ある日のお出かけの準備

信州花織の単衣の紬に、花刺繍の八寸帯。
抹茶色に花絞り帯揚げと若草色の三分紐に、
帯留めはシロツメクサ・・・に見えるかもと思いつつの白米ごはん
庭園散策に行くので、
テーマは「さりげなく(?)花尽くし」
まず向かったのは、
前夜から「炒飯の口」になっていたので、
兆徳(本駒込)
開店10分前から並んだのに、まさかの私の前の組で満席に

そ、そんなこともある。それが人生・・・

塩味の玉子チャーハンが有名・・・でも、
私はこっちの醤油チャーハンの方が好き。
これ、っていう特別なものは何もないんだけど、「チャーハンが食べたい!」という時に、200%の納得感&満足感で応えてくれる美味しさ

そしてこの日の目的地、
(兆徳から歩いて10分くらい)
六義園(駒込)へ。
水が庭園の中心になる様式「回遊式築山泉水庭園」

五代将軍徳川綱吉の側用人だった大名の柳沢吉保(やなぎさわよしやす)が自ら設計・作庭を指揮し、7年をかけて1702(元禄15)年に完成。
庭園名は中国最古の詩集「詩経」の序文に書かれている「詩の六義」という6つの分類法に由来。
大泉水を囲うように巡らされた園路を辿ることで、和歌に詠まれた名勝を模した「八十八境」を楽しむことができる。
明治時代に岩崎弥太郎(三菱創設者)の所有となり、その後、昭和13年に東京都に寄付され、一般公開されることに。
吹上茶屋

「吹上茶屋」の名前は、庭園内の地名「吹上浜」「吹上峯」などと同様に、紀州(和歌山県)の「吹上峠」および和歌に詠まれた「吹上浦」の景観をモチーフにしていることに由来。

メニューは1種類だけ。お抹茶セット。
お茶請けの練り切りは季節に合わせて、何になるかはその時のお楽しみ。
この日は、藤、でした。
あらためまして、こんばんは。
アヤンティーヌです
今夜は久しぶりの食べ歩き報告記。
上生菓子の、
「練りきり」
最後までお付き合いいただけたら嬉しいです。
一幸庵(茗荷谷)
神楽坂 梅花亭(神楽坂)
塩野(赤坂)
長門(日本橋)
福島家(巣鴨)
大阪家(三田)
さゝま(神保町)
塩瀬総本家 本店(築地)
菓匠 菊家(表参道)
萬年堂 本店(東銀座)
かんたんなゆめ(渋谷)
練り切りには、「練り切り」「薯蕷(じょうよ)練り切り」「こなし」の3種類が。
練りきり
白あんにつなぎは求肥
練り上げ、着色して成形。
薯蕷練りきり
白あんにつなぎは蒸して裏ごしたつくね芋や山芋
練り上げ、着色して成形。
そぼろ状の和菓子のきんとんは
薯蕷練り切りで作られている物も多い
こなし(京都に多い)
白あんにつなぎは小麦粉やもち粉
蒸して熱いうちに生地に砂糖を混ぜ、
もみこなして仕上げることからその名が。
重みのあるむちっとした食感で、
練りきりと比べるとややかための弾力。
4月
菖蒲(あやめ)

こちらのお店では、練り切りはいつも1種類だけ用意されていて、全て薯蕷練り切り。
季節の花を、その時の開花状況に合わせてモチーフにしているのだそうです。
伺ったのが4月の終り頃だったので、丁度この日から「菖蒲」に。
和菓子屋さんに伺う機会はかなり多いのですが、薯蕷練り切りに出会うことは少ないです。
練り切りの種類の違いは「つなぎ」の違い。
中でも高級と言われるのが、蒸し上げた山芋を裏ごししたものをつなぎとして使う薯蕷練り切り。
口溶けが抜群に良く、ふんわりとした柔らかい風味と、ほのかに山芋の香りが薫る豊かな味わいが特徴。
けれど、その柔らかさゆえに成形が難しいこと、風味が飛ぶのが早く、店頭に長く置けないこと(もちろん日持ちしない)、などから、やはり量販するには不向きなのが一因かと(そもそも関東は求肥をつなぎとする練り切りが主流なこともあり)。

茗荷谷に和菓子店を構えて50年。江戸菓子職人の家に生まれ、京都と名古屋の京菓子店で修業したという店主の水上氏は、ロサンゼルスの美術館でワークショップを開いたり、海外でのデモンストレーションが多いことでも有名な方。
わらび餅(秋から初夏まで)

看板商品のわらび餅は特に有名で、開店前から行列ができる日も多く、午前中に売り切れてしまうことも。
しっかりとこしがあるのにとろとろでもあるという不思議な食感で、口に入れると、なめらかなこし餡と共に、あっという間にとろけて喉を通り過ぎてしまうのでした。
5月
落とし文

俳句の季語にもなっている、初夏の代表的な意匠。
「落とし文」は、恋文などを渡したい人の近くに落として拾わせる手紙のこと。
そしてオトシブミという虫は、自分で巻いた葉の中にひとつだけ産卵して、その葉をかみきって落とす様子が、落とし文に似ていることからその名が。
葉っぱの上の白い練り切りは「オトシブミ」の卵を表現しているのだそうですが、「虫の卵」と聞くと敬遠されることもあるため(それに卵は本来巻いた葉の中にあるので)、「葉に落ちた露」と見立てるのもよしと。
四葩(よひら)

四葩(よひら)は、四弁のガクを持つ紫陽花の別名。
紫陽花は花弁に見えるものは実はガクで、真ん中の点が花なのだそう。寒天でできた露雫を添えて。
月見草

夜にひっそりと開花し朝方にはしぼんでしまう初夏の花、月見草。
閉じたつぼみの状態から開花し始めた夕刻の一瞬をとらえて表現。
5月の練りきりのお店
神楽坂 梅花亭

1935年(昭和十年)現在の東京都庁付近にて創業。戦後は池袋を拠点とした後、2005年に本店を神楽坂に移転。現在の店主は4代目。
梅花亭の系譜
現在3店ある「梅花亭」のルーツは、文化年間創業の「梅花亭森田」(戦後に廃業)。
そこから暖簾分けされたのが、梅花亭中村(茅場町)、そこから暖簾分けされたのが柳橋の梅花亭(浅草橋)、そしてそこから暖簾分けされたのが現在の神楽坂 梅花亭。
銘菓 鮎の天ぷら最中

初代考案の、国産の菜種油と米油で素揚げして(一晩おいて油をしっかり切ってから使用)香ばしさを出した鮎の形のもなか。
小豆こしあんと白あんの2種。
賞味期限は7日。
私は、

トースターで焼き鮎にしていただきます。
衣はサクサク、餡はアツアツになってこのうえなく美味!
6月
集彩(あづさい)

あじさいを、いろどりある番傘を集めて表現。紫陽花をモチーフにした上生菓子はとても多い中、独創的で詩的、そしてとても手の込んだデザイン。
真ん中にはアクセントに黄色のそぼろが。
さみだれ

梅雨の季節を感じさせる閉じた番傘。
五月雨(さみだれ)は旧暦の5月頃に降る長雨のことだけれど、梅雨の別名でもあるそう(陰暦の5月は新暦の6月前後くらい)。
撫子(なでしこ)

秋の七草にも入っている撫子は、着物の柄としては、8月から9月上旬くらいと言われる柄。
実際は6月から8月に開花。
ぷっくりしたこの撫子は、こなし製。むっちりねっちりとした噛み応えのある食感が特徴。
7月
朝の雫

雨上がりの紫陽花に、朝露が転がる様子をイメージして。
いくつかの色の練り切りを合わせて美しいグラデーションを表現する「張りぼかし」という技法。
茶巾絞りの色味と、宝石のような錦玉羹(きんぎょくかん・寒天を水に溶かして砂糖と煮詰め、冷まして固めたもの)の輝きだけで、紫陽花の咲く雨上がりの朝の風景を切り取って。
銀河

七夕にちなんで、天の川銀河をイメージ。
職人さんの想像力と創造力が融合した、美しい夏の夜空。宇宙の壮大な物語が小さな和菓子のキャンバスの中に。
金箔のきらめきが水色の錦玉と合わせることで、流れ星のようにも、天の川の星の流れのようにも。
河太郎(河童)

7月24日の河童忌(芥川龍之介忌日)にちなんで。
「河童忌(かっぱき)」の名称は、龍之介が生前に好んで河童の絵を描いていたことと、短編小説『河童』があることにちなんで。俳句の世界では、河童忌は夏の季語。
ちなみに、太宰治は「桜桃忌(6月19日)梶井基次郎は「檸檬忌(れもんき・3月24日)」
頭のお皿とえら(手?)は錦玉。

昭和22年(1947)創業。
初代の高橋社長(現在は2代目)は老舗和菓子店「塩瀬総本家」出身で、「塩瀬」と、初代の幼少時の名字だった「野口」から一文字ずつ取って「塩野」と命名したとのこと。
通常販売の様々な和菓子のほか、毎月変わる、季節に合った上生菓子も常時10種類くらいが店頭に。
季節の干菓子の種類が多いのも、茶席和菓子の名店ならでは。
塩野の練り切りは、どれも芸術品のように美しくて、見ているだけでときめきます。
私は「練り切りを買う」って決めている時は、確定で塩野に。
8月
あさがほ
花開く前の蕾の、たたまれた花びらの繊細なひだに、夏の朝の清々しい空気感まで感じられて。
花ひとひら
同じ朝顔でも、こちらは練りきりの表面を、薄紫に色付けされた寒天で覆うことで、花開いた朝顔のみずみずしさを表現。
その寒天の透明感のある淡い色味を生かすために、練り切りはあえての白。
8月の練りきりのお店
長門 (日本橋)

創業はおよそ300年前、八代将軍・徳川吉宗公の時代。
将軍家の御用菓子司として松岡長門大掾藤原信吉の称号並びに帯刀を許されていたと。
現在の店主は14代目。
一番人気の、
久寿もち
(は、くずもちと言う名のわらびもち)

京都のわらび餅を食べて感動した店主が、東京でも、と販売するも、なかなか受け入れられず、当時既に知られていた三角形の葛餅に形を似せたところ、人気商品になったのだそう。なので小さい三角形に切られています。
食べようと持ち上げると、思った以上に柔らかくてふわふわとろとろなのにびっくりすると思います。
甘さはごく控えめ。甘さ強めがお好きな方は、黒蜜を足したりするのも良いかも。
冷蔵庫で冷やして食べても美味しいです(冷やしても固くならないです!)。
9月
着せ綿(きせわた)

着せ綿とは、9月9日の重陽の節句の前夜、菊の花の上に綿を乗せて移り香を綿にしみ込ませ、その綿で体をふく、あるいはその綿をみにつけることで、邪気を払い不老長寿を願ったという風習のこと。今ではほぼなくなってしまった風習ながら、和菓子屋さんでは9月になるとよく見かけるモチーフです。
秋桜(コスモス)

9月の花といえば、なコスモス。秋の桜と書くのも納得の、桜を思わせる佇まい。
姫菊

こちらも、9月になるとあちこちの和菓子屋さんに並ぶモチーフ。
ヒメジオン(柳場姫菊)のことかと思っていたら、特に植物名ではなく「小さな菊」のイメージということらしいです。
9月の練りきりのお店
福島家 (巣鴨)

巣鴨の駅のすぐそば、中山道沿いに160年以上続く和菓子店。現在の店主は6代目。
創業は文久元年。文久元年に、14代将軍家茂公に和宮妃が御輿入れの際、行列のお供の宿泊可否を調べる軒別帳に「権右衛門店弥三郎菓子屋」との記載があり、この時点で既に菓子店を営業していたことは確認できているからとのことで、実際の創業はそれよりさらに前になるそう。
抹茶色と紫の包装紙や紙袋にある模様は「笹」。
店頭に15種類以上並ぶ上生菓子のほとんどが練り切り。
こちらの練り切りは型抜きの物が多いのが特徴。
地蔵尊

季節のモチーフの上生菓子の中、これだけは通年店頭に並んでいる練り切り。
紫と白を張りぼかしした練り切りを、扇の形をした檜扇紋(ひおうぎもん)の木型で押し抜き。
扇の要(かなめ)の部分には金箔。
巣鴨といえば、とげ抜き地蔵で有名な高岩寺。
その高岩寺の紋が檜扇紋。

お寺のあちこちや、巣鴨通り商店街の門や提灯などにも檜扇が描かれていて、檜扇は巣鴨の代名詞のひとつ。
10月
嵯峨菊

嵯峨菊は、嵯峨天皇がその姿と香りを好んだことから、大沢池(京都・大覚寺の東に位置する、周囲約1kmの日本最古の人工の林泉庭園)の菊ケ島に自生していた嵯峨野独特の野菊を、長い年月をかけて王朝の感覚で改良した格調高い菊。
秋津

「秋津」はトンボの古い呼び名。由来は日本書紀に。
大和の地を平定した初代神武天皇は、丘に登って国を見渡し、
「なんと素晴らしい国を獲たことだろう。秋津(あきつ=とんぼ)の臀占(となめ=交尾)のような形の国だ」とおっしゃり、
これにより古代、日本の本州の呼称は「秋津洲(あきつしま)」と名付けられた、と。
おばけかぼちゃ

ジャック・オ・ランタンは、練り切りのモチーフに丁度良いフォルムなのか、この季節にはあちこちの和菓子屋さんで見かけるのですが、大阪家さんのジャックは、色も表情も、なぜか「かわいい」よりも「不気味」が強い雰囲気

こちらのお店の練り切りはこなし。
なので、しっかり噛みごたえのあるもっちりとした食感です。
10月の練りきりのお店
大坂家(三田)

正式な店名は「秋色庵 大阪家」
「秋色(しゅうしき)」の由来は、大阪家の先祖に当る「お秋」という女性、江戸時代の俳人の俳号「秋色女」から。
「四元禄四俳女」のひとりとして名を馳せ、浮世絵にも描かれているほか、川柳・錦絵・講談・歌舞伎の題材にもなっている女性。
大坂で商売をしていた御先祖が、何らかの理由で江戸へ移ってきたのが元祿年間(1688〜1703年)。
創業300年、現在の店主で十八代目。
江戸時代には京都の宮家から由緒ある店に贈られる名誉称号として「伊勢大掾(いせだいじょう)」という名を受領したとのこと。
十五代目の明治27年まで日本橋に店を構え、火災により港区芝へ移転、さらに関東大震災で三田へ移転して今に至るそう。
(さらに空襲で三田の店舗も一度消失)
お茶席にもよく使われる織部饅頭はこちらのお店が元祖なのだそう。
織部饅頭

大和芋の生地に「織部焼」を饅頭で表現。
井桁柄などの焼き印を入れるお店も多いけれど、こちらは緑の釉薬の垂れのみをはらりと表現。
薄いのにもっちりした薯蕷万頭特有の口当たりの良さと、上品な甘さの餡子がハッとするほど美味しい。
10月30、31日限定の
大目玉

薯蕷万頭に寒天の衣、羊羹の黒目で、生々しい目玉を表現。
「R指定」としてあるのも面白く。
確かにちびっ子が見たら泣いちゃうかも。
キワモノっぽく見えても、大阪家さんの薯蕷万頭は絶品なので、美味しさは保障済!
大人のハロウィンパーティーのお持たせに撃推しです。
11月
落葉

中の餡は大納言小豆のつぶし餡。
燃えるような朱に色づいた落ち葉を表現。
初霜

粗朶(切った木の枝を集めて束状にしたもの)の上に薄っすらと霜が降りた様を表現。
この地味(すみません!)なモチーフをあえて起用するという、それこそがわびさびなのかも。
木枯
木枯らし(晩秋から初冬に吹く冷たい北風)の中、風に舞う枯葉を表現しているそう。
練り切りに潰し餡を入れて成型しているのがちょっとめずらしい感じで、餡が入っていることで、ややざらっとした食感になっているのも面白い(11月25日以降に登場)。
11月の練りきりのお店
看板商品の松葉最中

12月
サンタクロース

まあるいサンタの帽子の赤は、本紅の赤だと暗いので、ピンクを加えて明るめに調整しているこだわりの色なのだそう。
帽子のファーは、練り切りをふるいでこして表現。
冬牡丹

淡いピンクの花びらに、きんとんのせ。
もともと初夏の花である牡丹。冬牡丹は温度管理や剪定等で冬に咲くように調整、花の少ない冬の時期に咲く縁起花。
紅椿

このローズピンクの繊細な色合いを出すために数種類の紅で色付けしているそう。
12月の練りきりのお店
築地駅から徒歩10分。聖路加タワーの真向かい。
創業670余年で、現在の当主は35代目。
日本の饅頭発祥のお店。

店内奥には「浄心庵」という名の「又隠(ゆういん)うつし」の茶室が。
歴史
・中国の禅寺で万頭職人をしていた初代(林浄因)が1349年に来日。奈良の地で、日本で初めて甘い小豆餡と、餡が入った饅頭を作る「奈良まんじゅう」。
・応仁の乱の際、疎開した先の三河国設楽郡塩瀬村(現在の愛知県新城市)の豪族、塩瀬氏より「塩瀬」の名をもらい受け、屋号を塩瀬と名乗るようになる。
・家康公が江戸幕府を開く際、強く請われ、一緒に江戸へ。
・明治時代、菓子商として初めて宮内省御用を命じられる。
逸話
・8代将軍足利義政から、直筆の「日本第一番饅頭所林氏塩瀬」の看板を下賜。
・徳川家康は長篠の戦いで塩瀬の饅頭を兜の上に供え軍神に戦勝を祈願。
・一族の茶人である林宗味は豊臣秀吉の寵愛を受け、千利休に茶を学び、利休の孫娘を妻にした。
(宗味は茶器を包める大きさの紫色の塩瀬袱紗を開発。この袱紗が今日の袱紗、塩瀬織の原型。)
日本の饅頭の歴史はここから、
志ほせ饅頭(しおせまんじゅう)

擂り下ろした大和芋と米粉の皮に小豆餡を包んで蒸し上げた、直径4㎝ほどの一口饅頭。
製造には機械を使わず、
「毎朝職人が大和芋の皮を一つ一つ手作業で皮をむきすりおろし、その日の温度/湿度で調整しながら米粉と合わせこね上げる」
完全手作りなのだそう。
添加物なども入っていないため、どんどん固くなってしまうのは宿命。正直、買って帰ってそのまま食べると、
「ふーん」くらいな感想になるかも(ごめんなさい
)。
なので、面倒かもだけど、「蒸し器で蒸し直して」食べてみて欲しいです。
皮がふわふわのもちもちになって、格段においしくなります!
1月
初春

お正月に「初春」と名付けている上生菓子はいろんなお店でみかけるけれど、初春のイメージのデザインは様々。
こちらのお店では、黄身餡を使った練り切の鈴に紅白でおめでたい鈴紐が。
鈴は、その凛とした音色が邪気を払い場を清め浄化作用がある魔除け。また昔から、神様を招いたり、神の怒りを鎮める力があるという信仰の道具。願い事が成る(鳴る)という開運の意味も。
大神楽椿

この印象的な鮮やかな赤は、「紅絹」の赤をイメージしていると。
太神楽椿は、江戸椿、とも呼ばれていて30枚を超す花弁が、手毬のように盛り上がって咲くのが特徴。
赤に白の絞りが雲状に入る花弁が多い中、白斑が消えてしまって、すべて真紅のものは特に「紅太神楽」と言われるそう。
白玉椿

白玉椿は、冬の到来を予感させる花として、晩秋の茶事・炉開きによく用いられるそう。花言葉は「最高の愛らしさ」
1月の練りきりのお店
菓匠 菊家 (表参道)

昭和10(1935)年、青山通りに創業。1945年の「山の手空襲」の影響で店舗がなくなってしまい、その後骨董通りに移転。
店頭の柳の木の横に引き戸のあった風情ある古民家の店舗を、2021年に新しい自社ビルに建て替え、現在は最上階の9階に店舗が。
ビルの入り口にある柳の鉢植えに、以前の店舗の面影を感じつつエレベーターに乗ると、9階についてすぐ、目の前に以前の店舗の看板「菊家」の文字が。
常に何種類も店頭に並んでいる上生菓子は、伝統的なモチーフはもちろん、オリジナルの独創的なデザインや、餡にも果物やシナモンなど、個性的な風味のものが。
山種美術館の「Cafe 椿」では、展示作品に合わせた菊家の上生菓子が提供されています。
水羊羹
(※ 水羊羹は、桜の青葉が手に入る時期だけ、5月中旬頃から9月上旬頃までの販売。)

作家の向田邦子さんがこよなく愛したという水羊羹。特にお気に入りだったというのがこちらのお店のもの。
お店にも足繁く通われたそうです。
(向田邦子さんは自身を水羊羹評論家と称していらしたそう)
2月
水仙

水仙の開花時期は11月から3月くらい。冬の寒さに負けず、他に咲く花がほとんどない寒い冬の時期に、雪の中でも花を咲かせるので「雪中花」という呼び名も。
ひとひら

桜の花弁。2月も後半になるとそろそろ桜の季節を待ち焦がれてそわそわ。近年ではこのくらいの時期から道明寺が店頭に並び始める和菓子屋さんも多いです。
うば玉

京都発祥のお菓子、うば玉。
名前の由来は、アヤメ科の「桧扇」。夏に開花して、袋状の実をつけ、それがはじけると光沢のある黒い種がぎっしりと入っている。万葉集にも出てくるその実を「うばたま(ぬばたま、とも)」といい、その実を思わせるお菓子として名づけられる。
たいていの和菓子店のうば玉は、まんまるで寒天などで表面に光沢があるものがほとんど。こちらのお店ではやや楕円がかった独特の形で、黒糖こなし製。萬年堂では春先から5月くらいまで店頭に並ぶそう。
見た目はシンプルながら、こなしのもちっとした食感の口福と、黒糖の餡がじんわりと口の中で溶けていく味わい深さは唯一無二。
2月の練りきりのお店
萬年堂 本店(東銀座)

元和3年(1617)京都寺町三条にて「亀屋和泉」を名乗り創業。
当時は店頭販売ではなく、御所、所司代、寺社等に菓子を届ける形で、古い書き物には、生菓子、干菓子、餅菓子に加え各種料理も仕出し屋のように納めていた記録があるそう。
明治維新ののち明治天皇の遷都に伴い東京へ。現在の八重洲口に「亀屋和泉萬年堂本店」を開くも、震災・戦災で八重洲の店舗を消失、銀座の店舗のみ残り、その後銀座内で何度か移転し、令和4年に現在の新店舗を東銀座にオープン。
GINZASIXの裏手から、宮脇賣扇庵(→についてのカニお姉様のブログ)へと抜ける道の途中に。
新橋演舞場にも出店されています。
御目出糖

明治の中頃からあるという看板商品の「御目出糖」。ルーツである「高麗餅」は元禄期の書き物をレシピとしているのだそう。
そのままでも美味しいけれど、蒸しなおして食べると、熱々もっちりとして、口の中でトロッと溶けていくような食感に
(右が蒸し直したもの)。
3月
桜

日本の春はこのモチーフがなくては始まらない。でも、伝統的な練り切りの顔をしていても、中の餡はラズベリーの風味で、ハッとさせられます。今まで練り切りに酸味を感じることはなかったので、新鮮な風味。
春兎
表面に麻の葉の型押し。中には刻んだアールグレイの茶葉の入ったすっきりした餡が。独創的なお味なのに、押しつけがましい感じはなく、舌触りも口どけも、練り切りの良い所を余すことなく伝えてくれます。
嬉々

「嬉々」という名前のオリジナルモチーフの練り切り。
餡は白餡にレモンを混ぜ込んだレモン餡。中心にはレアチーズクリームが。楚々としたレモンの風味の餡の甘さが爽やかに口の中に広がった後に、濃厚でいて甘すぎないレアチーズの舌触りが少し妖艶な感じで混ざり合う、口福な一品。
3月の練り切りのお店
2019年、渋谷・円山町で、おでん屋さんを昼間だけ間借する形でスタート。その後2020年12月から2023年2月まで、解体が決まっていた日本橋のビルに「かんたんなゆめ日本橋別邸」として期間限定でオープン。2023年3月に、再び渋谷に移転。

奥渋のコーヒーショップがたくさんあるメイン通りから、ほんの少しだけ坂を登った所にある、和菓子店とは思えない佇まいのピンクの建物。入口の上にはネオンの看板。
店名の由来は、中国の故事「邯鄲(かんたん)の夢」から。この世は栄枯盛衰、人生は儚い一瞬の夢のようなもの。
食べてしまうと形は消える和菓子だけど、その一瞬を心に残してほしい、と。

シンプルモダンに整えられた店内。一階で注文と会計を済ませて階段を上がると目の前には「壺中日月長(こちゅうじつげつながし)」の掛け軸(掛け軸の下は1階からの吹き抜けになっています)が。
「壺中」は、仏教では悟りの境地、「日月長」は、非常に穏やかで、のんびりとした時間がいつまでも流れている様子を表すそうです。『誰しも平等に与えられた時間とどう向き合うかで、時間の流れ方は変わってくる。忙しい時こそ自分と向き合う時間を大切にしてほしい。』との思いがこめられているのだそう。
女性店主がひとりで、和菓子の製作から接客まで。

店主が手づからたてて運ばれてくるお抹茶に使われる茶碗は、ひとつひとつ違って、全国各地の窯の作家さんの作品だそうです。
そうです、1年がかりのレポートでした

和菓子の中でも、練り切りは別格に美しい

ま、私は3口くらいで食べちゃうんだけど

最後までお読みいただき
ありがとうございます!
