最終回が30分とか15分延長、というのが人気ドラマだったんだよ、とのバロメータみたいになってどのくらい経つだろう。
この時期、ドラマの改編期だからまたそれを目にすることも多いのか、と思いきや、今クールは不調ドラマばかりだったらしく、ほぼないようだ。
正直、ホッとしている。いつのまにか風習になってしまったこの「延長」が、あまり好きじゃないから。
連ドラ1回1時間分の脚本は、民放なら原稿用紙50枚くらい。自分も物を書くので想像はつくのだけど、多分60~70枚書いて、冗長な部分をカットし、枠に収める。
その際、気に入っていたシーンとか台詞とか、泣く泣く削ったりもする。だけど、結果としてその方が全体のリズムや流れが良くなり、キレのある濃い1時間ドラマになる。削りすぎて意味不明になってしまうこともあるが、大抵は前者になると思う。
これは脚本ばかりじゃなく、撮影にしてもそうなのじゃないかと想像している。思い入れがあって削りたくないからって全部残してしまうと、観る側からしてみれば大抵冗長にうつる。
そういうのを、「人気があったご褒美」として削らないでいいですよ、となったようにしか見えない延長が多いのが残念。
つまり、内容的には60分のものの贅肉部分を削らない90分で放送された感じ? そうなるといつもに比べて薄くなっている感が拭えない。これは、視聴者が物を書いたことがない人でも感じることだと思う。
延ばすならいっそ2回分を90分にして一挙放送とか、濃さを損なわないよう考えてほしい。人気あったんだよ~と自慢したいがための延長なら、ない方がいいと思うのだ。
だって、長ければいいってものじゃない。
例えばネットニュース。字数制限がないのかダラダラ何ページにも渡って要点がボケているものも多い。
バラエティの特番生放送にしても、長時間流しっぱなし、ダレた時間は人気芸人の繋ぎに頼っているだけの手抜き番組? と訝ってしまうのは毎度のこと。
ただ、そんなのを目にするたびに思考は自分が書くものに戻ってきて……
そう、とにかく書き殴って目標枚数に到達、やったー! ……ではなく。ちゃんと推敲して贅肉を落とし、リズムを良くする姿勢を忘れちゃならないよなあ、と気を引き締める効果にはなっている。
(了)
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