言わずと知れた、大人気漫画。
その中で私のイチオシは嘴平伊之助である。
イノシシの被り物をした、闘争心旺盛な、主人公の鬼殺隊での同期。言葉は悪いし、猪突猛進だし、おだてりゃ木に登り、人の影響を受けやすいお調子者。でも実は美形。おちゃめで可愛げがあるんで気になって仕方ない。
主人公は心優しき竈門炭治郎、その妹は鬼化しながらも心はまだ人の竈門禰豆子、同期の我妻善逸、先輩の煉獄杏寿郎、宇髄天元……等々、他にもたくさん登場するキャラはみんな個性的で魅力いっぱい。
と、ここまで、コミック片手に漢字を確認しながら書いている。
というのも、人に話したいキャラばかりなのに、ちゃんと名前を覚えきれていないから。時代設定が大正ということもあって難しい漢字のオンパレード。一度では頭に入らない私の脳のキャパの小ささよ……(しくしく)。
噂には聞いていたけれど、今更ながらようやく読み始めたら止まらなくなった。
人間を喰らう鬼と、それを退治する鬼殺隊との壮絶な戦いのお話。
鬼の残虐さの描写は凄まじい。そもそも私はグロいのが苦手。見せ所がそれだけなら早々に挫折してしまったと思う。
でも先へ先へとページを繰る手が止まらなくなるのは、残虐さを打ち消して余りある、心つかまれるものがあるから。
仲間や先輩とのやり取り、親きょうだいへの深い思いなど、笑えたりほっこりしたり。
敵の残虐な鬼達さえ、それぞれ過酷な過去があり、走馬灯でそれらが明らかになった時の哀しさと言ったら……。
ただキャラ立ちしているだけじゃなく、なぜそういう性格になったのか、更には漫画なのでそのビジュアルになった理由が、ものすごくストンと腑に落ちる。涙なしでは読み進めない。
それほど人物の作り込みが深く、背景も考え込まれていて、胸をえぐられる人間ドラマがてんこもり。また壮大な世界観もただごとじゃない。
異世界もの、というくくりになると思うが、読み手の立場――学生でも社会人でも老若男女どんな方でも、どこかに必ず共感する点があるんじゃないだろうか。そんな様々なキャラがリアルに息づいている。
絵柄も怖さと可愛さのバランスがよく、読みやすい。
というわけで、一応少年向けのジャンルだろうが、大人でも十分にハマる。
掲載誌の少年ジャンプには、長年「友情」「努力」「勝利」という三大原則があるそうだけれど、最近は薄れたと聞いていた。
この漫画、「友情」「努力」は申し分ない。今のところまだ最後まで読み切れていないので、3つ目は確認できていない。つい先だって最終回を迎えたと話題になっていたけど、さて「勝利」は訪れたかな。
でもきっとそうなると信じられる漫画だ。
つまり、この「鬼滅の刃」は三大原則をガッチリ満たしているようで、やはりそこは人気作となる大事な要素なのかもしれない。
ちょっと笑ってしまったのは、タイトルに悩んだ旨の穴埋め記述。
「鬼鬼滅滅」「悪鬼滅々」「鬼殺譚」「鬼狩カグツチ」「炭のカグツチ」とか……、
正直どれもピンとこない感じ。
「鬼滅の刃」ならきれいに収まってインパクトもあり、これに決まったのもうなずける。
ところで、作者のお名前が「吾峠呼世晴」さんという。これも登場人物と同じく、私は一度で読めずになかなか覚えられなかった……。
(了)
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