俳優座劇場プロデュース『夜の来訪者』
観劇した会員の感想を紹介します。
ネタバレを含む場合がありますので、これからこの作品をご覧になる方はご注意ください。
広瀬のほとりサークル Sさん
第二次世界大戦の終戦直後にイギリスで発表され、大好評を博した作品の日本版ということで時代背景と原作の重みを感じながら鑑賞させてもらった。
痛烈な社会風刺劇である。「些細な理由で解雇された女性が世の中を転々とし、遂には身ごもり、生活に疲れ果て将来を悲観して自殺に追い込まれる」という悲惨な運命を辿る。女性には解雇した経営者の家族全員が関わっていた…。
経営者の豪華な暮らしの日常に、突然、警部を名乗る「夜の来訪者」は、家族一人一人が女性の不幸を増幅していく経緯を明らかにしていくのだが、この時代背景から考えれば「経営者」あるいは「経営者一族」は社会の支配階級であり搾取する側で、一方の悲惨な運命を辿る女性は搾取される「労働者」の象徴として描かれている。
原作者J・P・プリーストリィは、物語の背景となった時代に対独戦争でナチスに断固として降伏を拒んだ名相チャーチルと国民人気を二分したと言われる。搾取され続ける大衆の味方として人間本来の価値には差別がないと訴え続けた硬骨の人である。
「夜の来訪者」は作品の中では正体不明の人物だが、ここにも作者の鋭い社会風刺がある。警部…警察権力こそ支配階級のポチ(犬)として大衆を抑圧する実行者であった。経営者一家を告発することなど決してしない。…だからこの告発はあり得ない。ならば正義を行うのは誰か…。作者は観る者に問いかけているのである。
広瀬のほとりサークル Kさん
舞台はずいぶん前に見ていましたが今回また新たな気持ちでみて戦前が舞台になっているけれど、今の私たちに投げかけられていると感じました。緊迫する海外で演じてきた柴田さんが、体を通して伝えてくれたものがありました。
彩の会サークル Sさん
警部の追求が、従業員を不当解雇するパワハラ親父から始まって、お得意様という立場を利用したカスハラ娘、二股をかけて捨てる婚約者、話をよく聞かずに最後の望みを断ち切る母親、会社のお金を横領する息子、と、とんでもない家族でした。昭和初期の財閥界隈は、こんなだったのでしょうね。
影山警部が倉持家全員の悪行を暴いたところで終わるのかと思ったら、影山が警察官ではないことがわかってびっくり。そう言えば、警察手帳を見せてないなぁ、確かに写真を見せるのも1人ずつだったしと、「罠」同様、また騙されました。
反省する/しないの2種類の人間に別れてました。まぁ、私の廻りでも、反省しない人はなかなかしないですからね。
最後の方は、影山は何者なんだと思っていたら、事件の報告が後から追いかけてきて、一足先に思い知らせに来た神様かなにかなんでしょうか。非常に面白い作品でした。
広瀬のほとりサークル Mさん
期待通りの素晴らしい舞台に感銘を受けました。ミステリーとして非常によくできた作品でした。娘の婚約者が警部の挙動の問題点を解いていく場面は、確かにそうだなあ、と納得してしまいました。それが最後に、あっと驚く展開で急転していく流れは圧巻です。
推理劇として楽しめるだけでなく、「人間はひとりでは、ひとつの家族だけでは生きていけない」という警部の台詞が心に残りました。また俳優さんの演技の魅力を堪能できました。自殺した女性の怨念を背景に倉持家の面々に迫っていく警部の迫力ある演技と倉持家の方々の軽薄さの対比が際立っていて、舞台に吸い込まれていきました。
この作品は古い時代に書かれたものですが、今の世界と日本の問題を鋭く突いています。隣人への思いやりが当たり前の世の中になってほしいという気持ちを後押ししてもらい、元気づけられました。
広瀬のほとりサークル Kさん
前橋労演で昔、鈴木瑞穂さん主演の舞台を見ているはずだが全く覚えていなかった。そのため、事前知識なしの状態での観劇となり、舞台に引き込まれ、楽しめました。休憩なしというのも緊張が途切れなくてよかったと思います。
娘の婚約祝いの夜に、不穏な雰囲気を持った影山警部と名乗る男が家族と婚約者の行いを追求する。消毒液を飲んで苦しみながら自殺した若い女性の運命に関わっていた事を一人ひとり順番に告げられる。娘と息子はわが身の行いを反省するが、婚約者と大人たちは自分を正当化し、反省の色が見えない。そして、事件はなかった、影山という警部も偽物だと親と婚約者が安心しかけたところに、女性の自殺者が出た、警察も来るとの電話が来て一気に緊張が広がる。これは観ている私も同じで背筋が寒くなった。
果たして死んだ女は影山警部が言っていた女なのか?この後来る警官は影山警部なのか?そして、影山警部はなぜ事件を先に知っていたのか?さらに影山警部とは人間だったのか?神なのか?
「人間はひとりでは、一つの家族だけでは生きていけないのです。」とは、人は関わった人すべてに責任がある、ということだというがかなり重たいものが残りました。
なかまⅡサークル Sさん
役者さんのセリフの迫力に圧倒され、「あらすじ」にちゃんと書いてあるのに、警部が帰った後が本番(?)という流れに驚き、最後の最後でいったい警部は何者?という謎が残り、本当にびっくりさせられっぱなしの1時間45分でした。
彩の会サークル Kさん
娘の婚約者を招いての楽しそうな一家の集いの夜、急に現れた警部という男性によって、変化する家族一人ひとりの心境に、はらはらしながら、緊張感が高まる。
7人の出演者それぞれの優れた演技が私たちを魅了する。目が離せない展開に心を奪われてしまう。ある女性の死に関して、家族全員に次々と質問が及び舞台には不穏な空気が漲る。婚約者の鋭い感で気づいた警部への疑いによって、また主人の問い合わせによる死者はいないとの確認により一気に家族の心に安堵が見られたが、その後の夜更けの電話が恐ろしい!これぞ夜の来訪者か?あの警部は一体何者だったのか?今も私の心に残るミステリーの余韻は、いつまで渦巻いて続くことやらと思われる。
ブルーベリーサークル Hさん
とても面白いミステリーでした。ハラハラ、ドキドキ あっという間の1時間45分でした。
みんな、それぞれ人との関わりの中で生きている。一人の女性、身ごもりながらもなぜ自殺してしまったのか。本当に残念です。
今の時代もこんなことがあるのではないか?!ふと思いました。せめて自分の回りの人々との関わりのなかで助け合い助けてもらい、楽しく生きていきたいと思いました。
コスモスサークル Sさん
ストーリーが面白かったので最後まで集中して観ることができた。セリフも聞き取りやすくて俳優さんたち、すごいなと思いました。
搬出をしましたが、大きくて豪華なセットが組み立てられている仕組みがわかって、感心するばかりでした。とても良かったです。
彩の会サークル Uさん
ブルーベリーサークル Oさん
舞台のセットの豪華さに驚きました。長い間上演されてきた作品は、やはりいろいろ考えさせられるものがあります。誰でもどこかで知らずに誰かを傷つけているかもしれないと、少し怖くなりました。
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