石の上にも○○年~物書き志望女のひとりごと -29ページ目

石の上にも○○年~物書き志望女のひとりごと

日常で気になったことや、長い物書き志望歴で思ったことをランダムに綴ります。

長いことコンクール応募を続けていると、毎年大体同じ先に出しているなあと気付く。好きなジャンル、好きな主催先、好きな作家さんが最終選者とか(一次で落ちちゃうと、その作家さんに読んでもらう段階にもいかないわけだけど)。

 

でも、ずうっと落ち続けていると、その投稿先とは相性が悪いと考えてもいいんじゃないかと思うことがある。同じ作品でも違うコンクールに出したら入賞、ということもあった(これ、あまりやらない方がいいと言われているので、よほど気に入った作品に限っているけど)。

 

なので、相性が良ければもしかしてご縁ができて、その先の何かにもつながるかもしれない。だからどこに応募するかは、いろいろ試す方がいいかな、と思い始めた。

 

というわけで、毎年風物詩のように応募する先もあるけど、ちょこちょこ新しいコンクールも開拓している。

ここ数年は、地域の自治体が主催する募集が増えてきたので、そちらにも目を向け始めた。

 

ところが、このコロナ騒ぎ。

 

4月末締切のコンクールがあって、おうち時間が増えたこともあり、それに向けて準備をしていたのだけれど。

 

その時期の自治体はどこも、やれ給付金だ、申請書だ、証明書だ、マイナンバーだ、システム不備だ、と上を下への大騒ぎ。そこのHPで小説応募要項を毎日チェックしていたけれど、中止や延期の告知は出なかった。

 

どうしようか……。

 

もし自分がその自治体の小説公募の担当係だったら?

出版社ならともかく、役所の一公務員(たぶん)の身で、こんな状況で何百通もの応募作品を平常心で管理できるだろうか? コロナ関連の次から次への飛び込み案件に駆り出され、そんなん忘れてたわ! てなことにならないだろうか。

 

しかもその応募方法、ネットじゃなかった。印刷して郵便で送付、との指示。

ちょうどその頃、どこぞの郵便局で感染者が出て、配送物が局止めになりしばらく届かないというニュースもあった。

 

届いた応募作品は、役所の担当者が整理して、下読みする人にコピーを回すのだと思う(たぶん)。担当の方も、送られてきた原稿を触ったりすることからしてかなりの注意が必要では。そして下読みする人への郵便事情も心配。更にそれをまた一次通過以降の選者に回すのに以下同文……と、これが最終選考まで繰り返されるのでは? それ、滞りなく進むのだろうか……。

 

そんなことを考えてしまうと、このコンクールに出すのはためらわれた。きっと役所の方は臨時的なことで大変な中、通常業務も必死で回している。時差やテレワークなどで普段と人手も違う。応募作品なんて一つでも少ない方がいいのでは……。

 

悩んだ挙句、応募を見送った。これからしばらくはネット募集しているところへ絞ろうかと思っている。

 

まあ当落は別として、一応精魂込めて書いた物だから。せめて普通に読んでもらえる環境のときに送り込みたいな、と思うわけで。それがいつになるのかは読めないけれど。

 

(了)

 

 

 

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マリー・アントワネットが革命から逃げようとして失敗し、パリに戻ってきたときのこと。従者が「御髪が……」と叫び、鏡をのぞいたアントワネットは悲鳴を上げる。5日間の道々、民衆から浴びた罵倒や暴行の恐怖で、白髪になっていた……。

 

というシーンが「ベルばら」にあった。子供の頃は深く考えなかったが、最近思う。恐怖で白くなるというのはどんな風に? 根元から髪の先まで全部、というのはどう考えても変じゃない? だとしたらその逃亡の5日分の生え際の部分? それ、そんなに目立つ?

 

なんてことが気になったのは、このコロナ禍で怖くて美容院に出かけられないせい。2月中旬が最後で、もう4ヶ月空いている。いつもは1ヶ月強で我慢の限界、染めてもらわずにはいられない。

 

でも、三密だし不要不急っちゃあ不要不急だし。外出予定がほぼなくなってバイトもテレワーク中心になって。他人の目を気にしなくて済むし、まあいっか。と放っておいたらすごいことに。


そろそろ外に出ることが増えてきて、そのたび市販の白髪用ファンデをペンキよろしく根元に塗り塗りすること15分以上。さすがに手間だけど、そうしないとほぼお婆さん、らしく、周りに「ちょっとすごいね……」と絶句されたり。

 

それでも美容院をまだ躊躇し、こうなったら白髪がどのくらいあるのか観察してやろうじゃないの、と開き直っていた。いや、観察してみると、想像以上のパーセンテージで、どうなんだろう、7割くらいは白いのかしら、と唸ったりして。

 

そうなると、美容院へ行かない選択肢を取るならば、自分で染めるしかない。ということで、薬局でシエロを買う(CMでよく見かけるあれです)。


これ、ずいぶん昔に使ったことがあるけど、自分じゃ後ろが見えなくて染め残すし、塗ってしばらく置かなきゃいけない間何もできなくてイラっとして使わなくなっちゃったやつ。

 

今回は時間もあるし、いろいろと切羽詰まった事情があるし、躊躇なく取り掛かる。洗面所に新聞紙敷き忘れて飛び散ったり、ノースリーブで挑んでしまったり、生え際にクリームを塗り忘れたり、とか迂闊なことの連続で、洗面所にも肩にも顔にも若干の染めが移ったが。

 

感想ーーいや、きれいに染まるじゃん。

 

ちょっと驚いた。以前感じたほど手間でもないと思えたし、ファンデで塗るよりずっときれいで自然な仕上がりとなり、毎度15分の手間よりずっと楽。

 

しかも白髪って何か栄養不足なのか、手触りで傷み切っている感ありありだった。今回の染め材はもしかして栄養剤も含まれているのか、サラサラキラキラになってその色だけでない実力に感無量。美容院へ行くより相当に安上がりだし。

 

シエロ、まだ半分残っているので、最低あと1回はこれで行こうと思う。


で、アントワネットの話だけど。恐怖で白くなったのはやっぱり生え際で、裁判の間に髪が伸びて総白髪になったのじゃないかと想像。どうでもいい考察ですね、はい。

 

 

(了)

 

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6/5のニュースによると、ヤマト運輸の宅配便の取扱個数が5月としては過去最高だったそう。前年同月比19・5%増の1億6498万個ということで、どう想像すればいいのかよくわからないけど、国民一人が一個は頼んだという感じだろうか。

 

このステイホーム期間中、買い物や散歩などたまの外出時に必ず見かけたのが宅配便の車。出かけるときに入口にヤマトさんがいたと思えば、帰りには佐川さんがいる。普通の小型トラックから宅配の制服のお兄さんがせわしく降りてきたのも見た。もしや社名の入った車が足りなくなったのだろうか……?

 

こんなのを見ると、単なる趣味のための注文をすることに躊躇してしまう。

 

去年ハマったタカラヅカ。そのBDかDVDを年末くらいから物色しながらも、日々の雑事に流されてなかなか注文までいかずにいた。そうこうするうちにこんな事態になり、用事は全てキャンセル。暇になった。ではではこの機会に、滞っていた注文をしようではないか、と思い付く。

 

そもそもの登録作業が面倒で、そこでストップしていた。腰を据えてやってみると、何だ、結構あっさり済んじゃったわ……。


で、リストアップしたBDのうち、さてどれを頼もうか。それとも一気に全部手元に置いてしまおうか? いやいややっぱり楽しみは少しずつ。金額的にもそれがいい。とか、ウキウキは募る。

 

そんなとき、とあるブログ記事を目にした。毎日楽しみに読んでいる宅配お仕事漫画ブログである。


それによると、増えまくる在宅ワーク関連の電化製品が売れに売れているとのこと。店舗が休業しているため、通販による販売のみ。そして歩合制の宅配のお兄さん方は収入倍増! ……でもあまりに過酷な忙しさのため、皆が辞めたがっている、と。

 

そうだよね……少し考えればわかる。そうなると、ご贔屓ジェンヌさんのBDにのんびり浸ろうと考えていた自分が何か申し訳なくなってくる。「カゴに入れる」「支払方法を指定する」などの手順を踏む手がのろくなり……結局最後の「ポチ」ができないで終わってしまった。

そうでなくても消化しきれていない録画がいくらでもあるので、不要不急なのは明らかだし……。


誘惑は他にも。

昔いくつか登録したサイトからじゃんじゃんDMが入ってくる。今なら何%オフとか、おうち時間を楽しく、とか、魅惑的な誘い文句を添えた服だのバッグだの食べ物だの。暇に任せてあれこれチェックしてしまうと欲しくなる。そしてまた、宅配のお兄さん方の負荷を増やしていいものか? とポチる手が止まる。


でも。

タカラヅカも現在公演休止中。将来的にまた以前のように楽しませてほしいと願うなら、今物販に投資するのは正しいのでは?


服にしてもバッグにしても食べ物にしても、面倒な登録を既に終えてるくらい好きなお店。購入して貢献したいとも思う。


けれど。

今日もまた、宅配便の車を目にした。

・・・ポチっていいのかなあ。今も迷っている最中……。

 

 

(了)

 

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5/9の日経新聞で、作家の堂場瞬一さんが書かれていたこと。

「外へ出なくてもできる」

「一日中椅子に座ってパソコンの画面をうんうん唸っているようなイメージ」

作家のお仕事とは、世間からするとそうなるのだろう。で、この外出自粛の中、「原稿が進むこと進むこと」とも。

 

物語を書きたい私としても、このステイホーム週間はまとまった時間が取れそうという意味で期待があった。引きこもり推奨の日々、他の予定が全てなくなったので、創作に専念できるだろうと。

 

ところが、堂場さんのように「進む進む」とはならない。プロの方と比べても仕方ないけれど、パソコン画面に向かってもキーの一つも叩けない。とにかく、まずその前段階の「準備」が大事なのはわかっていた。

 

当然まずアイディア。それを膨らまして起承転結のストーリー作り。調べたいことがあれば資料を探し、それからプロット。ここでエピソードの羅列。キャラ立て、箱書き(シーンごとにエピソードを並べたもの)。私の場合、そこまでできてからようやく「原稿を書く」ことを始められるわけで。(人によっては全く違ったり、他にもルーティンがあったりすると思う)

 

なので、アイディアもない段階でステイホームとなってしまっても、せっかく膨大にある時間が有り余ってしまう。そんなもったいない、とGW前、とにかくアイディアを出しまくった。それぞれにストーリーを一応つけてみた。で、ステイホーム週間突入。

 

ところが、いつも以上に進まない。いや、下手に時間がある分進むのだけど、何か違う方向に進んでいる気がする。ストーリーはこっちへ行くはずなのに、思いの外主人公がヘタレでそうなってくれない、とか。主人公をクールに設定し直すと、友人との会話が成り立たなくてやっぱりストーリー迷走、とか。じゃあその友人とのシーンは不要で別のエピソードを考えないといけないんじゃ? とか。そのたび立ち止まり、プロットに戻ることになる。


直して書き直してまた直す。それでもそのたび何か変、となる。とりあえず書き進んだところまで読み返してみると、まああちこち取っ散らかっていてちっとも面白くない。わあーと叫び、それを全部投げ捨てて違うネタに移ろうか、とやけ気味になる。

 

ええ、確かにパソコンを打つ時間は増えた。例えば「あいうえお」の繰り返しなど中身のない文章を一日中打つみたいな、キーの早打ちのようなことならば50枚くらい平気で進む自信はある。

 

外に出かけない、ということは、何かが急にポッと浮かんでくるチャンスがないということでもある。電車でボーッとしているとき、どこかへ早足で向かっているとき、何かを小耳に挟んだ時。


つまり、書き手が座ってばかりいると創作上の人物も動かない、と。

よく言われる、人物が勝手に動き出すというのは、そういうのが土台になって初めて成る……私の場合。


自分があれこれ動いてみることがアイディアを膨らませる大事な要素だと、そういえば遠い昔に気付いた、なんてことがあったような。

 

あれは確か、物書きになりたいからと仕事を辞めたときだった。書く時間を作ったはずなのに、一日中家にいると何も浮かばない。時間はただ無駄に過ぎていく。

そう、作家さんはただパソコンに文字入力をしているだけではないのです……。今更また同じことを思い知った自分。

 

そんな後悔をこの時期さんざん思い出しつつ、だから必死で作品一つ仕上げた。面白くない駄作だとしても、これをできなくてどうする、と自分の中の何かと戦っていた、このステイホーム週間でした。

 

(了)

 

 

 

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ゴールデンウィークはステイホーム週間。なので今年はほとんど外に出なかった。

 

たまに買い物、散歩くらい。それも朝一番に済ませてしまったので、気候がよくわからずに終わった。そもそも直前が平年より相当寒い春だった。ずっと薄めのダウンを羽織って出かけ、それでちょうどいいかむしろ寒い日もあったのだ。

 

それが、先日外に出たら、暑い。家の中はあまり日が当たらないので気付いていなかった。ダウンなんてとんでもない。日射しは刺すように強いし、ツツジもいっぱい花をつけていて、いつのまにか初夏になっていたのだった。

 

そんなような、このおうち週間で気付いたこと。

 

その1:毎朝毎晩熱を計る日々、思っていたより平熱が低いことを知る。ずっと36.5℃だと思い込んでいたけど、それは若い頃の話。そういえば近年高熱が出たっぽいときしか計っていなかった。年を取ると平熱下がるとの噂、聞いたことはあったが、実感……。

 

その2:水道代、跳ね上がる。請求書、二度見。家族みんなずっと在宅、しかも感染防止対策でやたらに手洗いするため、目を疑う金額になっていた。

 

その3:タオルが常にびしょぬれ。理由は2と同じで、やたらの手洗いで替えても替えてもすぐにそうなる。洗濯する身としてはキーッともなる。

 

その4:ゴミ出しばかりしている。家にいると何でこんなに出るかな、というくらい、料理、紙関係のゴミ。テイクアウトしたものの容器。暇に任せて年末並みに掃除しまくって大量に出た不用品。マンションのゴミ置き場があるのでそちらに出しておけばいいが、とにかく1日1回にとどまらない。どのお宅も同じらしく、いつ行ってもすごい量がたまっていた。

 

その5:ラジオ体操とは、キツイものだったと知る。

運動不足を少しでも解消するため、1日10分のテレビ体操で体を動かすのが日課になった。この番組は、いくつかの運動+ラジオ体操という構成。見本のお姉さんが5人いて、彼女らを必死で真似る私、正直あのように美しくはとても動けない。かつ、子供の頃いかにいい加減にラジオ体操していたかを痛感。お姉さんのやる通りにしっかりやると、回旋にしても伸脚にしても深呼吸にしても、相当ハード。ジャンプに至っては、音楽が余ってしまう。要は跳躍の高さが出ないため着地が速すぎるわけで、1リズムにつきお姉さん達より1回2回多く飛んでいる……。せめてそれが正されるくらいの足腰を作りたい。

 

そして気付けば初夏だった。……と思ったらここ数日は冬に逆戻り。閉じこもっていると季節感がなくなる上にこの気温変動の目まぐるしさよ……。たまの外出時、一体どういう服装が正しいのか全くわからない。今年はたぶんどこへ行っても換気のためにあちこち開け放されているだろうから、その分も読めない。


ああでも、例年のようなクソ暑い真夏は、気付かないうちに終わってくれるとありがたいのだけど。

 

(了)

 

 

 

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漫画家の野間美由紀さんが亡くなった。

 

ツイッターでついこの前まで愛猫や手料理や手芸のことなど普通につぶやいてらしたのに……。ほとんどのコミックスを持っている私には、いきなりすぎてショックが大きい。

 

花とゆめ(白泉社)などに掲載された「パズルゲーム☆はいすくーる」シリーズが代表作だと思う。

 

この漫画は高校生が主人公の学園ミステリだけれど、長く続くうちに、大人になってからの「プロフェッショナル」、中学生時代の「Jr.はいすくーる」、高校卒業後探偵になる前の「プレステージ」、彼らの子供達が主人公となる「NEXTゼネレーション」等、時代を行き交うようになる。

 

私個人としては、職業や舞台が自由に広がる「プロフェッショナル」の世界が特に好きだった。

 

また、もう少しアダルト向けの、宝石をキーにしたミステリ漫画「ジュエリーコネクション」シリーズも私の愛読書だった。精巧に描き込まれた宝石達に毎度毎度見惚れた。ストーリーの中での宝石の使い方も面白く、何度読み直したことか。

 

野間さんのコミックスには、雑誌掲載時は広告欄(翌号の予告など)だったスペースに、読者へのメッセージが細かい字で目一杯記されていた。内容は、ファンレターへのお礼やお勧めミステリや、アイディアを思いついたきっかけなどの裏話。

 

例えば、「パズルゲーム☆プレステージ」PRACTICE4の「証明写真は語る」。主人公が妙なサイズの写真を拾い、調べてみると銃の取得と狩猟免許に使う証明写真の大きさだった――という、胸のざわつく展開。

 

この話は、ご自身が写真屋さんにお子さんのプリントを取りに行ったとき、目にした証明写真のポスターを見て思いついたという。そりゃ私だってそういうのを見たことはあるけど、全くスルーしていた……。

 

「パズルゲーム☆プロフェッショナル」PROBLEM10の「旋律の銃弾」では、オルゴールが出てくる。といっても手持ちの小さなものでなく、大昔の大仰なもの。こういうオルゴールの博物館があることもその欄で知り、足を運んでみたら実際に曲を聴かせてもらえた。現代のレコードやCDとどう違うの? くらいの素晴らしい音色の演奏が再現されるのに驚いたっけ。

 

こういうオルゴールは中に組み込むロールペーパーにいくつもの小さな穴が開いていて、それが巻き取られる際に音を出す仕掛け。「旋律の銃弾」では、そんなオルゴールが曲を奏でたとき、何か変な一音が混じる。その異音は、ペーパーに撃ち込まれた弾丸の穴のせいだった? となり、ええっ、先が気になる! と読むのが止まらなくなるストーリーだった。

 

(余談だが、「プレステージ」はPRACTICE、「プロフェッショナル」はPROBLEM、はいすくーる」はNOTE、「NEXT」はCONCLUSIONと、章立てが時代ごとに違い、そんな細かいこだわりがまた好きだった)

 

野間さんという方は、作品から想像するに、可愛らしいデザインやアンティークな小物がお好きなのだろうと思う。だから初めはネタとしてではなく、ご趣味の延長としてオルゴールに興味がおありだったのではないか。そこからそんなストーリーを広げていった。証明写真と同じく、普段の手近なところを見つめる目が違う。広げていく創造力が違う。私も面白い物語を創りたいなら、こういう力をつけないとダメだろうと思った。

 

最初は単にストーリーが面白いから好きだった。でも自分が創作するようになってからはお手本に思えた。野間美由紀さんは私にとってそんな漫画家さんだった。

 

本当に残念です。謹んでお悔やみ申し上げます。

 

(了)

 

同じく花とゆめで活躍されていた大好きな和田慎二さんが亡くなったときのショックを思い出しました→「和田慎二さん、逝く

 

 

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シナリオ学校に通っていた頃、よく言われたことがある。


テレビは時代をリードするものだから、それを頭に置いて番組を作っている。だからドラマシナリオを書くなら、時代性を取り入れることが一つのポイントなのだと。

 

今のテレビは、日がな一日コロナコロナ。見ていて鬱々とした感情しか湧き上がらない。そういうのを何とかしようと、アーチストやタレントがテレワークでつながって励ます番組がどっと出てきた。最初は「おお、こういうやり方もあるか」と確かに時代を感じた。まさにテレビは時代の最先端を進むもの。と、うなずいたのだけれど。

 

正直そろそろ飽きてきた。


ドラマやバラエティは、新しい収録ができないためにコンテンツ不足。その中で「時代感」という使命を果たそうとしているのだろう。けれど、あまりに多いと内容に関係なくどれもこれも同じに見えてきてしまって。

 

テレワークという時代性ある新しい形なのはいい。でも、自宅の壁やらカーテンを背景にした俳優やアーチストは、照明が家庭用のせいか暗いし顔映りもよくない。音声も途切れがち。違う場所にいる多くの人が画面を分割してつながるというのも、オンライン飲み会や在宅勤務と同じで単調。要は、テレビのプロの技が使われていないからか、見る側の素人がやることと大して変わりばえしないように見えるのである。

 

そんな中、そうではない穴埋めもあった。過去の人気番組の再放送だ。私としてはこっちに軍配。

 

例えばTBSの「JINー仁ー」(2009年、2011年)。2クール分を3週に渡って週末で一挙放送してくれた。この録画があればGW後もしばらくはもつ、なんて思っていたけど、一気に見終わってしまった。タイムスリップの医者ものだけれど、伝染病のくだりなんか恐ろしいほど今とリンク。仁先生が未来からタイムスリップしてきてくれないかしら、と本気で思ってしまった。

 

日テレの「野ブタ。をプロデュース」(2005年)もいい。私の好きな木皿泉さん脚本。昨日見た回の、手帳という小道具の使い方など実に上手くて勉強になる。まだ高校生役の亀梨くん&Pが若くてかわいい。結婚引退してしまった堀北真希ちゃんがいい味を出している。当時ヒットした主題歌も好きだった。

 

同じく日テレ「ハケンの品格」(2007年)は続編が近日オンエアということでの再放送らしいが、鬱憤を発散できる爽快さがある。

 

日テレ(またも)の金曜ロードショーでは、ネットで「観たい映画」の視聴者リクエストを行っている。おとといは「トイストーリー3」を放映していて、以前からこのシリーズ大ファンの私は観入ってしまった。(以前見た感想はこちら→http://baseballdrama.blog18.fc2.com/blog-entry-75.html#more

 

良作は、時が経っても何度観ても良い。ドラマに限らず、過去のスポーツの名勝負や宝塚の舞台などの放送もある。思わず引き込まれ、気分が洗われる。


時代を先取りするのがテレビの役目かもしれないけれど、こういう不測の事態の時。立ち止まって振り返るのもありな気がする。


ここ何年も、前へ前へ早く速くと追い立てられる感じがしていた。過去の良いものを観直す時間も余裕もなかった。それらからは、必ずパワーなりひらめきなりの何かをもらえるものだと改めて思った。

 

(了)

 

 

 

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このご時世、学校もオンライン、帰省もオンライン、飲み会もオンライン。政府が推奨するものはみんなオンラインで、お仕事も同じく、それがいわゆるテレワーク。

 

私がやっているバイトは、ざっくり言ってしまえば「データ入力」で、このほどその噂のテレワークというやつを初体験した。

 

そもそも紙ベースの物をパソコンに入力する仕事なので、その紙がないとできないんだし、と諦めていた。それがどうにかできるように環境を整えてもらえた。


むろん、一気に在宅へ100%切り替えられるわけじゃなく、出社日もある。でも、たとえ半分の日数でも安心感は全然違う。

 

ただし、割と泥縄的にバタバタとレクチャーされてあとはよろしくね、って感じだったので不安もあった。家で一人で、さてこれから業務開始するぞ、ってときに、「パソコンが会社のサーバにつながらない!」なんてことになったら。つながっても途中でワケわからんフリーズでもしたら。

 

けれどあっさりクリア。意外に何のトラブルもなくサクサク進む。紙分のデータ自体をパソコンに取り込んでもらえたので、それをいつものデータとして入力する形。紙がないのは画面上を行ったり来たりとイマイチやりにくいが、それも慣れるとどうにかなってくる。

 

何より通勤がないのが楽すぎる。片道1時間、化粧や着替えやお弁当などの支度、万が一のための余裕分を含めると、3時間ほどが浮く。


今は電車に乗ること自体が怖いので、それがないとストレスが全く違う。家を出ないのでマスクも節約でき、助かる。平時の時でもラッシュや何かの事故で遅れた大混雑などもあった。その、会社に着いただけで今日の仕事は終わった的な体力消耗とも無縁。

 

「今日は午後から通り雨が」なんて天気予報があっても洗濯物を外に干せて、昼に取り込める。今の時期、それで十分乾く。

 

水筒で持参していたコーヒーも、メーカーで保温したまま、好きな時にカップに注いで飲む。その際のおやつとして、前日にクッキーとかケーキなどを焼いておく。これを楽しみに仕事のテンションも上がる。


気温変化の激しいこの時期、服選びに失敗し、
会社で震えっぱなし、または汗だくなんてことも。あるいは冷房戦争。それもない。こころゆくまで着ぶくれすることも可。


そういえば、オリンピック開催が決まってから、今年の夏の通勤を恐れていたっけ。真夏のクソ暑さには毎年やられ、必ず体調を崩す。それに加え、オリンピックの大混雑に巻き込まれたらと思うと憂鬱で。


世の中にテレワークという手があるということは知っていたけど、まあ自分には無縁だろうと思っていた。でも来年オリンピックが開かれるとしたら使えるだろうと思うと気が楽だ。

 

ただ、通勤は意外に歩数を稼いでいた。それが全くなくなった。でもお菓子の摂取量は増えている。……そういえば私、糖尿病予備軍だったんだっけ……。

 

それに。

 

ビデオ会議だと映像が粗いということに気付いてしまった。そうなると化粧もせず服は上半身だけそこそこ、という技を使うように。元々少ない女子力が落ちるばかり……噂に聞いてはいたが。


物を書くために会社を辞めた大昔を思い出す。テレワークなんて影も形もない時代だったけど、毎日通わなきゃいけない先がなくなり、「わーい」と日がな一日物を書いていた(そのうち書けなくなって心地悪くなったけど)。ほぼほぼ家に籠っていたのは一緒。女子力が落ちたのも一緒。運動不足も食べ過ぎも一緒。


あれから何年? 世の中はこんなに変わったというのに、同じ轍を踏みまくっている自分に、ちょっと唖然としている……いや、喉元過ぎてめっちゃ忘れていたというべきか。


(了)

 

 

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フランスのノトモイツさんという方が、7メートルのベランダを3000往復し、42.195キロを完走したとのこと。


このところの外出自粛で運動不足が懸念される。

 

私の普段の運動といえば、週1のテニスがメインだったのだけど、今は休止。それ以外は柔軟体操、腹筋背筋、腕立てとマエケン体操(肩甲骨を回すやつ)くらいだった。でも「なるべく、できたらやるね」というレベル。


まずいなあと思って、Eテレのテレビ体操を録画し、とにかく毎日のどこかでその10分だけは死守することにした。


他にないかと考えた末、思いついたのはマンションの階段の上り下り。でもこれ、どのくらいの運動になる?

 

今の時代、ありがたいことにスマホに普通に歩数計がついている。歩数だけでもわかれば目安にはなる。

 

何とか自粛前の1日平均56000歩は稼ぎたい。階段なら結構いけるだろう、と、マンション最上階までムダに上り、1階までムダに下りる。


けれどこれが稼げない。1往復でたかだか600歩前後ってことに愕然とした。6000歩には10往復しなくてはならない! 体重を引き上げる分、なかなかに負荷はかかるのでかなりへこたれる。おまけに私はよく足を踏み外すので、ものすごく要注意。滑って足でも折って病院行き、なんて絶対ならぬ。


ということで、とりあえず自分に甘く、2往復くらいでよしとする。

 

じゃあ、と、周辺をひとまわり走ってみる。息が切れたところでイヤになり、見ると300400歩。うーむ、全然足りない。

 

くじけそうになっていたところに、冒頭のノトモイツさんのニュースを見た。フルマラソンに幾度も参加する方だそうで、こんな環境でも42.195キロを走った。ベランダで。


これを、やってみる?

 

うちのベランダじゃ、7メートルもなくて、せいぜい3メートル。ま、3.5あることにして、そうすると単純計算で往復数はノトモイツさんの倍。……6000往復? ……気絶していいですか?

 

そんな壮大な野望は無理だけど、せめて100往復くらいは頑張ってみてもいいんじゃない? というより頑張らないと体力の危機。とやる気を奮い起こす。

 

でも……100往復=3.5m×100×2=700m……目が回りそうな割に距離は伸びない。

 

とりあえず雨なので家の中を行ったり来たりしてみた。けれど、ちまちま端数を埋めるくらいの歩数。景色も変わらないし、飽きるなあ。やっぱりベランダの方が多少なりともやる気になるかも。


しかし翌日は風が強かった。翌々日は寒かった……とかグズグズ。(私見ですが、球技が好きな人種は「走るだけ」とか「筋トレだけ」とかが苦手だと思う)

 

仕方ない、ニンジン作戦。


頑張れたらおやつに自家製のバナナケーキをたっぷり食べよう。(←おうち時間が増えてから作ってみた。うまくできたので再度作る予定)。おいしい紅茶も淹れて。うんうん、それなら頑張れるかも。

 

けどすぐ「食」に興味が向くのもヤバイ。それじゃあせっかく走っても元の木阿弥か、マイナスか。ついでに言うなら、ろくに運動していないのにお酒も飲みたくなる。外に出ないので昼から気兼ねなく飲めちゃうのが怖いところ。

 

やはり検討段階でグズグズしている場合ではない。42.195キロは無理としても、ベランダマラソンを今日から始めよう。始めるべき。始めねば。

 

(了)

 

 

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年度末の恒例なのか、こういうご時世のための激励特番なのか。このところ、テレビで歌のスペシャル番組が多い。懐かしいものから新しいものまで一気に聴けて嬉しい。歌は心を癒すし思い出とリンクするし口ずさめば発散にもなるし。

 

そんなのを見ているうちに気付いた。私の中で、一つ聴くともう一つを思い出すというセットになっている歌がある。今のところ自覚したのは二組だけど。

 

一組は、プリンセスプリンセスの「M」⇔槇原敬之の「もう恋なんてしない」。(敬称略)

 

「もう恋なんてしない」は、同棲していた彼女と別れてしまったらしく「いつもよりながめがいい 左に少しとまどってるよ」とある。


こういう表現、好き。

いつも隣にいた彼女がいなくなったから、その陰になっていた景色が見えるようになった。「寂しい」とは言っていないのにひしひしとそれが伝わってくる。

 

シナリオなり小説なり、こういう書き方をしたいなあ、と思う。

 

M」でも「あなたのいない右側に 少しは慣れたつもりでいたのに」と、同じような感覚が歌われている。それで私の中で「もう恋なんてしない」とリンクしてしまったみたい。

 

何でいつも男が右で女が左なんだろう、と、そのたびに思うのだけれど。(車道でその並びで歩くと、男が女を車から守る格好になる、というような話を聞いたことがあるけど、私はしてもらった記憶はありません………………)

 

もう一組は、竹内まりやの「駅」⇔寺尾聡の「ルビーの指輪」。(同じく敬称略)

どちらも別れてしまった相手を思い出している歌。


「駅」の出だしは「見覚えのあるレインコート 黄昏の駅で胸が震えた」。おそらく私と同世代なら、その続きもそらで歌ってしまうはず。

 

「ルビーの指輪」は「街でベージュのコートを見かけると 指にルビーのリングを探すのさ」が印象的。これだって歌詞を見ないで歌えちゃう。

 

でも、あまり意味を考えずに覚えてしまえる年頃だった当時は、ただ音とリズムに言葉を乗っけていただけだった。私の場合、カラオケなどであるとき突然「こんな歌詞だったのか」と気付く歌は多く、この二つもそうだった。

 

どちらも失恋相手を思い出すきっかけは、見かけた誰かの着ていたコート。ただそれだけで私の中でリンクしてしまっているようだ。

 

「駅」も「ルビーの指輪」も、まだ元カレ元カノを吹っ切れていない。そしてどちらの歌も、別れてから2年が経っている。

 

何で2年なんだろう。傷が癒えているか微妙な年月だってことなのか……。恋愛経験が豊かではない私には何とも言えないけれども。

 

ただ、この2曲も、とても素敵な言葉選び。未練、心残り、切なさ。そんな単語を使わずに思いが伝わってくる。

 

この二組の歌がそれぞれリンクしたのは、歌詞の内容に似たものを感じたせいもある。でも、物語を書くにあたって、常々思っていることがある。直接的じゃない表現で思いを感じ取らせる書き方をしたい、と。そういうお手本の歌詞だと感じたせいもあるかと思う。


他にもそういったお手本はいくらでもありそう。いい歌、好きな歌の歌詞を改めて見直してみようかな。

 

 

(了)

 

 

 

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