ホテルから外に出た。

 

 

 

J君)

「レストラン、少し離れてるんだけど歩いていく?それともタクシーで行く?」

 

 

 

 

アスカ)

「うーん」

 

 

 

「私はどちらでもいいよ。J君が決めて」

 

 

 

突然聞かれたので答えに迷う。

 

 

 

J君)

「じゃあ、歩こうか」

 

 

 

アスカ)

「そうね、J君と一緒に駅前を歩くのも嬉しいよ」

 

 

 

 

J君が言った少し離れているレストランは、歩けばすぐに到着するのだとばかり思った。

 

 

 

ホテルの玄関を出て歩き始めると駅前の賑わいが楽しい。夕食の時間だから人通りも多い。

 

 

 

だが歩いても歩いてもまだつかない。J君はこの場所に慣れている様子で、さきほどからスタスタと速いペースで歩いている。

 

 

 

 

前のお誕生日頃に会った時は、私のバッグをさっと持ってくれたJ君。今日は持とうとしてくれない。私からわざわざ伝えるのも違うような気がして、何も言わなかった。

 

 

 

約20分歩いた時に、ようやくJ君が選んでくれたという建物が見えてきた。もう足が棒のようになりくたくただ。しかもオシャレをしてハイヒールを履いてきたので、つま先に体重がかかって痛くてたまらない。

 

 

 

だけど歩こうと決めてくれたJ君に対して、足が痛いとは言えない。それにレストランまでの道を楽しめたことは良かった。J君が慣れ親しんだ場所なので、また一つJ君について理解が深まり、心の距離が近づいた気がした。

 

 

 

 

J君が選んでくれたのはビルの中にあるカジュアルなイタリア料理屋さんだ。私は一度も行ったことがなく店名も知らなかったので、どんなお店なのかワクワクしてくる。

 

 

 

足がズキズキして限界だと思った時に、ビルの中に入りお店に着いた。痛いと感じてからもずっと涼しい顔をして歩き続けた。

 

 

 

お店の前に椅子が並んでいて6人座っている。

 

 

 

J君)

「アスカちゃん、ここでいい?」

 

 

 

「ごめん、予約していないんだよね。すぐに入れると思ったから」

 

 

 

アスカの心の中)

(え?こんなに混んでいるのに、予約していないの?決めてくれただけだったの?)

 

 

 

ホテルを予約したというLINEが来ていたので、当然レストランも予約してくれていると思っていた。

 

 

 

 

アスカ)

「うん、すぐには入れないみたいだけど、J君がここがいいなら私はもちろんここでいいよ!」

 

 

 

 

J君)

「じゃあ、ここで待とう。料理は美味しいから期待してて」

 

 

 

アスカ)

「うん、J君が選んでくれたレストランに来るのは初めてだから今夜はすごく嬉しい!」

 

 

 

 

すでに待っている人達の最後尾に座る。

 

 

 

待ち合わせ時間も2時間も遅れて、しかもホテルから20分以上歩いてぐったりだ。お腹もすいている。2人ずつのカップルなので4番目が私達だ。だが、もう待ちくたびれている私は長蛇の列に見えてしまう。

 

 

 

しかもお腹もすいている。歩いてきたので喉もカラカラだ。J君と一緒にいることは嬉しいのだが、空腹もありイライラする気持ちが湧いてしまう。

 

 

 

アスカの心の中)

(きっとこの様子だと今からけっこう待たされそう・・・)

 

 

 

店員さんが私たちにメニューを持ってきてくれた。

 

 

 

店員さん)

「お待たせして申し訳ございません。こちらのメニューをお選びになってお待ちください」

 

 

 

アルバイトの学生さんだろう。若い女性が見せる作り笑いのような笑顔が必死そうに見えた。

 

 

 

J君)

「アスカちゃん、何食べる?」

 

 

 

 

イライラしている私とは対照的に、J君はのんびりした口調で聞いてくる。二人の真ん中にメニューを持って、パラパラとめくってみた。写真はどれも美しく撮影されているので美味しそうなのだが、空腹なのに食べたい気分になれない。

 

 

 

 

アスカ)

「そうね・・・。これがいいかも!」

 

 

 

私は、魚料理のメインディッシュを指さした。この中で一番太りにくそうだからこれを選んだ。

 

 

 

 

J君)

「それ、美味しいよ!俺も好きだよ。じゃあ、それを一つ頼もう」

 

 

 

「あとは何がいいかな」

 

 

 

 

アスカ)

「これもいいかも」

 

 

 

私が次に選んだのはヘルシーに見えるサラダだ。

 

 

 

 

J君)

「それもすごく美味しいよ!俺もそれ食べたい!」

 

 

 

 

J君は何度もここに来たことがあるのだろう。どの料理も良く知っているようだ。

 

 

 

 

私達は、前菜とメイン、そしてサイドメニューを決めた。お料理を選択し終えても、まだ隣の椅子には2組の男女がいる。

 

 

 

 

身体も心も疲れ切った。疲労困憊。段々と力も抜けてくる。だが、お店に入れば美味しい料理が待っていてくれるし、夜になればJ君がきっと沢山いちゃいちゃしてくれる。そう考えて気持ちを回復させる私。

 

 

 

アスカ)

「お店の中に入るのが楽しみ!」

 

 

 

「お料理がとっても美味しそう!」

 

 

 

「J君、素敵なお店を選んでくれてありがとう!」

 

 

 

 

私は無理に笑顔を作り、待っている時間がしらけてしまわないように必死にJ君に話しかけた。

 

 

 

 

J君はさきほどからずっと、いつもと同じ表情だ。

 

 

 

 

 

 

___________

 

後日談です。

 

 

J君がなぜ予約してくれていなかったのか分かりませんが、すぐに入れなかったのは本当に疲れました。

 

 

それでもJ君が選んでくれたレストランの夜ですから、私は疲れたりイライラしながらも、今夜は幸せだと感じていました。

 

 

 

まだ食べ始めていないのに、この時点ですでに疲労困憊でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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