◆北野幸伯『黒化する世界。民主主義は生き残れるのか』を再び読む。



★副題→「民主主義は生き残れるのか?」



★要旨



・「黒化」というのは、

民主主義の国が「独裁化」していくことを意味する。



・民主主義の国を「白」とする。

「白っぽい灰色」の国が、「黒っぽい灰色」に変わっていく。

そういう意味で「黒化」という言葉を使っている。



・世界で「連鎖黒化」が起きている。



・国際関係は、「大国の覇権争いを中心に動いている」。

覇権争奪戦である。



・リアリストは、

「バランス・オブ・パワーを崩さないようにすること」で、

世界平和を維持できると考えている。

「勢力均衡」である。



・イラク戦争の真因は、

「ドル基軸通貨体制を守ること」と

「イラクの石油利権を確保すること」の2つである。



・ロシアにとって石油は、メインの収入源なり。

ホドルコフスキーは、まずロシア最大手ユコスと大手シブネフチを統合。

さらにそれをアメリカ企業に売却しようとしていたのである。



・そのため、2003年10月、

ホドルコフスキーは、脱税などの容疑で逮捕された。



・アメリカ、英国、オーストラリアは、2021年、

「新たな安全保障の枠組みを構築する」と発表した。

3カ国の頭文字をとって「AUKUS」(オーカス)を名づけられた。



・オーカスは、事実上の「反中国同盟」ともいえる。



・オーカスでは「超具体的な目標」が設定された。

それは「オーストラリアが原子力潜水艦を保有すること」である。



・オーストラリアの8隻の潜水艦は、

中国海軍の艦船をすべて撃沈できるほどの可能性あり。

これは中国にとって、超リアルな脅威となる。



・2022年のロシア・ウクライナ戦争で、

ウクライナ軍が強い4つの理由の1つは、

アメリカと英国から情報サポートである。



・ウクライナ軍は、米英の諜報機関と密接な関係を保っているようだ。

米英からロシア軍の位置情報をもらっている。

だから奇襲をかけて、大きな打撃を与えることができている。



・ポンペオ氏とバイデン氏に共通しているのは、

「米中覇権戦争は、アメリカと中国二国間の問題ではないのだ」ということ。

つまり「『自由世界』対『独裁体制』」(ポンペオ)、

「『民主主義国家』対『専制主義国家』」(バイデン)の戦い、米中覇権戦争は、

「世界の未来を決める、世界を二分する、善と悪の戦いなのだ」ということです。



・ロシアはどうでしょうか。

この国には、大統領選挙も下院選挙もあります。

下院には、「統一ロシア」「公正ロシア」

「ロシア自由民主党」「ロシア共産党」などが議席を持っています。

要するに、「形は民主主義」です。



・ところが、大統領選挙も下院選挙も、最初から結果が決まっています。

しかも、下院に議席を持つ「野党」も、プーチン批判を決してしない。

ロシアでは、「プーチンを批判する、議会に議席を持たない野党」を「システム外野党」と区別し、厳しく弾圧しています。



・つまり、ロシアは「形は民主主義だが、中身は独裁」なのです。



・中国とロシアは現在、事実上の同盟関係にあります。 

2014年3月、ロシアはウクライナからクリミアを奪い、併合しました。

このことで、欧米日は、ロシアに経済制裁を科しました。



・世界的に孤立したロシアは、中国に接近するしか道がありませんでした。 

世界一広大な国ロシア、世界4位の面積を持つ中国の「黒化同盟」。

世界地図を広げて、「ロシアと中国は黒だ」と想像してみてください。



・「黒化勢力」がどれほど広大な領域を占領しているのか、

理解できるでしょう。



★コメント

世界がダークな時代に進んでも、希望を持ち、サバイバルしていきたい。

そういう勇気を、北野さんの本を読むと、与えていただけます。

日本のいるということが、ホワイトであり、

幸せなことであると、確信します。

しかし、油断大敵で、つねに備えること、

カオスな国際情勢で、狡猾に外交と安全保障を展開する大切さを噛み締めたいと思います。

各国と友好関係をつくり、自国だけでなく他国の幸せも考え、強固な信頼関係を作り、いざとなったら助けてくれる関係をなるべく多く作りたい。

ということを北野さんの本を読みながら改めて、考えました。


 

 



 

 



 

 


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