いつもアスカのブログへのご訪問ありがとうございます。沢山の方にブログも漫画もアクセスしていただき感謝しております。

 

 

 

多くのコメントやご意見も本当にありがとうございます。皆様からのご質問やアドバイスに関しましては、エピソードが終わりましたら一つ一つ回答させていただく予定です。

 


 

本日は皆様に嬉しいお知らせがあります。

 

 

 

去る5月16日より、ピッコマ・LINEマンガにて漫画の合冊巻の配信が開始されました。今回の合冊巻は、過去に配信された1~10話が1巻となっています。

 

 

 

新しく合作巻の配信になりましたことは、継続して読んでくださる読者様のお陰に他なりません。いつもアスカとJ君のエピソードに関心を持っていただき本当にありがとうございます。皆様が読んでくださっていることに心から感動しております。

 

 

 

また漫画会社様にも大変お世話になっております。漫画の製作についてはもちろんなのですが、どんな時も私の話を聞いてくださって過去の傷が癒されております。いつもありがとうございます。

 

 

 

なお、合作巻が開始されましても、1話ごとの配信はこれまで通りです。無料公開範囲や有料固定話数につきまして、ピッコマ・LINEマンガともに変更はないとのことでした。これまで通りお読みいただけます。

 

 

 

今の私にできることはブログを進めることですので、できるだけ間を空けないように更新し続けるよう努めます。

 

 

 

もし女風の利用で辛い方がいましたら、今は返信できていないのですがアメブロメッセージかXのDMからお聞かせください。大切に読ませていただきます。エピソードの更新が終わりましたら、女風で悩んでいる方に対して自分にできることを少しでも行っていきたいと考えています。

 

 

 

女風について最近は雑誌やニュースでよく取り上げられています。どれもユーザーが泣いている内容ばかりです。

 

 

 

 

私にできることは微力でも、コツコツと継続したいです。

 

 

 

ブログも漫画も読んでくださる皆様がいなければとっくに心が折れていました。ブログも途中で止めていたかもしれません。

 

 

 

なお、エピソードはどれも当時の心境を書いております。皆様から「今のアスカから当時を振り返って、過去の自分をどう思うのか」というご質問も多数いただいております。その件につきましても、エピソードが終わりましたら回答させていただく予定です。

 

 

 

読者の皆様、コメントやいいねをくださる皆様のお陰です。いつも本当にありがとうございます。

 

 

 

 

 

 

 

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J君のヒンヤリとした指先が、私の肌に当たっている。

 

 

 

静まりかえった大きな部屋。その中央にどーんと空間を占拠する巨大なベッド。その上に置かれているような私たち。綺麗な掛布団の下に横になっている私とJ君の真ん中でゴソゴソと音がする。

 

 

 

やっと気づいた。J君が私のそばに近づいてきたのだ。

 

 

 

信じられないことが起きている。私は思考グルグルさせながらもついに諦めていた。しかしJ君のほうから私の手を取ろうとしている。

 

 

 

アスカの心の中)

(J君・・・)

 

 

 

(もう諦めていたから信じられない・・・)

 

 

 

(でもすごく嬉しい・・・)

 

 

 

 

涙涙涙涙涙涙涙

 

 

 

J君が私の手に触れ、指を絡めてくる。繊細な指先が私の心を溶かす。J君が触れてくれる面が熱くなり、私も力を入れてJ君の手を握り返す。


 

 

 

J君)

「アスカちゃん、こっちにおいで」

 

 

 

 

無音だった場がJ君の言葉で壊された。なんて美しい声なのだろう。まるでハープの調べを聴いているかのようだ。

 

 

 

なんと。

 

 

 

J君が一気に掛布団を剥いだ。そのまま自分の身体によって、一気に私のほうに被さった。J君の体重が私の身体を押す。突然の出来事で何が起きたのか理解できない。心臓が一気に熱くなり、息ができなくなる。

 

 

 

 

静まり返った空間に、J君の優しくて柔らかな音だけが響く。

 

 

 

アスカ)

「うん・・・」

 

 

 

J君)

「アスカちゃん、キスしていい?」

 

 

 

普段のJ君は、こんなことを私に聞かない。いつも甘い雰囲気の中で、J君が勝手に私の肌に触れ、勝手にキスしてくる。

 

 

 

アスカの心の中)

(J君・・・キスしていい?だなんて)

 

 

 

(そんなの聞く必要なんてない)

 

 

 

(だって、いいに決まっているでしょう?)

 

 

 

 

今夜はイチャイチャできないことを自分なりに受け入れていただけに、喜びが爆発しそうだ。

 

 

 

 

J君の問いかけにすぐに答えたかったが、胸がいっぱいで言葉が出てこない。

 

 

 

ベッドの上で身体を重ね、J君が綺麗な目で私を上から見つめる。

 

 

 

J君の右手が、私の頬にそっと触れる。恥ずかしくて目を閉じたくなったが、頑張って開けたままにした。今はJ君を見ていたい。

 

 

 

ゆっくりとJ君の顔が私のほうに近づいてくる。心構えがないままに、チュッとおでこにキスされた。

 

 

 

数分前まで暗い気持ちの中で眠ろうと思っていた。だが今の私は全身があっと言う間に情熱の炎に包まれる。

 

 

 

唇同士で軽いキスを数回。そこからお互いに段々と激しい息遣いに変わる。二人とも相手を求めあうキスになる。今まで会ってきた中で、こんなにも長くキスだけをしていたのは初めてかもしれない。

 

 

 

それぐらいの長い間、J君がキスを止めない。

 

 

 

J君に触れられるのは手も唇もどこでも幸せしかない。だからこんなにも多く、そして長くキスしてくれるJ君の気持ちが嬉しすぎる。

 

 

 

もう何度もイチャイチャしているからJ君が触れてくれる手順に慣れているつもりだったけれど。

 

 

 

今夜のキスは今までにないやり方で心が追いつかない。

 

 

 

J君の息遣いに合わせる私。J君の求めてくれる気持ちにリズムを合わせて、私もそのまま唇を重ねたままにする。

 

 

 

 

J君はコンペに負けた結果で、本当は寂しくて悲しかったのだろう。

 

 

 

J君だって辛かっただけに、きっとずっとイチャイチャして癒されたかったのだ。

 

 

 

だから本当はいつもよりも温もりを求めていたのかもしれない。J君はいつもクールさに身を置いて、心の深いところでは何を考えているのか隠している。

 

 

 

驚くほどの長くて、信じられないほどの回数のキスをした。

 

 

 

その後J君の手によって私の下着が脱がされる。お互いに、荒い息のまま抱きしめ合った。

 

 

 

 

J君は疲れているだろうに、いつも以上の情熱で私に快楽と至福を与えてくれる。

 

 

 

何一つ起きない夜であることを、密かにガッカリしていたのに。

 

 

 

今まで一度も与えられたことのないほどのキスから始まる夜に激変した。

 

 

 

初めてのキスの嵐。

 

 

 

その後もずっと快感の連続。

 

 

 

朝まで待つしかないと落ち込んでいたのが嘘のよう。

 

 

 

いつもと同じイチャイチャの夜。

 

 

 

だがいつもとは全然違う。数えきれないほどのキス。

 

 

 

 

私は快楽と恍惚感に包まれながら、ぼんやりとあの文章を思い出していた。J君に送った愛の口コミを。


 

 

 

 

「彼は、光そのものを纏った

甘くて危険な引力だ。

 

 

 

私のすべてが

抗うことなく彼の視線に吸い込まれていく。

 

 

 

凛として静かな佇まいは

夜空を切り裂くほどに研ぎ澄まされ

 

 

 

けれどその瞳の奥には

無限の星雲が静かに渦巻いていた。

 

 

 

銀河の果てで

日常の重力は吹き飛び

熱く、柔らかく、甘い時空が生まれた」

 

 

 

 

それと同時に、私の脳内では初めて出会った運命の日を頭に浮かべながらJ君からのキスと抱擁が夜中まで続いていった。

 

 

 

 

J君という煌びやかな銀河の星は、今夜も私の胸を強烈に震わせて。

 

 

私の全身に鋭い光線が走り抜ける情熱の夜の記憶が、また一つ増えた。

 

 

 

 

 

この地球上で最も美しく最も眩しいシリウスが、この世界の中心で私をきつく抱きしめる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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お風呂から上がり、あとは寝るだけだ。

 

 

 

大きなベッドにJ君が先に入った。めずらしい。いつもはJ君が先にベッドに入ることはほとんどない。それほど疲れているのだろうか。私に触れることもなくベッドに横になるJ君の姿に、小さな悲しさが湧いてしまう。

 

 

 

だが今夜もどんなしぐさもかっこいい。何気ない行動がどれを見てもモデルみたいだ。私も後から大きな同じ掛布団の中に潜る。

 

 

 

ご飯を食べている時から寂しくて悲しそうなJ君だった。お風呂では仕事とは関係のない話も楽しそうにしてくれたけれどずっと辛そうだった。

 

 

やはりコンペで採用されなかったことは精神的に相当影響を受けているのだ。それに加えて新人セラピストとの問題まである。

 

 

 

アスカの心の中)

(J君、このまま寝ちゃうのかな・・・)

 

 

(私はイチャイチャいしたいけれど)

 

 

(ハグもキスもしてくれないの?涙)

 

 

 

お風呂ではバッグハグをして入浴してくれた。豪華なホテルだが、お風呂は湯船はあまり大きくない。しかしその分密着できる幸せがある。温かなお湯に包まれてているひと時は、かっこいいJ君の肌だけではなく心にまで触れているようで何回一緒に入ってもいつでも感動してしまう。

 

 

 

いつもならお風呂から出てベッドに入る前にもハグしたりキスしたりしてくれるJ君だ。だが、今日はさっさと横になってしまった。

 

 

 

J君がベッドのすぐそばにある電灯のスイッチを切る。部屋中が一気に暗闇に包まれる。

 

 

 

悲しんでいるJ君にキスしてほしいとは言いにくい。私はいつものように触れて欲しい気持ちが溢れて胸が痛いほどだ。心臓の音が漏れてしまいそうなほどドキドキしている。だがどんなにキスしてほしくても、コンペに負けた直後の今夜だけはJ君にワガママを言ってはならない気がした。

 

 

 

できることならば、辛そうなJ君を私の温もりで癒してあげたい。J君の気分が少しでも良くなるなら、抱きしめ合ったりJ君を気持ち良くしてあげたりしたい。

 

 

 

やっぱり私はどうしてもイチャイチャしたくてたまらない。本当は触れて欲しい。いっぱい抱きしめ合いたい。J君が疲れているかもしれないけれど、せっかく会えたのだから、キスしてほしくてたまらない。

 

 

 

だけどこんなにも焦燥感で疲れ切っているJ君にお願いしてもいいのだろうかと何度も思う。いつもならイチャイチャしたくてたまらない私の気持ちを抑えることなんてできないけれど、今夜はどうすべきかをグルグルと考える。今日はJ君に会った時から、それぐらいJ君の様子が違っていた。

 

 

 

 

それに前回、J君はHなことは人生に無くていいと言った。男性器もいらないとまで衝撃の発言をした。キスもイチャイチャもしなくていいと。

 

 

 

だけどそう言った後でも、その言葉がまるで意味を持たないかのように私にいつも以上に触れてくれた。イチャイチャもした。溢れるほどの褒め言葉と共に。

 

 

 

J君は時々何を考えているのか分からなくなる。今日はやっぱりイチャイチャしたくないの?キスもハグもしないの?男性器はやっぱりいらないの?

 

 

 

 

 

「シーン」

 

 

 

物音ひとつ聞こえない。暗闇に目が慣れてきて、壁にかかった絵画の額縁がほんの少しだけ目に入る。

 

 

 

アスカの心の中)

(やっぱり、今日のJ君は何もせずに寝ちゃうよね・・・)

 

 

(イチャイチャしたいと伝えたいけど、どうしよう・・・)

 

 

(もしかしたら、朝起きたらイチャイチャしてくれるかもしれない。ずっと前に、朝起きてからくっついてくれたこともあったし・・・)

 

 

 

ずっと前のことを思い出す。会って3回目のことだ。夜もイチャイチャして、目が覚めてからさらにイチャイチャしてくれたことが一度だけある。強烈な記憶として、あの日の喜びは心に何度も湧いてくる。

 

 

 

だが明日の朝、目が覚めてイチャイチャしてくれる保証はどこにもない。

 

 

 

本当はJ君に抱きしめられたい。だけど私も仕事で絶望的な気持ちを味わったことがあるから、ワガママを言うべきではない。J君にお願いを言っていいのか悪いのか。葛藤が止まらない。

 

 

 

「シーン」

 

 

 

アスカの心の中)

(本当はイチャイチャしたいけれど、明日の朝してくれる希望を持って寝るしかないよね・・・)

 

 

 

(J君はきっと朝にイチャイチャしてくれる)

 

 

 

(そう信じるしかないよね)

 

 

 

(Hなことは人生にいらないと言ったけれど、前回はイチャイチャもキスもしてくれたし)

 

 

 

 

 

「シーン」

 

 

 

隣に大好きなJ君がいる。手を伸ばせばすぐにでもその肌に触れられる距離だ。だが、今夜だけは諦めるしかないのかも。大丈夫。明日の朝にしてくれるから。同じ考えが何度も湧いてしまう。

 

 

 

今回だっていつもと同じでお金はちゃんと払った。それに大好きなJ君に褒められたくて、私は死に物狂いでコンペや他の仕事までした。疲労困憊になるまで頑張ったのにキスもハグもしないの?努力したから、J君、私のお願いを聞いてくれてもいいよね?

 

 

 

 

アスカの心の中)

(眠れそうにないけれど)

 

 

(J君が部屋の明かりを消したし、先にベッドに入って目を閉じているんだから)

 

 

(今夜だけは私も、もう寝るしかないよね・・・)

 

 

 

私も無理やりに目を閉じる。さきほど一緒にお風呂に入っていたときのように、やっぱりハグもキスももっとしたくなる。お風呂タイムからの脳の興奮は収まりそうにないけれど、明日も仕事が山積みなので私も今夜はしっかり眠らなければならない。

 

 

 

 

アスカの心の中)

(はぁ・・・・せっかく会えたのに)

 

 

 

仕方ない。もう寝ようかな。でもイチャイチャしたい。でも寝るしかない。こんな夜はイヤ。でも朝に希望を持って寝よう。

 

 

 

そうして諦めかけていたら。

 

 

 

なんと。

 

 

 

仰向けで寝ている私の右手に、触れている何かがある。

 

 

 

何が起きているのかよく分からない。

 

 

 

頭の中で思考が高速回転して、何が起きているのかを突き止めようとする。

 

 

 

さらに私の右手に触れようとしてくる何かを感じる。

 

 

 

アスカの心の中)

(えっ?!)

 

 

 

(もしかして・・・・・)

 

 

 

(J君の指が私に触れようとしているの?!)

 

 

 

(まさか・・・・)

 

 

 

 

驚きすぎて、息が止まりそうだ。

 

 

 

暗闇の中で、お金が包まれた幸せの黄色いハンカチがぱっと頭に浮かんだ。

 

 

 

いきなりさっきまでの黄色が黄金色に変わってキラキラだ。

 

 

 

 

____________

 

アスカです。更新をお待たせしてしまい申し訳ありません。沢山のコメントやご意見をありがとうございます。関心を持っていただけて嬉しいです。

 

 

ブログの間が空かないようにできるだけ連続して更新するように努めます。また、エピソードの内容は本題に関係ない内容はできるだけ省いて進めるようにしていきます。

 

 

小さなエピソードでも私にとりまして大きな出来事や記録したいことは書いておりますことをご理解いただけますようお願いいたします。

 

 

 

 

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お茶を終えて、いつものように二人で入浴することになった。

 

 

 

洋服を脱ぐ前に毎回の儀式がある。J君へのお支払いだ。

 

 

 

実は、懐石料理の夕食を食べ終えた時、淡い期待があった。コンペには負けてしまったけれど、私は今までにないほどの人生をかけて企画書を作った。そのために有料で勉強会に参加したり、関連する本を購入したりもした。どうしても勝ちたかった。どうしてもJ君の夢を叶えてあげたかったから。

 

 

 

自分のすべての時間と労力をかけた。こんなに努力したことはないと断言できるほど取り組んだ。

 

 

 

結果は負けてしまったけれど、J君からの上司からの評価もあった。社内で賞賛してくれた人もいた。

 

 

 

お互いの約束でJ君の本業の手伝いに対して、J君から私へのお支払いはない。それでもJ君の手伝いができればいいと納得していた。ただし、今回の結果が出てみてから、私を労う何かがあってもいいのではと考えていた。そう思ってもらえるぐらい本当に頑張ったから。

 

 

 

だから、もしかしたら、「アスカちゃん、ありがとう。今日はお礼だよ」と言って、夕食のお支払いをしてくれるのではないかと考えていた。

 

 

 

だが。

 

 

 

お支払いの時に、J君はいつもと何も変わらない態度だった。財布も取り出さないし「俺がご馳走する」という顔もしなかった。

 

 

 

小さな期待は叶わなかったが仕方がない。それも理解している。お互いに私が夕食代も払うと分かった上で会っているのだからと自分を納得させた。今夜もいつも通りに私がお金を出した。

 

 

 

今回の会うことに対しても、夕食時と同じ期待を少しだけしていた。

 

 

 

「俺の仕事を頑張ってくれたから、今回の分のお支払いはいらないよ」と。

 

 

 

だが夕食を私が払った時点で、その言葉をJ君が言わないことを私は悟った。

 

 

 

これまで会ってきた時と同じようにお金を渡す儀式をすべきだと分かっている。

 

 

 

今回は大きな鳥の模様が入った黄色の封筒を選んだ。はっきりと意図した訳ではなかったが、J君を元気づけたくて明るい色と羽ばたく鳥の柄を選んだのかもしれない。

 

 

 

幸運の黄色いハンカチという言葉を耳にしたことがある。だから、幸せな黄色い封筒を。

 

 

 

J君は「ありがとう」と言っていつものように、いつもと同じ顔でお金の入った封筒を受けとった。

 

 

 

 

__________

 

後日談です。

 

 

当時の私は女性用風俗やセラピストのことをよく分かっていませんでした。女風について調べていなかったことと、J君が伝えてくれる内容を信じ切っていたからです。

 

 

J君は「セラピストは支払ってはならない決まりなんだ」と教えてくれていました。ですから、私は何が何でもセラピストは支払うことはルール違反であり、お客様が必ず支払いをしなければならないと思い込んでいました。

 

 

 

女風の利用規約では確かにお客様が全てを支払う決まりになっています。ホテル代、飲食代、セラピストの交通費、その他、一緒に過ごしている間に発生するお金はすべてお客様の支払いです。

 

 

セラピストがお支払いするのはゼロであり、そうでなければならないとJ君から聞かされていました。

 

 

後から分かりましたのは、セラピストがご馳走することは規約違反ではあるのですが、実際には珍しいことではありません。お客様とセラピストがお店に言わなければ分かりませんので、セラピストがご馳走することは横行しています。

 

 

当時の私はそのことを全く知りませんでした。まさかJ君がご馳走している他のお客様がいるなんて夢にも思いませんでした。

 

 

ですからたとえ仕事をしたとしても、J君がお店に所属している以上は、お店のルールに従うべきなのだと理解していました。

 

 

 

今思えばですが、あれほど頑張って努力しても、コンペに命を懸けても、ご飯すらお支払いしようと思ってもらえなかったことに大きな虚しさを感じます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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夕食を終えてホテルに戻ることにした。夜風が心地いい。口コミの話をしてから、なぜかJ君は口数が少なくなった。

 

 

 

キングサイズのダブルベッドがあるお部屋を選んだ。ブルーの絨毯と座り心地が良さそうなソファが魅力的で、この雰囲気でJ君と過ごしてみたかった。

 

 

 

自分が予約した部屋に来るといつも思う。昔は高級ホテルに泊まることなんて一度たりともなかったと。そもそも日常ではホテルを利用しないし、旅行に行くと言っても格安サイトの狭いお部屋ばかりだったから。

 

 

 

今夜もかつての私には想像もできないような美しいお部屋にいる。隣にはかっこよくて大好きなJ君がいてくれる。

 

 

 

まるで映画の中の世界と、日常生活とを行ったり来たりしているような気持にもなる。だが、J君の仕事をするようになってからは、よりJ君の存在が私にとって現実味が強くなっている。それほど出会った頃の二人に比べて、少し前から私たちは共有する時間も仕事内容も多くなっていた。

 

 

 

いつものように私が紅茶を淹れる。今日も大丸東京で購入した高価なケーキがデザートだ。お茶をいただきながら話の続きをする。

 

 

 

J君は改めて次の社内コンペについて説明した。私にとって今回が初めてだったので、私が要領を掴んでいないこともあった。

 

 

 

だがAさんやBさんからの説明や、今回の結果を聞いて、どのような点が評価されたのかさらに理解できた。今まで、私に足りなかった考えも明確になった。

 

 

 

J君の事業について、初めて携わったこともあり、分からないままに取り組んでいたの。私にとってまだまだ知らないことが多かった。

 

 

 

J君の説明によれば次点だったそうだ。次こそ勝ちたいとJ君は何度も言った。

 

 

 

J君は、以前、怒られた上司を見返したいと言っていた。今回は、その憎い上司もJ君のチームを褒めてくれたという。J君は、その褒め言葉は嬉しかったが、やはりその上司を見返したいという気持ちが消えていないと教えてくれた。ライバルへの悔しい気持ちも大きくて胸を痛めているという。

 

 

 

J君の最近の生活においては、コンペのことも新人セラピストのことも考えすぎて疲れているそうだ。いつものようにかっこいいお顔なのに、今夜は疲れているJ君の横顔が泣きそうにも見えてしまう。

 

 

 

コンペの悔しさと新人に負けるかもしれない恐怖。紅茶を飲みながら、そのことをJ君は何度も吐露した。

 

 

 

J君のためになるならどんなことでも力になりたい。だから口コミも真剣に書いた。推敲するのに数日かけた。たった一つの文章でも、最高の内容を目指すなら、私にはそれぐらいの期間がかかってしまう。

 

 

 

J君は口コミに対して何も言ってくれなかったけれど、私には内容に自信があった。他の誰も書いていない文章にすることができたから。あの口コミならきっと目立つ。J君がどんなに素敵なセラピストなのか他の女性に伝わるはずだ。

 

 

 

だが、私がJ君の役に立ちたいことと、これからもコンペの手伝いができるかどうかは別問題だ。

 

 

 

J君の力になってあげたいけれど、これまでの熱量の仕事を継続することなんて私にできるのだろうか。朝から晩まで、寝ても覚めてもJ君の仕事に取り組んできたから、極度の疲労も溜まっていた。

 

 

 

J君は勝ちたいという。コンペも。セラピストとしても。絶対に負けたくないと。

 

 

 

しかし私に対して次のコンペを手伝ってとは言わない。

 

 

 

私はJ君の話を聞かされてどうすべきなのだろう。分からないままにティーカップの中身が減っていく。

 

 

 

 

____________

 

アスカです。更新をお待たせしてしまい申し訳ありません。沢山のコメントやご意見をありがとうございます。関心を持っていただけて嬉しいです。

 

 

また少しずつ更新していきますのでよろしくお願いいたします。

 

 

エピソードの内容は本題に関係ない内容はできるだけ省いて進めるように努めます。

 

 

 

 

 

 

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