⑲北欧の教育と日本

※この記事は常に新鮮なネタを提供すべく、随時、更新されています。

 

参考記事

「世界一幸福な国」フィンランドに行って分かった「なぜ彼らは幸せなのか」 住み

 たいまち、を調べてわかったこと

 現代ビジネス FRaU編集部 によるストーリー 2024.1.10

 なぜ北欧は政策として教育を重視し、日本は重視しないのか、この記事を通じて生徒に考えさせたい。

参考動画

北欧子育て7つの鉄則!自己肯定感を高める育児とは?| 北欧在住ゆるトーク 

 2022/04/02 Nord Labo -北欧研究室- 19:00

 ほめない、比較しない、見た目について評価しない。「走るのが速いね」ではなく「走るのが好きなんだね」と話しかける・・・非常に参考となる話。やや視聴時間が長いが、ぜひ、生徒に視聴させたい。

 1970年代までフィンランドの教育はアメリカと同程度のかなり低いレベルにあったという。しかし1980年代、フィンランドは独自の視点から学校教育の大胆な見直しを進めていく。教科書検定制度の廃止や教員資格制度の改正(教師養成教育の充実化、教員の大学院卒義務づけ等)、宿題の廃止、テストの削減、授業時数の削減。これらは保護者の労働環境の改善を伴い、子供達が家で両親と過ごす時間を劇的に増やした。しかも授業時数を減らす一方で体育や芸術関係は減らさず、知育に偏る事を避けたバランスの良いカリキュラムを作り上げている。にもかかわらずPISAの得点は世界トップクラスとなった。

 一方、アメリカは人種、民族、信仰の異なる雑多な移民から形成された国家の土台を基に、多様性を前提とした多彩なカリキュラムを用意して個性を尊重する学校教育を作り上げていた。しかし1970年代から中等教育を中心に非行少年の荒れが目立ち始め、生徒の学力低下が話題となったことを契機に学校教育の見直しが進む。その際、低予算でありながら国際比較で常に学力がトップレベルであり、治安も良かった日本の学校教育を参考にした改革が進んだ。このため学力向上、知育中心に偏った教育がアメリカに浸透していった。

 ここ50年近くの間にアメリカ、フィンランド両国の学校教育が目指すその方向は完全に乖離してきたのである。このことは常にアメリカの後を追いかけてきた日本の学校教育に対しても深い反省を迫る点であろう。

 今や、学校教育に関しては自由や個性・多様性の尊重という観点を除けば、日本とアメリカとの違いは意外にもその差が縮まってきているという。しかしフィンランドと日本との違いは驚くばかり。それでも社会の同質性の高さに守られて日本の児童生徒の学力は国際的には高い方であるが、児童生徒の幸福感、自己肯定感は先進国で最低の部類に属する。

 北欧の動きを踏まえた、日本の教育への抜本的な見直しが待たれるところである。

【日本の中学教育は世界的に超優秀】日本の高校までの学力は世界トップクラス/

   「掃除」「給食」「部活」に日本教育の特徴がある/大学は海外に行った方が良い

   理由 PIVOT 公式チャンネル  2024/03/09 37:31

 松田氏が上意下達式の教育行政の効率性や日本の初等中等教育の優秀さを持ちあげすぎている側面はやや気になるが、日本の学校教育を世界の中でバランス良く位置づけるためには有効な動画だろう。フィンランド、アメリカ、韓国の学校教育と比較できる点でも貴重な動画。

 

オランダのイエナプラン教育 :2015/01/26 リヒテルズ直子

 イエナプラン教育(イエナプランきょういく、ドイツ語 Jena-Plan)とは、ドイツのイエナ大学の教育学教授だったペーター・ペーターゼン(1884 - 1952年)が 1924年に同大学の実験校で創始した学校教育。 子どもたちを『根幹グループ(英語ではファミリー・グループを訳されることが多い)』と呼ばれる異年齢のグループにしてクラスを編制したことに大きな特徴がある。現在はドイツよりもオランダで広く普及している。

※ちなみにオランダでは小学生でも本人の要望があれば留年できる。日本のような「形式卒業」の悲劇

 は起きない。

 

 なおオランダは2020年の最新調査(ユニセフ)でも子供の幸福度世界一である。ユニセフが9月3日に公表した最新報告書では、「精神的幸福」、「身体的健康」、学問や社会的な「スキル」の3つの分類で幸福度を算出。結果、日本の子どもの幸福度は38カ国中、20位だった。

 日本の順位で特徴的なのは、子どもの肥満や過体重の割合、死亡率から算出する「身体的健康」では1位だったにも関わらず、15歳〜19歳の自殺率や生活の満足度からランク付けした「精神的幸福度」は最低レベルの37位だった、という点だ。「スキル」では、日本のランクは27位。読解力と数学の基礎的学力では上位に入ったが、「新しい友達を作る」などの社会的なスキルの調査ではワースト2位だった。

 

参考動画

 個人情報丸見え社会のスウェーデン|どこまでマイナンバー管理?犯罪は?| 北欧

 在住ゆるトーク Nord-Labo 北欧研究室  2023/09/23  16:52

 やや視聴時間は長いが、考えさせられる場面が多く、討論にもっていくにはうって

つけの動画。情報公開の原則、知る権利の保障と個人情報保護、プライバシーの保護との調整は難しい問題だが、スウェーデンでは200年以上も昔から取り組んできた大きなテーマの一つだったことに驚かされる。政府や政治家、学校などでの各種隠蔽、改ざん、金銭面での不透明さ…が目立ってきた、閉塞的な日本社会を変えるには参考とすべき部分が多いと感じた。

なぜアフリカの子供は「自殺」しないのか?【日本と比較して考える】

 原貫太・フリーランス国際協力師 2024/01/12  22:30

 同学年でも異年齢が同じ学年、クラスに数多くいるアフリカではたとえイジメが生じても逃げ場が多く、歯止めも効きやすい。児童生徒が所属している集団は学校でのクラスだけではなく、親類や地域の集団もある。学校が嫌ならば行かなければよいだけで、実際、学校に来なくなる児童生徒は少なくない。したがってアフリカでは学校でのイジメが児童生徒の自殺を引き起こすことはほとんどない。

 子どもたちの居場所を学校や家庭、塾以外にも設けていく工夫が日本には必要なのだろう。そのためには子どもたちが学校にいる時間を少し減らすことも考えてよいだろう。フィンランドの授業時数は日本よりもずっと少ないという。長時間、子どもたちを退屈で窮屈な学校に閉じ込めておきながらイジメや不適応、学習障害を野放しにするしかできない日本の学校の無力ぶりを真っ当に評価すれば、学校以外の居場所確保こそ、学校改革そのものなのではあるまいか。不当な長時間労働から教師たちを解放するためにも大胆な時間割の見直しは必要不可欠の改革であろう。