◆北野幸伯さん新刊『プーチンはすでに、戦略的には負けている』に注目します。 



北野さんの新刊本が、

4月22日に発売予定です。

今から楽しみです。



★副題

→「戦術的勝利が戦略的敗北に変わるとき」



★ポイント



・三年目を迎えたウクライナ戦争。

現下、ウクライナ軍は要衝からの撤退を余儀なくされ、

ロシア軍優位な戦況にある。



・圧倒的な国民的支持を受けて

プーチン大統領は再選。



・それでもプーチンのロシアは

「戦略的な敗北」に陥ると著者は言う。



・ウクライナ戦争後のロシアは、

「国際的に孤立した」

「『旧ソ連の盟主』の地位を失った」

「中国の属国になった」うえに、

最も恐れていた「NATOの拡大」も招いてしまったからだ。



・本書はロシアがなぜそういう窮地に立つことになったのかを、

「戦術的思考」の勝利が結果的(戦略的)には

大失敗に終わった歴史上の例を挙げると同時に、

プーチンの履歴と思考経路を基に考察していく。



・我が国と我々にとって、

将来に向けてどのような思考が必要になるのかを、

明確に提示する。



・歴史に学んで

未来を拓くための重要な指南書なり。


 

 



 

 

◆松永多佳倫『92歳、広岡達朗の正体』を読み解く



★要旨



・長嶋と広岡は、

プロ野球屈指の黄金三遊間コンビとして

ファンを魅了していくことになる。



・広岡はヤクルトで、

初めて務めた監督業で結果を残せたことももちろん嬉しかったが、

負け犬根性が染みついた選手たちが意識を変えて

成長してくれたことに大きな喜びを感じた。 

「根気強く教えれば、人は必ず成長する」



 広島で得た教訓を、監督として見事に実践できたからだ。



・広岡は監督時代に指導した選手のなかから、

後の監督経験者を16人も輩出している

(田淵幸一、東尾修、森繁和、石毛宏典、渡辺久信、

工藤公康、辻発彦、秋山幸二、伊東勤、田辺徳雄、

大久保博元、若松勉、大矢明彦、尾花髙夫、

田尾安志、マニエル)。



・監督として、

70年代に史上最弱球団と揶揄されたヤクルトスワローズに初の日本一の栄冠をもたらした。



・80年代には西武ライオンズ黄金期の礎を作り上げた。

これらは紛れもなく快挙であり、広岡の勲章だ。

広岡がこの時期に実践した戦術、指導法、

選手管理の在り方は、

間違いなく日本プロ野球界に転換期をもたらした。 



・ただ残念なことに、

広岡が今の球界に多大な影響を与えたことは

市井にあまり知られていない。



・広岡はあまりにも

実直かつ妥協を許さぬ姿勢によって球界の嫌われ者として名を轟かせたのも事実だ。 



・現役時代は野球の神様と

呼ばれた川上哲治とも衝突した。

監督時代は選手を厳しく律する姿勢から

選手・フロントとも衝突した。



・1985年、

監督の広岡達朗はグラウンドに立ったまま、

凛とした佇まいで鋭い目線を周囲に投げかけていた。



・広岡は、まさに不退転の覚悟でこのキャンプに取り組んでいる。 

この年からバッティングコーチとして、

70年代前半の阪急ブレーブスに不動の四番打者として君臨した長池徳二を招聘。

プロ入り4年目の秋山幸二を、

なんとしても一人前のホームランバッターとして育てるためだ。 



・長池と秋山は、

二人三脚で泥だらけになって練習を重ねた。

あまりの猛練習ぶりに広岡が

「無理しすぎるなよ」

と声をかけると、

「若いうちにやらないとダメなんで。

鉄は熱いうちに打て、ですから」

と長池はほとばしる汗を垂らしながら答える。 



「よしわかった、やれやれ」 

自分の目に狂いはなかった。広岡は、

この熱血指導に長池招聘の成功を確信した。



★コメント

まだまだ広岡さんから

学ぶことは沢山ある。


 

 



 

 

◆江崎道朗さん新刊『シギント。最強のインテリジェンス』に注目します。





★ポイント



・いま日本に必要なのは、

スパイ、違法行為を効率よく見つける捜査手法を「解禁」することなのだ。



・その捜査手法とは、シギント(信号諜報)を活用することだ。




・アメリカを含む外国、言い換えれば日本を除く大半の国では、

国家シギント機関とセキュリティ・サービスが、

安全保障の観点から国内だけでなく国外でも電話、

インターネットなどの通信、クレジットカードの取引情報など(シギント)を傍受・分析し、1年365日24時間、

自国(と同盟国、同志国)に対する敵対的な活動を監視している。



・ところが日本だけは、

こうした行政通信傍受は許されておらず、国家シギント機関も存在しない。 



・日本は現行憲法9条のもとで正規の国防軍を持たない「異質な国」だが、

実はサイバー空間でも、

内外のスパイ活動を監視・追跡する国家シギント機関と

セキュリティ・サービスを持たない「異質な国」なのだ。



・なぜアメリカは、

ロシアによるウクライナ侵攻を半年近くも前に予見することができたのか。



・なぜ欧米や日本は、

ロシアによるウクライナ侵攻後ただちにプーチン大統領とその関係者の資産凍結を実施できたのか。



・シギントはもはや「インテリジェンスの皇帝」



・法律になくても対外諜報は「やるのが当たり前」



・今こそ国家シギント機関創設に向けた第一歩を



・インテリジェンス能力がなければまともな反撃など不可能



・まともに戦えるようになるために日本版CSSも創設すべき


 

 



 

 

◆工藤公康『活の入れ方』を読み解く



★要旨



・西武での練習は想像を絶するものでした。

いまなら、それを見た人が『いじめだ、シゴキだ』

と騒ぎ立て、SNSで炎上するかもしれませんね。



・100メートルダッシュ×100本。

これがウォーミングアップです(笑)。

終えると足が動きません。



・そこから全体練習を行い、投手はピッチング1時間、

ランニング1時間、強化1時間を行います。



・当時は『何でこんなことをしなければいけないんだ』と、

不平・不満を抱えながらやっていました。



・そのときにはわかりませんでしたが、

後になって気づくのです。

この練習こそが、

その後の野球人生につながっていたのだ、と。 



・この練習によって球が速くなったわけでも、

変化球を会得できたわけでもありません。

でも、プロとして生き残っていくための最も大切なことが身に付いているのです。 



・なにが身に付いたのか。

ひと言で表すと「基礎」です。



・ケガをしにくい体になった。

反復練習に耐えられる体になった。

そして、頭で考える前に瞬時に反応できる神経がつくられたのです。 

これが『常勝西武』と言われた秘密です。



・広岡野球の根底には、徹底的な基礎づくり、

土台づくりがあることを、

私はこの身に刻んでいるのです。



・広岡監督は、言った。

『ファーストベースにカバーに行くのに、

目をつぶって全力で走り、ベースを踏めなきゃダメだ』って。



・無理と思っていたが、

とにかく毎日、ベースを見ないようにしてカバーに入る練習をする。

『たぶんこの辺だろう』と言いながら失敗して、

『じゃあこの辺か?』と失敗して。


でも、何日も何日もくり返しているうちに距離感がつかめてきて、

『あ、この辺だ』と思ってポンと踏んだらベースがあるんですよ。

不思議とできるようになるんですね。 



・それで気づくんです。

頭で理解しているうちは、まだまだなんだ。

体で覚えることが、

プロとしての技術を身に付けることになるんだ、と。



★コメント

広岡野球の真髄を見つけたり。

見習いたい。


 

 



 

 

◆小泉悠『オホーツク核要塞。歴史と衛星画像で読み解くロシアの極東軍事戦略』を読む


★正式副題

→歴史と衛星画像で読み解くロシアの極東軍事戦略。



★要旨



・第二次ロシア・ウクライナ戦争とオホーツク海の聖域との関係性を考えてみたい。



・オホーツク海(あるいはバレンツ海)が聖域である限り、

米国がロシアの侵略行為を実力で阻止する可能性は

一般に低く見積もる余地があるということだ。



・以上は、ありうべきロシアの核使用がこのようなものであると予言するものではない。

むしろ、そのような予言を行うことが困難であるからこそ、

オホーツク海の聖域はウクライナでの戦争を

継続させる力を持っているのである。



・ソ連崩壊後のロシア軍にとって、

米国を中心とする西側の海軍力に正面から

対抗することは簡単ではない。



・現在のロシア海軍は

聖域周辺の広範な海洋を制圧(コントロール)する代わりに、

SSBN基地や指揮通信結節、経済中枢といった重要拠点を重点的に防護する方針を採用しており、

このためにセンサー、電子妨害システム、囮、

防空システム、航空機などによる重層的な防衛網を展開してきた。



・このような防衛網が最も手厚く配備されているのがバレンツ海周辺で、

要塞の城壁は依然として相当に手強いものであることが見て取れよう。



・オホーツク海の聖域には、

バレンツ海にはない地理的脆弱性が存在する。



・かつての中央アジアはソ連の弱点という意味で

「柔らかな下腹部」と呼ばれたが、

このひそみに倣うなら、

東シベリア海はロシアにとっての「柔らかな背後」

とでも呼ぶべき位置関係にある。



・SSBNのパトロール海域に含まれないコテリヌィ島やウランゲリ島、

シュミット岬などの東シベリア海沿岸においても、

飛行場、レーダー、

地対艦ミサイルの配備が進められている理由はおそらくこれであろう。



★コメント

小泉さんのマニアックな解説は、圧巻である。

この周辺も学びたい。


 

 



 

 


◆渡瀬裕哉さん監修『減税と規制緩和。アメリカ保守革命の教典』に注目します。


→グローバー・ノーキスト著

→Leave US Alone



★ポイント



・全米で最も影響力のある政治戦略家の一人でもある、

グローバー・ノーキスト氏が、

保守派に向けた大胆なマニフェストとビジョンを提示する。



・経済、人口統計、政治動向を通じて、

アメリカ政治がこれまでどこにあったのか、

どのように変化していったのか。



・ノーキスト氏は、

納税者のアドボカシーグループである全米税制改革協議会創設者兼議長。

全米保守派の定例会合である「水曜会」主宰者、

2007年にはWSJから保守運動の「Grand Central Station」と呼ばれた。



・ノーキストは、

2017年トランプ減税において、政策立案を主導し、

その実現を成し遂げた。



・渡瀬裕哉氏は、

日系・外資系ファンド30社以上に

米国政権の動向に関するポリティカルアナリシスを提供する、

国際情勢アナリストとして活躍。

ワシントンDCで実施される、

完全非公開・招待制の全米共和党保守派のミーティングである水曜会出席資格を持つ。




 

 



 

 



 



◆千田琢哉『作家になる方法』を読み解く


★要旨


・作家は、世界を変えられる。


・作家も思想家である。


・あなたも本を書くことで、
自分の思想を地球上に、ばらまくということができる。


・忙しすぎる人は、一度、
勇気を出してズル休みをしてみよう。
ズル休みをすれば、
頭と心がリラックスして、啓示を受けやすくなる。


・日常のすべてが、ネタだと考えると赦せるようになる。


・現代科学では解明できない、
作家たちの不思議な力について、ささやいておこう。
自分の作品の中で、書いた内容の多くが、
現実化する。


・今いる場所で輝こうとすれば、
それだけ深い経験や体験ができる。
職場の人間関係を通して、
存分に喜怒哀楽を味わえる。


・ノンフィクション作家に向いている人の特徴は、
ゲスの勘繰りをやめられない人だ。
災害、戦争、事件の真相を追いかけて
書籍化するのが、ノンフィクション作家だ。


・大雑把でいいから、
本気のサクセスストーリーを描いておく。
言語化するだけでなく、
何度もイメトレする。


・ワタシは現在、
港区南青山のタワマンに書斎を構えて14年目になる。
この生活のイメージは、
宮城県仙台市の大学時代から描けていた。


・準備ばかりしていると、寿命が尽きる。


・作家にとって、
ダントツで重要な準備とは、実際に執筆することだ。
書き上げるクセをつけることである。


・原稿用紙200枚以上、
いまなら、40文字×30行で、70ページ以上の文章を
シュパっと書き上げられなければ、プロではない。


★コメント
この本を読んでいると、さまざまなアイデアが生まれてくる。
良い書籍は、発想の井戸である。

 

 



 

 



 

 

◆福永耕太郎『電通マンぼろぼろ日記』を読む



★要旨



・私は電通マンとして、

これまで数えきれないくらい土下座してきた。

もはや土下座になんの抵抗もない。 



・新人時代、営業部の先輩とともに、

ある有名女性歌手のCM撮影に立ち会っていたときのことだ。

撮影中、女性歌手が突然、大声をあげた。



・不機嫌を隠そうともしない怒鳴り声に周囲は凍り付く。すると、先輩はすかさずクライアントの担当者の前にスライディングし、

「申し訳ありません!」と土下座したのだ。



・しかもその姿が、女性歌手の視界にしっかりと入り込むように計算して。



・新人の私は、まず何が問題なのかを把握し、

解決策を講じるべきだろうと思ったのだが、

ベテラン電通マンの思考回路はそんなところに迷い込まない。



・続けざまに、

先輩は控え室へと引き上げていこうとする女性歌手の前に飛び出すと、

その靴先5センチのところに深々と土下座した。 



・女性歌手はやれやれといったふうに

苦笑いをしていったん控え室に帰ったが、

数分後にスタジオに戻ってきた。

無事、撮影が再開された。



・「福永、よく覚えておけ。土下座ほど効率のいい手法はないぞ」 



・私には、やすやすと土下座する先輩が格好よく見えた。

こうして誰しもが電通マンとしての土下座を会得するのである。

広告代理店の社員にとって、

「クライアントは神さま」なのだから。



・コネ入社のトライアングルは、

電通、クライアント企業、マスコミの3者の三角形で成り立っている。

このうち、一番強いコネは何か。



・最強のコネは、マスコミである。

広告代理店とマスコミ各社は、

お互いに取引する広告を介した依存関係にある。



・実際に、電通社内には、

地方新聞や地方テレビ局の役員の子息がひしめき合っているし、

マスメディア側にも電通幹部の子息が多く入社していく。 



・電通とマスコミ各社は互いに相手の有力者の子息を囲うことで結束を高める。

まるで戦国時代の政略結婚のようでもある。



★コメント

あらためて、企業戦士の凄みを感じた。

見習いたい。



 

 



 

 


◆北野幸伯『黒化する世界。民主主義は生き残れるのか』を再び読む。



★副題→「民主主義は生き残れるのか?」



★要旨



・「黒化」というのは、

民主主義の国が「独裁化」していくことを意味する。



・民主主義の国を「白」とする。

「白っぽい灰色」の国が、「黒っぽい灰色」に変わっていく。

そういう意味で「黒化」という言葉を使っている。



・世界で「連鎖黒化」が起きている。



・国際関係は、「大国の覇権争いを中心に動いている」。

覇権争奪戦である。



・リアリストは、

「バランス・オブ・パワーを崩さないようにすること」で、

世界平和を維持できると考えている。

「勢力均衡」である。



・イラク戦争の真因は、

「ドル基軸通貨体制を守ること」と

「イラクの石油利権を確保すること」の2つである。



・ロシアにとって石油は、メインの収入源なり。

ホドルコフスキーは、まずロシア最大手ユコスと大手シブネフチを統合。

さらにそれをアメリカ企業に売却しようとしていたのである。



・そのため、2003年10月、

ホドルコフスキーは、脱税などの容疑で逮捕された。



・アメリカ、英国、オーストラリアは、2021年、

「新たな安全保障の枠組みを構築する」と発表した。

3カ国の頭文字をとって「AUKUS」(オーカス)を名づけられた。



・オーカスは、事実上の「反中国同盟」ともいえる。



・オーカスでは「超具体的な目標」が設定された。

それは「オーストラリアが原子力潜水艦を保有すること」である。



・オーストラリアの8隻の潜水艦は、

中国海軍の艦船をすべて撃沈できるほどの可能性あり。

これは中国にとって、超リアルな脅威となる。



・2022年のロシア・ウクライナ戦争で、

ウクライナ軍が強い4つの理由の1つは、

アメリカと英国から情報サポートである。



・ウクライナ軍は、米英の諜報機関と密接な関係を保っているようだ。

米英からロシア軍の位置情報をもらっている。

だから奇襲をかけて、大きな打撃を与えることができている。



・ポンペオ氏とバイデン氏に共通しているのは、

「米中覇権戦争は、アメリカと中国二国間の問題ではないのだ」ということ。

つまり「『自由世界』対『独裁体制』」(ポンペオ)、

「『民主主義国家』対『専制主義国家』」(バイデン)の戦い、米中覇権戦争は、

「世界の未来を決める、世界を二分する、善と悪の戦いなのだ」ということです。



・ロシアはどうでしょうか。

この国には、大統領選挙も下院選挙もあります。

下院には、「統一ロシア」「公正ロシア」

「ロシア自由民主党」「ロシア共産党」などが議席を持っています。

要するに、「形は民主主義」です。



・ところが、大統領選挙も下院選挙も、最初から結果が決まっています。

しかも、下院に議席を持つ「野党」も、プーチン批判を決してしない。

ロシアでは、「プーチンを批判する、議会に議席を持たない野党」を「システム外野党」と区別し、厳しく弾圧しています。



・つまり、ロシアは「形は民主主義だが、中身は独裁」なのです。



・中国とロシアは現在、事実上の同盟関係にあります。 

2014年3月、ロシアはウクライナからクリミアを奪い、併合しました。

このことで、欧米日は、ロシアに経済制裁を科しました。



・世界的に孤立したロシアは、中国に接近するしか道がありませんでした。 

世界一広大な国ロシア、世界4位の面積を持つ中国の「黒化同盟」。

世界地図を広げて、「ロシアと中国は黒だ」と想像してみてください。



・「黒化勢力」がどれほど広大な領域を占領しているのか、

理解できるでしょう。



★コメント

世界がダークな時代に進んでも、希望を持ち、サバイバルしていきたい。

そういう勇気を、北野さんの本を読むと、与えていただけます。

日本のいるということが、ホワイトであり、

幸せなことであると、確信します。

しかし、油断大敵で、つねに備えること、

カオスな国際情勢で、狡猾に外交と安全保障を展開する大切さを噛み締めたいと思います。

各国と友好関係をつくり、自国だけでなく他国の幸せも考え、強固な信頼関係を作り、いざとなったら助けてくれる関係をなるべく多く作りたい。

ということを北野さんの本を読みながら改めて、考えました。


 

 



 

 



 

 


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◆大下英治『百円の男。ダイソー、矢野博丈』を読み解く



★要旨



・「100円ショップ」最大級のダイソーの売り上げ高は、

2017年三月現在で、四二〇〇億円である。



・店舗数は、国内に約三一五〇、海外には二六の国と地域に約一八〇〇の合計約四九五〇。



・販売する商品の総点数は、

約七万点。一ヵ月あたり約五〇〇から七〇〇点の新商品を発売している。



・このダイソーを率いる矢野博丈ダイソー社長は、ここまでの企業に成長させるのに様々な逆境をはね返し、数々の修羅場をくぐりぬけてきた。

矢野は、没落した家に育った。



・そのため、絶えず将来の不安について考える癖がついてしまった。

商売でも、先の怖さばかりを読む。



・矢野は「自己否定」という言葉が好きで、よく口にする。

掌にも「ワシはダメだよ」と書いたことがある。



・好きな言葉は、

「恵まれない幸せ」、「しかたがない」、「分相応」、「自己否定」など。

いわゆる負け犬の言葉が大好きだ。



・将来の怖さがよくわかるために、先を畏れる力がすごくある。



・自分が病気をもって、体が弱い人は先を恐れる力があるのと同じだという。



・矢野にとっては、家が貧乏で苦労ばかりしてきたことが、結果的に役に立ったのだ。 矢野は語る。

「人生は、ある意味で運です。



・商品の値段を100円に統一したのは、

トラックで移動販売していて、売り上げの計算までしていると手が回らなくなるから」 『えーい、面倒くさい。全部一〇〇円でいいや』 そこに道が拓けた。



・ 振り返ってみて、これほどの企業になると思ったことは一度もなかった。



★コメント

波乱万丈の人生がここにある。

学びたい。