憲/わざとSNSで炎上させる「闇落ち研

     究者」が急増/AIで歴史の矛盾を看破せよ/日本の常識が海外で“嘘/これからは

     「令和人文主義」と「戦後史」【1on1】

     TBS CROSS DIG with Bloomberg 2026/01/12 37:18

 沖縄の歴史を含めて昭和史を振り返る、論ずるためにどのような観点が必要となるかを知る上で非常に役立つ指摘に満ちていると考えるが、いかがか。

 あくまでも歴史学の実証主義的立場に拘りつつ、冷静に議論を進める上でこれらの観点は決して見逃すことは出来まい。この分野を授業で扱う前に、あらかじめ教師として絶対に知っておくべき視点が分かりやすく提示されているはず。

皇民化教育の徹底と戦時中の報道統制が生んだ沖縄の悲劇

・戦時中のプロパガンダ

参考記事

戦意高揚のシンボル「軍神」はどう仕立てられたのか、メディア・教育が扇動した

   「死の精神」【報道特集】 TBS NEWS DIG_Microsoft  2025.12.13

戦時下の主婦に行われた「国防の躾」とは…旧日本陸軍が2000万人もの女性に強制し

    た「相互監視網」の恐ろしさ    プレジデントオンライン 一ノ瀬 俊也 2025.10.8

    銃後の女性たちが戦争遂行に果たした役割も見過ごすことは出来ない。

「あめりかに負けるものか」軍国少年の日記…寄贈の92歳「大人の言うまま、本

    心から思っていた」 読売新聞 2025.9.25

 学校教育の負の側面がよく分かる史料。

音楽と戦争の「深いつながり」とは?歴史学者に聞く 上田誠二・日本女子大准教授

 #戦争の記憶47NEWS 2025.8.21

 NHKの朝ドラ「エール」(2020)でも話題に挙げられた音楽界における戦争責任の問題。他には見聞することの難しい貴重な記事である。

【戦後80年】NHKスペシャルで話題に本誌が報じた昭和16年「総力戦研究所」が 

 予言していた「日本必敗」の道筋 SmartFLASH 2025.8.19

 ここでポイントとなるのは政府首脳が日米開戦によって間違いなく日本は敗戦の結末を迎える、という予測を様々な統計的データに基づいてこれでもかと突きつけられていたこと。にもかかわらず彼らが日米開戦を決した理由であろう。

 緒戦におけるドイツの快進撃に酔いしれ、「バスに乗り遅れるな」という合言葉に閣僚たちはまんまと乗せられてしまったのだろうか。だとしたら国際情勢への彼らの読みが甘過ぎたというほかあるまい。あるいは接戦となった日露戦争の奇跡的勝利の記憶が閣僚たちの判断を歪めさせてしまったのか。はたまた最優先していた国体護持のためには日中戦争の継続が不可避だったからか。それとも米英への激しい敵愾心を執拗に植え付け、日米開戦やむ無しと国民に思わせんとする洗脳策の効果が余りにも絶大であったため、戦争回避という選択肢の可能性を政府みずから潰してしまっていたからか。

 生徒たちにできるだけ多くの要因を考えさせたい。

参考動画

連勝に国民熱狂も…“国策映像”の裏に隠された敗北 映像は戦争をどう伝えた【報

    道ステーション】 ANNnewsCH 2025/08/15 9:17

    軍部が国威高揚のために様々な報道規制を行い、国民を騙し続けた動きが簡略に示されていて分かりやすい。まずは「日本ニュース」の果たした役割を整理させたい。

“破竹の快進撃”隠ぺい・捏造…なぜウソは膨れ上がったのか 映像は戦争をどう伝

    えた【報道ステーション】(ANNnewsCH 2025/08/16 17:42

    やや突っ込みが甘いが、最低限の事は触れている。ただしこの動画だけでは役に立たないだろう。上の動画を補足するために一部、視聴させたい。

戦渦の「学校日誌」奪われた日常…80年前の現実【バンキシャ!】

    日テレNEWS NNN  2025.8.3 9:28

    学校の兵営化、軍事工場化が米軍機の襲来を招き、多くの教職員や児童生徒の命を奪うことにつながった。軍事教練の導入も学校の軍隊化に一役買っていただろう。

 学校日誌には毎日、御真影に関して「御安泰」などとその安否を記す箇所が設けられていた点も興味深い。小磯内閣の打ち出した本土決戦作戦は、当然のことながら児童生徒をも戦争に巻き込む狂気の作戦であり、この狂気の作戦を現実のものとした国民の精神的な基盤には「一億火の玉」といったマスコミが流すスローガンや国民学校での錬成教育があったに違いない。国体護持のためにはすべてを犠牲にする覚悟が国民全体に刷り込まれていたのである。天皇制の罪深さを思わずにはいられない。

太平洋戦争末期に兵士不足により招集された14歳以上の少年兵「鉄血勤皇隊」の実

    態とは? 春日陽のレトロ近現代史 2025/04/09  25:44

 やや視聴時間は長くなるが、生徒たちと同じような年代の少年たちが過酷な戦場に動員され、多くの犠牲が生じていたことは知っておきたい。少年たちの戦地動員の背景に何があったのか、要領よくまとめられている。沖縄戦学習の導入部で視聴させておきたい。

戦中の日本に張り出されていたプロパガンダ・ポスターには何が書かれてのか?  

    春日陽のレトロ近現代史 2025/03/22  24:18

戦時中のトンデモないスローガン・国策標語9選

    春日陽のレトロ近現代史 2024/06/15  25:22

 以上の二つの動画は必ずしも授業で視聴できなくとも興味深い内容が多く含まれており、資料として十分に活用できる。戦時中の代表的なスローガン、プロパガンダを知るにはうってつけの動画。ただしナレーションなどに読み間違いなどが目立つので事前のチェックは欠かせない。

【終戦企画】戦時下の戦争アニメ映画

 小林彩のほんのり昭和回顧  2024/08/10 19:35

 やや視聴時間が長くなるが、戦時中のマスコミ、学校の果たした役割をつかみ易いだろう。ぜひ授業で利用したい。

こうして権力者は戦争を始める【プロパガンダの法則】

    原貫太・フリーランス国際協力師 2024/11/02  16:51

いま戦争が始まったら、あなたはどう「心理操作」されるのか?【プロパガンダの

    法則】 原貫太・フリーランス国際協力師 2024/11/05  17:02

    ここで示されている戦争を始めるための四つのプロパガンダは他の戦争プロパガンダに関する動画の内容と結び付けて生徒たちに考察させてみたい。特に戦争プロパガンダにおいてマスコミだけではなく、学校が果たす大きな役割にも注目させたい。

戦時中の少年少女倶楽部【雑誌の昭和史】

  小林彩のほんのり昭和回顧 2025/03/19 19:41

 戦時色の強いイラストは資料として印刷し、授業で配布しても良いだろう。

【終戦企画】戦時中のプロパガンダソング【歌謡の昭和史】

 伊東彩のほんのり昭和回顧 2024/08/15 20:07

 3曲、紹介されているが、授業では2曲目の「爆弾位は手で受けよ」だけ視聴してみたい。この曲だけなら解説が4:25~7:20、曲が13:25~16:20で視聴時間は計6分弱となり、授業中に利用しやすい。

【終戦企画】昭和20年の戦争映画【映画の昭和史】

    伊東彩のほんのり昭和回顧2024/08/09 21:20

昭和19年の日本の戦争映画【映画の昭和史】

    伊東彩のほんのり昭和回顧 2025/02/21 25:57

 伊東氏の動画はいずれもバランスのとれた解説であり、授業において安心して視聴できるものだと感じている。やや視聴時間が長いが、アメリカの映画なども紹介していて大いに参考となるだろう。

 

・ウクライナ戦争から見えてくる戦争の実際

ウクライナのロシア領侵攻をどう思う?

 ロシア人にインタビューしてみた 2024/08/21  5:43

 短いが非常に興味深く、刺激的なインタビューであり、ぜひ授業で視聴させたい。ここから日本人である私たちはどんな教訓をくみ取れるのか、問うてみよう。

【これまでの反政府運動と違う】プーチン政権を公然と批判する動員兵の妻たち”プ

 ーチ・ダモイ”に広がる共感 ロシア当局が彼女たちを弾圧しない理由とは

 【クロ現】| NHK   2024/04/15 10:08

 戦争を続けようとする国家を動かすために国民は何ができるのか、独裁者は戦争中、どうふるまうのか、など考える上でヒントとなる動画だろう。

ナワリヌイの死 ロシア人にインタビューしてみた  2024/02/19  4:22

反プーチン急先鋒…ナワリヌイ氏“謎の獄中死” 専門家が読み解く「3つの可能

   性」【スーパーJチャンネル】ANNnewsCH  2024/02/19 5:01

 上の二つの動画を視聴させてロシアでの政治についてどう思うか、日本の戦前との比較(小林多喜二の拷問死)や日本のマスコミの現状も念頭に置きたい。

反対派の「不審死・牢獄入り」をロシア人はどう思う?

 ロシア人にインタビューしてみた 2022/09/20 6:34

ロシアは、敗けますか?

 ロシア人にインタビューしてみた 1420 2023.6.11 6:14

9人目のロシア実業家の不審死が確認された直後のインタビュー。ナワリヌイ氏、

 ムラトフ氏への襲撃も噂されるが、ロシア人の反応とは。2022年8月29日頃撮影

 非常に刺激的なインタビュー。質問する側も答える側も命懸けの緊迫感が伝わって

 くる貴重な動画。国家による言論弾圧がロシアでは一層強まっている。日本は今、

 国民の知る権利が十分保障されているのか、きちんと点検すべきである。キナ臭く

 なってきた現在だからこそ、是非視聴させたい動画。

【制能権】あなたの意見って何だ?自由意思はある?脳をハックするハイブリット

 戦争と情報社会 2022/05/19 

 ABEMA 変わる報道番組#アベプラ【公式】34:26

 「智能化戦争」を仕掛けてくる中国への脅威が増してきた現在、「制脳権」という言葉が脚光を浴びてきている事の重大さに気付きたい。「洗脳」に弱い国民性を持つと考えられる日本国民にとってきちんと正対すべきテーマであろう。敗戦によって「マインドウォーズ」の恐怖を痛感したはずの日本人が戦後、どれだけその事を反省できているのかが、未だに問われている。SNSの普及にともなって生まれてきた「エコーチェンバー」「フィルターバブル」という新規な言葉の現代的意義に注目したい。視聴時間が長いので幾つかに区切りながら、その都度、丁寧に議論していく必要があるが、極めて重要な番組。

【ベストセラー】「テレビは見るな! 新聞は取るな! (日本の真相!) 」を世界一わか

 りやすく要約してみた【本要約】 2022/05/11 本要約チャンネル 33:50

 この本自体がただのデマなのか、直ちに確認すべきであろう。

戦争はマスメディアが作り出す!?人々を洗脳する「戦争広告代理店」とは

 原貫太国際協力師 2021/04/21 16:36

【知らないとダマされる】なぜ大衆は戦争に煽られてしまうのか?(前半)

 2022/03/25 原貫太・フリーランス国際協力師 13:28

戦争で「広告代理店」が儲かるのはなぜ?【情報操作の闇】

 2022/04/09 原貫太・フリーランス国際協力師 17:13

ウクライナ危機で大儲けする「軍需企業」とは!?

 2022/04/22 原貫太・フリーランス国際協力師 16:15

【メディアの黒歴史】戦争反対を訴えていた新聞が180度方針を変えた話

 2022/04/15 原貫太・フリーランス国際協力師 14:36

メディアが「戦争の真実」を伝えられない本当の理由

 2022/04/06 原貫太・フリーランス国際協力師 14:42

【先進国最下位】日本の「報道の自由度」が低い3つの理由

 2022/02/05 原貫太・フリーランス国際協力師 13:30

元CIA諜報員がプーチン氏の心を読む(2022年5月7日)

 2022/05/07 ANNnewsCH 11:39

 侵略戦争を行う国家のあり方についてはウクライナ侵攻を強行したプーチン政権を

 具体例にして理解できるだろう。習近平政権と類似した洗脳政策は中国による台湾

 侵攻、尖閣諸島占領が現実に起こりうることを示唆しているかも。

【賛成420票vs反対1票】たった一人で「戦争反対」を唱えた女性議員の物語 

 2022/04/21 原貫太・フリーランス国際協力師 13:24

知って欲しい、教科書で“いま”何が起きているのかを/映画『教育と愛国』予告編

 2022/03/22 moviecollectionjp 2:16

映画「教育と愛国」が示すもの 「政治の道具」迫る危機 ディレクター・斉加尚

 代さん 2022/04/13 毎日新聞 5:44

【白井聡 ニッポンの正体】~映画 「教育と愛国」 から考える~ 歴史を私物化す

 る愛国者 2022/04/15 デモクラシータイムス. 1:27:00

 

参考記事

ロシアで「過激派」情報をネット検索しただけで…最大9300円の罰金、プーチ

    ン氏が法案署名 読売新聞 2025.8.1

佐藤優「ニッポン有事!」国家総動員体制の日本に似たプーチン大統領「教育と国

   益」論 アサ芸biz  2025.2.9

   ロシアの現状だけではなく、変な愛国論がまかり通る日本のネット社会も考え合わせると、戦時中の皇国民教育をただの過ぎ去った出来事として忘却してはいけない、現代日本への警鐘となっている点にぜひ注目したい。

「この8年間プーチンは国民を洗脳してきた」...政府系メディアに乱入した女性が

 捜査官相手に吐いた反戦抗議の「納得の理由」 現代ビジネス

 マリーナ・オフシャンニコワ によるストーリー  2024.5.10

「ウクライナ侵攻は住民保護」ロシアが刷新した「歴史教科書」に書かれた問題部

 分 アサ芸biz の意見 2023.8.15

ロシア、統一教科書で侵攻正当化 歴史教育見直し進める

 共同通信社  2023.5.15

 この記事は討論のネタに使えるだろう。突っ込みどころ満載で利用価値は高い。特にプ-チン発言のどこに突っ込みを入れるか、まず問うてみたい。また中国のネット上でのコメントも突っ込み材料豊富。国定教科書の怖さと検定教科書の危うさを知っておきたい。他方で戦争に関する日本の教科書の記述がどこまで信用できるのか、生徒にアンケートをとってみたい。

プーチン氏「日本人は教科書に真実を書かない」=中国ネット「ユーモアある」

 「そもそも教科書には…」 Record China 2022/10/31 21:46

参考動画

幼い子どもが軍服姿で「奉仕できます!」ロシアで加速する“軍国教育” 高校生の

 軍事訓練映像を独自入手【戦争と子どもたち】

 TBS NEWS DIG Powered by JNN  2023/08/12  9:39

 上の参考記事と併せて学校と戦争との関係を考えさせたい。ロシアでの軍国教育を例とすれば、比較的、意見が出やすく、導入にうってつけの動画。かつての国民学校での教育と非常によく似ており、この動画から日本の学校教育の問題へとつなげていく展開がオススメ。

戦死者数わかってますか? ロシア人にきいてみた。

 ロシア人にインタビューしてみた 2022.10.1 9:19

今でもTVを信じてる? 若いロシア人にきいてみた。

 2022/10/16 ロシア人にインタビューしてみた 17:09

ロシアが負ける時、どうなりますか? ロシア人にインタビューしてみた 

 2022.10.21 11:01

 戦争中の政府による報道統制が国民の認識を歪めてしまう現象は古今東西を問わず、どの国でも起こりうる危険な現象。知る権利、報道の自由が今の日本ではどれだけ保障されているのか、しっかりと調べさせた上で考えていきたい。いきなり日本を素材にすると反発も予想されるテーマなので比較的、意見を言いやすいウクライナ戦争は討論の素材としてはタイムリーであり、ぜひ授業で使ってみたい素材の一つ。

NHK | ロシア少数民族が集中的に動員され戦死者も 動員はジェノサイドだ

 ーチン大統領の狙いは? 少数民族ブリヤート人の苦悩| BSキャッチ 世界のトップ

 ニュース 2022/10/13 NHK 10:21

これからも、政治に無関心でいますか? ロシア人にきいてみた。

 ロシア人にインタビューしてみた 1420 2022.11.10 6:54

プーチンどう? 顔、声を隠してきく。ロシア人にインタビューしてみた 1420   2023/03/05  MOSCOW 撮影1月と2月 17:30

 匿名を条件にするとプーチンに対してかなり批判的な意見が表出してくる。

参考記事

ロシア国民はなぜ今も“間違いを犯した自国”を支持するのか。「国民感情」の国際

 比較から考える mi-mollet 加谷 珪一 の意見  2023.7.15

 重要な観点からの指摘。ただし日本の場合も教育や報道の自由度が極めて低い点に大きな問題があるだろう。対岸の火事、と悠長に構えている場合ではあるまい。

中村逸郎氏が警鐘 広島G7開催のタイミングでロシアが核攻撃の可能性

 東スポWEB の意見 2023.5.7

米小学校乱射を否定し巨額賠償命じられた陰謀論司会者、自己破産申請

 BBC News 2022.12.3

 陰謀論をまき散らしたトランプ政権下での出来事である。陰謀論の拡大は戦前の日本でも「満蒙は日本の生命線」などと言った危機感を煽るスローガンによって生じていた。近年ではウクライナ戦争でもこの手の陰謀論はネット上で種々観察できよう。ネット社会の進展もあって大統領や国家が平気で陰謀論をばらまく時代が来ている。瞬時に大量の情報が飛び交う中で信頼できる情報源を探すのは極めて難しい。確実に言えることは「情報の信頼性を確認できるまでは結論を急がない」事であろうか。多様な意見にじっくりと耳を傾けつつ、粘り強く自分なりに信頼できるデータを積み上げていき、データに裏付けされた意見を自らの力で構築していく…そうした姿勢を幾度もの討論を通じて繰り返し養っていくことが求められているようだ。

「辞めろ」「辞めない」の応酬で泥沼に…高市早苗の「放送法文書」騒動で、見落

 とされている“問題の本質” 文春オンラインプチ鹿島 によるストーリー 2023.4.4

堕落した大新聞ついに自ら“言論統制”の自殺行為 朝日新聞が社員の書籍出版を「不

 許可」日刊ゲンダイDIGITAL によるストーリー 2023.6.5

朝日新聞に著書“出版禁止”を出された社員が語る「新聞社の言論規制」調査で明ら

 かになった「臆病になる新聞」 SmartFLASH によるストーリー 2023.7.4

 

・少国民錬成教育の実際

日本軍が真剣に考えた愚策「松の油を戦闘機や戦車の燃料にする計画」を小学生た

 ちも手伝った 現代ビジネス 若尾 淳子 2025.8.20

 …戦前、日本は「神の国」でしたから神である歴代天皇の系譜を小3のときに暗記させられました。朝礼では毎朝、軍人勅諭の朗読があり「戦陣訓5ヵ条」というのを全校で暗誦しました。「軍人は礼儀を正しくすべし」「軍人は武勇を尊ぶべし」……「軍人は質素を常とすべし」だったかな。もちろん教育勅語も暗誦させられました。

 そのころ校庭には”奉安殿“という小さなお宮みたいなものがありました。当時はどこの学校にもあったのではないですかね。中には天皇皇后陛下(明治天皇と昭憲皇太后、大正天皇と貞明皇后、昭和天皇と香淳皇后)のお写真や教育勅語が納められていて、登校時や近くを通るときは、必ず最敬礼するのが決まり。奉安殿の横には二宮尊徳の像もありましたね。…

 貴重な証言だろう。学校教育が抱えている重大な戦争責任が、こうしたことからも少しは伺えるはず。

「死ぬための教育は、教育のまさに逆転現象」子どもたちを支配した軍国主義は教

 室だけでなく少年向け雑誌にまで【報道特集】

 TBS NEWS DIG_Microsoft によるストーリー 2024.8.17

参考動画

“故郷を護るため”ゲリラ戦を強いられた沖縄の少年たち 戦後PTSDになり…閉じ込

    められた2畳の座敷牢【報道特集】

    TBS NEWS DIG Powered by JNN 2024/08/15  27:50

 少国民教育の実態を理解できる動画は数が極めて少ない中で、沖縄戦も視野に入れたこの動画は非常に貴重であろう。今の教師たちにもまだ学校の戦争責任を問い続けていく必要があるに違いない。とりわけ現在の日本の学校教育にはびこる行き過ぎた集団主義の恐ろしさはもっと強調されるべきだと思うが、いかがか。

初めて日本の電車に乗って北朝鮮の女性たちが衝撃を受けました...! 毎回止まる

   し、遅れたのに全く違う... IKITERU【イキテル】  2024/11/27  14:27

   ロシアだけではなく、北朝鮮でも国家による洗脳策が行われている。では日本の学校教育は大丈夫なのか、問い返したい。

反日教育について北朝鮮の友達から本音を聞いて泣いてしまいました...教わったこ

   とと全く違う日本 IKITERU【イキテル】 2024/11/29  24:56

   やや視聴時間は長いが、ぜひ生徒たちに視聴させたいイチオシの動画。国家が強制する学校教育の悪しき影響力を思い知ることは絶対に必要である。戦後の北朝鮮出身者の動きや拉致事件など、解説が必要なポイントが幾つかあるので視聴する前に解説文をプリントし、配布しておきたい。

長井暁×神保哲生:権力からの圧力で番組内容が歪められてしまうNHKのままでは

 いけない videonewscom  2023/07/22 1:02:02

 NHKが安倍政治による人事介入によって公共放送としての役割を果たすことが瞬く間に難しくなってきた経緯が分かる。マスメディアへの政治介入とマスメディア側の政府への忖度体質がしっかりと根付いてしまった日本の現状は異常であり、検定教科書制度含め、国民の知る権利への侵害(→「教育と愛国」)がどれだけ深刻なのか、まず知らなければなるまい。

山田健太×宮台真司×神保哲生:どうするNHK。これからも公共放送を続けたいの

 なら統治体制を根本から変えるしかない【ダイジェスト】

 videonewscom 2023/07/22  7:33

 授業で視聴するには中途半端な内容だが、フルバージョンの方を教師が予め整理しておき、足りない分を板書なり、プリント資料で補うならばOK。NHKの放送内容に政府が介入するという放送法違反が堂々と行われてきた事は重大であり、決して看過できない状況が続いていることに注目したい。

【高市早苗氏と総務省文書①】放送法の“政治的公平”を巡る問題…どんな文書が流

 出したのか?中田敦彦のYouTube大学 -  2023/03/28 29:49

【高市早苗氏と総務省文書②】流出した文書を徹底解説!テレビが政治にコントロ

 ールされやすいのはなぜか?中田敦彦のYouTube大学  2023/03/29 33:42

 安倍政治と日本の放送業界が抱えていた問題点(クロスオーナーシップ制、NHK会長の人選方法…)に対する理解は必要だろう。

 ※なお「アベノマスク」を巡る訴訟によって政府の隠蔽体質の根深さと業者によって2倍を超える不自

  然な単価が設定されていた事が判明(→アベノマスクの契約単価、調達業者によって2倍超の差 国

  敗訴で開示朝日新聞社 によるストーリー 2023.4.8)。国民の知る権利がしっかりと保障されて

  いなければ民主主義は機能不全になる虞があるだろう。

オリヴァー・ストーン製作総指揮!映画『すべての政府は嘘をつく』予告編

 2017/02/17 シネマトゥデイ 2:49

監視技術、米が日本に供与 スノーデン元職員が単独会見

 2017/06/01 KyodoNews 4:06

 ◎の二つの動画は質問を挟みながらも是非、連続して視聴させたい。戦争を巡っては何が真実かを私たちが知ることはほぼ絶望的であるという、恐ろしい現実とまず向き合うことから沖縄戦についても議論を始めるべきであろう。謙虚さを欠く、扇動的で断定的言論の多くは信用できない、と心すべきである。

【太平洋戦争】大本営よりサイパン玉砕の発表 直後の日本の様子【字幕付き】

   Tの宝探し冒険記  2024/08/09 7:28

 非常に貴重な動画であり、ぜひ視聴させたい。太平洋戦争での重大局面だったサイパン陥落直後の状況をうかがい知ることができるだろう。特に国民学校の場面では厳しい国家統制下での「やらせ」的情報操作、洗脳策が露骨に観察できる。学校とマスコミの戦時における役割について時間をかけて議論させたい。

【戦争報道】国民も加担?誰が主導したのか?日本には無責任がまん延?戦後より

   戦前にヒント?辻田真佐憲と考える|アベプラ

   ABEMA Prime #アベプラ【公式】  2023/08/22  16:32

 特定個人の犯人捜しではなく、日本社会の制度や構造への眼差しがポイントになるだろう。天皇制という特殊な体制がもたらした負の側面としての集団的指導体制が抱える無責任体質と村社会的相互監視システム、マスコミや学校教育…無謀な戦争を生み出した要素は数多く、複雑に絡み合って存在している。ただカッパはそうした負の側面を持つ戦前の体制、体質が一部、戦後も延命している点を問題視したい。それが戦後日本を戦前の日本に後戻りさせかねない危険因子だという点を授業では強調すべきではないか。いかがだろう。

【1940アーカイブス】戦後抹消命じられた「戦争ごっこ」 80年前の映像記

   録 朝日新聞デジタル  2019/05/05 1:34

   戦時中に流行った戦争ごっこは日本の敗戦後、なぜか一時期だけ復活している。それはいつのことで、なぜ、その時流行したのだろう?

沖縄戦•戦時前の舞台裏: 戦争支援組織の誕生と戦場に直結した暮らしはどのような

   ものだったのか? OKINAWA a la carte  2023/09/20  7:06

 貴重な写真を通じて民衆視点から戦時体制を概観できる。授業では必見の動画。特に戦時中における学校での様子がよく分かるだろう。

元学徒兵が語る 戦争前夜への危機感(沖縄テレビ)2023/6/19

 OTV沖縄テレビ  2023/06/22 7:11

 戦時中の報道統制と軍国主義的教育の危険性がよく分かる。

不都合な真実隠した歴史 沖縄戦に突き進んだ背景に迫る企画展

 沖縄テレビ によるストーリー 2023.6.9 1:03

【沖縄戦本島米軍上陸】米軍が沖縄本島に上陸して2日後にチビチリガマ(読谷

 村のガマ)で凄惨な出来事が起こりました。

 阿波根あずさの沖縄観光チャンネル  2021/10/23  18:35

揺らぐ① やんばるの戦争 民間人殺害の背景

 【琉球放送】RBC NEWS  2023/06/19 7:46

【ドキュメンタリー】「沖縄戦の縮図」といわれる伊江島~知られざる悲しい記憶

 ~令和こそ平和の時代に…日刊ゲンダイ 2019/05/01

 伊江島民泊を予定する学校では必見。沖縄で最も死亡率の高かった激戦地が実は伊江島であったことを知るべきだろう。

ドキュメンタリー 今も続く沖縄戦の傷「晩発性PTSD」QABドキュメンタリー

 扉2014 2014/03/02 

 全部で46分近くを要する。11分10秒までの視聴で可だが、教師としてはぜひすべて視聴しておきたい。

[クロ現+] 戦場のトラウマで精神疾患に 戦後も続く元兵士や家族の苦しみ |

  NHK 2021/09/24 

 5分に短縮されており、授業で利用しやすい。

[目撃!にっぽん] ずっと父が嫌いだった 家族が向き合う戦争の傷痕 | NHK 

 2022/01/25 6:35 

 戦争が心に残した傷跡は家族すら理解できない。

年間6500人自殺者も...米軍が抱える"深い闇"

 NEWS23 2012/02/19 6:06 

 戦争を繰り返してきたアメリカの闇を感じておきたい。

【平和教育】戦争の悲惨さどう伝える?原爆や沖縄戦ばかりで良い?「はだしのゲ

 ン」削除を考える|ABEMA Prime #アベプラ【公式】 2023/02/23  16:45

【戦後76年】被爆者なき時代を見据え「実物展示」に転換 広島・原爆資料館【報

 道ランナー】関西テレビNEWS   2021/10/01  13:55

 こだわるべきは実物展示そのものではあるまい。「展示物」が何を物語るのか、そこにどんなストーリーが隠されているのか、今、読み取れることは何なのか…物との対話力こそ、問われているはず。見る側の想像力を多様に刺激する展示の仕掛けをどう工夫していくかは、技術的な進歩や人々の価値観の変化にも左右されるだろう。資料館に「完成形」などあろうはずがない。ひめゆり平和祈念館にも通じる、新たな展示のあり方を常に模索する姿勢が大切だと思うが。

昔話】さるかに合戦&桃太郎にもコンプラの波?ストーリーもオチも全然違う? 

 ひろゆきと考える ABEMA Prime #アベプラ【公式】 2023/02/19  19:54

 伝承は時代や地域の在り方とともに変わっていくものであり、現在の価値観が反映されていく事自体は問題ではない。とはいえ「はだしのゲン」の教材からの削除はまた別の問題をはらんでいるかもしれない。この作品を通じて色濃く漂っている作者の鋭い天皇制批判、戦争責任への執拗な追及の姿勢が教育行政側からは早くから問題視されてきた。実際、30年以上前のことであるが、中沢氏の講演が千葉県教委の指導で取りやめになっている。ついに広島県でもそういう時代になってしまったのか…

・チビチリガマとシムクガマ(読谷村)の明暗

戦世から80年 チビチリガマ 真実明らかにした調査(沖縄テレビ)

 2025/4/04 沖縄ニュースOTV 2025/04/10 14:57

 読谷の住民の間でタブーとされていたチビチリガマの集団自決(集団死)を戦後38年にして掘り起こした下嶋氏の取り組みに感謝したい。戦前、戦時中の学校教育こそが最大の加害者であった、という沖縄の人々の思いを今のヤマトンチュはどこまで汲み取ることが出来るのか、ぜひ、考えておきたい。

 なお、動画内で登場した知花昌一氏は1987年10月26日、読谷平和の森球場において開催された第42回国民体育大会のソフトボール競技会の開会式で、掲揚台から日の丸を引き下ろし焼き捨てたことで有名。1995年の控訴審判決において、建造物侵入罪・器物損壊罪・威力業務妨害罪により懲役1年、執行猶予3年の有罪判決が確定している。このことの是非についても議論させたい。

 戦前、戦時中の学校教育には「生きて虜囚の辱めを受けず」とする東條英機の戦陣訓や「鬼畜米英」をスローガンとする欧米への敵愾心の醸成など、集団自決に強く結び付く内容があったことは厳然たる事実。ならば戦後、日本の学校教育はどう変われたのか、変われなかった事とは何か、冷静に振り返ることが必要であろう。

戦後70年の地平から「2つのガマから見えるものは」
 RBC 2015/05/04 6:41

 チビチリガマとシムクガマの運命を分けたものとは何だったのか?ウソをつき続けた当時の戦争指導者や学校とマスコミの責任は重い。
【戦争を知る】集団自決・運命を分けた2つのガマ ~日テレ戦争アーカイブス~ 
 2021/08/13 11:42

 沖縄戦の悲劇として知られるチビチリガマ(読谷村)での集団自決(1945年4月)は親が子を殺すという、凄惨なものだった。村人の総人口194名のうち139名がガマに入ったが、自決者数は83名(85人とする場合あり)、死亡率は60%に上り、その過半数が子どもであった。サイパン島陥落の際(1944年6~7月)にも、投降を嫌って断崖から多くの人々(1万人余)が投身自殺していた。しかしチビチリガマ近くのシムクガマではハワイ帰りの住民が必死に住民を説得し、米兵と交渉したお蔭で1000人近くの村人が全員米軍に投降して生きながらえることが出来ている。

 ※参考記事

  ◎沖縄戦、新版教科書は集団自決の日本軍関与触れず 市民団体調査

   毎日新聞 によるストーリー 2023.6.22

 

 

その6. 心理学アラカルト(後編)

※この記事は常に新鮮なネタを提供すべく、随時、更新されています。

 

7.認知における錯誤

 知覚は刺激に対する直接的反応で知識等には余り左右されない「ボトムアップ」の現象です。認知は知識や予見等に大きく左右され、状況次第で結論が変わる=「トップダウン」の現象です。そしてともに不十分な情報に対して常に一種の推論を行っているという点が共通します。したがって認知面でも錯覚、錯誤は大いに発生する余地があるのです。

 認知的錯誤の例を一つあげてみましょう。「ほめたほうがよいのか、しかるほうがよいのか?」心理学的には「しかるよりほめたほうが効果は大きい」といいますが、スポーツの監督やコーチの経験では実感として逆の印象を持っていることが多いようです。つまりほめた後は成績が下がりやすく、しかった後は上がりやすいという印象です。どっちが正しいのでしょう?もちろん安易に結論は出せないでしょう。ただ監督やコーチらの経験に基く判断には錯誤が含まれている可能性が大きいのです。なぜならしかるときは選手が不調なときが多いからです。当然、不調から立ち直る局面が後日待っている時点でしかるのですからいずれ立ち直ります。つまり単純にしかる=立ち直るとはいかないのです。またほめるときは選手が好調のときが多いはずです。好調のあとには不調の波が訪れます。時系列的に見て因果関係があるように見えますが、ただ単に好調・不調の波が選手に訪れているだけかもしれないのです。

 どうやらヒトは本来無意味な事象にも因果関係を見出そうとする強い認知傾向があるようです。逆に言えばヒトは無秩序や意味の真空性を嫌うようです。そしてあたかも脳が盲点の空白を周囲の色で勝手に補填してしまうように、自分の言動の理由を手近なところから拝借していつの間にか適当に原因を創作してしまうのでしょう。

 池谷氏はこう指摘しています。脳は身体反応を介して一定の感情をアウトプットしているのですが、軽い身体運動をして心臓の拍動数を上げると感情が増幅されてしまうことが確認されています。様々な感情が身体面に表現される際のレパートリーは数少なく、心拍数が上がる、血圧が上がる、発汗する等。つまり「心拍数が多い」という事実だけでは怒っているのか悲しいのか、脳には区別できません。そこで心拍数が上がればとりあえず今の感情を増幅させてしまうことになるのです(例:吊り橋効果)。だから運動直後の感情は激しやすくなるといえましょう。怒りに燃えて何かをしでかしてしまったとき、その言い訳は大抵、作り話か誇張されたものに過ぎなかったりするのです。

 脳は自分の行動を観察し、身体状態を認知して心の内面を脚色してしまいます。脳にとってすべての情報は身体を通じて入ってきます。身体状態を脳が説明するための根拠は過去の記憶に求められます。記憶の曖昧さを考えれば脳の推論が正しいという保証はどこにも無く、「作話」が生ずる余地はあるのです。

※「夢を叶えるために脳はある」(池谷裕二 講談社 2024)より

 ダニング・クルーガー効果:できない人ほど自信過剰の傾向が見られる。これは一見すると「痛

  い」傾向だが、実は自信過剰気味の人ほど成長できる機会をつかみ易い、という考察もある。実

  際、心身共に健康な人ほど自分を過大評価するうぬぼれ屋であり、うつ病の人ほど自分を正しく等

  身大に見ているらしい。特に成長盛りの若者が多少、自信過剰気味であったとしても、それは健康

  的であることの証であり、大目に見るべきことなのかもしれない。

8.ベクション:自己運動知覚の錯覚

 錯視図形で体験したのはあくまで視覚における錯覚ですが、視覚以外の感覚でも様々な錯覚が生じます。たとえば日常的に体験するのがベクション。電車に乗っていてぼんやりと外を見ているうちに、まだ発車していないにも関わらず、突然動き出した…と感じて驚いたことはないでしょうか。実際に動いたのは反対側のホームの電車なのに、妙に生々しく自分が動いているように感じられます。つまり動いてもいないのに自己運動知覚が生じてしまっているのです。これは体感的錯覚と言えましょう。

特に揺れの少ない新幹線では頻繁にこのベクションにだまされます。列車が動き出したかどうかの情報がもっぱら視覚情報に限られたときにベクションが生じやすいそうです。特に視覚20度以上の広い視野に運動が提示されたときに自己運動知覚が生ずることが確認されています。したがって大画面のスクリーンに列車の運転席から前方を移した映像を流せば運転手並みの臨場感あふれる体験ができるはずです。これは自分が静止しているならば広い視野に見える光景は現実世界では背景として静止している確率が高いためにまず脳が勝手に静止していると判断。ところが静止しているべき光景が動いたときには自分が動いたからだと感ずることからもたらされる錯覚である、と考えられています。

 身体運動知覚は前庭器官(耳の奥にあるバランスなどを感じ取る器官)や各部位の筋肉からの情報も関与しているそうです。もし目隠しなどをして前庭器官だけの情報に限定した実験をしてみますと、加速度が検知されたときには自己運動知覚が生じますが、等速運動状態では感覚がなくなってしまうことが分かっております。

 たしかに飛行機に乗った際、安定して飛行しているときには運動知覚は生じません。視覚情報と前庭情報とを同時に提供して争わせる実験から、前庭器官はもっぱら運動の開始と終了(速度の変化)に関わり、視覚は等速運動中の自己運動知覚を担当していることも分かっています。ディズニーランドやユニバーサル・スタジオなどのテーマパークにある体感シミュレーターではこの前庭情報と視覚情報を巧みに組み合わせることでまるで宇宙船などに乗っているかのような体感を味わえるのです。前庭情報はイスの揺れや傾きなどでもたらされ、動き始めや停止、方向転換・落下・上昇の開始期に適度な強度と速度で与えられるといいます(次の加速度情報を与えるためにイスは意識できない程度にゆっくりと元の位置に逐一戻されているそうです)。

 これらの知識を応用すれば視覚情報を操作することで運動感覚を誤作動させ、身体の姿勢を本人の意思とは関わりなく、変えてしまうことができます。東京都科学技術館で体験できるもので「うずまきシリンダー」と呼ばれる装置があります。渦巻きが描かれた大きな円筒(シリンダー)がトンネルのように設置されてゆっくりと回転しており、円筒の中央に浮かんだ通路を歩いて中に入れるようになっていて手すりを伝いながら中に入ります。が、いつの間にか体が傾いてしまい、倒れそうになるという不思議体験。この現象は視野の回転運動が自己の身体運動で生じたと脳が解釈し、姿勢の安定化のために姿勢を傾けてしまう結果生じていると考えられています。一番奥まで来たらまっすぐに立ち正面を向くと今度は数秒で自分の体が回転して知覚されるベクションが生じます(もちろん目を閉じればこうした感覚は消失)。

 

9.催眠の科学

 かつては催眠といいますと手品かマジックのようないかがわしいものと思われ、「催眠術」という呼び方までありましたが、近年では催眠療法という治療法が確立してきてその効用が学会で認められつつあります。特に催眠にまとわりついている誤解、偏見としてよくあるのが催眠をかけられた人は相手の指示には何でも従ってしまうかのような、まさに魔術的イメージ。しかし実際には催眠をかけられる側の人が主体的に判断し積極的に相手の暗示に協力しないと催眠状態にすら至らないといいます。催眠にかけて相手の嫌うことを心ならずも行わせてしまうことはまず不可能といってよいでしょう。それにどんなに催眠をかけようとしてもまったくかからない人だっている(2割程度)ようです。

 催眠現象には二つの要素があります。一つは動作に関わるもので「からだの一部が勝手に動き出す」あるいは「動けなくなる」という現象。もう一つは目の前には無いものが「見えてくる」というイメージの操作。催眠によって、本来存在しない物の視覚的イメージだけでなく、触覚的イメージや嗅覚的イメージまで喚起できるといいます。そうした催眠現象を引き出すにはまず、催眠誘導がうまく行われなければなりません。実際、催眠をかけられる側からすれば、当初はどんなことをされるのか…等の不安で一杯であることが多いといいます。そうした不安を少しでも和らげ、暗示を素直に受け入れられるような精神状態に持っていくのが誘導の手始めとなります。そのためにも催眠現象への理解と興味関心がなければならないのだそうです。

 日本の催眠療法の権威である成瀬悟策氏は、人の日常生活における「努力」(=

意志の力)はそのすべてを明確に意識できてはいないのだといいます。むしろ意識していない、無意識の「努力」によって人の日常生活は多く、支えられており、意識できているのはまさに氷山の一角でしかありません。そこに気付けば多少奇妙な暗示に対しても心を開いて受け入れることができるようになるはずです。そして催眠を受けることによって人はさらに意識下の努力=パワーを活性化できるようになるのだというのです。

 被暗示性が高い時ほど人は催眠にかかりやすいといいます。被暗示性を高めるにはまずくつろいだ雰囲気や気が散らないような室内の条件を整えることから始めなければならないようです。さらに本人が心身ともにリラックスできるとともに自分の内面に集中できるよう、仕向ける必要があるそうです。本人の「やる気」と被暗示性が高まったところで催眠誘導暗示が行われます。一つのことに集中させて単純なことを繰り返させ、前頭葉の働きを鈍らせることが基本パターンです。

 有名なものでは「凝視法」があるそうです。壁に向かって椅子に腰掛け、眼よりもやや高い位置に固定した小さな光る対象を上目づかいに凝視させ、「じっと見つめていると、だんだんまぶたが重くなって下がってくる。そのうちにまぶたが自然に閉じてしまう。」という趣旨の暗示を繰り返すものです。「目を開けようとしてごらん」と言い、目が開けられなくなっていればほぼ催眠状態=トランス状態に入ったと判断されます。うまく行けば次は認知催眠の段階に入ります。触覚や味覚のイメージが比較的早く暗示に反応しやすいようです。なおこの段階で食べ物の好き嫌いを直す暗示をかけることも可能であるといいます(ただし暗示の効果はフォローが無いと二週間ほどしか続かないといいます)。

 さらに進むと究極的段階である人格催眠となります。ここでは自分の人格を忘れさせ、さらには名前までも忘れさせてしまいます。次いでまったくの別人になるよう暗示されたり、年齢退行させたりします。これは心的外傷体験(トラウマ)の発見と解決をはかるために有効な催眠といわれます。ただし催眠によって本人の過去をありのままに再現できるわけではありません。あくまでも現在の本人が当時をどう感じているのかを知ることができるだけです。むしろそうであるからこそ、治療に有効なのだとも考えられています。

 催眠中の人の知覚や思考力などは覚醒中に比べて数段低くなることが確認されています。しかし能力が増大する旨の暗示をすると被暗示性の高い人の場合、記憶力などの能力が向上するといいます。このようなときには脳波も覚醒時と同じであるようです。当然、催眠などによって意識下のパワーが活性化されれば、スポーツなどでも大きな威力を発揮することになるでしょう。すでにリラクセーションの方法としての簡単な自己催眠法(自律訓練法etc)や集中力を高めて能力を最大限発揮するための自己暗示、呼吸法などはプロスポーツの世界に限らず、メンタルトレーニングとして頻繁に応用されています。

※明治大学の齋藤隆教授は短時間でリラックスできて集中力を高める丹田呼吸法を推奨しています。20

 秒ワンセットの腹式呼吸法です。まず3秒間で鼻から息を、腹が膨らむよう、吸い込みます。次に2秒

 間、息を止めます。その後、15秒間で息を口から吐き出します。コツは最初に息を吐き切ること。吐

 き切ることでわずか3秒でも十分な空気の量が肺に入ってくるはずです。15秒も息を吐き続けること

 は難しいように思えますが、しばらく練習してコツさえつかめばたちまちできるようになるでしょ

 う。20秒ワンセットを数回繰り返せれば十分な効果があるといいます。呼吸法なので場所を問わず、

 道具も不要。齋藤先生は大阪の高校で生徒にこの呼吸法を行わせ、クレペリン検査の成績を劇的に向

 上させることができたといいます。

 

10.その他の小ネタ

コントラフリーローディング効果

 入会儀礼は緩やかな方よりも厳しい方が入会後の会員の定着率が高くなる傾向。これも認知的不協和理論で説明可能。例:バンジージャンプ

 脳は労せずに手に入れた(フリーローディング)ものよりも、何らかの対価を払って苦労して手に入れた方を好む。これはネズミでも観察可能。

 例:2種類の方法を併用してネズミにエサをやる

  ・エサを皿に入れておいて好きなときに食べられる

  ・レバーを押すとエサが出てくる仕掛け

   レバーを押してエサを食べる方の頻度が皿の中のエサを食べるよりも大

   ただし例外なのはネコ

   ※定年症候群

「上流階級バイアス」:金持ちほどマナーが悪い!

 例1:高級車と大衆車まで車のランクを五つに分けて交通規則を守れているかどう

  か観察。

 →横断歩道で手を挙げている歩行者を待たずに通過してしまう率

  普通車・・・35%

  高級車・・・47%

 交差点で相手の車を待たずに割り込む率

  普通車・・・12%

  高級車・・・30%

 例2:ボランティアをして募った参加者に就職試験の面接官になってもらう。面接

  官は就職希望者と交渉しながら相手の給与を決定。就職希望者は長期的で安定し

  た職を求めているが、ここで募集しているポジションは近々廃止予定である。は

  たして面接官はそのことを正直に相手に伝えるか否か?

 →下層階級の面接官は正直に伝える傾向があるが、上流階層の面接官はその事実を

  隠す傾向。

 例3:自分を「社会的地位が高い」と思ってもらい、さらに「金欲があることは悪

  いことではない」と思わせると・・・

  下層階級の人ですら貪欲で非道徳的となり、かつ尊大な態度を示すように

  その程度は上流階層の人よりも酷いものに。 

③「熟慮の悪魔(The Devil in the Deliberation)」

 寄付をする前にじっくりと考える人は寄付金の金額が低く、素早く寄付した人は多額の寄付をする傾向がある。

 またじっくりと考える人に「速く判断してください」というと寄付率が高まり、逆に判断の速い人に「じっくり考えてから判断してください」と促すと寄付率が下がってしまう傾向が見られた。

他の例:試験で選択に迷ってじっくりと考えると間違った解答をしてしまう。

    スポーツで自分のフォームを意識しすぎると失敗してしまう。

 人は直感的に動くときは全体に利する行動をとる傾向があり、逆にじっくりと考えるほどに利己的な行動をとりがちになる。

④「内発的動機付け(Intrinsic Motivation)」

 アメリカの陸軍士官学校の生徒に志望動機をきいたところ、10年後に出世していたのはどちらの理由を挙げた人?

 A:技能や素養を身に付け、将来は将校となって貢献したい

 B:軍隊での生活が楽しそうだから

一見すると将来に明確なビジョンがあった方がモチベーションは高まるように思え、また目標は数多くあった方が良いように思えるが、単純にBと答えた方が将校に出世する率は15%ほど高かった。自分の行動に理念や目的などを添えて理論武装する人ほどあまり成功しない。「好きだから頑張れる」で十分。

⑤「リアクタンス(Reactance)」

 禁煙エリアでタバコを吸っている人がいる。どのように注意したら効果的か?

 A.周りの人への迷惑になりますからお控えください。

 B.こちらは禁煙エリアになっております。

 脳は自己主体性があると思い込んでいるので他人から指示されることが嫌い。 「・・・をしてください」「・・・をやめてください」と言われると「何の権利があって私に指図しているのか」と反発したくなる。この心理的傾向をリアクタンスと呼ぶ。しかし「規則で決まっています」という表現は命令する主体が人ではなく、社会的合意となるのでリアクタンスは弱まる。「禁煙席」「禁煙ルーム」などの掲示はリアクタンスを弱める効果がある。しかしルール任せにすると弊害も生ずる。「ルールに違反しなければ何をしてもよい」という態度を生み出し、かえってモラルが低下することも。これを「合法バイアス」という。職場や家族、友人、恋人同士などでは、何となくうまくいっているときにはルールを作らない方が良好な関係を保てる

⑥「自我消耗

  実験:二つのグループにお笑い番組を見せる

   Aグループ:普通に笑わせておく

   Bグループ:笑うことを禁じる

  番組終了後、ハンドグリップを力いっぱい握らせる。どちらのグループが

  長く握り続けられるか?   答え:Aグループ

 忍耐力は筋力と同様、有限な資源なので何かを我慢した後は持久力が減り、やる気や道徳心まで薄れてしまう。午後は午前よりも20%もウソをついてしまう。ただしブドウ糖を摂ると脳は回復する。

⑦「自己知覚

 人の感情は顔の表情で左右される。落ち込んでいても無理やり笑顔を作ると少しだけ明るくなれる。また顔の表情よりも体の姿勢の方が感情を左右できるので落ち込んだ表情のままでもガッツポーズをとると元気になれる。

⑧「認知的不協和

 自分が好きになった相手に好意を持ってもらうには相手の仕事を手伝うよりもどちらかというと自分の仕事をその相手に手伝ってもらうと良い。自分が手伝ってやっているということはおそらく自分は相手に好意を持っているに違いない・・・

 →手伝った相手が好きになる

⑨「モラル正当化効果

 人は自分がモラルの守れる人間だと自認してしまうとその後、反モラル的な行動をとりがち。「善行後の悪行」「ダイエット後のリバウンド」

 →自分が素晴らしい、立派な人間だとは思わない方が良い。

 

11. 学習心理学入門(古)

はじめに

 昨今の急速な大脳生理学の進歩によって、かつては哲学や文学などでひたすら観念的に探求されるだけであった心の働きも、今や物質的な根拠を得て科学的、医学的な観点から大幅に解明されつつあります。かつて話題になった「イノセント」などを見ても、やがてロボットにも人間の心が宿るほどに心のメカニズムの解明は進んでしまうのかもしれません。100年ほど前、心の闇に科学的探究を試み、当時は画期的ともてはやされたフロイトの「無意識」に関わる仮説もその一部が現在では非科学的として否定されるようにもなりました。

 しかしまだまだ心の世界は奥深く、現在の科学をもってしても精神の働きは複雑怪奇で謎に満ちています。そこで心理学者のなかには科学的探究を試みるにはあまりにも複雑微妙な心の世界をあえて直接には研究対象とはしない、禁欲的(?)一派が出てきました。彼らは心そのものを探求する精神分析学とは異なり、あくまで科学的実証にこだわりました。生物学や医学等の知見を利用して科学的探究が可能な領域からまるで遠巻きにするように「心」の世界へとアプローチしようとしたのです。モヤモヤとしてとらえどころのない「心」よりも、客観的に観察でき、計測も可能なヒトや他の動物の行動をもっぱら研究の対象とする、いわゆる比較行動学という立場がそれです。今回は行動主義の立場から得られた知見を基に、学習がどのように成り立つのかを探ってみましょう。授業の核心的テーマである「自分」というものの成り立ちは過去の学習活動の集積そのものとも考えることができるからです。

①   ヒトとサルの違い…比較行動学(比較心理学)より

 ヒトとサルとの決定的な違いとは何だろう?それはヒトが直立の姿勢で二足歩行できるという点にあるといわれている。数百万年前、地上に降り立ったサルとも言われる我々の祖先は長い樹上生活のなかで直立を可能とする骨格をすでに獲得していたという。その結果、背骨が受け皿となって大脳の発達が可能となった(樹上生活を中途半端に終わらせて人類より早く地上に降り立ったヒヒの類は頭蓋骨と背骨との角度から大脳の発達が制約されたため、イヌと同様の四足歩行を余儀なくされた)。

 また二足歩行によって移動の労役から解放された二本の手は道具の製作と利用に向けられるようになり、知性と文明の発達に大いに貢献したと考えられている。

 しかしその宿命として人類は腰痛と難産に悩まされることにもなった(大脳の発達によって大きくなっていく赤ちゃんの頭蓋に対し、二足歩行によって産道はどうしても大きな制約をこうむる)。

 A.ポルトマンという学者は人類が生理的早産のかたちで生まれてくると考えた。彼はまず動物を離巣性(りそうせい:多くの地上で生活する哺乳類があてはまり、生まれてすぐに立ち上がり、歩けるようにならないと巣が無いので捕食されてしまうため、成獣のミニチュアとして生まれてくる)と就巣性(しゅうそうせい:多くの鳥類にあてはまり、巣があって親にも守られ、捕食者の餌食になる可能性が低いため、未成熟なまま生まれてくる。また未成熟なだけに可塑性を残し、(※)インプリンティングのような初期経験がその後の成長にとって決定的な影響を及ぼす)の二つに大別した。

 人類は地上で生活する哺乳類でありながら、就巣性の特色を持ち、生まれた当初は親無しでは生きていけない、未熟な仔として生まれる。しかし大脳を含めて未完成なまま生まれてきたおかげでヒトは生後に多くのことを学習して身に付ける余地をたくさん残しているのである。またヒトの仔の無力さによって母親は育児にかかりきりとなり、反対に父親は狩猟採集に赴いて家族を養うという役割分担も生まれてきた。多くの動物の「父親」が実はただの種付けオスに過ぎないことも考え合わせると、父親らしい父親の出現もまた人類からということになろう。

インプリンティング(刻印付け):ノーベル賞を受賞したK.ローレンツが「ハイイロガン」などの大

 型の鳥類で発見した、生得的な行動のメカニズムの一つ。「ガン」などの大型鳥類は卵から孵化した

 ときに最初に見た動くものを自分の親と認識してしまうという有名な研究がある。

 

 なおヒトもサルから進化してきたからにはサルとしての特性も残されており、特に生まれたばかりの赤ちゃんに見られる生得的反射行動にはサル時代の名残が見られる(たとえば生まれたての赤ちゃんは非常に握力が強いというモロー反射)。とはいえ大脳の発達によってヒトの行動の自由度は増大しており、他の動物に多く見られる生得的で機械的な反射行動は人類ではむしろ退化・縮小して影を潜めつつあるという。

 K.ローレンツは大脳を中心とする人類の進化を手放しで賛美していない。二度の世界大戦を生きた彼はヒトがサルから進化を遂げてきた過程で大切なものを失ったのではないか、と疑念を投げかけているのである。久しくヨーロッパで凶暴な野獣のシンボルとして嫌われてきたオオカミのような肉食獣は仲間内でのケンカによる殺し合いを避けるため、攻撃行動を抑止する生得的な行動パターンを発達させてきたという。このため同類での殺し合いはめったに起こらないらしい。

 ところが平和のシンボル鳩などの非力な動物では通常の条件ではケンカしても片方が逃げ去れば殺し合いには発展しない。彼らは逃げ去るだけの俊敏性は身に付けているため、結果的に攻撃行動を抑止するメカニズムを発達させてこなかったという。だからオリやカゴの中で彼らのケンカを放置してしまうと相手が死ぬまで攻撃をやめようとしないのだそうだ。「同類同士を殺し合ってきた」人類の残忍な歴史をひもとけば人類も後者の動物に属するのではないかというローレンツの危惧は今も十分に傾聴に値しよう。

 

①   学習のメカニズム…学習心理学より

 ペットの躾をどうするかで困っている人達も多い。サーカスの動物達のように見事に調教され、洗練された演技をみると、一体どうやって調教しているのか覗いてみたくなる。行動主義ではヒトの学習も動物達の調教と同じような原理で成り立っていると考えた。したがってまずは「調教」と「学習」とを区別しないで調教(学習)の成り立ちを見てみる。

 行動主義はI.P.パブロフが唱えた条件反射説などに基づいて発展してきた学習理論を柱としている。パブロフはイヌがヨダレをたらすという生得的反射も学習によって操作できる側面があることを実験で確認した。イヌはエサを見るとヨダレをたらすが、彼はエサを見せると同時にベルを鳴らしてみた。しばらくしてベルだけを鳴らしてみたら、イヌはエサが無いのにヨダレをたらした。この発見を基にある行動(=学習内容)と報酬(イヌのエサに相当するもの)を繰り返し対呈示(ある行動と同時ないしは直後に報酬を与える)することである行動の出現頻度を増加させることができるとし、逆に罰を与えればある行動を減少させられるという説。いわゆる「アメとムチ」の調教と同じ理論である。動物に複雑な芸を調教するには初歩的な動作から段階的に複雑な芸へとこの条件付け学習を積み上げていけばよいことになる(シェイピング)。なお、報酬はある行動に必ず与えられるよりも、不連続で与えられる方(間歇的強化)が行動の出現頻度をより高めることを確かめた実験もある。「バクチ」が古来、人類最大の娯楽であることの理由もこれで説明できよう。

※逆にランダムで犬に電気ショックを与え続けると何事にも「無気力」なイヌになってしまうという実

 験もある。ヒトもまた失敗が続いたりして無気力になったりするが、行動主義の立場ではこの「無気

 力」も学習されたものとみなし「学習性無力感」と名付けたりする。

 

 もちろんヒトの場合には他の動物と違ってエサよりも言語的報酬(ほめる…)のほうが行動の強化につながることも多い。「しかるより、ほめろ」とか「やってみせて、言って聞かせて、やらせてみて、ほめてやらねば、人は動かじ」などと昔から云われて来たようにヒトは特にほめられることでより学習の効率を高める…これはもはや常識であろう。

 しかしある学者が大学生にパズルの課題をやらせて、半数の学生には成績によってお金を与え、残りの半数には何も報酬を与えないという実験をしてみたところ、報酬をもらった学生の方がパズルへの興味を失ってしまったという。おそらくお金をもらったことでかえって他から「やらされている」と感じるようになったのが、興味を失った大きな原因であろう。やはりヒトは他の動物とは違って単純には「調教」できないのである。ヒトの「学習」は確かに「アメとムチ」の条件付けに基礎を置いてはいるが、それよりもはるかに高度で複雑なシステム=心との密接な関係性を持ってしまったがために、ヒトの学習自体も複雑な原理で成り立つように進化してしまったと考えられる。要するにヒトにとって何が「アメ」で何が「ムチ」なのかは、他の動物の基準とは多少異なってきたばかりでなく、個体によってもその基準は異なるようになってしまったのであろう。

※人間が社会的動物であることに注目して、第三者からの直接的な報酬が確認できなくとも学習が成り

 立つ可能性を指摘する学者(A.バンデューラ)もいる。身近な大人等の言動をまねて子供が様々なこ

 とを身に付けていくことは我々も経験上、よく知っていることである。バンデューラはテレビの暴力

 シーンが子供の粗暴な行為を招いていると警告を発したが、その真偽はともかくとして、彼のいう

 倣による学習も学習成立の原理の一つではあろう。

参考動画

脳科学が証明した勉強法|同じ時間で定着率が3倍変わる練習の順番

     解決の書棚 2026/05/11  9:27

     これも学習法を考える上で参考になる動画。様々な解法がある中でどの解法を用いれば良いのかを判断できるようにする事をサボってしまいがちなブロック学習法の落とし穴に気付ける。

記憶をチートする。分散学習はなぜ効果的? | 論文解説

     KNOWAVE | ノーウェーブ 2026/04/08  6:28

     脳の神経細胞が日々、変容し、記憶も若干の変容を余儀なくされるなかで、学習内容の長期記憶化を図るには「学ぶ場所や環境に意図的な変化を与えること」であるという。脳内の検索の手掛かりを増やしていくことが大切であるというのは有効な学習方法を考える上で示唆に富む。

【脳科学】なぜ人は名前を忘れるのか?人の名前が覚えられない人の認知心理学  

     神のみぞ知る 2026/04/09  9:13

 視聴時間が短くてしかも極めて興味深い内容。やや難解な部分もあるが、解説を加えながら視聴すれば問題なく授業で使える優良番組。

【ゆっくり解説】人間ってなんなの?:チンパンジーの4年戦争【 進化論 / 科学 / 人

     類 】 進化生物学ch【ゆっくり解説】 2023/05/19 19:35

【200以上の研究から評価した効果的な勉強法】線引き・読み直しで暗記はNG/テ 

 ストは学びを生み出す道具である/スタンフォード・星友啓氏が解説 【EDUCATION SKILL SET】PIVOT 公式チャンネル  2024/07/09  34:41

【勉強は才能よりやり方で決まる】記憶を定着させる「メタ認知」と「ハイパー修

 正効果」とは? / 勉強は「教える想定で学ぶ」 / 日常生活でメタ認知を上げるに

 は?【EDUCATION SKILL SET】

 PIVOT 公式チャンネル 2024/07/16  33:11

 最新の効果的な学習法を知ることが出来ます。

【スタンフォード式子育て】最新の脳科学・心理学200以上の研究論文に裏打ちさ

   れた子育てメソッド/最新研究から分かった 音・映像教材の効果/「しつけvsのび

   のび」子育ての科学的答え   PIVOT 公式チャンネル 2023/10/24  37:26

「記憶の苦しみをなくす」日本発の“記憶”アプリは学習を変えるか?

 【橋本幸治の 理系通信】 2022/09/30 テレ東BIZ 8:29

[NHKスペシャル] 脳内物質オキシトシン・人間の本能に潜む二面性 | 

 ヒューマンエイジ 人間の時代 第2集 戦争 なぜ殺し合うのか |

 NHK 2023/06/23 4:39

 愛情ホルモンの異名を持つオキシトシンが持つ二面性に注目。この内容は愛国心、愛郷心、同胞愛の持つ危うさを科学的に立証できる可能性を示唆しており、社会科の知識としても大いに注目される話題。

 

12.個人と社会:社会心理学より(古)

はじめに

 人の性格や行動は一人でいる時と、集団でいる時とでは違ってしまうことが度々ある。このことは今や、周知の事実である。たとえば普段はどんなにおとなしく紳士的な人であっても、いったん群衆の中に入ってしまうと場合によっては自己を見失い、暴徒の一員にもなりかねない。サッカーにおけるフーリガン騒ぎはまさにこうした群集心理のなせるわざであろう。しかしこのような集団特有の心理状態に関する研究が本格的に発展したのは第二次世界大戦後のことに過ぎない。研究の大きなきっかけとなったのは世界中の耳目を集めたナチスによるユダヤ人らへの大量虐殺であった。ポーランドのアウシュビッツ収容所は世界遺産に認定されている。「勤勉で生真面目」といわれたドイツ人が一体なぜ?そもそもなぜ彼らはヒトラーの命令に逆らえなかったのか?残虐行為に対して罪の意識はなかったのか?彼らはどのようにして洗脳されてしまったのか?これらの疑問を解決するため、戦後、多くの学者が研究に乗り出したのである。

 インプリンティングの発見などを通じて動物行動学を確立したK.ローレンツは同類に対する攻撃行動を「ハト」と「オオカミ」とで比較してこんなことを指摘している。牙や鋭い爪を持つオオカミはお互いに深手を負わせないために、同類に対する攻撃行動を自動的に制御するシステムを発達させていった。従って仲間同士のケンカで殺し合いに発展してしまうことはまず無いという。ところが身体に強力な武器を持たず、素早く逃げ去ることのできるハトのような動物は、もともと仲間同士のケンカが殺し合いに発展する可能性は無いため、オオカミのように攻撃行動を制御するシステムを発達させることもなかった。従って、ハトの場合、仮に鳥かごに入れられた状態でケンカが始まってしまうと、どちらかが死ぬまでケンカを続けてしまうことになる。「平和」のシンボルであるはずのハトが同じ仲間に対して見せる、冷酷さ。その一方で凶暴なイメージのつきまとうオオカミが同類に示す、平和的解決のシステム。さて人間はどちらのタイプに近いのか?どうやら人間は「ハト」型の動物ではないか・・・というのである。

 動物学以外でこの問題に真正面から取り組んだ学問の一つが社会心理学であった。ドイツ人に限らず、どんな人間であれ、特定の組織や集団の中に組み込まれると「冷酷な殺人鬼」にもなりうることを、実験によって証明してきた功績は大きい。 

 以下、歴史的にも有名となった実験をテーマ別に紹介してみよう。

(1)服従と同調の心理

アイヒマン実験:S.ミルグラム(ユダヤ系アメリカ人)

  テーマ「人はどこまで残酷な命令に従い続けるのか?」

 実験の概要;実験の対象者は20~50歳の男性で「暗記学習に与える罰の効果」の実験だとだまされ、生徒役(実はサクラ)が単語を覚えられないと罰として電気ショックを与えるよう、命じられている。生徒役は気付かれないようにわざと間違えて、電気ショックをくらうが、実は電気は流れていない。実験者は生徒役が間違えるたびに教師役の実験対象者に電気ショックの電圧を上げるように命令する。生徒役は電気ショックを受けた振りをして悲鳴を上げる。300Vでは壁を激しくたたくなど苦悶、以後は気絶したふりまでするが、40人の教師役とされた実験対象者の内、なんと26人=65%もの人が最後まで命令に従って電圧を上げ続けた(450Vは命にもかかわるほどの高電圧なのに・・・)これは精神医学者達40人の予想(せいぜい0.1%)を大きく上回る、衝撃的な数字であった。

 一連の実験で命令への服従を高める条件として、命令者の権威の高さや命令者の近接などが確認されている。

 ※アイヒマンはナチスにおけるユダヤ人絶滅計画の実務上の責任者

アッシュのパラダイム

  テーマ「個人はどこまで集団に流されるか?」

  実験の概要;実験の対象者は各グループに一人だけ。そこにそれぞれサクラ6~8人を加えてグループを作り(全員男子大学生)、「錯視の実験」と偽って線分の長さを比較させる課題(12回)を出す。簡単な課題なので最初は100%近い正答率となるが、途中からサクラが全員間違い始める。誰もが間違いそうにないほどの簡単な課題なのに、サクラにつられて正答率が63.2%まで落ち込んでしまった。孤立することへの恐怖感が自己の信念までも曲げさせてしまう力を持つことが確認。

 

(2)「罪」と「責任」の心理

「因果応報」実験:M.J.ラーナー

   テーマ「人はなぜ残虐行為を見過ごすのか?」

 実験の概要;実験対象は29人の大学生。「ストレス下での人の行動」と題したビデオを視聴。ある人物が暗記学習の課題をこなせずに電気ショックを受けている場面が続く。視聴後、三つのグループに分けられて、ビデオの登場人物についてそれぞれ異なる説明を受ける。一番目のグループはビデオで電気ショックを受けている人が後で謝礼をもらっていると言われ、二番目のグループは電気ショックがただの演技であると言われ、三番目のグループは謝礼無しで不当にも電気ショックを受けていると説明される。その後、各グループともビデオの登場人物に対する人格評価を行ってもらうと、不思議なことに三番目のグループだけが電気ショックを受けた人物の人格を魅力の無い、劣ったものと評価した。

 この結果からラーナーは、いわれなき不幸に見舞われた人を見ると「公正な世界」についての信念(悪いことをすれば罰せられ、良いことをすれば賞賛されるはずである・・・といった思い込み)がぐらつくので、電気ショックを浴びせる実験者ではなく、不幸に見舞われた人の方に何か善からぬ原因があると考えることで、公正さの信念を守ろうとするのだと論じた。  

 →ユダヤ人への根強い偏見、残虐行為に対する傍観

社会的手抜き理論の実証実験:B.ラタネ

   テーマ「人はなぜ冷淡な傍観者となってしまうのか?」

契機;1964年の「キティ・ジェノヴィーズ事件」。38人もの目撃者がいたにもかかわらず、30分間、助けを求めていた若い女性がアパートの駐車場でめった刺しにされて殺害。その間誰も助けに行かぬどころか警察に通報すらしなかった。

 →世界中に衝撃

実験の概要;幾つかに分けられた小部屋のうち、ひとつの部屋にはサクラ、他の部屋には実験対象者がいて「非対面の匿名の相手とのコミュニケーション」に関する実験だと言われる。彼らはヘッドホンを付け、マイクを使って別の部屋にいる相手と会話するよう指示される。その際、二人だけで会話するグループと三人で順番に会話するグループ、六人で順番に会話するグループに分けられる。会話がしばらく進んだ頃に、一人=サクラが「ああ・・・発作だ・・・誰か助けて・・・」とうめきながら助けを求める。実験対象者は全員、ヘッドホンを通じて助けを求める声を聞いている。

 サクラが発作中、小部屋から出てきた(援助行動をとろうとした)実験対象者は二人グループでは85%、三人グループで62%、六人グループではたったの31%であった。つまりその場に居合わせた人数が多いほど「誰か他の人が助けてくれるだろう」と考える人も増え、実際に援助行動をとる人が減ってしまう傾向がうかがえた。これを責任の分散=社会的手抜きと言う。特に個人の評価が困難な場合(個人の責任が問われにくい場合)に生じやすい現象。 

※綱引き実験:集団で競わせると個人が発揮する力は集団の数が多くなるにつれて減少する傾向にある

 ことを確かめた実験。これは傍観者の心理を説明するだけでなく、集団による犯罪行為に加担する者

 の心理をも説明している。かつてビートたけしが「赤信号、みんなで渡れば怖くない」という言葉を

 はやらせたが、それはまさに「責任の分散」で説明できよう。   

参考文献

「集団はなぜ惨酷にまた慈悲深くなるのか~理不尽な服従と自発的人助けの心理学

 ~」:釘原直樹 中公新書 2025

 戦後まもなく行われた社会心理学の実験に関しては近年、実験手法やデータについて多くの疑念が生じており(特にジンバルドの監獄実験)、授業での取り扱いが難しくなっている。この本はそうした状況の中で比較的、中立な立場からバランスのとれた、最新の論述となっている。

参考記事 

豊かな社会をもたらす健全な「社会的アイデンティティ」とは

 Forbes JAPAN | magazine の意見 2023.7.15

看守と囚人に分けると性格が変わる「スタンフォード監獄実験」は、実は嘘? 科学

 の根深い腐敗を探る一冊 ダ・ヴィンチWeb によるストーリー 2024.4.29

参考動画

【真実】ミルグラム服従実験の捏造と本当の意味〜 人間の本質 心理学

     神のみぞ知る 2023/11/18  24:17

【心理学】「超有名な事件」の不都合な真実...傍観者効果とマスコミの捏造 〜キテ

     ィ・ジェノヴィーズ事件〜 神のみぞ知る 2023/03/24  16:35

     覆面効果や責任の分散という考え方自体は必ずしも否定されているわけではないが、マスコミ報道のあり方は疑惑の目を向けられても仕方ないのかも。

【野生児】他の動物に育てられた人間達 10事例 〜脳の臨界期とカオス理論〜 ゆっ

     くり解説 神のみぞ知る 2024/02/23  18:31

    近年、戦後間もなく行われた社会心理学の実験などによって得られた様々な知見が実はかなり疑わしいものであるとの指摘が増えてきている。データの捏造などが怪しまれる研究がいくつも摘発され出しているようだ。このオオカミに育てられたと言われるカマラトアマラの話も相当、疑わしいという。

【やらせ?ねつ造?】小学生でもわかる・スタンフォード監獄実験とは何か?

    【科学・ざっくり解説】2023/12/22 16:40

【人はなぜ裏切るのか?】小学生でもわかる・囚人のジレンマのパラドックス

    ぶーぶーざっくり解説【小学生でもわかる科学】 2024/04/19  21:49

    アニメを用いた面白くて分かりやすい動画でイチオシ。

疑似科学!~これからの科学との付き合い方とは?~ | ガリレオX第52回

 ガリレオ Ch  2022/11/14  25:47  2013年5月放送作品

 相関関係と因果関係の取り違えによる疑似科学、未成熟科学と疑似科学との差異に注目したい。

 

 

 

その3.差別と格差(前編)

※この記事は常に新鮮なネタを提供すべく、随時、更新されています。

 

参考動画

日本人が「自己責任」と言いたくなるワケ     ゆるゆる地政学 2026/05/11  21:14

 小泉内閣時代の自己責任論の危うさと私がこのブログで指摘してきた老害政治家による「老害汁のトリクルダウン」現象との関係が、この動画ではスッキリと整理されていて分かりやすい。現代日本社会が直面している問題点の根底に何があるのかを掴むうえで大変、有用な動画である。下の動画とともイチオシ。

「失われた30年」って、本当に失ったのか?

     ゆるゆる地政学 2026/05/13  17:07

 日本社会の現状に対する非常にバランスの取れた冷静な分析だと思う。現代社会への理解を深める上で授業の最初と最後、二度、視聴すると効果的。二度、視聴する価値は十分ある。

経済格差と心理学。なぜ貧乏人の方が寄付をするのか | 論文解説

     KNOWAVE | ノーウェーブ 2026/05/11  9:35

     高級車に乗っている人ほど運転マナーが悪いことを示した実験もあるので、同時に視聴させると良いだろう。経済格差の拡大を支持するのか、否か、議論する上で一つの参考となるに違いない。

ヒエラルキーは人間の本能。学校、会社での序列とステータスの進化心理学 | 論文解

     説 KNOWAVE | ノーウェーブ  2026/04/25  15:44

     大統領選に勝つための手法にも通じる内容であり、下の「トランプがなぜ二度も大統領になれたのか」という問いに対する心理学的な答えの一つとなっているだろう。

なぜ特権階級は「破滅的なポリコレ」を推奨するのか? ラグジュアリー・ビリーフ 

     神のみぞ知る  2026/02/06  27:30

 トランプがなぜ二度も大統領になれたのか、裏を返せばなぜ民主党は二度も共和党に敗北したのか、その理由を考える上で外せない論点の一つが分かるだろう。一握りの富裕層と多数の貧困層との格差が拡大してきたアメリカ社会の根深い病巣は富裕層の間にも「ラグジュアリー・ビリーフ」という偽善の形で存在している、という指摘は耳が痛いかも。

「死にたい」「生きる希望がない」若者たちの孤独や絶望 寄り添うために社会には

     何が必要か…奮闘する”支援の現場”に密着【テレメンタリー】

     ANNnewsCH 2026/04/10  24:45

 若者の貧困と自殺問題について考える上で参考となるだろう。大阪の西成にオフィスがある点も教材としては都合が良い。日本の少なからぬ若者が孤独や貧困、精神的な問題を抱えているのか、その現状と原因への関心を高めていきたい。

黒人が差別される原因を黄色人種と黒人と白人で考える会議

   【公式】大チャンネル 2025/03/31 1:57

 かなり刺激の強い毒のある風刺だが、差別に関する議論を始めていく上でそれなりに役立つ内容であろう。ただの正義感だけでは差別が無くならない、とすればどういう対策が考えられるのか、問いかけていきたい。

【生地獄】アウシュビッツ強制収容所に収容されるとどうなるのか?

     VAIENCE バイエンス  2025/02/17  14:19

 差別、偏見が招いた20世紀最大の悲劇こそ、ナチスによるユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)であろう。アウシュビッツで何が行われていたのか、情報量はかなり少ないものの、その一端を垣間見る上では役立つはず。

戦後80年 東條英機に最高額命の値段に格差 国民には「受忍」【3月10日(月)】

 TBSNEWS DIG Powered by JNN 2025/03/11 1:04:23

 軍人と軍人以外の国民との間に横たわる巨大な格差には一体どんな背景があるのだろうか。軍隊が解散された敗戦後においても大将と最下層の兵士との間に軍人恩給や遺族年金での格差があるのはなぜだろう。「一億玉砕」を唱えて民間人をも戦場に送り込み、集団自決を強いた支配層の多くは戦後、手厚い補償を受けていた。ところが民間人はドイツやイタリアと違って原則として補償の対象とならなかった。そのことに何一つ違和感を感じられなかった当時の日本国民の政治意識の低さが一体何によって生み出され、維持されてきたのか、マスコミや学校教育の責任もまた厳しく問われるべきだろう。

 そもそも敗戦の責任を問われた軍人や公務員の数は全体からすればわずかである。しかも敗戦の責任が重かった人物程、恩給額が大きいという現状に驚かされる。戦後日本のイカサマ加減は東久邇宮内閣の「一億総懺悔論」の言葉に見事に象徴されているのだろう。国民の生活と命を等しく守ろうとしない国家に私たちは何を望める?

アメリカが崩壊してしまった理由TOP5!

   ニック兄さん and高桑  2024/12/16 11:32

   格差社会アメリカの病理がよく分かる。日本がアメリカに支配されている状態から抜け出す努力はいろいろな意味で必要となっているだろう。

[英語ニュース] ハーバード大教授が語るトランプが当選した理由| Michael 

   Sandel |マイケル・サンデル|日本語字幕 | 英語字幕 |

   Gariben TV   2025/02/02  9:56

   トランプ氏がなぜ、大統領選に再選されたのか、その理由をこれほど説得力のある論理で語った動画は無いのでは?そう思えるほど、サンデル教授の語りは説得力があるようだ。ポイントはどちらがアメリカ労働者の尊厳、プライドをくすぐったのか、という点に尽きるのかもしれない。

   サンデル氏が指摘するように、新自由主義に走るアメリカ社会が招いた一握りの富裕層と圧倒的多数の貧困層との絶望的な格差は、学歴によるコンプレックスをも刺激する形で多数派である低学歴層、貧困層の不満を増大させてきた。にもかかわらず相変わらずエリート主義を捨てない民主党はついに多数派の低学歴層の反発を買ってしまった。確かにこのことこそが、民主党が二度目の選挙の敗北を招いてしまった大きな理由の一つと考えられる。

 授業ではアメリカ大統領選挙の結果についてトランプ氏が再選された理由をまず議論させたい。ある程度、生徒から意見が出た段階でこの動画を視聴させると理解が深まるのではないか。また、なぜ斎藤氏が兵庫県知事に再選されたのか、考えさせるきっかけとして、この動画を利用することも有り、であろう。

【世界情勢理解】2024年ハーバード大学首席の卒業式スピーチ『知らないことの

   力』【英語スピーチ】 リスニング 日本語字幕 世界情勢理解

   Vox Nova 【ヴォックスノヴァ】 2024/05/29  12:21

    平等と自由について深く考えさせる素晴らしいスピーチであろう。これから卒業しようとする大学への厳しい批判を、この場で敢えて行う自由はアメリカが最も大切にしてきた理念でもある。

    はたして日本の大学の卒業式でこのようなスピーチを聞くことができるだろうか…ガザ地区の出来事を自分事として捉え、自分の意見を卒業式の場で堂々と表明できるアメリカの大学の素晴らしさと日本の大学、とりわけ学校教育の社会から閉ざされた内向きの不自由さにも注目させたい。

【懐かしい昭和】ヤバすぎる労働の実態とは?物乞い、闇が深い集団就職、異常に

 死亡率が高い○○員、会社に忠誠を誓った社員

 THEヤバイ昭和  2023/08/11  13:58

 この手の動画としてはかなり信頼できる内容であり、授業での視聴に適する動画だろう。高度成長期の過酷な労働実態が分かりやすく紹介されている。

【誹謗中傷する人の心理】脳を惑わす3つのバイアス/SNSはロジックのズレだら

 け/ハーバード大学と日本の違い/脳は省エネモードで動く/違和感に向き合え 

 PIVOT 公式チャンネル  2023/05/20  35:51

 自分たちを攻撃してくる中傷や暴言、反論に対してどう立ち向かうのか、心理学、脳科学の知見を応用してそのロジックに迫る。イジメや差別とどう向き合い、闘ったらよいのかを考える上で大変重要なヒントを与えてくれる動画。イジメ問題でも非常に役立つ観点が得られる教師必見のオススメ動画である。

 動画で紹介されている三つの中傷の戦略(「whataboutinsm」「strawman 

strategy」「gaslighting」)を理解するだけでも十分役立つだろう。

・格差問題

参考記事

若年層の8割が「自身の将来に不安がある」収入や貯蓄不足が要因に【ライフネット

    生命保険調べ】イチオシ 2025.2

 授業の資料に活用できるだろう。

芥川賞作家、外国人排斥の声に心境つづる「おおやけに、外国人排斥を叫んで良い

    ことになり…」ググットニュース 2025.7.14

 参院選を前に外国人排斥の言動がいよいよ盛り上がっている。この風潮をどう捉えるのか、生徒たちに問いたい。

「目覚めた保守層」は、なぜ外国人に牙をむくのか 新興政党の登場で顕在化する排

    外主義 47NEWS 2025.6.1

 日本経済の失速に対して強く批判されるべきなのは国内の格差拡大に有効な手を打てなかった政府の失策の方であり、在日外国人の方ではあるまい。日本保守党や参政党の主張にはかつてヒトラーが第一次世界大戦後のドイツの低迷を、もっぱらユダヤ人の仕業だと決めつけて人気を博したのと類似する、極めて安易でいかがわしい責任転嫁の臭いを感じてしまうのだが、いかがか。

【病院の闇】生活保護者をムリヤリ入院させ、手術しまくる…医療界を震撼させた

   「山本病院事件」をご存じか 現代ビジネス

   週刊現代(講談社・月曜・金曜発売) によるストーリー 2024.6.4

 差別と格差の問題を考える際に大きな手掛かりを与えてくれる記事だろう。日本社会で最も見えにくい死角の一つが実は病院、ことに医師の世界ではないか。医師と患者との間に横たわる圧倒的な格差が生み出すおぞましい事件。それは特に外科手術や精神医療の現場で発生しがちであるようだ。内容としては貧困問題や障がい者問題とのつながりも強いので、そこでこの記事を扱うことも可能。

 授業では医者と患者との間にはどのような格差が生じやすいのか、生徒たちに列挙させ、問題が生じないような仕組み、工夫を提案させたい。

人手不足の千葉児相がアピールする「大きなやりがい」本当か 元職員3人がJ-CAST

 ニュースに明かした労働環境 J-CASTニュース によるストーリー 2024.2.18

 格差拡大を防止する上で重要な役割を果たすべき存在が国や地方自治体であろう。しかし下の記事にもあるように、医療、福祉、教育などの分野で一層深刻化する人手不足と職場のブラック化が格差問題の悪化に拍車をかけている。政府の予算配分に大きな問題があることは否めないだろう。

地方公務員の採用試験、過去30年で最も低い5・2倍…23年間で競争率半減 

 読売新聞 によるストーリー 2024.1.14

 少子高齢化による急速な人口減が招く当然の帰結として行政サービス全般の劣化と各種ボランティア活動の衰退が考えられる。地方自治体における公務員不足、消防士不足、消防団員不足、警察官不足、保護司不足、幼稚園~高校での教師不足、保育士不足、医師不足、看護師不足、介護士不足、自衛隊員不足、郵便を含めた運輸・配送従事者の不足、児童相談所員の不足、公民館員不足、町内会員の減少、ケースワーカー不足、民生委員不足…これらが同時進行していけばやがて日本社会の美徳とされた安全性、規律正しさ、各種の利便性、おもてなし精神、識字率の高さ、平均的学力の高さ等は瞬く間に瓦解するに違いない。

 ポイントは以下のような点であろうか。

 科学技術の発達がそうした問題の解消にどれだけ貢献できるのか、今後予想される大規模な自然災害の発生がどれほどのダメージを日本にもたらすのか、気候変動による損失はどの程度まで膨れ上がるのか、海洋資源の確保と利用がどの程度まで可能か、中国や北朝鮮、ロシアなどによる軍事的脅威はどの程度まで高まるのか、移民政策の進展は可能か、今後、女性政治家がどの程度、増えていくのか、老害政治家の排除は可能か、学校教育の根本的変革はどこまで進められるのか…

 課題山積の現状から目を背けてはなるまい。

「日本は緩やかな身分社会」 気鋭の教育学者が懸念する「教育格差」

   毎日新聞 によるストーリー  2023.12.22

 格差問題をテーマとするときに最初に押さえておきたいのがこの教育格差問題。生徒にとって身につまされるテーマなので慎重に扱う必要があるが、素通りしてよい問題ではあるまい。特に「保護者(以下、親)の学歴▽世帯年収▽職業などを統合した概念である社会経済的地位(Socioeconomic status、以下SES)」という概念は基礎知識として周知させたい。いわゆる「親ガチャ」を学問的用語で説明できるだろう。

 「日本では、出身家庭のSES、出身地域、それに性別の三つが主要な初期条件です。具体的には、親が非大卒を含む低SES家庭出身、地方出身、女性であると、子ども自身が大学進学を望まないし実際に進学しない傾向があります。」という指摘こそが親ガチャの一側面を説明している。そして…日本は最終学歴によって就業状態や収入などに差がある学歴格差社会でもあります。初期条件が学歴を介して人生の可能性を制限しているので、「緩やかな身分社会」と言えます…という結論にたどり着くことになる。 

 日本は現在、決してフェアな競争社会ではないという指摘が今後、格差問題を論じる上での前提とされよう。

ここまで“差”があるのか…「未婚・交際相手なし・異性との交際に興味なし」の

   75%超を年収300万円未満の男性が占める現実に若新雄純氏「自由に選べる社会は

   尊い一方、選択できる立場にたどり着けない人も」

   ABEMA TIMES の意見 2023.11.7

 調査データの解釈は若新氏が指摘するように多面的な検討が必要。とはいうものの確かにこの結果は経済的格差がもたらす異性との交遊にも大きな影を落としているようだ。少子化の原因の一つが経済格差、さらに言えばかつての中流層の多くが下層化していることに求められる可能性が高いだろう。

子どもの3人に1人が「ゼロ」 広がる体験格差で「非認知能力」に影響も

 【news23】 TBS NEWS DIG_Microsoft の意見 2023.7.7

広がる教育格差「最後の手段」に手をつける家庭が増えている…高収入なら塾代な

 ど大幅増の一方で 東京新聞 2023.5.23

 調査に携わった三菱UFJリサーチ&コンサルティングの小林庸平氏は「学習塾などの補習教育以上に、音楽やスポーツなど習い事の体験学習の差は大きい」と指摘。体験学習の不足が、やる気や自己肯定感といった学力以外の「非認知能力」に影響することを懸念する…との指摘は重く受け止めたい。

「学校のお役所化」「タクシーの免許制度」…北朝鮮かと目を疑う「日本を歪める

 おかしな制度」ワースト3 

 現代ビジネス 小倉 健一 によるストーリー 2023.5.27

 これはおそらく医療や教育の無償化に反対する新自由主義的立場に依拠した論理なのだろう。しかし教育の無償化が「学校のお役所化」を進めるという論は現実をしっかりと見ていないように思える。

 第一に教育費の自己負担率が極めて高い日本でも既に学校のお役所化が現時点で相当程度進んでしまっているではないか。

 第二に教育の無償化が進んでいて税負担率の極めて高い北欧諸国はどう見ても「北朝鮮化」などしていない。北欧流の福祉国家を志向する考えをこの論理で否定するのはいかがなものだろう。

 これは民主主義をどう捉えるかにも関わる論点を含んでいるので議論を深めていけるテーマになりうる。ぜひ、教育費用の無償化問題の当事者たる生徒たちの意見を募いたい。

自分の中の差別的な感情に自己嫌悪する55歳接客業の女性に、差別はなくならな

 い”ことを前提に鴻上尚史が勧めた心のもちかたとは?

 AERA dot. 2022/10/11 16:00

 差別や偏見の問題を内面よりも言動面で重視していく事の方が分断を招かずに問題解決に繋がる…という指摘は大いに参考となるだろう。確かに日本人は内面を重視する余り、チャリティ、慈善活動に消極的になりがちなのかもしれない。「偽善者」と呼ばれることが怖くて援助行動をとることにためらいを覚える日本人は多いようにも感じられる。

 多様性に満ちた欧米の社会は内面を強く問うこと無く、言動を問う傾向がある、との指摘も納得感あり。是非、生徒に読ませたい、示唆に富む一文。

参考動画

【破滅!!】メディアや政治家に翻弄されてはいけない!!格差社会が日本を発展させる

 唯一の方法ではないのか?独立国を作った方がいい理由とは?日韓問題の真実とは

 成田悠輔の教育論 半熟仮想株式会社  2023/09/29  10:03

 まさに「目から鱗が落ちる」観点。ぜひ授業で視聴させたい。特に前半は「老害政治家」が跋扈する日本の政界に若者はどう対抗していくのか、考えていく上での有用な観点が示されているだろう。

 

・小山田騒動

【小山田圭吾】いじめの表現やめるべき?暴行や傷害と伝える必要も?性的虐待などの悪質な加害をメディアはどこまで報道するべき?謝罪&辞任でも加熱するバッシングの妥当性を問う|#アベプラ《アベマで放送中》

 2021/07/21 20:04

小山田騒動などで「擁護する芸能人」が必ず現れるナゾを解説

 元テレビDさっきーチャンネル 2021/07/22 8:23

参考記事

【キャンセルカルチャーの時代】「差別に安住してきた」日本人も世界の潮流と無

 縁ではいられない NEWSポストセブン の意見 2023.8.15

 …「自分らしく生きられる社会をつくりたい」というリベラルの「ユートピア(天国)」運動から、「いつ自分が排除され、社会的に抹消されるかわからない」というキャンセルカルチャーの「ディストピア(地獄)」が生まれました。私たちは、天国と地獄が混然とした「ユーディストピア」を生きていかなくてはなりません…

 誰もが発信できるSNSの発達が生み出したキャンセルカルチャーの世界とどう向き合っていけば良いのかが問われる。SNSにおける「炎上」とはどういう現象なのか…集団的なイジメに近いものがあるとすれば冷静に対応する必要があろう。

 

・老害発言は年齢差別?

【名作】ネットで話題騒然となった問題発言の発端!!今の日本の現状を痛烈に批

 判!!居座り続ける老人達に成田悠輔が警告を放つ!!

 成田悠輔の動画  2023/08/06  7:14

 【改造論】成田悠輔「消えるべき人に消えてと言える状況を」ひろゆき「過疎化より無人化の方がマシ」ABEMA Prime (2021/12/19)において高齢者の集団切腹」といった過激な表現だけが切り取られ、高齢者差別を煽る暴言と決めつけられて一時、大炎上した成田発言だが、実際には物理的切腹という意味ではなく社会的切腹(過去の功績をもって上のポジションに居座り続ける高齢者に潔く引退を促す、というほどの意味)であるとの発言であったことが分かる。

 この炎上騒ぎが成田氏らに悪意を持つ勢力の陰謀である可能性は高いだろう。成田氏が社会的切腹をイメージした原因はおそらく二階幹事長や森元首相の発言をめぐる一連の騒動であったと思われる。

  ※ 関連記事:

  ○成田悠輔氏の広報起用批判受け 内閣広報室、各省庁に「人選慎重に」

   毎日新聞 によるストーリー 2024.3.22

   まさしくこうした動きの背後に老害政治家たちの狡猾な動きが潜んでいるように見える。

「松本人志を本当に超えたい?」成田悠輔が”世代交代できない芸能界”を斬る【中

 田敦彦】 NewsPicks /ニューズピックス  2023/08/18  14:02

 老害問題」と若者との関係をどう捉えるか、過激な発言で知られる二人の対談は非常に興味深い。キーワードは「世代交代」のあり方であろう。高齢化する日本社会の世代交代のあり方についてぜひ討論させてみたい。

若者よ、選挙に行くな 2019/07/12 たかまつななチャンネル 1:27

 討論に使えるだろう。シルバー政治に対抗する手立てはあるのだろうか?日本の年齢別人口ピラミッドや世代別投票率のデータを示しつつ、時間をかけて討論させたい。

「若者の政治離れ」と言ってる人に一言 2019/07/04 ワラしがみ 4:58

 「政治の若者離れ」という表現はお見事。

今後のことで画期的なアドバイスがあるから聞いてほしい

 2022/05/21 ワラしがみ 3:29

 税金の使途についてもう少し厳しい監視の目が必要だろう。

文通費問題の全部を丸く収める超絶アイデアを思いついた

 2021/12/18 ワラしがみ 5:00

 シルバー政治に対抗する上で文通費の「クーポン券」配布はかなり有効なアイデアに思える。

【ひろゆき】爆笑問題太田が大炎上。これ理解できないバカが日本を滅ぼします。

 爆笑問題太田光の二階幹事長への炎上発言について

 サンジャポファミリーひろゆき【切り抜き】2021/12/11 3:05

【改造論】成田悠輔「消えるべき人に消えてと言える状況を」ひろゆき「過疎化よ

 り無人化の方がマシ」少子化&人口減少前提で考える日本の未来|#アベプラ《ア

 ベマで放送中》 2021/12/19 20:28 

 過激だが説得力のある提案。

【一人一票】若新雄純「ワクワク感薄れてる」若い世代の閉塞感…余命投票なら変わ

 る?世代間格差をなくすには【参院選】

 2022/06/25 ABEMAニュース【公式】 17:47

【衝撃結末】収録直後…天才がまさかの告白【選挙ってなんだSP】

 2022/06/21 日経テレ東大学 40:32

 ランク付けの投票は検討に値する投票プランの一つと思われる。

【22世紀の民主主義】成田悠輔が提唱する「政治家不要論」アルゴリズムが政

 策を決めていく時代 2022/07/26 中田敦彦のYouTube大学 – 40:40

22世紀の民主主義】日本の停滞感を根本から変える「成田悠輔の新構想」とは?

 2022/07/27 中田敦彦のYouTube大学  42:00

 SNSの普及がポピュリズムをはびこらせ、民主主義の停滞を招いたとする成田氏の指摘は大いに参考になるだろう。SNSの普及は他方で民主主義を再生する上でも「選挙」という古臭い、雑なシステムから離脱し、政治家を不要とする社会を作り出す可能性を有している、という指摘も刺激的だが非常に面白い。本当の民意を反映させる方法としてAIを用いた政治を構想することが必要なのかもしれない。「選挙に頼らない民主主義」という意表を突いた発想に注目したい。

【激論】成田悠輔×西田亮介 ニッポンの民主主義は限界?改良の余地は【参議院選

 挙】2022/06/24 ABEMAニュース【公式】 31:27

 二次投票のアイディアも現実的改善策としては検討に価するだろう。

参考記事

レジで怒鳴る高齢者に絶対にしてはいけない言動 相手の「老害力」を下げるためにで

 きる1つのこと 東洋経済オンライン 平松 類 によるストーリー 2024.6.10

 少子高齢化社会においては高齢者と若い世代との間の軋轢は強まってしまう傾向にあるかもしれない。特に高齢者の中には些細なことで怒りやすくなってしまう人が少なからずいるようだ。おそらく加齢による種々の心身の変化が老人の切れやすさをもたらしているのだろう。

 対策として高齢者が自身の変化をしっかりと自覚する努力は確かに必要だが、その効果はあまり期待できないのではあるまいか。「頑固爺」「意地悪婆さん」はいつの世にもいたではないか。分かっていても、やめられない…自制力の低下もまた高齢化がもたらす変化であろう。

 平松氏が指摘されているように、高齢者を取り巻く周囲の人が高齢者特有の心理を理解していくことの方がより現実的な解決法だろう。高齢者の心身の変化に寄り添える社会の構築こそ、目指すべき方向なのだと思うがいかがだろう。

 ただし「老害政治」を無くしていくことは絶対的に必要である。自制力、自省力の低下した政治家に日本のかじ取りを任せるわけにはいくまい。老害議員の一掃を図ることも日本の急務ではないか。

日本の「重症の民主主義」を再生させる3つの手段 「#投票に行こう」では変わらない

 現実を変える  成田 悠輔 2022/08/04 15:00 東洋経済オンライン

「若者の非婚化」を後押しする日本の絶望未来 実は「晩婚化」なんて起きていないとい

 う衝撃 荒川 和久 2022/08/14 07:30 東洋経済オンライン

 

・入管法とウィシュマ事件:「現代の奴隷とは」

参考動画

トルコ人に日本のクルド人事情を詳しく解説してもらった!

   ニック兄さん and高桑  2025/01/31 17:45

   埼玉の川口で起きたクルド人にまつわる事件を理解するには非常に役立つ動画。日本の移民問題全体を考える上でもかなり参考となるだろう。あらかじめ問題のポイントを整理して論点のバラツキを防ぐためには、早めに視聴させておきたい。

【内部告発】アジアからの留学生、大きな誤解がありませんか? BF大学はどうや

  って存続しているのか。 中学受験のrestart  2021/05/01  20:25

 日本人のアジア人への偏見、差別の根は深い。それが大学における留学生受け入れの問題として表面化しているという指摘は非常に興味深い。視聴時間がやや長いが、分かりやすい説明であり、授業で利用してみても良いだろう。

[NHKスペシャル] 「難民受け入れる余裕はない」先進国の間で広がる不寛容 |

    混迷の世紀 第12回 難民“漂流 人道主義はどこへ | NHK

   NHK  2023/11/10 4:39

 まずは難民を巡る世界的な情勢を確認しておきたい。

【前代未聞】フランスの緊急事態をフランス人が分かりやすく解説します 

 Bebechan - 日本のフランス人  2023/07/02  15:21

 このような暴動は日本の現状では考えられないが、移民、難民の受け入れが日本でも本格化すれば将来的には起こりうるだろう。暴動の原因はフランスが長年、許容してきた移民の居住区の存在にある。移民とフランス人との棲み分けがお互いの理解と協力関係の進展を阻害してきたようである。その背景にはフランス人の心の奥深くに巣くう異なる人種、民族への根強い差別、偏見があるだろう。

 この問題の導入として外国のケースから入ると意見は出やすくなると予想されるので、この動画を移民・難民問題の入口に使っても良いだろう。

アメリカから逃げて日本に移住した理由

 Chase & KenKen  2024/01/16  15:19

 多種多様な差別や偏見が横行するアメリカ社会の闇については、差別問題以外にも様々な分野に関わってくる要素があるため、予めしっかりと把握しておきたい。

参考記事

つば吐かれ怒鳴られ、強制収容され…「スター・トレック」出演の日系人俳優 差別

     被害伝える絵本に込めた警鐘 東京新聞 2025.12.13

 外国籍“非行少年”「矯正教育」の厳しい現実 ベテラン保護司が語る、罪を犯す子ど

   もたちの “ある共通点”  弁護士JPニュース によるストーリー 2023.10.24 

 非行少年や外国籍の生徒を多数抱える学校の教師は必読の記事。ここでも入管法の問題が立ちはだかり、「矯正教育」の妨げとなっている点は見逃せまい。多様性の尊重を実現していく上で国民の同質性の高さを前提にしてこれまでに積み上げられてきた日本の各種制度には根本的な見直しが急がれる。

麻布中の入試に「政府の人権侵害」が出題された訳 社会課題を映し出す鏡としての中

 学入試問題 東洋経済オンライン おおたとしまさ の意見 2022.12.8

 まずはこの入試問題にトライさせてから討論に入りたい。おそらく小学校の教科書にはこの問いに十分答えられる程の記述は無いだろう。では教科書には触れられていない内容を問うこの中学校の入試問題は中学入試として不適切なものなのだろうか、それともこの問題に触れてこなかった教科書の記述の方が悪いのだろうか、とりあえず問うてみたい。

 日本の移民政策等には今、内外から大きな批判が寄せられている。しかも小中高を問わず児童生徒の中には日本語を母語としない者が地域によっては急激に増えつつある。これは特に都市部においては身近な問題になりつつあるのだ。ならば小学生といえども、都内であるならばある程度の考えを持っていた方が良いだろう。高校生ならば尚更である。

 むしろこうした身近な現実の具体的な課題に取り組む練習を日本の学校がどれだけこれまでに試みてこられたかが、今、問われているのだ。ただの暗記ではなく、自ら調べ、自分なりの問題意識を持ち、課題解決に向けた建設的な方策を模索させる、といった作業はどの学校段階でも必須であろう。日頃の授業でも実践的な課題解決能力の向上がより一層目指されなければなるまい。

世界的に見ても“異常”! 問題だらけの入管難民法改正案を「廃案」にするしかない

 理由 日刊ゲンダイDIGITAL によるストーリー 2023.6.9

日本は「魅力的な移住先にはなりにくい」。日本に暮らす外国人が語る日本の住み

 にくさ BUSINESS INSIDER JAPAN 雨宮百子  2023.6.12

難民審査、臨時班の参与員十数人に極端に集中 「突出」柳瀬氏以外も平均940件

 常設班の18倍にも 東京新聞 2023年7月28日 06時00分

同性愛は終身刑…拷問の末に日本に逃げたのに、書類審査のみで「信ぴょう性な

 い」難民不認定 そして…東京新聞 2023年7月28日 06時00分

 「日本で難民認定されたのは昨年202人(認定率2%)と、ドイツの約4万6000人(約20%)、米国の約4万6000人(約45%)と比べ極端に少ない。」のだそうな。

 とすれば日本の閉鎖的入管制度の問題は極めて大きいに違いない。

 

参考動画

「日本にとって、都合の悪い人は困ります」難民審査の25.9%担当の参与員、問わ

 れる難民審査のあり方【報道特集】

 TBS NEWS DIG Powered by JNN  2023/06/18 20:08

第166回 入管法改正問題で人権派が絶対言わない不都合な真実

 髙橋洋一チャンネル  2021/05/18  8:22

 難民審査をどういう機関が行うべきなのか、が最大のポイントになるだろう。

 人権派と呼ばれる側の主張と高橋氏の主張、どちらに賛成するのか、ぜひ、討論させてみたいテーマである。欧米と比べて日本の難民認定率が極端に少ない理由を高橋氏はなぜ説明しないのか、不思議。また彼は日本の難民認定の杜撰さにも言及していない。日本の場合、法律の規定以上に実際の運用がどうなのかは厳しく問われる。つまりダブルスタンダードの存在を念頭に置く必要があるだろう。建前と本音の乖離を無制限に許容しがちな日本社会のあり方が本質的には問われてくる。

【知らないと恥をかく】難民とは何かわかりやすく解説!!

 原貫太国際協力師 2021/05/12 14:21

 移民と難民との違いが理解できる。

ロヒンギャ問題をわかりやすく解説【9割の人が知らない難民のリアル】

 原貫太国際協力師 2021/11/21 17:14

【日本の闇】外国人技能実習生の問題を監理団体とディスカッションしてき

 た 原貫太国際協力師 2021/05/23 18:21

入管施設の実態、「トイレも監視」強制収容の女性が証言【news23】 

 TBSNEWS 2019/12/06 6:30

 刑務所以上に人権が制約されてはいないだろうか。

【解説】どう解決?外国人の「収容長期化」

 日テレNEWS 2021/08/11 2:31

うぃしゅまさん脂肪問題の入管開示資料 1万5113枚すべて黒塗り 遺族「ごまか 

 さないで」東京新聞チャンネル 4:26

 外務省並みの凄まじい名古屋入管の隠蔽体質。

名古屋入管で何が?スリランカ人女性の死の真相【報道特集】

 TBSNEWS 2021/05/16 23:37

スリランカ女性死亡 一部開示の入管映像「看守の笑い声」が・・・遺族再現

 【news23】TBSNEWS 2021/08/13 4:02

史上最悪の改正!人を人として扱わない「入管法の改正」について

 ワラしがみ 2021/03/05 43:40

※参考資料:以下はこの動画に寄せられたアンチのリピート

おせち料理 6 か月前

 在留資格なんて与えなくてヨシ!!

 治安悪くなるのになんでわざわざ入れなくちゃいけないんだ?

 綺麗事ばっかり並べてんじゃねーよ きもちわりーおっさん  👍17

masa kurakura 6 か月前

 ね〜知ってる〜?労働力が増える(難民移民)が増えると〜、全体給与が下がるんだ 

 よ〜。安くこき使いたい経営者側の意見を言ってるだけだよ〜。 👍21

エーゲ少佐 5 か月前

 ヨーロッパで大失敗してることをやろうとするな 👍50

岡崎汐 6 か月前

 このおじさんの話を鵜呑みにする前にまずは自分で調べて欲しい。

 まあ、この人の話を鵜呑みにしてる時点で聞く耳を持たない人がほとんどであろう

 から期待は出来ないが… 👍32

入管が開示拒んだビデオ全面開示へ ウィシュマさん死亡、そこに映っていたもの

 は…TBSNEWS 2021/10/05 6:00

 名古屋入管がなぜ、何を隠蔽しようとしてきたのか、よく分かるだろう。

 外国人の移民が欧米で大きな問題となってきたのは事実。したがって外国人の受け入れのあり方については様々な意見があるのは当然。

 しかしウィシュマさんの件に関しては、まず難民受け入れの是非とは切り離して考えなければならない側面があるだろう。ウィシュマさんに対する処遇は刑務所よりもひどい扱いであり、人権を完全に無視している。ほとんど殺人に近い事件である。移民受け入れの賛否とは一切関係なく、あってはならない事件だろう。しかも法律をつかさどる法務省の管轄下にある入管の犯した犯罪。許せるわけがない。

法務省と入管 「嘘つき」は誰だ。入管法改正がグズグズすぎる件について

 ワラしがみ  2023/06/07 6:58

日本が外国人を逮捕する理由? BrooklynTokyo 2021.12.31 16:46

 日本の司法制度の特殊性、外国人への不利な取り扱いが見えてくる。

【世界と日本の労働問題】2030年、日本は「奴隷」で溢れかえる!?

 2021/03/24 原貫太・フリーランス国際協力師 13:12

参考記事

2050年までに日本の人口の「10%」は外国人になる「共生」が不可避となった日

     本が直面する「外国人の受け入れ問題」 

     現代ビジネス 池尾 伸一(ジャーナリスト/東京新聞編集委員) 2026.1.5

「外国人によって治安が悪化している」は本当か? データから読み解く「外国人問

     題」の実態 現代ビジネス 池尾 伸一 2026.1.4

     データの信頼性や妥当性に留意しつつ、デマや中傷に惑わされぬよう、冷静にこの問題に向き合うべきだろう。授業では多様なデータを駆使して多面的に社会事象を捉えていくうえで、極めて刺激的なテーマであり、ぜひ、討論に持ち込みたい問題。

「働くな、だけど福祉の対象外」という無理ゲー「生きられない」外国人の生存権

 を求めて ハフポスト日本版 の意見  2022.11.24

 日本における外国人差別の実態は先進国とは言えないほどに惨い。憲法で国籍条項の網の目が張り巡らされている日本では憲法改正が行われない限り、この問題は払拭されまい。日本国憲法の問題点を浮かび上がらせる上でも利用価値の高い資料。

「当たり前のものが私たちにはない」在日クルド人が国会で涙ながらに訴えた日本

 の難民政策の現実 東京新聞 オピニオン 2023.5.26

入管法で露呈、日本の民主主義は死滅状態にある 難民審査も、改正プロセスも不透明

 すぎないか 東洋経済オンライン レジス・アルノー の意見 2023.6.10

 難民受け入れにおける欧米と日本との大きな違いがよく分かる。資料としても重要だが、討論のたたき台としての利用価値も高い。

 

・アフリカ問題

 アフリカ問題に関する動画は「原貫太国際協力師」がダントツの内容で多角的に問題を眺めることができる。基本的にどれを視聴させてもハズレはないと言って良い。

原寛太氏自身を知りたい方は「○鞭200発で洗脳 母を●したアフリカ少女兵/国際協力師 原貫太 街録ch〜あなたの人生、教えて下さい〜2024/07/19 1:02:49を視聴することをおススメする。

「売り物にならない」奴隷が処刑されたアフリカの遺跡に行ってみた

   原貫太・フリーランス国際協力師 2025/02/01  20:32

 問題の根源が見えてくる貴重な動画。

コンゴの子ども兵【日本語字幕】

 Amnesty International 2015/11/12 1:42 

 重く入るにはこれが一番のオススメ。短いうえにインパクト大。アニメだからこそ視聴させられる、残酷な子ども兵の物語。

元子ども兵士の男の子~ジェームス君の物語 /日本ユニセフ協会

 2019/02/12 2:55

【授業教材】 元少年兵 ミシェル・チクワニネが語る ~幼少期の経験と少年兵の

 実態~  【英語/日本語字幕】 2016/04/05 3:36

 この演説もインパクト大。

アフリカで251名の少年兵を救った日本人のアイデアが凄すぎた

   原貫太・フリーランス国際協力師  2024/04/20  12:09

   元子供兵に対してウガンダなどでどのような支援が行われているのかが、具体的に理解できる。

【実話】誘拐され、戦場に立たされた16歳の少年。彼が母親を襲った残酷すぎる理

 由とは?原貫太国際協力師 2021/06/04 15:44

 【実話】16歳のチャールズ…母親を襲った"悲しすぎる理由"とは?

 原貫太・フリーランス国際協力師  2023/04/14  18:17 

 子供兵の実態がよく分かる。

【家族を目の前で〇された】アフリカで「子ども兵」の支援施設に行ってみた

 2022/07/02 原貫太・フリーランス国際協力師 11:16

【世界の闇】アフリカの自由のために闘い、欧米に暗殺された英雄

 原貫太国際協力師 2021/11/13 15:21・・・ルムンバ暗殺の意味

 パトリス・エメリィ・ルムンバ(1925~1961)は、コンゴ共和国(旧ベルギー領コンゴ、後のコンゴ民主共和国)の政治家、民族運動家。同国独立期の指導者で初代首相。1961年1月17日、ルムンバと2人の同志は、キサンガニ空港で飛行機から引きずり出されて深夜に白人の傭兵とチョンベの兵によって殺害された(CIAの現地基地には「フランドル出身のベルギー人将校が軽機関銃で処刑した」と報告された)。

 遺体は一度埋められた後、翌1月18日に掘り起こされてローデシア近郊まで移動された後、21日に硫酸で溶かされて数本の歯と頭蓋骨の欠片だけが残された。1999年のベルギーのテレビ局によるドキュメント番組では、遺体の処理を実行したベルギーの警察長官Gerard Soeteが遺体から取り出した歯と銃弾を見せている。この歯はコンゴに返還されることとなり、2021年6月21日にブリュッセルで開催される記念式典にてフェリックス・チセケディ大統領に引き渡し後、独立記念日の6月30日に改めてキンシャサで帰還式典が開催される。

 ※参考記事

  時事ドットコムニュース:ルムンバの歯、故国へ返還 コンゴ独立指導者の遺物

  ― ベルギー2021年06月13日18時58分

  【ブリュッセルAFP時事】ベルギー政府は21日、アフリカ中部コンゴ(旧ザイール)の独立指

   導者パトリス・ルムンバの遺物である歯をコンゴに返還する。初代首相に就任したルムンバは、

   独立直後の1961年、処刑された。遺体を酸で溶かしたベルギー人の警官が「記念品」として

   持ち帰った歯の所在が確認され、ブリュッセルで21日に開かれる式典で、コンゴのチセケディ

   大統領に引き渡される。コンゴ政府は独立記念日の30日、キンシャサで改めて帰還式典を開

   く。

映画「誰がハマーショルドを殺したか」特別映像:1分で分かる!国連事務総長ダ

 グ・ハマーショルド 映画com.2020/07/10 2:51

 一体、誰がアフリカの発展を妨害しようと企んだ?これも衝撃的な事件。ぜひ、視聴させたい。

アフリカが発展しない本当の理由【99%の人が知らない国際支援の闇】

 原貫太国際協力師 2020/05/27 11:35

 「魚ではなく釣りの仕方を教えよ」

なぜアフリカは世界で最も貧しくなったのか?【3つの理由をわかりやすく解説】

 原貫太国際協力師 2021/07/09 20:36 

アフリカが「ヨーロッパの支配」に抵抗できなかった3つの理由

 原貫太・フリーランス国際協力師 2023/08/18  16:38

 アフリカを扱う際には地図を利用し、国名や地名、国境線に注目させると良いだろう。フランス語や英語が目立つ歴史的背景、大陸の北部、特にサハラ砂漠を中心とする地域の国境線が直線的である理由を問いたい。特に奴隷貿易の時代を含めた分断統治が現在のアフリカに何をもたらしたのか、が問題解明のキーポイントになる。

【削除覚悟】99%の人が知らない「フランス最大の闇」

   原貫太・フリーランス国際協力師  2023/08/13  15:19

フランスの闇を暴露します【CFAフランをわかりやすく解説】

 原貫太・フリーランス国際協力師  2023/08/13  15:19

アフリカの発展を妨げる「CFAフラン」の闇【後編】

 原貫太・フリーランス国際協力師  2023/08/15  17:49

 通貨制度からアフリカの貧困を説く斬新な視点は極めて興味深い。金融政策の視点は経済を理解する上で必要不可欠。フランスの植民地であった西アフリカ、中央アフリカの国々に最貧国が集中する理由も納得できる面がある。視聴させるには時間がとられ過ぎるので、二つの動画のポイントを教師が分かりやすく整理してプリントにまとめておくべき。

アフリカの格差が極端に広がった3つの理由

 原貫太・フリーランス国際協力師  2023/08/05  19:14

緊張感が半端ない/映画『ブラッド・ダイヤモンド』予告編

 アマゾンプラ男【毎日映画観る人】  2020/05/24 1:01

【血塗られた宝石】それでもダイヤモンドを買いますか?

 原貫太・フリーランス国際協力師  2023/07/28  15:29

【アフリカの謎】資源が豊富な国ほど、国民が貧しくなる3つの理由

 原貫太・フリーランス国際協力師 2023.6.16 17:09

【謎】アフリカは「永遠に発展できない」ってマジ!?

 原貫太・フリーランス国際協力師  2023/05/27  11:51

アフリカで一番貧しい村に来たら、想像を絶するヤバさだった・・・

 原貫太・フリーランス国際協力師 2023.4.7 16:28

 ウクライナ戦争がアフリカにもたらしている深刻な事態とアフリカへの支援の在り方を考えるきっかけになるだろう。

【謎】アフリカに「ぽっこりお腹」の子供が多い理由

 原貫太・フリーランス国際協力師 2023.4.8 15:57

 コロナ禍とウクライナ戦争がそれまで改善されてきていたアフリカの貧困と飢餓の問題を再び悪化させてしまっている現状をまず理解しておきたい。加えて自給自足型農業の遅れの理由として挙げられた4つのポイントも押さえておきたい。

ヨーロッパがアフリカで犯した「罪」を謝罪しない理由

 原貫太・フリーランス国際協力師  2022/12/27 15:38

 アフリカ問題の概略を知ることが出来る。

コンゴが「平和以外に何でもある国」と言われる3つの理由

 原貫太・フリーランス国際協力師 2022/12/24 14:01

 コンゴを例にするとアフリカ問題の理解が進むだろう。

世界最悪の「コンゴ紛争」が報道されない3つの理由

 原貫太・フリーランス国際協力師 2022.11.6 14:59

 600万人以上もの犠牲者を出しているコンゴ紛争がなぜ報道されないのか?

 メディアの問題を含めて理解するならこれがオススメ。

【子どもが戦う?!】世界最悪のコンゴ紛争、原因は日本人が毎日使う○○だっ

 た原貫太国際協力師 2020/12/18 16:43

 携帯の裏側にある世界。

緊急】「戦争反対」の声を上げる人たちへ。

 2022/03/01 原貫太・フリーランス国際協力師 7:05

【自分の年齢を知らない!?】アフリカ人に10の質問したら答えが意外すぎたwww

 原貫太国際協力師 2020/03/10 13:24

 軽く入るにはこれがオススメ。

【命の格差】世界一いのちが短い国ソマリアの、悲しすぎる現実とは

 原貫太国際協力師 2021/02/26 14:38

【貧しい国の実態】たった100円で命を落とす”絶対的貧困”とは

 原貫太国際協力師 2020/05/20 8:36

【みんな勘違い】アフリカに対するよくある偏見トップ5

 原貫太国際協力師 2019/12/21 11:18

アフリカは資源が豊富なのに、なぜ発展できない?【わかりやすく解説】

 原貫太国際協力師 2021/04/07 15:56

 資源の呪いとは?

アフリカの貧富の差は日本の1000倍ヤバイ。なぜ格差が生まれるのか?

 原貫太国際協力師 2020/11/21 11:40

 格差問題の死角を衝いている。

【衝撃】レンタルチャイルドとは?闇すぎる「物乞いビジネス」の実態を解説

 原貫太国際協力師 2020/05/05 8:59

「物乞いの写真使って稼いでんじゃねーよ」と批判された件について。

 原貫太国際協力師 2021/03/10 8:21

 報道と収益とのバランスは考える必要あり。無責任な中傷は軽薄でみっともない。

アフリカで知った「コーヒーの闇」がヤバすぎる…【第5話】

   原貫太・フリーランス国際協力師  2023/11/28  17:14

   最貧国ブルンジのコーヒー農家の年収に驚かされる。

【削除覚悟】電気自動車「最大の闇」について話します

   原貫太・フリーランス国際協力師 2024/01/05  19:13

   コバルトを始めとする希少な金属資源が豊富に存在するコンゴ民主主義共和国が深刻な貧困を創り出している原因とは何だろう。まず生徒に推理させてみたい。

アフリカで見た日本の「途上国支援」の現場がヤバすぎた…

 原貫太・フリーランス国際協力師 2024/04/21  21:53

 ウガンダでの農業支援を具体的に知ることが出来る。

 

 

§5.日本の進路2.AIの進化と日本社会

※この記事は常に新鮮なネタを提供すべく、随時、更新されています。

 

参考動画

【AGI時代】AIが人間を超える未来から、どうやって国民を守る? 6つの提案【安

     野たかひろ/新党チームみらい】   安野貴博の自由研究 2025/07/05  21:44

     AGIが登場する前に考えておくべき課題が分かりやすく整理されている。授業では特にAI企業への課税問題を取り上げてみると面白いのでは。グーグルやアンソロピック、オープンAIの本社がそれぞれどこにあるのか、あるいはタックスヘイブン自体についても調べ学習をすると、より理解が深まるだろう。

【16分でわかる】PLURALITY(プルラリティ)って何だ? オードリー・タン氏提

     唱の概念を理解しよう! AIやシンギュラリティとの関連は?

     安野貴博の自由研究 2025/05/11  16:18

 シンギュラリティと対抗する概念として「プルラリティ」を提唱しているのがオードリー・タン氏たちであり、安野貴博氏もこの概念に沿う形で活動を続けているとのこと。AGIによる中央集権的な体制を志向するのか、それともビットコインのような、誰にも規制されない自由な解放区を志向するのか、といった二項対立の間を行き来するのではなく、「第三の道」を探ろうとするのが「プルラリティ」という概念に込められているようだ。

 タン氏はSNSやAIなどの発達によって大勢の人々をつなぐコミュニケーションが可能となってきた点に着目している。差異を殊更に強調して分断と対立を煽るのではなく、多様性を前提とする中でコミュニケーションを深くして対話型の民主主義を拡張していく。そのことで平和な世界を築こうとするデジタル民主主義の考えが「プルラリティ」であると安野氏は説いている。

 科学技術の発達に民主政治のあり方をキャッチアップさせようという、この

興味深い試みに今後とも注目していきたい。

【超生産】AGIは人間社会をどのように変えてしまうのか?

    VAIENCE バイエンス 2026/03/20 10:29

    AGIが実現する未来、社会はどうなっていくのか…アレコレ予測するのは思考実験として面白い。仮にヒトが働く必要を無くしてしまった時、一体、何が起きてしまうのか、想像させてみたい。

フェイクニュースとの向き合い方】本当に触れるべき情報とは /ターゲティングやア

 ルゴリズムがもたらす弊害 / ドーパミンカルチャー / フィルターバブル / 情報リテラ

 シー PIVOT 公式チャンネル 2025/12/28  36:10

 情報過多社会の中で、ターゲティング、アルゴリズムによるフィルターバブルの危険性にどう対処すべきなのか、参考となる意見が得られる。特にSNSはただの嗜好品として捉えるべきであり、救助要請などのような社会インフラとしては扱うべきではない(偽情報にかく乱され、本当に救助が必要な人への救助が遅れる…)といった指摘は極めて重要だろう。

【SNSとの付き合い方】落合陽一氏が語る情報リテラシーvia日本財団社会課題研究

     ゼミ 日本財団活動紹介 2025/12/28  29:02

 刑法改正による侮辱罪の厳罰化はネットによる誹謗中傷に対してさほど効果が期待できないと考えるべきであり、SNS上での誹謗中傷に耳を貸さない、SNSとの間に距離を置く…といった個人的な対策の方がより効果的、現実的との指摘は極めて重要だろう。

 以上、二つの動画は教師として視聴しておいた方が良いと思うが、いかがか。

参考記事

ハルシネーションより危険なAIのシコファンシー問題、ヨイショするAIで強化され

     る人間の思い込み JBpress 小林 啓倫 2026.2.19

     生成AIが利用者に対して紛らわしいウソをつき、媚びてくることがある。この二点はAIを利用する上で最も重要な注意点であろう。生徒たちにもぜひ、周知徹底させたい。

不登校35万人時代「小中学校に通信制がない」のはなぜか?IT普及前のルールが“

 どもたちの学びを制限する現実 日刊SPA! 2025.9.9

 乙武氏の意見に全面的な支持をしたい。IT普及によって通信制のメリットが大いに生かせる時代となっており、これを利用しない手はあるまい。校舎不要で対人関係も広く築くことが可能、通学の不便を解消でき、同じ授業を繰り返し受ける事が出来る…こうしたメリットの一部は教師側も享受できるはず。小中学校でもぜひ通信制を認めるべきだろう。

参考動画

【OpenAI論文を読む】なぜAIはもっともらしい嘘をつくのか? ハルシネーショ

     ンの正体をゆる解説 安野貴博の自由研究 2025/10/10  18:25

ゆる解説】AIが人間を騙しはじめた!?/LLMの「デセプション」とは/ハルシネ

     ーションとの違いは/不倫暴露で脅迫?!

     安野貴博の自由研究 2025/12/19  15:12

 以上の二つの動画は非常に分かりやすい内容であり、生成AIの利用に際しての重要な注意点を要領よく理解できるオススメ動画。

【学ばない若手はなぜ生まれたのか?日本を襲う「学習恐慌」】ワークライフバラン

    ス重視の罠/未婚化の影響/組織の強制力低下/リモート定着と飲み会文化縮小/

    AIによるスキルのだるま落とし/正解待ち部下の増殖

    PIVOT 公式チャンネル 2025/10/06  26:56

    リスキリングと言う言葉が飛び交う一方で、「学習恐慌」という言葉の持つ衝撃は決して小さくあるまい。特に「内圧」「外圧」ともに低下したことが若者の学習意欲、成長意欲の低下が生じている、といった指摘は説得力を強く感じて興味深い。各種統計データが要領よく整理されていて若い社員の心理をうかがうことが出来るだろう。

    ここで指摘された若者の心理は高校生にもある程度は共通するはず。今時の若者の働く意識の一端を知る上では見逃せない動画。

【学ばない若手はなぜ生まれたのか?日本を襲う「学習恐慌」】ワークライフバラン

    ス重視の罠/未婚化の影響/組織の強制力低下/リモート定着と飲み会文化縮小/

    AIによるスキルのだるま落とし/正解待ち部下の増殖

    PIVOT 公式チャンネル 2025/10/11 23:43

    やや視聴時間が長くなるが、高校生にとっては先々進路、就職を考える上で非常に役立つ、示唆に富んだ内容となっており、ぜひ、授業で視聴させたい動画。また教師にとっては学校がなぜ自ら変わろうとしてこなかったのか、ただ知識と言う正解を一方的に「教える」ことが教育とみなす発想と行為に潜む重大な落とし穴に気付くことが出来るだろう。さらには生徒との関係や新任教師、後輩教師との関係を見直す良い機会となるに違いない。「学ばない若者」が生まれてきた背景には間違いなく自ら「学ぼうとしない日本の教師」、「変わろうとしない日本の学校」があったはずである。

【禁断のマウス実験】食料∞・病気や天敵ゼロなのに滅亡…楽園実験「ユニバース

 25」とは何か?

 ぶーぶーざっくり解説【小学生でもわかる科学】 2023/06/23  13:24

 議論の材料として授業で使えそうである。AI、量子コンピュータなどの急速な進化により、科学技術は爆発的なスピードで高度化していくことが予想されている。人類は科学技術を駆使してやがて地球環境の悪化を食い止め、病気や貧困を克服し、ロボットたちに多くの労働を委ねていくのかもしれない。そして人々は近いうちに毎日、遊び暮らせるようになる時代が来るのかもしれない。

 しかし科学技術の発達と暴走がむしろ人類を滅亡させる戦争を引き起こしてしまうのかも…ロボットの手によって人類が滅ぼされてしまうのかも…

 この楽園実験はそうした人類の、必ずしも明るくない未来を予見させる要素があるかもしれない。仮にあなたが今後、死ぬまで遊び暮らせるとしたら、一体どんな日々を送りたい?ぜひ、生徒たちと一緒に考えてみたい。

参考記事

ハラリが警告「ロボット反乱」より恐ろしいAI

 東洋経済オンライン ユヴァル・ノア・ハラリ 2025.5.24

 AIが人類の統制から解放されて自律的に動き始める時、一体、何が起きるのか、ハラリ氏の警告に耳を傾けたい。

「人類絶滅の恐れ」、オープンAI現・元従業員が警鐘

   JBpress 小久保 重信 によるストーリー 2024.6.12

   元オープンAI「従業員グループは具体的に、①従業員が匿名で懸念を通報できるようにすること、②内部告発者に対する報復を行わないこと、③従業員の発言を抑圧するような合意書に署名させないこと、を求めている。」らしい。AIの目覚しい進歩の裏側で早くから懸念されていたAIの暴走、悪用の危険性。人類の滅亡すら招きかねない力を持ち始めたAIに対して、AIの開発に従事する人々の内部告発を抑圧する体制の見直しが強く求められているとのこと。

 ただでさえ公益通報システムの確立が遅れがちであり、不祥事の隠蔽が政官財の随所にはびこる日本ではとりわけ注目される動きであろう。

 授業ではAIそのものよりも、日本の公益通報のお粗末なあり方を、かつて原発の「事故隠し」に走った動燃問題や「食の安全」が問われた雪印事件、学校や教育委員会によるイジメ隠蔽事件、自民党の裏金問題、さらには敗戦後の一部のA級戦犯らの釈放と戦後の活躍、公益通報の中核たるべきマスコミのジャニー氏による性加害報道に見られる深刻な機能不全…などの事例を引き合いに出して歴史的に振り返り、なかなか公益通報のシステムが浸透しない日本社会が抱える問題点を多面的に考えさせたい。おそらくポイントとなるのは公益を犠牲にしてまで仲間内を庇おうとする、日本人の歪んだ集団主義的心性が一体何に淵源するのか…ということではあるまいか。

玄侑宗久チャンネル お悩み拝聴 恐ろしい時代がやってきました 60代男性 

 玄侑宗久チャンネル  2022/05/06 7:28

 アナログ過ぎる考え方かもしれないが、実際、技術の進歩がもたらした便利すぎることのデメリットというのはあると思うが、いかがか。少なくともゆっくりと立ち止まって生きていることの意義くらい考えるゆとりは欲しい…科学技術の発達スピードが加速している時代ではあるが、今、生きていることをしっかりと味わえるようなマインドセットは時代を超えて相変わらず必要だと思う。私もまた「無用の用」という言葉をかみしめながら、あえて老荘思想を少しばかり学んでみたい60代である。

玄侑宗久チャンネル 今を語る!一日暮らし

   玄侑宗久チャンネル  2023/07/29 9:13

 仙厓和尚の「人間はみんな生きている間は同い年ばい」という言葉の味わい深さ、「一日暮らし」、「日々是好日」の意味するマインドフルな生き方に学ぶことも必要ではあるまいか。ChatGPTの利用を功利主義的と批判する立場があることは弁えておくべきではあるまいか。

【成田悠輔vs東浩紀】絶望感の正体は?日本の闇【ガチすぎ本音トーク】

   ReHacQリハック【公式】  2023/10/07  54:12

 東氏の観光を哲学する中で得られた観点は日本の今後を考える上で非常に示唆に富む内容だったと思う。ネット社会、IT化の進展とアニメ、音楽、映画の世界同時配信、そして世界規模の観光の発展とが世界の分断をいずれ和らげる可能性を秘めているとの指摘は特に刺激的。日本、特に沖縄の観光業の発展は沖縄、日本の経済的繁栄だけではなく、平和構築にも貢献する可能性を感じた。ただし番組の終わりの方で漏らした日本社会の頑固さ、改革を阻む根強い保守性に東氏が抱く苦渋に満ちた諦念の深さにも思いを致す必要があるだろう。多少、長くて難解な部分もあるが、日本と世界の将来を見据えるためにもぜひ視聴していただきたいイチオシ動画である。

【浪漫ビジネス】なぜ「ぬいぐるみの旅行」が価値を生み出したのか?こんまりメ

   ソッドに学ぶ「トキメキを生む事業」とは?(山口周:ビジョンクエスト) 

  【NewSchool】NewsPicks /ニューズピックス  2022/12/17  14:47

 コンマリを例にして発想の転換の重要性を説く山口氏の切り口は非常に鮮やかで感心させられるだろう。「未来予測」をテーマとする授業で最初に視聴させると生徒たちの興味を引き付けられるだろう。

[超定義] AIのディープラーニングを町田啓太が超高速で解説してみたら「おまんじ

 ゅう」に決定!| NHK 2021/10/22 4:47

[サイエンスZERO] 未来の高級ステーキ!世界初の技術で塊肉を培養 | 次世代の培

 養肉 | NHK 2021/11/06 4:22

世界初!“生きた”皮膚で覆われた指型ロボット開発 傷も自力で修復可能 

 2022/06/10 ANNnewsCH 

 「ターミネーター」も夢では無い?

奇妙な日本のホテル:世界初のロボットホテルに泊まってみた!🇯🇵

 Ruhi Çenet 日本語  2022/10/26 11:30

 この動画の珍妙さに驚く。近未来の生活を想像させるにはピッタリの動画だろう。

robots are getting so advanced it's crazy from 2009 to 2021!

 love-robots  2022/12/18 3:15

 ロボットの進化を確認する上で役立つ動画。

【時論公論】解説 | ChatGPTに仕事を奪われる? 高度AIと共存するために必要な

 スキルとは | NHK  2023/04/20 9:42

 今、話題のChatGPTに関してその長短、今後の対応の在り方までごく短時間で要領よく理解できるオススメ動画。

【ChatGPT】テキスト生成AIの実力は?アフター検索の未来図も?

 ABEMA 変わる報道番組 #アベプラ【公式】 2023/01/11 14:45

 フェイクニュースが無制限に作れる点では怖さを覚える。他方でたとえば多様な観点から検討すべき社会課題への模範的と思えるような解決策を複数、箇条書きで示してくれるなどの応用力の高さが世界的に注目されている。次から次へと関連した質問に答えられるという対話的なテキスト生成能力を持つため、利用価値は確かに高いだろう。質問の仕方を工夫していけばAIの回答は一層、洗練されたものに変化してくる。しかもエクセルにも適用できるため、関数を覚えていなくともデータの整理、分析が極めて容易となっている。AIの持つ力を誰もが容易に引き出す事が可能となってきたと言う点では革命的な進歩といえるだろう。

【時論公論】〝AIで人類滅亡の危機!?〟 世界中の権威・研究者らが発した「リ

 スク」と「対策」とは | NHK  2023/08/10 9:56

【ChatGPTとBard】AIがついに世界を変える!ネット時代の覇者Google vs

  逆襲のMicrosoft 中田敦彦のYouTube大学 2023/2/11 28:03

【ChatGPTとBard】AIを制するのはMicrosoftかGoogleか?教育や職業はど

 う変わる? 中田敦彦のYouTube大学  2023/02/12 19:40

【GPT-4の使いこなし方】AIで仕事を作る人、AIに仕事を奪われる人!使いこな

 せば未来を掴める 中田敦彦のYouTube大学  2023/04/04 19:38

【GPT-4の使いこなし方】AIの上手な活用方法は「入力が7割、調整が3割」

 中田敦彦のYouTube大学   2023/04/05 18:52

【漫画】「ひろゆきのシン・未来予測①」をわかりやすく解説【要約/ひろゆき】

 フェルミマンガ大学 2021/11/03

【漫画】「ひろゆきのシン・未来予測②」をわかりやすく解説【要約/ひろゆき】

 フェルミマンガ大学 2021/11/04 12分

【日本が危ない!】いま、世界は幕末!?未来から来た女が言う『日本の危機』と

 は【未来から来た女 Vol.1】DLE channel2019/01/24

年金制度が崩壊し、日本から若者が脱出! そして2040年に世界大戦が起きる・・・?

 【未来から来た女 Vol.2】/2019/01/31

日本に残された道は「○○○○の放棄」しかない!?そして起こる『シンギュラリ

 ティ』とは【未来から来た女 Vol.3】/2019/02/07

AIが実現した『シンギュラリティ』 そして訪れる人間の『変化』とは・・・【未来か

 ら来た女 Vol.4(最終話)】/J2019/02/21

 生徒の状況によっては利用可能。 

【漫画】2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ【要約/ピーター・ディアマ

 ンディス】フェルミマンガ大学 2021/05/20

成毛眞が語る「2040年の未来予測」【中田敦彦のYouTube大学でも話題】

 NewsPicks 2021/02/01

【2040年の未来予測】次の時代の成功者になるには(Predictions for

 2040)中田敦彦のYoutube大学 2021/01/09

【2040年の未来予測】衰退する日本と予測されるリスクとは?(Predictions  for 2040)中田敦彦のYoutube大学 2021/01/10

【NFTとメタバース】デジタル資産になぜ数十億円もの価値がつくのか?世界の

 未来はどう変わる? 中田敦彦のYoutube大学 2021/11/06

 

参考記事

10年後「生き残る仕事」「なくなる仕事」の境界線 今後においてもAIにできないこと

 は何か? 東洋経済オンライン 川村 秀憲 の意見 2024.4.13

 …仕事は「意思決定」と「作業」に分解され、このうち「作業」に関しては、相当部分がAIに取って代わられる…「自分で何をするか決める仕事」は残り、「人から言われてやる仕事」はAIに取って代わられる…という時代の流れに沿った学校教育とは一体、どういうものだろう。ぜひ生徒たちに考えさせたい。

 …「その人」だから価値があると感じているものは、AIには入り込めない領域…であるならば個性、多様性を尊重する教育がもっと必要となるだろう。

 …AI時代の到来が本当に問うているのは、「あなたならどうするのか」ということだ…ならば自主的、自発的な言動がもっと尊重されなければなるまい。

 …問題は、大企業や組織力の高い会社に入ったことで、仕組化の歯車のひとつとなって、属人化を排除する組織の文化や風土に慣れて…しまう事だとするならば、徹底的な校則の見直しだけでなく、学習自体をもっと個別最適化させ、自由化すべきだろう。

 …これまで善とされてきた「標準化」「マニュアル化」はAIが担い、悪とされてきた「属人化」こそが私たちが生き残っていく術…であるならば、これまでの文科省の教育行政のあり方とは真逆に近い体制が再構築されなければなるまい。たとえば学習指導要領の大幅な見直し、画一的で管理主義的な教育の徹底的な刷新が求められるであろう。

民主主義を破滅させる巨大IT企業による「監視資本主義」

 毎日新聞 2022/10/19 05:30

 要領よくポイントをおさえた短い記事なので全文、読ませて討論させたい。

OpenAIのサム・アルトマンCEOも言及する「AIが人類を滅亡させる可能性」 

 マネーポストWEB によるストーリー 2023.4.5

ChatGPTの可能性と脅威、ビル・ゲイツ氏も持論展開 AI議論で注意すべき3点と

 は? ITmedia ビジネスONLiNE 2023.4.5

 

・メタバースと仮想通貨

参考動画

【新技術】NTTドコモ細かい表情をアバターに再現

 2022/01/17 日テレNEWS 1:09

米・フェイスブック社が社名を「メタ」に SNSの未来形「メタバース」とは?

 2021/10/29 TOKYO MX 7:04

岡嶋裕史×宮台真司×神保哲生:メタバースはリアルな世界をどう変えるのか【ダイ

 ジェスト】 2022/02/05 videonewscom 12:32

メタ(Facebook)が展開するメタバースのイメージ映像

 2021/10/30 Media Innovation 3:32 

 日本語字幕に設定する必要あり。

ネット上の仮想空間「メタバース」に商機 ビームスなど企業が続々と参入 

 【news23】 2021/11/26 TBS NEWS 6:14

メタバース“2700時間超え滞在者に聞く魅力・・・人間の五感を再現した未来も

 (2022年1月10日) 2022/01/11 ANNnewsCH 8:22

「メタバースとは」アニメで解説!次世代インターネットはもう目の前!?

 2021/08/15 やさにゅー大学 6:36

メタバースとは何か?超わかりやすく解説! 数年後に訪れる未来仮想通貨との関

 係は?2021/12/18 大人の学び直しTV 14:56

【アニメで解説】メタバースって何?2021年の最重要ワードを初歩から!

 2021/12/19 コアラ先生の時事ネタ祭り 13:53

「NFTとは」ツイートに3億円の価値!?今更聞けないブロックチェーン、イーサ

 リアムも簡単解説!2021/08/29やさにゅー大学 9:59

【17分で解説】NFTの教科書 デジタルデータが資産になる未来

 2021/12/25サムの本解説ch 17:17

【NFTとメタバース】デジタル資産になぜ数十億円もの価値がつくのか?世界の

 未来はどう変わる?2021/11/06 中田敦彦のYouTube大学 39:38

【NFTとメタバース】NFTはゲーム・ファッション・スポーツ・音楽業界の未来

 をどう変えるのか? 2021/11/07 中田敦彦のYouTube大学 37:41

 中田特有の話し方にウンザリする方も中にはいらっしゃるとは思うが、そこは我慢してとりあえず耳を傾けてみると何とかNFTやメタバースについてそれなりに理解が進むはず。

【ひろゆきvsせきぐちあいみ】ブロックチェーンでマネー大革命【お金の価値、崩

 壊?】 日経テレ東大学 2021/08/22 40:53

 嗅覚や味覚は化学変化を伴うので視覚や触覚、聴覚とのタイムラグが生じてしまい、VRが5感全部に適応される・・・というひろゆきの指摘は鋭いが、お金という一元的価値尺度がAIの進歩やNFTの進展によってどんどん目減りしていくのでは・・・という成田氏の指摘も相当、エグイ。非常に刺激的な対談。

 ※非代替性トークン(ひだいたいせいトークン、英: non-fungible token、略称:

   NFT)とは、ブロックチェーン上に記録される一意で代替不可能なデータ単位で

  ある。NFTは、画像・動画・音声、およびその他の種類のデジタルファイルな

  ど、容易に複製可能なアイテムを一意なアイテムとして関連づけることができ

  (鑑定書(英語版)と類似)、ブロックチェーン技術を使用して、そのNFTの所

  有権の公的な証明を提供する。オリジナルのファイルのコピーは、そのNFTの所

  有者に限定されず、他のファイルと同様に複製や共有が可能である。代替可能性

  (英語版)(英: fungibility)がない(複製が可能である為、自身の所有権の証明

  には成り得ても、他者の所有する同一のコピーが偽物である証明には成り得な

  い)という点で、NFTはビットコインなどの暗号通貨とは異なる。 

  ・・・ウィキペディアより引用

【解説】メタバース上の殺人どう裁く?全世代が活用可能?政府が「メタバース研

 究会」発足│政治部・小野孝記者 

 2022/08/02 ABEMAニュース【公式】 15:52

【VR】メタバースでも痴漢やストーカー?安全と監視のバランス

 2022/09/29 ABEMA 変わる報道番組 #アベプラ【公式】 20:06

 メタバース空間で過ごす時間が増えてくると予想される負の側面として何があるのか、プライバシーを脅かすような全面的な監視社会の成立を防ぐためにはどんな仕組みが必要なのか、考えていくべき課題は多い。視聴後、生徒にアンケートをとって意見を募りたい。

【Web3.0とDAO】インターネット以来の大革命に乗り遅れるとヤバい!ポスト

 GAFAM時代の幕開け 2022/06/11 中田敦彦のYouTube大学  39:11

【Web3.0とDAO】次世代の株式会社DAOの仕組みと課題を徹底解説!

 2022/06/12 中田敦彦のYouTube大学  25:44

 Web3.0の本質的な意義をかなり分かりやすく説明してくれている。近い将来にどんな社会が訪れるのか、ある程度の見通しを持てるようになりたい若者にとっては役立つ動画だろう。

 

・デジタル社会の進展

【思想をRethinkせよ】宮台真司と波頭亮が、日本の未来を見つめ直す。

 2020/11/29 NewsPicks /ニューズピックス 57:57

【ひろゆきvsせきぐちあいみ】ブロックチェーンでマネー大革命【お金の価値、崩

 壊?】2021/08/22 日経テレ東大学 40:53

 VR、DXなどの進展がもたらす「マトリックス」のような近未来の社会を想像してみると・・・果たして人類は「仮想現実」の生み出す快楽が「現実世界」が生み出す快楽を上回ってしまう時代がもたらすディストピアを回避できるのか?

成田悠輔さんに「20代はどう働くべき?」と聞いたら、「人目につかない場所にい

 ろ」と言われました 2022/04/01 新R25チャンネル 20:44

 SNSが発達した時代における若者の進路意識を高める上で非常に有益な動画だと思われる。「自分に最適の進路」を探すことは危険であり、多くの場合、無益である可能性が高い。20代は自分が出逢った仕事にがむしゃらに取り組むべきであり、大義、目的は大抵の場合、後付けの言い訳に過ぎない。大義を設定してから仕事を探すのは無用である・・・誰でも発信できる時代は悪目立ちしてしまいがちであり、ほとんどの若者にとっては危険が大きい。むしろあえて若者は人目に付かない場所にいることが大切・・・目立ちがりやの傾向が強い若者にとってはかなり耳の痛い指摘であるが、説得力はそれなりにあるだろう。

【成田悠輔 x 社会論】未来の仕事。学歴と収入。 【KIDSNA】

 2022/07/29 KIDSNA STYLE チャンネル【公式】 3:19

・・・安易に時流に乗ろうとするのは危険。周囲の動きに同調しようとするよりも古くから続いてきた仕事に注目すべき。

[NHKスペシャル5min.] ゲノムテクノロジーの光と影 “神の領域”への挑戦・最前

 線の現場 | NHK 2021/06/08 4:40

Z世代起業家が語る、web3における日本の課題とポテンシャル【渡辺創太×成毛

 眞】 2022/09/24 NewsPicks /ニューズピックス 10:30

【メディア革命】次なるメディアの王者は何か?成田悠輔が語る次世代の特徴と可

 能性 ReHacQ-リハック- 【切り抜き】  2023/07/15  9:06

【ネットの功罪】真実消滅!「情報の死」とは?【フェイクニュースの近未来】日

 経テレ東大学 2023/01/06 30:49

 フェイクニュースが世界中に出回る中でウクライナ侵攻が起きてしまい、巧妙で悪質なフェイクに踊らされて核兵器が使用されてしまう危険性は徐々に増してきている。フェイクニュースを拡散する人々の数は多くはないが、彼らの活性が極めて高いため、その影響力は決して小さくない。フェイクを見抜く技術と精緻なフェイクの作成技術とはコインの裏表の関係にあるだろうから、フェイクをネット上からなくそうとする政府の試みはイタチごっこに終わりかねないだろう。

 

参考記事

私たち現代人が気づけば「井の中の蛙」に陥るワケ 知らずに「フィルターバブル」に飲

 み込まれている 東洋経済オンライン 矢萩邦彦 の意見 2023.4.27

 

参考文献

◎「やばいデジタル~現実が飲み込まれる日~」NHKスペシャル取材班 

 講談社現代新書 2020

 ・・・ネット社会の進展は情報をくまなく迅速に行き渡らせることによって民主主義を支えていく・・・というこれまでの期待が裏切られつつある。フェイクニュースが人々の言動を操り、投票行動を強力に決定づけるようになったアメリカやイギリスの動き、あるいは中国のようにコロナ禍を契機にネットを通じて国家が人々の言動を隅々まで監視できる独裁体制の成立といった現状に警告を発している。

 国家や大企業だけでなく、個人や零細企業までもが他者を陥れる道具として、あるいは「フェイクポルノ」のように利益を得るべく特定の個人のプライバシーを勝手に侵害するようになっている。スマホのデータ一つ、たとえば位置情報だけでも個人のプライバシーの多くは瞬く間に裸にされてしまう。

 「デジタルツィン」と呼ばれる、自分とそっくりなもう一人の自分が自分の知らないうちにネット上を裸で一人歩きしてしまう日が来るかもしれない。幼少時からSNSに触れてきたZ世代はプライバシーよりも便利さを優先してしまいがちと言われる。しかし年収や家族、趣味、食べ物の好み、住所、職業、交友関係までもがたやすく他人に知られてしまう社会になっていることへの警戒は必要だろう。

 

 

 

 

 

§5.日本の進路2.少子高齢化のインパクト

※この記事は常に新鮮なネタを提供すべく、随時、更新されています。

 

参考動画

【初の公表】財務省「私立大学の約4割減」案 地域格差が拡大する恐れも?

     日テレNEWS 2026/05/01  4:14

     人口統計などを根拠にこの事はかなり昔から指摘されていた事態であるが、文科省は無反省、無分別、無責任にも大学数を増やし続けてきてしまった。ついに財務省から横やりを入れられる事態を招いたのはもっぱら文科省の責任である。この結果、国家財政悪化のシワ寄せで地位間格差はさらに拡大し、地方によっては少子高齢化の症状が一層苛烈なものになるだろう。

【予言的中】ソ連崩壊を唯一当てた男、E・トッドが警告。中国の「静かなる時限爆

     弾」と日本の「意外な未来」  歴史の羅針盤 2025/11/06 16:57

     トッドと司馬の二人の指摘を同時に提示すると面白い議論が出来そうである。

司馬遼太郎式】日本人の”最大の弱点”とは|伝説の文豪が語る『現代日本がダメに

     なった理由』 偉人の名言コレクション  2025/10/31  10:54

【司馬遼太郎】人は◯◯でしか動かない。人を動かすリーダーとは|文明史家が語

     る『人の心を動かす力の正体』  偉人の名言コレクション  2025/11/09  9:11

 空気を読む文化の負の側面をしっかりと考えたい。議論、討論が授業で求められる理由は何だろう。おそらく授業とは究極的には他人が考えた正解を覚える事ではなく、「自分の言葉で考える」訓練そのものだからであろう。

看護師27万人不足の衝撃崩壊寸前?医療現場の今【ガイアの夜明け】

     テレ東BIZ 2025/04/28  10:06

介護の質が下がる理由〜認知症専門医・長谷川嘉哉

    「ボケ日和 転ばぬ先の知恵」チャンネル 2025/06/06 9:24

     これが日本の医療介護の実態であり、現在、政治の貧困が最も露骨に表面化しているのが、医療介護の現場であろう。学校教育ももちろん酷いのだが、介護医療の現場は既に医療従事者として「諦め」のレベルにまで達してしまっているようである。医療介護の崩壊がここまで来てしまっている、という痛切な認識が国民だけでなく、政治家全員にも必要。

【病院大倒産時代。医療崩壊に導く「5つの罪」】中小病院の経営はなぜ苦しいか/

 データに基づかない、思いつき医療/民間参入を阻む医療制度/地獄絵を回避する

 改革/テクノロジーは救世主となるか/病院の規模拡大

 PIVOT 公式チャンネル 2025/06/26  28:36

【2030-2040年の医療の地獄絵】認知症シニアが街に溢れる/2030年から85歳以上

 が急増/外科医不足で手術が半年待ち/介護職員不足も深刻に/単身世帯、自宅・

 施設での死が急増/若者が支えるのは無理

 PIVOT 公式チャンネル 2025/06/25  30:36

 介護医療教育に共通する厳しい問題がデータに基づいて分かりやすく説明されている。これらの分野に対する政治の無策ぶりがよく分かる。ただし学校教育に関しては児童生徒数の減少があるので教員不足の悪影響も緩和される側面があるだろうが、介護医療分野では患者数が激増するにもかかわらず、医師、看護師、介護士、施設すべてが減少していく点でより深刻であろう。

参考記事

子どもの数が過去最少の1329万人に45年連続で減少 総務省、2026年4月1日時点 

     東京新聞 2026.5.4

 なぜ日本では急激に子ども人口が減り続けているのか、その原因について考えさせたい。とりわけ少子化対策担当大臣や子ども家庭庁などを政府が設置しているにもかかわらず、低下し続けている原因について討論させてみたい。

 ポイントは政府の対策への評価、先進国共通の問題、教育や福祉政策との関係、景気との関係、女性・子ども・働き方・家庭制度がはらむ問題点、他国の対策との違い…などとテーマ別にそれぞれの関係性も考慮しながら検討していくと日本特有の課題が見えてくるかもしれない。

出生数減少の要因は何だと思うか? 年代、男女間で意識差     毎日新聞 2026.3.28

 調査結果の中で特に性差、年齢差の大きく出たものをピックアップし、差が出た理由を考えさせたい。

公園が静寂に包まれる異常事態! 叫べない走れない子供たちの悲鳴と高齢者の過剰な

    正義感が招く遊び場の終焉 Tend 2026.2.25

 これ以上の「老害」の垂れ流しもいかがなものか、とは思う。「空き地」というかつてのサンクチュアリ、自由空間を失った都会の子どもたちはもはや室内にこもるほかない、とすれば事は重大である。

    子どもたちの出す騒音がやかましいと感じるならば、高齢者は寺社の境内を散策すればよいだろう。公園は本質的に子どもたちがはしゃぐ場所であってほしい。かつてそうであったように大人たちはその喧騒を温かく見守っていて欲しい。ただでさえ少なくなってきている子どもたちの騒音が昔よりも酷くなってきているとは到底思えない。怒りを抑えられない、我慢できない高齢者特有の心理からくるようなクレームにまともな対応は不要である。

 子どもを邪険にする社会に決して明るい未来は来ないだろう。今の日本社会がどことなく暗く、澱んだ停滞感を漂わせているのも、政府が教育予算をケチり続けるなどして、きっと子どもや若者に冷たい社会となっているからではないのか。

児童相談所の職員、最大月5万円の給与加算へ…離職防止へ政府方針

     読売新聞 2026.2.16

 これまたいつもの通りの的外れ対応である。職員の定員を増やすか、職務の大胆な削減を進めるか、のどちらか一つの選択肢しかあるまい。給与がわずかばかり上がったとしても、ブラックな職場を避けるのが今時の若者である。

     これまで予算をケチりにケチってきた国政の経緯をふまえれば、職務の大胆な削減を選ぶのが唯一の選択肢と考えられる。しかし、国はこの選択肢も当分の間、選ぶつもりはないだろう。児相の機能マヒがさらに深刻化するのは目に見えている。

揺れる保護司制度、世論調査で9割弱が不安 殺害事件あす初公判 動機や経緯が焦点

 産経新聞 2026.2.15

 中学校や小学校教師、家裁の調査官捕、保護観察官、保護司、民生委員、町内会、子供会、保護者会、消防団員、消防官、警察官…地域の児童生徒やお年寄りの安全を確保する上で欠かせない身近な職員やボランティアがことごとく不足してきている。不足するのは人の数だけではない。力量、能力といった質の面の低下も伴っているはずだ。それぞれが皆、同時多発的に高齢化してきており、圧倒的な数の不足と質的な低下が猛烈なスピードで進行してきている。地域社会の一部はすでに崩壊しつつあるのが実情だろう。そして外国人の流入増がこの混乱に一層の拍車をかけている…そんな地域も少なからず存在しているに違いない。

 この混乱は一部の公立学校で既に表面化していた。低下しているのは学校や教師たちの教育力だけではなく、家庭の教育力や地域社会の教育力までもが同時進行で低下してきている。そしてこの動きは当分の間、止まりそうもない。なぜならば、今後、さらなる少子高齢化が加速することに加えて、これまで地域社会の中核となって近隣の互助的な動きを支えてきた分厚い中流層が続々と下層へ転落し、徐々に先細りしてきているからだ。急速に地域社会の紐帯は緩み、随所で寸断されつつある。

 社会インフラもまた全国規模で経年劣化が進み、大規模な補修改善を必要としてきている。実際には現状維持すら極めて難しいのが地方での地域社会の実情ではないのか。昨年、クマによる被害が長期にわたって連発し続けたのも、もとはと言えば地域社会の力が低下してきたからではあるまいか。もはや手をこまねいて見ている場合ではあるまい。

 急ぐべきはこれらの職務の大胆な削減であろう。この記事にあるように無給でありながらも、保護司の職務は専門性が極めて高く、しかも多岐にわたる。かなりの危険も伴う。これほど犠牲の多い、かつ高度なボランティアを務めあげられるだけの高潔で有能、かつお人好しな人物が一体どれほどの数、地方にいるだろうか?

 ただでさえ若くて有能な人は都市部へ、さらには海外へ、自由と活躍の場を求めて雄飛していく時代である。高齢者が目立つ地方においては、本当に保護司を任せられるだけの、有能でやる気のある人材が不足するのが当たり前のことだ。人数が不足する分、保護司の職務の精選を進める他に手はあるまい。

 たとえば、安定した地位とそれなりの給与があったとしても、教師の希望者と教員の実数は実際、全国的に少なくなる一方である。教師たちの職務の大胆な削減がいつまでたっても進まないのだから、これも仕方あるまい。民生委員、消防団、町内会、子供会、保護者会…どれもこれも職務の大胆な削減で人手不足の問題をわずかでも解消するしか、打つ手は残っておるまい。

 それにしても一体、いつまで国家は図々しく国民の善意に寄りかかり続けるつもりなのだろう…国民の健康と安全をロクに守れないような国家にさえ、唯々諾々と税金を払い続ける「お人好し」がこれ以上、減ってしまっても構わないのだろうか。

2024年度67.2%の病院が赤字 厚労省・医療経済実態調査

 日テレNEWS NNN 11/26(水) 9:30

 国民の健康と教育にこれほど手を抜いている先進国はアメリカと日本ぐらいのものだろう。

「産めや、働けや、納税しろや」では何も解決しない…政府とマスコミが無視する「若者

     が結婚できない」根本原因 プレジデントオンライン 荒川 和久 2025.10.31

 急速な少子化の背景を考える上で欠かせない視点だろう。

若者の「価値観の変化」でも「恋愛離れ」でもない…政府が無視し続ける「少子化が止ま

     らない根本原因」 プレジデントオンライン 荒川 和久 2025.9.30

    「少母化」という造語はまさに、言い得て妙、である。「令和の中間層の若者が置かれた経済的不安や社会的リスク」を政府は把握できていないからこそ、高価の無い対策を繰り返している、という荒川氏の指摘こそ、日本社会が直面している少子化現象の核心をついていると思うがいかがか。

孤独死防ぐ「見守り」利用、10~50代で14倍に 現役世代の懸念

   朝日新聞社 2025.2.9

   このデータの持つ意味が、心底、衝撃を受けるほどに深刻さを帯びているように感じられるのは決して自分だけではあるまい。たかだかこの数年で一体、どれほどまでに現役世代の労働環境、生活環境が一気に崩壊していったのか、雄弁に物語る、極めて貴重なデータ。これは急激な少子高齢化が及ぼす現役世代への悪影響だけではなく、社会の分断の深刻さをも、物語る結果ではないのか。

   政府はかつて孤独担当大臣を任命して社会的孤立の問題に対応する姿勢を見せたことがあったが、それはほとんど何らの成果を挙げることなく、ただのウケ狙いのポーズに過ぎなかったことが今や明白であろう。

小中高生の自殺は過去最多の527人、人間関係に悩む子ども増える…全体は前年

   比1569人減 読売新聞 2025.1.29

   文科省もコロナ禍を自殺者増加の背景に挙げているが、本当にそうだろうか。確かに児童生徒の自殺者数増加はコロナ禍の始まりとともに始まっている。しかし2024年の増加はコロナ禍とはほとんど無関係に生じているとみて良いのではあるまいか。街中でマスク姿が激減したのは2024年から、という印象はなきにしもあらず。

   若い女性の自殺者が増えた点も注目される。少子高齢化が加速し、強い閉塞感が蔓延する日本社会…イジメがはびこる学校社会のブラック化と耄碌した老害男性がいつまでも社会に君臨し、頑固に居座る…どうしようもないほどの女性蔑視社会、そして日本の精神医療の闇…2025年、現代日本の歪みが一気に肥大化してくる不安を最も強く感じているのは若い女性たちなのかもしれない。

「2050年の人口ピラミッド」全国比較で驚きの格差 関東甲信越の人口は今後どうな

   っていくのか 東洋経済オンライン 

   東洋経済『都市データパック』編集部  2024.12.12

   都道府県別の人口ピラミッドが年代別に見ることが出来、授業の資料として活用必須の内容となっている。特に秋田県と沖縄県や東京都との比較は衝撃的。東京都への一極集中が地方にどれほどの打撃を与えてしまうかは想像に難くない。少子高齢化対策が東京都においても重点的に取り組むべき課題であることも分かるだろう。地方は地方で、東京都は東京都でどんな対策に取り組むべきか、それぞれの少子高齢化対策の重点目標を生徒たちに挙げさせてみたい。

公共施設「このまま維持は不可能」 彦根市が初めての財政説明会

   朝日新聞社 2024.12.10

   少子高齢化によって地方で一体何が起きるのか、具体的な事例としてこの記事は役立つだろう。突出して人口の多い団塊ジュニアが後期高齢者となって医療費、社会保障費を圧迫する「2025年問題」については様々な側面から語られねばなるまいが、まずは地方財政の窮状を取り上げておくべきだろう。財政悪化はすべての施策の足を引っ張る元凶となるからだ。

「政治的活動なので、ポスターをはがすように」高校時代の経験から… 20歳が見た

 総裁選の「内輪感」 withnews2 2024.9.24

 若者の政治離れの原因は他にも数多く挙げられよう。しかし日本の政治システムが若者の意見をほとんど反映させない装置として機能していることに絶望し始めた点こそが若者の政治離れの要因として極めて大きいと思われるが、いかがだろう。

 若者の政治への絶望感は「少子高齢化」の進展による若者の一票の重さが悲惨なレベルまで軽くなってしまっていることだけに由来しているのではあるまい。成田氏が指摘しているように現代では急速に学問の高度化と専門分化が進み、科学技術が急ピッチで進化し続けている。こうした現状に対して従来の代議制が不適応を起こし始めている可能性は決して低くあるまい。

 成田氏の指摘する通り、高度に複雑化し、多様化する現代社会においては政治全般に対する議員一人一人の知識、理解、政策立案能力には大きな限界があり、すべての議題、政策、法律に通じている者などもはや一人もいない。にもかかわらず、有権者が一人の立候補者にだけ投票してすべての政策、立法をたった一人の代議士に委ねてしまうシステムは既に時代遅れなのかもしれないのだ。

 まずは参政権を付与する年齢の上限を決めて若者の不利な状況を少しでも解消していくことが急がれよう。さらには成田氏が提案しているように、議題によっては政策ごとにその賛否等をネットで投票して方向性を決定するような、代議制に代わる新しいシステムの導入が検討されてしかるべきだと思う。

 具体例を考えてみよう。これまでの教育政策は実際には学校現場にほとんど無知な政治家と官僚が大き過ぎるほどの政策決定力を行使してきた。その害悪は今や計り知れないほど大きなものになりつつある。しかし、今後は新しい教育政策の導入や旧来の政策の見直しなどにおいては学校関係者(高校生以上の生徒・学生と教師)にネットを通じての投票を義務化して現場の意見を重視させる路線を打ち出す一方で、他の有権者にも同等の投票権を与えて政策の是非を決定していく。ただし政策の立案や細則などの専門性を要する部分は、国会や内閣、文科省などの配下に置かれた審議会ではなく、開かれた公正な選挙で選ばれた高い専門性と経験値の高いメンバーからなる教育審議会に委ねる。

 以上のようなことが実現すれば教育政策において教師だけでなく高校生にも主権者としての当事者意識が多少は湧いてくるだろうし、政治家や財界からの時代錯誤な介入、下手な横やり、改革への妨害を少しは避けられるかもしれない。

少子化見据えて大学を統廃合や定員減で適正規模に…中教審が年度内に答申へ 

 読売新聞 によるストーリー 2024.7.20

 平成時代からこれまで少子化によって既に小中学校や高校段階での統廃合が徐々に進んできたが、大学はその間も大学進学率の上昇によって入学者数が増え続けてきたことで、つい最近まで小中学校ほどには大幅に統廃合されずに済んできた。

 しかし令和時代に入ると大学進学率の上昇は5割を超えたところでほぼ頭打ちとなってしまった。加えて日本に留学してくる外国人も日本の若者の減少を埋めるほどには増えてこなかった。そもそも日本の大学教育は、国際的な評価から見ても決して高く評価されていたわけではなく、今後も外国人留学生を増やせる可能性はほぼないといって良いだろう。また日本社会は残念ながら大々的にリカレント教育を受け入れられるほどには人材の流動性が高くなく、中高年の学び直し、社会人の大学院入学が広く奨励されるような企業文化にも乏しい。

 以上のような理由から少子化による大学の統廃合は今後、いわゆる地方のFラン大学を中心に急激に進むほかあるまい。既に大学の定員割れが50%を超えてしまった現在、定員の大幅な見直しは不可避であり、学部の統廃合なども容赦なく進めざるを得ない。地方によっては大学の存続自体も危ういだろう。

 国としては地方の若者が進学先や就職先を求めてこれまで以上に大都市に流出することによる極端な少子高齢化、人口の急激をわずかでも緩和していく施策が必要となるが、今のところ、これといって有効な方策があるとは思えない。

 唯一、わずかな望みがあるとすれば欧米の観光客が近年、日本の地方における街並みの伝統的な佇まいや自然の豊かさに注目し始めていることであろうか。地方における観光業の発展があれば若者の有力な就労先として地方のホテルや観光施設などが考えられなくもない。つまり地方によっては観光業ならば若者を今以上に地方につなぎとめる可能性を秘めているのではあるまいか。

 しかし外国人観光客を受け入れるためのキャパシティを既に失いつつある地域も地方によっては少なくないだろう。インバウンドを期待した地方での新たな観光資源の掘り起こしや施設の整備、人材の育成と配分などには国や地方自治体の強力なテコ入れが求められるに違いない。

 特に地方私大をめぐる情勢は厳しさを急速に増してくるだろう。少子高齢化による地方財政の圧迫は危機的状況にまで悪化するかもしれない。しかし世界一訪れたい国と評価されている観光大国日本の魅力を地方対策としてもっと有効活用する術はまだまだ残されているだろう。たとえば沖縄県の名護市における大規模観光施設ジャングリアの試みは現地大学での人材育成による連携を含めて、地方での観光振興策、過疎化対策のモデルケースとなるかもしれない。

 授業では大学大量淘汰の時代が到来する理由とそれへの有効な対策として考えられる施策を考えさせたい。特に地方での少子高齢化の現状は勤務先の学校の所在地で把握し、自分たちの地域で何ができるのか、生徒たちに足元の問題として提起すると探求型の学習として大いに盛り上がるだろう。

参考動画

「子どもに権利ない」津市議の発言に批判【知っておきたい!】【グッド!モーニ

   ング】 (2024年12月16日) ANNnewsCH 2024/12/16 1:22

   国会から地方議会まで広くはびこる老害政治家たちが学校問題発生の土壌を作りだしている側面があるのは間違いないだろう。議会こそが差別問題の温床である、と言っても過言ではないこの現状をどうしたら変えていけるのか、授業でぜひ意見を募りたい。選挙のあり方、代議政治の行き詰まりの問題としてまずは考えていきたい。

【現代日本 後編】今の日本はどうしてこうなってしまったのか?私達に出来ること

 は何なのか おっくんの眼【山田玲司のヤングサンデー 切り抜き】

  2024/09/08 24:36

 山田氏の指摘はマンガ、アニメ、J.ポップなどの大衆的若者文化の流れから日本社会の変容を考察する、いわゆるサブカルチャー論に依拠していて非常に興味深い。近年の若者を取り巻く社会の変化と若者の価値観、意識を探る上で参考となる箇所は少なくないだろう。

【要約】未来の年表 人口減少日本でこれから起きること【河合雅司】

 フェルミ漫画大学  2024/04/19  20:33

 やや視聴時間が長くなるが、今、話題となっている少子高齢化の行く末を分かりやすく解説してくれており、ぜひ、フルで視聴させたい。多種多様な問題点が予想されているので、時折、途中で動画を止めて多少の解説を加える必要もあるだろう。

 動画を視聴させる前にまずは合計特殊出生率低下の原因とそれがもたらす日本社会の変化を生徒たちにできるだけ数多く挙げさせ、黒板に列挙しておきたい。その後、動画を視聴させ、黒板に列挙された項目に該当することが取り上げられた際にチェックを入れていくとさらに分かりやすくなるだろう。

人口減が止まらない 秋田県は日本の近未来

 J-CASTニュース によるストーリー 2024.4.28

自治体の約4割消滅の恐れ 前回調査で全国ワーストの村は今【news23】

 TBS NEWS DIG_Microsoft によるストーリー 2024.4.27

 真山氏の「余計なお世話だ」という反発も地方自治の精神から見て分からぬではないが、少子高齢化が急激に進む地域では近くの学校や病院、商店などが無くなり、転出者の急増に拍車をかけてしまうため、集落のあちこちで廃屋が目立ちだし、多くの田畑も荒れ果ててきている。ついには要介護老人の孤立が深刻化している地域だって少なからずあるだろう。

 にもかかわらず、高齢化している首長や市町村議会議員の多くは残念ながら危機感をさほど感じていないケースがあるために新しい取り組みに躊躇し、結果的にいよいよ限界集落が増えていく…こんな恐ろしい悪循環に飲み込まれつつある地方はきっと少なくあるまい。

 安芸高田市を例に出すまでもなく、既に地方政治は若者の意見を十分に反映しなくなっており、少なからずの市町村で地方自治の形骸化、腐敗が進んでいるのではあるまいか。財政悪化も手伝ってどう見ても機能不全に陥りつつある地方自治体に一体、どこまで期待できるのだろう。これでは将来を不安視した数少ない若者たちの転出がさらに相次ぐのは不可避であると思うのだが…

 こうした事態を招いた責任を負うべきは住民や地方議会、市町村長だけではないことも明白であり、国策の失敗がこの惨状をもたらした側面は否定できまい。特に東北などではどうしても国家の強力なテコ入れを必要とするケースが少なくないと見るがいかがだろう。

 仮に国の支援を余計なおせっかいとみなすのならば国のテコ入れ以外、他にどんな施策があるというのだろう。この状況を「静かなる有事」、自治体の「消滅」などと表現して危機感を煽ることが、本当に不適切で「余計なお世話」なのだろうか。徐々に孤立し、介護などの支援から遠ざかっている身寄りのない高齢者たちの不安を思うと私自身は大きな焦りを覚えてしまうのだが…

 もちろん、結果的に消滅する自治体が出てきてしまう事自体、既に不可避であるが、犠牲者はできるだけ最小限にすべきだろうし、その場面においても国家が果たせる役割は決して小さくあるまい。むしろ今こそ国は積極的に地方へのお節介を焼くべき時ではあるまいか。

「日本人は本当は変化を求めていない」この国は社会的弱者を包摂できるか? 東

   浩紀×成田悠輔×三浦瑠麗×先崎彰容×中野信子×新谷学

   文藝春秋 電子版  2023/01/01 13:56

成田悠輔「何かを変えようとすることはコスパに合わない」 ライブドア事件が日

   本に残した呪いとは 文藝春秋 電子版  2023/10/14  6:46

   妬み、足を引っ張りあうがゆえに変革が生じにくい日本の社会がなぜ成立しているのか、考えさせてみたい。「ゆでガエル」状態の日本が変わる可能性は極めて低い。

【目標だらけの世の中】「目標からの逆算が、僕らから奪っているもの」編集部員

 ×若新雄純が“逆算思考”に物申す【前編】

 新R25チャンネル  2023/07/05  31:35

【人生と逆算】「“逆算思考”を身につけないと、これ以上出世は…」編集部員の悩

 みに若新雄純が「魔が差している」と一刀両断【後編】

 新R25チャンネル 2023/07/12 28:29

 高校生になっていても「思期」「中二病」の心性を持ち続けている生徒は決して少なくないだろう。そうした生徒たち向けの進路指導として素晴らしい洞察と役立つ示唆に満ちている動画。

 もしも「生きている間はすべてである」「人生は短い春に過ぎない」「人生は思い出でしかない」という捉え方を大切にする生き方を選ぶならば、「逆算」式(具体的な細分化された目標設定を次々とクリアすればいずれ大きな目標に到達できる、他者からの評価が軸、実績が極めて大切、満点という評価が存在する、という前提を許容する…)の、長期的見通しを持つ堅実な、計画性のある生き方を諦めた方が良いのかもしれない。

 一方で「積算」式の、先を読みにくい生き方の良さ、幸福感を発信する力さえあれば、大人になっても思春期の心性を持つ人だって周囲から居場所を与えられる可能性は高まるだろう…若新氏の指摘に頷く方は決して少なくあるまい。

 幸福であることとはどういう状態を指すのか、今を充実させる生き方とはどういう生き方なのか、深く考えさせる素敵な動画。生徒の将来を心配するあまり、計画性のある生き方を全員に一律強制しがちな教師にとっては必見。

 

日本と世界『働き方』/J.P.モルガンが行った驚きの改革/Z世代アメリカ人の変化

 「会社はカルチャーで決める」/ChatGPTは日本企業にとって危険/ダイバーシテ

 ィで『ネオトーキョー』日本スゴい島に変貌

 PIVOT 公式チャンネル 2023/10/26  37:99

【油断禁物】海外から見る本当の「日本経済」事情/今投資をするなら熊本/

 「成果主義」の導入が急務/優秀な外国人人材を採用するための方法/どうすれば

 日本がもっと良くなるのか?【KUROFUNE】

 PIVOT 公式チャンネル  2023/10/21  31:00

 以上の動画は二つとも分かりやすく、日本の企業文化を見直す上で参考になる点も多い。またここでの厳しい指摘は日本の学校文化にもかなり当てはまると思われ、日本の学校教育をアップデートする上でも大いに参考となるだろう。

 そこで重要ポイントを以下に概略、紹介しておく。

 「報告・連絡・相談」=「ホウレンソウ」と呼ばれたように、個人プレーを極端に嫌う昭和な社内文化が日本企業の進化、改革を遅くし、何事にも細かすぎて窮屈、不自由な気分を職場に蔓延させてしまっている。

 中高年層が成田氏の指摘するように「ミルフィーユ」のごとく厚い層をなして少数派の若者にのしかかっている少子高齢化の日本においては、年功序列型の階層構造と集団主義的企業文化が長い順番待ちの行列の最後尾、階層の最下層に立つ若者を苛立たせ、精神的に腐らせている元凶。

 こうした組織文化は連帯責任を重視するがために失敗を恐れる傾向が強く、新しい事にチャレンジすることを妨げ、若者を組織の底辺、末端に追いやる。また同調圧力が強く、妬みを生みやすい組織となり、東芝や東電で典型的に見られたように仕事の失敗は組織の中に隠蔽されやすい。また「出る杭は打たれる」ため、個々の力が十分には発揮されず、すべてがチームワークの成果と見なされるため、個々人の実績や成果が給与には反映されにくい。こうした点が日本経済低迷の背景にあるだろう。

 しかし歴史的に見れば海洋国家の住人たる日本人は本来、複眼思考に長けていて異文化への順応性はかなり高く、実際、日本企業の外国支店・工場での生産性は比較的高いといわれる。したがって日本がこれから先、異文化とのハイブリッドを通じて高い業績を挙げていくことは決して不可能ではない。

 しかしそのためには英語の習得と硬直した組織文化の改善は避けられない必須のクリア条件。日本の学生や労働者も国内にとどまろうとすると世界の流れに後れを取るリスクは高まる。政府は若者の所得税を免除するなど、若者支援を強化し、教育においては早くからダイバーシティと個性の尊重を重視すべきだろう。

 

冨山和彦さんが“直言”超・人手不足時代をどう乗り越える?[NHKスペシャル&日

   曜討論] | NHK  2023/11/03 8:31

 少子高齢化の中でコロナ禍も手伝い、とりわけ福祉や観光業、飲食業といったエセンシャルワーカー部門の人手不足が深刻化している日本。教員もエセンシャルワーカーに含まれるとすればやはり人手不足に直面している。ならば一体、どんな対応が求められているのか…一般企業でいえば機械化、DX化による生産性の向上、企業の淘汰による労働力の流動性を高めたうえでの集約化、公定価格制の見直しなど、教員不足の現状を打開する上でも参考となる。

 行政による下手な管理、統制は緩めていき、民間のバックアップに専念する方向が望ましいだろう。文科省の無能化を踏まえれば、教育界においても公立学校の数を減らしていき、私学に教育を委ねていくのが学校改革の近道かもしれない。

 

・明石市の取り組み:人口減少と地方自治

参考動画

【成田悠輔vs泉 前明石市長】172億はどこから?退任直前赤裸々告白【市町村の

   やるべき事】 ReHacQリハック【公式】 2023/05/06  41:54

【成田悠輔vs泉房穂】市政で国の政治動かす!今、政治家に必要なものは?

  【 mudai】 ReHacQ−リハック−【公式】 2023/05/13  54:20

熱量】ひろゆき&明石市長が対談!9年連続で人口増加?所得制限なしは正解?少子

  化日本の処方箋 

  2022/05/21 ABEMA 変わる報道番組 #アベプラ【公式】 15:10

【9年連続人口増】子育ての街「明石」ホントの事情教えてください

  2022/10/01 NewsPicks /ニューズピックス 19:24

「国の政策はリアリティがない」全国初の政策を次々と生み出す、明石市の"win-

 win力" 2022/07/31 新R25チャンネル 14:24

「誰もやる気がなかっただけ」明石市市長が“子ども無料政策”を実現できたワケ

  2022/07/30 新R25チャンネル 10:27

 人口減少、少子高齢化に直面している日本社会の中で明石市の取り組みが注目されている。明石市の現状と課題について知っておくことは極めて重要。最後まで通して視聴させずに、何カ所か途中で区切り、問いをたてて政策の効果の背景にあるものを予想させてみたい。

子供はコスト 結婚4割減 習政権 3期目に立ちはだかる人口減

 【日経プラス9】2022/10/12 テレ東BIZ 13:28

 ついに中国が人口減少局面に突入する。東アジアの経済発展を牽引してきた中国の急速な少子高齢化は日本経済に大きな打撃を与えかねない。

参考記事:

『天誅が下るぞ!』脅迫文も…「泉房穂」前明石市長と「高島宗一郎」福岡市長が

   苦労した「予算カット」の難しさ〈市の職員と議員の猛烈な抵抗に遭って…〉 

   現代ビジネス 週刊現代 によるストーリー 2023.11.4

「子供に留守番させたら虐待」おかしな法案が通りかねない地方議会の暴走…問題

 は埼玉だけじゃない!【泉房穂の「ケンカは勝つ!」第19回】

 SmartFLASH によるストーリー 2023.10.20

 このバカげた条例案を提出できた埼玉県の自民党議員の見識の凄さにはあまりにも恐れ多くてひれ伏すしかあるまい。「老害政治」の極みを垣間見た思いである。このような議員を選挙で選んでいる埼玉県民もおそらく相当高齢化しているのだろう。

 ほとんど判断には困らない記事であり、討論の対象にはならないが、「老害政治」がどんな政策を思いつくのか、分かりやすく例示できる点では利用価値の高い記事である。とりあえずこの条例案にはどんな問題点があり、なぜこのような発想が出てきてしまうのかだけは確認させておきたい。

「失われた30年」の正体は、今もなお日本社会に根強く残る「ムラ社会」的な意

 識 3/1(火) livedoor‘sNEWS 6:00配信 

既得権益を温存し衰退する日本…社会学者・宮台真司「愚かな総理を生み出したの

 は、からっぽの民衆だ」 週刊現代 2022/11/11 06:00

賢い若者だけが気づいている「ぬるい日本」でさっさと億万長者になる方法

 集英社オンライン(『不条理な会社人生から自由になる方法 働き方2.0vs4.0』

 橘玲 PHP研究所 2022より抜粋・再構成 2022/07/14 09:01

「合計特殊出生率」去年は1.26で過去最低、7年連続で前の年を下回る 厚労省の人

 口動態統計 日テレNEWS によるストーリー 2023.6.2

50歳未婚率が急上昇 20年は男性28%、女性17%

 共同通信社 の意見 2022.12.29

 50歳になって一度も結婚していない男性が28.25%、女性が17.81%と急激に上昇しているという日本の現状にはどんな社会的要因があるのだろう?アンケートを利用して生徒の意見を募ってみたい。人口ピラミッドを示して団塊ジュニア世代と今後の日本が直面している困難さに注目したい。

人口5000万人の絶望的未来世界に遅れる日本企業が捨てなければいけないもの  AIに人口減少について書かせてみた 現代ビジネス 現代新書編集部 2022.12.15

出生数80万人割れの危機人口激減ニッポンが衰亡する前にすべき「たったひとつ

 のこと」 現代ビジネス 河合 雅司 2022.12.15

12年連続「日本人」の減少幅は年々拡大。とてつもない人口減少の破壊度 子供対象

 の業種に早くも試練 現代ビジネス 磯山 友幸 の意見 2023.4.18

なぜ「日本への移住を望む中国人」がここへきて急増しているのか? その「驚きの

 理由」 現代ビジネス 中島 恵 の意見 2023.5.18

 外国からの富裕層の来日をもっともっと歓迎すべきではないのか。日本の経済発展の見地から見れば、外国人の来日が観光目的にせよ、移住目的にせよ、今後一層の発展拡充を目指す政策をとっていくべきであろう。少子高齢化の弊害を最小限に抑えていくには日本の門戸を海外に向けてさらに開いていく方向でしか、日本の未来は見えてこないように思える。これも議論のテーマにうってつけだろう。

高齢者の「免許返納」はじつは年々減っていた! 深刻化する高齢ドライバー問題の

 「シビアな現実」現代ビジネス 二階堂 運人 2023.4.18

「死ぬかい?」「いいよ」老老介護の末の 承諾殺人 おしどり夫婦が残したもの…

 RCC中国放送 の意見 2023.6.10

 高齢者世帯の急増、老々介護の深刻さ…呆れるほど執拗に暴言を繰り返す一部の高齢政治家達のせいで高齢者の存在自体が「老害」と揶揄されることの多くなった日本の社会の先行きは不安に満ちている。いよいよ日本の高齢者は厄介者扱いされ、このような悲劇が繰り返されるとすれば、若者の自殺率の増大と相まって高齢者の事件事故も急増するに違いあるまい。このままでは極めて悲観的な日本の将来が待ち受けているのだろう。

ユニクロ賃金最大4割アップ!ファストリは気づいた日本を待つ最悪な3つの未来 

 ダイアモンド・オンライン 鈴木貴博  2023.1.13

 将来的に日本の若者が希少資源になっていく事で特に優秀な若者を巡る日本企業間の奪い合いは熾烈の度合いを増してくるだろう。ユニクロの大幅な賃金引き上げ方針は間近に迫ってきた団塊ジュニアの大量退職と若者の急激な減少を見越した人事戦略と見られる。若者を惹きつける上で年功序列型の賃金体系からいち早く脱却し、他のライバル企業との待遇格差を拡大して人材確保に走るこうした企業は他の業界でも続々と出現してくるに違いない。

日本はこのまま衰亡するのか…結婚も出産も増えることのない「小さな国」がなん

 とか生き残る方法 現代新書編集部 2022.12.20

 人口急減期が近づいている日本への処方箋は何だろう?取りあえず始めに日本の人口ピラミッドを提示して将来の人口減への歩みを予想させ、人口減の原因を推理させてからこの資料を読ませたい。さらに以下の動画を視聴させ、高橋氏の指摘「人口減少は問題視する必要なし」についてどう思うか、意見を書かせたい。少子高齢化と人口減少は日本社会が直面する大問題と言われるが、日本社会にとって何が本質的問題なのかは今後のテーマを展開していくスタート地点である程度は整理しておくべきであろう。

※参考動画

【少子化】「まやかしだ」人口減はホントに問題?出生率の低迷=日本の大問題が

 テンプレになった弊害とは?内閣官房房参与 高橋洋一に聞く【ロンブー淳】

 ABEMAニュース【公式】 2021/04/14 16:53

 これも凄まじいほどに珍妙な意見で、反論噴出が期待できる。しかもかつての官僚として今も政府から意見を求められている高名な人物の発言だから、暗然たるものを覚える。きちんとしたデータを示して議論を進めていくにはうってつけの動画。

【「消滅可能性自治体」発表…】30年で若い女性半減 全自治体の4割が該当 

 日テレNEWS  2024/04/24  4:34

人口3分の2という選択 「8000万人国家」が持つ国力【日経モープラFT】

   (2024年4月25日) テレ東BIZ  2024/04/25  5:22

   少子高齢化がもたらす問題は地方、特に過疎地において深刻なものとなるのは当然として、都市部でもかなり危機的な状況が生じかねないものがある。したがって人口の社会増と自然増の二点からの対策、強力なテコ入れが大切になる。それぞれにどんな対策が有効だと考えられるのか、生徒たちに考えさせたい。

 ポイントとしては明石市が行った若い女性や子供たちへの様々な支援策、移民政策の見直し、長期滞在型の地方観光を目指す政策などが挙げられようか。それぞれに効果的な具体策が切実に求められているに違いない。

 ただし、それら政策実現の上での最大の障害物こそ現在の日本の宿痾となっている「老害政治」である点はぜひ留意させたい。頑迷な「老害政治」を中心的に支えているのはおそらく保守本流の要として機能してきた旧態依然の学校教育と自民党のお家芸と化している派閥政治や金権政治あたりではあるまいか。

 少子高齢化の背景に潜む問題は多種多様であり、生徒たちに多角的な視点を養う上では格好のテーマであろう。ぜひ時間をかけて取り組みたい。

【改造論】成田悠輔「消えるべき人に消えてと言える状況を」ひろゆき「過疎化よ

 り無人化の方がマシ」少子化&人口減少前提で考える日本の未来|

 ABEMA 変わる報道番組 #アベプラ【公式】  2021/12/19 20:28

【成田悠輔×堀江貴文】高齢者は老害化する前に集団切腹すればいい?成田氏の衝

 撃発言の真意とは 2022/02/01 堀江貴文 ホリエモン 10:43

 ※参考記事

  いじめや不登校を乗り越えケアマネージャーになった40代男性が力説介護保

   険制度自体への「強い違和感」現代ビジネス 2024.6.10

  成田悠輔氏 政治家の若返りの利点を分析「保育や教育の予算が増える」「長期

   的視野で政策」東スポWEB によるストーリー 2023.7.2

 敬老の精神は失ってはなるまい。しかし、いつまでも権力の座にしがみつく老害政治家は「百害あって一利なし」。いつも大胆な提言で知られる成田氏の刺激的な発言は毒も含まれるが、議論の活性化に欠かせない視点を提供してくれる。他方で介護をめぐる問題は深刻化する一方である。特にケアマネージャーの社会的待遇の改善を急がないと、教師同様、人手不足の深刻化を招くに違いない。ケアマネの養成教育問題と教師養成問題とは重なる要素が多いように見受けるが、いかがか。いずれも福祉と教育の予算不足が大きな足かせになっていると思われるのだが…

 

参考記事

民生委員、欠員1万5000人 3年で32%悪化、戦後最多

 共同通信社 2023.1.13

 行政による社会保障の不備を民間のボランティアの力を借りることである程度まできめ細やかに補完してきた日本の福祉政策は少子高齢化が進展する中でいよいよ深刻な機能不全に陥ってきたようだ。他方で仕事の過酷さが手伝ってか、地方公務員の休職件数が増加し、公務員のなり手不足も進行しているという。すでに学校教師は慢性的な不足状態である。こちらも事態を一層こじらせる一因となろう。

 家族や地域社会の在り方が変化してきた事が事態悪化の背景に考えられる。今や国家的なテコ入れ無しに事態の改善は見込めないだろうが、政府にその力はあるまい。日本社会はどうにも八方塞がりの状態にあるようだが、いかがだろう。

日本には「世襲政治家」が多すぎる、ビジネス界からの転身が少ない根本理由 

 ダイヤモンド・オンライン 上久保誠人 によるストーリー 2023.4.19

 いわゆる「老害」がはびこると批判される日本の政界がはらんでいる大きな問題点の一つがこの「世襲政治家」であろう。日本でなぜ世襲政治家がはびこり、政権の中枢に居座り続けているのか、なぜ若手政治家の新規参入が進まないのか、その理由が手際よく整理されていて大いに参考となる。

日本はもはや稼げる国ではない 割り切って「人材加工立国」「出稼ぎ立国」を目指

   すべき 古賀茂明 AERA dot. 2023.10.11

 若者にとっては非常に厳しい将来予測だが、かなり説得力があり、議論の材料になるだろう。日本の将来を予測する上でどういう指標を参考にするのか、目の付け所に注目させたい。

就職氷河期世代「年金15万円なんて、どうせもらえない」「他の世代に類を見な

 い」厳しさ THE GOLD ONLINE によるストーリー  2024.5.11

公的年金、「制度見直し」派が7割 見直すべき項目の1位は?

 ITmedia ビジネスONLiNE 2024.5.16

総額100万円ほどの負担増...国民年金の納付「5年延長」案は、なぜ避けて通れない

 議論なのか? ニューズウィーク日本版 によるストーリー  2024.5.15

「日本国債」の紙くず化がとまらない…雪だるま式「借金地獄」から日本が抜け出

   せない根本原因【経済のプロが解説】

   THE GOLD ONLINE によるストーリー  2024.5.11

   上の二つの記事は図表などでデータがつかみ易く、授業での利用価値の高い記事であろう。外国からの借金が少ない点は確かに日本の強みではあるがさすがにここまで借金が膨れ上がるとマズイのではあるまいか。特に少子高齢化が加速する中でこの累積した借金は日本の若者のへの負担を重くするに違いない。しかも若者や中年層が高齢者になった時にもらえる年金額は目減りする一方である。こうした負担の先送りとその場しのぎの借金漬けの政治もまた若者、皇族世代の犠牲を前提とした「老害政治」の弊害と言うほかあるまい。

このバラマキのツケは若者世代に…日本の財政の「膨張」が止まらない実態

   Finasee によるストーリー 2023.10.11

 増え続ける財政赤字も若者の将来に重くのしかかる難題である。累積債務の実態は常に念頭に置いておきたい。

生活保護の申請、7・6%増で4年連続の上昇…物価高騰に賃金上昇追いつかず

  読売新聞 によるストーリー 2024.3.6

生活保護申請、12カ月連続増 最長期間更新 厚労省

   朝日新聞社 によるストーリー 2024.3.6

 株価がバブル期を超えて史上最高値を記録した昨今、このデータは一体、何を意味

するのだろう。ぜひ生徒たちの意見を募り、議論させたい。

「万博やってる場合じゃない」介護保険料、大阪市が全国ワースト9249円の一方で

 万博負担「ひとり2万7000円」試算に市民の怒り爆発

 SmartFLASH によるストーリー  2024.5.15

 

参考動画

【世界の年金が凄い】外国人に年金いくら貰ってるのか聞いてみた|海外の老後生

 活の現実 タロサックの海外生活ダイアリーTAROSAC  2022/11/05 19:20

 当然の事ながら貯金や投資を早くから行っていくことが世界共通で老後の生活を保障する事が分かる。それにしても日本の年金の少なさには唖然。

【ゆっくり作品解説】藤子・F・不二雄SF短編「定年退食」 2021/03/15

 そかなりどぎつい内容だが、高齢者問題の導入としては刺激的で生徒たちからかなりの反応が期待できよう。

暴れる認知症患者さん・いつまて我慢すれはいいの?認知症専門医・長谷川嘉哉

 長谷川嘉哉チャンネル「ボケ日和 転ばぬ先の知恵」 2022/11/01 8:42

新たな認知症ケア「ユマニチュード」とは【報道特集】

 TBS NEWS DIG Powered by JNN 2021/09/02 22:57

 認知症患者への接し方は難しく、いまだに手探り状態にあるように思える。しかし「ユマニチュード」の考え方は古典的でありながら、王道を行くものであろう。ヤングケアラーが増えている現在、高校生の間で認知症への理解が広がることが切実に求められているだろう。

 

 

その7.③学校のウソ臭さ

※この記事は常に新鮮なネタを提供すべく、随時、更新されています。

 

参考動画

学校はどのようにしてあなたの心を最初から破壊するのか | ショーペンハウアー ニ

     ーチェ イリイチ・ガット

     オートダビング版 Unfiltered Philosophy 2025/06/19  11:28

学校は幼少期からあなたの心をどのように破壊するのか ― ショーペンハウアーとニ

 ーチェ オートダビング版 The Psyche  2025/08/07  24:32

 教師であるならばこのような視点を持っておくことは必須であろう。予め学校教育の意義を根本から疑ってみることは、教師になる前にしっかりと済ましておくべきである。でなければ、教師はひたすら児童生徒の成長を阻み、精神を損なうただの加害者に堕落するに違いない。

 公教育が成立した19世紀の西欧の歴史を踏まえた時、公教育の意義を無条件に礼賛することの危険性は計り知れないものがある、と考えてきたのだが、いかがか。

参考記事

AIがあっても英語を学ぶ意味 なぜ「黒板」は緑色なのに黒板なのか 分断が広がる今

     こそ必要との意見も AERA DIGITAL 小長光哲郎 2026.2.20

 今さらなぜこんなトンチンカンなことを言っているのだろう。…認知言語学が専門の日本大学教授、町田章さんが意義として強調するのは、英語を学ぶ過程で、英語話者の人たちとの「思考法の違い」や、「異なるものの捉え方」を知ることができるという点…だという。

 町田氏は、中学校や高校の授業で日本語話者の「思考法」や「ものの捉え方」と、英語のそれとの差異を逐一、分かりやすく解説できている授業が実際にどれほど存在しえているのか、一度でも確認してみたのだろうか。英語を学ぶ意義としてこれらを強調されているようだが、その意義が学校教育の中で本当に実現できているのかは極めて怪しいだろう。しかも、本当に「思考法」や「ものの捉え方」が英語を学ぶ上での欠かせないポイントであるならば、実際に定期試験や入試レベルでそれらが数多く問われてきたはずである。しかし、誰がどう見ても実態は違う。

 学校教育の現実を踏まえない机上の空論を根拠にして、社会の「分断」を埋めることなどまったく不可能である、と思うのだが、いかがか。そもそもこんな虚しい「きれいごと」に、今の学校や教師は一秒たりとも付き合うヒマなど無いはずだ。

“30万円の自腹を強いられた校長の告白。「わたしはどうすれば……」未納金問題

    の深刻な実態 All About 福嶋尚子・栁澤靖明・古殿真大     2025.10.11

 この程度の調査だけでは日本の学校現場の自腹の実態が十分に解明されるわけがない。自腹が当たり前のこととして常態化してしまい、教師自身が自腹を自腹として意識できていないまま、出費を続けているケースだって決して少なくあるまい。確かに管理職の自腹などは一時的には多額のケースもあるだろうが、一般の教師が日常的に支払い続ける自腹の総額が管理職のそれと、実際には大差ないものであることの方がむしろ多いのではあるまいか。

 運動部顧問の場合、部活動に必要となる道具類等の一部は顧問が自腹を切って購入することが少なくない。もちろん自分の使う道具やユニフォームなどは自腹である。当然、練習試合などで他校を訪問する際の出費の多くも自腹である。さほど部活動に熱心ではなかった自分ですら、35年間の教員生活において部活動関係で自腹を切った金額は間違いなく100万を下ることはなかった。

 文化系の部活動でも、楽器の購入や修理費など、吹奏楽部の顧問の自腹分もかなりの巨額に上るだろう。

 また授業で実物教材などの独自教材を使う教師の場合、教材費のほとんどは自腹である。もちろん授業準備に要する書籍代は全額、自腹。さらに近年はプロジェクターを用いて授業を行う教師が多く、どこでもプロジェクターは学校の備品だけでは不足しがちである。結果的にプロジェクターを含め、視聴覚機器や記憶媒体の一部を自腹で用意してきた教師は決して少なくない。

 古くは100本以上のビデオテープを購入して授業での視聴に用いていた教師たちの過去がある。その中には録画用ではない、かなり高額のものもあった。自分も先輩教師たちに見習ってテープ代だけで総額数十万円分は費やしている。

 自腹はお金の問題だけではあるまい。お金以上に膨大な時間と労力がとりわけ部活動にはつぎ込まれており、教師たちの私生活は常に厳しい制約を受けてきた。肝心の授業準備もおろそかになりがちであった。そこへ様々な学校行事が絶え間なく加わってくる。文化祭や体育祭、遠足に修学旅行、入試、入学式、卒業式…それらの準備もまた部活動同様、勤務時間内に終わらないものばかりなのだ。

 教師たちによるこうした自己犠牲的な献身抜きにしては、日本の学校教育がまともには成立できてこなかった、という現実をまずはきちんと直視すべきだろう。そしてマスメディアならば先進国で最低レベルの教育予算しかない日本という国の、真の意味での文化的貧しさを引き摺り続ける社会の構造的な欠陥にこそ、もっと深いメスを入れるべきだろう。

なぜ?学校の通知表「主体性」の評価が見直しの訳

    東洋経済オンライン 松下 佳代 2025.10.8

 これまで教師や児童生徒の主体性を踏みにじり、学校現場の主体性をひたすら否定してきた文科省が、なぜか通知表の評価の観点としてこれからは主体性を重視する、という。本来、主体的な学びはまず教師側が児童生徒の模範となるべく、実践できていなければなるまい。

    連絡報告の書類作成などのブルシットジョブや無意味な官製研修の連打によって教師の主体的学びの機会を奪い尽くし、教師の意思を無視して職員会議をただの連絡報告の場に貶め、学校の都合を最優先して校務分掌を一方的に新任者に押し付けることで、ひたすら主体的な勤労意欲を奪ってきた教育行政側が学校現場に対して「主体性」という言葉を口にして良いわけがない。

 …文科省自身は、「主体的な学び」を「学ぶことに興味や関心を持ち、自己のキャリア形成の方向性と関連付けながら、見通しを持って粘り強く取り組み、自己の学習活動を振り返って次につなげる」と説明し、「主体的」をproactiveと訳している(proactiveはreactiveの対比語で、事態に反応するのではなく、先取りして自ら事態に働きかけることを意味する)。…

 とのこと。裏読みをすれば、国の方針に対して主体的、意欲的に盲従してくれる「民草」の養成に学校はより一層の力を入れていけ、という事かもしれない。その発想において致命的に欠けている視点は、何を学ぶべきなのか、という主体的学びの前提として必要不可欠となる問題意識であろう。文科省が学ぶべき内容への規制を緩めることなく、厚かましくも学習の主体性を教育現場に求めることに潜む矛盾とそこに隠された真の意図に留意したい。

小学校の隠しカメラに市議「盗撮では」 市「正当」強調 愛知・江南

     毎日新聞 2025.10.2

 これが完全な違法行為であり、児童への明らかな人権侵害にあたるものだと判断できない校長や教育長がいることに驚く。どうしてこのような人物が校長や教育長になってしまったのか、管理職人事の闇に触れた思いがするのだが、いかがか。もちろん、隠しカメラの設置を擁護する市長の見識にも呆れるほかあるまい。

 児童のイタズラがどんな内容なのかも、気になる。仮に他の児童への深刻な人権侵害に相当するものならば、一刻も早くイタズラを辞めさせる必要があるのは確かだ。しかし、そのためにとるべき有効な手段は、監視カメラの設置以外にもあったのではあるまいか。

ブラック校則を自ら見直し? 「子どもの意見表明権」教育に取り入れ

 毎日新聞 2025.9.5

 …子どもの意見表明権は、1989年に国連で採択された「子どもの権利条約」の12条に規定。子どもが自らに影響を及ぼす事項に対して自由に意見を述べる権利を確保するとしている。

 日本は94年にこの条約を批准した。国内法は長く未整備だったが、子どもの意見表明権を基本理念に掲げた「こども基本法」が2022年に成立。その後初めての指導要領改定を迎えるため、学校での指導にも取り入れることにした…

 と記事にある。学校教育は児童生徒の将来に直結するため、教育内容に関して世界の進展に大きな遅れがあっていいはずがない。未来を生きていく児童生徒の歩みを学校教育が妨げていいはずがないのだ。特に児童生徒の権利に関してはなおさらであろう。まして科学技術の進展が目まぐるしい現代である。子どもたちの未来を預かるべき学校教育が、日本の場合、進取の精神を児童生徒から奪うような旧態依然のレトロ感をいつまでも醸し出し続けているのはいかがなものか。

 次の学習指導要領が学校現場に適用されるのは小学校で2030年度からである。中学校や高校はさらに遅れてしまう。つまり日本では子どもの意見表明権を規定した子どもの権利条約が国連で採択されてから41年、日本で批准されてから36年以降、ようやく小学校から順次、学校現場に反映される予定、というのだから驚き呆れる。この取り組みの鈍さ、遅さ…まさに「人権後進国」たる日本の面目躍如、というところか。

 これまでの長きにわたり、子供の人権条約の精神が日本の学校教育にしっかりと反映されてこなかったために生じてしまった、残念な事件事故は数多い。これによって犠牲となった児童生徒の数も決して少なくはない。政府、文科省はこうした世界の進展に対して大きな後れを取り続け、結果的に犠牲者を生み出し続けた失態を深く反省し、一刻も早く国民に謝罪すべきではないのか。

 実際にはかなり以前から児童生徒の意見を取り入れてブラック校則の見直しを推進している学校が出てきている現状は確かにある。とりあえず一部の動きにせよ、文科省の取り組みよりも学校現場の方が少しは早い…だからといって国民が安心できるわけではあるまい。

 30年以上にわたる日本経済の失速、経済や政治の停滞の背景に日本の学校教育の、余りにも時代遅れなあり方がある、と考えるべきだと思うが、いかがか。

教室にカメラ設置ってアリ? 「いじめを防ぐため」の案だけど「体育の着替え」

    は、「死角」はどうするの? 東京新聞 2025.4.18

    おそらく熊本市教委の人権意識の低さ、鈍感さがこうした安直な対応にも表れてしまうように思えるのだが、いかがか。ぜひ、授業で取り上げて監視カメラ設置の是非について議論させたい。まずは議論の手始めとしてイジメが発生する主たる原因とイジメへの対応のあり方が問われるはずだ。

    どういう環境下でイジメは発生しやすくなるのだろう。これまでの常識的発想ではこんなロジックで学校でのイジメが語られる傾向があったはずである。まず画一的な管理主義的教育体制の下で学校側が集団行動を偏重し続け、集団への同調圧力を過剰に強めてしまうと児童生徒の精神的ストレスは極めて大きくなってしまうに違いない。そのストレスはきっとイジメとなって発散されてしまう大きな危険性を孕むものだろう。あるいは集団主義的な校風になじめない児童生徒たちの間に数多くの不登校を生み出すかもしれない…

    とは言え、仮に集団主義、管理主義が大幅に改善されたとしてもイジメを社会から根絶することは不可能だと私も考える。そもそもどんな社会であれ、利害の対立が生じるのは不可避である。したがって利害の対立やイジメが生じたとき、学校側が問題の解決に向けてどう工夫し、どう対応するのか、が問われる。

 工藤勇一氏のように、集団間での対立、イジメの発生に対して児童生徒自らが対話を重ね、問題解決の方向に自分たちで歩み出せるように教師が工夫して対応できるのならば、イジメ問題の発生は学校にとってむしろ大歓迎ですらあるだろう。それは児童生徒にとって社会生活のあり方を、体験を通じて学ぶ、絶好のチャンスとなるからである。仮にそう考えられる教師集団ならば、イジメを無くす…という発想、教育目標は決して思い浮かばないはずである。逆に単なる学校や教師側の臆病な自己保身などから、イジメの未然防止のために監視体制を強化してしまうと、児童生徒の自律、自立のチャンスを奪うだけではなく、学校をさらに居心地の悪い場所にしかねないのではあるまいか。

 もちろん、学校における硬直化した画一的管理主義は今後も是正されていくべきであるが、それだけではおそらくイジメ問題の本質的解決には向かわないだろう。学校でのイジメ問題への対応は、日本の学校の根深い隠蔽体質も考え併せれば、イジメの発生防止という観点に軸を置くのではなく、イジメ発生後の対応の在り方の方に対策の軸を置くべきではあるまいか。

 イジメの根絶を図るために児童生徒への監視を強め、管理を強化せんとする熊本市教委の発想は、以上の点から問題の本質を完全に見誤っており、さらなるイジメのステルス化、陰湿化、悪質化をも招きかねないと考えるが、いかがか。

 そもそも今はやりのSNSによる誹謗中傷を、監視カメラの設置で防げるはずはないのだ。イジメは教室内での窃盗事件とはわけが違うし、監視強化によってイジメの発生を完璧に防げるという幻想も即刻、捨てていただこう。そしてイジメ問題をもっぱら児童生徒たちの力で解決できるよう、いかにして議論を組み立てていくのか、熊本市教委および教師側は真剣に考えていくべきであろう。

ニュージーランド公立小の"自由で刺激的"な日常 移民大国で根付く「ダイバーシ

   ティ教育」の実際 東洋経済オンライン 鳥羽 和久 の意見  2025.1.10

   教育においてダイバーシティを尊重するという事は一体どういうことなのか、ニュージーランドの取り組みを例にして具体的に知ることが出来るだろう。ダイバーシティ教育の実現には大きな予算が必要であることが繰り返し強調されている点も重要である。振り返って我が国の学校教育の残念なまでの低予算、教師の出血大サービス残業で無理くり体裁を整えているみすぼらしさと上辺だけのダイバーシティ尊重の掛け声を見るにつけ聞くにつけ、絶望的な感覚を覚えてしまうのは私だけであろうか。

30年変わらぬ体育館での雑魚寝「劣悪環境」の避難所が生む関連死 自治体任せから

   脱却を 備えあれ⑤避難力 産経新聞 2025.1.6

   阪神淡路大震災、東日本大震災・・・肝心なことの多くを過去の経験から学んでこなかったのは政治家だけではあるまい。能登半島沖地震から一年経っても被災地の復興の歩みの遅さ、ノロさは本来、安全で居心地の良い避難所として機能すべき学校の体育館で、寒さに震える「雑魚寝」状態が一向に改善されていない点にも伺える。果たして今回の災害発生後の避難生活における病死、自死の比率は30年前に比べてきちんと減ってきているのだろうか。

 思えば学校の体育館ほど避難生活を送る場所として不適切な施設は無いだろう。そこは大勢の人々が避難生活を送るために配慮され、設計されたものでは決してなく、本来は児童生徒らに忍耐と根性を養成する試練の場であり、むしろ積極的に快適さを嫌う空間であったはずだ。そこでは多くの児童生徒が退屈で長いだけの校長訓話をひたすら耐え忍び、季節によっては酷い暑さ寒さにも耐え忍ばねばならない、神聖にして厳格な「鍛錬」の場ではなかったか。どうみても図体がデカイだけのガランとした体育館の空間は暖房にまったくなじまず、ましてクーラーなど、教師たちにとっては想定外、論外…現代的な空調設備などは、ただただ児童生徒を甘やかすだけの、贅沢過ぎた余計な施設であったはずだ。

 冬はかじかむ手を握り締めて寒さを耐え忍びながらの始業式、終業式、卒業式が長時間にわたって繰り返され、夏は酷暑の中で大汗を書きつつ蒸し暑さを耐え忍びながらの終業式、講演会などが繰り返された。もちろん部活動では地獄の特訓が待ち受ける、恐ろしい試練の場であった。まさに戦時中の「皇国民錬成」精神の生き残りそのものだった体育館である。そもそも40人余りがぎゅうぎゅうに詰め込まれていた狭い教室にさえ、クーラーが本格的に導入され始めてからまだ20年も経ってはいないのが、経済大国日本の公教育の実態だったのだ。経済的繁栄の絶頂を謳歌していたあのバブル期でさえ、日本の公立学校の教室にはクーラーがほとんど存在していなかったことを思い返してほしい。

 災害時に学校に足を踏み入れた避難民は速やかに自身の学校時代の辛かった記憶を取り戻し、しばらくは我慢強く生活を送ろうとするだろう。が、もはや児童生徒たちの従順さと体力を持たない大人たちが長期間耐え続けられるほど、学校の施設は優しくない。元来が兵舎をモデルにした近代の学校施設は、野営よりは多少マシであるものの、今時の、冷暖房完備の御家庭とはまったく違う発想で設計されているのだ。

 日本の学校は決して生活する場ではなく、いまだに鍛錬の場である。そのことを痛感するのが学校での避難生活であったはずだ。この記事は日本の学校がこれまで抱えてきた、古色蒼然とした軍隊由来の発想と避難生活の場としての快適さを求める発想との相克をも伺えて実に興味深い。そして同時に教育予算と防災予算を徹底的にケチり、国民の幸福と安寧、生命を軽視してきたこの国の政治の貧困さをも痛切に思う。

 政府はこのまま有効な対応をサボり続け、連発しかねない南海トラフの大地震や首都圏直下型大地震、富士山の大噴火を漫然と待つつもりなのだろうか。防災、避難、後片付け・・・その多くをいまだに自助努力とボランティアに依存する国家を今後も「災害大国」などと日本が内外に喧伝し、自称していくのはいかがなものか。

 おそらくロシアや中国の侵攻、北朝鮮のミサイルを待つまでも無く、日本は自然災害によって一気に衰退するに違いない。きな臭い国際情勢が続く現在、確かに防衛費の増額も必要だろうが、確実にかつ目前に迫ってきた大災害への備えはさらに緊急性が高いのではあるまいか。他国の侵略で滅ぶ前に自然災害で滅ぶ方が先だとしたら、「災害大国」日本の名がすたるだろう。

 かつては優秀な人材を多数抱えて敗戦からの奇跡的な復興を遂げ、「人材大国」とも呼べるほどに国民の優秀さを誇ってきた日本である。しかし、ここ三十年余りの間にひたすら教育予算と社会保障費をケチり続け、全国に金権政治家、老害政治家を蔓延らせて、いまや酷いレベルまで子供や若者の未来を閉ざしてきた日本の現状を見た時、「人材大国」、「災害大国」と日本を呼ぶよりも「人災大国」と自称すべき時に至っているように思えるのだが、いかがか。少なくとも真剣に国民を守ろうとしない今の政府に税金を差し出す義務など国民にあろうはずがない。

 少子高齢化を含む様々な課題を先送りしてきた政府の責任はもちろん重大だが、主権を持つとされる国民の選択にも問題は多いに違いない。加えてこの問題の責任の一端は住民を欺いて避難設備の充実をさぼり、予算をケチってきたクセに、漫然と避難所を引き受け続けてきた地方自治体と教育行政側にもあるだろう。

 ところで教師たちはいざという時、自分たちの家族を放置したまま、周辺住民の避難生活をどこまでみすぼらしい学校の中で責任を持って支えられるのだろうか…疑問だらけではあるまいか。自宅ならば自己責任で防災用品を十分に整え、非常時に備えることは各自の判断でできる。しかし、いざという時、学校近くに住む教師たちはその自宅を離れてまともな設備や非常食の備えも無い学校に集合させられ、大勢の避難民のためにあくせくと働くのだ。冷たい体育館の床で一体、いつまで寝起きを強いられるのだろう。とりわけ問題とされるトイレや生理用品の件だが、これに関しても学校において何らかの改善や用意が出来ている、などと感じたことは一度も無い。

 こうした貧弱な施設と備えのままで果たして大地震や大噴火後の避難生活に現在の学校は、教師たちは、住民たちはどこまで耐えられるのだろうか。そもそも近隣住民は災害時における学校施設の不備をどこまで知っているのだろうか。実際、学校の現状を知る多くの教師は自分の家屋の安全が確認できさえすれば、本音の部分では家族とともに自宅での避難生活を望んでいるはず。

 こうして災害時の悲惨な避難状況をわずかに想像しただけでも、多くの人は教師にだけはなりたくない、と切に思うのではあるまいか。様々な点で避難施設としての条件を欠いたままの学校の惨状はもっと広く世間に知られるべきであろう。

長野県、自己実現できる「ウェルビーイング実践」70校決定

   リセマム 2024.12.7

   …飯田市では市内すべての小・中学校で小中一貫教育を導入。小・中学生の異学年が一緒に取り組む行事や学習、地域を生かした探究的な学びをつくる特設教科(教育課程特例校制度)を設置する。根羽村(下伊那郡)の公立学校では、小規模ならではの「学びの村づくり」として、時間割を子供たちが決定したり、地域の人が学校の教育に参加したりできる仕組みづくりを計画。栄村(下水内郡)の小・中学校では、制服や運動着、化粧やピアス、染髪などのルールは子供たちが決めるとし、揃える指導はやめ、多様な生き方や学び方を支援していくという。…

   長野県はこうした取り組みの準備期間として2025年度をあて、翌2026年度から本格実施されるという。正直に言って余りのスピード感に驚きと大きな不安を隠せない。ただし改革例として挙げられた取り組み自体は100年余り昔の取り組み(大正新教育運動)で見られたものとほとんど大差は無く、ICT化による個別最適化教育の推進以外に大した新しさはみられない。むしろこうした取り組みが事前にどれほどの計画性と予算を伴っていたのかを私たちは厳しく注視すべきであろう。

 大雑把に振り返れば大正新教育運動は大正デモクラシーの風潮に乗っかって、制度的、組織的、予算的なバックアップ体制を十分には構築できないままスタートしたため、ほぼ実験段階のレベルのままに収束している。計画性に欠けた拙速で無謀な取り組みによる失敗はその推進者が標榜していた人権尊重と民主主義の価値を結果的に貶める役割を果たしてしまい、昭和に入ると国民学校による皇国民錬成教育という恐ろしい反動を招き入れてしまった。どんなにきれいごとを叫んだとしても、それだけではきれいごとが実現するわけではない。わたしたちはこれまでも「教育改革」の名で再三繰り返されてきた、こうした目くらましに騙されてはなるまい。

 学校教育の改革の成否を握るのは法制度の整備や予算面などでのバックアップに加え、改革を推進する歯車となるべき人材の育成の進み具合である。これは教育学の世界では既に一世紀近く前から指摘されてきた。長野県では一体、こうした人材の育成をこれまでどうしてきたのだろう。どうみても人材の育成は一朝一夕にできるものではあるまい。実に怪しい限りである。

 まずは新しい改革の主旨を理解し、それを実践に移せる管理職が改革の先頭に立たなければ話になるまい。管理職の頭の中が「昭和」のままではまさに「ふてほど」そのものであろう。もちろん、一般の教師たちにも改革を推進していけるだけの知識と理解、それに心身の余力がなければなるまい。既に「教育改革」と称する過重労働ですっかりブラック化した学校にそれだけのゆとりが残されているのだろうか。この点でも大いに危惧される。実際問題として、県は児童生徒のウェルビーイングを言う前に、教師のウェルビーイングの方をまずは心配すべきではないか…

 かつての「教育改革」がことごとくそうであったように、長野県の取り組みが教師たちの疲弊を一層募らせ、挙句の果てに無責任な「絵に描いた餅」で終わらぬことを祈るばかりである。

「どういうつもりなのか」同級生から「ばい菌」扱いのいじめ…女子児童は100日

 以上欠席 急きょ「重大事態」認定に不信感 京都市 別児童のいじめでも一転し重大

 事態を認定 毎日放送 によるストーリー 2024.7.24

 2020年から始まっていたイジメを今頃になって教育委員会が重大事態に認定する背景に一体何が考えられるだろう。いじめ防止対策推進法に対する理解の程度が各地の教育現場ではかなりマチマチとなっており、殊に管理職によって大きな差異があることは容易に推察できるだろう。今回の件も担当者が新旧入れ替わったことでようやく表面化してきたと考えられる。

 しかし重大な案件に関しては統一的基準に基づく迅速な対応が求められるはずだ。法の規定に基づかない、現状の属人主義的な対応ぶりにはどうしても大きな危険を感じざるをえない。管理職の世界における年功序列、先輩後輩関係のあり方に深くメスを入れない限り、こうした事はいつでもどこでも起こり続けるだろう。

 とりあえず、今回の件ではこれまで重大事態としての認定を行わなかった当時の管理職、及び京都市教育委員会の担当者への厳しい処罰を下すべきである。たとえ後輩の身であっても、対応を間違っている先輩を厳しく処断できないようでは教育行政への市民の信頼は崩れる一方となるだろう。

この社会はまるで「寄生虫」のよう…いつのまにか「わたし」に侵入して内側から

 変えてしまう「おぞましい実態」現代ビジネス 

 内藤 朝雄(明治大学准教授・いじめ問題研究) の意見  2024.5.25

「一回いじめたら、止められない」「何か暴走してしまう」…意外と知らない「い

 じめの構造」現代ビジネス

 内藤 朝雄(明治大学准教授・いじめ問題研究) の意見 2024.5.25

 学校が果たしている社会的機能の一つ「社会化」のブラックな側面を寄主に対する寄生虫の不気味な影響力にたとえてみるのはイメージしやすくて効果的だろう。学校のどんなところが寄生虫の影響力と同じような不気味な感染力を持っているのか、生徒たちに問いかけてみたい。少なくとも学校とは「善」なるものと頭から決めつけて思考停止に陥っている生徒たちには刺激的な問いかけになるだろう。

<著者は語る>データの独裁許すな 『ヤバい統計 政府、政治家、世論はなぜ数字に

 騙(だま)されるのか』 統計学者 ジョージナ・スタージさん

 東京新聞 2024.4.28

 統計のウソを見抜くことは難しいが、常に疑ってかかる姿勢は保つべきだろう。特に政府、文科省の統計は怪しい限り。つまり「検定」なるものを通過した教科書や資料集ですら、全面的に信用するのは間違いだろう。授業では年度初めにこの記事を読ませ、統計資料の安易な利用に釘を刺しておきたい。

 とはいえ、政財界によるバイアスのあまりかからない、ごく基本的な統計資料(人口統計など)はきわめて有用なデータであり、こうしたデータをどれだけ授業に生かせていけるかが、教師の腕の見せ所でもあろう。

体罰を訴えた保護者アンケートを破棄して偽造 小学教諭を処分 岩手

 朝日新聞社 によるストーリー 2024.6.17

 アンケート調査の危うさはこうしたデータの偽造が絡むと一層厄介である。教師の評価が絡む児童や保護者向けのアンケートを教師自身が分析するのはやはり、やめた方が良いだろう。分析は保護者会や生徒会で行った方がデータの信頼性は高まる。回答者が忖度なしの評価をできるような条件を十分に満たさないアンケートならば行わない方が良い。安易な設計のアンケートは危険なだけで、悪用されかねない。

無意識に行動を操られる「ダークパターン」の危険 「妨害」「こっそり」など知るべき7

 つの悪質手口 東洋経済オンライン 酒井 麻里子 の意見 2024.4

 この知識は児童生徒たちがネット詐欺の被害に遭わないために必要な知識になるだろう。加えてこれまで学校教育で行われてきた「教育」という美名に隠れたある種の「洗脳」を自覚する上で役立つ知識だと思うが、いかがか。

 かつて教育社会学では学校での制服や男女別名簿、教壇などが無意識的に児童生徒に及ぼす影響を検証する研究がP.ウッズ(イギリス)らによって盛んに行われていた。つまり児童生徒を無意識的に一定の方向へとコントロールするある種の政治的目論見、「ダークパターン」の研究があったのだ。

 これはフランスのM.フーコーらの監獄への考察にも通ずるもので、軍隊由来の校舎や制服、体育での整列や行進と軍隊、刑務所との類似性が指摘されていた。たとえば日本ではランドセル、セーラー服、詰襟の制服、「気を付け」の号令と「休め」の姿勢などはいずれも軍隊由来のものであった。明治期に掲げられた「国民皆学」と「国民皆兵」というスローガンは近代的国民国家の形成と「富国強兵」を急ぐ明治政府の民衆に対するある種の洗脳政策といっても過言では無かったはず。

 今、学校教育を通じてどのような「洗脳」が行われているのか、冷静に振り返る視点は教師だけでなく、実際に「洗脳」の被害を被っている児童生徒たちにも「解毒」のために必要となっていると私は考えている。

修学旅行で預かった児童150人の財布、引率教員が無断で中身調べる…西宮市教

   委「不適切だった」 読売新聞 によるストーリー 2024.8.1

   学校にはイジメ事件に関しては生徒のプライバシー保護を盾にして事件の全貌解明を妨害し、隠蔽を図ろうとするクセに、普段は児童生徒のプライバシーの管理をおざなりにして時折、漏洩させてしまったりする残念な傾向があったりする。教師たちの多くはいかにも表向きは児童生徒の人権を尊重するフリをしているが、一部の教師の場合、子どもの人権条約すら一顧だにせず、残念ながら生徒指導を名目にして平気で児童生徒のプライバシーを侵害してくる。

 今回の件は不適切だった…では済まされないだろう。校長自身がこの指導に何ら疑問を抱くことは無かった、というから驚きだ。人権意識が今の今に至っても昭和のままであり、管理職や市教委からしてコンプライアンスの欠片すら存在していない、全くの時代遅れの認識にとどまっている、と批判されてもおかしくはあるまい。

 確かに40年近く前、高校でも修学旅行時、生徒たちの持ち物検査をしていた経験がある。当時はもっぱら酒、タバコ、ウォークマンやラジカセなどのチェックが主だったが、まだまだ校内暴力の余韻が残っていた時代でもあったため、検査すること自体はある程度まで仕方ないだろう、と感じないわけではなかった。事実、遠足の際、バスの後方の座席でお酒を回し飲みしていたグループの存在が発覚したことがあった。当時は中位層の高校でも最悪、ナイフ等の所持だって起こりうる時代であり、一切、持ち物検査をしないで済むような旅行がほぼほぼ無理な状況は確かにあったと思う。

 しかしその当時ですら所持する金額に関して上限を設けていたとしても学校側は一切、本当の所持金を確認してこなかった。生徒の所持金は保護者の所持金と同質のものであり、基本的には生徒及び保護者の判断にゆだねられるべきプライバシーそのものである。生徒にあまりにも多額の所持金がある場合、盗難や紛失の恐れが増し、いざという時、十分な事前指導を行わなかったと学校側の責任が追及されるような事態はもちろん想定しておく必要がある。だからこそ、事前に多額のお金を持参させないよう、保護者にも依頼するし、所持金の上限額も提示するのだ。しかし、その先はやはり保護者と生徒自身の自己責任に委ねるほか、手立てはあるまい。

 生徒たちにはこの件をどう思うのか、なぜこのようなことが学校ではまかり通ってしまうのか、じっくり考えさせたい。

 

・名古屋市教委金品授受問題

徹底追及 名古屋市教育委員会の金品問題 不可解な“名簿とカネ” 学閥で校長

 が…? CBCニュース【CBCテレビ公式】 2024/03/26 7:43

 ここでも寺脇氏の学校現場への無知がさらけ出されている。管理職候補を推薦する名簿の存在は千葉にも古くからあったはず。管理職採用を巡っては学閥や校長会の影響力もかなり大きいのは教師たちにも良く知られたことである。特に愛知教育大出身者が管理職の多くを占める名古屋市の場合には管理職採用試験にしっかりとした公正さがある、と思う方がおかしい。

 寺脇氏のような、学校現場への知識にまったく欠ける人物が文科省の官僚だったわけだから、教育行政が迷走してトンチンカンな政策をとり続けるのも当然であり、文科省の改革抜きで教育改革など完全に不可能なのである。

座長「なれ合い構造あった」 名古屋市教育委の金品授受問題報告書

 毎日新聞 によるストーリー 2024.8.28

 そもそも文科省の官僚だった寺脇氏が座長を務めるような調査検証チームが出す報告書なぞ、一体誰が信用するのだろうか。ただの茶番に過ぎないのは見るまでもなく明らかであろう。チームは「…名簿や金品による人事への影響は否定」したというから呆れる。一体、どんなデータ、資料を根拠にこんな結論が出されたのか…限りなく疑わしい。どうせまともな調査など、行われたわけがあるまい。

 他方で「教員集団の閉鎖的・排他的な仲間意識、なれ合いの構造があった」と厳しく批判したというが、これは明らかに口先だけ。世間を欺くただの茶番であろう。教育行政側のメンバーだった人物を座長とするような、厳格さ、公正さ、第三者性に欠けるこの調査検証チーム自体が市教委側と連携してズブズブの馴れ合いを演じているのは想像に難くない。教職員課長や教育長も務めた前市長の松原武久氏へヒアリングしたというが、こんなもの、岸田首相がオリンピック問題で行ったという森元首相へのヒアリング並みに信用できない。市教委および調査検証チームと馴れ合い、じゃれ合う関係性の中で松原氏が知らぬ存ぜぬを貫くのは極めて容易であっただろう。

教育関係者「闇深い」 名古屋市教委の金品受領問題報告書

 毎日新聞 によるストーリー 2024.8.28

 これ管理職の選考を巡る厳格さ、公正さに欠ける金品授受は教育公務員として見逃せないはずの大きな信用失墜行為であり、関係者の分限問題に関わるべきレベルの深刻さがある。にもかかわらず、調査検証チームの報告書には危機感の欠片も見られない、生ぬるさがある。再調査が必要なのは言を俟たない。

名古屋市教委の金品授受、総額1300万円超に…検証チーム「癒着と映らないか

   との視点が欠落」 読売新聞 によるストーリー 2024.3.30

 文科省の官僚だった寺脇氏が「…推薦名簿がまかり通っていたことも驚きだ」と指摘していることに驚く。文科省にいた人物が「推薦名簿」すら知らぬこと自体、恥ずかしい事だろう。学校現場の事を知ろうとしない人物が平気で官僚を務めている文科省というお役所のオワコンぶりに私はむしろ興冷めしてしまう。文科省がこんなテイタラクだから教育現場での不祥事が絶えないのではあるまいか。官僚たちの学校現場に対する無関心、無知、勉強不足こそが諸悪の根源なのかもしれない。

元校長らへの人事案「内覧」会合費にも支出 名古屋市教委の金品授受

   朝日新聞社 によるストーリー 2024.3.29

 金品の授受に関しては公にされると良くない、との認識が関係者の間で共有されていたという。同様の話はかつて名古屋に限らず、全国的にあったはずで、教員に採用されるためには教育委員会の有力者に金品を送るのが必須だった県があるとも聞いている。しかし声高にコンプラが叫ばれている現在、この悪習はとっくの昔に無くなっているものと不覚にも私自身、思っていた。まさに「不適切にもほどがある」ということだ。

 とはいえ数々のイジメ事件隠蔽など、大きな不祥事を繰り返してきたこれまでの学校社会の異様さを思えば、この程度の事があったとしてもさほど驚くほどのことではあるまい。世界や時代の進展に背を向け、百年一日のごとく因循姑息な、馴れ合いだらけの村社会に安住してきた日本の学校教育界である。おそらく同様の風習を続けてきた市町村が他にもあるに違いない。

 実は日本の学校社会全体が政治家の世界に負けず劣らず、とっくの昔に「不適切にもほどがある」状態であったはず。政治家の裏金問題は教育委員会の裏金問題とよく似た構造をはらんでいるのではあるまいか。

 

公教育のモデルつくるつもりが「法令違反」 奈教大付小教員の嘆き

 朝日新聞社 によるストーリー 2024.4.5

「文科省の二枚舌」元次官も憤慨、奈良県の教員“総取り替え”騒動で注目「学習指

 導要領は憲法違反?」SmartFLASH によるストーリー 2024.4.4

 前川氏の意見に同感である。20年以上前のことだが、君が代の歌詞を授業で教えていたら県教委のメンバーからそこまで教えなくともよい、との指導を受けてガッカリさせられたことがある。君が代をどのように、どこまで教えるべきなのかといった判断が文科省から明確に示されることなく、たかが教員委員会のメンバー一人の主観で指導を受けたことにも強い反発を覚える。

 そもそも君が代の歌詞を高校の生徒たちがこれまで一人も知らなかったこと自体、本来ならば大問題なはず。学校で歌うことを強制している「国歌」の歌詞と意味を学校ではきちんと教えてはならない、というような、ありえないほどの珍妙な指導がまかり通る教育行政の不思議さに国民はもう少し気付くべきだろう。

 一方で確かに義務教育段階では多少の統制が必要であり、学校や教師の間で教える内容に大差があるのは問題。しかし今回の件では大綱にすぎない学習指導要領があたかも「神の言葉」と敬われた大日本帝国憲法であるかのような仰々しさで金科玉条のごとく奉られている印象を受ける。これは教育界に戦時中の超国家主義的な発想がいまだ生き残っている証拠ではないのか。しかも文科省がズカズカと一学校の校内人事に全面介入するほどの逸脱が本当にこの小学校に存在していたのだろうか…怪しい限りである。仮に大学や文科省の今回の判断が正しいとするならば、かつて私が教えていた高校生たちに小中学校時代、しっかりと君が代の歌詞を教えてこなかった千葉県の小中学校の教師たちの方こそ厳しく処罰されるべきであろう。

 きっと文科省の指導の背景には政府与党の強い指導があったに違いない。だとすれば教育における政治的中立性を守るべき文科省や国立大学がいとも容易に政治的圧力に屈し、教員の半数を転出させるという違法なレベルでの厳しい人事介入を行った…すなわち政治的中立性の順守を謳った憲法や教育基本法を厳守すべき文科省が自らそれに違反するような指導を行った、ないしは黙認したということではないのか。

 やはりこの役所の堕落ぶりは想像を絶している。

「不登校の原因はいじめ=0.2%」という文科省と学校を信用できないワケ

   JBpress 石井 志昂,湯浅 大輝 によるストーリー 2023.8.18

 現場に長くいた人間からすれば、この手の調査結果は全くと言って良いほど信用できないに決まっている。

公立小・中学でのいじめ認知件数 自治体間で最大30倍の格差

 毎日新聞 によるストーリー 2023.6.21

 学校によってはイジメ認知件数がゼロのところもあったという。もちろん現実的に見て「ゼロ」はありえない数字である。といっても別に驚くことはあるまい。市町村によっては学校からの報告に虚偽が含まれるのは当たり前であり、むしろ普通のことではないのか。管理職が自らを不利にするような報告をお上にあげるわけがない、と思うのが教育界の常識。

   全国学力テストの結果がほぼほぼ信用できないのと同様に、学校の上っ面をフワッとなでる程度の安易な手法による報告や調査で学校現場の実態がつかめる、と思う方が今やあまりにも能天気なのだ。

 いや、もとより調査を命じた側も「やってます」感を演出するためだけに嫌々、調査を行なわせているに過ぎないはず。でなければ神戸市のようにイジメ事件の隠蔽が学校や教育委員会の中で執拗に繰り返されるはずがないのである。

   逆に文科省が各教育委員会や学校の牢固な隠蔽体質を知らぬわけがあるまい。所詮は「同じ穴のむじな」、この調査自体が国民を欺くだけの、ただの茶番だと思うべきだろう。

 

   しかし、こうしたアリバイ作りを主な目的とする虚しいだけの仕事だからといって決して侮ってはいけない。学校のブラック化はお上から送り付けてくるアリバイ作りのためだけのような文書の山が生み出している側面もあるからだ。

   教員不足が問題視される以前から指摘されていたのが、学校における管理職希望者の減少であった。実際、傍から見ていても教頭や教務主任の仕事量は異常なほど多く多岐にわたってきている。

 管理職として必要とされる能力はもはや学校教育への深い理解や豊富な経験、授業の力などではなく、膨大な事務仕事を滞りなく表面的にスマートにこなす事務処理能力の高さに特化してきているという印象が強い。

 形骸化した事務仕事の削減は文科省以下、すべての部署に共通した切実な願いとなっているはずだ。そしてこの願いが実現するためには予算と人員の増大が必要不可欠であることは言うまでもなく、しかも予算増の可能性は現政権下、限りなくゼロに近い。こうしたことに由来する先の見えない絶望感こそが現今、多くの教師の心身を追い詰めている最大の元凶なのではあるまいか。

いじめで不登校、学校からの認知報告は卒業後 保護者は再調査求める

 朝日新聞社 によるストーリー 2024.4.4

 一体、いつになったらこの手の問題が無くなるのだろうか。この種の問題が執拗に繰り返されている現状こそ、被害者側が学校や教育委員会に期待しているうちは問題解決がほとんど不可能だということを物語ってはいまいか。教師だけではなく、保護者もまた教育行政への過剰な期待を捨てるべきなのではあるまいか。

 

イメージは「しんどそう」だけど…将来の夢を「先生」にしてね 兵庫県教委が高校

   に職員派遣、やりがい語る 

  神戸新聞NEXT/神戸新聞社 によるストーリー 2023.7.7

 学校のブラック化を主因とする教師不足が深刻化する中で若者の教職離れを食い止めようと各地の教育委員会が躍起になるあまり、恥も外聞もなく教員採用試験のハードルをひたすら下げてしまおうとしている。これは言ってみれば教職の大安売り、たたき売りを全国規模で展開しているようなものであろう。

 

   この状況がどんなに酷く、みっともない話なのか、極端な例だが、分かりやすいので医者で例えてみよう。仮に深刻な医師不足を理由に医師会の判断で医師の免許を持たない人が医師として病院に勤められるようになったとしたらどうだろう。さて、免許を持たない人が今、あなたの目の前で不安げにメスを握っていて、これから震える手であなたの心臓を手術する…患者の立場からすれば身震いするほどおぞましい光景ではないか。

   実際、地方によってはほとんど教師養成教育を受けておらず、免許すら持たない人まで教壇に立たせる動きが出ているのだ。医者ほどの高度な専門性を要求されない教職ではあるが、それでも児童生徒の命を預かり、将来の進路にまで深く関わってしまう仕事ではある。

 

   「国家百年の大計」を委ねられた教師が今や希望すれば誰でもなれてしまう…どう見ても正常な事態とは思えない。しかしうがった見方をすれば現在の教職価値の暴落は軍拡のために教育予算を削減すべく、教師の賃金を低く抑え、待遇をさらに悪化させる口実には利用できるだろう。案外、政府や文科省、県教委の狙いもそこにあるのかもしれない。

   ただし教師に将来を左右されかねない児童生徒の立場から見ればこの新規採用を巡る人事はまさに噴飯物となる。今、教育委員会に蔑ろにされ、心底馬鹿にされているのは現場の教師だけではない。むしろ児童生徒やその保護者側なのである。

 

   しかも教師間のイジメやイジメ自殺事件の隠蔽などの悪質な不祥事が繰り返されてきた兵庫県では「やりがい搾取」の実態を放置してきた張本人の県教委がついに自ら高校へ乗り込み、無反省にも教職の「やりがい」をエサにして生徒たちをブラック職場に勧誘するという詐欺まがいの行為を行っているらしい。

   おそらく彼らからすれば学校というブラック職場は悪意ある第三者が作り出す間違った「イメージ」、すなわちマスコミが作り出した幻想に過ぎないのだ。現在の教師不足は無責任なマスコミが垂れ流した風評のもたらした被害の一つであり、我々はその後始末に追われている可哀そうな被害者…

   しかしもういい加減、騙されてはなるまい。これは有為な青少年の将来を徒に毀損し、人生をブラック化させかねない、まさに教育の名をかたる詐欺的犯罪行為そのものと見るべきなのである。これまで学校というブラック職場で心身を破壊され、命まで奪われた数多くの教師や生徒たち、その遺族の痛みを、実際、彼らはこれまでずぅーっと世間から見えないよう、巧妙に隠蔽してきたのだから。

参考記事

校長、教頭、教職員計78人を懲戒 異例の大量処分…出張旅費の不正受給が横行、服務規程も守られず 

 東京新聞 2024.2.15

 まさに公教育のメルトダウン、末期的症状とはこのような現象をさすのかもしれない。おそらくこれでも今回表沙汰になったのは「氷山の一角」に過ぎないだろう。これは川崎市における市立学校の多くが校長以下、全職員規模で完全にコンプライアンス無視の暴走を常態化させてしまい、どうにも止まらなくなってしまった結果だと思われる。

 ほとんど土砂崩れ状態でいったん足元から地盤ごと滑り出してしまうと、多くの人は踏ん張りが効かず、ひたすら状況に流されるままとなる。ここまで来てしまうと土砂崩れ現場の人間ではもはやどうにもなるまい。

 漫然としているといずれ千葉県でもいくつかの学校がこのような事態を招くのではあるまいか。こうした事件の背景にあるのは全教師レベルに蔓延する打ちのめされそうなほどの無力感だろう。多くの職員に共有される極めて低い自己効力感、組織効力感がついには学校の隅々まで沈滞させ、どんよりとさせてしまっているのではあるまいか。

 一体、何が彼らをここまで駆り立ててしまったのか…教育行政の責任は重大である。末端の職員をどんなに処罰しても事態は悪化するだけかもしれない。そもそも上級責任者が自分の責任を棚に上げて下々を処罰するだけの醜い人事が横行するような組織に明るい未来が来るわけはない。

「傍聴ブロック」なき今、強制わいせつ罪に問われた元校長に判決 被害者の不信を強めた横浜市教委

   のやり方 東京新聞 2024.5.25

 

・学校教育と政治

参考記事

京大総長からの学位記「受領は拒否いたします!」 学生のスピーチがSNSで話題 伝

    えたかったことは withnews 2025.5.31

※参考動画

トランプ政権が圧力 ハーバード大学で卒業式 「政府が何をするかわからず、なす 

    すべもない」日本の留学生ら不安ぬぐえず

    TBS NEWS DIG Powered by JNN  2025/05/30  3:22

【ハーバード問題】日本人教員「大半が大学を支持」分断が加速?入山章栄氏「米

    の反知性主義VS学費4000万円の超エリート」|アベヒル

    ABEMAニュース【公式】 2025/05/26  20:14

    政治と教育との密接な関係性が日本の京都大学とアメリカのハーバード大学での動きを巡って露わとなってきている。学校教育に対して政府が強い影響力を及ぼそうとすることは世界中で見られてきた。今回の件では大学における学問の自由が政府によって脅かされている点で共通しているが、日米では大学の動きが対照的である。ここではトランプへの批判よりも、日本の学校教育が政治や経済にひたすら従属してきたこれまでの教育の在り方を根底的に問い直したい。

 

・横浜市教委裁判傍聴動員

形だけでは意味はない いじめ自殺対応で横浜市教委が失った信頼 神奈川 ノートの

   片隅で 産経新聞 2024.9.3

  「市教委が地に落ちた信頼を取り戻すには、子供を守る心からの行動を積み重ねるしかない」との指摘だが、この程度の精神論でイジメ隠蔽体質が改善できるわけは無かろう。教育委員会での人事評価の基準と画一的な管理主義を具体的に見直していく手順を自ら示せない内は何をしてもダメ。

 しかしこの組織に自浄能力を期待するのはもう辞めておこう。それに文科省自体が変わらなければ地方が変われる部分は小さいに違いあるまい。教育行政全体において上意下達の長老支配が終わらない限り、失われた信頼を取り戻すことは無理である。

横浜市教委、5人懲戒処分 裁判傍聴に職員動員問題、いじめ対応巡り

   毎日新聞 によるストーリー 2024.8.24

   横浜市立中2年の女子生徒が2020年、いじめを受けて自殺した件で、横浜市教育委員会が学校に対していじめを認知したことを報告する文書を取り下げるよう指示していたことが判明したという。神戸市でも似たような事件があり、学校以上に教育委員会の隠蔽体質が問われる結果となった。教師たちの中でどういう人物が校長や教頭になっていくのか…世間から疑われても仕方あるまい。

   裁判傍聴への動員問題でも隠蔽体質の根深さが表面化してしまっている。彼らが教員採用を行っているのだから、彼らに採用された横浜市の教師全体の資質にまで疑問が生じてしまいかねない由々しき事態である。この程度の処分で済ませられる問題だとはまったく思えないのだが、いかがか。

被害者側からの要請「明確な記録なし」 横浜市教委、傍聴動員問題で

 朝日新聞デジタル記事 堅島敢太郎 2024年5月22日 21時18分

 教員によるセクハラ等の事件を裁く裁判で大勢の教職員を法廷に送り込み、一般の人々の傍聴を阻止しようとした横浜市教委の件。教委側が保護者の要請によってこうした事態を招いてしまったという言い訳が実は自己保身のためのウソであったという可能性が出てきている。「明確な記録」が残されていないのに、被害者側の要請があった、とする往生際の悪さ…もしもウソという事になれば重大な責任問題に発展するだろうし、前教育長が法廷侮辱罪等で訴えられてもおかしくはあるまい。本来ならばこの時点で横浜市や神奈川県教委は前教育長及び関係職員への厳しい罰則を科すべきではなかろうか。

横浜市教委の「傍聴ブロック」、外部検証チームを立ち上げ 弁護士3人で6月中に対

 応へ 東京新聞 2024.5.27

   どうやら保護者の要請があったことは文書で確認できたそうだが、横浜市として弁護士を3人外部から招き、調査することになったらしい。詳しい調査結果が公表されるのを待ちたい。

監査を重く見ていただきたい」市教委に委員が指弾 横浜市裁判傍聴妨害めぐる監

 査請求 産経新聞 2024.7.5

 鹿児島県警と似たような、身内をかばうための隠蔽の可能性を強く感じる。

わいせつ教員裁判の傍聴動員を決めた前教育長、その後は「安易な前例踏襲や追

 随」で計11回 読売新聞 によるストーリー 2024.7.28

 やはり隠蔽としか思えない。

 

・鹿児島県警内部告発事件

 軍隊や警察と学校とは本質的に似た者同士と昔からよく言われてきた。この事件は学校でのイジメ隠ぺい事件が多発する中で軍隊や警察と学校とが実際に「同じ穴の狢」であることを確認できる格好の事例であろう。授業では学校と軍隊や警察が体質的に似通っている点を生徒たちに考えさせたい。まずこれらの組織が共通して引き起こしてきた隠蔽事件について様々な事例を生徒たちに挙げさせ、その背景にある恐ろしい非人権的な組織的体質を考えさせてはいかがか。

公益通報潰しに報道弾圧…前代未聞の「警察不祥事」、告発文書「返還」求めた鹿

 児島県警からの通話全容弁護士ドットコムニュース  2024.6.17

 …いくらなんでも鹿児島から札幌まで強制捜査に乗り込んでくることはあるまいと高を括っていたが、なにしろ相手は平気で報道機関を家宅捜索して取材の秘密をあっさり侵害してしまう組織。せめて問題の文書だけでも万が一の押収を回避したいと、札幌市内の弁護士に管理を委任することにしたのだった。もちろん、弁護士の名前は県警に伝えていない…という件に戦慄を覚える。鹿児島県警の隠蔽体質と人権軽視の強硬姿勢が露呈してしまっているからだ。

※参考動画

 〇容疑者コメント「本部長でなければ誰でもよかった」名指しの幹部を変えた理由 鹿児島県警情報

  漏えい事件 (24/06/10 19:20) 鹿児島ニュースKTS  2024/06/10 2:41

 ◎鹿児島県警元幹部「闇を暴いてください」元キャリアも指摘する異例さ【サタデーステーション】 

  ANNnewsCH  2024/06/08 10:31

 ◎文書受け取った記者『闇を暴いてください』と 県警本部長が議会で改めて「隠蔽」否定【報道ス

  テーション】(2024年6月11日) ANNnewsCH  2024/06/12 6:34

 ◎「証拠の返還を」鹿児島県警“情報漏えい”内部文書を受け取ったライターが証言 電話やりとりか

  ら浮かぶ捜査の一端【news23】TBS NEWS DIG Powered by JNN 2024/06/12  11:10 

  これが公益通報なのか、情報漏洩、守秘義務違反なのか、今のところ不透明ではあるが、いずれに

  せよ第三者機関がきっちりとした事実確認を行う必要はあるだろう。この件に関して県議会の及び

  腰がほぼ明らかなので議会による追及はまず期待できない。当然、県警の調査は信用できそうもな

  いので、検察が動けるのかどうか…今後の動向を注視したい。

 〇#656 【塩ちゃんねる】鹿児島県警の隠蔽がついに~長くかかりましたが、ようやく始まったばか

  り~ 塩ちゃんねる 2024/06/06 4:41

  国会議員も以前から注目してきた鹿児島県警の隠蔽体質、なかなか根深いものがありそうだ。