お部屋の前に到着。
いつも鍵を開けてくれるのはJ君の役目。私のカバンに入れていた鍵をJ君に渡す。ドアの前に立つJ君。後ろからそんなJ君の背中を見つめる私。
J君は背面から見ても髪型がきまっていて洋服も洗練されている、どこから見てもいかにもイケている男性という感じ。後ろ側から眺めるJ君の姿にもいつも惚れ惚れしてしまう。
J君は後ろに立っている私のそんな心の内を知らない。J君には見つからないように、密かにJ君をたくさん見つめていられる後ろ側の立ち位置が私は好きだ。
ガチャ。
お部屋の鍵が開く。ふたりきりの空間のドアから中に入ると甘い香りがする。いつも、どのホテルに行っても同じ匂いがする。ホテルのお部屋に撒かれた香水やアロマということではなく。J君のオーラから発せられる不思議な匂い。J君の香水ともまた違う。J君とふたりきりになれるのが毎回あまりにも嬉しいので、J君とふたりきりの空間と素敵な香りがセットになって嗅覚に焼き付いているのかもしれない。
広いお部屋のソファに座ってから、J君にお願い事をした。
恥ずかしいお願いだったので伝えるかどうか迷ったが、せっかくJ君とこれた旅行だから思いきっていうことにした。
アスカ)
「J君にお願いがあるのだけど」
J君)
「何?」
アスカ)
「あのね、温泉も気持ち良かったのだけど、できればいつものようにJ君と一緒にお風呂に入りたいなぁと思って」
J君)
「アスカちゃん、オッケーだよ!」
そう言うと、J君はバスタブにお湯を溜めに行ってくれた。
勇気を出して伝えたお願いだが、すんなりオッケーしてくれて嬉しかった。
温泉旅行に来たのに、大浴場でバラバラにお風呂に入ったら、いつも一緒に入るバスタイムの楽しみがなくなってしまう。せっかくの旅行にきたのに悲しすぎる。J君が快く承諾してくれて安堵した。
私はお風呂用のバラの花びらを持参していた。正確に言えば、バラの花びらのかたちをした石鹸だ。
私の前々からの夢として、お風呂の中にバラの花びらが浮いているところに好きな人とお風呂に入りたいというものがあった。よくテレビや雑誌で、綺麗な女性とイケメンの男性が薔薇の花が浮いている美しい浴槽に一緒に入っているシーンのお写真を見たことがあってずっと憧れていた。それをJ君に叶えてもらいたかった。
お風呂のお湯が溜ったことをJ君が確認してくれた。
念願だったバラが浮いているお風呂に入れるなんて、まだ夢を見ているみたい。
ユニットバスではなく、洗い場がついている浴室の湯舟はやや小さめだ。いつもならJ君が私の後ろ側に入り、私をバッグハグしてくれる二人の位置でお風呂に入ることが多かった。
だが、少し小さな浴槽だったので向かい合わせで入ることにした。
バラの花びらの箱をJ君がそっと開けてくれる。入っていたバラの花びらをJ君がお風呂の表面に浮かべてくれる。
なんと・・・
その花びらたちは、意外にも次々と溶けてしまった。
私はお風呂に入れる用のバラの花びらを購入したつもりだったのだが、間違えてバラの花びらの形をした石鹸を購入してしまっていたのだ。
花びらが浮いたお風呂で優雅に過ごすつもりが、バラの石鹸がどんどん溶けてしまう・・・。
「J君に夢を叶えてもらうために、今日はバラの花びらを準備してきたの!」
J君に得意げに伝えていた自分が恥ずかしくなった。J君と私の目の前で、花びらたちのかたちが変化していく。石鹸なので、ベタベタするお湯に変わってしまった。
決まりの悪い顔をする私。いつものことながらドジばかりだ。
アスカ)
「私・・・石鹸だと知らないで買ってきちゃった・・・」
「お風呂の中がドロドロになっちゃってごめんね・・・」
落ち込む私の表情を見て、J君が口を開く。
J君)
「いや、こういうほうが楽しくない?」
アスカ)
「こういうほうがって?」
J君)
「普通の出来事ももちろん楽しめるけど、後から考えれてみれば、笑えることとか、やっちゃったこととか、そういうほうが印象に残るものでしょ?」
アスカ)
「確かにそうかも。そういうことのほうが、後からはっきり覚えているものよね」
J君)
「そう。それに、普通のことよりもやっちゃったことのほうが面白いしね」
アスカ)
「そっか・・・じゃあ、石鹸の花びらでむしろよかったのね!笑」
J君)
「そうだよ。こういう思い出がいっぱいあるほうが、後から絶対覚えてるよ!」
バラの花びらいっぱいでセレブ風の美しいお風呂のはずが、石鹸だらけのドロドロ・ベタベタしたお湯になってしまったけれど。J君のこの一言のお陰で、このお風呂タイムが二人でケラケラと笑い続ける楽しい時間に変わった。
沢山浮かべたはずのバラの花びらが全部溶けるのを見届けた。二人でお腹が痛くなるほど笑い続けた。
心も体も十分に温まったので、お風呂からあがることにした。
二人がいなくなった湯船には、石鹸の泡で白くなったお湯にバラの芯の部分だけが残り、ゴミのように浮いていた。
綺麗なお風呂ではなかったけれど、J君のお陰で愉快な空間に包まれた。
お風呂から出ると、今までのような面白い雰囲気からお部屋の空気が変わり私の心は一気に高鳴り始めた。
笑っていた時にはJ君には言わなかったのだが、J君と一緒に一糸纏わぬ姿でお風呂に入ると内心ドキドキが止まらない。
しかも今日は特別な場所。
これからベッドの上で、いつものように抱きしめてくれるだろうから、これからの夜が楽しみで仕方ない。
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後日談です。
J君が言ってくれた「やっちゃったことのほうが普通の事よりも覚えている」という言葉。
これは確かに誰にとっても当てはまることですよね。自分の過去のことを考えましても、普通の日常はそれほど鮮明に覚えていないものですが、間違えたり失敗したり、笑えたり失敗してしまったこと等は印象に残りやすくなります。
ですがおそらく、セラピストのJ君にとってはこのことを一般の人よりもより強く実感しているのではないかと私は推測いたします。
J君は、常に複数の女性と会っていました。ということは、大勢の女性と似たようなことをすることもきっと多いのでしょう。
デートで過ごすにしてもホテルで過ごすにしても、行先や内容は異なったとしても、その中身はおおよそ似てくるものですよね。
デートであれば、お食事したり、カフェに行ったり、飲みに行ったり。遊園地や水族館、お散歩やドライブなど、ある程度内容は同じになるものです(J君に聞きました)
また、性感サービスの方は、相手や内容が変わったとしても、行えうことはどれもはほぼ似た感じになりますよね。(これもJ君がそう教えてくれました)
一般的なセラピストの場合、お客様から長期指名の人もいるでしょうが、短期的に数回利用(1回~6回程度)の人も多いと聞きます。どれほど魅力的なJ君であったとしても、途中から指名しなくなる女性はけっこういるのだと後からJ君に聞きました。
そうなりますと、J君にとっては、女性のお客様との関係性は、新しい出会いから6回ぐらい会うことがおそらく最も多い内容になるのだと考えられます。指名した人が全員リピートするわけではなく、1回だけ指名して、リピートしない人も少なくないそうです。J君ほどかっこよくても、リピートしない女性がいるとは私には驚きですが、女性によって男性のタイプやセラピストに期待することが異なったり、J君との相性が合わない等もあるのだと考えられます。
出会い初期から6回目は、お互いにまだ良く知らないところから段々と仲が深まっていく最もハラハラドキドキする期間です。
出会い直後は、相手のことがまだ見えていませんから、落ち着いて会うというよりは、高揚感や刺激的な気持ちのほうが強くなるのが男女関係の初期の頃ですよね。
そうなりますと、女性客はドキドキしながらJ君に会いに来る。J君はドキドキして高揚感を感じている女性とデートをしたりホテルで過ごしたりする。J君はこれを、もう数えきれないぐらい繰り返していることになります。
女性にとっては、セラピストと自分とが一対一の関係性なので、毎回が大切な経験であり、一回一回が貴重な思い出ですが、セラピスト側から見れば、何度も何度も繰り返される同じような光景なのでしょう。
ですから、女性に取っては毎回真剣で特別な時間でも、J君にとってはデートで過ごすこともホテルでの性的サービスも、特別なことではなく、よくある日常の風景になるのでしょう。
ですから「笑えることややっちゃったことが印象に残る」は、J君の経験上の言葉でもあるのだと今の私は思います。
演出のことを知ってからJ君に聞いたのですが、1回目に会った人は、次の指名を頂くまでほぼ顔も名前も覚えていないそうです。
1回目はお客様側にとっては初の出会いなので、刺激的で楽しくて女性側はウキウキしてJ君にDMを送ってくることが多いそうですが、そのお客様に会った次の日から(多忙な時は、その日から)J君はもう次の新しいお客様に会ってデートしたり性的サービスをしたりしています。J君にとっては次から次へと会う女性が変わるので、1回や2回ぐらいでは、顔も名前も覚えていられないのでしょう。
この二泊三日の旅行は私にとってはJ君に会う13回目ですが、J君にとっては女性に会う2,000回目ぐらいかもしれない事を考えますと、確かに普通のことは覚えていられないのだろうなと。
「やっちゃったことのほうが普通の事よりも覚えている」こう言ってくれたJ君の言葉の意味がより実感できます。
私はよくJ君と過去の思い出話などをしていたのですが、冷静に考えてみますと、いつも大勢の女性とやりとりしているJ君の方から過去の思い出話などは言われたことがほぼありませんでした。
私にとって貴重な1回でも、仕事として女性に会っているJ君にとっては、サラリーマンの方の日々の業務やルーティーンのように、時間が来たから女性に会って、目の前にある仕事をこなしているというひと時だったのかもしれません。
女性側もそれを理解して、本気で両想いだと信じたり、自分だけが特別な存在だと思い込まずに、そのぐらい冷静に割り切っていたほうが、後から辛くならずにその場その場の時間を存分に楽しめるものと私は考えます。
J君にとっては2,000回目ぐらいのデートなのだと理解した上で利用したかったです。
当時の私には、J君も毎回私と同じような気持ちで楽しんでくれているとしか見えていませんでした。
演出のことを聞いてから、J君が言った言葉。
「女性が同じようなことをすることは、けっこうあるんだよね」
「その場合、あたかも初めてかのように驚く演技をしているよ」
J君が言う「同じようなことをする」の意味は、以下のような内容です。
・同じホテルに呼ばれる
・同じレストランに行く
・同じような手紙を受け取る
・同じようなプレゼントをもらう
・同じような手作りスイーツをもらう
・同じような内容の話をされる
・同じようなお願いをされる
・同じような質問をされる
当然のこととして、セラピストは毎回新鮮な気持ちでJくんに会う女性に対して「また同じ・・・」という表情を見せられませんよね。ですから、毎回初めてのような演技をするのだとJ君は教えてくれました。大げさに「驚くふり」をすることは日常茶飯事だそうです。
セラピスト側がこのような演技をしているとは女性にはなかなか分かりにくいので、女性側は「すべて演出してくれている」ぐらいに思って利用したほうが、本気でハマらずに冷静に利用できるものと私は思っております。
よく届く皆さんからのご意見があります。
「J君はアスカのために精一杯甘いサービスと演出をしてくれている」
私もそう思います。仕事やセラピスト業で忙しい中、お金を受け取れるとはいえ、二泊三日を私に割いて普段よりも安いお値段で私に楽しそうな演技をし続けるのは大変だったことでしょう。J君が不機嫌そうなことや無口なこともありましたが、それ以外の時には私のことを考えて行動してくれたことも数えきれないほどあります。
そんな素敵な態度を見せてくれたJ君との時間だからこそ、私が本気でJ君から好かれていて、本気で特別だと思ってくれている等と思い込まずに、冷静にそれを受けとめたかったのです。
「セラピストとお客様」と完全に分かっていれば、本気の恋愛だと思い込むことなく、J君からの態度や行動はありがたく感謝で受け取れたと思うからです。
後から演出されていた分かりますと、すべての幸せな思い出が苦しみと虚しさに転じてしまいます。
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[アメトピに初めて掲載して頂きました]
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私とセラピストJ君のストーリーは
こちらを記事を読んでから
読んでいただけますと内容が分かりやすいです。
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[ガチ恋や依存的な感情でお辛い方へ]
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特に、私アスカが感じている
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一方で、
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2021年07月28日 09:12
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