◆奥山真司『戦略論入門。自衛隊幹部学校・講義録』を読む
★要旨
・戦略の二大古典。
孫子の「戦わずして勝つ」という考え方と、クラウゼヴィッツの「戦争は政治の延長であり、暴力による屈服である」という理論の違いを分析する。
・ケネス・ウォルツの理論では、戦争の原因を「個人」「国家・組織」「国際システム(パワーバランス)」の3層構造で捉える。
・抑止力の限界と戦略文化。
核抑止論から発展した「抑止力」の概念がある。
・武器を揃えるだけでは不十分であり、相手の「戦略文化(独自の論理)」を理解し、
相手の合理性にどう働きかけるかが重要。
・日本が本気で抑止力を機能させるためには、
有事の際に「実際に戦う」という覚悟と能力を相手に信じさせる必要があると指摘。
また、戦死者の扱いなど、社会として戦争のリスクにどう備えるかというリアルな議論が不足している。
・戦略文化(Strategic Culture)とは、
国家や組織が戦略的な意思決定を行う際、その国独自の歴史的経験や価値観、
あるいは「物事をどう捉えるか」という特有の論理・思考パターンのことを指す。
・抑止力論における「合理性」は、
しばしば自国と同じ基準で相手も動くと想定しがちですが、
実際には相手国には相手国なりの異なる「戦略文化」が存在する。
・ある国にとっての「合理的」な選択が、
別の国にとっては全く異なる文脈や価値観で解釈される可能性があるため、
相手の戦略文化を理解していないと、抑止力が期待通りに機能しないリスクがある。
・ソ連の事例などが有名ですが、
その国が歩んできた歴史や組織内の文化によって、
「戦争」や「武力行使」に対する捉え方が根本的に異なることを前提に分析することが重要。
・相手国を分析する際には、単なる軍事力や数字の計算だけでなく、
その国の文化的な背景や論理構造を深く研究しなければならないという概念である。
★コメント
戦略論の歴史が学べる貴重な一冊である。






















