⑯高校野球の裏側

※この記事は常に新鮮なネタを提供すべく、随時、更新されています。

 

参考記事

甲子園出場で学校にのしかかる巨額負担の実態

 東洋経済オンライン 広尾 晃 2026.4.9

 この実態は公費負担を原則とする公教育を大きく歪めるレベルであるはずだ。同じ金額を全国大会に出場する他の部活にも学校側が負担することは、公立高校としてほぼ不可能である。明らかに野球部だけ突出して支出が多い。

 高体連の中に高野連が属しておらず、二つに分裂していること自体も公平を基本とする公教育において極めて不自然であり、大きな問題であろう。一体、いつまでこの問題を高野連や文科省は放置しているのだろう。春夏の甲子園大会に深く関与してきた朝日新聞やテレ朝、毎日新聞やTBSはなぜ、公教育を揺るがしかねないこの問題を責任あるマスコミとして直視してこなかったのだろう。

 表面的には公平性や中立性を謳うことで過剰な画一性や管理主義を生み出してきた日本の公教育の裏側には、表向きの謳い文句とはまったく異なる深刻な格差、偏向、経済的利害が横たわっているようである。

 

広陵高校野球部イジメ問題

参考動画

【広陵暴力事案・朝日新聞の大問題】広陵とジャニーズ問題との類似性|加害者擁

    護する保護者・OBの心理|一戦必勝・トーナメント制の是非|教育の場でのビール

    販売を考える【中野慧】  文藝春秋PLUS 公式チャンネル 2025/08/24  29:16

 確かに高体連と独立して高野連が存在している事の問題は極めて大きいだろう。とりわけ朝日や毎日、NHK(甲子園大会のテレビ放映)といった大手メディアとの密接な関係を持ち、莫大な金銭が動く高校野球の在り方を根本的に見直すべきであると考えるが、いかがか。

    世間の注目を浴びることの多い高校野球の裏側ではびこる部内での陰湿な暴力、イジメ…人権感覚の鈍い高校野球界全体の体質改善が急がれるだろう。

【広陵野球部の炎上を徹底分析】広陵だけの問題ではない|体罰をネタにする”

    ロ野球選手|問題は高野連の独立|野球を特別にしたのは何か|連帯責任からの

    緩和が悪い方向に|体育会系の問題とは【中野慧】

    文藝春秋PLUS 公式チャンネル 2025/08/24  24:59

    野球に限らずスポーツ強豪校が経営や金銭の絡む勝利至上主義のもとで抱えてきた構造的問題に注目しないと、特定の加害者や監督、学校の問題に矮小化してしまうのでは…という指摘は高校スポーツ界に留まらず、極めて重要な認識だろう。

【暴力問題】広陵高校の遅すぎた甲子園辞退…テレビが報じないこの問題の諸悪の

    根源を解説 下矢一良の正直メディア 2025/08/11  19:10

    高野連の組織的体質に関わる問題点が中心。高校側の問題点は触れられていない。 

参考記事

収束気配が見えない広陵高野球部の暴力問題 夏の甲子園辞退から1カ月、学校経営

    にも暗雲 産経新聞 2025.9.10

 保護者同士の対立まで生み出したこの問題、ひたすら泥沼化の方向に進みそうだ。

広陵野球部内暴力問題で加害生徒が告訴 1月からの事案の経過

    日刊スポーツ新聞社 2025.9.9

 この問題、いまやこじれにこじれ、どうやら最悪の展開をたどりつつあるようで、ついには泥仕合の様相を呈してきたようだ。

 この事案が判明した当初の、野球部を含めた学校側や高野連の対応に、事件の軽視や隠蔽にあたるような、大きな落ち度が有りはしなかっただろうか。旭川女子中学生凍死事件がそうであったように、最初の段階での「ボタンの掛け違い」が取り返しのつかない大混乱を発生させてしまうことはよくある。旭川の件が私たちに示した最大の教訓は、イジメ案件が判明した際の学校側の初動のあり方次第で、事案の行方が決定的に左右されてしまう、という事であったはずだ。

 この案件では事実関係の確認がどこまで進んでいるのか、いまだに判然としない部分を残しているように見える。そんなモヤモヤ感が残る中でネット民が勝手な憶測で無責任な発信をするのはもちろん違法行為であろう。

 旭川でもイジメ被害者だけではなく、加害者側および学校教師側のプライバシーが不法にもSNS上にさらされてしまっている。被害、加害を問わず、誰であっても個人のプライバシー侵害と誹謗中傷を行うような行為は決して許されてはなるまい。

 とはいえやはり学校側にもそれなりの落ち度はあったように見受けられるが、いかがか。早くから学校側がこの案件をイジメ重大事態として認定し、第三者委員会を設けてきちんと事実確認をしておけば、ここまで事態が紛糾することは無かったはずである。広陵高校の学校運営まで大きく揺さぶる事態に発展してしまった原因に学校自身の認識の甘さと対応の遅れがあった…世間的にそう思われても仕方あるまい。

企業が体育会系の学生を欲しがる「本当の理由」… 広陵高校問題を機に浮上した

    「ハラスメント耐性がある」説に専門家の見解は

    集英社オンライン 2025.8.20

 ハラスメント耐性がある、ということはハラスメント体質がある、ということと完全に無関係ではいられないはずである。もちろん、ハラスメント耐性のある人物がすべてハラスメント体質というわけではない。しかしそうした体育会系教師たちは、少なからずの割合で年功序列型であり、管理主義的であり、同調圧力が強く、保守的であることはほぼ間違いない。

    そしてこうした体育会系が学校社会においては生徒指導部に数多く集まることも明白な事実である。だからこそブラック校則はなくならないのだ。そして残念なことに、千葉県ではそうした教師ほど学校の管理職となってきた経緯がある。

 つまり「教育委員会が体育会系の教師を欲しがる」本当の理由は明快である。各教育委員会にとっては、文科省の方針に常に忠実であり、変革を好まず、体制の保守管理にばかり精を出す人物が出来る限り多いにこしたことはないのだ。したがって文科省抜きで、教育委員会主導により学校の何かが良い方向に新しく変わっていくことを、学校現場は決して期待してはなるまい。

 すなわち仮にある程度のスピード感を持って学校教育を変える必要があるのならば、まずは体育会系の教師を出来る限り学校現場と教育委員会から、社会教育など、別の場所に異動していただく必要がある、ということだ。「改革を求める学校現場が体育会系の教師を欲しがらない」本当の理由はそこにあるだろう。

「まるで戦時下の報道だ」広陵高校の暴力問題→甲子園主催の朝日新聞は沈黙…見

    て見ぬふりをした新聞社の責任とは    文春オンライン プチ鹿島 2025.8.19

体罰はなぜなくならない? 「閉鎖空間と甲子園至上主義」が生む負の連鎖 元球児の

    教授が指摘 弁護士ドットコムニュース 2025.8.19

    甲子園大会について「たとえば、テレビ中継をやめてみたらどうでしょう。そうすれば、世間の関心は落ち着き、勝利至上主義も和らぐ可能性がある。結果として、選手の野球を楽しむ権利も、他の部活動と同程度に守られるのでは」と説明する…という渋倉教授の指摘には納得させられるだろう。裏を返せばこれまで甲子園大会を主催して野球熱を過剰なまでに煽ってきた朝日、毎日の罪深さを思わずにはいられない。

 

教職員の過労死、2015~23年度に38人 公立小中学校で    朝日新聞社 2025.6.28

 なぜ高校のデータが無いのか、高校のデータを除く事にどんな合理的理由があるのか、まずは朝日新聞に問いたい。教員の過労死問題を扱うにあたって小中学校のデータだけで語ろうとするのはあまりにも片手落ちではあるまいか。部活動の盛んな高校では他の職業からすれば常識ではあり得ないほどのサービス残業が特定の顧問に生じていたはずである。

 30年近く前に一年間365日、ただの一度も部活動を休まない高校の部活動(富山のハンドボール部)がテレビで紹介されたことがある。当時は野球部の多くがほとんど休み無しの指導で有名だった。個人的には学年の遠足を部員だけ早めに切り上げさせて強制的に学校に帰らせ、夜まで練習に費やしているバレーボール部顧問を見たことがある。どの高校であろうとも若い教師にとってこの時代、月に120~140時間程度の残業は通常のノルマですらあった。

 自分自身の記憶では20年ほど前も、部活指導で月に100時間近くの残業(休日での指導を含む)を続けていた時期があった。そうした経験からすれば…文部科学省が月ごとの時間外勤務に「45時間」という上限を設けた…と規定にあったとしても、この規定、本当に守られてきたのだろうか、怪しい限りである。おそらく管理職にバレないよう、学校外で密かに練習している部活が今も存在しているのではあるまいか。「部活命」は決して生徒だけではない。

 今や、部活好きな顧問には好きなだけやらせておけばよい、というわけにはいかないだろう。コンプライアンスが厳しく問われる現在、部活中の事件、事故は管理職の地位を脅かしかねないほどに大きな懸念材料となっており、管理職としては自己保身の面でも部活動による残業をそうやすやすと見逃すわけにはいくまい。

 残業問題の多くは保護者、生徒を巻き込んだ部活動の度を越えた過熱ぶりにあると考えるが、いかがか。保護者も含めて今の50代まではスポ根アニメや熱血教師のドラマの影響を多少、引き摺っている世代であろう。その世代ではもっぱら部活動の指導をしたいがために教師となった者すら、決して少なくはあるまい。

 しかし高校の場合、教師の本務はあくまで授業であるべきだろう。高校教師にとって部活動の過熱は本務を疎かにしかねない点で決して好ましくはない。他方で中学校では部活動の地域移管が進められつつあるが、なぜか高校では部活動問題があまり議論の俎上にのせられてこなかった。そしてこの記事の様に、教員の過労死統計からなぜか高校教師が除外されて報道されてしまっている。高校では野球部の顧問の過労死が疑われるケースはけっして少なくないはずなのに、これは一体、どういうことなのだろうか?地球温暖化によって開催時期に関しても問題の多い夏の甲子園大会を主催してきた朝日新聞の責任…この件でもきわめて重大であろう。

・「大谷のグラブ」対応から見える学校教育と日本の野球界の問題点

参考記事

大谷グローブ、それぞれの「今」を追った 校内野球大会のきっかけに、「キャッチ

 ボール禁止」の学校では… 東京新聞 2024.9.20

 案の定、大谷グローブを持て余している学校は少なからず存在している。ドジャースに移籍後の今年度はさらに大きな注目を集めている大谷選手だが、グローブの方は本人程の活躍が見られない。

 授業での論点は効果的な寄付のあり方に関するポイントと日本の野球界及び学校の抱える問題点の二つに分けて考えられるだろうか。生徒たちの興味をひきやすい話題であるが、論点を整理するのはかなり難しい。教師としては事前にそれなりの予備知識を蓄えてから議論に持ち込みたい。

「早くウチの子供に使わせろ!」“大谷グローブ”を巡って教育現場が頭を悩ませる

 ワケ 日刊SPA! の意見 2024.5.13

大谷選手の寄贈グラブの活用は難しい?「キャッチボールもしていません」 校庭で

 野球禁止の学校も AERA dot. 米倉昭仁 によるストーリー 2024.2.3

大谷翔平の小学校寄贈グローブが「10万円転売騒動」「屋外使用厳禁」剥き出しに

 なるオトナたちの醜態 アサ芸プラス によるストーリー  2024.1.23

大谷翔平の『寄贈グローブ』で全国の小学校に広がる混乱 使用ルール”決まらない

 なか、保護者からの要求がエスカレートすることも

 NEWSポストセブン の意見 2024.1.25

 こうした醜い状況が生まれてしまった原因はどこにあるのだろう。グローブを受け取った学校側の対応にはもちろん大きな問題が少しずつ露見してきている。相当程度ブラック化している小学校にとって12月から順次寄贈されるグローブへの対応は頭を抱えるレベルの難問であるはず。「10万円転売」問題は早くから予想できたことであり、そうならないためにはどうしたらよいのか…まさか校長室に飾るだけでは大谷選手の意向を無視することになりかねない。

 おそらく有効な活用方法は簡単には見いだせないだろう。寄贈されたグローブをどのように扱うのが理想的なのか、生徒たちに提案してもらうと議論がはずむかもしれないが、じつは学校長以下、ベテランの教師たちであっもこれはかなり難易度の高い課題。今は学校の繁忙期。こんな時に奇妙な難題を吹っ掛けられてしまった小学校の方こそ困惑するばかりで、学校によってはまさに「有難迷惑」そのものに違いない。

 当然、グローブを寄贈した大谷選手側にもかなり問題がありそうだ。日本での野球人気を少年野球の段階から盛り上げることが大谷選手の狙いのようだが、このやり方で本当に良かったのかどうかは疑念が残る。ただでさえ、大型の寄付は難しい。マイクロソフトの創設者ビル・ゲイツは寄付をするためだけの財団を立ち上げて大勢の検討のもとに寄付を行っている。大谷選手側にそうした熟慮があったとは思えない。

 大谷選手側のどこに問題があり、野球人気回復の方途はどうあるべきなのか、についても生徒から意見を募りたい。もちろん、野球人気の回復など学校側が特にする必要は無い、との意見が出るかもしれず、その場合はぜひ賛否を問いたい。

 

・野球離れの持つ意味

参考動画

【ゆっくり解説】ブラックすぎる…過酷な昭和の運動部の実態についてゆっくり解

 説! ゆっくり昭和の記憶  2021/10/31  11:14

 PL学園の野球部廃部に象徴されるブラック部活の問題は特に野球部の問題として注目された。部活動中の熱中症による死亡例の4分の1が野球部であることに示されるように、不合理な「しごき」が特訓とされてしまう風土がとりわけ野球界に蔓延していたのは間違いない。「ゆっくり解説」のシリーズは多少、うけ狙いの危うさが感じられるが、この動画は比較的バランス良く、偏りがあまり見られない点でオススメ。

 生徒たちには取っ付きやすい動画なので授業の導入として利用できるだろう。

【野球離れ】甲子園は高校生にとってベストなのか?20年で部員半減の厳しさも?

   スポーツ業界における野球の役割|《アベマで放送中》2022/05/14 12:43

【指導】「チームを強化するために」パワハラ解任の横浜高校元監督の失敗とは?

 安藤美姫が明かすコーチとの信頼関係と罵声?スポーツと体罰|2021/11/12 

 ABEMA 変わる報道番組#アベプラ【公式】 29:36

 安藤氏や夏野氏の意見に注目したい。頂点を目指すトップアスリートの世界では厳しい指導と暴言や体罰は紙一重であり、その場の状況や指導者と選手との信頼関係が問われてくる。必ずしも一律に外部から体罰や暴言が適用されるとなれば指導者側だけでなく選手側まで困惑しかねないだろう。しかし学校の部活動においては生徒達に退部の自由があるとは限らず、もはや指導者による暴言や体罰が許される余地はコンプライアンス重視の現在、ほぼなくなってきていると見て良いだろう。

参考記事

「どうか生徒たちへの誹謗中傷はお控え頂き」高校野球強豪校の監督が訴え、コー

 ルド敗退を受け投稿 まいどなニュース の意見 2024.9.17

 高校での討論型授業においては絶好の素材であろう。もちろんネット上での誹謗中傷の是非については今更生徒たちに訊くまでもあるまい。討論の議題とすべき課題はなぜ、今、甲子園球児への激しい誹謗中傷が起きてしまったのか、その原因追及の方であろう。

 おそらく甲子園という大舞台でテレビ放送され、都道府県の期待を一身に集めて行われるこの大会の意義、あるいは野球人気の低落の原因、部活動の意義、応援する側の過熱しがちな心理、マスコミによる煽り気味の報道のあり方、スポーツを含む日本の学校の勝利至上主義のあり方、プロ野球と高校野球との癒着構造…議論のテーマは広く拡散してしまうに違いない。

 しかし、今回はむしろ積極的に広く課題、問題発生の原因を探らせていくべきテーマとして取り上げても可。つまり一つの社会問題の背景に潜む、様々な課題を広い視野から逐次拾い上げていく練習を積むことの意義は決して小さくあるまい。これを授業目標のメインに据える時間があっても良いのではあるまいか。

 とすればここでそれぞれの課題を逐一深堀りする必要は必ずしも無く、後日、他のテーマの際にも同様の課題が指摘されたときにはあらためて深堀りする…といった展開でも良いと思うが、いかがか。

私立高校の野球部で監督らが暴言や暴行か…保護者会で謝罪 バドミントン部でも

 長崎市 日テレNEWS 2022.12.16

 スポーツ強豪校ではありがちな事件。1970年代に全盛期を迎えたスポ根アニメ、青春ドラマ、ホームドラマなどにつきものの体罰やしごきは今の60歳代の教師、さらにはその教え子の世代である50歳代、40歳代にも連綿として受け継がれている。結果を出さなければならないスポーツ強豪校にとっては極めて克服が難しい問題であろう。中学だけではなく高校でも運動部指導の民間委託を徹底させる方がこの問題をスピード解決するには最適なような気がするが、いかがだろう。

甲子園で長髪旋風! 非丸刈りチームの決勝進出が確定 「高校生らしくない」に著

 名人が反論「時代は常に変化」 ENCOUNT によるストーリー 2023.8.19

 この話題から入ると高野連や運動部の抱えてきた問題点を浮き彫りにしやすいだろ

う。まずは高校野球での「丸刈り」に対して賛否を問い、それぞれの理由を挙げさ

せてみたい。

高校生3人に1人、部活の大会で髪形注意された経験 「前髪上げろ」

 毎日新聞 によるストーリー 2023.12.15

 部活動の隠れた役割にも注目したい。

高校野球で「そんなの認めない」 ペッパーミルだけじゃない、審判の怒りを買っ

 た球児の行為  AERA dot. 2023.4.5

 討論のテーマとして格好の素材になるだろう。

球児よりヤバいのは審判・チアガール・吹奏楽・観客…夏の甲子園でバタバタ倒れ「熱

 中症死」が出る日 プレジデントオンライン 酒井 政人  2023.8.8

【甲子園】6回に土浦日大、上田西の両チームの選手が動けなくなりベンチに運ば

 れる 今大会から暑熱対策を実施 報知新聞社 によるストーリー 2023.8.6

もう夏の甲子園はやめませんか?高校野球を巡る諸問題はやめれば解決する

 Bpress 関 瑶子 によるストーリー 2023.8.5

 児童、生徒の野球離れに危機感を持つ野球関係者は多い。大リーグでの大谷翔平選

手の活躍はあるものの、ひと頃に比べれば日本の野球への関心は確かに低下しつつあるだろう。野球部員の人数がそろわずに他校との合同チームを組むことを余儀なくされ、ついには廃部に追い込まれる、などといった残念なケースが少子化の進展も手伝って徐々に数を増しているという。

 しかし高校教育における野球の問題点はそうした野球人気の陰りとは別の観点からもこれまで数多く指摘されてきた。高校にはスポーツ指導者の団体として体育科の教師を中核とする「高体連」があるが、なぜか野球だけは別格扱いで「高野連」という野球部顧問中心の教科枠を超えた組織が高校野球を仕切ってきた。

 そして野球部員たちにかつて丸刈りを事実上、強制してきた厳格な高野連ルールはこれまでも幾度か物議をかもしてきている。いわゆるブラック校則を側面から支えてきた高野連の体質には昔から多くの根深い問題があったとみられるのだ。

 実は高校教師の異動に際して高野連が介入する「高野連人事」がかつて普通に見られた。もちろん「高体連人事」もあるにはあったし、種目によってかなり事情は異なるだろうが、多くの場合、高野連ほど露骨ではなかったという個人的印象がある。皆さんの場合、いかがだろう。そこそこ有名な野球監督であるならば自ら望まない限り、野球部の存在しない女子高や定時制、通信制に異動することは私の記憶では一度も無かった。

 他方で私生活を犠牲にして野球指導に専心する顧問の負担は極めて過酷であり、自身の家庭生活や心身の破綻を招くことも少なからず見られた。すなわちブラック校則のみならず、職場としての学校のブラック化を側面から支えてきたのも実は高野連であったといえよう。

 ただの「野球バカ」が礼賛される時代はとっくの昔に終わっているのだ。野球人もまた「献身性の沼」にはまり続ける事の罪深さについて、少しは思いを巡らす時期に来ている。

 部活動過熱化の核として甲子園を頂点とする高校野球の勝利至上主義的あり方があったことは否めない。テレビ放映が地方大会レベルから行われ、高校野球の熱狂的なファンは全国に大勢ひしめいていた。

 野球人気が過熱する陰で根性論、鍛錬主義に基づく体罰や暴言、先輩による後輩へのしごきなどが当たり前のように繰り返されてきたのも間違いなく野球を始めとしたスポーツの世界である。50年以上前のアニメ「巨人の星」を見て育ったカッパたちはとりわけ、今となってはあまりにも行き過ぎた、アノ熱血指導をどうしても賛美しがちな世代であったと思われるが、皆さんはいかがだろう。

 夏の甲子園、春の選抜はそれぞれ朝日新聞と毎日新聞が高野連と共催し、ほとんどの試合は予選の地方大会も含めてNHKによってテレビ放映されている。予選を含めた試合での全校応援もまた多くの高校で見られた。まして甲子園出場ともなれば学校側は大規模な応援団を編成する必要に迫られる。当然、勝ち続ければ一千万単位の予算が必要となり、関係者は卒業生などに寄付を募るなど、甲子園大会は周囲の人々に様々な労力と金銭面での大きな負担をも強いてきた。

 他のスポーツではサッカーを除くと全国大会ですら学校が組織的に応援団を送ることは稀であり、テレビ放映もかなり限定的。高体連の各専門部の資金力も多くの種目では高野連とは比較にならないほど貧弱である。様々な面でのスポーツにおける種目間格差が、特に野球と比べた際の格差の大きさが教育における公平さを欠くのでは…などとかねてから学校現場では指摘されてきていた。近年は多少の改善が見られるものの、いまだに格差解消には程遠いのが実情である。

 マスコミ各社にはぜひこうした問題にも言及していただきたい。

53日間で休み1日だけ中学教諭の「過労死」 訴え認め約8300万円の支払い命

   じる 遺族の思いは 日テレNEWS によるストーリー 2023.7.6

日本の部活動は「滅私奉公」サラリーマンを育てる隠れカリキュラム

   ニューズウィーク日本版 によるストーリー 2024.5.30

 

 ふと気づくとそういえば一か月間、一日も休んでいなかった…若いころは疲れ気味の自分自身に対する思いやりなど持てず、有給休暇を一年間で一度もとっていないことを武勇伝であるかのように自慢する傾向が自分にもあったことは否めない。文化祭の準備でさえ午前様になることは珍しくなかった時代があったのだ。

   こうした先輩教師たちの武勇伝は美談化されることでおそらく後輩たちを相当追い詰めていただろう。無謀なまでの精神主義的根性論を柱とする心性は子供時代、「スポ根アニメ」の洗礼を浴び続けて育った、今や60代となっている元教師に多く見られたように思う。

   私などは間接的にではあるが、こうした過労死事件に心ならずも加担してしまった一員として深く反省しなければなるまい。


   

⑥一面に張り巡らされた献身性のワナ

※この記事は常に新鮮なネタを提供すべく、随時、更新されています。

 

・基本データで確認する日本の教育の貧困  ぶり  

  バブル期にGDPの5.5%余りを占めていた教育予算はバブル崩壊後の1993年には3.5%に下落。これは何と実質4割近くの予算が一気に削減されたことを意味する。

 以後、教育予算が増えることはほとんどなく、現在に至っている。大幅な予算の削減と同じ頃に「ゆとり教育」の推進が検討課題となっていた。今、思うとこれは予算削減のカモフラージュであったのかもしれない。実際、学校への週休二日制の導入と「ゆとり教育」が実現されるならば、未曾有の不景気のご時世において、教育予算が多少削られても教育公務員としては仕方あるまい…という教師側の受け取りがその頃に生じていたのは事実だろう。

 しかし、2000年前後から学校現場はむしろ急速にゆとりをなくしていった。むしろ教員免許更新制によって教師への締め付けばかりが強まり、職員会議はただの一方的な事務連絡の場、上意下達の場と化していった。同時に不登校とイジメが横行、教員の休職、早期退職も目立ってきた。

 もう少し、予算にかかわる基本データを確認してみよう。 

 OECD「図表で見る教育2025」によると…

 日本における初等教育段階から高等教育段階までの在学者1人あたりの教育支出は、年間平均1万4,130米ドル(購買力平価)で、OECD平均の1万5,023米ドル(購買力平価)よりも少なくなっている。教育への投資を対GDP比でみても、日本はわずか3.9%で、OECD平均の4.7%を大きく下回っている。

 このほか、日本はOECD加盟国の中で高等教育段階全体の教員に占める女性の割合が31%で、OECD平均の54%を大きく下回り、もっとも低い状況にある。

 バブル崩壊後、日本政府は実際、何をしてきたのか…厳しく問い直すべきだろう。

 

参考記事

若い女性教師が「学校に行けなくなった」深刻な訳

     東洋経済オンライン 広岡 清伸 2026.3.30

 おそらく認知行動療法をもとにした治療例だと思われるが、この記事で注目したいのは治療法だけではない。教師という仕事が孕んでいる業の深さもまた教師の心を酷く苛む。なまじ教職には有り余るほどの遣り甲斐があるがゆえに、若い教師たちはすべてをきちんとやり遂げようとしてしまう。しかし学校の現状は多くの場合、誰に対しても過酷である。普通の人はどこかで手を抜かなければいつか心身を病む日が来てしまう。それができない真面目で几帳面な人は、学校の現状が大きく変わるまで、教職を避けるべきだろう。症例で挙げられた女性が社会復帰する際に教職から事務職へと職を変えたことは極めて正しい判断だったと思うが、いかがか。

学校の合理的配慮「正しいけどモヤモヤ」する理由

     東洋経済オンライン 武田 緑  

 学校の教師がこの記事を読んで「正しいけどモヤモヤする理由」について簡単に論じてみたい。まず学校の校舎、教室やカリキュラム、教科書、教材、校則などはそもそも児童生徒の多様性などほとんど考慮されず、画一的に設計されている。元来が日本の学校は一人の教師が一斉講義形式で画一的な指導をすることに特化した制度設計に長らく依拠してきたのだ。

 現在、学校に要求されている児童生徒への合理的配慮の多くは、本質的には教師個人の問題ではなく、日本の学校教育の制度設計の問題なのである。この問題を教師個人の微々たる努力工夫や認識のあり方ごときに委ねようとするのは明らかに無理筋であり、政治、行政の誤り、怠慢を教師個人に転嫁する暴論に過ぎないだろう。

 この論点で致命的に欠落しているのは、児童生徒への合理的配慮と同時に教師への合理的配慮がより一層必要とされてきている状況に今の学校は置かれている、という認識なのではないか。教師不足の背景に横たわっている危機的な状況への認識が余りにも甘すぎる、というのが本論への端的な感想である。

教員の働き方「見える化」旗振り役に足りない視点

    東洋経済オンライン 妹尾 昌俊 2026.3.23

 この分析力、さすがである。教員ではないのに妹尾氏ほどこの問題に関して現場の教員の感覚に近い分析ができる発信者は他にいないのではあるまいか。改めて貴重な存在だとつくづく感心する。残業の「見えない化」が進行しつつあることは「持ち帰り残業」の実態を把握しようとしない管理職、教育委員会、文科省側の欺瞞によるものであろう。とりわけ教員は何に忙しいかが「見えない」化されつつある。この点に教育行政の最大の欺瞞が隠されているに違いない。

 教育行政側の本音としては教員の「働き方改革」に対して極めて消極的であり、実際には学校のブラック化を放置していたいのが透けて見えてくる。だからこそ、教育委員会から上げられてくる妥当性、信用性の欠けた調査結果を敢えて鵜呑みにして改善の成果を平気で誇示しているのだ。これではロシアで繰り返されているプーチン政権の「高い」支持率の世論調査結果と大差あるまい。

 最も重要な実態の把握をサボり続けている今の文科省に教育行政を主導する資格があるとはまったく思えない。やはり財務省以上に(あるいは財務省と同様に)解体されるべき極悪省庁こそ、文科省なのだ。

日本語ゼロの子どもが次々と転入 国の基準は時代遅れ? 現場が語る切実な声と教育

 の質の行方 FNNプライムオンライン 2026.3.22

 …大切なのは、学校や自治体がしっかり対応できる体制を整えること。そして、短期的な労働力の確保にとどまるのではなく、次の世代の子どもたちが日本社会で活躍しながら共生できるよう、長期的な視点で支援していくことだ。

 少子高齢化とともに地域社会の多様化が進む中、持続可能な共生社会をどのように築いていくのかが、今まさに問われている…

 私が勤めていた三部制定時制では母語を日本語としない生徒数が多く、日本語での授業をほとんど理解できない生徒も一部、存在していた。平仮名すらできない生徒に高校の社会科を大勢の教室の中で教えるのはまず不可能である。まして不登校の生徒も多く、精神面で極めて不安定な生徒もいた。そして学習面で問題のある生徒はさらに多い。宗教面で特別の配慮を要する生徒だっている。

 そうした生徒は往々にして家庭環境に恵まれず、両親が揃っている生徒は極めて少数派である。もちろん生活保護を受けていてギリギリの生活を送っている生徒も少なからずいて、中には児童養護施設から通ってくる生徒もいた。そこに日本語を十分に理解できない生徒が相当数、混じってくる。これだけの困難と多様性に満ちた生徒たちに、日本の高校はしっかりと対応できるだけの体制を全くと言って良いほど備えていない。にもかかわらず多くの場合、定時制高校は入学定員を満たしていないため、希望さえすればどんな生徒でもほぼ全員入学させてしまう。

 とは言え多くの定時制高校の入学時における定員割れはかなり酷く、入学時点で既に一クラス10人台である。つまり、結果的には少数学級が実現できている。しかも入学後、たちまち学校に来なくなる生徒も少なくない。ところが三部制の定時制は、私が勤務していた当時、入学試験倍率が常に一倍を超えていたため、一クラス35人余りの新入生を抱えて毎年、新学年がスタートしていた。

 対して夜間の定時制では不登校だった生徒が比較的少ない。そもそも定員割れの度合いが酷く、10人台でスタートする学級担任の量的負担は午前部や午後部に比べて相対的に軽くなる。もちろん非行少年、学校の指導に逆らう生徒が少なから存在するので、決して担任の負担が軽いとは言えない。質的な面からすれば教師は決して楽ではないだろう。ただし、午前部や午後部の生徒は質、量ともかなりきつい負担を担任に強いてくるのは間違いのない事実である。

 しかし冒頭の切り抜き記事のように、学校や自治体がしっかりと対応できるだけの体制はいつまでたっても十分には整備されてこなかった。にもかかわらず「探求学習」だとか「個に即した」指導とか、大きな困難を抱える生徒たちの就労支援だとか…無理難題ばかりが次々と降りかかってくる。

 こうしたことの積み重ねによって教員の休職や早期退職の増加が生じ、ついには若者の教職離れをもたらしてきた。その結果として教員不足が教師たちの負担を増大させ、教師の休職や早期退職を増やすという悪循環が既に始まっている。そのことへの教育行政側における反省と根本的な改善が遅々として進まぬうちに、またぞろ新たな負担が教師たちに降りかかってくるに違いない…

 どうみても教職の未来は絶望的に暗い。

小学校「朝7時開門」群馬県高崎市の方針に教職員が「猛反対」子どもの安全や、

 教育現場の負担を軽視して 東京新聞 2026.3.22

 高崎市の決定を主導したのは市長や市会議員なのだろう。小学校の現場をまったく知らぬ者たち=政治家たちが、強く「ノー」と言えない公立小学校の教師たちを7時に学校の「開門業務」につかせることを決定したという。

 市教委は内心、迷惑だと感じたに違いないが、結局は教師たちを市の暴政から守ることはせず、腑抜けにも学校現場に丸投げしてきた。これも見飽きてしまった、ごくごくありがちな地方行政の構図…公立学校へのシワ寄せ…

 あたかも教師たちは万能であり、何でも屋であるかのような扱い。そのくせ、奴隷のように社会的地位と給与は低く、時間外手当もほとんどつかない。さらに教師たちには家族が一人も存在していないかのような、実にぞんざいな扱いである。立場の弱い教師たちを守るべき教育委員会は自己保身を図り、むしろ教師たちの敵となって寝返る。これまでも執拗に繰り返されてきた現象である。

 若者の教師離れが加速するのもやむをえまい。

参考動画

【最大の病】"この"ラインを超えると一斉に叩き出す日本社会の闇がヤバい山田玲

    司の原作が10倍おもしろくなる解説【山田玲司 切り抜き】 2025/01/31  11:38

 今、お笑いやアニメ、漫画などの大衆文化を通じて時代の精神を語らせたらこの人の右に出る者はいないのではあるまいか。かの「グレタ叩き」などのネットリンチや炎上を生み出す時代の精神とは一体何か、ネット社会の闇に潜む現代人の心理を探りたいのならば必見の動画だろう。

 ただし、授業で扱うには難しく、時折、解説を加える必要はあると思われる。もちろん社会科の教師としては間違いなく授業の参考となるのでオススメ。教師の仕事における献身性を考える上でもぜひ視聴しておきたい。

【勝利至上主義】順位を決めない学校も?負けず嫌いは成長?本田圭佑&ひろゆき

 |アベプラ ABEMA Prime  2024/08/01  12:38

 大人主導の勝利至上主義は否定するが、子ども主体の勝利主義は必要…成功体験も失敗体験も必要であり、運動に限らず、様々な種目で勝負する、競争する機会を豊富に用意することが教育的には必要。目標達成のために合意形成をすることと同様に目標を立てた後の実行段階の経験も必要…いずれの議論も学校の現状をしっかりと踏まえたものではないため、学校の負担をひたすら重くする、お気軽な第三者的提案ばかりの、好き勝手な議論に終始しているといった印象は否めない。

 まず必要なのは学校の現状把握であろう。競争的な場面が減っているとの印象論ではなく、運動会の種目と実施状況に関する調査データを踏まえた議論にしてほしい。また競技によって生じる正の側面だけではなく、負の側面(事故、指導の負担、自己肯定感の低下…)にもバランス良く目を向けて欲しい。

 もちろん競争的場面は人間関係の中でも登場する。イジメは人間関係における力関係、上下関係の産物であろう。したがってただ競争を煽ればよい、というわけではあるまい。大切なのは勝利を目指す努力、工夫だけではない。自他ともに一つの尺度、限られた尺度で評価するのではなく、沢山の尺度を用いて多面的な人間理解が出来るようにすることである。そしてそのためにも日本の学校は実際、教科の学力だけではなく、運動や芸術、各種の技術、学校行事などを用意してきたのだ。

 とは言え、欧米に比べれば日本の学校は余りにも多くのタスクを抱えすぎたことですっかりブラック化してしまった、と見るべき側面があるのでは。実際、社会的に必要とされている事だからと言って、何も学校だけがタスクを抱える必要など無いだろう。学校は社会に対して分相応の負担を果たせれば良いのである。

 この議論の問題は前提とすべき議論の不在にあるだろう。日本の学校が負うべき分相応の負担とは何か、についての議論がしっかりと行えていないまま、理想論、机上の空論に基づいて学校の果たすべき任務ばかりが追及されてしまうと、学校のキャパを超えた無謀な議論となってしまうのは不可避である。

 最初に厳しく問うべきは日本の学校が今、何が出来て、何が出来ないのか、その原因は何か、しっかりとデータを用いて検証することだと思うが、いかがか。

「全て他人のせい」日本人に主体性が育たない背景とは?レジェンド校長“工藤勇

 一”が指摘する「教育の大問題」【成田修造/宮村優子/平川理恵/西村祐二】

 NewsPicks /ニューズピックス  2024/05/18  14:39

「みんな仲良くなんてできない」先生主体のいじめ対応が子ども自身の解決能力を

 奪う。当事者の生徒達が自ら考え、いじめを解決に導く方法とは?【工藤

 勇一/平川理恵/西村祐二/成田修造/宮村優子】

 NewsPicks /ニューズピックス  2024/05/25  14:31

 工藤氏の主張のポイントは日本の教師の児童生徒への過干渉と管理主義が児童生徒の自主性、当事者意識、主権者意識を損なっている、という点にあるだろう。またこの主張を少し敷衍してみれば教師の過干渉と管理主義が同時に教師の多忙化、学校のブラック化の大きな要因ともなっている可能性に行きつくかもしれない。さらに教師と児童生徒との関係性は教育行政と個々の学校現場との関係性と同質の側面を有しており、行政側の現場への過干渉や管理主義が個々の学校や教師の主体性、当事者意識を損ねるものとなっている。

 日本の教師の過干渉と管理主義は必然的に日本国民の間になかなか民主主義が根付いていかなかった歴史と大いに重なるはずである。そして当事者意識を持って社会問題に主体的に関わろうとする意識を児童生徒らに育むには工藤氏の、議論を柱とする授業こそが求められる。

 イジメ問題の発生を児童生徒たちの主体性、当事者意識、主権者意識を育むうえでの絶好の機会と捉える工藤氏の逆転の発想はイジメ隠蔽に傾く日本の教師たちを過剰支配と過剰労働の悪循環から救い出す力をも秘めているのではあるまいか。

参考記事

学校の裁量拡大で授業の増減可能に、重荷にも?

    東洋経済オンライン 松尾 英明 2026.3.13

 今の教師が欲しているのは決して難しい決断や難易度の高い授業実践ではない。そもそもそれらが実行できるほど、教師たちに余力は残されていない。

 学習指導要領の見直しに際し、教師たちの現実的な体力、意欲、理解力、取り組める時間などがどの程度のものなのか、予め中央教育審議会のメンバーが全員、信頼できるデータを共有してしっかりと見極めておくことが必要不可欠だろう。

 これまでも学習指導要領の改訂の度にきらびやかな理想はいくらでも語られるが、それを実現するために必要とされる条件整備に関してはほとんどまともに保障されないまま、結局は学校現場に丸投げされ、教師たちの疲弊が募ってしまう。学校のブラック化を推進するばかりとなっているこの悪循環を文科省が断たない限り、どんな理想論も絵空事に過ぎない。

絶対おかしい! 授業準備、テストの採点に「残業代が出ない」のはなぜ? 教員の

   “時間外労働”謎ルール All About  坂田 聖一郎  2024.11.12

   同感である。教師の仕事の内、その多くは学校外かつ勤務時間外で行われている。自宅への「お持ち帰りサービス残業」も多い。それらの時間の多くは厳密な測定が難しく、残業手当の対象とするのが困難ではある。したがって教師に対する残業手当の支給が始まったとしても、堂々と残業時間として計上できるものは実態に比べてかなり少ない時間になってしまうのではあるまいか。

 教師の持ち帰り残業は現在、残業代をもらわないサービスであるがゆえに、ある種のお気楽さをも保証されている。たとえば自宅で音楽を聴きながら、ワインを片手に、ペットと戯れつつ…といった、極めてお気楽な「ながら残業」が許される。もちろん仕事に飽きれば、しばし、おやつをつまみ、家族とふざけ合うこともできる。そうしたお気楽さが残業代の支給によって奪われ、職場と同様の緊張感の中で自宅でのお持ち帰り残業を務める、となればそのことに強い抵抗感を持つ教師はきっと少なくあるまい。

 教師の仕事は一旦、自宅に持ち帰るとなれば私生活の自由時間とランダムに混ざり合ってしまうため、どこからどこまでを正式な残業時間として申請するのかを厳密に判断できない場合が少なくない。すなわち教師の、厳密な意味での残業代支給はあくまで休日における研修、部活動、保護者等との面談、修学旅行中の勤務時間外での指導など、ある程度明確に時間が測定できるものに限られてしまうのはおそらくやむを得ないだろう。

 しかしながら自宅での持ち帰り仕事をまったくの無給とするのも完全な間違いであると考える。ノート、プリントといった提出物のチェック、授業準備、文化祭の準備等は教師として極めて重要度の高い仕事であり、定刻を過ぎていたとしても、さらには自宅に持ち帰ったとしても真っ当に評価されるべき不可欠の任務ではある。これをただのボランティアとみなす発想は学校教育を腐敗させるだけではあるまいか。

 そこで教師個々の役割に応じた、給与の基準を作り直すことが必要となってくるはず。クラス担任はどうしてもクラスに関わる事務仕事(成績、出席…)、文化祭や修学旅行の引率、生徒や保護者との面談、HRの運営といった仕事が加わる。したがってまずは担任手当として給与を一律に加算することが必要となる。

 ただし副担任や学年に所属しない教師に様々な分掌の負担が集中する場合も少なからずあるので、分掌の負担を併せて給与に反映させるべきだろう。たとえば学級担任ではなくとも生徒会の顧問、各種委員会(教師の組織)の長、学年での仕事(特に重いのは修学旅行担当)などが特定の教師に集中することはままある。さらに加えて部活動の仕事、たとえばブロック主任などで大きな大会の運営にあたったりすれば、たとえ学級担任や学年、分掌の主任ではなくとも負担は相当、過酷なものとなり、下手をすれば「燃え尽き症候群」にも陥りかねない。

 教務主任、生徒指導部長、進路指導部長、各学年主任はわずかながら主任手当をもらえるが、総務部長や管理部長などは主任手当を支給されないことがこれまでは少なからずあった。実は仕事の量と質に見合った評価や手当を教師がもらえていないケースが学校では数多く見られ、教師間に不公平感を醸成しかねない危険性が学校現場にはかねてから存在していたと個人的には感じてきた。したがって残業問題と同時に、肩書だけではなく、実際の校務の質と量にある程度まで見合った給与の支給をしっかりと検討すべきであろう。

 教職調整額として一律支給するシステムは、教師ならば分掌を問わずに必要とされる自宅への持ち帰り残業を給与として多少とも評価できるようになる点で一定程度有効だが、それだけではかなり雑な評価にとどまってしまう。かといって残業手当の支給にも問題は残る。とすれば、もう少し学校現場の勤務実態に寄り添ったきめ細やかな評価システムの構築が今後は求めらるのだろう。

 その際、学校の種別や個々の学校によって分掌のあり方や割り振りに多少の差異がある点はこの問題解決を難しくしているに違いない。そこでその実態を各都道府県教委などが緊急に調査して、給与・手当に結び付く、できるだけ公正できめ細やかな評価基準の策定を学校種別、職務別に作成すべきだと思うが、いかがか。

嬉々として「サービス残業」する部活顧問の深刻 「やりがい搾取」だけじゃない部活顧

 問の問題点 東洋経済オンライン広尾 晃 の意見 2024.7.28

 部活動の過熱化の背景には過度ともいえるような顧問の献身的、自己犠牲的指導が潜んでいる。実は部活動のみならず、教師の職務には専念すればするほどにやりがいが増してきてその中毒性から抜けられなくなるものが少なくない。たとえば生徒会の顧問や就職指導、文化祭の指導などもやりがいが大きいために強い中毒性があり、幾度転勤しても同じ仕事を希望し続ける教師は少なくない。

 かつてはそうした教師が熱心な教師としてもてはやされたため、多くの熱意ある教師が自己犠牲的精神を持って特定の業務に専念してきた。しかし生徒数の減少による学校の小規模化と事務仕事の肥大化が教師たちから仕事への熱意を奪い始めていたことを見逃してはなるまい。

 学校の小規模化は一人の教師の仕事の種類を増やし、一つ一つの職務の責任を重くしていく。特定の職務ならば自己犠牲的献身を惜しまない教師であっても、場合によっては苦手な職務を複数、任されることが不可避となってくる。そこに意味不明なブルシットジョブがこれでもかと言わんばかりにのしかかってくる。やがて教師たちの熱意は空回りし始め、徒労感が募り始める。かつて職務に燃えていた教師たちほど要職に就くがゆえに真っ先に燃え尽き始める。

 「嬉々として」サービス残業する部活顧問などは過労死さえ避けられればとりあえず自分の得意分野を多少任されている分、まだ幸運な部類に属する。しかし多くの教師たちは授業でさえ、自分の専門科目を担当できるとは限らず、分掌や部活動も同様に自分の希望が通るとは限らない。長く不本意な思いを抱えつつ、仕事は次第に多岐にわたり、不毛感きわまるブルシットジョブの山を前にして徐々に鬱屈していく。 

 今、多くの学校では「やりがい搾取」どころか根こそぎレベルでの「生きがい搾取」が始まっているのだ。それが教師の休職や早期退職の増大につながっていることは言を俟たない。

教育社会学者・内田良氏が公立教員「定額働かせ放題」問題に警鐘…「給特法」廃

   止と現場の意識改革が不可欠 日刊ゲンダイDIGITAL によるストーリー 2024.6.9

   給特法の廃止と聖職論的な献身性を前提とするような働き方の見直しは部活動の地域移管とともに学校のブラック化を抑止する上で必須であろう。

「あった方がいい病」が組織の生産性を低下させる 優秀な管理職は「引き算」発想で仕

 事を取捨する 東洋経済オンライン 櫻田 毅 の意見 2023.5.11

 「日本人は人のサイフは盗らないが、人の時間は平気で盗む」―時間価値の意識が

乏しい日本人を、こう揶揄する外国人も…との指摘はむしろ学校現場や教育行政の世界に最もよく当てはまるのではあるまいか。

学校の先生は大変…給食を“64秒で食べる日も やりがいに依存した教育現場 何

 を変えれば負担は減るのか?

 【大阪発】 関西テレビ によるストーリー 2023.6.10

 

 運動部の顧問ならば普段の練習のみならず、朝練や合宿、遠征、部員のお誕生会、グランドの整備(草取りと石拾いなど)、ルールや作戦の講習会、炎天下での審判、特に大会の関係者になれば部員達の指導に加えて会場の確保、早朝からの準備、日が落ちてからの更衣室の清掃、顧問や審判の昼食の準備・・・

 教職員組合の学校におけるまとめ役ともなれば毎月の資料の配付、種々の会合への参加(夜遅くか休日)や教育委員会との交渉、駅前でのビラ配り・・・

 いずれも本来の職務ではなく、自発的なボランティア的活動であったはずの取り組みなのに、いつの間にか有無を言わせぬ重苦しい義務と責任がズッシリとのしかかってくる、ある種の「職務」にすり替えられてしまう。

 教師集団の同調圧力は極めて強い。従ってこうした事に運悪く個人的な事情(介護等の家庭の問題など)が重なった場合、あるいは勤務校が急激に荒れてきた場合、一体誰が自分の仕事を代替してくれるのだろう。そんな時、「昔からみんな文句も言わずにやって来た事だ、個人的事情を楯にして今更ワガママを言うな」という声が頭の中で反響してしまうのは私だけではあるまい。

 授業という本務を差し置いて、本来は強制されないはずの自主的取り組みを最も重い不可避の職務にすら変質させてしまうのが、村社会化してしまった学校をギリギリで機能させてきた猛烈にストレスフルな教師集団の、強烈に歪んだ集団心理のなせる業なのである。

 

 20年近く前、ある学校で美化清掃を担当する管理部長の教師はとあるスポーツ種目の専門家として県の仕事を任される一方で、近隣からの苦情もあって自分の空き時間を見つけては大きなゴミ袋を肩に学校内外を歩き回り、せっせとゴミ拾いをしていた。何と学校から数百メートルも離れた場所でも、である。

 私も当時は近隣からの苦情と変質者の出没などで雨天時以外は学校の周辺を2~3㎞ほどしつこく歩き回っていたので、彼の姿を時折見かけていた。その時、私もまた組合のまとめ役として県教委との人事交渉などにも休日を割いて当たっていた。

 さて、こうした苦労談はただの個人的な自慢話なのだろうか、はたまた素晴らしい美談なのであろうか。

 当時、他校の野球部顧問だった方は激務の中、組合の支部役員をも引き受けていた。実はそうした教師の中には分掌の主任まで同時に引き受けている方が少なからずいた。その多くはまさに「体力モンスター」でなければ務まるはずの無い膨大な仕事量に直面していたであろう。

 こうした無謀なまでの献身性こそが教師として持つべき当然の美徳である、とするような教員社会の歪んだ滅私奉公的価値観は教育行政側から巧妙につけ込まれて「やり甲斐搾取」を招く一方で、特定の教師を追い込み、深刻なレベルまで心身を疲弊させてはこなかっただろうか。心身の破綻や家庭での修正不能な軋轢を生み出してこなかっただろうか。

  献身性を美化する保守的立場の教師聖職論と労働者の権利を高めようとする革新的立場の教師労働者論とのせめぎ合いから一歩抜け出ようと 、50年ほど前、教師専門職論が台頭してきた。しかし専門職という、いかにも社会的ステイタスが高そうな言葉に幻惑されてしまったのか、教師の役割、職務を再検討する動きはそれ以降、さほど盛り上がらなかったようだ。

 そもそも50年前に問い直すべきは待遇改善と同時に教師の専門性をどこに見出すべきなのか、教師の職務を何に限定すべきか、という点ではなかったか。とりわけ何でも屋を強要してしまいがちな聖職論が、「金八先生」以後、形を変えて生き残ってしまったような気がしてならない。その一方で、世の中全体の保守化と組合運動の低迷が公務員や教師の労働者としての権利を軽視する、ブラックな風潮を助長させてしまったのかもしれない。

 私を含め、ベテラン教師の多くは今こそ胸に手を当てて学校におけるかつての自分自身と同僚達の仕事への献身ぶりを、絶対に美談化することなしに、虚心坦懐に反省してみてはいかがだろう。

 果たして誰のための、一体何のための仕事だったのか・・・今やそれが招いた正の側面だけではなく、負の側面をも直視すべき時ではあるまいか。現在のブラックな状況の進展にこれまで私たちは何一つ関与してこなかったのだろうか。むしろもう少し早く自分達の負の役割に気付くべきではなかったのか・・・反省すべき点は数多いと思うが、さて、皆さんはいかがだろう。

参考記事

「生徒のために頑張るほど、自腹が増える」29歳女性教師の嘆き。公立校の予算

 が使いものにならないワケ 日刊SPA!  2024.12.6

 授業準備のための実物教材や参考図書の購入などに関しては、教師として転勤後も個人的に使用し続けたいので、ある程度は「自腹」を切るのもやむをえない。また部活動での用具の購入も同様に、多くは転勤後も使い続けるものなので多少の出費は仕方ないだろう。「自腹」のすべてが教師にとって不合理なものではあるまい。

 しかし転勤するたびに違う科目の授業を持たされたり、指導したことの無い部活動を任されることはよくある。その都度、新たに購入するものが出てくる際に、高額の「自腹」を切らされてしまうことには私も強い抵抗感があった。基本的に自らが望んでもいない、不本意な仕事に対してさらなる自腹を強要されるのは誰でも辛さ、不合理さを感じてしまうのは当然の事である。

 もちろんクラス担任としても、文化祭等ではかなり自腹を切る場面が多かった。周囲の教師たちもある程度の自腹を切るのは、学校教師という仕事の性質上、仕方ない事として諦めつつ受け入れてきた流れは確かにある。これまで授業準備や提出物のチェック、小テストの採点などは自宅でのお持帰り業務とされることが長く当然の事とされてきたように、教師の勤務時間の区切りは本来、極めて曖昧である。そのため下手をすれば公私の別すらなく、際限も無い、原則無償の奉仕活動を周囲から延々と期待されてしまいがちなのだ。

 パワポを頻繁に授業で使用するために学校の備品では数的に不足しているプロジェクターやスクリーンを自前で用意している教師は今も少なくあるまい。それらは個人所有であるが、多くの場合、学校以外で利用することは滅多にないだろう。教育予算が先進国では極めて少ない日本のお寒い現状が教師たちの「自腹」の多さを招く主因である事は紛れもない事実なのだ。

㊱討論型授業のキモ

※この記事は常に新鮮なネタを提供すべく、随時、更新されています。

 

参考記事

教員志望の学生「知識がなさすぎる」大学の危機感

     東洋経済オンライン吉田 渓 2026.4.6

 教員の質低下の原因は多岐にわたる複雑なものである。教員採用試験の倍率低下は教員採用の入口の問題だが、他にもこの記事で指摘されているように教員養成教育のレベルの低さも大きな問題である。やはり教員養成教育を根本から見直して再編成し、大学院の修士課程修了を教員免許状取得のための最低条件とすべきだろう。

 質低下の要因はまだまだある。教員に採用されてからの、学校現場の環境の悪さも教員がなかなか成長できない大きな理由の一つである。官製研修のお粗末さ、学校の異様なまでのブラック化が本来、教員が持っているはずの能力の発揮を大きく阻害している事も、決して見落としてはなるまい。学校のブラック化こそが結果的には教員の質を一層、低下させているはずである

 つまりこの記事で紹介されている教員養成教育に携わっている「長野(仮名)」氏の指摘には一部、大きな違和感が残るのだ。教員の知識量の低下、だけではなく教員の考える力の低下までが深刻であるのは、当然のことながら教員養成教育段階での教育の質が低いからでもあろう。教員の知識の欠如は探求学習の重視によって知識の獲得が疎かになっているからだ…などといった短絡的な決めつけは大きな間違いのもとなのではないか。

     大学での教員養成教育段階で探求型の学習機会がどれほど用意されてきたのか、も問われるはずだ。知識が実際の従業で役立つまでに応用力を帯びてくるには、授業に関する知識を応用実践する機会が学生たちに豊富に用意されている必要がある。つまり学生一人一人が濃密な授業実践をどれほど繰り返してこられたか、がやがて教員の質を大きく左右していくはずである。

 従来型の授業こそが、深い理解を抜きにした表層的な知識の丸暗記を生徒たちに強要し、学習への嫌悪感を増幅してきたのではなかったか。その結果、大学生の質の低下をも招き、授業で応用のきかない教員を大量に生み出してきたのではなかったのか

 作者や出題者の意図を忖度させる、といった下らない出題を生み出すような従来型の発想が国語教育を堕落させ、日本人にありがちな「忖度マシーン」の大量生産に貢献してきた…いかにも長文読解に一つの正解があるかのような錯覚をまき散らし、やたらに忖度能力を高めて挙句の果てには作家名や作品名、文法、漢字の読み書きの丸暗記を徒に強いてきた…そうした古い国語教育の悪しき側面への深刻な反省が国語教員の養成に携わる人物に微塵も感じられないのは実に不思議である。

 国語教員の養成に関わる方ならば、まずは率先して従来の国語教育自体を根本から見直しておくべきだったのではないか。そして自身が国語教育のみならず、学校教育の在り方の根本的な再検討を探求型の学習を通じてきちんと行ってきたのか…手始めにしっかりと問い直した方が良いと思うのだが、いかがか。

教員の授業を「5分で可視化」、宮城県内の教育機関でAI分析アプリを実証

     こどもとIT 大塚雷太 2026.3.26

     授業改善の方法として授業中の様子を録画することは学校現場でも古くから行われてきたが、児童生徒のプライバシー保護の問題があり、今は難しくなっている。またこうした手法が悪意に満ちた管理職や教育委員会に悪用され、教師の教育内容や方法への過剰な干渉、統制につながる恐れも十二分にあるだろう。

     授業中での児童生徒の発言が十分に授業評価とリンクできていない、という点はこのシステムの致命的な欠陥と思えるが、いかがか。このシステムを「5分で可視化」と表現できるほどの分析能力は今のところ乏しい、とみた。そもそもブラック化した現状の学校で自分の授業を反省的に振り返る余裕などほとんどあるまい。まずは教師たちのゆとりを生み出す工夫こそ、急がれているだろう。

 授業改善の取り組みは確かにマストなのだが、それを易々と実行できるほど学校現場は甘くない。この取り組み自体も改善の余地が大きいようだ。仮に冒頭の不安要素を解消し、学校現場で導入可能なレベルまでシステムの改善が進んだとしたならば、最初に導入すべきは大学の教員養成教育においてであろう。つまり宮城教育大で教育実習の事前教育に用いてみて、その効果をしっかりと判断してから学校現場の利用を検討してみれば良いと思うのだが、いかがか。

「探究公害」とSNSで拡散高校「探究学習」の弊害

     東洋経済オンライン 杉浦 由美子 2026.1.29

 高校教師に探求学習の指導が困難な人は多いだろう。高校に限らず、職務があまりにも多くて、肝心の授業準備に十分な時間をかけられない事が教師たちの大きな悩みになっているはずだ。しかしだからといって探求学習や集団で議論を重ねる授業が不要、というわけでもあるまい。ネットを最大限に有効活用すれば、生徒たちが時間を費やして大学などを煩わせることは少なくなるはず。今時、多くの時間を教室内で済ませることは決して不可能ではないはずだ。

 探求学習を進路指導のための個別最適な学習法として狭く捉えているとしたら、教師の負担は無限大に増えていくだろう。テーマ別でグループ分けして複数の教師で指導することも負担を軽減する一つの手段である。その際、グループ内で生徒たちが議論する機会はできるだけ数多く設けたい。

 他方で学校や教師の大胆な職務軽減は探求学習導入のためにも必要不可欠な前提条件となる。先行すべきは探求学習の導入ではなく、職務の削減であり、この順番は決して間違えてはなるまい。

「1,2,3,4,5,6,7,8,9の中で素数だけ選べ」中学生の7割が誤答。全国学力調査で見え

     た“いまの子どもに足りない力――週末ベスト     日刊SPA! 2026.1.24

 このような浅薄な俗説をいつまでマスコミは垂れ流し続けるのか、理解に苦しむ。まず、学校教育は義務教育と非義務教育にわけて考えるべきだろう。小学校や中学校では義務教育なので必要最低限の学力を出来るだけ多くの児童生徒に身に付けさせていく努力義務が学校側にはある。

 特に10~12歳頃は理解力よりも記憶力が突出して勝り、とりわけ暗記力は人生において最高水準に達すると言われている。したがって重要項目の暗記は小学校高学年にこそ集中的に実施するのが学習心理学、発達心理学の観点からも好ましいといえるだろう。当然、授業を通じて記憶することを目標とすることが多いので、半強制的に反復、暗唱させることは一つの技法としてこれまでも授業に定着してきた。

 とは言え、相手は子どもである。楽しくもない授業に集中力が切れてしまう子どもを一方的に咎める権利は教師側に無い。「掛け算九九」であってもできだけ楽しく、お遊戯のように唱えて覚えていく方が、効果的であるに違いない。また、観察や実験などを通して事象の発生理由を考えさせることも、子どもたちの授業参加度を高める工夫の一つである。なんら工夫せずに暗記を強要するだけでは余りにも能があるまい。

 まして義務教育ではない高校以上の学校段階では、自らの力で調べ、考え、集団の中で切磋琢磨して知識と思考力をお互いに高めていく学習法を身に付けることが、今後は一層、重要になってくる。もちろん、この段階でも重要知識の習得は不可欠であるが、残念ながら年齢的に機械的な暗記力は急速に衰えてしまう。理解したことの記憶力はまだまだ衰えないので、中学生以降は覚えるためにもしっかりと理解することが重視されるのだ。

 理解は暗記だけではなかなか得られず、自分の頭で考え、自分なりに納得していくプロセスが欠かせない。この作業は単純に暗記するよりも脳への負荷が極めて大きく、誰もが気安く取り組めるものではあるまい。当然、理解したい、という欲求が強く湧いてこない物事はなかなか理解が進まず、長期的な記憶も難しい。内発的動機付けが大切となってくるだろう。

 授業中、生徒たちに考えさせる時間や工夫が不十分であれば、結局は訳も分からないまま、ただ受け身で教えられた「正解」を丸暗記することになる。これがいかに無駄で苦痛ばかりの学習かは多くの人の痛感するところだろう。

 高校生レベルになればダジャレを用いた丸暗記は、古文の助動詞の活用や化学での周期表など、一部のやむを得ない内容を除いて絶対的に禁物なのだ。どう見ても高校での「詰め込み中心教育」は多くの生徒にとって効果が少なく、苦痛ばかりとなり、基本的には百害あって一利無し、となるのではあるまいか。

中高の「やらされ探究」で大学教員が悲鳴の解決策

     東洋経済オンライン 藤原 さと 2026.1.14

 探求学習をめぐる諸問題をざっと捉える上で非常に便利な記事である。文科省、学校現場、大学等の問題点をそれぞれ要領よく理解できるだろう。

 もっとも探求学習が学びの多様化、個別化を軸とするものとは限るまい。議論を通じて生徒個々人の学びを集団で共有し合う側面も、探求学習には不可欠であると思うが、いかがか。

校則で「ツーブロック禁止」がゼロに 千葉市の市立中学・高校

     朝日新聞社 2025.12.9

 この手のような空虚な報道を繰り返しているから「マスゴミ」と批判されてきたのではなかったか?本質的に重要なのは「ツーブロック禁止校則」がゼロになった事ではあるまい。校則改訂がどのような議論のもと、どのような手続きを経て決定されたのか、が厳しく問われるべきはずであった。マスコミとしてそれに言及できない、記事としてのレベルの低さがまたもや露呈している。

 仮に「バスに乗り遅れるな」とばかりに周囲の学校の動きに追随し、世間体を気にする余り、校則改訂を急ぎ過ぎてしっかりと生徒側の意見を聞かないまま、校長主導のもとに職員会議で一方的に決めてしまったとしたら、どうだろう。むしろこのことこそ「教育の場」として極めて不適切であり、最悪の決定プロセスとすら言えると思うのだが、いかがか。。

 「ツーブロック校則」が話題になってから既に5年以上は経過している。にもかかわらず突然、今更のごとくバタバタと校則の改訂が行われてきた千葉市のプロセスには政治的な圧力によるもの、との疑念しか湧いてこない。「金魚の糞」のように、何も考えずにひたすら「右に倣え」を繰り返してきた千葉県の教育界らしい出来事、と周囲から茶化されてもおそらく教育委員会は反論できないのでは?

 とは言え、この記事、ぜひとも授業で議論させたい。議論噴出する活発な討論のたたき台として絶好のネタ、ではある。

学校の「カリキュラム」多すぎでも減らせない事情

 東洋経済オンライン 妹尾 昌俊 2025.10.22

 学校が引き受けている仕事量と同様に教育内容もひたすら増え続けてきた。もちろん「ゆとり教育」の際に学校で教える内容の大胆な削減が試みられたのは事実だが、その際に問題だったのは教える内容以上に膨れ上がってきた教師の仕事量への削減がほとんど進められなかった点であろう。

 教師の仕事量は教える内容が多少、減ったとしてもほとんど軽減されないほどにたっぷりと加算されてきた。そのことへの教育行政側の反省が無い限り、教育内容の見直しがどんなに適正に行われたとしても、児童生徒にもたらすプラスの効果は極めて限られてしまうに違いない。教師の負担軽減が大胆に進められない限り、肝心の状業改善が滞ったままだからだ。

 ただし授業内容の改善は授業方法の改善と密接につながる側面がある。もっぱら「覚える事」を軸とした受け身の教育から、多少とも主体的に学び、考える教育へと軸を移すべき時でもあるだろう。当然のことながら、教育目標の見直しに伴う教育内容と教育方法の改善は、授業以外での教師の負担の大胆な削減と同時に推進していくべきなのである。

・討論型授業のためのバイブル

 「子どもたちに民主主義を教えよう~対立から合意を導く力を育む~」

 (工藤勇 一・苫野一徳 あさま社 2022)

 この本さえ読んでおけば討論型授業への恐怖感、抵抗感は解消され、討論の本質的意義をつかめるはず。読みやすく、分かりやすいカッパ一押しの本。

 

・前提となる基本的スタンス

 現実の社会では今すぐに正解を見いだせない「不良設定問題」が多いことを前提に、敢えて論争を呼びそうな不良設定問題への思い切ったチャレンジを試みる。

 「VUCA」という用語が注目されてきているように現実の社会問題は学校のテスト問題とは異なり、正解が一つとは限らず、そもそも事前に正解が用意されている訳ではない。まさにVolatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)に満ちているのが現代社会である。

 そうした中で様々に異なる意見同士の粘り強いすりあわせを通じて、現時点での最適解を追求する討論型学習を行うとともに、生徒が自ら調べ、自分の考えを深めていくこと、そして各々が納得感の獲得できる個別化、個性化学習へと授業の軸足を移していくことが喫緊の授業目標となっている。

 

 これらの学習過程を通じて生徒、教師共に考え方の多様性に気付き、意見の異なる他者を尊重する姿勢を育むと同時に異常なまでに同調圧力の強い日本の硬直化した学校文化を徐々に相対化し、学校教育に一層の奥行きと柔軟性、多様性をもたらすことを目指していく。

 

参考記事

20年で7600の小中学校が廃校…統廃合巡り保護者や地域との合意形成に壁、

 文科省が事例集公表へ 読売新聞 2025.9.6

 …小中学校の標準規模は法令によって、それぞれ「12~18学級」とされるが、全国の小学校の4割、中学校は5割が下回る。文科省は、学校再編の手引で「児童生徒が多様な考えに触れ、協力し合う教育を行うためには、一定の集団規模の確保が望ましい」としている…とのこと。皆さんはこの文科省の考えをどう思うだろうか。

 今や小中学校での教育は一学級を20人以下の少人数にして教師の目がしっかりと一人一人に行き届きやすくし、学習の個別最適化を図るのが基本であると私は考えている。したがって現在の少子化の流れはこの少人数教育を実現させる上で絶好の追い風となっているはずだ。

 ところが国はこれまでもひたすら教育予算の削減を図るべく、少子化を理由にして学校の統廃合を推進してきた。その結果、少人数教育の実現は蜃気楼のようにひたすら遠のくばかりとなっている。

 学校で「児童生徒が多様な考えに触れ」るためには、日本の場合、児童生徒の意見表明の機会を劇的に増やすことがまず必要とされるだろう。そのためには当然のことながら少人数教育が実現できていなくてはならない。しかし国は相変わらず安価で効率的な多人数教育を理想としているのだ。

 おそらく多人数教育による画一的な一斉講義形式の授業こそが児童生徒に集団主義的心性を涵養し、協調性の豊かな国民を育てることにつながる、というのが老害政治家たちの本音なのだろう。児童生徒が「多様な考えに触れ」ることなどは実際にはどうでもよくて、それはあくまでも従順な国民作りという本来の目的をごまかすための口先だけの綺麗ごとに過ぎないのかもしれない。

 今も一学級35人体制すら徹底できていない劣悪な条件の下で、教師は文科省の指示に従って児童生徒の学習を個別最適化すべく奮闘努力させられている。おそらく国はICT化さえ進められれば学習の個別最適化はある程度可能だと踏んでいるに違いあるまい。しかしそれはあくまでも学力向上を目指すだけの手段であり、必ずしも児童生徒の個性や多様性の尊重を目指すものではない。

 児童生徒の意見表明権が小学校の現場に浸透するのは遠い先の事。実際には次の学習指導要領が登場する2030年以降の事である。しかし多人数教育の下でブラック校則や一斉講義形式の授業が残存するような現状では、今後も児童生徒の意見表明権など尊重されるわけがあるまい。「児童生徒の意見表面権の尊重」というフレーズもまた国民の目をごまかすための、ただの綺麗ごととして利用されてしまうのではないか。

 同質性が高く、同調圧力の高い社会は政府にとって極めて効率的であり、政治的な安定性を保てるがゆえに、日本の学校は安価で効率的な多人数教育の下、画一的な一斉講義形式による指導を通じて同質性と同調圧力の高い社会を今後も再生産しようとしている…実はそういうことなのかもしれない。

参考動画

【危険】今、日本人が自分の頭で考えられなくなっている理由

 曖昧な思考 2025/06/05  16:51

 面倒な事実関係の検証をサボり、深く考えることをしないまま、ただ単に周囲の空気を読んで大勢の意向に合わせることは簡単で楽な行為のため、省エネに走りがちな脳が自然に好む選択肢の一つであるだろう。敢えて意識的な努力を重ねなければ人は自分なりの思考を放棄しがちなのだ。したがって現代のSNS、ネット上にはびこる「思考の放棄」現象から自分を引き離すことは誰にとっても極めて困難となる。

 であるならばなおさら、高校生のうちから可能な限り周囲の空気に流されずに自分の頭で考える訓練を繰り返すことこそが今の日本で最も必要とされているように思えるが、いかがか。討論、議論を軸とする授業が生徒たちの自分なりの思考力を鍛える上で大いに役立つはずである。

 この動画はわずか一度の視聴で理解できるものではあるまい。解説を挟みつつ、できれば二度は繰り返してじっくりと視聴させたい。ただし「曖昧な思考」というチャンネルではかなりスピリチュアルに偏った内容の動画が数多く見られるので、宗教的勧誘の側面には要注意。したがってこれ以外の動画の多くは決してお勧めできない。

参考記事

乙武洋匡氏 ryuchellさんが「多様性は強要しない」と 「友達なんかじゃな

 かった。」と悔恨 デイリースポーツ によるストーリー 2023.7.15

 「多様性で大事なのは、強要しないことじゃないかな。自分はこう思うからあなたもわかって!ではなくて、なるほどあなたはそういう意見なのねって、まずは認める姿勢を見せること。相手にも自分にもどこまでやわらかくなれるかだと思うんです」

 多様性の尊重とはどういうことなのか、ryuchellさんが遺した言葉に耳を傾けたい。彼が討論の場でこのことを常に意識していたからこその、あのソフトな語り口調だったのだ。いつも討論する際には心がけたい金言。

参考動画

【賢さの価値は暴落】AI時代に親ができること「日本の教育の未来」【安野貴博 ×

     HR高等学院】HR高等学院の非常識な職員室 2026/01/29  29:16

 安野氏はAI時代に育むべき力として「何かを始める力」「不確実性、リスクに対する耐性」「コミュニケーション能力」(対人だけではなく対AIとのコミュニケーション能力を含む)の三つを挙げている。

     同様にHR高等学院でも「挑戦数」=「越境数」失敗数」「この指とまれ数」「表現数」を重要な評価指数としているという。これらはグーグルが急成長できた要因ともかなりの部分で共通する要素であろう。

 これまでの日本の学校教育では学習指導要領の改訂、すなわち学習内容の見直しが10年に一度という、世界の急速な変化にまったくついていけないレベルの圧倒的な遅さであり、なかなかアップデートされないもどかしさがまず大きな問題点として挙げられている。同様の観点から、学校教育へのAIの導入が完全に遅れたため、個別最適化の方向が地方の学校現場ではイマイチ実現できていない点も指摘されている。

 端的には日本の公教育が長年抱えてきた「画一性」と「アップデート頻度の遅さ」こそが日本の学校の大きな「バグ」の本質、と安野氏はいう。

 教師として今後、重要とされる仕事はおそらく一方的に教え込むことよりも、AIを多用しながら脇からサポートしていくコーチング的なものに主軸を置いていくことになるだろう。特に生徒たちにできるだけ多彩な数多くのロールモデルを提示して生徒たちの主体性を引き出していくことは生徒たちの挑戦欲を引き出す上で不可欠の体験であり、教師の本質的に重要な任務となっていくはず。

 今後の教育を考える上で極めて重要な示唆に富む貴重な動画であり、できれば授業でも使ってみたい。少なくともすべての教師が視聴されることをオススメする。

【コミュ障?】最近の若者が社会人になっても人付き合いを避ける理由…

 山田玲司の原作が10倍おもしろくなる解説【山田玲司 切り抜き】

  2022/06/07  10:25

 討論型の授業を展開するために最初に視聴させたい動画の一つ。相手の意見をしっかりと聞くことができる事と自分の意見を持ち、それを分かりやすく伝えることができる事がいかに大事か、まずは知っておきたい。そして日本の学校ではなぜ討論型の授業が広がらなかったのか、根付かなかったのかを考えさせたい。

【ファクトチェック】正しい情報を国が判断ってアリ?言論弾圧?民間企業に任せ

 るべき?ABEMA Prime #アベプラ【公式】2024/08/08  20:42

 討論の土台とすべき事実認識に一定レベルの思い違い、事実誤認が存在してしまう可能性を完全に排除するのはおそらく無理だろう。そしてたとえ多少の思い違いに基づく意見であってもその意見が全くの無意味であると決めつけること自体も実は間違いである可能性はある。そもそも私たちがある意見を持つために必要とされる知識はいつだってあまりにも不十分なレベルにとどまっていて、むしろ自分の意見を完全なものとみなすほどの知識を誰一人所有していないと心得るべきなのではあるまいか。

 日本の戦後政治はGHQやCIA、日米合同委員会などの働きもあって数多くの情報がいまだに国民には隠蔽されたままであると見て良いだろう。たとえば正力松太郎の戦後日本における役割とは何だったのか、その全貌を掴むことはおそらく今も不可能であると考える。アメリカの公文書館等に保管されている彼の関係資料には現在も黒塗りされた部分が少なくあるまい。同様に731部隊の全貌もすべてを白日の下にさらすことは未だに出来ていない。沖縄関係に限らず、日米間の各種密約の全貌もしかりである。それが極めて重要な知識であるにもかかわらず「ファクト」自体の多くがひどく限定されている日本のような状態では「ファクトチェック」もまた不十分なものにとどまるのは不可避である。当然、このような状態の下では政府側にファクトチェックを委ねることほど危険なことはあるまい。それは「知らしめず、依らしむべし」の愚民化政策を加速させるだけである。

 かつて動燃が原子力発電に関わる事故隠しを続け、国民の信用を完全に失ったように、日本政府もまた近年のモリカケ問題などに見られたゴマカシ、隠蔽工作を性懲りもなく繰り返し、国民からの信用をひどく失いつつある。こんな隠蔽体質に覆われた政府による検定教科書を教師が疑うことなく鵜呑みにして漫然と授業をして良いはずがない…という考えははたして極論なのであろうか。

 情報を発信する立場にある者はすべてファクトチェックの努力をすべきだが、誰であっても完璧なファクトチェックを期すことは不可能である。重要なのは乱立し、対立する多様な意見をただちに感情的に排除するのではなく、時間をかけて自説を検証し、出来る限り広く深く考え、とりあえず現状で探りえた事実、知識を用いて自説を補強していく事、ないしはより良い他説に乗り換える事。同時に自説と異なる各種の意見への理解を深めつつ、現状で考えられうる限りの反証を試みてみる…こうした地道な努力をすべての人がお互いに果てしなく続けていくことであろう。

 討論型の授業は以上のような観点からも高校での授業に積極的に導入されるべきだと考えるが、いかがか。

【議論の仕方】多様性を大事にしても議論はうまくいかないので、同質性を大事に

   しましょうということについて解説します

   謎解き統計学 | サトマイ  2024/06/28  14:23

   非常に面白い、かつ重要な観点を提示してくれている。ただし突っ込みどころが無いわけではあるまい。まずは生徒に視聴させて突っ込みどころの有無を問いたい。授業における対話型討論を有効に機能させていくために必要とされる重要な観点を生徒たちが見つけられれば極めて有意義な動画視聴に転換できる。

   個人的には差異、多様性よりも同質性に注目することで、一見対立する意見同士のすり合わせを実現する…これはスピーディーかつスマートな形で議論の収束、意見の統一を図ることを目的とするならば、当然の心構えと言える。しかしたとえ対立する者同士で目的、理念が共通していても、目的達成に至る方法論が異なればいずれにせよ自分たちの目的や理念に到達できない可能性はあり、まったく異なる結果をもたらす危険性すらあるだろう。方法論の違いの底には意外なほどに根が深い差異、対立点が潜んでいる場合は十分あると思う。それは民主主義をどう捉えるのかにも関わってくる重大な観点ではあるまいか。

 議論においてあらかじめ同質性を重視することも間違いだが、異質性を強調し過ぎるのももちろん間違いである。それは人としての遺伝子情報の同質性の高さとは無関係の話であり、社会のあり方を論ずるときには生物学や医学での学説を安易に当てはめて説明するのがそもそも筋違いなのである。

 日本社会における同質性の高さは、集団的作業での効率性の良さとなって高度経済成長期を実現させてきた重要な因子の一つである…このことはほぼ疑いえない事実だろう。しかし高度情報化社会においては組織の効率性のみならず、個の突出した力が問われる。常に周りを忖度し、個性をイジメの原因と見なして排除しがちな同質性過剰強要の日本社会で今、一番問われているのはやはり個性や多様性の尊重なのだと思うが、いかがだろう。

 今までの様に結論を急いで忖度を強要し、タイパ、コスパばかりを重視していると日本社会の息苦しさは強まる一方となるかもしれぬ。むしろタイパ、コスパを多少犠牲にしてでもじっくりと議論のすり合わせを続けていく努力が、少なくとも学校教育段階では切実に求められていると考えるが、いかがか。授業のタイパ、コスパを少しばかり犠牲にできる程度の、本当の「ゆとり」が今の青少年にはとりわけ必要なのではあるまいか。

 日本に限らず、世界の姑息な政治家たちはさも民衆に迎合するような政策を自分の理念、ポリシーとして掲げつつ、いつの間にか政策の実現方法や論点をずらして民衆の期待を根本から裏切る…そういった汚い技をこれまでも得意とし、長い事駆使しきたのではあるまいか。今や彼らの皮相な理念など信用する方が間違いなのであり、裏に秘めた彼らの本当の狙いに気付くべき時なのではあるまいか。

心理的安全性を高める。どうしたら皆が働きやすい会社をつくれるか?

 精神科医がこころの病気を解説するch 2024.1.16 11:45

 皮肉ではあるが今の日本の学校がどれほど「心理的安全性」が脅かされる場所となっているのか、なぜイジメがはびこり、不登校が多いのかがよく分かる動画となっている。相手の個性や多様性を重んじて時代の変化に柔軟に対応し、外部からの批判に学ぶような謙虚な姿勢があれば組織の心理的安全性は高まる、という指摘と真反対にあるのが隠蔽と自己保身に走り、画一的で管理主義的な今の日本の学校なのだと思うが、いかがだろう。

 当然のことながらこうした日本の学校文化においては、討論型の授業ほど根付きにくいものはあるまい。日本の場合、教師や生徒たちが活発に自分の意見を言えるような「心理的安全性」が極めて低いからである。しかしだからこそ討論型の授業を根付かせていく努力が必要なのであり、その努力こそが学校改革の中核部分になりうるのだと私は考える。

バカになるな!論破のテクニックで騙されてはいけない!【宇野常寛】

 たかまつななチャンネル 2022.10.10 22:50

 討論中心の授業とする場合、ディベートのような論争の勝ち負けにこだわる「ひろゆき」流あるいは「橋本」流の論破ゲームに陥らないような配慮が肝要となってくる。宇野氏の指摘する「スネ夫症候群」に要注意。基本的には討論の過程で多様な意見の創出をまずは目指すべきだろう。そして大勢の意見を聞くことを通じて多様な価値観がこの世に存在することの社会的意義を確認していく・・・それこそが一人でも多くの生徒を巻き込む、討論を用いた授業の最重要目標とされるべきだろう。意見の多様性を熱望する討論の場のあり方の中にこそ、ラディカルに「問いそのものを問い返す」可能性や問題解決に向けたオルタナティブで建設的な意見の創出に向かう可能性が胚胎するに違いない。従って教師は討論において決して議論を一つの結論に導いていくような誘導や断言をしてはなるまい。一つ一つの異なる意見が持つ様々な意味、意義を注意深く見出し、生徒達にもしっかりと気付かせていく事に教師は最大限の労力と工夫を払っていきたい。

 もちろん、議論の方向性が一定せずにあてどなく彷徨ってしまっては論点がぼやけてしまうので、ある程度構造化されたアンケートや発問計画を事前に用意してから討論に望むべきなのは当然の事である。

【心理的安全性】誰もが率直に意見を言える環境とは?組織改革を進めるカギ?超

 重要概念を学ぶ

 2022/05/29 ABEMA 変わる報道番組#アベプラ【公式】 24:20

 多様な意見を引き出すために必要とされる「心理的安全性」とは何か、理解できる。「心理的安全性」をまず確立しておかないと討論型授業は成立しないだろう。

【ハーバード大学准教授が語る】社会的に消す「キャンセル社会」の闇【ひろゆき 

 の妻&奥井奈南】 ReHacQリハック【公式】  2023/05/14  34:50

 多様な意見を引き出す上でキャンセルカルチャーの危険性に留意する必要があるだろう。

参考記事

Z世代に聞いた「理想の学校」──「居心地がよく、学びやすい環境が整っている」

    が半数超に【プレマシード調査】 EdTechZine 2025.9.27

 調査対象者数が600名と余りにも少なすぎてあくまで参考程度のことしか言えないが、以下の調査結果はぜひ記憶しておきたい。

 …「理想の学校の環境・コミュニティ」の条件を尋ねたところ(複数回答)、「居心地がよく、学びやすい環境が整っている(周辺環境・設備など)」(54.8%)がもっとも多い結果となった。「自分のペースで学べる」(54.3%)「相談しやすい教員や大人がいる」(44.8%)、「自由度が高い」(36.8%)がそれに続いた…

 さらに

 …「理想の学校の勉強」の条件を尋ねた質問(複数回答)では、「教え方がわかりやすく、やる気を引き出してくれる教員がいる」(50.3%)が最多となった。

以下「将来や社会につながる学びができる」(40.5%)「主体的に学ぶことができる」(34.8%)、「得意なことを伸ばせるカリキュラムがある」(34.7%)が続いている…

 とのこと。きわめて常識的な結果であるが、教師としては「学び」に必須の条件についてこの程度のポイントはあらかじめ弁えておくべきだろう。

多数派の考え方を変えるために少数派の人たちができることとは?

  【社会心理学】 ラブすぽ の意見 2023.6.22

 少数派の意見が多数派に影響を与えられるようになる条件として、少数派の意見が一貫している(多数派に阿らない)、他の論点では多数派の意見を持っている(ただの天邪鬼ではない)、多数派が現状に満足できず、改革を求めている、などがあるという。社会を変えていこうとする場合には大いに参考となる知見だろう。

 

 

 もちろん教科書を軽視するのではなく、重要事項の理解や暗記もある程度は要求しつつも、多様な意見を引き出し、多様な意見が飛び交う中で最適解を目指して粘り強く思考する対話的な力を養うことをより重視する。必ずしも多数派の意見を支持するわけではなく、少数意見にしっかりと耳を傾けることで多様性の持つ豊かさが担保され、すべての生徒が自己の意見表明をしやすくしていく・・・という目指すべき討論型授業への基本的スタンスを堅持する。

 

・討論型授業のキモ

 授業が十分に活性化しているならともかく、いきなり手を挙げさせて一握りの生徒に意見を言ってもらう展開は出来るだけ避けたい。討論や考える事自体を面倒くさがる生徒は多い。誰か一人が意見を言うと、他の生徒は自分なりの考えをまとめようとしなくなり、他人の意見に流されがちになる。教師には意見が出尽くすのを待つゆとりが必要である。

 意見が大体出揃った時にはA~Dどの意見に賛成か・・・などと生徒全員にそれぞれ挙手させて数を数え、その場でクラスの意見のあり様を類型化して確認させたい。

 ただしその際、マイナーだった意見の持ち主を見捨てない事が肝要。時にはマイナーな意見の背景や根拠を生徒全員で共有できるよう、深掘りしていくべきケースも大いに考えられる。

 当然、他の生徒から多く賛同を得られた意見が正しいとは限らない。むしろ多数派の意見がひっくり返るような、予想外の展開こそ、目指したい。もしもそのような展開になれば大成功。今後、多くの生徒が意欲的に討論に参加するようになるだろう。

 

参考動画

【天安門事件以来の盛り上がり】中国の言論統制と闘う若者たち 家族や仲間が拘束

 され銀行口座も凍結 [クロ現] | NHK  2023/09/14 9:46

 中国の若者たちの言論の自由を求める命がけの取り組みに対して、まず、どう思う

のか、生徒たちに問いかけたい。さらに、日本の若者たちに今、言論の自由が本当にあるのか、問いたい。

 特に李苹さんの「意見を持つことは国への最大の愛情です。希望を抱くからこそ声を上げるんです」という発言について深く考えさせたい。

 続けて言論の自由が成立する前提条件に付いていくつか列挙させたい。特に「情報公開」や「知る権利」をキーワードにして一歩踏み込んで深く考えさせたい。例として社会科の教科書で本当に自分の意見が持てるのかどうか、確認させよう。

 ここで「君が代」について歌詞の意味を問うのが良いだろう。

 そしてもう一度、日本の若者に言論の自由が本当にあるのかを問いたい。

ひろゆき、EXITアベプラ・平石アナはなぜ猛獣軍団をファシリテートできるの

   か? 新R25チャンネル  2021/04/26  9:00

 討論型授業におけるファシリテイターとしての教師の役割を考える上で大いに参考となる動画。

【論破ブームの危険性】アベプラ平石アナの「論破上手=優秀はテレビの世界だ 

 け」に若新雄純が本領発揮【前編】 新R25チャンネル  2023/06/07  29:52

【議論で重宝される人】「議論で熱くなってもなぜか愛される人」。アベプラコン

 ビ・平石アナ×若新雄純がたどり着いた結論 

 新R25チャンネル  2023/06/14 28:38

 討論の進め方、注意点がよく分かる。「ムキにさせる」「審判を下さない、勝敗をつけない」「多様性尊重」…

【誹謗中傷する人の心理】脳を惑わす3つのバイアス/SNSはロジックのズレだら

 け/ハーバード大学と日本の違い/脳は省エネモードで動く/違和感に向き合え 

 PIVOT 公式チャンネル  2023/05/20  35:51

 認知、認識における無意識のバイアスの存在と「中傷」、「攻撃的言動」の背後に潜む歪んだロジックを知っておかないと討論がただの論破合戦に陥ってしまう危険性が生じてしまうだろう。討論型授業を行おうとする教師にとって必見の動画である。

 

 したがって多数決にもっていくような展開は最悪ディベートはあくまで討論に刺激を与えるべく議論の導入時のみ、利用するだけ。一つの結論が欲しいわけではないので議論の勝ち負けや多数決は完全に無意味。特定の結論を出す必要もまったくない。あくまでも大切にすべきは、意見の多様性を確認させ、それぞれの意見の存在理由をできるだけ深掘りすること。

 

 またアンケート形式の質問用紙を多用し、口頭では発表できない慎重派や引っ込み思案の生徒の意見表明の機会をしっかりと保障すべきである。アンケート結果の集計と共に意見の一部は次回の授業で紹介する・・・などの工夫を重ねて生徒達の意見を一人でも多く、また少しでも多様な考えを引き出し、共有していくことを重視。アンケートの集計結果を公開する際にも少数意見に十分留意し、生徒たちが少数意見に注目するよう、繰り返し注意喚起しよう。

 アンケートへの回答を通じて生徒達が多様な意見の存在理由をしっかりと確認出来るよう、質問項目を工夫したい。同時に多様な観点によって混乱しがちな頭の中をスッキリと整理出来るような方向性を持たせた質問項目の内容と配列、組立て方を予め計画しておくと安心。これは相当難しい作業だが、議論の無秩序感を低減するためには事前に必要とされるものだろう。従って当然の事ながら教師側には議論のテーマに関する広い知識、深い理解が備わっているに越したことはない。

 

 ただし、十分な力が無い状態であっても討論型授業へのチャレンジは果敢にトライすべきである。何事も経験を積み重ねていかなければ前進できないはず。討論がアナーキーな状態のまま終わってしまう事は先生方の職員会議の場面ですら、普通に生じている。失敗は成功の本である。まずはトライあるのみ。

§5.日本の進路2.AIの進化と日本社会

※この記事は常に新鮮なネタを提供すべく、随時、更新されています。

 

参考動画

【16分でわかる】PLURALITY(プルラリティ)って何だ? オードリー・タン氏提

     唱の概念を理解しよう! AIやシンギュラリティとの関連は?

     安野貴博の自由研究 2025/05/11  16:18

 シンギュラリティと対抗する概念として「プルラリティ」を提唱しているのがオードリー・タン氏たちであり、安野貴博氏もこの概念に沿う形で活動を続けているとのこと。AGIによる中央集権的な体制を志向するのか、それともビットコインのような、誰にも規制されない自由な解放区を志向するのか、といった二項対立の間を行き来するのではなく、「第三の道」を探ろうとするのが「プルラリティ」という概念に込められているようだ。

 タン氏はSNSやAIなどの発達によって大勢の人々をつなぐコミュニケーションが可能となってきた点に着目している。差異を殊更に強調して分断と対立を煽るのではなく、多様性を前提とする中でコミュニケーションを深くして対話型の民主主義を拡張していく。そのことで平和な世界を築こうとするデジタル民主主義の考えが「プルラリティ」であると安野氏は説いている。

 科学技術の発達に民主政治のあり方をキャッチアップさせようという、この

興味深い試みに今後とも注目していきたい。

【超生産】AGIは人間社会をどのように変えてしまうのか?

    VAIENCE バイエンス 2026/03/20 10:29

    AGIが実現する未来、社会はどうなっていくのか…アレコレ予測するのは思考実験として面白い。仮にヒトが働く必要を無くしてしまった時、一体、何が起きてしまうのか、想像させてみたい。

フェイクニュースとの向き合い方】本当に触れるべき情報とは /ターゲティングやア

 ルゴリズムがもたらす弊害 / ドーパミンカルチャー / フィルターバブル / 情報リテラ

 シー PIVOT 公式チャンネル 2025/12/28  36:10

 情報過多社会の中で、ターゲティング、アルゴリズムによるフィルターバブルの危険性にどう対処すべきなのか、参考となる意見が得られる。特にSNSはただの嗜好品として捉えるべきであり、救助要請などのような社会インフラとしては扱うべきではない(偽情報にかく乱され、本当に救助が必要な人への救助が遅れる…)といった指摘は極めて重要だろう。

【SNSとの付き合い方】落合陽一氏が語る情報リテラシーvia日本財団社会課題研究

     ゼミ 日本財団活動紹介 2025/12/28  29:02

 刑法改正による侮辱罪の厳罰化はネットによる誹謗中傷に対してさほど効果が期待できないと考えるべきであり、SNS上での誹謗中傷に耳を貸さない、SNSとの間に距離を置く…といった個人的な対策の方がより効果的、現実的との指摘は極めて重要だろう。

 以上、二つの動画は教師として視聴しておいた方が良いと思うが、いかがか。

参考記事

ハルシネーションより危険なAIのシコファンシー問題、ヨイショするAIで強化され

     る人間の思い込み JBpress 小林 啓倫 2026.2.19

     生成AIが利用者に対して紛らわしいウソをつき、媚びてくることがある。この二点はAIを利用する上で最も重要な注意点であろう。生徒たちにもぜひ、周知徹底させたい。

不登校35万人時代「小中学校に通信制がない」のはなぜか?IT普及前のルールが“

 どもたちの学びを制限する現実 日刊SPA! 2025.9.9

 乙武氏の意見に全面的な支持をしたい。IT普及によって通信制のメリットが大いに生かせる時代となっており、これを利用しない手はあるまい。校舎不要で対人関係も広く築くことが可能、通学の不便を解消でき、同じ授業を繰り返し受ける事が出来る…こうしたメリットの一部は教師側も享受できるはず。小中学校でもぜひ通信制を認めるべきだろう。

参考動画

【OpenAI論文を読む】なぜAIはもっともらしい嘘をつくのか? ハルシネーショ

     ンの正体をゆる解説 安野貴博の自由研究 2025/10/10  18:25

ゆる解説】AIが人間を騙しはじめた!?/LLMの「デセプション」とは/ハルシネ

     ーションとの違いは/不倫暴露で脅迫?!

     安野貴博の自由研究 2025/12/19  15:12

 以上の二つの動画は非常に分かりやすい内容であり、生成AIの利用に際しての重要な注意点を要領よく理解できるオススメ動画。

【学ばない若手はなぜ生まれたのか?日本を襲う「学習恐慌」】ワークライフバラン

    ス重視の罠/未婚化の影響/組織の強制力低下/リモート定着と飲み会文化縮小/

    AIによるスキルのだるま落とし/正解待ち部下の増殖

    PIVOT 公式チャンネル 2025/10/06  26:56

    リスキリングと言う言葉が飛び交う一方で、「学習恐慌」という言葉の持つ衝撃は決して小さくあるまい。特に「内圧」「外圧」ともに低下したことが若者の学習意欲、成長意欲の低下が生じている、といった指摘は説得力を強く感じて興味深い。各種統計データが要領よく整理されていて若い社員の心理をうかがうことが出来るだろう。

    ここで指摘された若者の心理は高校生にもある程度は共通するはず。今時の若者の働く意識の一端を知る上では見逃せない動画。

【学ばない若手はなぜ生まれたのか?日本を襲う「学習恐慌」】ワークライフバラン

    ス重視の罠/未婚化の影響/組織の強制力低下/リモート定着と飲み会文化縮小/

    AIによるスキルのだるま落とし/正解待ち部下の増殖

    PIVOT 公式チャンネル 2025/10/11 23:43

    やや視聴時間が長くなるが、高校生にとっては先々進路、就職を考える上で非常に役立つ、示唆に富んだ内容となっており、ぜひ、授業で視聴させたい動画。また教師にとっては学校がなぜ自ら変わろうとしてこなかったのか、ただ知識と言う正解を一方的に「教える」ことが教育とみなす発想と行為に潜む重大な落とし穴に気付くことが出来るだろう。さらには生徒との関係や新任教師、後輩教師との関係を見直す良い機会となるに違いない。「学ばない若者」が生まれてきた背景には間違いなく自ら「学ぼうとしない日本の教師」、「変わろうとしない日本の学校」があったはずである。

【禁断のマウス実験】食料∞・病気や天敵ゼロなのに滅亡…楽園実験「ユニバース

 25」とは何か?

 ぶーぶーざっくり解説【小学生でもわかる科学】 2023/06/23  13:24

 議論の材料として授業で使えそうである。AI、量子コンピュータなどの急速な進化により、科学技術は爆発的なスピードで高度化していくことが予想されている。人類は科学技術を駆使してやがて地球環境の悪化を食い止め、病気や貧困を克服し、ロボットたちに多くの労働を委ねていくのかもしれない。そして人々は近いうちに毎日、遊び暮らせるようになる時代が来るのかもしれない。

 しかし科学技術の発達と暴走がむしろ人類を滅亡させる戦争を引き起こしてしまうのかも…ロボットの手によって人類が滅ぼされてしまうのかも…

 この楽園実験はそうした人類の、必ずしも明るくない未来を予見させる要素があるかもしれない。仮にあなたが今後、死ぬまで遊び暮らせるとしたら、一体どんな日々を送りたい?ぜひ、生徒たちと一緒に考えてみたい。

参考記事

ハラリが警告「ロボット反乱」より恐ろしいAI

 東洋経済オンライン ユヴァル・ノア・ハラリ 2025.5.24

 AIが人類の統制から解放されて自律的に動き始める時、一体、何が起きるのか、ハラリ氏の警告に耳を傾けたい。

「人類絶滅の恐れ」、オープンAI現・元従業員が警鐘

   JBpress 小久保 重信 によるストーリー 2024.6.12

   元オープンAI「従業員グループは具体的に、①従業員が匿名で懸念を通報できるようにすること、②内部告発者に対する報復を行わないこと、③従業員の発言を抑圧するような合意書に署名させないこと、を求めている。」らしい。AIの目覚しい進歩の裏側で早くから懸念されていたAIの暴走、悪用の危険性。人類の滅亡すら招きかねない力を持ち始めたAIに対して、AIの開発に従事する人々の内部告発を抑圧する体制の見直しが強く求められているとのこと。

 ただでさえ公益通報システムの確立が遅れがちであり、不祥事の隠蔽が政官財の随所にはびこる日本ではとりわけ注目される動きであろう。

 授業ではAIそのものよりも、日本の公益通報のお粗末なあり方を、かつて原発の「事故隠し」に走った動燃問題や「食の安全」が問われた雪印事件、学校や教育委員会によるイジメ隠蔽事件、自民党の裏金問題、さらには敗戦後の一部のA級戦犯らの釈放と戦後の活躍、公益通報の中核たるべきマスコミのジャニー氏による性加害報道に見られる深刻な機能不全…などの事例を引き合いに出して歴史的に振り返り、なかなか公益通報のシステムが浸透しない日本社会が抱える問題点を多面的に考えさせたい。おそらくポイントとなるのは公益を犠牲にしてまで仲間内を庇おうとする、日本人の歪んだ集団主義的心性が一体何に淵源するのか…ということではあるまいか。

玄侑宗久チャンネル お悩み拝聴 恐ろしい時代がやってきました 60代男性 

 玄侑宗久チャンネル  2022/05/06 7:28

 アナログ過ぎる考え方かもしれないが、実際、技術の進歩がもたらした便利すぎることのデメリットというのはあると思うが、いかがか。少なくともゆっくりと立ち止まって生きていることの意義くらい考えるゆとりは欲しい…科学技術の発達スピードが加速している時代ではあるが、今、生きていることをしっかりと味わえるようなマインドセットは時代を超えて相変わらず必要だと思う。私もまた「無用の用」という言葉をかみしめながら、あえて老荘思想を少しばかり学んでみたい60代である。

玄侑宗久チャンネル 今を語る!一日暮らし

   玄侑宗久チャンネル  2023/07/29 9:13

 仙厓和尚の「人間はみんな生きている間は同い年ばい」という言葉の味わい深さ、「一日暮らし」、「日々是好日」の意味するマインドフルな生き方に学ぶことも必要ではあるまいか。ChatGPTの利用を功利主義的と批判する立場があることは弁えておくべきではあるまいか。

【成田悠輔vs東浩紀】絶望感の正体は?日本の闇【ガチすぎ本音トーク】

   ReHacQリハック【公式】  2023/10/07  54:12

 東氏の観光を哲学する中で得られた観点は日本の今後を考える上で非常に示唆に富む内容だったと思う。ネット社会、IT化の進展とアニメ、音楽、映画の世界同時配信、そして世界規模の観光の発展とが世界の分断をいずれ和らげる可能性を秘めているとの指摘は特に刺激的。日本、特に沖縄の観光業の発展は沖縄、日本の経済的繁栄だけではなく、平和構築にも貢献する可能性を感じた。ただし番組の終わりの方で漏らした日本社会の頑固さ、改革を阻む根強い保守性に東氏が抱く苦渋に満ちた諦念の深さにも思いを致す必要があるだろう。多少、長くて難解な部分もあるが、日本と世界の将来を見据えるためにもぜひ視聴していただきたいイチオシ動画である。

【浪漫ビジネス】なぜ「ぬいぐるみの旅行」が価値を生み出したのか?こんまりメ

   ソッドに学ぶ「トキメキを生む事業」とは?(山口周:ビジョンクエスト) 

  【NewSchool】NewsPicks /ニューズピックス  2022/12/17  14:47

 コンマリを例にして発想の転換の重要性を説く山口氏の切り口は非常に鮮やかで感心させられるだろう。「未来予測」をテーマとする授業で最初に視聴させると生徒たちの興味を引き付けられるだろう。

[超定義] AIのディープラーニングを町田啓太が超高速で解説してみたら「おまんじ

 ゅう」に決定!| NHK 2021/10/22 4:47

[サイエンスZERO] 未来の高級ステーキ!世界初の技術で塊肉を培養 | 次世代の培

 養肉 | NHK 2021/11/06 4:22

世界初!“生きた”皮膚で覆われた指型ロボット開発 傷も自力で修復可能 

 2022/06/10 ANNnewsCH 

 「ターミネーター」も夢では無い?

奇妙な日本のホテル:世界初のロボットホテルに泊まってみた!🇯🇵

 Ruhi Çenet 日本語  2022/10/26 11:30

 この動画の珍妙さに驚く。近未来の生活を想像させるにはピッタリの動画だろう。

robots are getting so advanced it's crazy from 2009 to 2021!

 love-robots  2022/12/18 3:15

 ロボットの進化を確認する上で役立つ動画。

【時論公論】解説 | ChatGPTに仕事を奪われる? 高度AIと共存するために必要な

 スキルとは | NHK  2023/04/20 9:42

 今、話題のChatGPTに関してその長短、今後の対応の在り方までごく短時間で要領よく理解できるオススメ動画。

【ChatGPT】テキスト生成AIの実力は?アフター検索の未来図も?

 ABEMA 変わる報道番組 #アベプラ【公式】 2023/01/11 14:45

 フェイクニュースが無制限に作れる点では怖さを覚える。他方でたとえば多様な観点から検討すべき社会課題への模範的と思えるような解決策を複数、箇条書きで示してくれるなどの応用力の高さが世界的に注目されている。次から次へと関連した質問に答えられるという対話的なテキスト生成能力を持つため、利用価値は確かに高いだろう。質問の仕方を工夫していけばAIの回答は一層、洗練されたものに変化してくる。しかもエクセルにも適用できるため、関数を覚えていなくともデータの整理、分析が極めて容易となっている。AIの持つ力を誰もが容易に引き出す事が可能となってきたと言う点では革命的な進歩といえるだろう。

【時論公論】〝AIで人類滅亡の危機!?〟 世界中の権威・研究者らが発した「リ

 スク」と「対策」とは | NHK  2023/08/10 9:56

【ChatGPTとBard】AIがついに世界を変える!ネット時代の覇者Google vs

  逆襲のMicrosoft 中田敦彦のYouTube大学 2023/2/11 28:03

【ChatGPTとBard】AIを制するのはMicrosoftかGoogleか?教育や職業はど

 う変わる? 中田敦彦のYouTube大学  2023/02/12 19:40

【GPT-4の使いこなし方】AIで仕事を作る人、AIに仕事を奪われる人!使いこな

 せば未来を掴める 中田敦彦のYouTube大学  2023/04/04 19:38

【GPT-4の使いこなし方】AIの上手な活用方法は「入力が7割、調整が3割」

 中田敦彦のYouTube大学   2023/04/05 18:52

【漫画】「ひろゆきのシン・未来予測①」をわかりやすく解説【要約/ひろゆき】

 フェルミマンガ大学 2021/11/03

【漫画】「ひろゆきのシン・未来予測②」をわかりやすく解説【要約/ひろゆき】

 フェルミマンガ大学 2021/11/04 12分

【日本が危ない!】いま、世界は幕末!?未来から来た女が言う『日本の危機』と

 は【未来から来た女 Vol.1】DLE channel2019/01/24

年金制度が崩壊し、日本から若者が脱出! そして2040年に世界大戦が起きる・・・?

 【未来から来た女 Vol.2】/2019/01/31

日本に残された道は「○○○○の放棄」しかない!?そして起こる『シンギュラリ

 ティ』とは【未来から来た女 Vol.3】/2019/02/07

AIが実現した『シンギュラリティ』 そして訪れる人間の『変化』とは・・・【未来か

 ら来た女 Vol.4(最終話)】/J2019/02/21

 生徒の状況によっては利用可能。 

【漫画】2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ【要約/ピーター・ディアマ

 ンディス】フェルミマンガ大学 2021/05/20

成毛眞が語る「2040年の未来予測」【中田敦彦のYouTube大学でも話題】

 NewsPicks 2021/02/01

【2040年の未来予測】次の時代の成功者になるには(Predictions for

 2040)中田敦彦のYoutube大学 2021/01/09

【2040年の未来予測】衰退する日本と予測されるリスクとは?(Predictions  for 2040)中田敦彦のYoutube大学 2021/01/10

【NFTとメタバース】デジタル資産になぜ数十億円もの価値がつくのか?世界の

 未来はどう変わる? 中田敦彦のYoutube大学 2021/11/06

 

参考記事

10年後「生き残る仕事」「なくなる仕事」の境界線 今後においてもAIにできないこと

 は何か? 東洋経済オンライン 川村 秀憲 の意見 2024.4.13

 …仕事は「意思決定」と「作業」に分解され、このうち「作業」に関しては、相当部分がAIに取って代わられる…「自分で何をするか決める仕事」は残り、「人から言われてやる仕事」はAIに取って代わられる…という時代の流れに沿った学校教育とは一体、どういうものだろう。ぜひ生徒たちに考えさせたい。

 …「その人」だから価値があると感じているものは、AIには入り込めない領域…であるならば個性、多様性を尊重する教育がもっと必要となるだろう。

 …AI時代の到来が本当に問うているのは、「あなたならどうするのか」ということだ…ならば自主的、自発的な言動がもっと尊重されなければなるまい。

 …問題は、大企業や組織力の高い会社に入ったことで、仕組化の歯車のひとつとなって、属人化を排除する組織の文化や風土に慣れて…しまう事だとするならば、徹底的な校則の見直しだけでなく、学習自体をもっと個別最適化させ、自由化すべきだろう。

 …これまで善とされてきた「標準化」「マニュアル化」はAIが担い、悪とされてきた「属人化」こそが私たちが生き残っていく術…であるならば、これまでの文科省の教育行政のあり方とは真逆に近い体制が再構築されなければなるまい。たとえば学習指導要領の大幅な見直し、画一的で管理主義的な教育の徹底的な刷新が求められるであろう。

民主主義を破滅させる巨大IT企業による「監視資本主義」

 毎日新聞 2022/10/19 05:30

 要領よくポイントをおさえた短い記事なので全文、読ませて討論させたい。

OpenAIのサム・アルトマンCEOも言及する「AIが人類を滅亡させる可能性」 

 マネーポストWEB によるストーリー 2023.4.5

ChatGPTの可能性と脅威、ビル・ゲイツ氏も持論展開 AI議論で注意すべき3点と

 は? ITmedia ビジネスONLiNE 2023.4.5

 

・メタバースと仮想通貨

参考動画

【新技術】NTTドコモ細かい表情をアバターに再現

 2022/01/17 日テレNEWS 1:09

米・フェイスブック社が社名を「メタ」に SNSの未来形「メタバース」とは?

 2021/10/29 TOKYO MX 7:04

岡嶋裕史×宮台真司×神保哲生:メタバースはリアルな世界をどう変えるのか【ダイ

 ジェスト】 2022/02/05 videonewscom 12:32

メタ(Facebook)が展開するメタバースのイメージ映像

 2021/10/30 Media Innovation 3:32 

 日本語字幕に設定する必要あり。

ネット上の仮想空間「メタバース」に商機 ビームスなど企業が続々と参入 

 【news23】 2021/11/26 TBS NEWS 6:14

メタバース“2700時間超え滞在者に聞く魅力・・・人間の五感を再現した未来も

 (2022年1月10日) 2022/01/11 ANNnewsCH 8:22

「メタバースとは」アニメで解説!次世代インターネットはもう目の前!?

 2021/08/15 やさにゅー大学 6:36

メタバースとは何か?超わかりやすく解説! 数年後に訪れる未来仮想通貨との関

 係は?2021/12/18 大人の学び直しTV 14:56

【アニメで解説】メタバースって何?2021年の最重要ワードを初歩から!

 2021/12/19 コアラ先生の時事ネタ祭り 13:53

「NFTとは」ツイートに3億円の価値!?今更聞けないブロックチェーン、イーサ

 リアムも簡単解説!2021/08/29やさにゅー大学 9:59

【17分で解説】NFTの教科書 デジタルデータが資産になる未来

 2021/12/25サムの本解説ch 17:17

【NFTとメタバース】デジタル資産になぜ数十億円もの価値がつくのか?世界の

 未来はどう変わる?2021/11/06 中田敦彦のYouTube大学 39:38

【NFTとメタバース】NFTはゲーム・ファッション・スポーツ・音楽業界の未来

 をどう変えるのか? 2021/11/07 中田敦彦のYouTube大学 37:41

 中田特有の話し方にウンザリする方も中にはいらっしゃるとは思うが、そこは我慢してとりあえず耳を傾けてみると何とかNFTやメタバースについてそれなりに理解が進むはず。

【ひろゆきvsせきぐちあいみ】ブロックチェーンでマネー大革命【お金の価値、崩

 壊?】 日経テレ東大学 2021/08/22 40:53

 嗅覚や味覚は化学変化を伴うので視覚や触覚、聴覚とのタイムラグが生じてしまい、VRが5感全部に適応される・・・というひろゆきの指摘は鋭いが、お金という一元的価値尺度がAIの進歩やNFTの進展によってどんどん目減りしていくのでは・・・という成田氏の指摘も相当、エグイ。非常に刺激的な対談。

 ※非代替性トークン(ひだいたいせいトークン、英: non-fungible token、略称:

   NFT)とは、ブロックチェーン上に記録される一意で代替不可能なデータ単位で

  ある。NFTは、画像・動画・音声、およびその他の種類のデジタルファイルな

  ど、容易に複製可能なアイテムを一意なアイテムとして関連づけることができ

  (鑑定書(英語版)と類似)、ブロックチェーン技術を使用して、そのNFTの所

  有権の公的な証明を提供する。オリジナルのファイルのコピーは、そのNFTの所

  有者に限定されず、他のファイルと同様に複製や共有が可能である。代替可能性

  (英語版)(英: fungibility)がない(複製が可能である為、自身の所有権の証明

  には成り得ても、他者の所有する同一のコピーが偽物である証明には成り得な

  い)という点で、NFTはビットコインなどの暗号通貨とは異なる。 

  ・・・ウィキペディアより引用

【解説】メタバース上の殺人どう裁く?全世代が活用可能?政府が「メタバース研

 究会」発足│政治部・小野孝記者 

 2022/08/02 ABEMAニュース【公式】 15:52

【VR】メタバースでも痴漢やストーカー?安全と監視のバランス

 2022/09/29 ABEMA 変わる報道番組 #アベプラ【公式】 20:06

 メタバース空間で過ごす時間が増えてくると予想される負の側面として何があるのか、プライバシーを脅かすような全面的な監視社会の成立を防ぐためにはどんな仕組みが必要なのか、考えていくべき課題は多い。視聴後、生徒にアンケートをとって意見を募りたい。

【Web3.0とDAO】インターネット以来の大革命に乗り遅れるとヤバい!ポスト

 GAFAM時代の幕開け 2022/06/11 中田敦彦のYouTube大学  39:11

【Web3.0とDAO】次世代の株式会社DAOの仕組みと課題を徹底解説!

 2022/06/12 中田敦彦のYouTube大学  25:44

 Web3.0の本質的な意義をかなり分かりやすく説明してくれている。近い将来にどんな社会が訪れるのか、ある程度の見通しを持てるようになりたい若者にとっては役立つ動画だろう。

 

・デジタル社会の進展

【思想をRethinkせよ】宮台真司と波頭亮が、日本の未来を見つめ直す。

 2020/11/29 NewsPicks /ニューズピックス 57:57

【ひろゆきvsせきぐちあいみ】ブロックチェーンでマネー大革命【お金の価値、崩

 壊?】2021/08/22 日経テレ東大学 40:53

 VR、DXなどの進展がもたらす「マトリックス」のような近未来の社会を想像してみると・・・果たして人類は「仮想現実」の生み出す快楽が「現実世界」が生み出す快楽を上回ってしまう時代がもたらすディストピアを回避できるのか?

成田悠輔さんに「20代はどう働くべき?」と聞いたら、「人目につかない場所にい

 ろ」と言われました 2022/04/01 新R25チャンネル 20:44

 SNSが発達した時代における若者の進路意識を高める上で非常に有益な動画だと思われる。「自分に最適の進路」を探すことは危険であり、多くの場合、無益である可能性が高い。20代は自分が出逢った仕事にがむしゃらに取り組むべきであり、大義、目的は大抵の場合、後付けの言い訳に過ぎない。大義を設定してから仕事を探すのは無用である・・・誰でも発信できる時代は悪目立ちしてしまいがちであり、ほとんどの若者にとっては危険が大きい。むしろあえて若者は人目に付かない場所にいることが大切・・・目立ちがりやの傾向が強い若者にとってはかなり耳の痛い指摘であるが、説得力はそれなりにあるだろう。

【成田悠輔 x 社会論】未来の仕事。学歴と収入。 【KIDSNA】

 2022/07/29 KIDSNA STYLE チャンネル【公式】 3:19

・・・安易に時流に乗ろうとするのは危険。周囲の動きに同調しようとするよりも古くから続いてきた仕事に注目すべき。

[NHKスペシャル5min.] ゲノムテクノロジーの光と影 “神の領域”への挑戦・最前

 線の現場 | NHK 2021/06/08 4:40

Z世代起業家が語る、web3における日本の課題とポテンシャル【渡辺創太×成毛

 眞】 2022/09/24 NewsPicks /ニューズピックス 10:30

【メディア革命】次なるメディアの王者は何か?成田悠輔が語る次世代の特徴と可

 能性 ReHacQ-リハック- 【切り抜き】  2023/07/15  9:06

【ネットの功罪】真実消滅!「情報の死」とは?【フェイクニュースの近未来】日

 経テレ東大学 2023/01/06 30:49

 フェイクニュースが世界中に出回る中でウクライナ侵攻が起きてしまい、巧妙で悪質なフェイクに踊らされて核兵器が使用されてしまう危険性は徐々に増してきている。フェイクニュースを拡散する人々の数は多くはないが、彼らの活性が極めて高いため、その影響力は決して小さくない。フェイクを見抜く技術と精緻なフェイクの作成技術とはコインの裏表の関係にあるだろうから、フェイクをネット上からなくそうとする政府の試みはイタチごっこに終わりかねないだろう。

 

参考記事

私たち現代人が気づけば「井の中の蛙」に陥るワケ 知らずに「フィルターバブル」に飲

 み込まれている 東洋経済オンライン 矢萩邦彦 の意見 2023.4.27

 

参考文献

◎「やばいデジタル~現実が飲み込まれる日~」NHKスペシャル取材班 

 講談社現代新書 2020

 ・・・ネット社会の進展は情報をくまなく迅速に行き渡らせることによって民主主義を支えていく・・・というこれまでの期待が裏切られつつある。フェイクニュースが人々の言動を操り、投票行動を強力に決定づけるようになったアメリカやイギリスの動き、あるいは中国のようにコロナ禍を契機にネットを通じて国家が人々の言動を隅々まで監視できる独裁体制の成立といった現状に警告を発している。

 国家や大企業だけでなく、個人や零細企業までもが他者を陥れる道具として、あるいは「フェイクポルノ」のように利益を得るべく特定の個人のプライバシーを勝手に侵害するようになっている。スマホのデータ一つ、たとえば位置情報だけでも個人のプライバシーの多くは瞬く間に裸にされてしまう。

 「デジタルツィン」と呼ばれる、自分とそっくりなもう一人の自分が自分の知らないうちにネット上を裸で一人歩きしてしまう日が来るかもしれない。幼少時からSNSに触れてきたZ世代はプライバシーよりも便利さを優先してしまいがちと言われる。しかし年収や家族、趣味、食べ物の好み、住所、職業、交友関係までもがたやすく他人に知られてしまう社会になっていることへの警戒は必要だろう。

 

 

 

 

 

その2.障がい者差別をめぐる話題(前編)

 

 以下、「障がい者」と個人的には表記していきますが、引用や番組のタイトルなどではそのまま「障害者」と表記している場合があることを予め、ご了承ください。

 

参考記事

精神・発達障害者6割が「クローズ就労」 当事者団体アンケート

 毎日新聞 2026.3.31

 いつまでたっても一定の集団を社会的弱者に貶めている日本社会の中核にある問題点とは何だろうか。生徒たちに列挙させ、重い順に整理させてみたら解決に向けての糸口、手順が見えてくるかもしれない。

 そもそも目の前の教師たちの中に「精神・発達障がい者」がどれほど存在していて、どれほどそのことをオープンにしているのか、仮に教師の一人が障がい者だったとして、生徒はどのように対応すべきなのか、次々と考えを深めていければ探求学習での格好のテーマにもなるだろう。

参考動画

【みいちゃんと山田さん】ボイスコミック「みいちゃんと過ごした12ヶ月の話」|

      cv:潘めぐみ 月刊少年シリウス 2025/12/23  29:16

     知的なハンデを負っている児童生徒がこれまで一度も特別な支援を受けることなく普通科高校に進学してくることは、定員割れの多い教育困難校ならば決して少なくない。足し算が出来ない、記憶力が極端に低い、平仮名やカタカナすらほとんどまともに書けない…そうした生徒には当然のことながら、個別的で特別に工夫された指導が本来は必要とされるだろう。

 特別な支援が必要である生徒であるにもかかわらず、個別的で特別な支援が不可能なスタッフたち及び健常者ばかりを前提とした設備しかない普通科の学校に入学することは、本人の成長や進路にとっても致命的なマイナスとなる危険性は決して小さくない。この際、綺麗ごとは抜きにして社会全体で真正面から考えていくべきだろう。

 仮に「みいちゃん」のような生徒が高校に入学してきたとして、40人学級を受け持つ普通科の高校教師に一体、何ができるのか、少しは想像してみてほしいのだが…

泣いて勇気をくれる実話映画、チック症の障がい者が天敵の職業を目指す、人生を

    変える話|【映画紹介】|Front of the Class

    クロエ映画研究 2025/05/09 18:11

   実在する トゥレット症候群の教師の話。やや長いが、差別と向き合う姿勢に励まされるだろう。

【働く幸せ】難病でもバリスタに 分身ロボットカフェで働くALS患者の想い 

    日テレNEWS 2021/11/03  12:57

【不登校経てロボット研究者】分身ロボットOriHime /99%が失敗/月5000人が

    訪れる分身ロボットカフェ/小中学校で不登校/孤独を解消する/生きる理由【ド

    キュメンタリー 仕事図鑑(吉藤オリィ)】

    東洋経済オンライン 2024/12/15  15:47

 特別支援学校卒業後の障がい者の人生を考えていく際に、「孤独」の解消が大きなテーマになる、という点に注目したい。障がい者と社会との接点をどう創り出し、接点をどう維持していくか、吉藤氏の取り組みを参考にして考えていきたい。

【驚愕】ADHDの人間は世界をどのように感じているのか?

   VAIENCE バイエンス  2024/08/14  10:54

   近年、成人にも数多くその存在が確認されてきた発達障害の一種であるADHDに絞って解説されている。やや難しい箇所もあるが、脳の仕組みが分かりやすく、発達障害への差別偏見を解消していくためにもぜひ視聴させたい動画。

障がい者は「我慢せえよ!」名古屋城復元をめぐり“差別的発言”が波紋 河村市長

 出席で陳謝も|TBS NEWS DIG  2023/06/06  3:18

 不適切な言動でしばしば注目される河村市長による不祥事がまた一つ加わった。今回は市長自身の暴言ではないが、市民による暴言を制止できなかった主催者、とりわけ市長の責任は極めて重い。

【落合陽一】小学校高学年の17%は幻聴を聞いている!なぜタチ悪いキャラの幻聴

 が?脳性まひ、当事者研究の熊谷晋一郎が語る『解釈的不正義』、学校教育で顕著

 な『排除型と同化型差別』、孤立と自立の違いとは?

 NewsPicks /ニューズピックス  2023/05/28  16:23

 排除型の差別だけではなく同化型の差別があるという視点は極めて重要。

【落合陽一】自立しなさい!って何?脳性まひの小児科医、熊谷晋一郎「自立は依

 存の反対語ではない、むしろ依存先が多いこと」当事者研究の専門家が語る、自立

 の必要条件「選択肢がたくさんある事、支配されない事」

 NewsPicks /ニューズピックス  2023/05/18  17:23

 依存先が多いほうが自立に有利、という指摘も極めて重要だろう。熊谷氏の出演する二つの動画を視聴しておくと障がい者差別の問題をより多角的で深い視点から眺めることができるようになると思う。やや長めの視聴時間になるが、ぜひ、視聴していただきたいイチオシの動画。

依存の価値を再考する | 晋一郎 熊谷 | TEDxHitotsubashiU

 TEDx Talks  2023/03/23 18:00

[ハートネットTV] 不発弾で両目と両手を失って教師になる | NHK

 2021/04/16 NHK 5:00

 両目と両腕を失ってしまった教師が教壇に立っていられる事の背景に何があるのだろう?彼の存在は生徒たちにどんな影響を及ぼすだろう。

   ※参考記事 

  ◎吃音でも教師になりたい 「当事者だからこそ」学生の模擬授業

   毎日新聞 によるストーリー  2024.1.25

  生徒の多様性、個性を尊重するだけではなく、教師の個性や多様性を尊重した教師養成教育、教員

   採用の在り方も大いに模索されるべきだろう。

[ハートネットTV] 介助を通してさまざまなものを学び取り 自分自身を見つめなお

 す若者たち | NHK 2022.11.2 9:58

 障がい者への介助から学べる事とは何だろう?未熟な自分から逃げずに対峙し続けるとはどういうことだろう?障がい者の人生にまで寄り添う仕事に介助者のプライベートな側面はどう捉えるべきだろう?「恋するヘルパー」とは介助のどういう側面を表しているのだろう?様々な問いが思い浮かぶ。

「24時間テレビ」は障害者の「感動ポルノ」 NHKの裏番組「バリバラ」が話題

  [モーニングCROSS] 2016/09/29 CUT CROSS 3:42

【乙武が解説】24時間テレビの問題点とは!?

 2020/08/22 乙武洋匡の情熱教室 - Limitless OTO 9:23

・感動ポルノの危険性について(ウィキペディアより引用)

 感動ポルノ(かんどうポルノ、英語: Inspiration porn) とは、2012年に障害者の人権アクティヴィストであるステラ・ヤングが、オーストラリア放送協会のウェブマガジン『Ramp Up』で初めて用いた言葉である。意図を持った感動場面で感情を煽ることを「ポルノ」(ポルノグラフィ)という形で表現しているが、ポルノ自体は性的な興奮を掻き立てるものに使われる。ステラによれば、この言葉は、障害者が障害を持っているというだけで、あるいは持っていることを含みにして、「感動をもらった、励まされた」と言われる場面を表している。そこでは、障害を負った経緯やその負担、障害者本人の思いではなく、積極的・前向きに努力する(=障害があってもそれに耐えて・負けずに頑張る)姿がクローズアップされがちである。「清く正しい障害者」が懸命に何かを達成しようとする場面をメディアで取り上げることがこの「感動ポルノ」とされる。また、紹介されるのは常に身体障害者であり、精神障害者・発達障害者が登場することはほとんどない。

 日本においては、2016年8月28日にNHK Eテレが『バリバラ障害者情報バラエティー』「検証!『障害者×感動』の方程式」で感動ポルノを取り上げ、裏番組に当たる24時間テレビを批判した。

 英国BBCは1996年、障がい者の「困難に耐えて頑張る」姿ばかりが描写されがちなことに対する抗議運動を受けて「障害者を“勇敢なヒーロー”や“哀れむべき犠牲者”として描くことは侮辱につながる」というガイドラインを制定している。

 また、2020年の新型コロナウイルスにおける医療従事者への感謝として「コロナ(ウイルス)と戦う医療従事者の皆さまへお礼のメッセージ(拍手)を送りましょう」と自治体やタレントが音頭を取るケースもあり、「感動ポルノ」「全体主義的」だと批判されるケースもあるという。

 ただしコロナ禍における医療従事者へのお礼のメッセージに関しては強制で無いのなら、たとえ自治体やタレントが音頭をとったとしても「感動ポルノ」には該当しないし、まして「全体主義」と批判するのは的外れも甚だしいだろう。むしろ「感動ポルノ」という言葉が一人歩きしてしまうと、障がい者をありのままに評価する方向では使われず、偏見差別との戦いの先頭に立って活動している障がい者たちを攻撃し、傷つける言葉として安易に使われてしまう可能性の方が出てきてしまうのではあるまいか。

[バリバラ] 身長115cm 女性 マイホームで過ごすモーニングルーティーン |

  NHK 2021/12/09 3:25

[バリバラ] 1人暮らし車いす女子のモーニングルーティン | 

 NHK 2021/04/22 4:47

[バリバラ] 1人暮らし 全盲女性のモーニングルーティン | 

 NHK 2021/06/17 4:29

視覚障害者の暮らし--空間認識編【フリー・ザ・チルドレン・ジャパン】

 2017/05/02

 どのようにして視覚障がい者は外界を認識しているのか?白杖の役割と放置自転車の怖さが分かる。

 他にも「しょうこチャンネル」(頸椎損傷による車椅子生活からの精神的立ち直りと周囲の支え・・・)「寺田家TV.サイボーグパパ」(小児麻痺による車椅子生活から「ハル」を用いた機能回復への途、障がい者の結婚と子育て・・・)など、何人かの障がい者がユーチューブなどで発信しているので是非、ご覧下さい。

 

登美丘高校ダンス部×『グレイテスト・ショーマン』|This Is Me~これが私~

 Warnar Music Japan 2018/01/17 2:53

 歌詞の日本語訳が分かりやすい。これは「感動ポルノ」なのだろうか?できれば映画そのものを視聴させたいが…時間的には無理か。

 ※参考資料:カッパが授業用の資料として作成したものを以下に掲載 (ネタバレあり!

 ・ミュージカル映画「The Greatest Showman」の概要

  本作はアメリカで2017年の暮れに公開され、日本では翌春に公開されたミュージカル映画である。

 音楽スタッフは「ラ・ラ・ランド」と同じであり、作詞、楽曲面でも優れた作品となっている。ユー

 チューブ上ではあの大阪府立登美丘高校ダンス部がハリウッドと提携して「This is me」

 を踊っているシーンが話題を集めた。日本人の場合、ミュージカルが苦手でセリフのわざとらしさや

 大げさな動作にややひいてしまう人も多いに違いない。しかし本作は若干そうしたミュージカルにあ

 りがちな要素を残しつつも、その物語性、メッセージ性には注目すべきものがあると感じた。

  本作のあらすじを紹介しよう。時代は19世紀半ばのアメリカで主人公はP.T.バーナムという実

 在の人物。不幸な生い立ちの彼は才能豊かな野心家であり、金持ちの令嬢と結婚したまでは順調だっ

 たが、勤務先の会社がたちまち倒産してしまう。やがてかれは興行の世界に飛び込み、挑戦と失敗を

 繰り返していく。彼は隠れるように生きてきた個性的な人々をいわゆる「見世物」としてサーカスの

 一員に迎え入れ、スポットライトをあてていく。「奇形」であることをショービジネスとして人々の

 「好奇の目」に敢えてさらけ出していく事によって彼らを孤独と闇の世界からスポットライトのあた

 るステージに導く。そして一人前の稼ぎ手としてのプライドも回復させていく。19世紀、まだまだ差

 別や偏見が露骨にはびこっている時代のことである。「見世物」として彼らを好奇の目にさらすこと

 に異議をとなえる立場もあろうが、それは人権意識の高まった21世紀の感覚であることに留意すべき

 だろう。

  「This is me」の日本語訳「ありのままの私で良い、人と違うから良い、誰に見られて

 も怖くない、私には愛される価値がある…」。基本的には「勇気を持って新しい世界にチャレンジし

 よう」という冒険精神と「どんな人にも輝かしい舞台、居場所がある」という積極果敢なメッセージ

 がこれらの曲に込められているようだ。冷たい視線を避けるようにしてずっとひきこもってきた、身

 体的に個性の強い人々がステージの上で堂々とその存在を誇示し、輝きだす。確かに「This i

 s the greatest show」なのである。

  アグレッシブで個性と自己主張を重んじる欧米らしい価値観がよく反映された歌詞とストーリーで

 あろう。ただこの映画の内容からは、引きこもりがちな人に限って心の底では皆に注目されたいとい

 う秘かな願望を抱いていることが察せられて心が痛む。長い抑うつ状態とひきこもりの中で繰り返し

 夢想してきた、人々の前で燦然と輝いている自分…深く傷ついてしまった自分のプライドを一気に取

 り戻したいという一種の「焦り」をその願望の裏側に嗅ぎ取ってしまうからに違いない。

  マインドフルネスの立場ではおそらくこの映画のアグレッシブな側面を警戒することになろう。勇

 気ある闘う姿勢は一つ間違えば「問題を濁らせてしまい、かえって問題をこじらせてしまいかねな

 い」と捉えるのではなかろうか。劣等感の裏返しが優越感であるとしたら、競争に勝つ事で優越感に

 浸る…といった危険な方向性を内在させてしまう恐れもあろう。

  肝心な点は劣等感を取り除く事ではあるまい。劣等感にも存在価値がある。適度な劣等感は努力や

 成長をもたらす原動力となろう。ただ余りにも強過ぎる劣等感が引きこもりや抑うつ状態といった

 様々な問題をひきおこしている。彼らに共通する強過ぎる自己卑下、自己嫌悪が抑うつ状態の一因で

 あることは間違いない。そしてその反動として一気に名誉挽回をはかろうとする「野望」もまた大き

 な危険をはらむのである。

  一気にプライドを取り戻そうとして勝ち目の無い勝負に出てしまい、かえってプライドを傷つけて

 しまうことこそ、最悪の展開。確かに成功すればドラマチックではあるがどうみても、危険な賭けを

 打てる状況ではあるまい。ドラマチックな逆転劇を夢想してしまうほどに引きこもりがちな人のプラ

 イドはズタズタに傷ついている…だからこそなおさら一歩一歩、着実に前進できる手立てをうつこと

 が抑うつ状態に陥っている人にとっては必要なものとなる。

  劣等感を招く一方で周囲を見下す…卑屈と傲慢さを同居させる事で人間関係をギクシャクさせてし

 まう厄介なプライドを刺激してしまう。そうした点でこの映画には一抹の不安を感じてしまうのであ

 るが、いかがであろう?

  実際、「This is me」はプライドに軸足を置いた歌。だから戦闘的な要素も秘めた、自

 己主張の強さを感じる。踊りも挑みかかるような逞しさを覚える振付。しかしプライドに軸足を置い

 た生き方は一歩間違えるとストレスフルな状況を招き寄せるかもしれない。プライドにこだわる生き

 方は人を勝ち負けに執着させ、勝ち続けることで名声におぼれてしまう、そんな生き方につながりか

 ねないのでは?

  主人公バーナムが歌手と浮気するなかではまりかけた上流階級へ上りつめようとする野心的チャレ

 ンジはおおいにプライドをくすぐる生き方に違いない。しかしそれはやがて勝者としての優越感に浸

 り、敗者を見下ろす傲慢さをも生みださないか?ひきこもってきた人々に活躍の場とあたたかい居場

 所を与えていたサーカスを下品な「見世物」としてさげすんでしまう事にならないか?逆にプライド

 を高めるための競争に負ければ人は卑屈な思いに屈してしまわないのか。とすれば確かにこの映画の

 終わりは「From now on」でなければならなかった。主人公はもう一度家族の元へ、サー

 カス団の元へ帰っていくことになる。断固として今すぐ…

 

「注文に時間がかかるカフェ」スタッフ全員が話し言葉が滑らかに出ない"吃音症"

  神戸のカフェで人生の大きな一歩を踏み出した大学生に密着【報道ランナー「特

 集」】 関西テレビNEWS  2022/10/24 14:02

“悪魔の病気”トゥレット症と闘う若者…食事は?就職活動は?「普通に生きるのに

 困ります」 CBCドキュメンタリー  2022/11/09 14:00

参考記事

盲目の人が手術で視力を回復、自ら命を絶った悲しい理由

 ダイヤモンド・オンライン 原井宏明,松浦文香 によるストーリー  2024.5

 まさに盲点をついた指摘である。

目の見えない研究者と耳の聞こえない研究者が、多様な人たちが理解し合うための

   コミュニケーションを語る。書籍『「よく見る人」と「よく聴く人」』。 

   こここ編集部 によるストーリー  2023.12.15

900万人が驚いたたいせつな疑似体験 日本の子が「視覚障害者・聴覚障害者・高

 齢者」を知る意味とは コクリコ編集部 の意見 2023.8.5

日本でも24万人超が体験! 子どもと親の真っ暗闇体験で起きた想定外の「5つ

 の変化」コクリコ編集部 の意見 2023.8.6

 …何一つ見えない暗闇の中では、普段よりも匂いに敏感になり、人の声に集中できました。見えないことによって他の感覚が開いていく気がしました。…

 …彼ら視覚障害者は、暗闇の中で迷っている人と、冒険している人を区別できるそうです。迷い人と冒険者は、足の運び、白杖の付き方、衣擦れの音、呼吸が違う。不安な人と楽しんでいる人は呼吸の仕方まで違うことを彼らは知っているんです。だからこそ、見えない中でも遠くで迷っている人を容易に見つけることができた。「なんという能力だろう!」と心底、驚きました。この驚きや感動は、文字で読んだり伝聞だけではわかりません。実体験して初めて得られます。

…見えない、聞こえない、歳をとる。一見、いずれもとてもネガティブな体験だと思われがちですが、当事者が出てきて、案内し、アンコンシャスバイアス(無意識でのものの見方やとらえ方のゆがみや偏り)を、出会いと対話で溶かしていきます。

 こうした体験を通じて子供たちは以下のように変化していくという。

1.街で障害者が視界に入るようになった

2.シルバーシートに座っていた子どもが席を譲るようになった

3.子どもの知らない一面を見ることができた

4.自分は必要とされていると実感できるようになった

5.(以上の変化を子供に感じた親は)子どもへの向き合い方が変わった

 「見えない」「聞こえない」ことの体験こそが障がい者への理解を深めていく第一歩なのかもしれない。授業では導入としてアイマスクを用いた簡単な体験をさせてみると良いだろう。

耳が聞こえない人々の戦争体験 「今ではあり得ないことが当然に」

 毎日新聞 によるストーリー 2023.8.2

 戦時中におけるろうあ者への差別とろうあ者ならではの恐怖体験はぜひ知っておくべきだろう。

「人間扱いしていない」植松死刑囚と同じ体質だった、もう一つのやまゆり園<47

 リポーターズ> 東京新聞 2022年9月20日

知的障害者施設「中井やまゆり園」で“虐待行為” 園長を懲戒処分、職員7人と幹部

 職員ら15人も注意 日テレNEWS によるストーリー 2023.5.25

 保育所、障がい者施設、精神病院などでの不適切な対応、虐待が頻発している背景に何があるのか、また職員への注意という処分が妥当なのか、これは刑事事件ではないのか等々、ぜひ授業で考えさせたい。

“障害”ってそもそも何だろう? 困難の原因を「社会モデル」から考える——バリア

 フリー研究者・星加良司さん こここ編集部 2022.12.14

 「傷害」を「個人モデル」から「社会モデル」に転換する試みは極めて重要な視点を提供してくれるだろう。「障害者の村」という寓話は視点を「社会モデル」に転換させる上でかなり役立つに違いない。

障害者がつくるVRアート「仮想空間では自由になれる」と神足裕司さんも夢中

  日刊SPA! 2022/08/06 08:52

知的障害者が7割の企業 健常者の27歳社員が得た気づき「スタートの位置が人によ

 って違うだけ」 AERAdot.2022/10/30 09:00

「障がい者を笑うな」の一声で衰退した”こびとプロレス”。現役レスラーが問う、 

 なんとなくの善意 集英社オンライン 2022/10/30 18:01

 これも「感動ポルノ」と同様、健常者が障がい者に抱きやすい気持ちの落とし穴にハッとさせられる記事。障がい者問題を深く考えさせていくには役立つ内容。

追悼 さらば「障碍者芸人」ホーキング青山の破天荒一代

   アサ芸プラス によるストーリー 2024.2.25

「顔の変形」に悩む人々が〝脱マスク社会〟に抱く不安 「見られない気楽さを手放

 したくない」安心感が一転 withnews の意見 2023.5.1

 この問題、実は自己肯定感が低くなってしまった不登校やうつ傾向の生徒たちにも

共通する。私の勤務していた三部制の定時制高校午後部では特に不登校の生徒が多かったが、コロナ禍が始まる数年前からすでに三分の一近くの生徒がマスクを常用していたのを思い出す。

アベマブログ「見世物小屋と中村久子」

   小川里菜のあの事件を追いかけて 2024.1.25

 内容が素晴らしく、読み応えのあるブログでイチオシ。障害を売りにする行為とそれを好奇の目で見る観客とは確かに偏見を煽るような点である種の共犯関係にあるが、かつての「見世物小屋」にあった世界の存在意義自体を丸ごと単純には否定できない。障害を人々の前で敢えて晒す行為が「好奇の眼差し」を「感嘆の眼差し」に変えることもありうるのだ。その意義と可能性を踏まえた上で現代において障碍者の自己主張、自己表現欲求をどう引き出していくのか、様々なアプローチを模索する上でも大いに参考となる記事だろう。

 

・科学技術の進歩と障がい者

ヒュー・ハー: 走り、登り、踊ることを可能にする新たなバイオニクス義肢

 TED 2014・・・「障がいを無くしていくサイボーグの時代へ」

ヒュー・ハー:21世紀末、人は羽を持ち、空を飛翔する

 TED 2018・・・「いよいよサイボーグの時代へ」

 ・・・義肢が自分の体と一体化し始めた! 感覚を伝える義肢の登場

【転換期】「義足選手が健常選手に陸上100mで勝つ」パラリンピックをどう楽し

 む?道具の進化で好記録も?オリパラ合体論も?為末大と考える|#アベプラ《ア

 ベマで放送中》 2022/03/08 ABEMAニュース【公式】 13:18

【暴論?】パラリンピックをなくしたい【炎上覚悟】

 2021/08/22 乙武洋匡の情熱教室 - Limitless OTO 7:11

 ぜひ討論のテーマとして扱いたい。パラリンピックの意義は何?上の「義足選手

が…」と併せて視聴させると議論が深まるかもしれない。

 ヘレン・ケラーは「人にとって最も大切なことは目に見えず、耳には聞こえない。それは心で感じるしかない」と言っている。つまり健常者の中には目が見えるために肝心なことが見えなくなってしまう人がいる。耳が聞こえるために肝心なことを聞き逃してしまう人がいる。なまじ、見聞きできるためにかえって人は大切な事を見失い、大切なメッセージを聞き逃してしまうこともあるのだ。だからこそ健常者は目の見えない人が「見ている世界」を見ようとしてみるべきであり、耳の聞こえない人が聞いているメッセージに耳を傾けてみるべきである。

 確かに障がい者問題を考えるときにはこうした視点を忘れてはなるまい。しかしその一方で特定の障がいが人々に大きなハンディ、不便をもたらしていることも紛れもない事実である。MITのヒュー・ハーは自らの障がいを乗り越えるべく、「障がい」の除去と身体能力の回復、欠損した両脚の感覚を取り戻す技術の開発に取り組んできた。そしてついにサイボーグ化への一歩を踏み出している。感覚を持つ義肢の登場である。

 これらの技術は「人にとって最も大切なこと」=「愛」に基づいて開発されてきたとしても戦争などに悪用されかねない危険性を秘めている。たとえ善意に基づいて開発された技術でもたちまち悪用される危険性がある事は過去を振り返れば納得できよう。もちろん、その逆もある。悪意に満ちた技術が善意のために利用される側面はあるに違いない(原子爆弾の開発⇒原子力の平和利用)。

 問題はその技術を国や社会がどのように活用するのか、活用主体の目的と活用方法(善意に基づいた活用でも大事故による悲劇は生じうる=福島原発)にある。特に私たちが注意すべきはそれらの高度な技術に関わる情報が常に分かりやすく国民に提供されているのかどうか、という点。

 政府はこうした大きな社会的影響が生じかねない技術に関わる点を出来る限り情報公開し、国民の知る権利の保障に努めるべきである。つまり国家は国民に分かりやすく知らせる義務があるのである。

 もちろん軍事的には「国家機密保護法」の制定も必要だが、「事故隠し」を続けて原発の事故報告を怠ってきた歴代政府の責任は重い。まずは情報公開と情報の保管(国立公文書館)の充実が「国家機密保護法」に先行すべき取組であったはずである。桜を見る会、モリかけ問題等、政府にとって都合の悪い事は情報公開を拒否し、証拠隠滅を図ってきた日本政治の過去は問題の多いアメリカと比べても極めて不透明で罪深いものがある。

 科学技術はめまぐるしいスピードで進化を遂げている。しかし日本の政治の在り方は古くから東アジアの為政者における伝統的統治姿勢である「知らしめず、依らしむべし」という古色蒼然たる、非民主主義的な観念のままである。このままでは今後もずっと民主主義は日本にきちんとした形で根付くわけがない。科学技術の発達に遅れをとりつつある日本政治の民主主義的な方向へのアップデートこそ、日本政治の喫緊のテーマと言えるのではあるまいか。

 

・劇団態変とは:障がい者問題を深掘りしてみよう

劇団態変 第69回公演「箱庭弁当」向井望

 2019/06/16 劇団態変 1:31

 態変は主宰者の金滿里(1953~)により1983年に大阪を拠点に創設され、身体障がい者にしか演じられない身体表現を追究するパフォーマンスグループである。

 以下、態変の活動を説明したウィキペディア掲載の文章を一部、紹介する。

 「身体障害者の障害じたいを表現力に転じ未踏の美を創り出すことができる」という金の着想に基づき、一貫して作・演出・芸術監督を金が担い、自身もパフォーマーとして出演する。金自身ポリオの重度身体障害者である。

 海外での招聘公演も数多く、特に欧州では「これまでのダンスの枠組みを大きく捉え返す必要のある表現に出会った」などの評価を受け、その斬新で先鋭的な芸術性へ触れる機会を求められている。


 その方法は、身体障害者がその姿態と障害の動きとをありのままに晒すレオタードを基本ユニホームに、障害それじたいを表現力に転化して人の心を撃つ舞台表現を創り出す、それが劇団態変の表現である。


 身体こそが身近にある小宇宙、として捉えるとき、不安定にも見える態変のパフォーマーの身体こそが、一瞬たりとも同じではない宇宙への感応の表現としてある。態変が表現する、ことは、生命丸ごとを投げ出すということに近く、生きる本能に目覚める身体性である。それは命の形、であり魂の表現なのだ。

 それは、従来ダンスに求められてきた再現性とは異なる、再現不可能な一期一会として用意される表現でなければならない。その舞台を通して観客も、自身の日常を越えいつしか非日常のパフォーマー態変の身体を共に生き、自身の身体を開放させ命に触れるのである。

 創立時よりの習わしで「劇団」と名乗ってはいるが、敢えて言えば physical theatre に該当するスタイルで、これまで30年かけて表現として見つめてきた動きは『ダンス』でもなく、『舞踏』でもない、どこにもなかった『態変』の身体表現である・・・

 

 最初に視聴したときに引いてしまう生徒が出てしまうかもしれないが、「グレイテスト・ショーマン」と同様に、障がい者の活躍の場としてこういう舞台が存在すること自体には間違いなく、大きな意義があるだろう。

 ※参考記事

  選択の果てで見つけた表現の道 障害者のパフォーマンス集団「態変」主宰、金滿里さん あの日か

   ら 産経新聞 2025.1.4

  〇「障害とは何かを掘り下げると芸術につながる」 金満里さん

   身体障害者の劇団「態変」を主宰  2014/11/23 朝・夕刊の「W」

 ※参考動画

  ○【あそどっく】障害も”笑い”に! 寝たきり芸人の生きる道 『Nドキュポケット』

   NNNセレクション 2022/04/29 日テレNEWS 4:40

 

 

 

§5.日本の進路2.少子高齢化のインパクト

※この記事は常に新鮮なネタを提供すべく、随時、更新されています。

 

参考動画

【予言的中】ソ連崩壊を唯一当てた男、E・トッドが警告。中国の「静かなる時限爆

     弾」と日本の「意外な未来」  歴史の羅針盤 2025/11/06 16:57

     トッドと司馬の二人の指摘を同時に提示すると面白い議論が出来そうである。

司馬遼太郎式】日本人の”最大の弱点”とは|伝説の文豪が語る『現代日本がダメに

     なった理由』 偉人の名言コレクション  2025/10/31  10:54

【司馬遼太郎】人は◯◯でしか動かない。人を動かすリーダーとは|文明史家が語

     る『人の心を動かす力の正体』  偉人の名言コレクション  2025/11/09  9:11

 空気を読む文化の負の側面をしっかりと考えたい。議論、討論が授業で求められる理由は何だろう。おそらく授業とは究極的には他人が考えた正解を覚える事ではなく、「自分の言葉で考える」訓練そのものだからであろう。

看護師27万人不足の衝撃崩壊寸前?医療現場の今【ガイアの夜明け】

     テレ東BIZ 2025/04/28  10:06

介護の質が下がる理由〜認知症専門医・長谷川嘉哉

    「ボケ日和 転ばぬ先の知恵」チャンネル 2025/06/06 9:24

     これが日本の医療介護の実態であり、現在、政治の貧困が最も露骨に表面化しているのが、医療介護の現場であろう。学校教育ももちろん酷いのだが、介護医療の現場は既に医療従事者として「諦め」のレベルにまで達してしまっているようである。医療介護の崩壊がここまで来てしまっている、という痛切な認識が国民だけでなく、政治家全員にも必要。

【病院大倒産時代。医療崩壊に導く「5つの罪」】中小病院の経営はなぜ苦しいか/

 データに基づかない、思いつき医療/民間参入を阻む医療制度/地獄絵を回避する

 改革/テクノロジーは救世主となるか/病院の規模拡大

 PIVOT 公式チャンネル 2025/06/26  28:36

【2030-2040年の医療の地獄絵】認知症シニアが街に溢れる/2030年から85歳以上

 が急増/外科医不足で手術が半年待ち/介護職員不足も深刻に/単身世帯、自宅・

 施設での死が急増/若者が支えるのは無理

 PIVOT 公式チャンネル 2025/06/25  30:36

 介護医療教育に共通する厳しい問題がデータに基づいて分かりやすく説明されている。これらの分野に対する政治の無策ぶりがよく分かる。ただし学校教育に関しては児童生徒数の減少があるので教員不足の悪影響も緩和される側面があるだろうが、介護医療分野では患者数が激増するにもかかわらず、医師、看護師、介護士、施設すべてが減少していく点でより深刻であろう。

参考記事

出生数減少の要因は何だと思うか? 年代、男女間で意識差     毎日新聞 2026.3.28

 調査結果の中で特に性差、年齢差の大きく出たものをピックアップし、差が出た理由を考えさせたい。

公園が静寂に包まれる異常事態! 叫べない走れない子供たちの悲鳴と高齢者の過剰な

    正義感が招く遊び場の終焉 Tend 2026.2.25

 これ以上の「老害」の垂れ流しもいかがなものか、とは思う。「空き地」というかつてのサンクチュアリ、自由空間を失った都会の子どもたちはもはや室内にこもるほかない、とすれば事は重大である。

    子どもたちの出す騒音がやかましいと感じるならば、高齢者は寺社の境内を散策すればよいだろう。公園は本質的に子どもたちがはしゃぐ場所であってほしい。かつてそうであったように大人たちはその喧騒を温かく見守っていて欲しい。ただでさえ少なくなってきている子どもたちの騒音が昔よりも酷くなってきているとは到底思えない。怒りを抑えられない、我慢できない高齢者特有の心理からくるようなクレームにまともな対応は不要である。

 子どもを邪険にする社会に決して明るい未来は来ないだろう。今の日本社会がどことなく暗く、澱んだ停滞感を漂わせているのも、政府が教育予算をケチり続けるなどして、きっと子どもや若者に冷たい社会となっているからではないのか。

児童相談所の職員、最大月5万円の給与加算へ…離職防止へ政府方針

     読売新聞 2026.2.16

 これまたいつもの通りの的外れ対応である。職員の定員を増やすか、職務の大胆な削減を進めるか、のどちらか一つの選択肢しかあるまい。給与がわずかばかり上がったとしても、ブラックな職場を避けるのが今時の若者である。

     これまで予算をケチりにケチってきた国政の経緯をふまえれば、職務の大胆な削減を選ぶのが唯一の選択肢と考えられる。しかし、国はこの選択肢も当分の間、選ぶつもりはないだろう。児相の機能マヒがさらに深刻化するのは目に見えている。

揺れる保護司制度、世論調査で9割弱が不安 殺害事件あす初公判 動機や経緯が焦点

 産経新聞 2026.2.15

 中学校や小学校教師、家裁の調査官捕、保護観察官、保護司、民生委員、町内会、子供会、保護者会、消防団員、消防官、警察官…地域の児童生徒やお年寄りの安全を確保する上で欠かせない身近な職員やボランティアがことごとく不足してきている。不足するのは人の数だけではない。力量、能力といった質の面の低下も伴っているはずだ。それぞれが皆、同時多発的に高齢化してきており、圧倒的な数の不足と質的な低下が猛烈なスピードで進行してきている。地域社会の一部はすでに崩壊しつつあるのが実情だろう。そして外国人の流入増がこの混乱に一層の拍車をかけている…そんな地域も少なからず存在しているに違いない。

 この混乱は一部の公立学校で既に表面化していた。低下しているのは学校や教師たちの教育力だけではなく、家庭の教育力や地域社会の教育力までもが同時進行で低下してきている。そしてこの動きは当分の間、止まりそうもない。なぜならば、今後、さらなる少子高齢化が加速することに加えて、これまで地域社会の中核となって近隣の互助的な動きを支えてきた分厚い中流層が続々と下層へ転落し、徐々に先細りしてきているからだ。急速に地域社会の紐帯は緩み、随所で寸断されつつある。

 社会インフラもまた全国規模で経年劣化が進み、大規模な補修改善を必要としてきている。実際には現状維持すら極めて難しいのが地方での地域社会の実情ではないのか。昨年、クマによる被害が長期にわたって連発し続けたのも、もとはと言えば地域社会の力が低下してきたからではあるまいか。もはや手をこまねいて見ている場合ではあるまい。

 急ぐべきはこれらの職務の大胆な削減であろう。この記事にあるように無給でありながらも、保護司の職務は専門性が極めて高く、しかも多岐にわたる。かなりの危険も伴う。これほど犠牲の多い、かつ高度なボランティアを務めあげられるだけの高潔で有能、かつお人好しな人物が一体どれほどの数、地方にいるだろうか?

 ただでさえ若くて有能な人は都市部へ、さらには海外へ、自由と活躍の場を求めて雄飛していく時代である。高齢者が目立つ地方においては、本当に保護司を任せられるだけの、有能でやる気のある人材が不足するのが当たり前のことだ。人数が不足する分、保護司の職務の精選を進める他に手はあるまい。

 たとえば、安定した地位とそれなりの給与があったとしても、教師の希望者と教員の実数は実際、全国的に少なくなる一方である。教師たちの職務の大胆な削減がいつまでたっても進まないのだから、これも仕方あるまい。民生委員、消防団、町内会、子供会、保護者会…どれもこれも職務の大胆な削減で人手不足の問題をわずかでも解消するしか、打つ手は残っておるまい。

 それにしても一体、いつまで国家は図々しく国民の善意に寄りかかり続けるつもりなのだろう…国民の健康と安全をロクに守れないような国家にさえ、唯々諾々と税金を払い続ける「お人好し」がこれ以上、減ってしまっても構わないのだろうか。

2024年度67.2%の病院が赤字 厚労省・医療経済実態調査

 日テレNEWS NNN 11/26(水) 9:30

 国民の健康と教育にこれほど手を抜いている先進国はアメリカと日本ぐらいのものだろう。

「産めや、働けや、納税しろや」では何も解決しない…政府とマスコミが無視する「若者

     が結婚できない」根本原因 プレジデントオンライン 荒川 和久 2025.10.31

 急速な少子化の背景を考える上で欠かせない視点だろう。

若者の「価値観の変化」でも「恋愛離れ」でもない…政府が無視し続ける「少子化が止ま

     らない根本原因」 プレジデントオンライン 荒川 和久 2025.9.30

    「少母化」という造語はまさに、言い得て妙、である。「令和の中間層の若者が置かれた経済的不安や社会的リスク」を政府は把握できていないからこそ、高価の無い対策を繰り返している、という荒川氏の指摘こそ、日本社会が直面している少子化現象の核心をついていると思うがいかがか。

孤独死防ぐ「見守り」利用、10~50代で14倍に 現役世代の懸念

   朝日新聞社 2025.2.9

   このデータの持つ意味が、心底、衝撃を受けるほどに深刻さを帯びているように感じられるのは決して自分だけではあるまい。たかだかこの数年で一体、どれほどまでに現役世代の労働環境、生活環境が一気に崩壊していったのか、雄弁に物語る、極めて貴重なデータ。これは急激な少子高齢化が及ぼす現役世代への悪影響だけではなく、社会の分断の深刻さをも、物語る結果ではないのか。

   政府はかつて孤独担当大臣を任命して社会的孤立の問題に対応する姿勢を見せたことがあったが、それはほとんど何らの成果を挙げることなく、ただのウケ狙いのポーズに過ぎなかったことが今や明白であろう。

小中高生の自殺は過去最多の527人、人間関係に悩む子ども増える…全体は前年

   比1569人減 読売新聞 2025.1.29

   文科省もコロナ禍を自殺者増加の背景に挙げているが、本当にそうだろうか。確かに児童生徒の自殺者数増加はコロナ禍の始まりとともに始まっている。しかし2024年の増加はコロナ禍とはほとんど無関係に生じているとみて良いのではあるまいか。街中でマスク姿が激減したのは2024年から、という印象はなきにしもあらず。

   若い女性の自殺者が増えた点も注目される。少子高齢化が加速し、強い閉塞感が蔓延する日本社会…イジメがはびこる学校社会のブラック化と耄碌した老害男性がいつまでも社会に君臨し、頑固に居座る…どうしようもないほどの女性蔑視社会、そして日本の精神医療の闇…2025年、現代日本の歪みが一気に肥大化してくる不安を最も強く感じているのは若い女性たちなのかもしれない。

「2050年の人口ピラミッド」全国比較で驚きの格差 関東甲信越の人口は今後どうな

   っていくのか 東洋経済オンライン 

   東洋経済『都市データパック』編集部  2024.12.12

   都道府県別の人口ピラミッドが年代別に見ることが出来、授業の資料として活用必須の内容となっている。特に秋田県と沖縄県や東京都との比較は衝撃的。東京都への一極集中が地方にどれほどの打撃を与えてしまうかは想像に難くない。少子高齢化対策が東京都においても重点的に取り組むべき課題であることも分かるだろう。地方は地方で、東京都は東京都でどんな対策に取り組むべきか、それぞれの少子高齢化対策の重点目標を生徒たちに挙げさせてみたい。

公共施設「このまま維持は不可能」 彦根市が初めての財政説明会

   朝日新聞社 2024.12.10

   少子高齢化によって地方で一体何が起きるのか、具体的な事例としてこの記事は役立つだろう。突出して人口の多い団塊ジュニアが後期高齢者となって医療費、社会保障費を圧迫する「2025年問題」については様々な側面から語られねばなるまいが、まずは地方財政の窮状を取り上げておくべきだろう。財政悪化はすべての施策の足を引っ張る元凶となるからだ。

「政治的活動なので、ポスターをはがすように」高校時代の経験から… 20歳が見た

 総裁選の「内輪感」 withnews2 2024.9.24

 若者の政治離れの原因は他にも数多く挙げられよう。しかし日本の政治システムが若者の意見をほとんど反映させない装置として機能していることに絶望し始めた点こそが若者の政治離れの要因として極めて大きいと思われるが、いかがだろう。

 若者の政治への絶望感は「少子高齢化」の進展による若者の一票の重さが悲惨なレベルまで軽くなってしまっていることだけに由来しているのではあるまい。成田氏が指摘しているように現代では急速に学問の高度化と専門分化が進み、科学技術が急ピッチで進化し続けている。こうした現状に対して従来の代議制が不適応を起こし始めている可能性は決して低くあるまい。

 成田氏の指摘する通り、高度に複雑化し、多様化する現代社会においては政治全般に対する議員一人一人の知識、理解、政策立案能力には大きな限界があり、すべての議題、政策、法律に通じている者などもはや一人もいない。にもかかわらず、有権者が一人の立候補者にだけ投票してすべての政策、立法をたった一人の代議士に委ねてしまうシステムは既に時代遅れなのかもしれないのだ。

 まずは参政権を付与する年齢の上限を決めて若者の不利な状況を少しでも解消していくことが急がれよう。さらには成田氏が提案しているように、議題によっては政策ごとにその賛否等をネットで投票して方向性を決定するような、代議制に代わる新しいシステムの導入が検討されてしかるべきだと思う。

 具体例を考えてみよう。これまでの教育政策は実際には学校現場にほとんど無知な政治家と官僚が大き過ぎるほどの政策決定力を行使してきた。その害悪は今や計り知れないほど大きなものになりつつある。しかし、今後は新しい教育政策の導入や旧来の政策の見直しなどにおいては学校関係者(高校生以上の生徒・学生と教師)にネットを通じての投票を義務化して現場の意見を重視させる路線を打ち出す一方で、他の有権者にも同等の投票権を与えて政策の是非を決定していく。ただし政策の立案や細則などの専門性を要する部分は、国会や内閣、文科省などの配下に置かれた審議会ではなく、開かれた公正な選挙で選ばれた高い専門性と経験値の高いメンバーからなる教育審議会に委ねる。

 以上のようなことが実現すれば教育政策において教師だけでなく高校生にも主権者としての当事者意識が多少は湧いてくるだろうし、政治家や財界からの時代錯誤な介入、下手な横やり、改革への妨害を少しは避けられるかもしれない。

少子化見据えて大学を統廃合や定員減で適正規模に…中教審が年度内に答申へ 

 読売新聞 によるストーリー 2024.7.20

 平成時代からこれまで少子化によって既に小中学校や高校段階での統廃合が徐々に進んできたが、大学はその間も大学進学率の上昇によって入学者数が増え続けてきたことで、つい最近まで小中学校ほどには大幅に統廃合されずに済んできた。

 しかし令和時代に入ると大学進学率の上昇は5割を超えたところでほぼ頭打ちとなってしまった。加えて日本に留学してくる外国人も日本の若者の減少を埋めるほどには増えてこなかった。そもそも日本の大学教育は、国際的な評価から見ても決して高く評価されていたわけではなく、今後も外国人留学生を増やせる可能性はほぼないといって良いだろう。また日本社会は残念ながら大々的にリカレント教育を受け入れられるほどには人材の流動性が高くなく、中高年の学び直し、社会人の大学院入学が広く奨励されるような企業文化にも乏しい。

 以上のような理由から少子化による大学の統廃合は今後、いわゆる地方のFラン大学を中心に急激に進むほかあるまい。既に大学の定員割れが50%を超えてしまった現在、定員の大幅な見直しは不可避であり、学部の統廃合なども容赦なく進めざるを得ない。地方によっては大学の存続自体も危ういだろう。

 国としては地方の若者が進学先や就職先を求めてこれまで以上に大都市に流出することによる極端な少子高齢化、人口の急激をわずかでも緩和していく施策が必要となるが、今のところ、これといって有効な方策があるとは思えない。

 唯一、わずかな望みがあるとすれば欧米の観光客が近年、日本の地方における街並みの伝統的な佇まいや自然の豊かさに注目し始めていることであろうか。地方における観光業の発展があれば若者の有力な就労先として地方のホテルや観光施設などが考えられなくもない。つまり地方によっては観光業ならば若者を今以上に地方につなぎとめる可能性を秘めているのではあるまいか。

 しかし外国人観光客を受け入れるためのキャパシティを既に失いつつある地域も地方によっては少なくないだろう。インバウンドを期待した地方での新たな観光資源の掘り起こしや施設の整備、人材の育成と配分などには国や地方自治体の強力なテコ入れが求められるに違いない。

 特に地方私大をめぐる情勢は厳しさを急速に増してくるだろう。少子高齢化による地方財政の圧迫は危機的状況にまで悪化するかもしれない。しかし世界一訪れたい国と評価されている観光大国日本の魅力を地方対策としてもっと有効活用する術はまだまだ残されているだろう。たとえば沖縄県の名護市における大規模観光施設ジャングリアの試みは現地大学での人材育成による連携を含めて、地方での観光振興策、過疎化対策のモデルケースとなるかもしれない。

 授業では大学大量淘汰の時代が到来する理由とそれへの有効な対策として考えられる施策を考えさせたい。特に地方での少子高齢化の現状は勤務先の学校の所在地で把握し、自分たちの地域で何ができるのか、生徒たちに足元の問題として提起すると探求型の学習として大いに盛り上がるだろう。

参考動画

「子どもに権利ない」津市議の発言に批判【知っておきたい!】【グッド!モーニ

   ング】 (2024年12月16日) ANNnewsCH 2024/12/16 1:22

   国会から地方議会まで広くはびこる老害政治家たちが学校問題発生の土壌を作りだしている側面があるのは間違いないだろう。議会こそが差別問題の温床である、と言っても過言ではないこの現状をどうしたら変えていけるのか、授業でぜひ意見を募りたい。選挙のあり方、代議政治の行き詰まりの問題としてまずは考えていきたい。

【現代日本 後編】今の日本はどうしてこうなってしまったのか?私達に出来ること

 は何なのか おっくんの眼【山田玲司のヤングサンデー 切り抜き】

  2024/09/08 24:36

 山田氏の指摘はマンガ、アニメ、J.ポップなどの大衆的若者文化の流れから日本社会の変容を考察する、いわゆるサブカルチャー論に依拠していて非常に興味深い。近年の若者を取り巻く社会の変化と若者の価値観、意識を探る上で参考となる箇所は少なくないだろう。

【要約】未来の年表 人口減少日本でこれから起きること【河合雅司】

 フェルミ漫画大学  2024/04/19  20:33

 やや視聴時間が長くなるが、今、話題となっている少子高齢化の行く末を分かりやすく解説してくれており、ぜひ、フルで視聴させたい。多種多様な問題点が予想されているので、時折、途中で動画を止めて多少の解説を加える必要もあるだろう。

 動画を視聴させる前にまずは合計特殊出生率低下の原因とそれがもたらす日本社会の変化を生徒たちにできるだけ数多く挙げさせ、黒板に列挙しておきたい。その後、動画を視聴させ、黒板に列挙された項目に該当することが取り上げられた際にチェックを入れていくとさらに分かりやすくなるだろう。

人口減が止まらない 秋田県は日本の近未来

 J-CASTニュース によるストーリー 2024.4.28

自治体の約4割消滅の恐れ 前回調査で全国ワーストの村は今【news23】

 TBS NEWS DIG_Microsoft によるストーリー 2024.4.27

 真山氏の「余計なお世話だ」という反発も地方自治の精神から見て分からぬではないが、少子高齢化が急激に進む地域では近くの学校や病院、商店などが無くなり、転出者の急増に拍車をかけてしまうため、集落のあちこちで廃屋が目立ちだし、多くの田畑も荒れ果ててきている。ついには要介護老人の孤立が深刻化している地域だって少なからずあるだろう。

 にもかかわらず、高齢化している首長や市町村議会議員の多くは残念ながら危機感をさほど感じていないケースがあるために新しい取り組みに躊躇し、結果的にいよいよ限界集落が増えていく…こんな恐ろしい悪循環に飲み込まれつつある地方はきっと少なくあるまい。

 安芸高田市を例に出すまでもなく、既に地方政治は若者の意見を十分に反映しなくなっており、少なからずの市町村で地方自治の形骸化、腐敗が進んでいるのではあるまいか。財政悪化も手伝ってどう見ても機能不全に陥りつつある地方自治体に一体、どこまで期待できるのだろう。これでは将来を不安視した数少ない若者たちの転出がさらに相次ぐのは不可避であると思うのだが…

 こうした事態を招いた責任を負うべきは住民や地方議会、市町村長だけではないことも明白であり、国策の失敗がこの惨状をもたらした側面は否定できまい。特に東北などではどうしても国家の強力なテコ入れを必要とするケースが少なくないと見るがいかがだろう。

 仮に国の支援を余計なおせっかいとみなすのならば国のテコ入れ以外、他にどんな施策があるというのだろう。この状況を「静かなる有事」、自治体の「消滅」などと表現して危機感を煽ることが、本当に不適切で「余計なお世話」なのだろうか。徐々に孤立し、介護などの支援から遠ざかっている身寄りのない高齢者たちの不安を思うと私自身は大きな焦りを覚えてしまうのだが…

 もちろん、結果的に消滅する自治体が出てきてしまう事自体、既に不可避であるが、犠牲者はできるだけ最小限にすべきだろうし、その場面においても国家が果たせる役割は決して小さくあるまい。むしろ今こそ国は積極的に地方へのお節介を焼くべき時ではあるまいか。

「日本人は本当は変化を求めていない」この国は社会的弱者を包摂できるか? 東

   浩紀×成田悠輔×三浦瑠麗×先崎彰容×中野信子×新谷学

   文藝春秋 電子版  2023/01/01 13:56

成田悠輔「何かを変えようとすることはコスパに合わない」 ライブドア事件が日

   本に残した呪いとは 文藝春秋 電子版  2023/10/14  6:46

   妬み、足を引っ張りあうがゆえに変革が生じにくい日本の社会がなぜ成立しているのか、考えさせてみたい。「ゆでガエル」状態の日本が変わる可能性は極めて低い。

【目標だらけの世の中】「目標からの逆算が、僕らから奪っているもの」編集部員

 ×若新雄純が“逆算思考”に物申す【前編】

 新R25チャンネル  2023/07/05  31:35

【人生と逆算】「“逆算思考”を身につけないと、これ以上出世は…」編集部員の悩

 みに若新雄純が「魔が差している」と一刀両断【後編】

 新R25チャンネル 2023/07/12 28:29

 高校生になっていても「思期」「中二病」の心性を持ち続けている生徒は決して少なくないだろう。そうした生徒たち向けの進路指導として素晴らしい洞察と役立つ示唆に満ちている動画。

 もしも「生きている間はすべてである」「人生は短い春に過ぎない」「人生は思い出でしかない」という捉え方を大切にする生き方を選ぶならば、「逆算」式(具体的な細分化された目標設定を次々とクリアすればいずれ大きな目標に到達できる、他者からの評価が軸、実績が極めて大切、満点という評価が存在する、という前提を許容する…)の、長期的見通しを持つ堅実な、計画性のある生き方を諦めた方が良いのかもしれない。

 一方で「積算」式の、先を読みにくい生き方の良さ、幸福感を発信する力さえあれば、大人になっても思春期の心性を持つ人だって周囲から居場所を与えられる可能性は高まるだろう…若新氏の指摘に頷く方は決して少なくあるまい。

 幸福であることとはどういう状態を指すのか、今を充実させる生き方とはどういう生き方なのか、深く考えさせる素敵な動画。生徒の将来を心配するあまり、計画性のある生き方を全員に一律強制しがちな教師にとっては必見。

 

日本と世界『働き方』/J.P.モルガンが行った驚きの改革/Z世代アメリカ人の変化

 「会社はカルチャーで決める」/ChatGPTは日本企業にとって危険/ダイバーシテ

 ィで『ネオトーキョー』日本スゴい島に変貌

 PIVOT 公式チャンネル 2023/10/26  37:99

【油断禁物】海外から見る本当の「日本経済」事情/今投資をするなら熊本/

 「成果主義」の導入が急務/優秀な外国人人材を採用するための方法/どうすれば

 日本がもっと良くなるのか?【KUROFUNE】

 PIVOT 公式チャンネル  2023/10/21  31:00

 以上の動画は二つとも分かりやすく、日本の企業文化を見直す上で参考になる点も多い。またここでの厳しい指摘は日本の学校文化にもかなり当てはまると思われ、日本の学校教育をアップデートする上でも大いに参考となるだろう。

 そこで重要ポイントを以下に概略、紹介しておく。

 「報告・連絡・相談」=「ホウレンソウ」と呼ばれたように、個人プレーを極端に嫌う昭和な社内文化が日本企業の進化、改革を遅くし、何事にも細かすぎて窮屈、不自由な気分を職場に蔓延させてしまっている。

 中高年層が成田氏の指摘するように「ミルフィーユ」のごとく厚い層をなして少数派の若者にのしかかっている少子高齢化の日本においては、年功序列型の階層構造と集団主義的企業文化が長い順番待ちの行列の最後尾、階層の最下層に立つ若者を苛立たせ、精神的に腐らせている元凶。

 こうした組織文化は連帯責任を重視するがために失敗を恐れる傾向が強く、新しい事にチャレンジすることを妨げ、若者を組織の底辺、末端に追いやる。また同調圧力が強く、妬みを生みやすい組織となり、東芝や東電で典型的に見られたように仕事の失敗は組織の中に隠蔽されやすい。また「出る杭は打たれる」ため、個々の力が十分には発揮されず、すべてがチームワークの成果と見なされるため、個々人の実績や成果が給与には反映されにくい。こうした点が日本経済低迷の背景にあるだろう。

 しかし歴史的に見れば海洋国家の住人たる日本人は本来、複眼思考に長けていて異文化への順応性はかなり高く、実際、日本企業の外国支店・工場での生産性は比較的高いといわれる。したがって日本がこれから先、異文化とのハイブリッドを通じて高い業績を挙げていくことは決して不可能ではない。

 しかしそのためには英語の習得と硬直した組織文化の改善は避けられない必須のクリア条件。日本の学生や労働者も国内にとどまろうとすると世界の流れに後れを取るリスクは高まる。政府は若者の所得税を免除するなど、若者支援を強化し、教育においては早くからダイバーシティと個性の尊重を重視すべきだろう。

 

冨山和彦さんが“直言”超・人手不足時代をどう乗り越える?[NHKスペシャル&日

   曜討論] | NHK  2023/11/03 8:31

 少子高齢化の中でコロナ禍も手伝い、とりわけ福祉や観光業、飲食業といったエセンシャルワーカー部門の人手不足が深刻化している日本。教員もエセンシャルワーカーに含まれるとすればやはり人手不足に直面している。ならば一体、どんな対応が求められているのか…一般企業でいえば機械化、DX化による生産性の向上、企業の淘汰による労働力の流動性を高めたうえでの集約化、公定価格制の見直しなど、教員不足の現状を打開する上でも参考となる。

 行政による下手な管理、統制は緩めていき、民間のバックアップに専念する方向が望ましいだろう。文科省の無能化を踏まえれば、教育界においても公立学校の数を減らしていき、私学に教育を委ねていくのが学校改革の近道かもしれない。

 

・明石市の取り組み:人口減少と地方自治

参考動画

【成田悠輔vs泉 前明石市長】172億はどこから?退任直前赤裸々告白【市町村の

   やるべき事】 ReHacQリハック【公式】 2023/05/06  41:54

【成田悠輔vs泉房穂】市政で国の政治動かす!今、政治家に必要なものは?

  【 mudai】 ReHacQ−リハック−【公式】 2023/05/13  54:20

熱量】ひろゆき&明石市長が対談!9年連続で人口増加?所得制限なしは正解?少子

  化日本の処方箋 

  2022/05/21 ABEMA 変わる報道番組 #アベプラ【公式】 15:10

【9年連続人口増】子育ての街「明石」ホントの事情教えてください

  2022/10/01 NewsPicks /ニューズピックス 19:24

「国の政策はリアリティがない」全国初の政策を次々と生み出す、明石市の"win-

 win力" 2022/07/31 新R25チャンネル 14:24

「誰もやる気がなかっただけ」明石市市長が“子ども無料政策”を実現できたワケ

  2022/07/30 新R25チャンネル 10:27

 人口減少、少子高齢化に直面している日本社会の中で明石市の取り組みが注目されている。明石市の現状と課題について知っておくことは極めて重要。最後まで通して視聴させずに、何カ所か途中で区切り、問いをたてて政策の効果の背景にあるものを予想させてみたい。

子供はコスト 結婚4割減 習政権 3期目に立ちはだかる人口減

 【日経プラス9】2022/10/12 テレ東BIZ 13:28

 ついに中国が人口減少局面に突入する。東アジアの経済発展を牽引してきた中国の急速な少子高齢化は日本経済に大きな打撃を与えかねない。

参考記事:

『天誅が下るぞ!』脅迫文も…「泉房穂」前明石市長と「高島宗一郎」福岡市長が

   苦労した「予算カット」の難しさ〈市の職員と議員の猛烈な抵抗に遭って…〉 

   現代ビジネス 週刊現代 によるストーリー 2023.11.4

「子供に留守番させたら虐待」おかしな法案が通りかねない地方議会の暴走…問題

 は埼玉だけじゃない!【泉房穂の「ケンカは勝つ!」第19回】

 SmartFLASH によるストーリー 2023.10.20

 このバカげた条例案を提出できた埼玉県の自民党議員の見識の凄さにはあまりにも恐れ多くてひれ伏すしかあるまい。「老害政治」の極みを垣間見た思いである。このような議員を選挙で選んでいる埼玉県民もおそらく相当高齢化しているのだろう。

 ほとんど判断には困らない記事であり、討論の対象にはならないが、「老害政治」がどんな政策を思いつくのか、分かりやすく例示できる点では利用価値の高い記事である。とりあえずこの条例案にはどんな問題点があり、なぜこのような発想が出てきてしまうのかだけは確認させておきたい。

「失われた30年」の正体は、今もなお日本社会に根強く残る「ムラ社会」的な意

 識 3/1(火) livedoor‘sNEWS 6:00配信 

既得権益を温存し衰退する日本…社会学者・宮台真司「愚かな総理を生み出したの

 は、からっぽの民衆だ」 週刊現代 2022/11/11 06:00

賢い若者だけが気づいている「ぬるい日本」でさっさと億万長者になる方法

 集英社オンライン(『不条理な会社人生から自由になる方法 働き方2.0vs4.0』

 橘玲 PHP研究所 2022より抜粋・再構成 2022/07/14 09:01

「合計特殊出生率」去年は1.26で過去最低、7年連続で前の年を下回る 厚労省の人

 口動態統計 日テレNEWS によるストーリー 2023.6.2

50歳未婚率が急上昇 20年は男性28%、女性17%

 共同通信社 の意見 2022.12.29

 50歳になって一度も結婚していない男性が28.25%、女性が17.81%と急激に上昇しているという日本の現状にはどんな社会的要因があるのだろう?アンケートを利用して生徒の意見を募ってみたい。人口ピラミッドを示して団塊ジュニア世代と今後の日本が直面している困難さに注目したい。

人口5000万人の絶望的未来世界に遅れる日本企業が捨てなければいけないもの  AIに人口減少について書かせてみた 現代ビジネス 現代新書編集部 2022.12.15

出生数80万人割れの危機人口激減ニッポンが衰亡する前にすべき「たったひとつ

 のこと」 現代ビジネス 河合 雅司 2022.12.15

12年連続「日本人」の減少幅は年々拡大。とてつもない人口減少の破壊度 子供対象

 の業種に早くも試練 現代ビジネス 磯山 友幸 の意見 2023.4.18

なぜ「日本への移住を望む中国人」がここへきて急増しているのか? その「驚きの

 理由」 現代ビジネス 中島 恵 の意見 2023.5.18

 外国からの富裕層の来日をもっともっと歓迎すべきではないのか。日本の経済発展の見地から見れば、外国人の来日が観光目的にせよ、移住目的にせよ、今後一層の発展拡充を目指す政策をとっていくべきであろう。少子高齢化の弊害を最小限に抑えていくには日本の門戸を海外に向けてさらに開いていく方向でしか、日本の未来は見えてこないように思える。これも議論のテーマにうってつけだろう。

高齢者の「免許返納」はじつは年々減っていた! 深刻化する高齢ドライバー問題の

 「シビアな現実」現代ビジネス 二階堂 運人 2023.4.18

「死ぬかい?」「いいよ」老老介護の末の 承諾殺人 おしどり夫婦が残したもの…

 RCC中国放送 の意見 2023.6.10

 高齢者世帯の急増、老々介護の深刻さ…呆れるほど執拗に暴言を繰り返す一部の高齢政治家達のせいで高齢者の存在自体が「老害」と揶揄されることの多くなった日本の社会の先行きは不安に満ちている。いよいよ日本の高齢者は厄介者扱いされ、このような悲劇が繰り返されるとすれば、若者の自殺率の増大と相まって高齢者の事件事故も急増するに違いあるまい。このままでは極めて悲観的な日本の将来が待ち受けているのだろう。

ユニクロ賃金最大4割アップ!ファストリは気づいた日本を待つ最悪な3つの未来 

 ダイアモンド・オンライン 鈴木貴博  2023.1.13

 将来的に日本の若者が希少資源になっていく事で特に優秀な若者を巡る日本企業間の奪い合いは熾烈の度合いを増してくるだろう。ユニクロの大幅な賃金引き上げ方針は間近に迫ってきた団塊ジュニアの大量退職と若者の急激な減少を見越した人事戦略と見られる。若者を惹きつける上で年功序列型の賃金体系からいち早く脱却し、他のライバル企業との待遇格差を拡大して人材確保に走るこうした企業は他の業界でも続々と出現してくるに違いない。

日本はこのまま衰亡するのか…結婚も出産も増えることのない「小さな国」がなん

 とか生き残る方法 現代新書編集部 2022.12.20

 人口急減期が近づいている日本への処方箋は何だろう?取りあえず始めに日本の人口ピラミッドを提示して将来の人口減への歩みを予想させ、人口減の原因を推理させてからこの資料を読ませたい。さらに以下の動画を視聴させ、高橋氏の指摘「人口減少は問題視する必要なし」についてどう思うか、意見を書かせたい。少子高齢化と人口減少は日本社会が直面する大問題と言われるが、日本社会にとって何が本質的問題なのかは今後のテーマを展開していくスタート地点である程度は整理しておくべきであろう。

※参考動画

【少子化】「まやかしだ」人口減はホントに問題?出生率の低迷=日本の大問題が

 テンプレになった弊害とは?内閣官房房参与 高橋洋一に聞く【ロンブー淳】

 ABEMAニュース【公式】 2021/04/14 16:53

 これも凄まじいほどに珍妙な意見で、反論噴出が期待できる。しかもかつての官僚として今も政府から意見を求められている高名な人物の発言だから、暗然たるものを覚える。きちんとしたデータを示して議論を進めていくにはうってつけの動画。

【「消滅可能性自治体」発表…】30年で若い女性半減 全自治体の4割が該当 

 日テレNEWS  2024/04/24  4:34

人口3分の2という選択 「8000万人国家」が持つ国力【日経モープラFT】

   (2024年4月25日) テレ東BIZ  2024/04/25  5:22

   少子高齢化がもたらす問題は地方、特に過疎地において深刻なものとなるのは当然として、都市部でもかなり危機的な状況が生じかねないものがある。したがって人口の社会増と自然増の二点からの対策、強力なテコ入れが大切になる。それぞれにどんな対策が有効だと考えられるのか、生徒たちに考えさせたい。

 ポイントとしては明石市が行った若い女性や子供たちへの様々な支援策、移民政策の見直し、長期滞在型の地方観光を目指す政策などが挙げられようか。それぞれに効果的な具体策が切実に求められているに違いない。

 ただし、それら政策実現の上での最大の障害物こそ現在の日本の宿痾となっている「老害政治」である点はぜひ留意させたい。頑迷な「老害政治」を中心的に支えているのはおそらく保守本流の要として機能してきた旧態依然の学校教育と自民党のお家芸と化している派閥政治や金権政治あたりではあるまいか。

 少子高齢化の背景に潜む問題は多種多様であり、生徒たちに多角的な視点を養う上では格好のテーマであろう。ぜひ時間をかけて取り組みたい。

【改造論】成田悠輔「消えるべき人に消えてと言える状況を」ひろゆき「過疎化よ

 り無人化の方がマシ」少子化&人口減少前提で考える日本の未来|

 ABEMA 変わる報道番組 #アベプラ【公式】  2021/12/19 20:28

【成田悠輔×堀江貴文】高齢者は老害化する前に集団切腹すればいい?成田氏の衝

 撃発言の真意とは 2022/02/01 堀江貴文 ホリエモン 10:43

 ※参考記事

  いじめや不登校を乗り越えケアマネージャーになった40代男性が力説介護保

   険制度自体への「強い違和感」現代ビジネス 2024.6.10

  成田悠輔氏 政治家の若返りの利点を分析「保育や教育の予算が増える」「長期

   的視野で政策」東スポWEB によるストーリー 2023.7.2

 敬老の精神は失ってはなるまい。しかし、いつまでも権力の座にしがみつく老害政治家は「百害あって一利なし」。いつも大胆な提言で知られる成田氏の刺激的な発言は毒も含まれるが、議論の活性化に欠かせない視点を提供してくれる。他方で介護をめぐる問題は深刻化する一方である。特にケアマネージャーの社会的待遇の改善を急がないと、教師同様、人手不足の深刻化を招くに違いない。ケアマネの養成教育問題と教師養成問題とは重なる要素が多いように見受けるが、いかがか。いずれも福祉と教育の予算不足が大きな足かせになっていると思われるのだが…

 

参考記事

民生委員、欠員1万5000人 3年で32%悪化、戦後最多

 共同通信社 2023.1.13

 行政による社会保障の不備を民間のボランティアの力を借りることである程度まできめ細やかに補完してきた日本の福祉政策は少子高齢化が進展する中でいよいよ深刻な機能不全に陥ってきたようだ。他方で仕事の過酷さが手伝ってか、地方公務員の休職件数が増加し、公務員のなり手不足も進行しているという。すでに学校教師は慢性的な不足状態である。こちらも事態を一層こじらせる一因となろう。

 家族や地域社会の在り方が変化してきた事が事態悪化の背景に考えられる。今や国家的なテコ入れ無しに事態の改善は見込めないだろうが、政府にその力はあるまい。日本社会はどうにも八方塞がりの状態にあるようだが、いかがだろう。

日本には「世襲政治家」が多すぎる、ビジネス界からの転身が少ない根本理由 

 ダイヤモンド・オンライン 上久保誠人 によるストーリー 2023.4.19

 いわゆる「老害」がはびこると批判される日本の政界がはらんでいる大きな問題点の一つがこの「世襲政治家」であろう。日本でなぜ世襲政治家がはびこり、政権の中枢に居座り続けているのか、なぜ若手政治家の新規参入が進まないのか、その理由が手際よく整理されていて大いに参考となる。

日本はもはや稼げる国ではない 割り切って「人材加工立国」「出稼ぎ立国」を目指

   すべき 古賀茂明 AERA dot. 2023.10.11

 若者にとっては非常に厳しい将来予測だが、かなり説得力があり、議論の材料になるだろう。日本の将来を予測する上でどういう指標を参考にするのか、目の付け所に注目させたい。

就職氷河期世代「年金15万円なんて、どうせもらえない」「他の世代に類を見な

 い」厳しさ THE GOLD ONLINE によるストーリー  2024.5.11

公的年金、「制度見直し」派が7割 見直すべき項目の1位は?

 ITmedia ビジネスONLiNE 2024.5.16

総額100万円ほどの負担増...国民年金の納付「5年延長」案は、なぜ避けて通れない

 議論なのか? ニューズウィーク日本版 によるストーリー  2024.5.15

「日本国債」の紙くず化がとまらない…雪だるま式「借金地獄」から日本が抜け出

   せない根本原因【経済のプロが解説】

   THE GOLD ONLINE によるストーリー  2024.5.11

   上の二つの記事は図表などでデータがつかみ易く、授業での利用価値の高い記事であろう。外国からの借金が少ない点は確かに日本の強みではあるがさすがにここまで借金が膨れ上がるとマズイのではあるまいか。特に少子高齢化が加速する中でこの累積した借金は日本の若者のへの負担を重くするに違いない。しかも若者や中年層が高齢者になった時にもらえる年金額は目減りする一方である。こうした負担の先送りとその場しのぎの借金漬けの政治もまた若者、皇族世代の犠牲を前提とした「老害政治」の弊害と言うほかあるまい。

このバラマキのツケは若者世代に…日本の財政の「膨張」が止まらない実態

   Finasee によるストーリー 2023.10.11

 増え続ける財政赤字も若者の将来に重くのしかかる難題である。累積債務の実態は常に念頭に置いておきたい。

生活保護の申請、7・6%増で4年連続の上昇…物価高騰に賃金上昇追いつかず

  読売新聞 によるストーリー 2024.3.6

生活保護申請、12カ月連続増 最長期間更新 厚労省

   朝日新聞社 によるストーリー 2024.3.6

 株価がバブル期を超えて史上最高値を記録した昨今、このデータは一体、何を意味

するのだろう。ぜひ生徒たちの意見を募り、議論させたい。

「万博やってる場合じゃない」介護保険料、大阪市が全国ワースト9249円の一方で

 万博負担「ひとり2万7000円」試算に市民の怒り爆発

 SmartFLASH によるストーリー  2024.5.15

 

参考動画

【世界の年金が凄い】外国人に年金いくら貰ってるのか聞いてみた|海外の老後生

 活の現実 タロサックの海外生活ダイアリーTAROSAC  2022/11/05 19:20

 当然の事ながら貯金や投資を早くから行っていくことが世界共通で老後の生活を保障する事が分かる。それにしても日本の年金の少なさには唖然。

【ゆっくり作品解説】藤子・F・不二雄SF短編「定年退食」 2021/03/15

 そかなりどぎつい内容だが、高齢者問題の導入としては刺激的で生徒たちからかなりの反応が期待できよう。

暴れる認知症患者さん・いつまて我慢すれはいいの?認知症専門医・長谷川嘉哉

 長谷川嘉哉チャンネル「ボケ日和 転ばぬ先の知恵」 2022/11/01 8:42

新たな認知症ケア「ユマニチュード」とは【報道特集】

 TBS NEWS DIG Powered by JNN 2021/09/02 22:57

 認知症患者への接し方は難しく、いまだに手探り状態にあるように思える。しかし「ユマニチュード」の考え方は古典的でありながら、王道を行くものであろう。ヤングケアラーが増えている現在、高校生の間で認知症への理解が広がることが切実に求められているだろう。

 

 

㊹旭川市中学生凍死事件をめぐって

※この記事は常に新鮮なネタを提供すべく、随時、更新されています。

 

・旭川イジメ事件

参考記事

中2いじめ自殺訴訟が和解、旭川市が7千万円支払い    共同通信 2026.3.26

 この事件で最も注目されるべきは新旧の第三者員会が調査している間に、二度も遺族のプライバシー侵害にあたる調査内容の漏洩が生じていた事。イジメ事件の矮小化や隠蔽が市教委や学校という組織ぐるみで行われていた一方で、情報漏洩という真逆の犯罪が安易に見過ごされてはいないだろうか。本来、極秘であるはずの調査内容の一部が一体誰の手によって何のために漏洩されたのか、いまだに不明なのはまさに不可解そのもの。マスコミがこの件について積極的に言及しようとしない点も実に不可解である。

 このままでは資料の保管にあたっていた旭川市および新旧の第三者委員会のメンバーに疑惑の目が向けられ続けるはずであるが、なぜか自らの潔白を証明しようとの動きも積極的には見られない。そしてあたかも情報漏洩の件は一切存在しなかったかのようにして事件全体の収束が急がれているように見受けられるのだが、いかがか。

 たとえ遺族との和解が成立したとしても、情報漏洩の罪は絶対に軽視できない。兵庫県で県議を自殺に追い込んだ立花氏らの件もある。市は、ないしは警察はメンツにかけて市教委あるいは市役所内部に今も潜んでいるかもしれない情報漏洩者を徹底的に調べ上げて見つけ出し、それ相応の厳しい処断を下すべきではないのか。

旭川中2自殺、母親が市を提訴 いじめ対応巡り損害賠償請求

   共同通信 2025.2.16

   遺族として当然の提訴であるが、できれば第三者委員会での資料の漏洩も、プライバシー侵害などで刑事告発して欲しい。この件で資料漏洩が二度も起きていることは決して見過してはならない大問題。兵庫県知事に関わる件もまたプライバシー漏洩が生じており、今後、この問題を解決していく上で誰が漏洩したのか、はしっかりと司法の手で明らかにしてほしかった。また、現在、個人のプライバシーを漏洩した人物に対してどういう処罰を課すのか、司法側が一刻も早く明確な指針を示すべきタイミングであると思うが、いかがか。

人が人でなくなっていく教育現場:「旭川中2少女いじめ凍死事件」を生んだ現代

 の生徒指導の在り方と、教員の「働き方改革」の問題点

 集英社オンライン 2024.12.18

 …本来、生徒指導こそが教育者としての専門性が生かされる領域だろう。日々ともに過ごす生徒のニーズを最もよく知る現場教員ならではの、それぞれの状況に応じた判断があるはずだ。

 ゼロトレランスでのマニュアル化や、警察へのアウトソーシングは、教員が自分の専門性を放棄することを意味するのではないだろうか。…

 という鈴木氏の指摘をどう捉えたらよいだろう。日本の教師の最も専門性が発揮できるのは本当に生徒指導において、であろうか。仮にそうだとするならば、大学において教員免許取得に必要な講座の多くが生徒指導関係で占められていなければなるまい。また教員となってからの研修の多くも生徒指導関係であるべきだ。しかし、現状は全く異なるはずである。

 ある程度、大学でカウンセリングなどの講座を受けてきた私でも、高校での教育相談に当たれるほどの知識と経験は明らかに無かった。たかが数年、大学で学んだとしてもその能力は決して身につけられるものではあるまい。もちろん貧困家庭や虐待されて育った生徒たちへの対応はカウンセリングだけで済ませられるわけもなく、ソーシャルケースワーカーでなければ対応できない事例だって少なくないのだ。鈴木氏は現実の教師が実際に持つ専門性をあまりにも過大評価しているとしか思えない。

 実際には「日々ともに過ごす生徒のニーズを最もよく知る現場教員」など、ほとんど存在していない。大勢居る、と言い張る教員がいたとすればその人物はまさしく大風呂敷を広げた、ただの大ぼら吹きに過ぎないだろう。教師のほとんどが生徒指導に関して高度な専門知識などは持ちあわせていないし、生徒指導をするための前提となる基本的知識であるはずの子どもの権利条約すら、ほとんど知らないのが日本の教師の現状である。

 そんな教師たちに児童生徒の自己開示性が低いのは当たり前なのであり、生徒の本当のニーズを知る教員など、ほぼほぼ居るわけがない、と心得るべきなのだ。

 …ゼロトレランスでのマニュアル化や、警察へのアウトソーシングは、教員が自分の専門性を放棄することを意味するのではないだろうか。…という指摘のナンセンスさには呆れるしかない。毎年、何人もの生徒たちが逮捕され、鑑別所等に送られているような高校を「警察へのアウトソーシング」だと批判する資格が鈴木氏にあるとは到底、思えない。まさか鈴木氏に自殺未遂を繰り返す生徒をカウンセラーや精神科に送ることが教師の専門性を放棄する無責任な行為だ、などと難癖をつけるつもりまではないだろうが…

 実際に学校現場で数々の難しい問題に直面したことの無い人に限って、教職を聖職と見なして「スーパーマン」としての過大な専門性を普通の教師たちに期待しがちであるように思えるのだが、いかがか。鈴木氏は子どもたちが「心から「先生」と思える人との信頼関係を失うこと」を最も恐れているらしいが、これまでだって私たちが心から「先生」と思える教師は極めて少数だったはずである。公教育は何も今、滅び始めているわけではなく、とっくの昔に破綻しつつあった。その原因は決して教師たちが専門性を放棄したからではなく、もともと不十分だった専門性の上にさらなる膨大な業務と新規の専門性を教師たちがひたすら背負わされ続けてきた、過去の教育行政による非道で不当な歴史的経緯に求められるはずだ。

 たかだか6年余りの教職経験だけで教育の専門家と称する人がこれ以上、無責任なウソとホラをつき続けてもらわないで欲しい、というのが、この記事を読んだ率直な感想であり、鈴木氏のように、教師への過大な期待を持たせる一部の言論界の風潮こそが、膨大な仕事と背負いきれない責任を一方的に教師たちに課してきた元凶なのだと考えるが、いかがだろう。

旭川女子中学生凍死は「イジメではなく、性犯罪」…脅迫、強制わいせつ、殺人未

 遂など、小川泰平氏が罪名を想定 

 2021.8/21(土) YAHOO!ニュース16:32配信

旭川の女子中学生イジメ凍死事件、元校長の被害者への信じられない反応とは?小

 川泰平氏が直撃 2021.8/20(金) YAHOO!ニュース 20:30配信

加害・生徒と「親しい」と認識、いじめと認めず 中2死亡で旭川市教委

 朝日新聞社 2022/04/22 08:13

【速報】「子どもたちの"勇気ある声"無視した」旭川中学生いじめ 死亡の広瀬さん

 に校内でもいじめ疑い 6/21(火) 10:17配信 北海道ニュースUHB

「正直何も思ってなかった」自慰行為強要、わいせつ画像拡散のイジメ加害生徒ら

 を直撃【旭川14歳女子凍死】《遺族が手記を公開》

 2021年8月19日 11時0分 文春オンライン

加害者「学校立ち入り制限」でいじめは根絶できるか 危惧される教師の隠蔽体質

 とネット空間 日刊ゲンダイDIGITAL 2022.5.19

旭川中2女子凍死事件、ようやく「いじめ」認定「組織の隠ぺい体質に特効薬な

 し」 弁護士ドットコム 2022.04.27

旭川中2凍死 「市長直属で再調査」表明 市教委調査では不十分

 毎日新聞 2022.9.20

 今の今となってもいじめと死亡の因果関係については「いじめ事件がどの程度の割合で関与していたかまでは不明」として責任を回避しようとする旭川市教育委員会の頑なな姿勢にはもはや絶望的なものしか感じられない。そもそも黒蕨氏ら重い責任を負うべき人々がいまだに学校教育の世界に止まっていること自体、異常というほかあるまい。自浄能力の欠片すら感じられない。

 なお、2022.9.24、黒蕨氏はようやく本件の責任を感じて教育長を辞職することとなった。凍死事件から1年半も経ってからの辞職であった。この異常なまでの無恥厚顔さ、鈍感さ・・・今後は旭川市における学校や教育委員会側の硬直化しきった無責任極まる体制が一体何によって成立してきたのかを厳しく問うべきだろう。

「イジメはなかった。彼女の中には以前から死にたいって気持ちがあったんだと思

 います」旭川14歳女子凍死 中学校長を直撃《被害者母が悲痛告白》

 「文春オンライン」特集班 2022/09/24 18:33

《旭川14歳少女凍死》「ゆがんだ性知識を持つ生徒が野放しに」「彼女には希

 死念慮があった」ようやく開いた保護者会で学校と市教委が見せた当事者意識ゼ

 ロ”【音声データ入手】 「文春オンライン」特集班 2022.11.20

 廣瀬さんの自殺から1年半をとっくに過ぎた段階でようやくこの事件に関する2度目の説明会としての保護者会が当該中学校で開かれた。しかし教育委員会や学校側は第三者委員会の報告を楯にして自殺の原因とイジメとの関係性を不明とし、いまだに責任逃れを続けている。黒蕨氏一人が教育長を辞したものの、その隠蔽体質と無責任体質に変化はまったく見られない。

 実際、説明の仕方や内容には学校側の厚顔無恥な姿勢ばかりが突出していて誠実さや反省の色の欠片も見られないのだ。資料棒読みの国会答弁と同じで、これでは説明責任をまっとうに果たしたとは言えまい。自己保身の程度にも限度があろう。ほとんど呆れてものが言えない、というのが素直な感想である。

旭川いじめ 「加害生徒にも未来」発言教頭が否定

 テレ朝news -2022.11.22

池袋暴走事故遺族、殺害予告の女子中学生への「被害届」取り下げず 「私なりの

   唯一出来る愛の形」思いつづる J-CASTニュース 2024.12.8

   …松永さんが過去に公開した実際に送られたメールのスクリーンショットでは、女子生徒は松永さんに対し「完全に金目当てで草笑」「そんなに辛いなら私が変わりに殺してあげよっか?笑」などとしていた。

   松永さんは6日にXで、女子生徒の書類送検の報道について「『中学生相手に厳しすぎるのではないか』というご批判もいただきました」という。

   厳しい判断を下した理由について、「少年事件は大人の裁判や刑罰とは異なり、『少年の健全な成長』が目的とされます。今回の件も、彼女の精神的成長や救済につながる可能性が高い。そのため被害届は取り下げませんでした」と説明。

   その上で、「彼女がネット上でのトラブルを起こした事は今回の殺害予告だけではないそうです」と明かした。…

 悪質なネットによる誹謗中傷に対して被害者側はどのような対応をとるべきなのか、ぜひ議論を重ねたい記事。とりわけ加害者が中学生であった場合、その対応は一定の「教育的配慮」が要求されるため、様々な意見が出てくるだろう。結果的に書類送検となったことも考慮して意見を募りたい。

 特に旭川での女子中学生凍死事件における加害者側への対応と比較させてみると良いだろう。旭川の場合、最初に事件が表面化した女子生徒の入水事件の際に警察がイジメの存在をしっかりと確認したにも関わらず、多くは証拠不十分と見なして加害者の一人を厳重注意処分としただけであった。学校もまた加害者側への指導が極めて不十分であり、それがイジメの継続につながったと考えられている。

 ならば「教育的配慮」と呼ばれる対応が真の意味で教育的なのか、「教育的」とはどういうことなのか、旭川の件と併せて生徒たちに問い続けていきたい。

 …「私への殺害予告ならび、妻と娘へ向けた言葉は私の心からは消えません。だから取り下げません」と説明。その上で、こうメッセージを寄せた。

 「辛いこともあると思いますが、あなた以外の人たちも、画面の向こうにいる誰かも、みんな心と命がある人間です。適切な支援に繋がり、気づきを経て、あなたの人生がより良いものになるよう祈っています」…

 授業では以上の箇所を議論の後半で紹介すると、さらにその後の議論は深まるだろう。また旭川の事件への対応が本来はどうあるべきであったのかについても考えが深まるに違いない。

 

参考動画

ドキュメンタリー「告白~旭川中2女子いじめ問題~」(43分)2022年3月26日

 放送 2022/03/28 HBCニュース 北海道放送 44:15

徹底検証・旭川いじめ①学校はなぜ?【報道特集】

 TBS NEWS 2021/12/05 31:09

 旭川いじめ事件の全体像が見えてくる。

徹底検証・旭川いじめ②広がる衝撃【報道特集】

 TBS NEWS 2021/12/05 12:20

 ・・・繰り返されるイジメと隠蔽

【全音声3】「あのおぞましいものを見て涙が出た」「児童ポルノだ」Y中学校は保

 護者の声に本当に向き合ったのか?《旭川14歳少女イジメ凍死》

 文春オンライン2021/05/21

【旭川女子中学生いじめ凍死事件】ー文春も報じない旭川市立北星中学校 教職員

 の腐敗についてーYASU先生の学び場 2021/08/21

旭川中2女子凍死 市教委が緊急会見 真相解明どこまで?  

 HBCニュース 2021/08/30

旭川市の女子中学生いじめ疑いで遺族が「名誉棄損」を訴え SNS投稿を開示

 請求 HBCニュース 2021/09/16

旭川中2女子凍死 爽彩さん“肉声”が語るいじめの苦悩 2021年10月1日放送 

 HBCニュース 2021/10/01

旭川中2凍死 市長が“異例”言及「いじめと認識」(2021年10月29日)

 ANNnewsCH 2021/10/29

旭川・凍死の女子中学生 学校に「死にたい」と電話(2021年11月5日)

 ANNnewsCH 2021/11/05

川で見た娘の姿…母が語る胸中 旭川中2"いじめ疑い" 「何されたら」認められるの

 か 進まぬ調査に疑問 (21/11/05 19:45) 北海道ニュースUHB2021/11/05

【教育】いじめ防止法はなぜ機能不全に?隠ぺい&責任逃れの学校や教育委員会の

 課題は?子どもたちを守るために今必要なことを考える【EXIT】【いじめ探偵】|

 #アベプラ 2021/05/08

 

参考動画

【特集】旭川中2凍死 母親語る「何があったのか知りたい」

  2021年11月12日HBCニュース 11:09 

 ・・・これまでの経緯がまとめられている

旭川中2凍死 調査対象生徒と〝接触〟第三者委メンバー2人調査から除外(もう

 ひとホリ)2021年11月26日 HBC放送 2021/11/26 9:32

旭川いじめ凍死問題/学校教育委員会の隠蔽 事件の再調査求め100万人署名活動も

 妨害され…街録chあなたの人生、教えて下さい2021/11/28 36:20

旭川中2女子凍死…調査10か月 第三者委員会「いじめ」を認める (もうひとホ

 リ)2022年3月28日放送 HBCニュース 北海道放送 8:13

ドキュメンタリー「告白~旭川中2女子いじめ問題~」(43分)2022年3月26日

 放送 2022/03/28 HBCニュース 北海道放送 44:15

ギャラクシー賞受賞『空白~旭川いじめ問題 問われる社会~』2022年4月30日放

 送 2022/05/01 HBCニュース 北海道放送 47:03

旭川中2女子凍死 学校内でもいじめか アンケート調査に複数の生徒が回答 遺族

 側が市教委に説明求める 2022/06/21 HTB北海道ニュース 0:31 

【いじめ】田村淳「どう解決したかを評価基準に」なぜ隠ぺい体質?子どもの責任

 は親に?学校に?2022/08/17 ABEMA 変わる報道番組【公式】16:51

【旭川いじめ問題】SOSはなぜ届かなったのか 最終報告書を公表 自殺の背景

 は不明 STVニュース北海道 2022/09/20 11:44

 学校内でのイジメが認定されなかった点は大問題であろう。これこそが自殺とイジメとの因果関係を特定できなかった最大のポイントである。つまりこの結論は中学校側が校内でのイジメを見逃してきた事に加え、隠蔽してきたことの問題を第三者委員会が十分に追求できなかったという事だろう。

 そもそもこの事件が世論を賑わすまでに多くの時間が経過していた。しかも警察の

ような強制的捜査権のない委員会が調べられる事には最初から限界があったはず。裏を返すと闇の奥まで知っている学校内部の職員の情報提供がこれまでほとんど無かったということであり、強力な同調圧力を用いた組織ぐるみの隠蔽工作が行われていた可能性が高い。この地域の学校組織が持つ異様なまでの閉鎖性がうかがわれよう。

なぜ防げなかった?旭川いじめ問題…再三の訴えを放置 上司と部下の関係、そん

 たく、隠蔽は? HBCニュース 北海道放送 2022/10/05 9:09

 六稜会(北海道教育大学旭川分校の卒業生からなる団体で旭川市内の小中学校教師の多くが所属している)のメンバー同士による忖度、なれ合いといった旭川独特の教育村の風土が隠蔽体質の背景にあるようだ。しかしこうした特定大学卒業生からなる団体が教員人事をこれまで一定程度左右してきたことは多かれ少なかれ全国各地で見られた現象である。それだけでは旭川特有というほどのものではないだろうが、わずか一つの大学が教員の供給をほぼ独占しているという過激な状態は確かに珍しいケースかもしれない。

 いずれにせよ大学における教員養成や教育委員会による教員採用の在り方においては旭川に限らず大きな問題があるといえよう。なお、第三者委員会の報告書に不十分さを感じた旭川市長が新たな第三者委員会の設置を決めている。中心となるのは大津

のイジメ事件でも活躍した「尾木ママ」こと尾木直樹氏とされるようで、今回はかなり期待できそうだ。

参考記事

旭川いじめ加害者扱い、投稿者に賠償命令

 共同通信社 によるストーリー 2023.6.7

 ネット上での公開処刑のような投稿が相次いでしまった原因の一つに当該中学校と旭川市教育委員会の隠蔽、対応の遅さ等の問題があったと考えられる。それが無関係な生徒への被害拡大を招いたとするならば、中学校側と教育委員会の責任が厳しく問われるべきだろう。

旭川いじめ防止条例を可決 中2凍死巡り、即日施行へ

 共同通信社 によるストーリー 2023.6.30

“女子中学生凍死”を受け 旭川市がいじめ相談ダイヤルを開設 いじめ防止条例案も公

 表 HTB北海道ニュース によるストーリー 2023.6.9

 学校側の隠蔽を明確に禁止し、隠蔽への罰則規定を設ける条文は条例案の中にあるのだろうか。いつものように表面的な対症療法に終始し、きれいごとの努力義務ばかりが並んでいるとしたら効果は期待薄。そもそもあれだけ全国に衝撃を与えた大津イジメ事件の反省すら周知されず、せっかく制定されたいじめ防止対策推進法などをまったく指導に生かすことが出来なかった日本の学校現場の深刻なゆがみ、本質的問題点をあまりにも甘く見過ぎてはいないか。その暗部の多くを見逃してはいないか。

 本質的な問題は上意下達に走る教育行政や教育委員会の在り方、学校管理職の人事や資質、ブラック化した職場、旧態依然の学校風土、穴だらけの教員養成と無駄だらけの教員研修などに求められるはず。それらの改革を棚上げしておいて、このような形で行政府による教育への政治介入ばかりが強まってしまえば今後、取り返しのつかない事態をも招きかねないだろう。

 本来、改革の主体はあくまでも教育行政でなければなるまい。しかし残念ながら肝心の教育行政本体が機能不全に陥っており、自浄能力までも失ってきている。従って徹底的に攻め込むべき本丸は現状維持ばかりを目指す日本の教育行政、教育法制全体である。これは政府と国会が責任を負うべき国政レベルの課題。地方行政で何とかなるレベルの問題ではない。もちろん旭川の取り組みは地方行政レベルでできる努力として旭川市民の立場からは一定程度、評価すべきであるが、国民としては真の敵を見失うことがあってはならない。

旭川中2自殺は「いじめが主原因の可能性高い」 市の再調査委員会

 朝日新聞社 によるストーリー 2024.6.30

旭川の中2、自殺直前まで「こわい」「死」投稿4000件…市再調査委が解

 析 読売新聞 によるストーリー 2024.7.1

旭川いじめ再調査 自殺との関係認定 異例の公表、背景に黒塗り流出

 朝日新聞社 によるストーリー 2024.7.1

 ようやくまともな報告書が出てきそうである。一体、ここまで来るのにどのくらいの歳月を費やしてしまったのか、考えるだけでも辛くなる。第三者委員会の報告書等の二度に及ぶ流出など、さんざん事態をこじらせ、隠蔽と責任逃れを目論んできた教育委員会や教師たちへの厳しい対応が待たれる。

 注目すべきは中学校1年生の段階でのクラスにおけるイジメがしっかりと確認されたことだろう。その結果としてクラスに居辛くなった廣瀬さんが、居場所を求めて他のクラスや他校の生徒たちとつながるようになり、その新たな人間関係の中でさらに激しいイジメを受けるようになったという経緯が確認されたことは大きい。すなわち廣瀬さんへのイジメに対する認識をまったく欠いていた当時のクラス担任、学年主任、教頭、校長、市教委の責任の重さが明確となったわけである。

 報告書等の流出が相次ぐという異常事態を受けて再調査委員会が報告書を旭川市に提出することをためらった点も大いに注目すべきだろう。かつての第三者委員会の資料が二度も流出するという、ありえないレベルの歴史的大失態を演じ続けた旭川市および市教委への信頼はもはや完全に地に堕ちてしまった。再調査委員会の今回の措置はむしろ歴史的「英断」と評すべきだろう。

 記者会見で尾木委員長がこうした事案を詳細に調べれば調べるほど、同様の事態がいつどこで発生してもおかしくはない、と述べていた事も強く印象に残る。この件に関しても日本の学校教育のあり方が根本的に問われていると見て良い。なお会見での尾木氏の発言に関して不満があるとすれば、学校や教育行政のあり方への批判がイマイチ鋭さに欠けていた点であろうか。一般教師たちの委縮を恐れるあまり、やや当時の教師たちを庇い過ぎている傾向を感じたのは私だけではあるまい。

 今に始まったことではないが、日本の学校ではそもそも教師間でイジメが横行し、管理職によるパワハラ、セクハラも決して珍しい事ではない。ある学校では発達障害を持つ特定の教師を集団でイジメていたし、管理職もイジメ行為に絡んでいた。このような無様な状況が蔓延している多くの学校では生徒たちのイジメ問題に対して有効な対応は到底、期待できないであろう。尾木氏はどうやら近年の学校が置かれている悲惨な状況への理解がイマイチ不足しているように感じられたが、いかがだろう。

 事件の再発を防ぐために取り組むべき対策が広く検討され、報告書の最後に詳述されているらしい。早く報告書の全体を確認したい。また旭川市、市教委側の情報漏洩に対するしっかりとした対策が今度こそ、間違いなく施されるのを期待したい。どう見ても三度目の失態は決して許されない。

 ※参考記事

  “任意”のいじめ調査には限界も。学校関係者も含まれる「調査委員会」の問題点と事実認定の3

   原則を元調査委員が解説 FNNプライムオンライン によるストーリー  2023.10.26

   刑事事件として警察が捜査に乗り出した場合にはその捜査には強制力が働き、ある程度までは証

   言や証拠を集める事が出来る。しかし「イジメ」の重大事態として調査委員会(教育関係者が加

   わる可能性あり)や第三者委員会が調査に乗り出したとしてもその調査に協力するか否かはあく

   までも任意とされる。このため証言や証拠を提出することを拒否されてしまうケースでは調査が

   先に進まなくなることも起こりうる。

    こうした場合には被害者側が刑事・民事事件として警察及び裁判所に訴え出ないと埒が明かな

   い。加害者の特定やイジメの事実確認自体が困難なケースは少なくあるまい。「教育的配慮」の

   名のもとに加害者側の人権だけが守られ、被害者側が泣き寝入りする印象がこの問題には常にま

   といつく。しかしその背景に教師や教育委員会の調査がどうしても不十分になってしまう、法的

   な限界があることは予め知っておかねばなるまい。

旭川いじめ 「やっと答えがでた」再調査委の結果受け母が思い語る

 朝日新聞社 によるストーリー 2024.7.2

 ようやく遺族の気持ちとしては一段落したようだが、事件としては決して終わっていない。イジメ問題に対してまともな対応ができずに廣瀬さんをみすみす死なせてしまった当時の校長や教頭、担任、教育長たちへの処分はこれからである。また第三委員会の報告書を流出させた張本人が特定できていない。こちらは明らかに刑事罰の対象であり、犯人を特定して裁く必要がある。

 本件は大津のイジメ事件とほぼ同じレベルで世間を震撼させた大事件であり、大津の事件が新しい法律を生み出したように、旭川の事件もまたSNSや性加害、秘密漏洩への対応を巡る新しい制度や規制を生み出すはずである。イジメ問題対策を一層、充実させるための新しい工夫、改革が全国的に必要とされている今、今回の教訓を教育行政がどのように生かしていけるのか、期待薄ながら注目していきたい。

 

・報告書流出問題

旭川いじめ「黒塗りない報告書」流出疑惑 小川泰平氏が懸念「指紋など証拠の採取

 は行っているのか?」 デイリースポーツ によるストーリー 2023.10.13

 この件に関しては早くから繰り返し発言してきた小川氏が指摘するように故人への尊厳を踏みにじるような、極めて悪質な人権侵害が事件後も旭川で続発してきた流れの中で捉えるべき事案であろう。特に今回の漏洩事件は断じて許されないレベルの悪質さを感じるとともにこの事件の底知れぬ闇の深さを痛感させるものとなっている。

 この犯罪的行為が実行できるのは被害者の関係者以外では、政府、北海道教育委員会、旧第三者委員会、旭川市教育委員会しか考えられないという。被害者の関係者が黒塗りしていないプライベートにかかわる極秘資料を自ら旭川市議宅に投函する可能性は極めて低いだろう。肝心の動機が見当たらない。政府や北海道教育委員会もわざわざそんなことをする動機はほぼ無いと見てよい。そもそも守秘義務違反にあたる危険な行為を敢えて行う動機がこれらの関係者にあるとはどうしても思えない。

 したがってこれまでのこの事件の極めて残念な経緯からすればこれは尾木直樹氏が主導する再調査委員会の報告が出る前に、事件の責任者たちへの追及をかく乱し、イメージ操作しようと画策した旭川市内の者の犯罪的行為と必然的に推理されるだろう。すなわち旧第三者委員会か旭川教育委員会に属する者の犯行の可能性が極めて高いということだ。これらの組織はこれまでも事件の誤魔化し、隠蔽に深く関わってきた張本人たちと深いつながりのある人たちが含まれているとハナから疑ってかかった方が正しいだろう。つまりこの一連の行為は被害者遺族への脅迫的意図を持って行われている可能性があると推察する。

 さらに特定の旭川市議宅に投函した動機が疑われる。この市議がさらなる資料の漏洩に関わっていないか、捜査する必要も当然、あるだろう。市議に何を期待して投函したかが疑われるからである。

 以上のようなことから小川氏は今回の犯人を探し出す上で欠かせない証拠となる流出書類の指紋採取を行ったかどうか、警察に確認すべきだと指摘されているのだと思われる。

旭川いじめ、報告書流出か 遺族側要望で市教委調査

 共同通信社 によるストーリー 2023.10.6

 第三者委員会の資料が流出したものと思われる。驚愕の人権侵害が放置されてきたこの事件の闇は深い。

旭川いじめ、告発見送り 報告書流出、証拠得られず

 共同通信社 によるストーリー  2023.11.24

 事件の隠蔽に加担してきた市教委が報告書の流出に関して証拠が発見できず、告発を取りやめるらしい。常識的に考えれば限りなく犯人に近い市教委から自らの犯罪を証明するような物証が快く提出されるわけはあるまい。

 この組織がいつから信頼されるに足る組織として再生したのか、ほとんど知る由もない市民はこの報道に対して一体、どのような反応ができるというのか。私たちはまず、公教育の闇の深さを知るべきなのである。

旭川市教育委員会「いじめなし」 市長にずさんな報告

   共同通信 によるストーリー 2024.2.11

 学校と市教委がグルになって事件を隠蔽しようとしていたことがこれで一層明白になった。イジメグループ以上に厳罰に処すべき人々は隠蔽に関与したすべての教師たちであることも明白だろう。

旭川いじめ 中2女子死亡 黒塗りなし最終報告書がネット上に流出か

 日テレNEWS NNN によるストーリー 2024.6.26

 いよいよ旭川市の学校教育界の闇深さが露呈してきている。旧第三者委員会がまとめた最終報告書とみられる文書がインターネット上に流出し、黒塗りされていたはずの部分が閲覧できる状態になっている件である。この事態に対してサイトの運営者は、公開の目的について「「爽彩さんが、何に悲しみ、苦しんでいたのかを、社会に、正しく理解して貰(もら)うため」…「黒塗りだらけの報告書によって、謂(いわ)れのない誹謗(ひぼう)中傷(いじめ)を受け続けている方々(主に教師たち)の汚名を少しでも晴らすこと」などと主張しているらしい。

 どういう内容の文書がネット上にさらされてしまったのかは私自身、確認できていない。しかし教育委員会が結成させた第三者委員会がかつてイジメと自殺との因果関係を確定できないとの結論を出しているように、かなり怪しいメンバーから構成されていたことは既に明らかである。このためもう一度、まったく新しいメンバーで市長が中心となって再調査委員会が編成され、尾木直樹氏を中心に再び調査が行われるに至った経緯を考えると、「晒し」サイトの運営者がどういう立場の人物なのか、おおよその察しはつくだろう。

 黒塗りの箇所を世間に公開し、イジメ被害者とその遺族のプライバシーを違法にも晒すことでもっぱら傷つくのは明らかに遺族の側であり、「謂れのない誹謗中傷を受け続けている方々」=名指しで批判された当時のクラス担任、教頭、校長、旭川市の教育長、教育委員会ではあるまい。これらの皆様方は報告書の「晒し」が自己保身と名誉回復にはつながるものの、一切、自分たちが傷つくことは無い内容なのだとあらかじめ分かっていたに違いあるまい。

 そもそも旧第三者員会のメンバーはそういう立場の方々であり、その報告書もそうした方向性を持って作成されていたのだろう。そして亡くなってしまった被害者の尊厳はこの「晒し」行為によってもはや回復不能なほどまで深く傷つけられたと推察できる。まさに「死人に口無し」であり、今回の晒しは「死者に鞭打つ」行為であり、決して許せるレベルのものではあるまい。

 私としてはこれまでの経緯から再調査委員会の報告書が提出される前に、世論を自分たちの都合の良い方向に誘導すべく、今回の「晒し」が行われたものと推測するが、いかがか。しかし仮にそうだとしたらこの行為はおそらくヤバイほどの墓穴を掘ってしまっている。黒塗りされていない報告書を持つ者は限られているからであり、犯人の特定はさほど難しくあるまい。かつて同様の報告書が市会議員に流出した件があった。そのあたりからも今回は犯人を特定できる可能性がある。

 「謂れの無い誹謗中傷を受けている方々の汚名を晴らす」という大義名分を掲げていかにも公益通報を装った今回の晒し行為は、明らかに守秘義務違反であり、プライバシーの深刻な侵害でもある。遺族及びその支援者側は犯人の逮捕のためにぜひ、立ち上がってほしい。旭川警察もまた二度に及ぶ悪質な情報漏洩とプライバシーの侵害に対してさらに真剣に向き合うべきだろう。誰がどう見てもこんなことが繰り返されるような町で、治安がまともに守れるとは思えまい。

旭川いじめ ネット上の「調査報告書」はたたき台か、流出元調査へ

 朝日新聞社 によるストーリー 2024.6.26

 どうやら流出元は旧第三者委員会のメンバーが疑わしいようだ。実際にネットに晒したのはイジメ撲滅を謳う、ある「市民」団体だという。流出元に遺族を疑う、とする妙にうがった見方もあるというから実に驚きだ。

 遺族の意向で非公表とされた内容なのに、敢えて遺族がネット上に自らのプライバシーを公開すると考える側の神経こそ、きわめて疑わしくも嘆かわしい。またイジメ撲滅を謳う「市民」団体が遺族をさらに苦しめるはずのネットでのこうした「晒し」行為を行う…一体、旭川「市民」はどこまで錯乱しているのだろう。

 いまだに当時の中学校関係者からは公益通報としての内部告発がまったく見られない一方で、公益通報を騙るネット上の晒し行為が平然と行われてしまう旭川市という町の現状に慄然とする。「市民」ではない外部の人間からすれば旭川市の学校教育はもはや「完全に終わってしまっている」ように見えるのだが、いかがだろう。こんなテイタラクでは一度失われてしまった教育行政への「市民」の信頼回復は限りなく不可能に近いと言って良いのではあるまいか。

旭川いじめ 黒塗りない「報告書」流出、市教委が刑事訴追に向け調整

 朝日新聞社 によるストーリー 2024.7.3

 ネット上での晒し行為などで被害者や遺族のプライバシーがこれほど酷く、かつ執拗に脅かされ続けたイジメ事件は過去、一度も無かったと思うが、いかがだろう。

 もちろん今回も加害者とされた生徒たちのプライバシーが他方で暴かれてはいる。しかしそちらは大津イジメ事件での加害者たちへのネット民による晒し行為と同じく、匿名性が高くて私的リンチに近い点で報告書流出問題とは全く性質が異なる案件である。

 一方、報告書の流出は第三者委員会のメンバーか、報告書の管理に当たっていた教育委員会、もしくは旭川市役所の人間の関与が明らかに濃厚であり、ふてぶてしいほどにその匿名性は低い。つまり、こちらは明白に組織的で計画的である。結果的にではあるかもしれないが二人の市議までが関わる、公的な権力、影響力を悪用した、遺族に対するあからさまな脅迫行為というほかあるまい。つまり前代未聞の、悪質で卑劣極まる犯罪行為そのものだと捉えられる。

 したがって元来、信用できそうもない市教委が刑事訴追の主体となるのは、あまり好ましくはないだろう。これまでの経緯から見て流出の犯人が教育長以下、市教委のメンバーであることも十分考えられるからだ。ここはもう市や教育委員会に一切忖度せずに遺族が主体となって裁判に持っていく方が、事件の全容解明により近づけるのではあるまいか。

『聲の形』は不快になるのが前提の映画? 拒否反応が出た理由と作中の回答とは

 マグミクス ヒナタカ の意見 2024.8.16

 「イジメ」をめぐる深い考察は大いに参考となるだろう。特に「鏡の孤城」との対比は鋭い。イジメ加害者側にも寄り添う観点はどうしてもこの手の事件では欠失しがちになる。加害者である彼らを永久に許さない…という硬直した正義感はやはり社会全体にイジメの連鎖を生み出しかねない恐ろしさを持っているだろう。

旭川中2自殺 遺族「いじめはどこでも起きる」 再調査報告書公表

 毎日新聞 によるストーリー 2024.9.13

 残念ながら市長は再調査報告書の公表をもってこの闇深い事件に極めて大きな闇を残したまま姑息にも終止符を打とうとしているようだ。なぜならば報告書の流出という重大な事件についての言及が市長や新聞等の記事に、一切、見られないからである。報告書の流出は明らかに被害者側のプライバシーに対する深刻な侵害であり、この重大な犯罪に関わったと推察されるのは、当時の状況からすれば報告書を管理していた市役所の人間か、教育委員会、第三者委員会のメンバーにほぼ限定される。

 これだけの重大事件に対して明らかな落ち度と責任のある市や教育委員会側が、警察とも緊密に連携してイジメ事件の実態解明とは別個にあらためて報告書流出事件の真相解明を進める。これは市民からの信頼を回復する上でも当然の責務だろう。

 しかし市長及びマスコミすらそのことに言及しないのはまず報告書流出の真相解明に対する市長の意欲が極めて低く、加えてマスコミがただの「マスゴミ」だからだ、としか言いようがあるまい。裏側には事件隠蔽に向けて教育委員会側の市長への強力な働きかけがあったのかもしれない。少なくともそう勘繰りたくなるほどに一刻も早く事件の幕引きを図ろうとする意志が市長のコメントからは漂ってくる。

 この事件に対する市民の動きの鈍さにも知事のパワハラ問題で揺れる兵庫県と同様に不信感が募る。もしかすると民主主義の土台たる国民主権が長い間おざなりにされてきた、その結果として民主主義が機能する上で欠かせないはずの主権者としての当事者意識がついに日本国民から少しづつ失われてきている、ということなのかもしれない。

 だとすれば長年かけて国政への当事者意識を国民から奪うことに専念してきた日本の学校教育の在り方にこうした事態を招いた責任の過半はあると考えられる。とりわけ暗記中心の正解主義、一斉講義形式の授業を続け、児童生徒をひたすら受け身に終始させてきた社会科教育の責任は極めて重いに違いない。生徒たちの主体性の回復につながる授業のあり方としてアンケートを多用する討論型の授業機会を拡充するような授業改革が急がれるだろう。

旭川市がいじめ再発防止策 精神科医活用や性教育推進

   共同通信 2024.12.6

   この事件はただ単に表面的なイジメ再発防止策を打ち出せればアッサリと終止符を打てるような、軽く受け流せる程度の案件ではなかったはず。兵庫県の内部通報をめぐる騒動でも見られた個人のプライベート情報の流出自体が、個人のプライベートを覗く特権を悪用するという極めて陰質なパワハラ、イジメであり、重大で凶悪な犯罪そのものであるだろう。今後、同様の事件を防止する上で、この件は決して看過してはならないないと考えるが、いかがか。

 旭川市は門外不出のプライベート資料を二度も流出させてしまったという深刻な問題の解明をこそ急ぐべきだろう。そもそもこれができていないような段階で、旭川でのイジメ再発防止など決して謳ってはならないし、今後ともイジメ防止など一切期待できないのだ。個人情報流出こそがこの事件における核心であり、事件の質の悪さ、闇深さを物語る、被害者側への最悪の社会的イジメであったからであり、生徒の自殺もまた性的画像等の流出が大きな要因であったことは誰もが否定できないはず。

 旭川の場合、旧第三者委員会のメンバー、ないしはその保管にあたった人物が情報流出の片棒を担いだと容易に推察できる。なぜこれまでの長期間、情報流出に関わった人物をいまだに特定できないままなのか、なぜ、旭川は情報流出の解明抜きでこうもやすやすとイジメ再発防止を謳うことが出来るのか、その理由を明らかにしない限り、私たちはまたもや旭川市による悪質な隠蔽を疑うのみである。

 したがってこの件に関しては、情報流出の件のみをターゲットとした、教育委員会のみならず、市からも独立する、完全な第三者からなる調査機関の新たな設置が待たれる。場合によっては政府が直接、旭川に乗り込むことも有り、ではないのか。この問題の深刻さ、重大さを考えればその程度の意気込みが国にあっても良いと思うが…

 

参考動画

「旭川女子中学生いじめ凍死」問題 調査報告書の非公表部分がネットに流出か 

 サイト運営者が取材に答える HTB北海道ニュース  2024/06/26  4:51

旭川中2女子凍死 「いじめ被害なければ自殺起きなかった」再調査委が因果関係認

 める FNNプライムオンライン 2024/06/30 1:34

旭川いじめ凍死 黒塗りなしで文書公開した問題 遺族側が流出元の団体と代表者

 を刑事告訴するよう求める HTB北海道ニュース  2024/06/28  0:52

 いよいよ事態は急転し始めた。旭川市教委は神奈川のサイト運営者を刑事告発するかもしれない。さらにこのサイトに黒塗りしていない報告書を送った人物も、分かり次第、刑事告発すべきだろう。ただし、例の通り、市教委が必ずしも信用できるとは限らない。むしろ告発する、という大義名分のもと、改ざん、隠蔽すべき資料を探し出し、証拠隠滅を図る可能性の方がはるかに高いのではあるまいか。

 いざとなったら遺族、および支援者が主体となって彼らを刑事告発、さらに民事訴訟に訴える事態も予想される。報告書の流出という前代未聞の不祥事を引き起こした旧第三者委員会の組織としてのあり方、報告書の所在の確認、保管状況に不備が無かったのかも、改めて厳しく検証されるべきであろう。

 ここまで事態をこじらせてしまった当時の学校の管理職、教育委員会の責任もまた極めて重大であり、追って何らかの重い処罰が課されるべきだと考える。

その7.③学校のウソ臭さ

※この記事は常に新鮮なネタを提供すべく、随時、更新されています。

 

AIがあっても英語を学ぶ意味 なぜ「黒板」は緑色なのに黒板なのか 分断が広がる今

     こそ必要との意見も AERA DIGITAL 小長光哲郎 2026.2.20

 今さらなぜこんなトンチンカンなことを言っているのだろう。…認知言語学が専門の日本大学教授、町田章さんが意義として強調するのは、英語を学ぶ過程で、英語話者の人たちとの「思考法の違い」や、「異なるものの捉え方」を知ることができるという点…だという。

 町田氏は、中学校や高校の授業で日本語話者の「思考法」や「ものの捉え方」と、英語のそれとの差異を逐一、分かりやすく解説できている授業が実際にどれほど存在しえているのか、一度でも確認してみたのだろうか。英語を学ぶ意義としてこれらを強調されているようだが、その意義が学校教育の中で本当に実現できているのかは極めて怪しいだろう。しかも、本当に「思考法」や「ものの捉え方」が英語を学ぶ上での欠かせないポイントであるならば、実際に定期試験や入試レベルでそれらが数多く問われてきたはずである。しかし、誰がどう見ても実態は違う。

 学校教育の現実を踏まえない机上の空論を根拠にして、社会の「分断」を埋めることなどまったく不可能である、と思うのだが、いかがか。そもそもこんな虚しい「きれいごと」に、今の学校や教師は一秒たりとも付き合うヒマなど無いはずだ。

“30万円の自腹を強いられた校長の告白。「わたしはどうすれば……」未納金問題

    の深刻な実態 All About 福嶋尚子・栁澤靖明・古殿真大     2025.10.11

 この程度の調査だけでは日本の学校現場の自腹の実態が十分に解明されるわけがない。自腹が当たり前のこととして常態化してしまい、教師自身が自腹を自腹として意識できていないまま、出費を続けているケースだって決して少なくあるまい。確かに管理職の自腹などは一時的には多額のケースもあるだろうが、一般の教師が日常的に支払い続ける自腹の総額が管理職のそれと、実際には大差ないものであることの方がむしろ多いのではあるまいか。

 運動部顧問の場合、部活動に必要となる道具類等の一部は顧問が自腹を切って購入することが少なくない。もちろん自分の使う道具やユニフォームなどは自腹である。当然、練習試合などで他校を訪問する際の出費の多くも自腹である。さほど部活動に熱心ではなかった自分ですら、35年間の教員生活において部活動関係で自腹を切った金額は間違いなく100万を下ることはなかった。

 文化系の部活動でも、楽器の購入や修理費など、吹奏楽部の顧問の自腹分もかなりの巨額に上るだろう。

 また授業で実物教材などの独自教材を使う教師の場合、教材費のほとんどは自腹である。もちろん授業準備に要する書籍代は全額、自腹。さらに近年はプロジェクターを用いて授業を行う教師が多く、どこでもプロジェクターは学校の備品だけでは不足しがちである。結果的にプロジェクターを含め、視聴覚機器や記憶媒体の一部を自腹で用意してきた教師は決して少なくない。

 古くは100本以上のビデオテープを購入して授業での視聴に用いていた教師たちの過去がある。その中には録画用ではない、かなり高額のものもあった。自分も先輩教師たちに見習ってテープ代だけで総額数十万円分は費やしている。

 自腹はお金の問題だけではあるまい。お金以上に膨大な時間と労力がとりわけ部活動にはつぎ込まれており、教師たちの私生活は常に厳しい制約を受けてきた。肝心の授業準備もおろそかになりがちであった。そこへ様々な学校行事が絶え間なく加わってくる。文化祭や体育祭、遠足に修学旅行、入試、入学式、卒業式…それらの準備もまた部活動同様、勤務時間内に終わらないものばかりなのだ。

 教師たちによるこうした自己犠牲的な献身抜きにしては、日本の学校教育がまともには成立できてこなかった、という現実をまずはきちんと直視すべきだろう。そしてマスメディアならば先進国で最低レベルの教育予算しかない日本という国の、真の意味での文化的貧しさを引き摺り続ける社会の構造的な欠陥にこそ、もっと深いメスを入れるべきだろう。

なぜ?学校の通知表「主体性」の評価が見直しの訳

    東洋経済オンライン 松下 佳代 2025.10.8

 これまで教師や児童生徒の主体性を踏みにじり、学校現場の主体性をひたすら否定してきた文科省が、なぜか通知表の評価の観点としてこれからは主体性を重視する、という。本来、主体的な学びはまず教師側が児童生徒の模範となるべく、実践できていなければなるまい。

    連絡報告の書類作成などのブルシットジョブや無意味な官製研修の連打によって教師の主体的学びの機会を奪い尽くし、教師の意思を無視して職員会議をただの連絡報告の場に貶め、学校の都合を最優先して校務分掌を一方的に新任者に押し付けることで、ひたすら主体的な勤労意欲を奪ってきた教育行政側が学校現場に対して「主体性」という言葉を口にして良いわけがない。

 …文科省自身は、「主体的な学び」を「学ぶことに興味や関心を持ち、自己のキャリア形成の方向性と関連付けながら、見通しを持って粘り強く取り組み、自己の学習活動を振り返って次につなげる」と説明し、「主体的」をproactiveと訳している(proactiveはreactiveの対比語で、事態に反応するのではなく、先取りして自ら事態に働きかけることを意味する)。…

 とのこと。裏読みをすれば、国の方針に対して主体的、意欲的に盲従してくれる「民草」の養成に学校はより一層の力を入れていけ、という事かもしれない。その発想において致命的に欠けている視点は、何を学ぶべきなのか、という主体的学びの前提として必要不可欠となる問題意識であろう。文科省が学ぶべき内容への規制を緩めることなく、厚かましくも学習の主体性を教育現場に求めることに潜む矛盾とそこに隠された真の意図に留意したい。

小学校の隠しカメラに市議「盗撮では」 市「正当」強調 愛知・江南

     毎日新聞 2025.10.2

 これが完全な違法行為であり、児童への明らかな人権侵害にあたるものだと判断できない校長や教育長がいることに驚く。どうしてこのような人物が校長や教育長になってしまったのか、管理職人事の闇に触れた思いがするのだが、いかがか。もちろん、隠しカメラの設置を擁護する市長の見識にも呆れるほかあるまい。

 児童のイタズラがどんな内容なのかも、気になる。仮に他の児童への深刻な人権侵害に相当するものならば、一刻も早くイタズラを辞めさせる必要があるのは確かだ。しかし、そのためにとるべき有効な手段は、監視カメラの設置以外にもあったのではあるまいか。

ブラック校則を自ら見直し? 「子どもの意見表明権」教育に取り入れ

 毎日新聞 2025.9.5

 …子どもの意見表明権は、1989年に国連で採択された「子どもの権利条約」の12条に規定。子どもが自らに影響を及ぼす事項に対して自由に意見を述べる権利を確保するとしている。

 日本は94年にこの条約を批准した。国内法は長く未整備だったが、子どもの意見表明権を基本理念に掲げた「こども基本法」が2022年に成立。その後初めての指導要領改定を迎えるため、学校での指導にも取り入れることにした…

 と記事にある。学校教育は児童生徒の将来に直結するため、教育内容に関して世界の進展に大きな遅れがあっていいはずがない。未来を生きていく児童生徒の歩みを学校教育が妨げていいはずがないのだ。特に児童生徒の権利に関してはなおさらであろう。まして科学技術の進展が目まぐるしい現代である。子どもたちの未来を預かるべき学校教育が、日本の場合、進取の精神を児童生徒から奪うような旧態依然のレトロ感をいつまでも醸し出し続けているのはいかがなものか。

 次の学習指導要領が学校現場に適用されるのは小学校で2030年度からである。中学校や高校はさらに遅れてしまう。つまり日本では子どもの意見表明権を規定した子どもの権利条約が国連で採択されてから41年、日本で批准されてから36年以降、ようやく小学校から順次、学校現場に反映される予定、というのだから驚き呆れる。この取り組みの鈍さ、遅さ…まさに「人権後進国」たる日本の面目躍如、というところか。

 これまでの長きにわたり、子供の人権条約の精神が日本の学校教育にしっかりと反映されてこなかったために生じてしまった、残念な事件事故は数多い。これによって犠牲となった児童生徒の数も決して少なくはない。政府、文科省はこうした世界の進展に対して大きな後れを取り続け、結果的に犠牲者を生み出し続けた失態を深く反省し、一刻も早く国民に謝罪すべきではないのか。

 実際にはかなり以前から児童生徒の意見を取り入れてブラック校則の見直しを推進している学校が出てきている現状は確かにある。とりあえず一部の動きにせよ、文科省の取り組みよりも学校現場の方が少しは早い…だからといって国民が安心できるわけではあるまい。

 30年以上にわたる日本経済の失速、経済や政治の停滞の背景に日本の学校教育の、余りにも時代遅れなあり方がある、と考えるべきだと思うが、いかがか。

教室にカメラ設置ってアリ? 「いじめを防ぐため」の案だけど「体育の着替え」

    は、「死角」はどうするの? 東京新聞 2025.4.18

    おそらく熊本市教委の人権意識の低さ、鈍感さがこうした安直な対応にも表れてしまうように思えるのだが、いかがか。ぜひ、授業で取り上げて監視カメラ設置の是非について議論させたい。まずは議論の手始めとしてイジメが発生する主たる原因とイジメへの対応のあり方が問われるはずだ。

    どういう環境下でイジメは発生しやすくなるのだろう。これまでの常識的発想ではこんなロジックで学校でのイジメが語られる傾向があったはずである。まず画一的な管理主義的教育体制の下で学校側が集団行動を偏重し続け、集団への同調圧力を過剰に強めてしまうと児童生徒の精神的ストレスは極めて大きくなってしまうに違いない。そのストレスはきっとイジメとなって発散されてしまう大きな危険性を孕むものだろう。あるいは集団主義的な校風になじめない児童生徒たちの間に数多くの不登校を生み出すかもしれない…

    とは言え、仮に集団主義、管理主義が大幅に改善されたとしてもイジメを社会から根絶することは不可能だと私も考える。そもそもどんな社会であれ、利害の対立が生じるのは不可避である。したがって利害の対立やイジメが生じたとき、学校側が問題の解決に向けてどう工夫し、どう対応するのか、が問われる。

 工藤勇一氏のように、集団間での対立、イジメの発生に対して児童生徒自らが対話を重ね、問題解決の方向に自分たちで歩み出せるように教師が工夫して対応できるのならば、イジメ問題の発生は学校にとってむしろ大歓迎ですらあるだろう。それは児童生徒にとって社会生活のあり方を、体験を通じて学ぶ、絶好のチャンスとなるからである。仮にそう考えられる教師集団ならば、イジメを無くす…という発想、教育目標は決して思い浮かばないはずである。逆に単なる学校や教師側の臆病な自己保身などから、イジメの未然防止のために監視体制を強化してしまうと、児童生徒の自律、自立のチャンスを奪うだけではなく、学校をさらに居心地の悪い場所にしかねないのではあるまいか。

 もちろん、学校における硬直化した画一的管理主義は今後も是正されていくべきであるが、それだけではおそらくイジメ問題の本質的解決には向かわないだろう。学校でのイジメ問題への対応は、日本の学校の根深い隠蔽体質も考え併せれば、イジメの発生防止という観点に軸を置くのではなく、イジメ発生後の対応の在り方の方に対策の軸を置くべきではあるまいか。

 イジメの根絶を図るために児童生徒への監視を強め、管理を強化せんとする熊本市教委の発想は、以上の点から問題の本質を完全に見誤っており、さらなるイジメのステルス化、陰湿化、悪質化をも招きかねないと考えるが、いかがか。

 そもそも今はやりのSNSによる誹謗中傷を、監視カメラの設置で防げるはずはないのだ。イジメは教室内での窃盗事件とはわけが違うし、監視強化によってイジメの発生を完璧に防げるという幻想も即刻、捨てていただこう。そしてイジメ問題をもっぱら児童生徒たちの力で解決できるよう、いかにして議論を組み立てていくのか、熊本市教委および教師側は真剣に考えていくべきであろう。

ニュージーランド公立小の"自由で刺激的"な日常 移民大国で根付く「ダイバーシ

   ティ教育」の実際 東洋経済オンライン 鳥羽 和久 の意見  2025.1.10

   教育においてダイバーシティを尊重するという事は一体どういうことなのか、ニュージーランドの取り組みを例にして具体的に知ることが出来るだろう。ダイバーシティ教育の実現には大きな予算が必要であることが繰り返し強調されている点も重要である。振り返って我が国の学校教育の残念なまでの低予算、教師の出血大サービス残業で無理くり体裁を整えているみすぼらしさと上辺だけのダイバーシティ尊重の掛け声を見るにつけ聞くにつけ、絶望的な感覚を覚えてしまうのは私だけであろうか。

30年変わらぬ体育館での雑魚寝「劣悪環境」の避難所が生む関連死 自治体任せから

   脱却を 備えあれ⑤避難力 産経新聞 2025.1.6

   阪神淡路大震災、東日本大震災・・・肝心なことの多くを過去の経験から学んでこなかったのは政治家だけではあるまい。能登半島沖地震から一年経っても被災地の復興の歩みの遅さ、ノロさは本来、安全で居心地の良い避難所として機能すべき学校の体育館で、寒さに震える「雑魚寝」状態が一向に改善されていない点にも伺える。果たして今回の災害発生後の避難生活における病死、自死の比率は30年前に比べてきちんと減ってきているのだろうか。

 思えば学校の体育館ほど避難生活を送る場所として不適切な施設は無いだろう。そこは大勢の人々が避難生活を送るために配慮され、設計されたものでは決してなく、本来は児童生徒らに忍耐と根性を養成する試練の場であり、むしろ積極的に快適さを嫌う空間であったはずだ。そこでは多くの児童生徒が退屈で長いだけの校長訓話をひたすら耐え忍び、季節によっては酷い暑さ寒さにも耐え忍ばねばならない、神聖にして厳格な「鍛錬」の場ではなかったか。どうみても図体がデカイだけのガランとした体育館の空間は暖房にまったくなじまず、ましてクーラーなど、教師たちにとっては想定外、論外…現代的な空調設備などは、ただただ児童生徒を甘やかすだけの、贅沢過ぎた余計な施設であったはずだ。

 冬はかじかむ手を握り締めて寒さを耐え忍びながらの始業式、終業式、卒業式が長時間にわたって繰り返され、夏は酷暑の中で大汗を書きつつ蒸し暑さを耐え忍びながらの終業式、講演会などが繰り返された。もちろん部活動では地獄の特訓が待ち受ける、恐ろしい試練の場であった。まさに戦時中の「皇国民錬成」精神の生き残りそのものだった体育館である。そもそも40人余りがぎゅうぎゅうに詰め込まれていた狭い教室にさえ、クーラーが本格的に導入され始めてからまだ20年も経ってはいないのが、経済大国日本の公教育の実態だったのだ。経済的繁栄の絶頂を謳歌していたあのバブル期でさえ、日本の公立学校の教室にはクーラーがほとんど存在していなかったことを思い返してほしい。

 災害時に学校に足を踏み入れた避難民は速やかに自身の学校時代の辛かった記憶を取り戻し、しばらくは我慢強く生活を送ろうとするだろう。が、もはや児童生徒たちの従順さと体力を持たない大人たちが長期間耐え続けられるほど、学校の施設は優しくない。元来が兵舎をモデルにした近代の学校施設は、野営よりは多少マシであるものの、今時の、冷暖房完備の御家庭とはまったく違う発想で設計されているのだ。

 日本の学校は決して生活する場ではなく、いまだに鍛錬の場である。そのことを痛感するのが学校での避難生活であったはずだ。この記事は日本の学校がこれまで抱えてきた、古色蒼然とした軍隊由来の発想と避難生活の場としての快適さを求める発想との相克をも伺えて実に興味深い。そして同時に教育予算と防災予算を徹底的にケチり、国民の幸福と安寧、生命を軽視してきたこの国の政治の貧困さをも痛切に思う。

 政府はこのまま有効な対応をサボり続け、連発しかねない南海トラフの大地震や首都圏直下型大地震、富士山の大噴火を漫然と待つつもりなのだろうか。防災、避難、後片付け・・・その多くをいまだに自助努力とボランティアに依存する国家を今後も「災害大国」などと日本が内外に喧伝し、自称していくのはいかがなものか。

 おそらくロシアや中国の侵攻、北朝鮮のミサイルを待つまでも無く、日本は自然災害によって一気に衰退するに違いない。きな臭い国際情勢が続く現在、確かに防衛費の増額も必要だろうが、確実にかつ目前に迫ってきた大災害への備えはさらに緊急性が高いのではあるまいか。他国の侵略で滅ぶ前に自然災害で滅ぶ方が先だとしたら、「災害大国」日本の名がすたるだろう。

 かつては優秀な人材を多数抱えて敗戦からの奇跡的な復興を遂げ、「人材大国」とも呼べるほどに国民の優秀さを誇ってきた日本である。しかし、ここ三十年余りの間にひたすら教育予算と社会保障費をケチり続け、全国に金権政治家、老害政治家を蔓延らせて、いまや酷いレベルまで子供や若者の未来を閉ざしてきた日本の現状を見た時、「人材大国」、「災害大国」と日本を呼ぶよりも「人災大国」と自称すべき時に至っているように思えるのだが、いかがか。少なくとも真剣に国民を守ろうとしない今の政府に税金を差し出す義務など国民にあろうはずがない。

 少子高齢化を含む様々な課題を先送りしてきた政府の責任はもちろん重大だが、主権を持つとされる国民の選択にも問題は多いに違いない。加えてこの問題の責任の一端は住民を欺いて避難設備の充実をさぼり、予算をケチってきたクセに、漫然と避難所を引き受け続けてきた地方自治体と教育行政側にもあるだろう。

 ところで教師たちはいざという時、自分たちの家族を放置したまま、周辺住民の避難生活をどこまでみすぼらしい学校の中で責任を持って支えられるのだろうか…疑問だらけではあるまいか。自宅ならば自己責任で防災用品を十分に整え、非常時に備えることは各自の判断でできる。しかし、いざという時、学校近くに住む教師たちはその自宅を離れてまともな設備や非常食の備えも無い学校に集合させられ、大勢の避難民のためにあくせくと働くのだ。冷たい体育館の床で一体、いつまで寝起きを強いられるのだろう。とりわけ問題とされるトイレや生理用品の件だが、これに関しても学校において何らかの改善や用意が出来ている、などと感じたことは一度も無い。

 こうした貧弱な施設と備えのままで果たして大地震や大噴火後の避難生活に現在の学校は、教師たちは、住民たちはどこまで耐えられるのだろうか。そもそも近隣住民は災害時における学校施設の不備をどこまで知っているのだろうか。実際、学校の現状を知る多くの教師は自分の家屋の安全が確認できさえすれば、本音の部分では家族とともに自宅での避難生活を望んでいるはず。

 こうして災害時の悲惨な避難状況をわずかに想像しただけでも、多くの人は教師にだけはなりたくない、と切に思うのではあるまいか。様々な点で避難施設としての条件を欠いたままの学校の惨状はもっと広く世間に知られるべきであろう。

長野県、自己実現できる「ウェルビーイング実践」70校決定

   リセマム 2024.12.7

   …飯田市では市内すべての小・中学校で小中一貫教育を導入。小・中学生の異学年が一緒に取り組む行事や学習、地域を生かした探究的な学びをつくる特設教科(教育課程特例校制度)を設置する。根羽村(下伊那郡)の公立学校では、小規模ならではの「学びの村づくり」として、時間割を子供たちが決定したり、地域の人が学校の教育に参加したりできる仕組みづくりを計画。栄村(下水内郡)の小・中学校では、制服や運動着、化粧やピアス、染髪などのルールは子供たちが決めるとし、揃える指導はやめ、多様な生き方や学び方を支援していくという。…

   長野県はこうした取り組みの準備期間として2025年度をあて、翌2026年度から本格実施されるという。正直に言って余りのスピード感に驚きと大きな不安を隠せない。ただし改革例として挙げられた取り組み自体は100年余り昔の取り組み(大正新教育運動)で見られたものとほとんど大差は無く、ICT化による個別最適化教育の推進以外に大した新しさはみられない。むしろこうした取り組みが事前にどれほどの計画性と予算を伴っていたのかを私たちは厳しく注視すべきであろう。

 大雑把に振り返れば大正新教育運動は大正デモクラシーの風潮に乗っかって、制度的、組織的、予算的なバックアップ体制を十分には構築できないままスタートしたため、ほぼ実験段階のレベルのままに収束している。計画性に欠けた拙速で無謀な取り組みによる失敗はその推進者が標榜していた人権尊重と民主主義の価値を結果的に貶める役割を果たしてしまい、昭和に入ると国民学校による皇国民錬成教育という恐ろしい反動を招き入れてしまった。どんなにきれいごとを叫んだとしても、それだけではきれいごとが実現するわけではない。わたしたちはこれまでも「教育改革」の名で再三繰り返されてきた、こうした目くらましに騙されてはなるまい。

 学校教育の改革の成否を握るのは法制度の整備や予算面などでのバックアップに加え、改革を推進する歯車となるべき人材の育成の進み具合である。これは教育学の世界では既に一世紀近く前から指摘されてきた。長野県では一体、こうした人材の育成をこれまでどうしてきたのだろう。どうみても人材の育成は一朝一夕にできるものではあるまい。実に怪しい限りである。

 まずは新しい改革の主旨を理解し、それを実践に移せる管理職が改革の先頭に立たなければ話になるまい。管理職の頭の中が「昭和」のままではまさに「ふてほど」そのものであろう。もちろん、一般の教師たちにも改革を推進していけるだけの知識と理解、それに心身の余力がなければなるまい。既に「教育改革」と称する過重労働ですっかりブラック化した学校にそれだけのゆとりが残されているのだろうか。この点でも大いに危惧される。実際問題として、県は児童生徒のウェルビーイングを言う前に、教師のウェルビーイングの方をまずは心配すべきではないか…

 かつての「教育改革」がことごとくそうであったように、長野県の取り組みが教師たちの疲弊を一層募らせ、挙句の果てに無責任な「絵に描いた餅」で終わらぬことを祈るばかりである。

「どういうつもりなのか」同級生から「ばい菌」扱いのいじめ…女子児童は100日

 以上欠席 急きょ「重大事態」認定に不信感 京都市 別児童のいじめでも一転し重大

 事態を認定 毎日放送 によるストーリー 2024.7.24

 2020年から始まっていたイジメを今頃になって教育委員会が重大事態に認定する背景に一体何が考えられるだろう。いじめ防止対策推進法に対する理解の程度が各地の教育現場ではかなりマチマチとなっており、殊に管理職によって大きな差異があることは容易に推察できるだろう。今回の件も担当者が新旧入れ替わったことでようやく表面化してきたと考えられる。

 しかし重大な案件に関しては統一的基準に基づく迅速な対応が求められるはずだ。法の規定に基づかない、現状の属人主義的な対応ぶりにはどうしても大きな危険を感じざるをえない。管理職の世界における年功序列、先輩後輩関係のあり方に深くメスを入れない限り、こうした事はいつでもどこでも起こり続けるだろう。

 とりあえず、今回の件ではこれまで重大事態としての認定を行わなかった当時の管理職、及び京都市教育委員会の担当者への厳しい処罰を下すべきである。たとえ後輩の身であっても、対応を間違っている先輩を厳しく処断できないようでは教育行政への市民の信頼は崩れる一方となるだろう。

この社会はまるで「寄生虫」のよう…いつのまにか「わたし」に侵入して内側から

 変えてしまう「おぞましい実態」現代ビジネス 

 内藤 朝雄(明治大学准教授・いじめ問題研究) の意見  2024.5.25

「一回いじめたら、止められない」「何か暴走してしまう」…意外と知らない「い

 じめの構造」現代ビジネス

 内藤 朝雄(明治大学准教授・いじめ問題研究) の意見 2024.5.25

 学校が果たしている社会的機能の一つ「社会化」のブラックな側面を寄主に対する寄生虫の不気味な影響力にたとえてみるのはイメージしやすくて効果的だろう。学校のどんなところが寄生虫の影響力と同じような不気味な感染力を持っているのか、生徒たちに問いかけてみたい。少なくとも学校とは「善」なるものと頭から決めつけて思考停止に陥っている生徒たちには刺激的な問いかけになるだろう。

<著者は語る>データの独裁許すな 『ヤバい統計 政府、政治家、世論はなぜ数字に

 騙(だま)されるのか』 統計学者 ジョージナ・スタージさん

 東京新聞 2024.4.28

 統計のウソを見抜くことは難しいが、常に疑ってかかる姿勢は保つべきだろう。特に政府、文科省の統計は怪しい限り。つまり「検定」なるものを通過した教科書や資料集ですら、全面的に信用するのは間違いだろう。授業では年度初めにこの記事を読ませ、統計資料の安易な利用に釘を刺しておきたい。

 とはいえ、政財界によるバイアスのあまりかからない、ごく基本的な統計資料(人口統計など)はきわめて有用なデータであり、こうしたデータをどれだけ授業に生かせていけるかが、教師の腕の見せ所でもあろう。

体罰を訴えた保護者アンケートを破棄して偽造 小学教諭を処分 岩手

 朝日新聞社 によるストーリー 2024.6.17

 アンケート調査の危うさはこうしたデータの偽造が絡むと一層厄介である。教師の評価が絡む児童や保護者向けのアンケートを教師自身が分析するのはやはり、やめた方が良いだろう。分析は保護者会や生徒会で行った方がデータの信頼性は高まる。回答者が忖度なしの評価をできるような条件を十分に満たさないアンケートならば行わない方が良い。安易な設計のアンケートは危険なだけで、悪用されかねない。

無意識に行動を操られる「ダークパターン」の危険 「妨害」「こっそり」など知るべき7

 つの悪質手口 東洋経済オンライン 酒井 麻里子 の意見 2024.4

 この知識は児童生徒たちがネット詐欺の被害に遭わないために必要な知識になるだろう。加えてこれまで学校教育で行われてきた「教育」という美名に隠れたある種の「洗脳」を自覚する上で役立つ知識だと思うが、いかがか。

 かつて教育社会学では学校での制服や男女別名簿、教壇などが無意識的に児童生徒に及ぼす影響を検証する研究がP.ウッズ(イギリス)らによって盛んに行われていた。つまり児童生徒を無意識的に一定の方向へとコントロールするある種の政治的目論見、「ダークパターン」の研究があったのだ。

 これはフランスのM.フーコーらの監獄への考察にも通ずるもので、軍隊由来の校舎や制服、体育での整列や行進と軍隊、刑務所との類似性が指摘されていた。たとえば日本ではランドセル、セーラー服、詰襟の制服、「気を付け」の号令と「休め」の姿勢などはいずれも軍隊由来のものであった。明治期に掲げられた「国民皆学」と「国民皆兵」というスローガンは近代的国民国家の形成と「富国強兵」を急ぐ明治政府の民衆に対するある種の洗脳政策といっても過言では無かったはず。

 今、学校教育を通じてどのような「洗脳」が行われているのか、冷静に振り返る視点は教師だけでなく、実際に「洗脳」の被害を被っている児童生徒たちにも「解毒」のために必要となっていると私は考えている。

修学旅行で預かった児童150人の財布、引率教員が無断で中身調べる…西宮市教

   委「不適切だった」 読売新聞 によるストーリー 2024.8.1

   学校にはイジメ事件に関しては生徒のプライバシー保護を盾にして事件の全貌解明を妨害し、隠蔽を図ろうとするクセに、普段は児童生徒のプライバシーの管理をおざなりにして時折、漏洩させてしまったりする残念な傾向があったりする。教師たちの多くはいかにも表向きは児童生徒の人権を尊重するフリをしているが、一部の教師の場合、子どもの人権条約すら一顧だにせず、残念ながら生徒指導を名目にして平気で児童生徒のプライバシーを侵害してくる。

 今回の件は不適切だった…では済まされないだろう。校長自身がこの指導に何ら疑問を抱くことは無かった、というから驚きだ。人権意識が今の今に至っても昭和のままであり、管理職や市教委からしてコンプライアンスの欠片すら存在していない、全くの時代遅れの認識にとどまっている、と批判されてもおかしくはあるまい。

 確かに40年近く前、高校でも修学旅行時、生徒たちの持ち物検査をしていた経験がある。当時はもっぱら酒、タバコ、ウォークマンやラジカセなどのチェックが主だったが、まだまだ校内暴力の余韻が残っていた時代でもあったため、検査すること自体はある程度まで仕方ないだろう、と感じないわけではなかった。事実、遠足の際、バスの後方の座席でお酒を回し飲みしていたグループの存在が発覚したことがあった。当時は中位層の高校でも最悪、ナイフ等の所持だって起こりうる時代であり、一切、持ち物検査をしないで済むような旅行がほぼほぼ無理な状況は確かにあったと思う。

 しかしその当時ですら所持する金額に関して上限を設けていたとしても学校側は一切、本当の所持金を確認してこなかった。生徒の所持金は保護者の所持金と同質のものであり、基本的には生徒及び保護者の判断にゆだねられるべきプライバシーそのものである。生徒にあまりにも多額の所持金がある場合、盗難や紛失の恐れが増し、いざという時、十分な事前指導を行わなかったと学校側の責任が追及されるような事態はもちろん想定しておく必要がある。だからこそ、事前に多額のお金を持参させないよう、保護者にも依頼するし、所持金の上限額も提示するのだ。しかし、その先はやはり保護者と生徒自身の自己責任に委ねるほか、手立てはあるまい。

 生徒たちにはこの件をどう思うのか、なぜこのようなことが学校ではまかり通ってしまうのか、じっくり考えさせたい。

 

・名古屋市教委金品授受問題

徹底追及 名古屋市教育委員会の金品問題 不可解な“名簿とカネ” 学閥で校長

 が…? CBCニュース【CBCテレビ公式】 2024/03/26 7:43

 ここでも寺脇氏の学校現場への無知がさらけ出されている。管理職候補を推薦する名簿の存在は千葉にも古くからあったはず。管理職採用を巡っては学閥や校長会の影響力もかなり大きいのは教師たちにも良く知られたことである。特に愛知教育大出身者が管理職の多くを占める名古屋市の場合には管理職採用試験にしっかりとした公正さがある、と思う方がおかしい。

 寺脇氏のような、学校現場への知識にまったく欠ける人物が文科省の官僚だったわけだから、教育行政が迷走してトンチンカンな政策をとり続けるのも当然であり、文科省の改革抜きで教育改革など完全に不可能なのである。

座長「なれ合い構造あった」 名古屋市教育委の金品授受問題報告書

 毎日新聞 によるストーリー 2024.8.28

 そもそも文科省の官僚だった寺脇氏が座長を務めるような調査検証チームが出す報告書なぞ、一体誰が信用するのだろうか。ただの茶番に過ぎないのは見るまでもなく明らかであろう。チームは「…名簿や金品による人事への影響は否定」したというから呆れる。一体、どんなデータ、資料を根拠にこんな結論が出されたのか…限りなく疑わしい。どうせまともな調査など、行われたわけがあるまい。

 他方で「教員集団の閉鎖的・排他的な仲間意識、なれ合いの構造があった」と厳しく批判したというが、これは明らかに口先だけ。世間を欺くただの茶番であろう。教育行政側のメンバーだった人物を座長とするような、厳格さ、公正さ、第三者性に欠けるこの調査検証チーム自体が市教委側と連携してズブズブの馴れ合いを演じているのは想像に難くない。教職員課長や教育長も務めた前市長の松原武久氏へヒアリングしたというが、こんなもの、岸田首相がオリンピック問題で行ったという森元首相へのヒアリング並みに信用できない。市教委および調査検証チームと馴れ合い、じゃれ合う関係性の中で松原氏が知らぬ存ぜぬを貫くのは極めて容易であっただろう。

教育関係者「闇深い」 名古屋市教委の金品受領問題報告書

 毎日新聞 によるストーリー 2024.8.28

 これ管理職の選考を巡る厳格さ、公正さに欠ける金品授受は教育公務員として見逃せないはずの大きな信用失墜行為であり、関係者の分限問題に関わるべきレベルの深刻さがある。にもかかわらず、調査検証チームの報告書には危機感の欠片も見られない、生ぬるさがある。再調査が必要なのは言を俟たない。

名古屋市教委の金品授受、総額1300万円超に…検証チーム「癒着と映らないか

   との視点が欠落」 読売新聞 によるストーリー 2024.3.30

 文科省の官僚だった寺脇氏が「…推薦名簿がまかり通っていたことも驚きだ」と指摘していることに驚く。文科省にいた人物が「推薦名簿」すら知らぬこと自体、恥ずかしい事だろう。学校現場の事を知ろうとしない人物が平気で官僚を務めている文科省というお役所のオワコンぶりに私はむしろ興冷めしてしまう。文科省がこんなテイタラクだから教育現場での不祥事が絶えないのではあるまいか。官僚たちの学校現場に対する無関心、無知、勉強不足こそが諸悪の根源なのかもしれない。

元校長らへの人事案「内覧」会合費にも支出 名古屋市教委の金品授受

   朝日新聞社 によるストーリー 2024.3.29

 金品の授受に関しては公にされると良くない、との認識が関係者の間で共有されていたという。同様の話はかつて名古屋に限らず、全国的にあったはずで、教員に採用されるためには教育委員会の有力者に金品を送るのが必須だった県があるとも聞いている。しかし声高にコンプラが叫ばれている現在、この悪習はとっくの昔に無くなっているものと不覚にも私自身、思っていた。まさに「不適切にもほどがある」ということだ。

 とはいえ数々のイジメ事件隠蔽など、大きな不祥事を繰り返してきたこれまでの学校社会の異様さを思えば、この程度の事があったとしてもさほど驚くほどのことではあるまい。世界や時代の進展に背を向け、百年一日のごとく因循姑息な、馴れ合いだらけの村社会に安住してきた日本の学校教育界である。おそらく同様の風習を続けてきた市町村が他にもあるに違いない。

 実は日本の学校社会全体が政治家の世界に負けず劣らず、とっくの昔に「不適切にもほどがある」状態であったはず。政治家の裏金問題は教育委員会の裏金問題とよく似た構造をはらんでいるのではあるまいか。

 

公教育のモデルつくるつもりが「法令違反」 奈教大付小教員の嘆き

 朝日新聞社 によるストーリー 2024.4.5

「文科省の二枚舌」元次官も憤慨、奈良県の教員“総取り替え”騒動で注目「学習指

 導要領は憲法違反?」SmartFLASH によるストーリー 2024.4.4

 前川氏の意見に同感である。20年以上前のことだが、君が代の歌詞を授業で教えていたら県教委のメンバーからそこまで教えなくともよい、との指導を受けてガッカリさせられたことがある。君が代をどのように、どこまで教えるべきなのかといった判断が文科省から明確に示されることなく、たかが教員委員会のメンバー一人の主観で指導を受けたことにも強い反発を覚える。

 そもそも君が代の歌詞を高校の生徒たちがこれまで一人も知らなかったこと自体、本来ならば大問題なはず。学校で歌うことを強制している「国歌」の歌詞と意味を学校ではきちんと教えてはならない、というような、ありえないほどの珍妙な指導がまかり通る教育行政の不思議さに国民はもう少し気付くべきだろう。

 一方で確かに義務教育段階では多少の統制が必要であり、学校や教師の間で教える内容に大差があるのは問題。しかし今回の件では大綱にすぎない学習指導要領があたかも「神の言葉」と敬われた大日本帝国憲法であるかのような仰々しさで金科玉条のごとく奉られている印象を受ける。これは教育界に戦時中の超国家主義的な発想がいまだ生き残っている証拠ではないのか。しかも文科省がズカズカと一学校の校内人事に全面介入するほどの逸脱が本当にこの小学校に存在していたのだろうか…怪しい限りである。仮に大学や文科省の今回の判断が正しいとするならば、かつて私が教えていた高校生たちに小中学校時代、しっかりと君が代の歌詞を教えてこなかった千葉県の小中学校の教師たちの方こそ厳しく処罰されるべきであろう。

 きっと文科省の指導の背景には政府与党の強い指導があったに違いない。だとすれば教育における政治的中立性を守るべき文科省や国立大学がいとも容易に政治的圧力に屈し、教員の半数を転出させるという違法なレベルでの厳しい人事介入を行った…すなわち政治的中立性の順守を謳った憲法や教育基本法を厳守すべき文科省が自らそれに違反するような指導を行った、ないしは黙認したということではないのか。

 やはりこの役所の堕落ぶりは想像を絶している。

「不登校の原因はいじめ=0.2%」という文科省と学校を信用できないワケ

   JBpress 石井 志昂,湯浅 大輝 によるストーリー 2023.8.18

 現場に長くいた人間からすれば、この手の調査結果は全くと言って良いほど信用できないに決まっている。

公立小・中学でのいじめ認知件数 自治体間で最大30倍の格差

 毎日新聞 によるストーリー 2023.6.21

 学校によってはイジメ認知件数がゼロのところもあったという。もちろん現実的に見て「ゼロ」はありえない数字である。といっても別に驚くことはあるまい。市町村によっては学校からの報告に虚偽が含まれるのは当たり前であり、むしろ普通のことではないのか。管理職が自らを不利にするような報告をお上にあげるわけがない、と思うのが教育界の常識。

   全国学力テストの結果がほぼほぼ信用できないのと同様に、学校の上っ面をフワッとなでる程度の安易な手法による報告や調査で学校現場の実態がつかめる、と思う方が今やあまりにも能天気なのだ。

 いや、もとより調査を命じた側も「やってます」感を演出するためだけに嫌々、調査を行なわせているに過ぎないはず。でなければ神戸市のようにイジメ事件の隠蔽が学校や教育委員会の中で執拗に繰り返されるはずがないのである。

   逆に文科省が各教育委員会や学校の牢固な隠蔽体質を知らぬわけがあるまい。所詮は「同じ穴のむじな」、この調査自体が国民を欺くだけの、ただの茶番だと思うべきだろう。

 

   しかし、こうしたアリバイ作りを主な目的とする虚しいだけの仕事だからといって決して侮ってはいけない。学校のブラック化はお上から送り付けてくるアリバイ作りのためだけのような文書の山が生み出している側面もあるからだ。

   教員不足が問題視される以前から指摘されていたのが、学校における管理職希望者の減少であった。実際、傍から見ていても教頭や教務主任の仕事量は異常なほど多く多岐にわたってきている。

 管理職として必要とされる能力はもはや学校教育への深い理解や豊富な経験、授業の力などではなく、膨大な事務仕事を滞りなく表面的にスマートにこなす事務処理能力の高さに特化してきているという印象が強い。

 形骸化した事務仕事の削減は文科省以下、すべての部署に共通した切実な願いとなっているはずだ。そしてこの願いが実現するためには予算と人員の増大が必要不可欠であることは言うまでもなく、しかも予算増の可能性は現政権下、限りなくゼロに近い。こうしたことに由来する先の見えない絶望感こそが現今、多くの教師の心身を追い詰めている最大の元凶なのではあるまいか。

いじめで不登校、学校からの認知報告は卒業後 保護者は再調査求める

 朝日新聞社 によるストーリー 2024.4.4

 一体、いつになったらこの手の問題が無くなるのだろうか。この種の問題が執拗に繰り返されている現状こそ、被害者側が学校や教育委員会に期待しているうちは問題解決がほとんど不可能だということを物語ってはいまいか。教師だけではなく、保護者もまた教育行政への過剰な期待を捨てるべきなのではあるまいか。

 

イメージは「しんどそう」だけど…将来の夢を「先生」にしてね 兵庫県教委が高校

   に職員派遣、やりがい語る 

  神戸新聞NEXT/神戸新聞社 によるストーリー 2023.7.7

 学校のブラック化を主因とする教師不足が深刻化する中で若者の教職離れを食い止めようと各地の教育委員会が躍起になるあまり、恥も外聞もなく教員採用試験のハードルをひたすら下げてしまおうとしている。これは言ってみれば教職の大安売り、たたき売りを全国規模で展開しているようなものであろう。

 

   この状況がどんなに酷く、みっともない話なのか、極端な例だが、分かりやすいので医者で例えてみよう。仮に深刻な医師不足を理由に医師会の判断で医師の免許を持たない人が医師として病院に勤められるようになったとしたらどうだろう。さて、免許を持たない人が今、あなたの目の前で不安げにメスを握っていて、これから震える手であなたの心臓を手術する…患者の立場からすれば身震いするほどおぞましい光景ではないか。

   実際、地方によってはほとんど教師養成教育を受けておらず、免許すら持たない人まで教壇に立たせる動きが出ているのだ。医者ほどの高度な専門性を要求されない教職ではあるが、それでも児童生徒の命を預かり、将来の進路にまで深く関わってしまう仕事ではある。

 

   「国家百年の大計」を委ねられた教師が今や希望すれば誰でもなれてしまう…どう見ても正常な事態とは思えない。しかしうがった見方をすれば現在の教職価値の暴落は軍拡のために教育予算を削減すべく、教師の賃金を低く抑え、待遇をさらに悪化させる口実には利用できるだろう。案外、政府や文科省、県教委の狙いもそこにあるのかもしれない。

   ただし教師に将来を左右されかねない児童生徒の立場から見ればこの新規採用を巡る人事はまさに噴飯物となる。今、教育委員会に蔑ろにされ、心底馬鹿にされているのは現場の教師だけではない。むしろ児童生徒やその保護者側なのである。

 

   しかも教師間のイジメやイジメ自殺事件の隠蔽などの悪質な不祥事が繰り返されてきた兵庫県では「やりがい搾取」の実態を放置してきた張本人の県教委がついに自ら高校へ乗り込み、無反省にも教職の「やりがい」をエサにして生徒たちをブラック職場に勧誘するという詐欺まがいの行為を行っているらしい。

   おそらく彼らからすれば学校というブラック職場は悪意ある第三者が作り出す間違った「イメージ」、すなわちマスコミが作り出した幻想に過ぎないのだ。現在の教師不足は無責任なマスコミが垂れ流した風評のもたらした被害の一つであり、我々はその後始末に追われている可哀そうな被害者…

   しかしもういい加減、騙されてはなるまい。これは有為な青少年の将来を徒に毀損し、人生をブラック化させかねない、まさに教育の名をかたる詐欺的犯罪行為そのものと見るべきなのである。これまで学校というブラック職場で心身を破壊され、命まで奪われた数多くの教師や生徒たち、その遺族の痛みを、実際、彼らはこれまでずぅーっと世間から見えないよう、巧妙に隠蔽してきたのだから。

参考記事

校長、教頭、教職員計78人を懲戒 異例の大量処分…出張旅費の不正受給が横行、服務規程も守られず 

 東京新聞 2024.2.15

 まさに公教育のメルトダウン、末期的症状とはこのような現象をさすのかもしれない。おそらくこれでも今回表沙汰になったのは「氷山の一角」に過ぎないだろう。これは川崎市における市立学校の多くが校長以下、全職員規模で完全にコンプライアンス無視の暴走を常態化させてしまい、どうにも止まらなくなってしまった結果だと思われる。

 ほとんど土砂崩れ状態でいったん足元から地盤ごと滑り出してしまうと、多くの人は踏ん張りが効かず、ひたすら状況に流されるままとなる。ここまで来てしまうと土砂崩れ現場の人間ではもはやどうにもなるまい。

 漫然としているといずれ千葉県でもいくつかの学校がこのような事態を招くのではあるまいか。こうした事件の背景にあるのは全教師レベルに蔓延する打ちのめされそうなほどの無力感だろう。多くの職員に共有される極めて低い自己効力感、組織効力感がついには学校の隅々まで沈滞させ、どんよりとさせてしまっているのではあるまいか。

 一体、何が彼らをここまで駆り立ててしまったのか…教育行政の責任は重大である。末端の職員をどんなに処罰しても事態は悪化するだけかもしれない。そもそも上級責任者が自分の責任を棚に上げて下々を処罰するだけの醜い人事が横行するような組織に明るい未来が来るわけはない。

「傍聴ブロック」なき今、強制わいせつ罪に問われた元校長に判決 被害者の不信を強めた横浜市教委

   のやり方 東京新聞 2024.5.25

 

・学校教育と政治

参考記事

京大総長からの学位記「受領は拒否いたします!」 学生のスピーチがSNSで話題 伝

    えたかったことは withnews 2025.5.31

※参考動画

トランプ政権が圧力 ハーバード大学で卒業式 「政府が何をするかわからず、なす 

    すべもない」日本の留学生ら不安ぬぐえず

    TBS NEWS DIG Powered by JNN  2025/05/30  3:22

【ハーバード問題】日本人教員「大半が大学を支持」分断が加速?入山章栄氏「米

    の反知性主義VS学費4000万円の超エリート」|アベヒル

    ABEMAニュース【公式】 2025/05/26  20:14

    政治と教育との密接な関係性が日本の京都大学とアメリカのハーバード大学での動きを巡って露わとなってきている。学校教育に対して政府が強い影響力を及ぼそうとすることは世界中で見られてきた。今回の件では大学における学問の自由が政府によって脅かされている点で共通しているが、日米では大学の動きが対照的である。ここではトランプへの批判よりも、日本の学校教育が政治や経済にひたすら従属してきたこれまでの教育の在り方を根底的に問い直したい。

 

・横浜市教委裁判傍聴動員

形だけでは意味はない いじめ自殺対応で横浜市教委が失った信頼 神奈川 ノートの

   片隅で 産経新聞 2024.9.3

  「市教委が地に落ちた信頼を取り戻すには、子供を守る心からの行動を積み重ねるしかない」との指摘だが、この程度の精神論でイジメ隠蔽体質が改善できるわけは無かろう。教育委員会での人事評価の基準と画一的な管理主義を具体的に見直していく手順を自ら示せない内は何をしてもダメ。

 しかしこの組織に自浄能力を期待するのはもう辞めておこう。それに文科省自体が変わらなければ地方が変われる部分は小さいに違いあるまい。教育行政全体において上意下達の長老支配が終わらない限り、失われた信頼を取り戻すことは無理である。

横浜市教委、5人懲戒処分 裁判傍聴に職員動員問題、いじめ対応巡り

   毎日新聞 によるストーリー 2024.8.24

   横浜市立中2年の女子生徒が2020年、いじめを受けて自殺した件で、横浜市教育委員会が学校に対していじめを認知したことを報告する文書を取り下げるよう指示していたことが判明したという。神戸市でも似たような事件があり、学校以上に教育委員会の隠蔽体質が問われる結果となった。教師たちの中でどういう人物が校長や教頭になっていくのか…世間から疑われても仕方あるまい。

   裁判傍聴への動員問題でも隠蔽体質の根深さが表面化してしまっている。彼らが教員採用を行っているのだから、彼らに採用された横浜市の教師全体の資質にまで疑問が生じてしまいかねない由々しき事態である。この程度の処分で済ませられる問題だとはまったく思えないのだが、いかがか。

被害者側からの要請「明確な記録なし」 横浜市教委、傍聴動員問題で

 朝日新聞デジタル記事 堅島敢太郎 2024年5月22日 21時18分

 教員によるセクハラ等の事件を裁く裁判で大勢の教職員を法廷に送り込み、一般の人々の傍聴を阻止しようとした横浜市教委の件。教委側が保護者の要請によってこうした事態を招いてしまったという言い訳が実は自己保身のためのウソであったという可能性が出てきている。「明確な記録」が残されていないのに、被害者側の要請があった、とする往生際の悪さ…もしもウソという事になれば重大な責任問題に発展するだろうし、前教育長が法廷侮辱罪等で訴えられてもおかしくはあるまい。本来ならばこの時点で横浜市や神奈川県教委は前教育長及び関係職員への厳しい罰則を科すべきではなかろうか。

横浜市教委の「傍聴ブロック」、外部検証チームを立ち上げ 弁護士3人で6月中に対

 応へ 東京新聞 2024.5.27

   どうやら保護者の要請があったことは文書で確認できたそうだが、横浜市として弁護士を3人外部から招き、調査することになったらしい。詳しい調査結果が公表されるのを待ちたい。

監査を重く見ていただきたい」市教委に委員が指弾 横浜市裁判傍聴妨害めぐる監

 査請求 産経新聞 2024.7.5

 鹿児島県警と似たような、身内をかばうための隠蔽の可能性を強く感じる。

わいせつ教員裁判の傍聴動員を決めた前教育長、その後は「安易な前例踏襲や追

 随」で計11回 読売新聞 によるストーリー 2024.7.28

 やはり隠蔽としか思えない。

 

・鹿児島県警内部告発事件

 軍隊や警察と学校とは本質的に似た者同士と昔からよく言われてきた。この事件は学校でのイジメ隠ぺい事件が多発する中で軍隊や警察と学校とが実際に「同じ穴の狢」であることを確認できる格好の事例であろう。授業では学校と軍隊や警察が体質的に似通っている点を生徒たちに考えさせたい。まずこれらの組織が共通して引き起こしてきた隠蔽事件について様々な事例を生徒たちに挙げさせ、その背景にある恐ろしい非人権的な組織的体質を考えさせてはいかがか。

公益通報潰しに報道弾圧…前代未聞の「警察不祥事」、告発文書「返還」求めた鹿

 児島県警からの通話全容弁護士ドットコムニュース  2024.6.17

 …いくらなんでも鹿児島から札幌まで強制捜査に乗り込んでくることはあるまいと高を括っていたが、なにしろ相手は平気で報道機関を家宅捜索して取材の秘密をあっさり侵害してしまう組織。せめて問題の文書だけでも万が一の押収を回避したいと、札幌市内の弁護士に管理を委任することにしたのだった。もちろん、弁護士の名前は県警に伝えていない…という件に戦慄を覚える。鹿児島県警の隠蔽体質と人権軽視の強硬姿勢が露呈してしまっているからだ。

※参考動画

 〇容疑者コメント「本部長でなければ誰でもよかった」名指しの幹部を変えた理由 鹿児島県警情報

  漏えい事件 (24/06/10 19:20) 鹿児島ニュースKTS  2024/06/10 2:41

 ◎鹿児島県警元幹部「闇を暴いてください」元キャリアも指摘する異例さ【サタデーステーション】 

  ANNnewsCH  2024/06/08 10:31

 ◎文書受け取った記者『闇を暴いてください』と 県警本部長が議会で改めて「隠蔽」否定【報道ス

  テーション】(2024年6月11日) ANNnewsCH  2024/06/12 6:34

 ◎「証拠の返還を」鹿児島県警“情報漏えい”内部文書を受け取ったライターが証言 電話やりとりか

  ら浮かぶ捜査の一端【news23】TBS NEWS DIG Powered by JNN 2024/06/12  11:10 

  これが公益通報なのか、情報漏洩、守秘義務違反なのか、今のところ不透明ではあるが、いずれに

  せよ第三者機関がきっちりとした事実確認を行う必要はあるだろう。この件に関して県議会の及び

  腰がほぼ明らかなので議会による追及はまず期待できない。当然、県警の調査は信用できそうもな

  いので、検察が動けるのかどうか…今後の動向を注視したい。

 〇#656 【塩ちゃんねる】鹿児島県警の隠蔽がついに~長くかかりましたが、ようやく始まったばか

  り~ 塩ちゃんねる 2024/06/06 4:41

  国会議員も以前から注目してきた鹿児島県警の隠蔽体質、なかなか根深いものがありそうだ。

 

その3.沖縄戦~学校とマスコミ~

※この記事は常に新鮮なネタを提供すべく、随時、更新されています。

 

参考動画

【80年目の真実】「非国民」少年を戦争へ導いたものの正体 元志願兵が語る"目に

    見えない空気"とは 愛媛 NNNセレクション

    日テレNEWS  2025/08/25 13:29

    国民の間に戦争を煽り、人々を戦場に駆り立てる空気感を醸成してきた張本人は政府や軍部、在郷軍人会などを除くと、第一にマスコミ、第二に学校、第三に同質圧力の強い地域社会であったと考えるが、いかがか。

    この番組では国防婦人会といった村社会に根付いた地域組織の問題が挙げられているが、マスコミと学校の負の役割はそれよりも遥かに大きいだろう。その点も考慮に入れて授業では扱いたい。

歴史を“レスバ”の武器にするな】辻田真佐憲/わざとSNSで炎上させる「闇落ち研

     究者」が急増/AIで歴史の矛盾を看破せよ/日本の常識が海外で“嘘/これからは

     「令和人文主義」と「戦後史」【1on1】

     TBS CROSS DIG with Bloomberg 2026/01/12 37:18

 沖縄の歴史を含めて昭和史を振り返る、論ずるためにどのような観点が必要となるかを知る上で非常に役立つ指摘に満ちていると考えるが、いかがか。

 あくまでも歴史学の実証主義的立場に拘りつつ、冷静に議論を進める上でこれらの観点は決して見逃すことは出来まい。この分野を授業で扱う前に、あらかじめ教師として絶対に知っておくべき視点が分かりやすく提示されているはず。

皇民化教育の徹底と戦時中の報道統制が生んだ沖縄の悲劇

・戦時中のプロパガンダ

参考記事

戦意高揚のシンボル「軍神」はどう仕立てられたのか、メディア・教育が扇動した

   「死の精神」【報道特集】 TBS NEWS DIG_Microsoft  2025.12.13

戦時下の主婦に行われた「国防の躾」とは…旧日本陸軍が2000万人もの女性に強制し

    た「相互監視網」の恐ろしさ    プレジデントオンライン 一ノ瀬 俊也 2025.10.8

    銃後の女性たちが戦争遂行に果たした役割も見過ごすことは出来ない。

「あめりかに負けるものか」軍国少年の日記…寄贈の92歳「大人の言うまま、本

    心から思っていた」 読売新聞 2025.9.25

 学校教育の負の側面がよく分かる史料。

音楽と戦争の「深いつながり」とは?歴史学者に聞く 上田誠二・日本女子大准教授

 #戦争の記憶47NEWS 2025.8.21

 NHKの朝ドラ「エール」(2020)でも話題に挙げられた音楽界における戦争責任の問題。他には見聞することの難しい貴重な記事である。

【戦後80年】NHKスペシャルで話題に本誌が報じた昭和16年「総力戦研究所」が 

 予言していた「日本必敗」の道筋 SmartFLASH 2025.8.19

 ここでポイントとなるのは政府首脳が日米開戦によって間違いなく日本は敗戦の結末を迎える、という予測を様々な統計的データに基づいてこれでもかと突きつけられていたこと。にもかかわらず彼らが日米開戦を決した理由であろう。

 緒戦におけるドイツの快進撃に酔いしれ、「バスに乗り遅れるな」という合言葉に閣僚たちはまんまと乗せられてしまったのだろうか。だとしたら国際情勢への彼らの読みが甘過ぎたというほかあるまい。あるいは接戦となった日露戦争の奇跡的勝利の記憶が閣僚たちの判断を歪めさせてしまったのか。はたまた最優先していた国体護持のためには日中戦争の継続が不可避だったからか。それとも米英への激しい敵愾心を執拗に植え付け、日米開戦やむ無しと国民に思わせんとする洗脳策の効果が余りにも絶大であったため、戦争回避という選択肢の可能性を政府みずから潰してしまっていたからか。

 生徒たちにできるだけ多くの要因を考えさせたい。

参考動画

連勝に国民熱狂も…“国策映像”の裏に隠された敗北 映像は戦争をどう伝えた【報

    道ステーション】 ANNnewsCH 2025/08/15 9:17

    軍部が国威高揚のために様々な報道規制を行い、国民を騙し続けた動きが簡略に示されていて分かりやすい。まずは「日本ニュース」の果たした役割を整理させたい。

“破竹の快進撃”隠ぺい・捏造…なぜウソは膨れ上がったのか 映像は戦争をどう伝

    えた【報道ステーション】(ANNnewsCH 2025/08/16 17:42

    やや突っ込みが甘いが、最低限の事は触れている。ただしこの動画だけでは役に立たないだろう。上の動画を補足するために一部、視聴させたい。

戦渦の「学校日誌」奪われた日常…80年前の現実【バンキシャ!】

    日テレNEWS NNN  2025.8.3 9:28

    学校の兵営化、軍事工場化が米軍機の襲来を招き、多くの教職員や児童生徒の命を奪うことにつながった。軍事教練の導入も学校の軍隊化に一役買っていただろう。

 学校日誌には毎日、御真影に関して「御安泰」などとその安否を記す箇所が設けられていた点も興味深い。小磯内閣の打ち出した本土決戦作戦は、当然のことながら児童生徒をも戦争に巻き込む狂気の作戦であり、この狂気の作戦を現実のものとした国民の精神的な基盤には「一億火の玉」といったマスコミが流すスローガンや国民学校での錬成教育があったに違いない。国体護持のためにはすべてを犠牲にする覚悟が国民全体に刷り込まれていたのである。天皇制の罪深さを思わずにはいられない。

太平洋戦争末期に兵士不足により招集された14歳以上の少年兵「鉄血勤皇隊」の実

    態とは? 春日陽のレトロ近現代史 2025/04/09  25:44

 やや視聴時間は長くなるが、生徒たちと同じような年代の少年たちが過酷な戦場に動員され、多くの犠牲が生じていたことは知っておきたい。少年たちの戦地動員の背景に何があったのか、要領よくまとめられている。沖縄戦学習の導入部で視聴させておきたい。

戦中の日本に張り出されていたプロパガンダ・ポスターには何が書かれてのか?  

    春日陽のレトロ近現代史 2025/03/22  24:18

戦時中のトンデモないスローガン・国策標語9選

    春日陽のレトロ近現代史 2024/06/15  25:22

 以上の二つの動画は必ずしも授業で視聴できなくとも興味深い内容が多く含まれており、資料として十分に活用できる。戦時中の代表的なスローガン、プロパガンダを知るにはうってつけの動画。ただしナレーションなどに読み間違いなどが目立つので事前のチェックは欠かせない。

【終戦企画】戦時下の戦争アニメ映画

 小林彩のほんのり昭和回顧  2024/08/10 19:35

 やや視聴時間が長くなるが、戦時中のマスコミ、学校の果たした役割をつかみ易いだろう。ぜひ授業で利用したい。

こうして権力者は戦争を始める【プロパガンダの法則】

    原貫太・フリーランス国際協力師 2024/11/02  16:51

いま戦争が始まったら、あなたはどう「心理操作」されるのか?【プロパガンダの

    法則】 原貫太・フリーランス国際協力師 2024/11/05  17:02

    ここで示されている戦争を始めるための四つのプロパガンダは他の戦争プロパガンダに関する動画の内容と結び付けて生徒たちに考察させてみたい。特に戦争プロパガンダにおいてマスコミだけではなく、学校が果たす大きな役割にも注目させたい。

戦時中の少年少女倶楽部【雑誌の昭和史】

  小林彩のほんのり昭和回顧 2025/03/19 19:41

 戦時色の強いイラストは資料として印刷し、授業で配布しても良いだろう。

【終戦企画】戦時中のプロパガンダソング【歌謡の昭和史】

 伊東彩のほんのり昭和回顧 2024/08/15 20:07

 3曲、紹介されているが、授業では2曲目の「爆弾位は手で受けよ」だけ視聴してみたい。この曲だけなら解説が4:25~7:20、曲が13:25~16:20で視聴時間は計6分弱となり、授業中に利用しやすい。

【終戦企画】昭和20年の戦争映画【映画の昭和史】

    伊東彩のほんのり昭和回顧2024/08/09 21:20

昭和19年の日本の戦争映画【映画の昭和史】

    伊東彩のほんのり昭和回顧 2025/02/21 25:57

 伊東氏の動画はいずれもバランスのとれた解説であり、授業において安心して視聴できるものだと感じている。やや視聴時間が長いが、アメリカの映画なども紹介していて大いに参考となるだろう。

 

・ウクライナ戦争から見えてくる戦争の実際

ウクライナのロシア領侵攻をどう思う?

 ロシア人にインタビューしてみた 2024/08/21  5:43

 短いが非常に興味深く、刺激的なインタビューであり、ぜひ授業で視聴させたい。ここから日本人である私たちはどんな教訓をくみ取れるのか、問うてみよう。

【これまでの反政府運動と違う】プーチン政権を公然と批判する動員兵の妻たち”プ

 ーチ・ダモイ”に広がる共感 ロシア当局が彼女たちを弾圧しない理由とは

 【クロ現】| NHK   2024/04/15 10:08

 戦争を続けようとする国家を動かすために国民は何ができるのか、独裁者は戦争中、どうふるまうのか、など考える上でヒントとなる動画だろう。

ナワリヌイの死 ロシア人にインタビューしてみた  2024/02/19  4:22

反プーチン急先鋒…ナワリヌイ氏“謎の獄中死” 専門家が読み解く「3つの可能

   性」【スーパーJチャンネル】ANNnewsCH  2024/02/19 5:01

 上の二つの動画を視聴させてロシアでの政治についてどう思うか、日本の戦前との比較(小林多喜二の拷問死)や日本のマスコミの現状も念頭に置きたい。

反対派の「不審死・牢獄入り」をロシア人はどう思う?

 ロシア人にインタビューしてみた 2022/09/20 6:34

ロシアは、敗けますか?

 ロシア人にインタビューしてみた 1420 2023.6.11 6:14

9人目のロシア実業家の不審死が確認された直後のインタビュー。ナワリヌイ氏、

 ムラトフ氏への襲撃も噂されるが、ロシア人の反応とは。2022年8月29日頃撮影

 非常に刺激的なインタビュー。質問する側も答える側も命懸けの緊迫感が伝わって

 くる貴重な動画。国家による言論弾圧がロシアでは一層強まっている。日本は今、

 国民の知る権利が十分保障されているのか、きちんと点検すべきである。キナ臭く

 なってきた現在だからこそ、是非視聴させたい動画。

【制能権】あなたの意見って何だ?自由意思はある?脳をハックするハイブリット

 戦争と情報社会 2022/05/19 

 ABEMA 変わる報道番組#アベプラ【公式】34:26

 「智能化戦争」を仕掛けてくる中国への脅威が増してきた現在、「制脳権」という言葉が脚光を浴びてきている事の重大さに気付きたい。「洗脳」に弱い国民性を持つと考えられる日本国民にとってきちんと正対すべきテーマであろう。敗戦によって「マインドウォーズ」の恐怖を痛感したはずの日本人が戦後、どれだけその事を反省できているのかが、未だに問われている。SNSの普及にともなって生まれてきた「エコーチェンバー」「フィルターバブル」という新規な言葉の現代的意義に注目したい。視聴時間が長いので幾つかに区切りながら、その都度、丁寧に議論していく必要があるが、極めて重要な番組。

【ベストセラー】「テレビは見るな! 新聞は取るな! (日本の真相!) 」を世界一わか

 りやすく要約してみた【本要約】 2022/05/11 本要約チャンネル 33:50

 この本自体がただのデマなのか、直ちに確認すべきであろう。

戦争はマスメディアが作り出す!?人々を洗脳する「戦争広告代理店」とは

 原貫太国際協力師 2021/04/21 16:36

【知らないとダマされる】なぜ大衆は戦争に煽られてしまうのか?(前半)

 2022/03/25 原貫太・フリーランス国際協力師 13:28

戦争で「広告代理店」が儲かるのはなぜ?【情報操作の闇】

 2022/04/09 原貫太・フリーランス国際協力師 17:13

ウクライナ危機で大儲けする「軍需企業」とは!?

 2022/04/22 原貫太・フリーランス国際協力師 16:15

【メディアの黒歴史】戦争反対を訴えていた新聞が180度方針を変えた話

 2022/04/15 原貫太・フリーランス国際協力師 14:36

メディアが「戦争の真実」を伝えられない本当の理由

 2022/04/06 原貫太・フリーランス国際協力師 14:42

【先進国最下位】日本の「報道の自由度」が低い3つの理由

 2022/02/05 原貫太・フリーランス国際協力師 13:30

元CIA諜報員がプーチン氏の心を読む(2022年5月7日)

 2022/05/07 ANNnewsCH 11:39

 侵略戦争を行う国家のあり方についてはウクライナ侵攻を強行したプーチン政権を

 具体例にして理解できるだろう。習近平政権と類似した洗脳政策は中国による台湾

 侵攻、尖閣諸島占領が現実に起こりうることを示唆しているかも。

【賛成420票vs反対1票】たった一人で「戦争反対」を唱えた女性議員の物語 

 2022/04/21 原貫太・フリーランス国際協力師 13:24

知って欲しい、教科書で“いま”何が起きているのかを/映画『教育と愛国』予告編

 2022/03/22 moviecollectionjp 2:16

映画「教育と愛国」が示すもの 「政治の道具」迫る危機 ディレクター・斉加尚

 代さん 2022/04/13 毎日新聞 5:44

【白井聡 ニッポンの正体】~映画 「教育と愛国」 から考える~ 歴史を私物化す

 る愛国者 2022/04/15 デモクラシータイムス. 1:27:00

 

参考記事

ロシアで「過激派」情報をネット検索しただけで…最大9300円の罰金、プーチ

    ン氏が法案署名 読売新聞 2025.8.1

佐藤優「ニッポン有事!」国家総動員体制の日本に似たプーチン大統領「教育と国

   益」論 アサ芸biz  2025.2.9

   ロシアの現状だけではなく、変な愛国論がまかり通る日本のネット社会も考え合わせると、戦時中の皇国民教育をただの過ぎ去った出来事として忘却してはいけない、現代日本への警鐘となっている点にぜひ注目したい。

「この8年間プーチンは国民を洗脳してきた」...政府系メディアに乱入した女性が

 捜査官相手に吐いた反戦抗議の「納得の理由」 現代ビジネス

 マリーナ・オフシャンニコワ によるストーリー  2024.5.10

「ウクライナ侵攻は住民保護」ロシアが刷新した「歴史教科書」に書かれた問題部

 分 アサ芸biz の意見 2023.8.15

ロシア、統一教科書で侵攻正当化 歴史教育見直し進める

 共同通信社  2023.5.15

 この記事は討論のネタに使えるだろう。突っ込みどころ満載で利用価値は高い。特にプ-チン発言のどこに突っ込みを入れるか、まず問うてみたい。また中国のネット上でのコメントも突っ込み材料豊富。国定教科書の怖さと検定教科書の危うさを知っておきたい。他方で戦争に関する日本の教科書の記述がどこまで信用できるのか、生徒にアンケートをとってみたい。

プーチン氏「日本人は教科書に真実を書かない」=中国ネット「ユーモアある」

 「そもそも教科書には…」 Record China 2022/10/31 21:46

参考動画

幼い子どもが軍服姿で「奉仕できます!」ロシアで加速する“軍国教育” 高校生の

 軍事訓練映像を独自入手【戦争と子どもたち】

 TBS NEWS DIG Powered by JNN  2023/08/12  9:39

 上の参考記事と併せて学校と戦争との関係を考えさせたい。ロシアでの軍国教育を例とすれば、比較的、意見が出やすく、導入にうってつけの動画。かつての国民学校での教育と非常によく似ており、この動画から日本の学校教育の問題へとつなげていく展開がオススメ。

戦死者数わかってますか? ロシア人にきいてみた。

 ロシア人にインタビューしてみた 2022.10.1 9:19

今でもTVを信じてる? 若いロシア人にきいてみた。

 2022/10/16 ロシア人にインタビューしてみた 17:09

ロシアが負ける時、どうなりますか? ロシア人にインタビューしてみた 

 2022.10.21 11:01

 戦争中の政府による報道統制が国民の認識を歪めてしまう現象は古今東西を問わず、どの国でも起こりうる危険な現象。知る権利、報道の自由が今の日本ではどれだけ保障されているのか、しっかりと調べさせた上で考えていきたい。いきなり日本を素材にすると反発も予想されるテーマなので比較的、意見を言いやすいウクライナ戦争は討論の素材としてはタイムリーであり、ぜひ授業で使ってみたい素材の一つ。

NHK | ロシア少数民族が集中的に動員され戦死者も 動員はジェノサイドだ

 ーチン大統領の狙いは? 少数民族ブリヤート人の苦悩| BSキャッチ 世界のトップ

 ニュース 2022/10/13 NHK 10:21

これからも、政治に無関心でいますか? ロシア人にきいてみた。

 ロシア人にインタビューしてみた 1420 2022.11.10 6:54

プーチンどう? 顔、声を隠してきく。ロシア人にインタビューしてみた 1420   2023/03/05  MOSCOW 撮影1月と2月 17:30

 匿名を条件にするとプーチンに対してかなり批判的な意見が表出してくる。

参考記事

ロシア国民はなぜ今も“間違いを犯した自国”を支持するのか。「国民感情」の国際

 比較から考える mi-mollet 加谷 珪一 の意見  2023.7.15

 重要な観点からの指摘。ただし日本の場合も教育や報道の自由度が極めて低い点に大きな問題があるだろう。対岸の火事、と悠長に構えている場合ではあるまい。

中村逸郎氏が警鐘 広島G7開催のタイミングでロシアが核攻撃の可能性

 東スポWEB の意見 2023.5.7

米小学校乱射を否定し巨額賠償命じられた陰謀論司会者、自己破産申請

 BBC News 2022.12.3

 陰謀論をまき散らしたトランプ政権下での出来事である。陰謀論の拡大は戦前の日本でも「満蒙は日本の生命線」などと言った危機感を煽るスローガンによって生じていた。近年ではウクライナ戦争でもこの手の陰謀論はネット上で種々観察できよう。ネット社会の進展もあって大統領や国家が平気で陰謀論をばらまく時代が来ている。瞬時に大量の情報が飛び交う中で信頼できる情報源を探すのは極めて難しい。確実に言えることは「情報の信頼性を確認できるまでは結論を急がない」事であろうか。多様な意見にじっくりと耳を傾けつつ、粘り強く自分なりに信頼できるデータを積み上げていき、データに裏付けされた意見を自らの力で構築していく…そうした姿勢を幾度もの討論を通じて繰り返し養っていくことが求められているようだ。

「辞めろ」「辞めない」の応酬で泥沼に…高市早苗の「放送法文書」騒動で、見落

 とされている“問題の本質” 文春オンラインプチ鹿島 によるストーリー 2023.4.4

堕落した大新聞ついに自ら“言論統制”の自殺行為 朝日新聞が社員の書籍出版を「不

 許可」日刊ゲンダイDIGITAL によるストーリー 2023.6.5

朝日新聞に著書“出版禁止”を出された社員が語る「新聞社の言論規制」調査で明ら

 かになった「臆病になる新聞」 SmartFLASH によるストーリー 2023.7.4

 

・少国民錬成教育の実際

日本軍が真剣に考えた愚策「松の油を戦闘機や戦車の燃料にする計画」を小学生た

 ちも手伝った 現代ビジネス 若尾 淳子 2025.8.20

 …戦前、日本は「神の国」でしたから神である歴代天皇の系譜を小3のときに暗記させられました。朝礼では毎朝、軍人勅諭の朗読があり「戦陣訓5ヵ条」というのを全校で暗誦しました。「軍人は礼儀を正しくすべし」「軍人は武勇を尊ぶべし」……「軍人は質素を常とすべし」だったかな。もちろん教育勅語も暗誦させられました。

 そのころ校庭には”奉安殿“という小さなお宮みたいなものがありました。当時はどこの学校にもあったのではないですかね。中には天皇皇后陛下(明治天皇と昭憲皇太后、大正天皇と貞明皇后、昭和天皇と香淳皇后)のお写真や教育勅語が納められていて、登校時や近くを通るときは、必ず最敬礼するのが決まり。奉安殿の横には二宮尊徳の像もありましたね。…

 貴重な証言だろう。学校教育が抱えている重大な戦争責任が、こうしたことからも少しは伺えるはず。

「死ぬための教育は、教育のまさに逆転現象」子どもたちを支配した軍国主義は教

 室だけでなく少年向け雑誌にまで【報道特集】

 TBS NEWS DIG_Microsoft によるストーリー 2024.8.17

参考動画

“故郷を護るため”ゲリラ戦を強いられた沖縄の少年たち 戦後PTSDになり…閉じ込

    められた2畳の座敷牢【報道特集】

    TBS NEWS DIG Powered by JNN 2024/08/15  27:50

 少国民教育の実態を理解できる動画は数が極めて少ない中で、沖縄戦も視野に入れたこの動画は非常に貴重であろう。今の教師たちにもまだ学校の戦争責任を問い続けていく必要があるに違いない。とりわけ現在の日本の学校教育にはびこる行き過ぎた集団主義の恐ろしさはもっと強調されるべきだと思うが、いかがか。

初めて日本の電車に乗って北朝鮮の女性たちが衝撃を受けました...! 毎回止まる

   し、遅れたのに全く違う... IKITERU【イキテル】  2024/11/27  14:27

   ロシアだけではなく、北朝鮮でも国家による洗脳策が行われている。では日本の学校教育は大丈夫なのか、問い返したい。

反日教育について北朝鮮の友達から本音を聞いて泣いてしまいました...教わったこ

   とと全く違う日本 IKITERU【イキテル】 2024/11/29  24:56

   やや視聴時間は長いが、ぜひ生徒たちに視聴させたいイチオシの動画。国家が強制する学校教育の悪しき影響力を思い知ることは絶対に必要である。戦後の北朝鮮出身者の動きや拉致事件など、解説が必要なポイントが幾つかあるので視聴する前に解説文をプリントし、配布しておきたい。

長井暁×神保哲生:権力からの圧力で番組内容が歪められてしまうNHKのままでは

 いけない videonewscom  2023/07/22 1:02:02

 NHKが安倍政治による人事介入によって公共放送としての役割を果たすことが瞬く間に難しくなってきた経緯が分かる。マスメディアへの政治介入とマスメディア側の政府への忖度体質がしっかりと根付いてしまった日本の現状は異常であり、検定教科書制度含め、国民の知る権利への侵害(→「教育と愛国」)がどれだけ深刻なのか、まず知らなければなるまい。

山田健太×宮台真司×神保哲生:どうするNHK。これからも公共放送を続けたいの

 なら統治体制を根本から変えるしかない【ダイジェスト】

 videonewscom 2023/07/22  7:33

 授業で視聴するには中途半端な内容だが、フルバージョンの方を教師が予め整理しておき、足りない分を板書なり、プリント資料で補うならばOK。NHKの放送内容に政府が介入するという放送法違反が堂々と行われてきた事は重大であり、決して看過できない状況が続いていることに注目したい。

【高市早苗氏と総務省文書①】放送法の“政治的公平”を巡る問題…どんな文書が流

 出したのか?中田敦彦のYouTube大学 -  2023/03/28 29:49

【高市早苗氏と総務省文書②】流出した文書を徹底解説!テレビが政治にコントロ

 ールされやすいのはなぜか?中田敦彦のYouTube大学  2023/03/29 33:42

 安倍政治と日本の放送業界が抱えていた問題点(クロスオーナーシップ制、NHK会長の人選方法…)に対する理解は必要だろう。

 ※なお「アベノマスク」を巡る訴訟によって政府の隠蔽体質の根深さと業者によって2倍を超える不自

  然な単価が設定されていた事が判明(→アベノマスクの契約単価、調達業者によって2倍超の差 国

  敗訴で開示朝日新聞社 によるストーリー 2023.4.8)。国民の知る権利がしっかりと保障されて

  いなければ民主主義は機能不全になる虞があるだろう。

オリヴァー・ストーン製作総指揮!映画『すべての政府は嘘をつく』予告編

 2017/02/17 シネマトゥデイ 2:49

監視技術、米が日本に供与 スノーデン元職員が単独会見

 2017/06/01 KyodoNews 4:06

 ◎の二つの動画は質問を挟みながらも是非、連続して視聴させたい。戦争を巡っては何が真実かを私たちが知ることはほぼ絶望的であるという、恐ろしい現実とまず向き合うことから沖縄戦についても議論を始めるべきであろう。謙虚さを欠く、扇動的で断定的言論の多くは信用できない、と心すべきである。

【太平洋戦争】大本営よりサイパン玉砕の発表 直後の日本の様子【字幕付き】

   Tの宝探し冒険記  2024/08/09 7:28

 非常に貴重な動画であり、ぜひ視聴させたい。太平洋戦争での重大局面だったサイパン陥落直後の状況をうかがい知ることができるだろう。特に国民学校の場面では厳しい国家統制下での「やらせ」的情報操作、洗脳策が露骨に観察できる。学校とマスコミの戦時における役割について時間をかけて議論させたい。

【戦争報道】国民も加担?誰が主導したのか?日本には無責任がまん延?戦後より

   戦前にヒント?辻田真佐憲と考える|アベプラ

   ABEMA Prime #アベプラ【公式】  2023/08/22  16:32

 特定個人の犯人捜しではなく、日本社会の制度や構造への眼差しがポイントになるだろう。天皇制という特殊な体制がもたらした負の側面としての集団的指導体制が抱える無責任体質と村社会的相互監視システム、マスコミや学校教育…無謀な戦争を生み出した要素は数多く、複雑に絡み合って存在している。ただカッパはそうした負の側面を持つ戦前の体制、体質が一部、戦後も延命している点を問題視したい。それが戦後日本を戦前の日本に後戻りさせかねない危険因子だという点を授業では強調すべきではないか。いかがだろう。

【1940アーカイブス】戦後抹消命じられた「戦争ごっこ」 80年前の映像記

   録 朝日新聞デジタル  2019/05/05 1:34

   戦時中に流行った戦争ごっこは日本の敗戦後、なぜか一時期だけ復活している。それはいつのことで、なぜ、その時流行したのだろう?

沖縄戦•戦時前の舞台裏: 戦争支援組織の誕生と戦場に直結した暮らしはどのような

   ものだったのか? OKINAWA a la carte  2023/09/20  7:06

 貴重な写真を通じて民衆視点から戦時体制を概観できる。授業では必見の動画。特に戦時中における学校での様子がよく分かるだろう。

元学徒兵が語る 戦争前夜への危機感(沖縄テレビ)2023/6/19

 OTV沖縄テレビ  2023/06/22 7:11

 戦時中の報道統制と軍国主義的教育の危険性がよく分かる。

不都合な真実隠した歴史 沖縄戦に突き進んだ背景に迫る企画展

 沖縄テレビ によるストーリー 2023.6.9 1:03

【沖縄戦本島米軍上陸】米軍が沖縄本島に上陸して2日後にチビチリガマ(読谷

 村のガマ)で凄惨な出来事が起こりました。

 阿波根あずさの沖縄観光チャンネル  2021/10/23  18:35

揺らぐ① やんばるの戦争 民間人殺害の背景

 【琉球放送】RBC NEWS  2023/06/19 7:46

【ドキュメンタリー】「沖縄戦の縮図」といわれる伊江島~知られざる悲しい記憶

 ~令和こそ平和の時代に…日刊ゲンダイ 2019/05/01

 伊江島民泊を予定する学校では必見。沖縄で最も死亡率の高かった激戦地が実は伊江島であったことを知るべきだろう。

ドキュメンタリー 今も続く沖縄戦の傷「晩発性PTSD」QABドキュメンタリー

 扉2014 2014/03/02 

 全部で46分近くを要する。11分10秒までの視聴で可だが、教師としてはぜひすべて視聴しておきたい。

[クロ現+] 戦場のトラウマで精神疾患に 戦後も続く元兵士や家族の苦しみ |

  NHK 2021/09/24 

 5分に短縮されており、授業で利用しやすい。

[目撃!にっぽん] ずっと父が嫌いだった 家族が向き合う戦争の傷痕 | NHK 

 2022/01/25 6:35 

 戦争が心に残した傷跡は家族すら理解できない。

年間6500人自殺者も...米軍が抱える"深い闇"

 NEWS23 2012/02/19 6:06 

 戦争を繰り返してきたアメリカの闇を感じておきたい。

【平和教育】戦争の悲惨さどう伝える?原爆や沖縄戦ばかりで良い?「はだしのゲ

 ン」削除を考える|ABEMA Prime #アベプラ【公式】 2023/02/23  16:45

【戦後76年】被爆者なき時代を見据え「実物展示」に転換 広島・原爆資料館【報

 道ランナー】関西テレビNEWS   2021/10/01  13:55

 こだわるべきは実物展示そのものではあるまい。「展示物」が何を物語るのか、そこにどんなストーリーが隠されているのか、今、読み取れることは何なのか…物との対話力こそ、問われているはず。見る側の想像力を多様に刺激する展示の仕掛けをどう工夫していくかは、技術的な進歩や人々の価値観の変化にも左右されるだろう。資料館に「完成形」などあろうはずがない。ひめゆり平和祈念館にも通じる、新たな展示のあり方を常に模索する姿勢が大切だと思うが。

昔話】さるかに合戦&桃太郎にもコンプラの波?ストーリーもオチも全然違う? 

 ひろゆきと考える ABEMA Prime #アベプラ【公式】 2023/02/19  19:54

 伝承は時代や地域の在り方とともに変わっていくものであり、現在の価値観が反映されていく事自体は問題ではない。とはいえ「はだしのゲン」の教材からの削除はまた別の問題をはらんでいるかもしれない。この作品を通じて色濃く漂っている作者の鋭い天皇制批判、戦争責任への執拗な追及の姿勢が教育行政側からは早くから問題視されてきた。実際、30年以上前のことであるが、中沢氏の講演が千葉県教委の指導で取りやめになっている。ついに広島県でもそういう時代になってしまったのか…

・チビチリガマとシムクガマ(読谷村)の明暗

戦世から80年 チビチリガマ 真実明らかにした調査(沖縄テレビ)

 2025/4/04 沖縄ニュースOTV 2025/04/10 14:57

 読谷の住民の間でタブーとされていたチビチリガマの集団自決(集団死)を戦後38年にして掘り起こした下嶋氏の取り組みに感謝したい。戦前、戦時中の学校教育こそが最大の加害者であった、という沖縄の人々の思いを今のヤマトンチュはどこまで汲み取ることが出来るのか、ぜひ、考えておきたい。

 なお、動画内で登場した知花昌一氏は1987年10月26日、読谷平和の森球場において開催された第42回国民体育大会のソフトボール競技会の開会式で、掲揚台から日の丸を引き下ろし焼き捨てたことで有名。1995年の控訴審判決において、建造物侵入罪・器物損壊罪・威力業務妨害罪により懲役1年、執行猶予3年の有罪判決が確定している。このことの是非についても議論させたい。

 戦前、戦時中の学校教育には「生きて虜囚の辱めを受けず」とする東條英機の戦陣訓や「鬼畜米英」をスローガンとする欧米への敵愾心の醸成など、集団自決に強く結び付く内容があったことは厳然たる事実。ならば戦後、日本の学校教育はどう変われたのか、変われなかった事とは何か、冷静に振り返ることが必要であろう。

戦後70年の地平から「2つのガマから見えるものは」
 RBC 2015/05/04 6:41

 チビチリガマとシムクガマの運命を分けたものとは何だったのか?ウソをつき続けた当時の戦争指導者や学校とマスコミの責任は重い。
【戦争を知る】集団自決・運命を分けた2つのガマ ~日テレ戦争アーカイブス~ 
 2021/08/13 11:42

 沖縄戦の悲劇として知られるチビチリガマ(読谷村)での集団自決(1945年4月)は親が子を殺すという、凄惨なものだった。村人の総人口194名のうち139名がガマに入ったが、自決者数は83名(85人とする場合あり)、死亡率は60%に上り、その過半数が子どもであった。サイパン島陥落の際(1944年6~7月)にも、投降を嫌って断崖から多くの人々(1万人余)が投身自殺していた。しかしチビチリガマ近くのシムクガマではハワイ帰りの住民が必死に住民を説得し、米兵と交渉したお蔭で1000人近くの村人が全員米軍に投降して生きながらえることが出来ている。

 ※参考記事

  ◎沖縄戦、新版教科書は集団自決の日本軍関与触れず 市民団体調査

   毎日新聞 によるストーリー 2023.6.22

 

 

⑩教育改革が進まない理由

※この記事は常に新鮮なネタを提供すべく、随時、更新されています。
 

参考記事

文科大臣疑惑に野党反発 法案審議にも影響 参院の文科委員会が開催見合わせ

 テレ朝NEWS 2026.3.18

 日本の教育の遅れは欧米の先進国と比べればほぼ「周回遅れ」に等しい。しかも若者の教職離れと教員の休職者や離職者の増加による人員の不足が同時進行するという、恐ろしい事態が現在、進行中である。これらは高校の無償化に伴う急速な受験生の公立離れを伴って公教育全体が崩壊しかねない深刻さを孕んでいる、と個人的には捉えているのだか、いかがか。

    そのさなかに、政治がこんなことで停滞して良いものだろうか。そんなヒマが公教育に残されているのだろうか。一刻を争う事態ではないのか。教育の危機に対する政治家たちの意識の低さを痛感せざるを得ない。

現場の意欲削ぐ、教育委員会「事なかれ主義」の罪

     東洋経済オンライン 安永 美穂 2026.3.1

     …欧米諸国では、教育行政を担う「行政官」と学校で教える「教育職」のキャリアパスは明確に分離されていることが一般的だ。日本のように頻繁に人事交流を行うのは、世界的に見ても特殊だという…

    この箇所には日本の教育委員会が持つ組織的欠陥が非常に分かりやすく示されているだろう。校長がなぜ学校経営の知識に疎いのか、無関心なのかが、これである程度説明できる。また教育委員会がなぜ保守的で校長に指図できないのかも、これで理解できるだろう。

    文科省が何を言っても基本的に学校現場は聞く耳を持たない。学校のブラック化と組織にはびこる悪しき官僚制が改革の芽を丹念に潰してきたのだから、それは当然のことである。教育改革が教育内容や教育方法に留まっている限り、今後も大した成果を挙げることなど出来っこないのだ。教育改革の一丁目一番地は教員養成教育をも射程に含む全面的な組織改革と法体系の見直しである。

学校の「カリキュラム」多すぎでも減らせない事情

     東洋経済オンライン 妹尾 昌俊 2025/10/22

 妹尾氏の指摘は正しい。頭の古くなった高齢学者ばかりの「専門家」たちに議論を委ねている限り、教育内容のアップデートはいつまで経っても望めまい。ただでさえ10年に一度という、余りにもスローモーな学習内容の見直し方がようやく問題視されてきた現在、これ以上の躊躇は絶対的に許されるはずがない。

 急速な進化を遂げつつあるAIが引き起こすであろう、まったく新たな世界の展開に取り残されてしまう人々がこれ以上増えていって良いはずもない。今、最も必要とされているのは迅速にして果敢な政治的決断だけであろう。

疲弊する学校、「次期学習指導要領」は理想論か?

 東洋経済オンライン 庄子 寛之 2026.2.7

 …学校が疲弊していることを重々承知しながらも、「新しい実践は無理だと考えるなら、やりたい人に校長を任せるべきだ」と強く思います。「文科省がやれと言ったからやらねばならない」と渋々展開するような学びは、目の前の子どもたちのためにならないからです。

 国から「各地域に応じた授業時数を作っていい」「校長のあなたが子どもたちと教職員のことを考えて時数から変えていい」と言われても、それ自体が負担だと考えるなら、やりたい若手にその席を譲ってほしいと強く思います…

…これだけ学校や教材の好事例をインターネットで収集できる時代ですから、一教員でもできることがたくさんあります。そもそも学習指導要領は、さまざまな工夫をしやすいように書いてあります。教科書を端から端まで同じように実践しなさいとは書いていません…誰かのせいにせず、自分の今置かれた立場からできることを一歩ずつ行っていきましょう…

 以上、長々と引用してしまったが、こうした思考法こそがここまで酷い学校のブラック化を招き寄せてしまった最大の原因、と考えるが、いかがか。この主張はどうみても文科省に阿り過ぎだろう。これまでの経緯から見れば文科省の責任の重大さを厳しく告発する事こそ、最優先すべきである。「誰かのせいにせず」と疲弊する教師たちに説教を垂れる資格なぞ、一体、どこのどなたにあるのだろう?

 校長らに「やりたい若手にその席を譲ってほしい」と要求すれば本当に管理職の座を退いていただけるのだろうか。いや、そんなわけがあるまい。これまで学校教育の改革を妨害してきた張本人こそ、教育委員会であり管理職ではなかったのか。

 学校の職務軽減と授業改善に積極的な管理職を私はほぼ一度も見たことが無い。むしろ授業の良し悪しなぞは抜きにして、どれほど長時間、教員を働かせることが出来るのか、それこそが管理職の腕の見せ所ですらあったはずだ。そうした管理職を輩出してきたのが教育委員会である。

 そもそも、自身の授業の革新性に自信がある管理職がどれほどいるのか、大いに疑問なのであるが…

参考動画

教育格差が拡大!?】AIで伸びる子・伸びない子「5年後の未来予測」【安野貴博

     × HR高等学院】 HR高等学院の非常識な職員室 2026/2/2 2026.2.2 20:17

     教育改革が進まない一番大きな理由として政治家の教育への無理解があることはもはや間違いないだろう。AIの急速な進歩に無頓着で鈍感な政治家たちが教育の未来を語れるわけがないはず。しかし国会議員の多くが中高年ばかりであり、投票に出かける人も中高年ばかりである日本の現状には猛烈な閉塞感が漂っている。

 いっそのこと、選挙権、被選挙権ともに75歳までとしたらいかがだろう。今更、中高年の方にむりくりAIの進歩と社会の変化の様相をご理解していただくヒマはあるまい。日本の学校教育、特に公教育の遅れは周回遅れに近い。学校教育の遅れこそが日本の将来を危うくしつつある最大最悪の張本人ではないのか。日本にノンビリとしている時間はもう残されていないのかもしれない。

全国35万人不登校時代を逆転!五十嵐立青の〈つくばメソッド〉【前編】#11

 東修平の対話チャンネル【公式】 2025/05/06  32:39

 つくば市が掲げた「教え」から「学び」へ、「管理」から「自己決定」へ、「認知能力偏重」から「非認知能力の再認識」へ、という三つのスローガンは決して目新しいものではないが、それらを実際の学校現場に実装していくには大きな困難が伴うであろう。特に行政と教育行政との間に立ちふさがる壁はなかなか手ごわいようである。

    五十嵐氏は時間をかけて壁を乗り越え、教師の負担を減らすためにも教育予算を増額し、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、学校支援員を増員して教育と行政をつないでいったという。こうして東氏、五十嵐氏、高島芦屋市長、石丸氏らが続々と地方行政の立場から学校改革に乗り出してきており、教育改革は教育界の外側から少しずつ実現しつつある。

 工藤氏によるかつての麹町中学校の改革のように、そろそろ本家本元の教育界の内側からも大胆な改革が表面化してきて欲しいところであろう。

【激論】国80億vsつくば5億!五十嵐市長が語る不登校"逆転パッケージ【後編】

    #12 東修平の対話チャンネル【公式】 2025/05/09  30:20

 学校の保守性、閉鎖性を管理職の一部が創り出している傾向はどこでも見られるだろう。管理職の適性が厳しく問われるべきではある。しかしつくば市を見ると、そうした壁を市長がある程度まで崩すことは可能なのかもしれない。

【成田修造vs川上量生】日本教育の失敗!?受験勉強は必要か?【ZEN大学vsHR高

    等学院】 ReHacQリハック【公式】 1:28:35

 未来の学校のあり方を探る上でドワンゴ学園の動きを知っておくことは必須であろう。N高を中心とする通信制高校に加えて通信制の大学であるZEN大学をスタートさせた背景にある川上氏の狙い、日本の学校教育に対する批判は教師にとって大いに参考となるはず。

 専門分化して学際的な研究が難しい日本の高等教育においてZEN大学が掲げる学問横断的な学習の重視、大学で横行する徒弟制的仕組みの撤廃などは非常に魅力的。いわゆるオンライン大学としてN高と同様、数多くの学生を集め、高等教育のすそ野を拡大していく戦略も期待大である。

 行き詰まりを見せている日本の学校教育に大きな風穴を開けつつあるドワンゴ学園のチャレンジからは決して目を離せないだろう。

オワコン化した従来教育、捨てられる教師の末路

 塾講師チャンネル  2024/01/26  15:59

 小林氏が指摘する共通テストの問題点に注目したい。教育内容の国家統制につながるテストは今すぐにでも廃止するのが一番。小林氏が提案するようにせめて限定的に利用するだけにとどめるべきだろう。いずれにせよ知識詰込みを中心とする画一的、管理主義的教育の見直しは必要不可欠。そのためには教育改革をうたい文句としながら非情にも学校のブラック化を推し進めてきた張本人であり、実際には教育改革における最大の障害物と化している文科省自身の根本的な組織改革がとりあえずは避けられないと考えるが、いかがだろう。もちろん、諸悪の根源は改革を捻じ曲げ、阻んできた老害政治の総本山である日本政府及び国会そのものなのだが…

【最新0410】遂に明らかに!再生の道が参院選で目指すものとは・・・【石丸伸二 

   リハック 再生の道】   BDV NEWS【政治のエンタメ化】2025/04/10 14:31

    再生の道が今後の国政においては教育投資の充実をワンイシューとして打ち出すことを石丸氏がついに明言した。とりわけ公立高校への投資を最優先するとのこと。高校のブラック化を阻止することは確かに喫緊の課題ではあるが、公立高校に予算をつぎ込んだだけで教育のアップグレードが出来るとは到底思えないのは私だけではあるまい。酷く硬直化してしまった公教育においては、教育行政側の大胆な改革をも伴わない限り、公教育の再生自体、絶対的に不可能だと思うのだが、いかがか。

    学校教育のリニューアルを本格的に進めるならば、教育基本法、学校教育法の改正だけではなく、文科省及び各教育委員会の組織改革や大学での教員養成の見直しをも含む、大規模で抜本的な変化が求められると私は考えている。これは教育投資の増加だけで成し遂げられるはずがあるまい。

 仮にN高のような、あるいは非一条校のフリースクールのような大胆な試みを現状の「古くて貧しい」公教育の枠組み内で実現しようとするのは既に完全な無理ゲーであろう。そして民間の資本力や技術力を学校教育に生かして教育改革のスピードアップを図る上で、地方で依然として大きなシェアを占める、旧態依然の公教育の存在がひたすら改革の足を引っ張るだけの、因循姑息な障害物となりつつあると思うのだが、いかがか。

 国政政党としての政策に学校教育の改革を打ち出すだけならば異論は無いが、高校での公教育をメインターゲットとする事には反対である。法制度の抜本的な改革を伴わない、教育予算の増大レベルの「改善」で公立高校が再生できる…とするような現実離れした絵空事には違和感しか覚えない。

フィンランド教育の失敗:日本の詰め込み教育はそこまで悪いのか?

 社會部部長  2024/08/14 46:19

 この動画、一見、データを基に客観的な立場でフィンランド教育を批判しているように思えるが、実は極めて短絡的な意見に過ぎないと私は考える。もちろんフィンランド教育を全面的に否定するといった単純な内容ではなく、また教師の待遇の悪さなど、日本の学校教育の欠点も指摘しており、表面的には公平な視点を保っているようにも感じられる。ただし、じっくりと内容を検討してみるとこの動画にはフィンランド及び日本の学校教育への本質的な理解が決定的に欠けていることに気付くだろう。

 そもそもただのペーパーテストを通じて示されるに過ぎないPISAの国別の平均的学力はあくまで学校教育の成果の一断面を示す指標の一つに過ぎない。PISAの結果だけで国の教育レベルを云々するのはいかがなものか。PISAの結果を取り上げてフィンランド教育の失敗を過剰に説くかたわら、日本の管理主義的、画一的学校教育を擁護しようとするこの動画の論法は明らかに間違っていると考える。

 また識字率の高さが画一的で管理主義的な教育によって実現された、という認識が仮に正しいとしても、途上国ならばともかく、現代の先進国としては識字率の高さを持って国の教育レベルを測る尺度とするような認識は余りにも時代遅れ。過去、識字率を高めたとされる教師主導型の管理教育を、今後も有効な教育方法として正当化するかのごとき論法はもはや時代錯誤に過ぎないだろう。

 現在、直面している日本の学校教育の危機はもちろん教師の待遇の悪さ、教師不足などにも起因するが、おそらくそれだけではあるまい。日本の画一的、管理主義的教育がはらむ負の機能によって広範に生じていると思われる児童生徒たち及び教師たちの自己肯定感の低さ、社会への当事者意識の低下なども、日本の民主主義を将来的にも脅かす深刻な問題であるはず。

 児童生徒のみならず、教師にすら自己決定権をまともに行使する機会を与えてこなかった日本の管理主義的公教育自体が、IT化時代の趨勢と決定的な齟齬を生じている側面は決して見逃せまい。集団主義的一斉指導から個別最適化ならびに個性化、多様化へと教育の舵を切り、イジメを見逃さない、豊かな多様性が尊重される学校社会を構築する…そうした方向性を強く打ち出すには第一に教師主導による一斉講義形式の授業を最小限にとどめる工夫が絶対的に必要となるだろう。

 一方的で押し付けがましい公教育から、教師、児童生徒ともに主体的で意欲的に学ぶ授業の創設こそ、日本の公教育に切実に求められている本質的「改革」であり、小手先の「改善」を説く本動画には個人的に万不同意である。

参考記事

「ますます教育格差も」 自公維の高校無償化に、和歌山県知事が苦言

   毎日新聞 2025.3.7

 高校の無償化が公立高校の志願倍率を下げ、私立高校のシェアを拡大することで教育格差の問題を悪化させるという意見は、保革の立場を超えてかなり多く支持されているように見受けられる。確かに東京都や大阪府のような、公立高校の低受験倍率状況がこれを境に全国に広がってしまう可能性は決して低くは無いだろう。

 議論が錯綜しがちに見える理由はこの政策が一見すると、家庭間の経済格差によって生じてしまいがちな、教育を受ける機会の不均等さへの是正措置となりうるように見える点にある。しかし維新の会の真の狙いは、そんなことよりも無競争的であるがゆえに自己改革を怠りがちな公立高校と教師たちの淘汰、すなわち学校間、教師間の競争を煽って公教育の民営化を強力に推進することにあるように見受けられる。そうした立場からは公立高校の没落はむしろ大歓迎されることになるだろう。

 ところが長らく文科省が及ぼしてこれた高校教育における強大な影響力、統制力の大きな低下を恐れる官僚たちや自民党の保守派は、私立よりも管理統制しやすい公立高校の没落を必ずしも歓迎しないのではあるまいか。だからこそ和歌山県知事のような、格差拡大の論理を用いて高校無償化を危惧し、本音では公教育の保守性を固守せんとする…そういった動きも各方面で見られるのだろう。

 教育の画一性を緩め、過剰な管理統制主義を排して児童生徒の個性や多様性、自己決定権を重んじる方向へと大胆に舵を切ろうとするのであるならば、改革への動きの鈍い公立高校の淘汰は少なからずプラスに働くかもしれない。

 私立高校のシェアがたとえ半分を超えたところで、和歌山県知事のように教育の格差が拡大するはずだと決めつけるのはいかがなものだろう。実際には、彼の主眼は教育の格差拡大を脅し文句に使って財政負担の避けられない高校教育の無償化を妨害しつつ、公立高校のシェアを守ることで公教育が孕んできた頑迷な保守性の存続を画策することにあるのではあるまいか。

「決まったことが伝達されるだけ」になってしまった学校の「職員会議」。「学校

 運営にかかわりあいたくない」という若い教員も多数派に

 日刊SPA! の意見 2025.1.7

 児童生徒の当事者意識、主権者意識を育む立場の教師たちの心中には、残念ながら所属する学校への当事者意識がほとんど見られない。この点は、学校がガラパゴス化の道を歩み続けてしまう大きな原因の一つであろう。2000年から職員会議は校長の職務をサポートすることと位置付けられた。

 これはあたかも大日本帝国憲法下での天皇と議会との関係のようであり、民主主義からは程遠いのが現在の学校である。教員たちはもはや校長ら管理職の輔弼にあたるだけであり、校長らの協賛機関に過ぎない、と言っても過言ではあるまい。こうした非民主主義的な学校運営が職場を腐敗させてしまったのではあるまいか。学校教育法改悪の結果、職員会議で多数決を取る場面がなくなり、職員の意向を無視して校長の独断が横行するようになったのは千葉県だけではあるまい。

 企画委員会のメンバーになったことがあるが、その企画委員会ですら、今は校長らの諮問機関に成り下がっている学校が少なくないのではあるまいか。意見は言えても結論は校長任せ…これで当事者意識が会議のメンバーに生まれるわけがあるまい。

 こうした結果、様々な問題を抱えて学校が定員割れを起こし、地域住民の信頼をすっかり失っている状況であっても、新任の教師たちの多くは「外れクジを引いた」とばかりに転勤希望を出すだけとなる。教師たちが中心となって学校を改善しようとする意欲は近年、ほとんど見られなくなっているようである。むしろ下手に意見を言えば、多くの学校では「あいつは管理職を目指している」と後ろ指を指され、いずれははしごを外されるのがオチであろう。

 千葉県の公立高校受験の志願状況などをみると新学年2クラス、新入生80人の募集なのにわずか20人台の志願者しか集まらない高校が複数、存在している。つまり1クラス分すら集まらない、大規模な定員割れがそこでは例年の様に生じている。

 確かに少子高齢化の中で過疎地の学校の多くは生徒集めに苦戦を強いられている。しかし中には比較的、都市部に近い立地にありながら、20年余りも危機的な状況に置かれている高校もある。そうした高校では少子高齢化を定員割れの口実にするわけにはいくまい。

 あきらかに学校経営の失敗がその高校には随所に見られるはずである。改革の主体が教師たちに無い現状では管理職の手腕が厳しく問われているはずだが、大きな定員割れを起こしていても、管理職がその責を厳しく問われた試しを聞いたことがない。つまり職員会議の諮問機関化は改革の主体が喪失する事を意味するのみならず、誰一人定員割れの責任を問われないという、無責任体質を創り出してしまったのだ。

 かつてはそうした教育困難校でも定員割れへの危機感を持った管理職や教師たちが中心となり、どうすれば少しでも志願者を増やせるのか、学校の荒れを沈静化できるのかについて各種会議で白熱した議論を続けていた。私も20年余り前に学校改善委員会を組織して教師や生徒たちを対象にした質問紙調査を行い、その結果を踏まえた学校の具体的改善案を職員会議で幾度か提示した経験がある。こうした動きは当時、どの学校でもごく自然発生的に見られていたはずである。

 しかし、教育困難校では今や教師の誰もが普段は押し黙ったまま、大して文句も言わずにただ年末になると転勤希望を出し続けるアリサマ。管理職も、定員割れに対して県から何ら責任を問われることが無いため、入学時の定員割れは放置されたまま。他方で自分の管理責任が問われてしまう自校の教師の不祥事を極端に恐れている。結果的に厳しく教師たちを隅々まで管理しようとしているのが多くの管理職の実態である。自己保身こそが管理職の管理に対するインセンティブを生み出しているのだ。

 こんな状況で学校現場から自己改革に向けてのインセンティブが生まれるわけはあるまい。児童生徒の当事者意識の薄さを問う前に、教師たちの学校運営者としての当事者意識を高めていく工夫とは一体何なのか、こんな事態を招いた張本人である文科省はぜひ有効な解決策を提示すべきだろう。

茨城県、2025年に教員採用改革…エン・ジャパン 2024.12.18

 一見、素晴らしい取り組みに見える茨城県の試みであるが、実は非常に危険な方向性も感じられてしまう。認識としては社会の進展に旧来の学校教育が取り残されつつあることは間違いない。外部の人材を積極的に取り入れる試みも正しい。

 しかし学校現場では旧来の教師たちが相変わらず多数派であり、校長、教頭もまたしかり。外部から招いた人材が多少は新風を学校に吹かせることもあるだろうが、それも一時的に過ぎない現象かもしれない。結局は「多勢に無勢」となりかねないのは東京の麹町中学校の現状が雄弁に物語っているだろう。「大山鳴動して鼠一匹」では時間と労力の無駄遣いに過ぎなくなる。

 改革を成功させる上で最終的にカギを握る教師の多数派を少しでも改革に向けて変えていくには、やはり少数精鋭作戦では無理がある。相当、まだるっこさがあるもの

の、教員養成教育の見直しや現職教員に対する研修内容の見直しは欠かせまい。ただしそうした取り組みに先立って解決すべき緊急の課題がある。

 学校改革の成否は一般の教師たちの取り組み次第であることは、一世紀も前から明らかにされてきた。一般教師が容易にはできないことを当面、外部人材で補う、という発想は必ずしも悪くは無いのだが、そこには大きな危険性が伴うことは学校全体に周知させておくべきだろう。

 最終的には教師全体が改革の方向を理解し、改革の実質的推進力にならなければ意味が無い。とすれば教師たちが改革に取り組めるだけの十分な時間的、体力的余力をあらかじめ設けておく必要があるはず。つまりまず最初に取り組むべきは学校の仕事の大幅な縮小、削減である。

 そして茨城県の教育委員会にそうした心構えがどれほどあるのか、社会は厳しく監視していく必要がある。でなければ今までと同様、「学校改革」という名で再三繰り返されてきた酷い仕打ちに、教師たちはまたもや疲弊し、挙句の果てに心身の極限まで追い詰められてしまうだろう。

 長野県の取り組みと同様、学校の仕事量の大胆な削減を先行させないような改革への取り組みは、それがどんなに素晴らしい目的を持つ、どんなに斬新なものであっても、決して釣られて乗っかってしまってはなるまい。そうした改革は結果的に教師の健康を蝕み、家庭生活まで破壊し、ついには学校全体、公教育全体を崩壊させ、児童生徒を混乱させるだけのものに過ぎない、と考えるが、いかがか。

 「教育改革」という名の「やりがい搾取」によって、その裏側で一部の教育委員会のメンバーの功名心の犠牲に捧げられてしまった教師たちの数々の屍を、もうこれ以上積み重ねることだけは絶対に許してはなるまい。その点、実に差し出がましい限りなのだが、茨城県の教師たちは今後、県の「改革」の動向に関して一層厳重な警戒をしておくべきであろう。

怒濤の出店で1兆円が見えたロピア!大きな進化と懸念される副作用とは

   DCSオンライン によるストーリー 2024.11.8

   とある業界で今、どのような企業の戦略が功を奏しているのか、なぜ功を奏しているのか、これらを知ることは経営の観点からすれば極めて重要であろう。もちろんすべての業界の動向についてまで学校としては知っておく必要が無いが、消費者の動向に大きく左右される小売業界の最新動向などは進路指導、就職指導にも生かせるので社会科教師や進路指導部員、学校管理職などはぜひ注目して欲しい。

 小売業界は飲食業界と並んでCMなどを通じ、児童生徒にとって比較的身近な存在である。その成功事例は社会の変化を捉えるための事例として、また生きた経済の動きを知るためにも授業で取り上げれば比較的とっつきやすく、理解しやすい。同時に校長などは学校経営の立場から時折、注目しておくべきポイントが潜んでいる。

 ロピアのケースで注目すべきは人材登用のスピード感が学校におけるそれとはまったく違う点であろう。教頭や校長といえば、通常、多くの教師にとっては最終到達点であり、30年以上の歳月を要して年功序列の階段を上った挙句にようやくたどり着ける、あたかもスゴロクの「上がり」のような地位となって見えるだろう。

 しかし私立高校の中には30代の若者を校長に大抜擢して一気に学校の評判をあげ、急成長を遂げた事例があるように、教育界でも旧来の年功序列型人事を見直す動きが無いわけではない。日本の政治や教育が旧態依然のままであり、時代の急速な変化にしっかりと追いつけてはいない印象があるのは、まさに年功序列人事による「老害政治」、「老害教育」が今の日本にはびこってしまったせいでもあるに違いない。

 実際、わずか数年で店長になれるケースまで存在するロピアでは店員たちの職務へのモチベーションが高く、出世のチャンスは年齢を問わずに存在している。それがロピアの急成長と店舗数の拡大へ、大いにつながっているようだ。

 また若手にも広くチャンスが与えられるため、旧来の伝統にとらわれない、新奇なアイディア、発想が続々と各店舗、各売り場から出てくる点もロピアの成長を支えているようだ。店舗の置かれている環境、消費者の動向の変化や特色をいち早く捉えて即、売り場に反映させていくスピードも速いのだそうな。

 振り返って学校教育界を見てみよう。斯界の変化の遅さは「金魚の糞」にもよく例えられるように、極めて遅い。よく言えば時代の風潮に安易に流されない、手堅さがある。時代の変化がゆっくりしていた時代なら、それでも大きな不都合はなかったかもしれない。しかし科学技術の進歩は日進月歩の勢いで、社会もそれに伴い、急ぎ足で大きな変化を求められている。「百年一日」のごとき日本の教育界だって、今や時代の急速な変化にそれなりのスピード感を持って対応すべき時代であろう。

 政治家と教育会の人事的若返りは日本が世界の進運に後れを取らないために、今こそ切実に求められているはず。過去の栄光にしがみつき、保身に走りがちな「老害」を一刻も早く排除して、清新な発想と失敗を恐れない、意欲に満ちた30代、40代の大臣や校長が普通に存在する日本でありたい。

授業時間は韓国の「10分の1」中学生の情報教育 教員不足も深刻なぜ? #みんなの

   ギモン 日テレNEWS NNN によるストーリー 2024.10.30

   最も力を入れるべき情報教育においてすら、惨めなほどまで世界から遅れてしまっている日本の学校教育の現状に背筋が寒くなる思いがする。日本経済停滞の原因となっている学校教育の遅れについて日本政府は一体、どんな認識を持っているのか、厳しく問い詰めたくなる。

   文科省はこれまで口を開けば自分たちの手柄話、自慢話を繰り返し、ひとたび問題が露見すると自分たちの失敗はすべて棚に上げて学校現場に責任転嫁してきた。そのツケはいずれ国民全体が支払わされることになるだろう。

   日本の教育政策、教育行政のどこに問題があったのか…一刻も早く、学校教育の根本的改革を進めていかないと手遅れになってしまうのではあるまいか。

「保護者からの個人的な電話に悩まされている」“うつ病”で休職する教師が激増…

 日本で“教員不足”が深刻化する本当の理由

 文春オンライン 池上 彰 によるストーリー 2024.8.19

 教師不足の原因に安い給料と重い負担の二つはよく挙げられている。特に負担軽減は一刻を争う問題であり、部活動の地域社会への移行を中心に取り組むべきことは多い。しかし給与の引き上げは一刻を争う問題ではあるまい。むしろ給与と仕事の責任の重さとは比例する部分があるため、給与の引き上げは時に負担や責任の増大を招きかねない。したがって中教審の給特法改正案は極めて危険な要素を秘めており、要注意である。

 教員不足の原因は他にも考えられるだろう。教師の質的低下、教師集団の強い同調圧力がもたらす職場の息苦しさ、年功序列型の給与体系と人事などにおける老害の跋扈、無能な管理職の存在、放置される職務分担の不公平、旧態依然な授業内容や授業方法の残存、事務仕事に見られるブルシットジョブの増大、的外れな研修の増加、教師の社会的威信の低下、児童生徒や保護者への個別対応の増加による集団的、管理主義的指導の行き詰まり…いずれも教職の魅力を酷く押し下げている現象であるにもかかわらず、これらに対する文科省の対応はイマイチ、学校現場の実情とズレており、トンチンカンな印象が強い。

 本質的に改革すべきは上意下達の管理主義的教育行政のあり方であり、教員養成教育の根本的見直しであると考えるが、いかがか。これらをぼやかし、ごまかしておきながら、給与の引き上げと新味のない教職の魅力アピールばかりで教師志望者の増大を狙うのはまさにキャッチセールスに等しい詐欺的行為ではないか。

公立高校の校長「現場と自治体の間」で揺れる苦悩 人手不足の中、問題行為起こした

   先生の対応も 東洋経済オンライン   濱井 正吾 によるストーリー 2024.7.11

   公立中堅校の困難さはまず進路多様校であり、進学から就職まで、幅広く指導できる力を教師たちに求められる点が挙げられる。生徒指導も生徒の多様性に応じた幅広い対応が求められるため、意外に厄介である。当然の事ながら、授業に対する要求も幅広く、受験対応から思考力重視、楽しさ重視など、授業も重点の置き方を時折、変えて臨む必要がある。加えてこうした学校は校数が一番多いため、教師もまた多様性を極めており、かなり大きな問題を抱えている教師が複数いたりする点も困難さを招く要因として挙げられるだろう。

   しかし、特に目立つ問題点は校長の話に出てくるように、意欲に欠ける教師たちが少なからずいる点である。彼らは進学校への転勤を希望している事が多く、そのほとんどは自分の現勤務校を進学校へ転勤するための、ただの一時的通過点として捉えがちで、ややもすると日常的に不本意で残念な思いを引き摺りながら過ごしている。しかも進学校を志向しているため、生徒指導の手を抜くことが多く、かつ授業も難易度を下げようとしないため、生徒の実態からかけ離れた指導や授業を続けがちとなる。こうした教師たちが一定の割合を超えてくるとたちまち学校の評判が悪くなり、入学試験で定員割れとなる危険性が高まってくる。

   生徒たちもまた進路が多様な分だけ、逃げ道が多い。すなわち部活動推薦で入学してきた生徒の多くは次も推薦で進学しようとするため、一般受験のための準備は怠りがちとなる。彼らは部活動に専念するあまり、学力向上には元々関心が高くない。中には部活動の実績で次の進学先も決めようとする生徒もいる。では在校中、部活動に本当に専念するのかというと、実はそうでもない。練習が苦しくなると、塾に行く…などといって勉強を口実に練習から逃げ出す者も出てくる。学習、部活動どちらにせよ中途半端な印象が拭えないのが、中堅校の生徒たちなのである。

 私の経験であるが、当初、センター試験(現共通テスト)の受験希望者が若干名いたものの、全員、二学期に推薦で進学が決まってしまい、誰一人として共通テストを受験しない年があった。いわゆる偏差値で50を超える市内の公立高校のトップに位置していた学校であるにもかかわらずセンター試験の受験者ゼロ…これにはビックリ仰天であった。

 9月中に推薦で進学がほぼ決定した少なからずの生徒は、それまで真面目に取り組んでいた授業を、10月以降、まさに掌返しでサボり始める。中には運転免許を内緒で取得し、バイクを乗り始める者もいたりする。成績は二学期後半からガタ落ちし、進学先の大学から課された課題の提出までサボりだすような者も出現する。

 こうした生徒たちの進学先での成績をあくまでも個人が特定されない、大雑把なデータではあるが、何度か大学側から見せてもらったことがある。地元では伝統のある有名私大だが、推薦入試で入学した学生の半分近くが成績不振で留年、退学者すらチラホラ出ていた。もちろん苦労して一般入試で入学した学生でも成績不振に陥る者がいないわけではないが、数は明らかに少ない。推薦入試の合格によって瞬く間に遊び癖、サボり癖をしっかりと身につけてしまった一部の残念な生徒は中堅校では決して少なくなかったのである。

 大学側でもこうした事態をかなり憂慮していたようで、別の地元私大(こちらも伝統校)では、たとえ推薦入試で合格していたとしても入学前の課題を出さない生徒は合格を取り消す、との発言があった。またそうした生徒を送り出した高校の指定校推薦枠を減らす、という大学も実際にあった。生徒数の減少に焦り、現在の総合選抜型入試(かつてのAO入試)や一般推薦の枠を拡大する私大が多くなる一方で、こうした悩ましい問題を抱える大学も増えてきたようである。

 私は以上のような経験から、これらの問題を主に発生させているのがもっぱら公立の中堅校であった、と考えている。教師にとって意外に感じるほどに中堅校の多くはけっこうな困難校だと言っても過言ではない。中堅校に転勤することとなった教師はあらかじめ相当の覚悟を固めておく必要があると考えるが、いかがか。

公立高の履修単位数、約98%が学習指導要領の最低基準を上回る

 リセマム 2024.6.27

 単位制を取る定時制や通信制ならば普通は最低基準の年間履修単位数を基に担任が生徒の履修指導を行う。もちろん単位制なので生徒が多少、単位数を多めに履修申請することは頻繁に見られる。また単位制ならば卒業年次まで基本的に留年が無い。年度途中で家庭環境が激変したり、心身の状況が悪化したりしても、クラスが下の学年と一緒になる心配は卒業年次以外無いのだ。こうした点は中学校時代、不登校気味の生徒にとっては極めて喜ばしいシステムだろう

 また単位制を取っている場合、1~2年次で真面目に目いっぱい単位数を稼いだ生徒たちは、3~4年次ではかなりゆとりのある時間割となっている。これもまた進学を考えてバイトを必須とする生徒たちにとっては大きなメリットになっている。特に三部制の定時制などでは結果的に年次が進むにつれて生徒によって来校する時間や帰宅する時間がかなり異なってくるため、HR、清掃の時間設定が難しくなるといった欠点はあるものの、時間の割り振りが生徒たちのそれぞれの家庭事情に応じられる柔軟性を持つ点は単位制が高く評価される所以であろう。

 しかし多くが学年制をとるごく普通の全日制普通科では各学年で取得できる単位数がおおむね画一的に決められている。このため全学年で同じような単位数の時間割となっている学校が多い。もちろんほぼ全員が同じ時間に登校し、下校している。その中で進学校では受験を意識した選択科目の講座を3学年で数多く用意するため、どうしても最低基準を上回る履修単位数となりがちである。

 全日制普通科の教育困難校であっても成績や出席数が足らずに単位を落とす生徒が続出するので、1~2講座程度ならば単位を落としても何とか3年間で卒業できるよう、あらかじめ多めの単位数、講座数が設けられている。

 以上のことから公立高校の履修単位数は概して学習指導要領を上回ることが多くなると考えられる。しかしそのこと自体は大した問題ではあるまい。ここで問われるのは果たして全日制普通科の高校で、今後も引き続き今までのようなリジッドな学年制を取る必要があるのか、否か、である。実は何でもかんでも全国画一にして管理しやすい体制を志向する、といった日本の悪しき教育行政の伝統がこの問題の背景にも潜んでいるのではあるまいか。

 すなわちできるだけ必修科目ばかりにして選択科目を少なくし、一講座でも落とすと留年決定…生徒からすれば選択の余地が無く、一講座も落とせない学年制の不自由さの中でひたすら我慢を強いられるカリキュラム…これは既に在宅ワークが増えて勤務時間もフレキシブルになり、転職の自由も拡大してきた近年の労働環境の変化とのミスマッチを起こしかねない、かなり時代錯誤の教育体制ではないだろうか。

 本来ならば3年間の最低取得単位数は74であり、一日5時限、週5日の授業日数で3年間を送れば卒業できるはず。これは全日制普通科高校であっても同じである。仮に一日の日課が5時限とされれば放課後を自分なりに有意義に過ごしたい生徒にとってはうれしい限りである。逆に遠距離通学や早起きが苦手な生徒ならば2時限目から学校の授業が始まると嬉しいに違いない。学校の時間割は一日6時限で組まれるが、生徒はそのうち自分の都合に合わせて5時限だけ受講すれば良い、というシステムは現行の学習指導要領でも十分可能に見えるのだが、いかがだろう。

 もちろんこのプランを実行に移すには教師の数を増やす一方で部活動の指導を無くすといった大胆な仕事量の削減が大前提となる。単位制による教師の授業負担の増大はかなり過酷なものであり、現在のブラックな学校の現状を変えない限り、単位制の導入はまったく不可能と考える。

 とはいえ単位制のメリットはどの授業においてもほぼ同じクラスのメンバーと一緒であり続ける、固定した人間関係の窮屈さから少しだけ生徒を解放する点にも見いだせる。これは単位制がイジメなどクラスの人間関係に起因する不登校や自殺問題への有効な対応策となることを意味する。戦後の教育改革で新制高校の三原則の一つであったはずの総合制の導入を一部でも実現するには単位制を念頭に置いたカリキュラム改革はもはや不可避ではあるまいか。

 繰り返しになるが、こうした抜本的な改革を行う上でも教師の負担軽減こそ、最優先される「改革」なのだと考えるが、いかがだろう。

中堅がどんどん辞める職場 「時間の無駄な朝礼、昭和みたいな会社。働き方改革と

   は真逆です」と語る女性 キャリコネニュース によるストーリー 2024.6.23

 まさに一部の学校でも同じ様な事態が進行している。職員会議はもはや話し合いの場ではなく教育委員会や校長からの指令を伝えるか、事務連絡の場に過ぎず、ほぼ教師全員が反対している案件でも校長の一存で決定してしまうのが千葉県の現状。そこには民主主義の精神の欠片すら、残っていない。当然、まともな教師ほど早く異動しようとする。毎年、異動する教師が多いため、煩雑を究める仕事の伝承が困難となっており、新任はいきなり主任やクラス担任を任せられる。こうした学校では4月早々から仕事上のミスや不祥事が連発しがちとなる。

 50年近く前から管理主義教育の権化として「東の千葉、西の愛知」と並び称された千葉県。その頃と比べても教師が置かれている境遇は改善されるどころか悪化する一方であり、学校の不祥事はいよいよ連発している。せいぜい改善されたと言えるものは校舎の一部にようやくクーラーが設置されたことと通知表を手書きしなくても良くなったことぐらいだろう。

 かつて教師が自主的研修に取り組むことを可能とした時間的余裕は完全に奪われ、学校運営に関して激論を戦わせた職員会議も今はつまらない連絡事項で埋め尽くされてしまった。教師の仕事もまた多くはアリバイ作りの不毛なブルシットジョブの塊と化し、授業の工夫に費やす、もっともやりがいを感じられるはずの時間は欧米の教師とは比較にならないほど貧弱なものとなってしまった。このままでは一体いつまで教師たちを教職に引きとどめておくことができるのだろうか、疑問でしかない。

 「働き方改革」とは本来、教師たちの業務量を削減することを第一目標にすべきものだろう。ところが現実の学校ではもっぱら残業時間を削ることだけに特化し、退勤時間の厳守ばかりが徹底される。結果的に膨大な量の校務持ち帰りが常態化し、多くの残業は自宅での「勤務外時間」中に隠蔽される。のみならず帰宅途中のUSBなどの紛失による個人情報漏洩の危険性をも高めてしまっている。

 こうした実態こそが世に言うところの「働き方改革」が現場にもたらしている本当の姿であろう。文科省も世間もその現状を知ることはほとんどあるまい。残念ながら学校もまた「昭和」の中にずっと封印されたままなのだ。学校のブラック化とブラックボックス化は何一つ改善されていない…それが教師たちの早期離職、休職を招き、教師志望者を減らしている真因なのではあるまいか。

 

国立大を「授業料値上げ」に追い込んだ「真犯人」 大学はただ「ピーピー騒いでいるだ

   け」なのか 東洋経済オンライン   古川 雄嗣 によるストーリー 2024.5.28

 とりわけ教育いう観点から見れば国立大学の現状はまさに「亡国」的な悲惨さに直面しているのかもしれない。新自由主義的競争原理の導入によって営利目的の研究が肥大していく分、営利に直接結びつかない基礎的な研究や教育がおざなりになっている…とすれば確かに日本の行く末は相当、ヤバイだろう。

 東京都や大阪府で進みつつある、ある種の高校教育の民営化もまた同じ論理で進められているとすれば、これはこれでヤバイのかもしれない。しかし、大学教育とは違ってこと高校教育に関しては現今の公立高校の停滞ぶり、低迷ぶりが甚だしく、もはや放置できる現状では決してあるまい。対してかつての国公立大学には現今の公立高校ほど酷評されるほどの低迷ぶりが表面化していたわけではなかった。にもかかわらず政治的判断で独立行政法人化が強行されてしまったのである。

 教育機関をもっぱら営利目的に従属させるような発想は児童生徒学生たちの学習における主体性を損ないかねない。そもそも彼らは営利目的オンリーで学習意欲をかき立てられてはいない。学びたいという欲求の源は多種多様であり、個性的である。彼らの多様性を受容し、個性豊かに育むためにも、国立大学が置かれている状況は早急に改善すべきだろう。

 しかし公立高校の現状は硬直化が甚だしく、大学とは違って生徒たちの多様性、可能性を押しつぶす側面の方が目立ってきている。さらに画一的で管理主義的な教育行政の下で教師たちまでが窒息してきている。文科省や都道府県教育委員会の無意味で厳しい統制が続く限り、おそらく高校教育の行き詰まりは打開できないだろう。したがって高校教育の将来は、N校などの躍進ぶりを見るにつけ、公立よりも自由裁量の余地が大きい私学の創意工夫にまつところが大きいと思うが、いかがだろう。

日本の教育現場にもEBPM(証拠に基づく政策立案)を! EBPM導入によるメリッ

 トを慶應義塾大学・中室教授が解説TOKYO MX+ によるストーリー 2024.4.4

 これまでまともなデータすら持たないままできた日本の学校教育の世界は自分たちの教育が欧米に比べて惨めなほどに遅れているという歴然たる事実を頑なに認めようとして来なかった。日本が遅れているという事を示すまともなデータが手元に無いことを良いことに、長らく開き直ってきたのだ。近年ではPISAの得点ばかりを気にしているうちに、かえって日本の学校教育は一層の遅れをとり始めてしまったと考えるべきではないのか。

 文科省は学校の実態、教師の実態を正確につかむ努力を徹底的にサボってきた。政治家や官僚たちの得点稼ぎばかりを目指す政府が休みなく繰り出すエセ教育改革の連打こそが教師を疲弊させ、学校の教育力を低下させてきた張本人ではないのか。真っ先に急ぐべきは教師の業務の徹底的削減を断行することであり、現状では教師たちにそれがどんなに素晴らしい内容であったとしても、教育改革を担っていけるほどの余力は既に残っていないだろう。加えてこのままでは教員採用試験の受験倍率は低下する一方である。すなわち日本の学校崩壊は目前に迫っているのかもしれない。

 もちろん信頼しうるまともなデータの収集も急がれようが、過去のデータが限られている分、残念ながらデータに基づく政策立案は当分先の話、と見てよい。一刻を争うべきは業務の精選を通じた教師の負担軽減の方であろう。

「どの都道府県で育つか」でこれほど違う大学進学率、背景に高校制度…普通科

 88.6%の東京、地方との圧倒的な機会差

 JBpress 松岡 亮二 によるストーリー 2024.4.5

 この記事でも文科省や政府の打ち出す教育政策に科学的な根拠の希薄さが指摘されている。世界ではいわゆるエビデンスに基づいた政策の立案が求められているのに、安倍政権が行った「教育改革」の策定からは教育学者、とりわけ重要な役割を果たすべき松岡氏のような教育社会学者がほとんど外されていたことを思い出してしまう。しかも「教育改革」への評価は客観性を欠き、ただの自画自賛に終始してきた点も見逃せまい。アノ犯罪的な教員免許更新制への振り返り方を見れば、これまでの教育政策の多くが実際には政治家や官僚の点数稼ぎに過ぎなかったと思わざるを得ないのだが、いかがだろう。

【日本軍の敗因】「悲惨な結果を生むリーダー」7つの共通点

 ダイヤモンド・オンライン 書籍オンライン編集部 によるストーリー 2023.7.4

 先の大戦における日本軍の敗因を探る中で日本人が伝統的に抱えてきた7つの「失敗の本質」が見いだされるという。軍隊と学校とは日本の富国強兵化、近代化を推進するための車の両輪であり、両者は兄弟のように近しい関係にあるとされている。したがって、以下の7点は学校という組織にもほぼ共通する弱点であると考えても差し支えないだろう。

 

 ① 「戦略性」──俯瞰的な視点から最終目標への道筋をつくれない

 ② 「思考法」──革新が苦手で錬磨と小手先の改善が得意

 ③ 「イノベーション」──ルールをつくり出せず、既存のルールに習熟する

 ④ 「型の伝承」──創造ではなく「方法」に依存する

 ⑤ 「組織運営」──勝利につながる現場活用が苦手

 ⑥ 「リーダーシップ」──現実を直視できず、環境変化に合わせて判断できない

 ⑦ 「メンタリティ」──「空気」と同調圧力、リスク管理の誤解

 

 実際、太字にした部分などは日本の学校にもズバリ当てはまる組織風土に思える。現在の急速な技術革新にともない、柔軟で斬新な人材育成策が求められる中で、日本ばかりが多くの場面で世界に遅れをとってしまう大きな原因が企業社会だけではなく、日本の学校教育にもあることを示唆していると考えるが、いかがか。

 ブラック校則をいつまでもはびこらせ、相変わらず精神的鍛錬を軸とした部活動や学校行事、個性や多様性を犠牲にした画一性の強要などを温存してきた学校教育の頑強な保守性は、日々の革新を迫る、変転目まぐるしい現代社会との間に大きな齟齬を生み出してきていると考えられないだろうか。

 

 もちろん学校教育に関わる法制度の見直しや文科省や教育委員会の組織改革だけでは学校を変えることが出来ない。学校教育の改革を実効あるものとするには現場における改革の担い手である教師自身の改革が伴っていなければならないはず。まずは教師の意識や能力、技術、適性の見直しが必須となる。

 すなわち大学における教師養成教育の抜本的な改革(一斉講義形式からの脱却を目指すべく、探求型の個別学習・グループ学習や実験・調査・討論を軸とする授業力の養成を軸とする、今以上に充実したカリキュラムを大学では組むべきである)を基本的な前提とする包括的な観点からの法制度や組織などの見直しが行われる必要があると考えるがいかがか。

 

松谷創一郎×宮台真司×神保哲生【5金スペシャル映画特集+α Part1】ジャニーズ

 を「サンクチュアリ」(聖域)化し、ジャニー喜多川を「怪物」にしたものとは

 videonewscom  2023/07/01  1:56:11

 学校社会もまたジャニーズ事務所が君臨する芸能界やマスコミと同様に聖域化してしまい、法律以上に学校社会特有の掟が幅を利かす村社会、アウトローの社会なのかもしれない。だからこそ事件の隠蔽が横行し、不祥事が多発してもブラック校則や一斉講義形式の授業が残存し続けるのだとすれば、ジャニーズ事務所の問題と同様、学校社会もまた、一度は組織の膿を出し切らなければなるまい。

 

宮台真司】"他人を見捨てる"「日本社会」なぜ助け合わないのか?

   NewsPicks /ニューズピックス 2023.5.20

 現代日本の何がダメになっているのかを根本から見直す、有意義な見識に満ちていると思うがいかがか。民主主義を危機に導く「民意の劣化」をもたらしたのはもっぱらマスコミと学校であろう。特に学校教育の責任は重大であると考えるが、いかがだろう。

 民意を育てるには国民の知る権利が最大限保障されている事が一つの基本条件であるはず。しかしほとんど情報統制の道具と化してしまったマスコミや学校教育がもたらす情報の偏り、加えて本来、周知せしめるべき情報の隠蔽とがあいまって日本国民の「愚民化」を推し進め、今に至る…

 政治について論ずることの出来ない主権者の増加は再び民主主義の暴走を招くに違いない。未熟であっても論じ続けられる場と機会が乏しい日本の社会を作り出したのも、生徒の意見を尊重せず、服従と忖度ばかり一方的に強要する一斉講義形式に依存してきた日本の学校教育ではなかったか。

参考記事

今の職場で本当に大丈夫?メンタルに悪影響を及ぼす「ブラックな職場」の特徴5つ

 ライフハッカー編集部 によるストーリー 2021.8.14の記事再編集

 1.自身の権力と力の誇示に必死な上司・先輩がいる

 2.職場や現状に対する「あきらめ」がある

 3.陰口・噂好きな人が影響力を持っている

 4.フィードバックが個人攻撃になっている

 5.情報の周知が十分になされない

 以上の5点がブラックな職場に見られる特徴だというが、学校もこの5点を満たす職場が増えてきているだろう。生徒たちには資料を読ませる前に、あらかじめメンタルが病みやすい職場、組織の特徴をできるだく数多く挙げさせておくと話が進みやすくなるだろう。学校教師集団にはどのような特徴があるのかも挙げさせておくとさらに議論が活発化すると思うが、いかがか。

「教員や学生の声も聴いて」働き方改革めぐり、若手教員ら国に要望

 朝日新聞社 によるストーリー 2023.11.8

 上意下達の権化たる文科省がこうした要求に耳を傾けるはずもなく、相変わらず下らない弥縫策を自慢気に示すだけになるだろう。

首都圏の公立中高一貫校の志願者が大きく減っている4つの「理由」とは?【2024

   年中学入試を読み解く】 AERA dot. 井上修 によるストーリー 2024.5.22

   私立中高一貫校は人気となり、公立中高一貫校が不人気となった理由としてこの記事では以下の4点を挙げている。

      ①説明会など学校を知るチャンスの少なさ

      ②教育の硬直性

      ③施設の古さと柔軟性の欠如

      ④高校無償化

 ②と③は重なる部分が大きいだろう。①もまた公立学校の弱点である。つまり①から③までは中高一貫校に限らず、公立校の限界を示す弱点である。それらに加えて公立校唯一の長所だった授業料の安さ、無償化が大阪府や東京都を先頭に私立にも適用されることになれば、もはや公立校の売りは何一つ存在しない。大阪府が先頭になって推し進めている府立高校の事実上の民営化は今後、全国的に波及するだろう。この動きが公立校と比較して相対的に自由で個性的な私学の取り組みを日本の学校教育全体に少しでも普及させることにつながるとすれば大いに歓迎すべき現象である。

大阪で私立高校ブーム、専願者が20年間で初めて3割突破 授業料完全無償化で選択

 に幅 産経新聞 2024.6.19

 上の記事を補完する内容となっていて参考になる。特に公立高校と私立高校との教員採用のあり方の違いから私立高校の優位性が説かれている箇所は納得できる。

後絶たぬ学校現場での個人情報漏洩、教員へのルール浸透に課題 5年度は218件発

   生 産経新聞 2024.8.27

   学校でヒューマンエラーが頻繁に生じる背景には教師たちの過重労働と強いストレスの蓄積があるはずだが、そこにはまったく触れようとしない教育委員会、教育行政側の認識に大きな問題を感じてしまう。教員へのルール浸透、情報技術の高度化…といった教師の負担を増やす方向でしか問題解決が模索されていない現状には絶望感すら覚えてしまう。

 授業ではこの問題に対する生徒たちの意見を募りつつ、学校現場にひたすらブルシットジョブの山を築いてきた教育行政側の問題点にも気づかせたい。

・茨城県ナンバースクール残存問題

「一高」「二高」茨城には全国最多28のナンバースクール…校名変更を議論へ

   「枠にはめ変化妨げていないか」 読売新聞  2024.9.19

   この問題も埼玉県の男女別学問題と同様、学校の役割を考える上で役立つ内容が含まれているだろう。隣の千葉県でも他県同様、戦後、しばらくの間であるが旧制中学校以来の伝統ある高校ではナンバースクールが存在していた。しかし60年近く前にはナンバーを付けない校名に変えられていったようである。

 いまだに28校ものナンバースクールを残しているのはいかにも保守王国茨城らしい。ナンバースクールの問題点は実態として一校、二校、三校…と進学校としてのランク付けがされてしまい、校名によってカーストのような学校間格差が固定してしまう傾向が生じてしまうことだろう。

 公立高校がたかだか校名によって優位に立ったり、劣位に立ってしまいがちになるのは明らかに不合理であり、公立として公平性に欠くのは間違いあるまい。即刻改善すべきであるのは論を待たないのであるが、なぜ、茨城や埼玉といった北関東には男女別学やナンバースクールのような不合理な古い体制がいつまでも残存してきたのかは、別途、解明の必要があるだろう。

 授業ではぜひ、他の資料も加えながら議題に取り上げてナンバースクールの是非と茨城の学校教育の体質の古さについて生徒たちから意見を募りたい。

数字入り高校名の議論頓挫 議会反発受け茨城県教委

   共同通信 によるストーリー 2024.9.25

 保守王国茨城県での県議会の反発は当然、予想された事態であり、この程度の事で議論を中途半端に終えるのは言語道断であろう。むしろ県議会の反発ごときで県の教育政策がいとも簡単に覆るといった先例が生じてしまう事の方こそ空恐ろしい。県教委の腰砕けぶりには呆れるほかなく、このザマでは公教育における政治的中立性自体が揺るぎかねまい。

 この問題は県立高校における学校間格差、すなわち学校間カーストの残存を県として認めるべきか否かが焦点となると考えるが、いかがか。おそらく県議の少なからずは学校間カーストの上位校出身者なのだろうが、そろそろ自身の特権的意識を捨て去るべきである。出身校が「~校にあらずんば人にあらず」とするような、古びた観念が地方によってはいまだに残っているようだ。

 この記事では全国の県立高校のナンバースクールの校数が都道府県別に表示されており、資料としても価値がある。茨城県が突出して数が多いことは明白である。戦前の旧制高等学校でもあるまいに、いい加減、改めたらよかろう。