その場に充満している空気が一瞬凍ったかのように冷たく感じた。

 

 

 

 

 

J君の目はゾクッとするほど怖い。唖然とした。

 

 

 

 

 

驚いた。まるで時間が止まったかと思わされるぐらい私の体が固まる。

 

 

 

 

 

アスカの心の中)

(え?!私、そんなにダメなことをした?!)

 

 

 

 

 

昨夜のJ君は情熱的で優しかったし、私のことを「特別な存在」と言ってくれたから私はその言葉に喜んで安心感に満たされていた。

 

 

 

 

 

だから手を繋ぐことなんて普通のことだと私は思った。

 

 

 

 

 

仲居さんがすぐそばにいるからなのか。J君は私をきつく睨みはしたが、私が握った手を振りほどかずに恐ろしいオーラを放ったまま手を繋いで少しの距離を歩いた。

 

 

 

 

 

すぐにフロントに到着してしまった。J君はそのまま自然に手を放して車を取りに行った。後ろ姿からも異様な雰囲気が感じられる。

 

 

 

 

 

私はチェックアウトの手続きをした。

 

 

 

 

 

荷物をトランクに入れる。女将さんと仲居さんと支配人さんが笑顔で手を振りながらお見送りしてくれた。3人の温かな微笑みが優しい。

 

 

 

 

 

J君が運転してくれる車の助手席に座った私から、かっこいいJ君の姿を見ることができるのは何度でも幸せな気持ちになる。J君のこんなにも素敵な運転姿を見れるのは私一人だけだから。J君を独占している気持ちになる。

 

 

 

 

だがJ君の表情は先ほどからずっと同じままだ。

 

 

 

 

 

J君は言葉にしないけれど「俺に話しかけるな」と全身が言っているような気がした。

 

 

 

 

 

J君が無口なのは旅の最初からなので理解しているけれど、怖い態度のままなのはなぜなのか・・・。

 

 

 

 

目的地の駅までの道のりでは木々に囲まれた綺麗な自然の風景が見える。

 

 

 

 

 

J君は相変わらず何も話さない。

 

 

 

 

 

アスカの心の中)

(手を繋ぐことって、そんなに怒ること?!)

 

 

 

 

(あと少しでバイバイしなければならないし、車の中で少しだけでもお話したいな・・・)

 

 

 

 

 

 

アスカ)

「J君、あのね」

 

 

 

 

J君)

「何?」

 

 

 

 

 

アスカ)

「今、何考えてるの?」

 

 

 

 

 

勇気を出して聞いてみたら、J君から意外な答えが返ってきた・・・。

 

 

 

 

 

J君)

「俺、今、仕事でやることいっぱいあるんだよね。今日も帰ったらすぐに打ち合わせだし」

 

 

 

 

「いつも仕事の事しか考えてないよ」

 

 

 

 

 

アスカの心の中)

(え?!私と一緒にいても、仕事の事しか考えていないんだ・・・・)

 

 

 

 

(知らなかった・・・)

 

 

 

 

 

(そうだったんだ・・・・)

 

 

 

 

 

(でも、それほど仕事が忙しい中でわざわざ来てくれたのよね)

 

 

 

 

 

(仕事の邪魔しちゃダメよね)

 

 

 

 

 

アスカ)

「打ち合わせがある中来てくれたのよね。J君、仕事頑張っているから私はいつも応援しているよ」

 

 

 

 

「話しかけてごめんね」

 

 

 

 

 

 

私と一緒にいる時は、一緒に過ごしたことや楽しい思い出などを考えているのかなと思ったのだが、J君は「いつも仕事の事しか考えていない」と言った。

 

 

 

 

「いつも」ということは、旅がスタートしてから無口な時は私と一緒にいても「仕事の事しか考えていないよ」と言われているような気がして寂しくなった。

 

 

 

 

 

だが昨日の夕食時の会話を思い出す。

 

 

 

 

 

J君は私の知らないところでHP用に私のプレゼントを選んでくれていた。私の知らないところで私の事を考えてくれているJ君もちゃんといるのだ。

 

 

 

 

J君は「アスカちゃんのことをしょっちゅう思い出しているよ」とも言ってくれた。私にとって本当に幸せな言葉だ。だから、J君が仕事のことを考えなければならない時は私はそっとすべきだと思った。私のことを考えていないわけではないのだから。

 

 

 

 

 

こう思い直したら寂しい気持ちは溶けていった。

 

 

 

 

 

アスカ)

「あ!そうだ!いいことを思いついた!」

 

 

 

 

J君)

「何?」

 

 

 

 

 

アスカ)

「J君が運転しているところ、動画と写真に撮っていい?」




「そうすれば、J君と会えていない時に見ることができるし」

 

 

 

 

 

 

J君)

「いいよ」

 

 

 

 

 

J君はダメと言わなかった。嬉しいな。しかも動画は初めてだ。

 

 

 

 

 

J君はまっすぐ前を見ている。表情が硬いがそれはきっと仕事のことを考えているからだろう。

 

 

 

 

 

アスカ)

「じゃあ、今から撮影するね!」

 

 

 

 

 

私はスマホの動画録画ボタンをクリックした。

 

 

 

 

撮影している間、私はふざけた感じでこう言った。

 

 

 

 

 

アスカ)

「J君に質問します!」

 

 

 

 

「J君は旅は好きですか?!」

 

 

 

 

 

J君)

「うーん。どうだろ」

 

 

 

 

 

J君は表情を変えずに淡々と答える。

 

 

 

 

 

好きと言ってくれるのかと思ったら「どうだろ」という返事だった。

 

 

 

 

 

 

写真も数枚撮った。

 

 

 

 

 

運転しているJ君の方に私の体を目一杯近づけて、スマホを持った側の私の腕をできるだけ伸ばして二人のツーショットを撮る。
 

 

 

 

 

 

撮影した写真をすぐに確認してみる。J君は運転中なので写真の中でもまっすぐ前を見ている。表情を変えない顔が映っているけれどそれは仕事のことを考えているから仕方がない。そんなJ君の隣でにっこり表情の私。この日は太陽の光が眩しくてお互いにサングラスをかけたまま。

 

 

 

 

 

なかなか見ることができないJ君の運転中の写真を撮影できたなんて嬉しすぎる。素晴らしい写真が撮れたことにウキウキした。

 

 

 

 

 

J君は何も話さないままなので、駅に着くまでたった今撮影したばかりの写真や動画を見て過ごした。

 

 

 

 

 

 

これからJ君と離れていても動画と写真があれば寂しくならなずに過ごせると思うと撮影させてくれたJ君に感謝の気持ちが湧いてきた。他の女性とは絶対に写真を撮らないと言っていたことも私だけが撮影できる喜びを倍増させる。

 

 

 

 

 

 

無口なJ君は運転中に時折自分の好きな歌を口ずさむ。

 

 

 

 

 

その度に私が質問する。

 

 

 

 

アスカ)

「J君、それ、なんていう歌のタイトルなの?」

 

 

 

 

J君)

「○○という歌手の、○○という歌だよ」

 

 

 

 

 

それを聞くたびにJ君から聞いたことをスマホのメモ機能に書き込む私。

 

 

 

 

 

 

アスカの心の中)

(J君が好きな歌をこれから私もお家で聞いてみよう)

 

 

 

 

(今度ホテルで過ごす時のBDMは、少しでもJ君が楽しく過ごせるようにJ君の好きな曲を流そう)

 

 

 

 

 

 

そう思いながら、時々運転しているJ君の姿をチラッと見ては、大好きな男性の隣の助手席に座れている喜びを私は何度も噛みしめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(投稿後ブログのタイトルを変えました。失礼いたしました)

______________

 

後日談です。

 

 

 

 

この時の動画と写真は今もパソコンの中に保存されているので見ることができます。スマホの機種を変えるときにiCloudに保存していたので残したままでした。

 

 

 

 

ブログを書くにあたって久しぶりに見てみました。

 

 

 

 

今の私から見ましたらどうみても寒々しい二人です。J君の表情を見れば相手に好かれているとは到底思えないようなワンシーンです。これを両想いだと思い込むのは、自分でもまるでコントや漫画だと思ってしまうほどに、どう見てもちぐはぐな二人がそこに映っています。

 

 

 

 

 

当時は正常な判断ができませんでしたので、この旅行が終わってからもこの動画と写真を何度も見ては、素敵なJ君の運転姿に何度も惚れ惚れしていました。

 

 

 

 

 

今の私が見てみますと、怖くて無表情のJ君の姿からは、私を特別な存在だと思ってくれていることや私のことをいつも思ってくれているとはどう考えてもそうは見えません。

 

 

 

 

 

しかし、確証バイアス(過去記事参照ください)によってJ君を見ている当時の私からは、J君はいつも私のことを気にかけてくれて大切にしてくれていると真剣に信じていました。

 

 

 

 

J君がどれほど冷たい態度でも、それもJ君が私の前でなら普段の自分でいられるからなのだと肯定的に受けとめていました。J君もそう言ってくれていたからです。

 

 

 

 

「他のお客様の前では○○はできないけれど、アスカちゃんの前でなら素でいられる」

 

 

 

 

セラピストからのこの言葉は魔法のような絶大な効果があります。女心として「○○ちゃんだから」と言われることは、他の女性よりも自分だけを特別に選んでくれているように感じられるので飛び上がるほど嬉しい言葉だからです。

 

 

 

 

この言葉も風俗の世界ではごく普通に使われるセリフなのだと後から知りました。

 

 

 

 

 

動画と写真を残していて良かったです。

 

 

 

 

 

いかに当時の自分が正常さを欠いて洗脳状態だったのかを明確に振り返れるからです。

 

 

 

 

 

動画で聞くことができるJ君のこの時の声からは、私を今までで最も強く睨むほどの怒りが含まれていることを今の私なら分かります。当時は分かりませんでしたが、怖くて怒りが込められている声です。

 

 

 

 

当時は分からなかったのですが、私と手を繋いでいる姿を仲居さんの前で見られたことに腹を立てた怒りだと想像します。

 

 

 

 

 

 

イケメンのJ君とはどう見ても不釣り合いな年上女性の地味な私が、朝からルンルン気分ではしゃいだ様子で手を繋ごうとする姿を見られたことが嫌だったのでしょう。

 

 

 

 

 

おそらく、様々な立場にいる男女が旅行に来る光景を多数見ている仲居さん、女将さん、支配人さんから見れば、J君と私の姿を見て、風俗従事者とお客様という立場であることは一目瞭然だったのだろうなと今なら分かります。

 

 

 

 

 

 

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