俳優座劇場プロデュース 音楽劇『母さん』

 

 

観劇した会員の感想を紹介します。

ネタバレを含む場合がありますので、これからこの作品をご覧になる方はご注意ください。

 

 

ゆずるサークル Mさん

前評判の高い劇と聞いていました。その通り生演奏の音楽劇は耳と目と皮膚感覚で楽しめる、全身で感じる劇でした。

なぜか不意に涙がこぼれてしまうハチローのさびしがりで奔放な姿は、小さな子供そのものに見えました。阿部裕さんの声や土居裕子さんの歌も素敵でした。が、父 紅緑役の福沢良一さんのタップダンスと声にくぎづけになりました。福沢さんは「ウルトラマンタロウ」の主題歌やメタルヒーローものの歌を唄っている方と知りました。子供の頃聞いた声の本人様を目の前で拝見したのは初めてで、大興奮しました!今回、サークル内で初観劇した方が2名いて、この劇に出会えて良かったという感想でした。それだけでなく、運営サークルを通して演劇でつながる縁がうれしかったです。

 

ルートサークル Oさん

生演奏と供に、詩人ハチローの歌が響き、なんとも心地良い会場の空気感があった。楽しい時間があっという間にすぎました。桜の花に誘われての一夜でもありました。

会員にご縁を戴いて劇団員の皆様と対面式という、これも私にとっては初体験でありました。時間に追われ準備の中、目の前の団員の一人一人のお顔に接して私の心中はワクワクドキドキでもありました。ハチローという一人の詩人のダイジェストストーリーを観客の一人として観て全身で、温かいものを受けた「時間」を戴きました。ハチローの資料館に足を運びたいと想ったのは私ひとりではないと思えた春の一夜でした。心より感謝致します。

 

花盗人サークル Iさん

今回の「音楽劇 母さん」については、終演直後の実感としてはよかったが、後で思い返すと腑に落ちない作品だったと思う。

観劇をしてすぐは、最後の「ちいさい母のうた」の余韻が残り、母を大切にしたい思いや、母を覚えていたい思いがあった。しかし、今改めて思い返すと「なぜ八郎は、父の紅緑と同じように愛人を作り、息子の忠に母がいない・気まずい・苦しい思いをさせることになったのか?」ということに明確な答えが出ていないことが気になってしまった。実際の八郎の伝記や日記にあたったわけではないため、実際の八郎がそのことについて言及したかどうかはわからないが、今回の劇中ではっきりと触れられなかったことで、八郎への十分な共感ができないでいるのだと思う。

歌や生演奏はとてもよかったが、やはりストーリーや登場人物への共感も観劇体験に大きく影響することがわかった。

今回、運営サークルで会場係をしましたが、とても楽しかった。みなさんあいさつをすれば返してくださるし、背が高いことについて声掛けしてくださる方もいた。やはりこのようなイベントの運営はいろいろな人とお話できて楽しいなと思った。

 

スノードロップサークル Fさん

運営サークル打ち合わせ会や事前学習会報告を聞き、期待の中で迎えた公演でした。

幼い頃から親しんだ数々のサトウハチローの歌が、壮絶な生い立ちの中で生まれたものだったことを知り、改めて、歌詞を読みなおしています。

土居裕子さん、阿部裕さん、外キャストの方々の高い歌唱力を存分に引き出していた生演奏のピアノとバイオリンの音色が素晴らしく、高い照明技術と相まって、素晴らしいお芝居を堪能できました。

 

つくしサークル Mさん

サトウハチローの裏の顔は全く知らなくて驚きましたが、心の奥底に母を慕う気持ちがあったことは作品やかくまきでよくわかりました。

例会の後一週間程『悲しくてやりきれない』と『もずが枯れ木で』のメロディーが私の頭の中をグルグル回っていました。

澄んだ優しいハーモニー、ピアノとバイオリンの生演奏、舞台だからこそ味わえる醍醐味。音楽劇とても良かったです。

これからも会員が増え続けてずうっと演劇がみられるといいなあと思いました。

 

つくしサークル Yさん

素晴らしい内容で、とても良い心地よい時間でした。「お母さん」にもっと甘えたかったのかな?男の人は母親が大好きと聞いたことがあります。佐藤ハチローの感性と才能は父親譲りかな?父を憎みながらも、父親と同じ様な道を歩んでいる自分をなんともやりきれないでいたのかもしれませんね。あの時代を生き抜いた人の生き様を少し覗けたような気がしました。

バイオリンの音色は、歌詞を心の奥深くまで届けてくれる様でした。とても良い時間でした。ありがとうございました。

 

つくしサークル Kさん

サトウハチローの詩と行動とがあまりに違いショッキングでしたが、綺麗な生演奏と歌唱に癒され、上演時間が短く感じられました。ストレートプレイでもミュージカルでもなく、音楽劇で正解だと思いました。

かくまきと、へその緒と写真が入った手文庫のエピソードに、母への想いを感じ胸が熱くなりました。

舞台いっぱいの本物の菜の花のシーンも印象に残りました。

 

つくしサークル Kさん

音楽劇おかあさん とてもよかったです。もう一度みたいです。まさに「総合芸術」エンターテイメントでした。ハチローの心のヒダが丁寧にとてもよく描かれていました。かくまき 長女の誕生 グッと来ました。

 

大根サークル Yさん

舞台いっぱいの役者さん達の堂々とした演技、美しい歌声、組み立てあげられた立派な背景、変化あるきれいな照明と大ホールならではの音楽劇と思いました。

 

つくしサークル Kさん

楽器の演奏・歌唱が素晴らしくて感動しました。サークル会議や仲間増やしなど協力したいと思いますが、遠いのがネック。根分けのできない大人数のサークルですが、みなさん元気にいつまでも仲間でいましょうね。

 

【ひとくち感想】

●劇中の歌は素晴らしかった。特に長崎の鐘は自然と涙が流れてきました。被爆され病床にあった永井隆氏の思いを考察するに涙なくして語れません。カーテンコールのお話付き、こちらこそお礼をいいたい。

●音楽劇ということも良かったです。役者さん全員がすばらしい声と動きで伴奏と共に楽しめました。

●歌が気持ちよく響いていて情景にマッチしていた。ピアノの新垣さんが伴奏しながら歌っている姿が印象的でした。照明も特に菜の花に光がピカピカにあたっていて、母さんとハチローの仲良く草むらで、虫とたわむれている姿に、親子の愛情を感じました。

●サトウハチローの数多い詩を産みだす素となった「春母さん」に感謝し、最後の「ちいさい母のうた」に感動し泣いてしまいました。

●生演奏・照明・舞台装置、良かったです。歌も皆さん素晴らしかったです。音楽劇…納得!搬入した物がこんな所に…とか 菜の花がこんな風に使われたんだ…とか、担当したから感じられたこともあって格別でした。

いせさき演劇鑑賞会では、いつでも会員募集中です。
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トム・プロジェクト『モンテンルパ』

 

 

観劇した会員の感想を紹介します。

ネタバレを含む場合がありますので、これからこの作品をご覧になる方はご注意ください。

 

 

ローズマリーサークル Nさん

私はこのお芝居を学習会でお話をお聞きするまでは内容的なことは何も知りませんでした。戦争が終わっても7年の間、戦犯として収容され生きる希望を胸に毎日を過ごしてきた人々のお話でした。一人の歌手が歌った曲が大統領の心を動かし、負の連鎖を断ち歴史が動く。

この内容を脚本・演出により、最初の出だし(一人の歌手が静かに小声で歌い登場するシーン)思わず「何々・・・」と引き込まれてしまいました。見事な演出でした。その後も身体が舞台に引き込まれるぐらい、演じる側に居る様な、アッという間の2時間でした。戦争を題材にしてこのお芝居が私達に訴えたいものは何なのか! 一つの歌が歴史を変えるという美談ではなく、戦争の残虐性、国の罪を個人に着せる非情さ(現在も他国で戦争をしています)考えるキッカケになりました。戦争からは何もよい事は生まれません。戦争はしてはいけないのです。後世に訴え続けましょう! この芝居の一番の印象は、歌穂さんの歌声も素晴らしいものでしたが、やはりキリノ大統領のセリフでしたね。彼は自分の家族を日本兵に殺されているのに、なぜ日本兵を救わなければならないのか、その思いが演じているのに心に突き刺さり、涙が出てしまいました。今回も良い芝居に出会えて幸せでした。

 

藤の会サークル Kさん

最前列で鑑賞することができた。俳優一人ひとりの息づかいや熱気が伝わってくるようだった。また芝居が進むにつれ、自分自身が登場人物の一人になったような錯覚に陥るほど引き込まれていった。                         

特に印象に残った場面は二つ。一つ目は、はま子の「あゝモンテンルパの夜は更けて」の歌唱。華があるのはもちろんのこと、表現力が素晴らしく、一瞬にして聴き入ってしまった(正直、数曲歌ってほしかった)。二つ目は加賀尾とキリノ大統領とのやりとり。(戦争の加害者と被害者の立場と言えるのか解らないが)互いの複雑な思いや感情が交錯、激しさの中に静けさ、苦しさ・つらさの中に温かさなど、何とも言えない見応えがあった。

カーテンコールでの俳優それぞれの言葉では、作品への大事にしている思いが溢れていて心に響いた。

現在各地で戦争が続いている。大切な命や生活が奪われてよいはずがない。音楽や演劇など、文化芸術の力で平和な世界に変えられないだろうか。はま子の最後のセリフが耳に残る。

 

アルビレオサークル Hさん

モンテンルパ刑務所へのはま子の慰問が、どれだけ大きな驚き、喜びをBC級戦犯にもたらしたのか。明日の我が命も信じられない獄中の彼らにとり、唯一心を支えてくれた加賀尾教誨師が、はま子の歌を聴かせたいと尽力する。はま子が刑務所に来てくれると知った囚人たちの喜びように涙がにじんだ。

彼らがフィリピンで犯した戦争犯罪は、とてつもなくむごくて許されるものではない。第二次大戦の極限状態の中で、日・独・伊・米が行った大量殺戮は現実の過去だ。彼らのモンテンルパでの八年。その帰国の年に私は生まれた。それからの彼らの生き方はいかなるものだったのか。

キリノ大統領の決断はすべての憎しみ、悲しみを超越し実に見事だった。幕が下りた時感動の波が会場に押し寄せてきた。出演の皆さんからのカーテンコールの一言はとても温かかった。

 

エスポワールサークル Kさん

フィリピンのモンテンルパ。なんて全く知らない土地でした。歌はかすかに知っておりますが、その裏にそんな事実があったとは思いもよりませんでした。

はじまりの島田歌穂さんのハミングが、どんなはじまりなのだろうと思っていましたが、しっかり終盤につながって拍手です。

折しも世界ではやったらやり返すような戦争があり、キリノ大統領の言葉の大きさが身にしみます。どうかお互いが幸せになれる道が見つかりますように。

 

紫雲サークル さん

高校生時代から大学まで演劇部だった私にとって、労演(演劇鑑賞会)の舞台鑑賞はとても毎回楽しみにしていることの一つである。サークル代表者の方が車で送り迎えして下さり、車の中はいつも「ミニ座談会」。これも楽しみのひとつである。今回の「モンテンルパ」は一言で「とても良い芝居を見せていただいた」というのが感想です。

「新しい戦前」と言われている今、戦争は被害の側のみならず加害の側にも惨たらしい傷跡を残すことをあらためて思い知らされ、今を生きる私たちが「人の命の尊さ」のために、何ができるかを考えさせられた。

渡辺はま子さんの「あゝモンテンルパの夜は更けて」という歌謡曲は子供のころ「懐かしのメロディ」というテレビの歌番組で聞いて覚えていた。しかし、彼女が戦犯とされた人々の命を救うために奔走したことは、このお芝居で初めて知った。「歌」がキリノ・フィリピン大統領の心を動かしたドラマチックな展開に芝居の醍醐味を感じた。

シンプルな舞台セット。しかし、とても効果的で計算しつくされている舞台だと感じた。ただ、私は加齢のために聴力が衰えているため、女優さんのセリフがよく聞き取れなかったのが残念。次回からは補聴器を買って、労演(演劇鑑賞会)の舞台を観たいと思う。

 

ブルームーンサークル さん

日本人によって家族を殺害されたキリノ大統領は、刑務所に収容されていた戦犯14名を処刑したものの、その後日本人全員を恩赦により釈放した。大統領の心の広さと「憎しみを繰り返しては、世界平和は訪れない」という言葉と信念が心に残った。大和田獏演ずる僧と渡辺はま子の命がけの気持ちと努力に感動を禁じえなかった。

 

【ひとくち感想】

●もっと重苦しい感じかなと思っていましたが、それぞれの役者さんの個々のセリフが心に響きました。その結果ある種の充実感を得ることができました。自分自身がとても豊かになった思いです。休憩なしの通しで鑑賞できたことも良かったです。

●知らないことだったので、勉強になりました。戦争について、もっと知らないといけないと思いました。

●キリノ大統領の生き方に感動。

●とても良かったです。心にささるものが多かったお芝居でもあり、フィリピン戦争もよく知りませんでしたが、知るきっかけになりました。いろいろ考えさせられる内容でした。

●脚本の良さと役者さんそれぞれの熱演によってぐいぐいと引き込まれた舞台でした。この例会にかかわるまでは、モンテンルパでの事実について知らず、キリノ大統領が「憎しみの連鎖」を断つ決断を下した事実に感動しました。戦争の責任とどう向き合うのか、時代への問いかけでもあると強く感じます。

●最後に観た、「モンテンルパ」ですが、「約束の国への長い旅」の杉原千畝さんを思い出しました。

戦争は、破壊しか残しません。この世から、戦争が無くなりますように。

●あゝ モンテンルパの夜更けて 素敵な 島田歌穂さんの歌声がどうか 世界中に広がって平和な世界になりますように そんなことを考えました 絶対に残虐な戦争はこの世からなくなって欲しい そう思うばかりです

●日本軍に家族4人を殺害されたキリノ大統領の、憎しみの連鎖を終わらせた英断がすごい。今の世界情勢をみた時にこういう指導者を待ち望みたい。

憎しみは憎しみをうむしかないから、子々孫々まで。ごめんなさい。

●モンテンルパ。歌は素晴らしかった。右下からの観劇のせいか?一方、命にかかわる内容なのに、平板で劇的な説得力のない舞台だった。

●日本軍に家族4人を殺害されたキリノ大統領の、憎しみの連鎖を終わらせた英断がすごい。今の世界情勢をみた時にこういう指導者を待ち望みたい。憎しみは憎しみをうむしかないから、子々孫々まで。

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劇団1980『落語芝居 芝浜』

 

 

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なかまサークル Kさん

落語は何度か見たことがあったが、「落語芝居」は初めて観ました。事前学習会で木之村達也さんがおっしゃっていた通り名作落語の世界を耳で楽しみ、目で味わう「1粒で2度おいしい」アーモンドグリコのキャッチフレーズのような世界でした。「一人酒盛り」のほとんど台詞のない役を演じた木之村達也さんの演技に注目していましたが、すばらしかったです。すべての演目を楽しむことができましたが、やはり「芝浜」は圧巻でした。12月というこの時期に、「芝浜」を観ることができ、最高でした。

とにかく、会員数、サークル数ともに前例会クリアできてほっとしています。運営サークルの最後の頑張りと当日のてきぱきとした活動は素晴らしかったと思います。

 

アルビレオⅡサークル Hさん

寄席で聴く落語も面白いが、今回のように芝居として俳優さんが演劇の形式で見せていただけるのは、実際どうなのかなと思って、開演を楽しみに待っておりました。

いざ始まると、話のストーリーをおおよそ知っていたつもりだったので、「いずれこうなってこうなるな」と思って見ていましたが、しかし「オチ」はどうだったかな?とハッキリ思い出せず、やはり、ついつい真剣になって舞台上の芝居を追っていく自分でした。やはり、予想外のオチの所が面白いんだね。そんなわけで、思いのほか、楽しめました。

ひとつ付け加えると、俳優さんの演技力かもしれないが、江戸時代の男性、自分勝手だけど、生き生きと奔放で、いいなあと思いました。

 

MOMOとんぼサークル Kさん

私の後部座席の女性同士のうなづきながらの反応、男性の高らかな笑い声につられて、つい声を出して笑ってしまいました。(コロナ禍以来久々の大笑いでしたよ)普段テレビを見ていても大笑いしたことはない隣の席の夫も、クスクス笑いが止まりません。客席の反応が臨場感をもりあげてくれました。(拍手)

「芝浜」、簡素な(失礼カナ)舞台が高級なお座敷に見えてきたのは、まさしく俳優人の演技力‼いつの時代も妻はすごし‼ホッコリ……

コロナ禍で遠慮がちな声だしを”寄席風“にハッピ着て呼び込みがしたかった。久々の声出しでちょっぴり気恥ずかしかったが、入場してくる会員さんも照れくさそうに笑顔だったのでうれしく思いました。これからは、もっと盛り上がりたいな~皆(チーム)一丸でね!

 

ミニーサークル Tさん

落語は噺家の名人といわれる人が一人で語る話芸だと思ってました。でも2人の役者さんが演じ分けることで話の厚みが増したお芝居になっている、と思いました。亭主を思う女房、誰より金目当て亡者、独りよがりの酒癖の悪いやつ…。現代の世界や日本では、もっと巨大な「悪」の存在があることに腹立たしいし、それに怒り、笑いとばしてくれるようなものはないのだろうか、と思う年の瀬でした。

 

ミニーサークル Kさん

座布団一つで話すことを芝居でする発想にすばらしいと思いましたし、とても興味がわきました。

特に芝浜は、有名でしたので何度も聴いた事がありましたので、お芝居でみる事ができて嬉しかったです。この鑑賞会自体が初めてでしたので、生で直接舞台をみることができて、感動しました。

どの演目も、あっという間に世界感に引きこまれました。初めの「代書屋」は、おもわず「そうじゃなくって」と言いそうになるくらい会場全体が笑いにつつまれ、ちょっと緊張していた私をほぐしてくれましたし、「一人酒盛り」は落ちがわかっているけど、最後まで引きこまれました。最後の「芝浜」は感動しました。お芝居にするとまた全く違う「芝浜」と思いました。

ご夫婦のやりとりが、とてもわかりやすかったですし、いろいろ考えさせられ、最後はとっても清々しい気持ちになりました。本当にどれもおもしろかったですし、増々落語が好きになりました。さらに、この「いせさき演劇鑑賞会」に出会えた事のご縁に感謝致します。これからの公演もとても楽しみにしています。すばらしい時間をありがとうございました。

 

ゆずるサークル Mさん

全ての演目を楽しませて頂きました。今回はありがとうございました。一番分かりやすく、面白いと思ったのは「代書屋」でした。話のスピードも落ちも分かりやすかったです。その反面、少し残念に感じたのは「一人酒盛り」でした。最初は楽しかったのですが、同じような会話の繰り返しで少々つまらなく感じてしまいました。

最後の「芝浜」は夢の中の話か、奥様の作り話か、という所で話が続いて、結果素敵な話になって終わり、感動しました。初めて落語の芝居を見ました。とても楽しい時間となりました。また是非見たいです。ありがとうございました。

 

ゆずるサークル Mさん

「落語芝居」って何だろう?落語をちゃんと聞いたことがないので想像がつきませんでした。当日会場に入って舞台をみるとシンプルで、この空間でどんな演劇が上演されるのかワクワクしてきました。噺とは、はなし。ものがたり、新しくめずらしいはなしの意を表すと漢字ペディアにありました。

落語家が一人で語る噺が、芝居という表現で人間模様の深みを感じました。一人酒盛りや芝浜を観て、お酒が呑みたくなって、帰宅そうそう冷酒をひっかけて今回の芝居の余韻に浸りました。また次回の新しい演目に出会える期待が待ち遠しいです!

 

風車サークル Nさん

落語芝居ということでどんなお芝居になるのか、とても楽しみでした。だいたい落語の中の登場人物といえば、ドジでおっちょこちょいだけれど、憎めない人たちですが、「代書屋」が始まると、その2人の掛け合いに思わず声を出して笑ってしまいました。まわりの皆さんとともに笑い続けているうちに、気がつくとあっという間に「芝浜」になっていました。落語とはまた違って舞台に見入ってしまいました。人情味あふれる深い笑いに、とても優しい幸せな気持ちになりました。

 

【ひとくち感想】

●おもしろかったです。話芸を演劇にして上演することの意識が不足していると思いました。ライトの工夫や活舌の訓練がどうなのかなと思いました。演劇は芸術ですので、鑑賞会は育てるという気持ちで厳しく見ましょう。

●すごく楽しかった。芝浜は知っていた話だが、耳で聴くだけでなく目で見るとこんな風になるのかと、とても良い一日だった。

●インタビュー担当で、柴田さん(ハチマル)と楽しい時間を体験できてよかった。

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劇団俳優座『雉はじめて鳴く』

 

 

観劇した会員の感想を紹介します。

ネタバレを含む場合がありますので、これからこの作品をご覧になる方はご注意ください。

 

 

アルビレオサークル Tさん

少年期の心。著しい心体の変化。学園生活は私の高校生の時と比べても、似通っているように感じた。親身になって悩みを聞いてくれる教師が私にもいた。この劇と異なるのは私の高校は男子校だった事。成績や進路の事など話せたのは生徒会顧問の男性教師。好きな女子が他校にいることにも理解を示してくれた。先生が私の方を向いてくれるから何でも相談できた。先生に寄せる師弟愛は男女の差こそあれ理解できる。しかし、サッカー部副顧問浦川先生は女性。思慕の情の深さは私のそれとは比較にならない。共学校の難しさはそこにある。私も健の立場に置かれたら、あんなハグをしたに違いない。健と浦川先生の男と女の師弟関係が、あの回り舞台のラストシーンで美しく昇華し、心温まった。

 

彩の会サークル Sさん

事前学習会で説明されたヤングケアラーとかモンスターペアレントは、学園物のテレビドラマでは、クラスの中に1人2人はいるくらいなので、世の中にはたくさんいるんだろうなと思っていました。色々な生徒がいて、色々な親御さんがいて、教職に就かれている方は大変だと思います。お疲れさまです。

私は、今回例会を担当した幹事なのですが、コロナ禍に演劇鑑賞会に入会して幹事になった私は、対面式とインタビューが初体験でした。

インタビューではあんなに優しい感じだった清水直子さんが、あんなモンスターになるとは、迫力がハンパなかったです。迫力と言えば、終盤の修羅場は大変でした。捲し立てるマネージャーの滝佑里さんも頑張ってましたね。因みに私は、若井なおみさん推しですが。

対面式も搬入搬出も全部楽しかった。機会があれば、ぜひ参加してみてはいかがですが?

浦川先生の、落ち着かせるためのハグ、好きだと言われてしまって拒否したハグ、30年後のハグ、複雑ですね。とてもおもしろい舞台でした。ありがとうございました。

 

ドリームガールサークル Sさん

パンフレットの表紙から、お互いに違う方向に向いている。何だろうとちょっと重い感じでいましたが、何とまあ、回り舞台におどろかされ、どんーと迫ってくる。そして健と先生、観ている私としてはグングン引き込まれていきました。教頭先生と校長のやりとりのなか、教頭のおもしろさが観ている私としては心がなごみました。今の社会の昔との違いを思い起こされた気がしました。

 

キャロルサークル Hさん

今回、運営サークルだったので、事前に回り舞台の仕組みを聞く事が出来、男女の若い団員さん2人でやっていると聞いて驚きました。時には、「校長室」また、ある時は「カウンセリング室」と早変わりして、まさに、縁の下の力持ちだと思いました。それから、後ろに立つ、男女が途中まで、健のお父さんとおばあちゃんだと思っていたら、最後は、健自身と浦川先生になっていて、独りぼっちになってしまった健を救ってくれ、避難場所は、かならずあるという形で終わる演出は、素晴らしかったです。

 

点サークル Yさん

学校を題材にした物語はあまり好きではないので、期待はしていなかったが、牢獄のような大道具が現れた時、おやっ?と目が醒めたような気がした。ベタつきのない世界が想像出来たからだ。現実の、「何事があっても容赦なく過ぎていく時間に実はスカッとした救いがある」という事を象徴している様な装置に気持が動いた。その舞台の上で右往左往している人々の、それぞれの正義の中の滑稽さにも暖かい目を向けている作品になっているなあと感じた。回り舞台の効果がすばらしく、この劇をこの様に仕立てた見事さに感動した。学園物の嫌いな私が楽しめたお芝居でした。

 

ローズカクテルサークル Hさん

今回の作品は、高校生のヤングケアラーと、その母親のモンスターペアレントに対応する先生が中心の物語・・・。

新聞を広げれば、日常よく目にする教育問題。社会の歪みが複雑に絡み合った、目には見えづらい根の深い深刻な社会問題だと改めて考えさせられた。劇中、母親のモンスターぶりは大変リアルであり凄い迫力だった。方や、教頭先生のとぼけた演技は重たい空気を一瞬和ませ、笑わせてもらった。回転する舞台も、上手い具合に場面転換していた海を見つめている男と車椅子に乗る女。本当にびっくりぽんだった。まさかまさかの健と担任の浦川先生だったとは・・・。三十年後、二人は再会する。どこか繋がりあっていたのだろう。最後、二人のハグ(抱きしめる)はまるで時空を超え、全てを包み込んでくれるような感動的な瞬間だった。もう一度この舞台を観ることがあれば、違った視点から芝居を楽しめるかもしれないと思った。終演後、元教師の方が『まったく、同じ様な事を経験しました』とおっしゃった事が、印象的だった。

 

ローズカクテルサークル Aさん

お父さんとおばあさんと思っていた人が健と先生だったことに驚きました。30年前に拒否されたハグを先生からしてもらえて良かったです。スクールカウンセラーの藤堂さんの明るさとのりの良さも暗くならずに良かったです。

 

キャロルサークル Mさん

現代社会の様々な問題を表現しながらも人物の心も自然に切りとっている。生きる事の難しさやその人をとりまく人達などよく描かれていたと思います。健くんがはじめて声をあげて心を開く事ができてよかった。俳優さんの熱演すばらしかったです。

 

キャロルサークル Hさん

息子を愛していても、支配するような言動をとる健の母親役の清水直子さんの演技は、とても迫力がありました。逃げたくても逃げられない健でしたが、やがてそのような母(家)から飛び出し失踪、「ケーン、ケーン」と皆が叫びながら探します。戻ってきた健は母の元に帰らず避難場所に行くと決めます。彼の成長を感じながらタイトルを思い出しました。少しホッとしました。

健と浦川先生のハグで始まり、最後も思ってもみない二人のハグで終わりました。「私に避難する?」との言葉は心に残りました。人は少しでも心が安まる避難場所、寄り添える人がいれば幸せだと思いました。

 

彩の会サークル Kさん

それぞれに家庭環境の異なる子供たちの集まる学校では、様々な問題が起こることは確かでしょう。難問に苦しむ教育者の悩みの大きさを強く感じました。でも、こんなに親身になって対応して下さる先生やカウンセラーに恵まれた生徒は、その愛情の大きさに包まれて幸せかと思います。辛さに耐え頑張っている子どもたちに、優しい心遣いと、温かく手をさしのべることができるよう、皆が心がけたいものです。難しい大きな社会問題を重圧感なく投げかけてくれた今回の演劇の力の強さ大きさに、心動かされました。

 

花盗人ークル Kさん

ちと難しかった。清水さんにインタビューして、母親の息子に対する態度がタイトルの雉はじめて鳴く→健がケーン、ケーンと鳴く=行動する(母から逃げる)のための布石だと分かった。

搬入で色々説明してくれたが、回り舞台に興味と感心が高まった。

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劇団文化座『旅立つ家族』

 

 

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ネタバレを含む場合がありますので、これからこの作品をご覧になる方はご注意ください。

 

 

リアンサークル Hさん

今回の劇は様々な事象―画家の苦悩、夫婦の愛、貧困、日本帝国主義、戦争、国の分断等―が描かれており、情報量が膨大でした。にもかかわらず一つの劇として収まっていたのは素晴らしいと思います。映像の文字と語りの絶妙さでしょうか?

淡々とした語りであったのに後の方子さんの回想という手法を用いることで裏にある感情が見え隠れして奥行きも感じられました。

話の筋を追うだけでなく象徴の牛が角突き合うようなインパクトの大きな見せ場も有り大変楽しく拝見致しました。

盛りだくさんで見落としたメッセージもあると思っています。2回3回と見る機会があれば、新しい発見があると思わせてくれるような作品でした。

 

風車サークル Tさん

ウクライナとロシアの戦争が収まらないこの時勢の中、奇しくも長崎原爆投下の日に、第二次世界大戦から朝鮮戦争の渦中に生きた画家とその家族の物語に触れ、改めて、戦争について考えさせられた。

第二次世界大戦は、さほど昔のことではなく、ましてや朝鮮戦争はもっと近いものであるのに、今の日本は何て平和なことであろうか『平和ぼけ』なんて言葉も出るくらいに平和である。そしてそれが『当たり前』であるとさえ、感じる。自分が今、身をおいている状況は、何て幸せなのだろうと、思える公演だった。そして、激動の時代を必死で精一杯生きた不器用な画家がいた、ということを知ることができたことも、良かった。ふとした知識の出会いはどこにあるかわからない。だから、いろんな窓を開け、アンテナを立てておきたい。どんな些細なことでも、知らないより、知っていた方が良い。知っていて損をする知識なんてない、そんなことを考えた公演であった。

 

ブルーベリーサークル Oさん

事前学習会や藤原さんへのインタビューなどで、作品についてのイメージが膨らみ、期待を持って鑑賞しました。最初と最後に登場する牛の動きは迫力があり見事でした。これが南北朝鮮や日本との関係を象徴していると聞いていたので、最後の場面でそれが重なり、家族と旅立つシーンこそ、ジュンソプの願いなのだと感じました。

戦争や国同士の関係のせいで、夫婦や家族が離れ離れになることに、憤りを感じます。平和の大切さを改めて考えました。

芸術家がどうやって生活していくのか、いつも疑問に思います。生活の為に芸術をあきらめるか、極貧に甘んじて芸術を貫くのか。人間の心を豊かにするための芸術(もちろん演劇も)それを生み出す人たちが豊かに生きられる社会になって欲しいと思います。時代背景や朝鮮半島の歴史など、舞台を見て知ったことも多くありました。

俳優さんたちの歌や演技、舞台装置の転換など、とても素晴らしかったです。

 

TOMOサークル Tさん

「旅立つ家族」を観てから、いろいろ疑問がわいて、36年の日本の支配下であった歴史、ギクシャクした政治的な問題など、ネットではありますが読みました。中学生の時には、朝鮮出兵というキーワードを丸暗記しただけで、他の国へ出兵するという意味まで、考えませんでしたが、ずっとつながっているんだなと思いました。人々は戦争にほんろうされながら、生きてきたんだとあらためて思いました。

文化座の皆さん、佐々木愛さんもナレーション的でも存在感があり、うまいなあと思いました。小谷佳加さんの主人公イ・ジュンソプのお母さん役の元山を出て行く場面のせりふがすごく良かったです。牛の動きも見事で、この舞台の主題なのかなと思いました。いつの時代にも方子さんのような女性がいて、現代に生きる私たちにメッセージを贈ってくれる気がして、強くならねばと思いました。

 

エーデルワイス Sさん

開始早々ダイナミックさとエネルギッシュさに圧倒されました。舞台装置の工夫にも目を見張りました。女性主人公の二人が同時に舞台上にそろうのも見どころでした。演出の金守珍(キム スジン)さんを迎えて、文化座の公演はまたひと回りも大きくなりましたね。佐々木さんのしっとりした落ち着きは、見る側にホッとさせるものがありました。

藤原さんの熱演は言うまでもなく、内容はつらいものでした。主人公をあそこまで追いつめ早逝させたのは何だったのか、考えねばなりませんね。ラストの「旅立つ家族」ということで救いがありました。当地出身の小谷さんのオモニもよかったな。

 

花散里サークル Kさん

芝居を見始めて5分も経たないうちに「しまった。予習が足りなかった」と思いました。足りないのではなく予習していなかったのですが…。その学習の足りない所をもう一人の方子さん役の佐々木愛さんがお話を進める形で説明してくれていました。大助かりでした。

終戦になるのも知らず海を渡った方子さんに、その想いの強さを感じ強く惹かれました。終戦後の混乱は想像を越えますが、生きるために日本へ帰った方子さんの強さ、家族を想いながらも世の中に認めてもらえず一生を終えたイ・ジュンソプさんの悲しさが伝わりました。どうか、次の旅立ちは家族でジュンソプの大好きなあの大地へ旅立ってほしいと願います。

 

エーデルワイスサークル Mさん

李仲變の芸術への思いや、戦争という混乱の時代での苦悩が、強く胸に迫りました。また、危険を省みず、一人朝鮮の仲變のもとへ渡る方子の強い愛や両親の思いに感動しました。舞台装置がダイナミックで、若い劇団員たちの踊るような場面転換やベテラン佐々木愛さんの語りと相まって、スムーズに物語が紡がれていき、ぐいぐい舞台に引き込まれていきました。最初の牛の登場は、まだ少し奇妙な感じがしましたが、ラストシーンでの旅立つ家族を表すシーンは、本当に胸を打ちました。

 

ローマンホリデーサークル Tさん

場面場面の回転の早さにただ驚くばかり、人をあきさせないので眠気もさめました。

2人の方子さんの演技や、やさしい日本人の男性の優しさに何だかホッとする。音や音楽が大きな音になると驚く、人の声も叫び声や大声は何を言っているのか分からないときがある。

 

リゲルサークル Kさん

初演に比べて演出の変化を感じてとても感動しました。

 

ブルーベリーサークル Hさん

インタビューの際に「方子さんが実際に観た際にどういった反応でしたか?」という質問をさせていただいたのですが、劇を観ながらとても浅はかな質問だったなあと感じました。お二人、ご家族、ご友人の方々の苦悩は計り知れなく、とても悲しい出来事で、たとえ以前の劇と比べて方子さんの描かれ方が良くなったとしても、この劇を観ることはとても苦しいことだったかと思いました。

戦争での動乱によるものでもありましたが、社会的には認められないことで自分を責めてしまう気持ちの強さでとても苦しくなってしまったところがあるだろうと思いました。きっと今もそういう意識で苦しんでいる方がいるだろうと思うので、多様性が認められる、社会保障もある社会にしていけたらいいなあと強く思いました。

 

ブルーベリーサークル Hさん

歴史の荒波の中で家族として当たり前に幸せに過ごすことが叶わなかった苦しみ、その中でも絵に自分の人生を投影しつつ身を削るようにして制作に打ち込んだ主人公の切ない想い。日本から手紙を送り心を寄せ続けた妻の愛の深さ~人生を大切に生きたいと改めて思いました。

 

5月に乾杯サークル Hさん

以前の公開稽古の時に文化座を訪れたことがあり、佐々木愛さんをはじめ何人かの俳優さん達にお会いしたので、とても親しみを感じました。演出も舞台も力強く感動しました。ところどころのコーラスも素晴らしく、さすがミュージカルも得意な文化座だと感激しました。

 

リアンサークル Iさん

スケールの大きな舞台装置に感激。主人公の芸術家としての心のきび、方子さんの強さ、夫や子供を思う気持ちにも感動。

 

リゲルⅡサークル Hさん

牛の動きがすばらしかったというサークルの感想がありました。朝鮮の歴史に興味をもちました。テーマがいろいろもりこまれていてひきこまれました。

いせさき演劇鑑賞会では、いつでも会員募集中です。
詳しくはこちらのホームページをご覧ください!

 

オペラシアターこんにゃく座『森は生きている』

 

 

観劇した会員の感想を紹介します。

ネタバレを含む場合がありますので、これからこの作品をご覧になる方はご注意ください。

 

 

広瀬のほとりサークル Mさん

こんにゃく座の魅力が感じられた素晴らしい舞台でした。子どもから大人まで楽しめる名作だと思います。

ファンタジーな作品ですが、自然と人間との関係を考えさせる深みがあり、さらに、女王と側近、意地悪な母親とむすめの関係など人間のドラマとしても見応えがありました。特に、女王の変化というか成長の過程の描かれ方に共感を覚えました。最初の女王は、人間としてのきちんとした教育やしつけを受けていない、極めて不幸で哀れな存在として印象に残っています。それがむすめや月の精たちとかかわっていく中で、成長していく姿は、たいへん心地よかったです。損か得かという価値観はいつの時代でも生きていく上で大事ですが、それがすべてではなく、それよりも尊いものがあることを感じさせてくれる物語でした。

こんな素敵な物語が半世紀以上前のロシアで生まれていたという事実に改めて驚かされました。そんなロシアがどうしてこんなことになってしまったのか‥。

こんにゃく座の魅力は何といっても歌と演奏と演技力ですが、今回の作品も十二分にそれを味わうことができ、大満足でした。CDを休憩時間に1枚、終演後にもう1枚、合計2枚購入し、通勤途中に楽しんでいます。

最後に、衣装や装置もよかったです。また、こんにゃく座の作品を観てみたいです。

 

IMHサークル Cさん

私は絵本の12月の物語が好きで、楽しみに観させていただきました。それは、王女は出て来ないので、少し違う部分があるのですが、とても楽しく観させていただきました。もう少し長く観たかったです…。それでも訴えるものがあり、良かったです。

 

ルートサークル Yさん

私はどうも「ミュージカル」が好みではない。「演劇」か「オペラ」である。こんにゃく座の立ち位置は微妙であるが、やはり「オペラ」だと思う。今回も楽しめた。これで4回目である。最初は子どもが保育園の時、一緒に。「自然との共生」「教育」「私欲に走る事への批判」。テーマは時代が変わっても色褪せることはない。もちろん歌もいいが、私はピアノが好きである。

 

ウィステリアサークル Oさん

昨年の「秋まつり」で、「子供だけではない、大人も楽しめる!それがこんにゃく座ではないか」と作品紹介をしましたが、本当にそうでした。奥深い森の中で繰り広げられる人間の傲慢さ、強欲さ、純真さが絡み合って最後はハッピーエンドのストーリー。

作者が執筆した1943年はスターリンの旧ロシアとナチスドイツとの苛烈な戦いの只中。1945年…戦後の甚大な被害を被ったロシアでの初演。作者は二人の権力者の行為を暴き、冷静に見つめ、私たちが理想とする大切な未来を、森の精たちを通じて現したかったのかと思いました。まさに「森は生きている」。シリアスな芝居をオペラとして上演した秀逸の作品でした。過去の作品を全部鑑賞したいです

 

ルートサークル Aさん

『森は生きている 風だって 雲だって 小川のせせらぎだって 生きている~』幕が開いた。遠くて寒い北の国の物語に思いをはせる。お話に引き込まれ涙が止まらない。長い長い間、いつかは見たいと思っていた舞台。やっと願いが叶った瞬間。たった1台のピアノとは思えない圧巻の音楽。優しく、美しく詩的で澄みきった語りかけるような歌、ハーモニー。森の動物たちのコミカルで可愛らしく、時には恐ろしい動き。十二の月の精霊たちの冠やパステルカラーの夢あふれる衣裳‥‥。ずっとずっと見ていたい。もっともっと聴いていたい。そんな幸せな時間となった。約30年程前、わが子たちが保育園で歌っていた歌、語っていたお話、私も一緒に歌いたくて、夜の保母学校に参加させてもらったこと。たくさんのことが思い出され、懐かしくて、また涙。帰宅後、興奮の冷めやらない私はこんにゃく座の動画を検索し、時間のたつのも忘れて見入ってしまった。そして歌役者さんたちと一緒に遠慮なく歌った。その後も運転中に口ずさんでいる。

心が豊かである。これが生きる上で本当に大切なことだと再認識した。『一瞬の今を千秒にも生きて、この嬉しさを胸に刻もう』

こんにゃく座の皆様「森は生きている」を長い長い間上演し続けて下さり、どうもありがとうございました。感動の時間をありがとう。いつかまた出会える日を楽しみに待っています。

 

コスモスサークル Sさん

小学校1年生の女の子は「とてもおもしろかった。もう1回みたい」4歳の女の子は「3分の2くらいは知っている歌なので、身体を動かしながら、時々ケラケラ笑って集中していました」

とても感動しました。こんにゃく座のイメージが変わりました。「仲間」の舞台も何度か観ましたが、「もう一回観るなら、どっち」と言われたら、こんにゃく座を選ぶと思います。別のサークルの人も「良かったよねー。今までで一番かな?」と言っていました。季節の変わっていく様子をどう表現するのか、とても楽しみだったが、松雪草が咲いた時は素晴らしかった。

 

つくしサークル Yさん

この一週間、いろんな歌のフレーズが何回も浮かんできます。「もえろもえろ」「オミジカ」「ソリはかけーる」「森は生きている」など。大人も子供も楽しめる本当に素晴らしい劇でした。特に最後のコーラスは秀逸でした。スピーカーを通さない生の声は本当に貴重で12人の俳優の方の気持ちがひとつになっており、心が洗われるような素晴らしいひとときでした。

 

ルートサークル Tさん

今回、初めてゲネプロを観せていただいてから本番を観ましたが、本番は会員皆さんの反応があって楽しく観られ、ステージも輝いているのが良くわかり、実感しました。やはり、劇団と鑑賞会は両輪で、お芝居を創っていました。「森は生きている」の老兵士の言葉「あなた様があの子に褒美をやる、とおっしゃるのがいけないのであります。ただ乗せていっておくれ、どうかお願い、とおっしゃれば、よろしいのです」に、納得です。これからも自然から頂けるものを取りすぎずに、環境や人の心を大切にし、健康に生きていきたいと思いました。

 

IMHサークル Aさん

子どもの頃、図書館で読んだ本を舞台で初めて観ました。改めて、自然を大切にするという意識を持たなければ人間はいけないのである、と感じました。

 

広瀬のほとりサークル Kさん

良かった!多くの人に見て欲しかった。もっと本気で勧めればよかったと反省。

 

つくしサークルのみなさん

  • 子が歌った歌なので懐かしくうちの本を見かえしました。オペラは、自然に楽しめ、久しぶりに絵本の世界に入れました。ピアノの方が最後まで、すごいなー
  • 以前見た時は、子供と一緒でした。2回目なので先を予想しながらじっくり観賞できました。期待を裏切らない素晴らしい作品で、演者の力量も素晴らしかったです。高い声の歌は、歌詞がやや聞き取りにくかった。
  • とにかく楽しかったです。息子たちが口ずさんでいた歌がちりばめられ、ワクワクしました。それと女王の傲慢さは、今の人類に通ずるなあー、なんて思いながら観ていましたが、「女王は改めたけれど、人類は改められず、自然から見放されてしまいました。」とならないようにしたいものです。
  • 昨年11月に孫の保育園の関係で見せて頂き、4月にまた見られて、しかも俳優さんの生き生きした表情、目の動きまでみられる席で本当に堪能しました。孫は保育園で兵隊さんを演じたんですが、大事な役柄で台詞も重要で、大きくなったら、僕はこんな素敵な役をやったんだと分かるような子どもになってほしいと思います。つい涙が出てしまいました。孫も今回観たいと言ってたんですが、いつかまた、一緒に見せてもらいたいです。
  • 12名の演者とピアニストの呼吸が合っていて、とても心地よく鑑賞することができました。歌とお芝居その上早替わり?心に響く様な歌声は素敵でした。まつゆき草の歌や12月の歌は、懐かしく一緒に口づさんでいました。まつゆき草は、スノードロップのことだったんですね。暗くて冷たいヨーロッパの冬、春を待ちきれない女王様もわがままですが、なんだかわかる様な気もします。素敵なお芝居なので、子供たちが見られたらいいなと思いました。
  • 最後の合唱は気持ちがこもっていて素晴らしかったです。ピアニスト1人で全幕弾ききり、舞台回しすごいです。ありがとうございました。
  • 昔から好きだった「森は生きている」をゲネプロと本番と2回も観られ、幸せな時間でした。子供が保育園で教わっていつも歌っていた頃、私も自然に覚えた素晴らしい歌の数々も懐かしく思い出され、家に帰ってからも、時々鼻歌で口ずさんでいます(歌詞を覚えている一部分だけですが)。衣装や装置も、分かりやすくて綺麗で楽しめました。衣装の早変わりも、あっという間で驚きでした。子供でも大人でも、どの年代の人も楽しめ、生きる知恵の詰まった心に沁みる作品なので、ぜひ大勢に観てもらいたいと思いました。
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劇団朋友『コルセット』

 

 

観劇した会員の感想を紹介します。

ネタバレを含む場合がありますので、これからこの作品をご覧になる方はご注意ください。

 

 

風車サークル Mさん

会社の30周年記念式典の準備や商品開発の話など会社の現状が提示され、やや陳腐な感じはしながらも、これから物語はどう進むのだろうとわくわくしながら引き込まれていきました。

舞台は、独身で会社を盛り立ててきた辣腕の芳美社長と寿退社をしてしまった社長の相棒であった久莉子の生き方を中心に、現代社会の風潮をしっかり反映させた登場人物の面々が主役の二人の生き方に絡み合っていました。外国籍の方、一寸とんでいる感じではあるが状況を読み取りうまい具合に展開させる。辣腕の上司、退職後再就職した謎の営繕員(仕事の重圧から心を病んで退職した娘とその家族[クレーマー]を持っている)、苦情の受け付けや社長のよき相談相手の古株の女性、シングルマザー、社長の恋人?等々。成功を勝ち得た芳美は、心の隅に家庭を持たなかった人生に一抹の悔恨もある様子。かたや仕事より家庭を選んで、そこそこ幸せな家庭生活を送る久莉子にも、職業人として生きえなかった自分に負い目や自信のなさが垣間見られる。

彼らのそれぞれの生き方を背景にしながら、この会社の社員となって商品開発への突き進む久莉子の娘。悪戦苦闘をしながら仕事を中心に生きようとする彼女に古い考え方を持つ婚約者が登場。それがまあ、やがて働く女性を支える男性へと変身。仕事か、結婚かの二者択一ではない生き方、年の差結婚なども予想される新しい生き方。深刻な話題の中にも笑いがあり、本当にまあよく練られた劇だなと驚きの連続でした。

観劇をしながら、わが身の人生を振り返り、改めて幸せな職業人生であり家庭生活だったなと感慨ひとしお。寒い夜でしたが、心がいつまでも燃えていました。「コルセット」万歳!

 

エスポワールサークル Mさん

15人の老若男女が舞台いっぱいに繰り広げる人間模様に気を取られつつ、台詞やしぐさのニュアンスに導かれて徐々にそれぞれの立場や関係が見えてきて、引き込まれていきました。下着メーカー創業者2人をとりまく30年後の情景が、多様な現実を反映させています。第2幕、隠されていた心裡が吐き出され交錯し、ゆきづまっていた状態を解きほぐしていきます。会社組織の中で個性が尊重され、それぞれが活気づく在りように着地する。2時間40分間魅了されました。寒気ひときわ厳しい夜、帰路乗り合わせた仲間とのおしゃべりに熱が入りました。

 

藤の会サークル Kさん

余談だが、開演前にプリンセスプリンセスの曲が流れていた。懐かしさを感じ、耳を澄ませて聴き入ってしまった。より劇への楽しみも膨らんだ。

開演、セリフが軽快で感情豊か、かつテンポよく展開する舞台に引き込まれていった。登場人物一人一人の立場や視点(性別、国籍、年齢など)から発する生き方や考え方が心に響き、共感したり疑問を感じたり。最後まで目が離せず、登場人物一人一人にどんな明日が待っているのか、期待と不安を想像し、皆の幸せを願いながら見終えることができた。

〝息苦しさ〟〝生きづらさ〟を感じる昨今。「コルセット」を観ることで、自分の生き方、考え方を振り返りつつ(後悔や葛藤の連続だが)、背中をそっと押してもらえるような、また心のほつれが緩んだような気持ちになった。

菅原芳美役の今本洋子さんが、記事の中で、この作品は「応援歌」と語っていた。ぜひ、これからも多くの場で、たくさんの人に、元気や笑顔、熱い思いを届けてほしい。

 

紫雲サークル Sさん

我々高齢者層は普段なかなか母親、働く女性の立場として物事を考え行動する習慣がなかったのか、この「コルセット」でいろいろ気付けるところも多かったし、反省すべき点もありました。

作者や劇団の女優さんたちが考えて練りあげた作品なので今までと違った面白さはありました。ただ、最前列に近い席であったため、逆に声量がわかりづらい点があったりしたのが残念でした。

劇中登場する個々の女性が生き生きとした表現で自分の思いを発していくのは、新鮮で今までにない演劇を味わうことができました。

今後の劇団朋友を期待するとともに、再び鑑賞できることを楽しみにしています。

 

ローズマリーサークル Nさん

「そろそろはずしてみない?」のキャッチコピーが気になりながら芝居を鑑賞。事前学習会やチラシで何となく物語の構成は予測はしていました。どうせ社長となった女性と主婦として、子育て、家のことをしている女性の物のとらえ方・見方の違いのぶつかり合いではないかと・・・。

私も人生振り返れば、こんなはずではなかった!違う人生があったかも?と思う事はありました。年齢を重ねて、振り返ってもやり直せる歳ではない。今になって思う(70歳台になった今)この人生自分で選んで得て来た人生、後悔はしていないが隣の芝生が時々青く見えることはあります。芝居の中で仕事一筋で生きてきた社長が、結婚しても良いかと思えたこと、タイトルのコルセットがはずせたのか?

人生いろいろ、たくさんのコルセットがあるでしょう。貴方はいつ、はずせますか?

 

紫雲サークル Kさん

帰りの車中、「○〇さん(同乗者の奥さんの名前)が観ないでよかった!」の感想に皆大笑い。70代の女性2人、男性2人のそれぞれが劇を通して振りかえったこれまでを、この表現がピタリと言いあててくれたからだ。民間保育園の親としてのつき合いから、約40年、観劇後の会話は何ものにもかえ難い。

これまでの人生に、そしてこれからの人生に「I am OK. You are OK.」

 

アンセルモサークル Kさん

面白かった。女性の生き方を、あれかこれかと二者択一的な描き方ではなく、重層的な描き方で好感が持てた。

結婚か仕事か、どちらかを選ぶ時代が過去にあった。そのどちらも否定するのではなく、温かく描いてあった。また、時代の変化もうまく描いてあり、面白かった。

私は、どちらかというと、久莉子には、子供がある程度育ったら、ワルキューレに戻る選択をしてほしかった。家庭の大切さもわかるが、家庭だけではない社会との接点もあったはず。家族のために尽くしたのに「お母さんのようになりたくない」と娘に言われるのは悲しいではないか。

私も同じようなことを母に言ったことがあるが、ひと昔の女性、いや私の世代でも家庭に入るのが普通の時代があり、多くの観客にも共感できる作品だと思った。

 

エスポワールサークル Kさん

コルセットは、対照的な人生を歩んだ二人が、相手の人生をうらやんだり、自分の人生は大変だったと嘆いてさけんだり・・・。この二人の関係を最後どう決着つけるのかなと、最後まで興味深々でした。

「愛する人と共にいることが幸せ・・・」という言葉が、心に残りました。愛するつれあいは、今はいませんが、愛すべき知人、友人がいることが、幸せだなと、思います。

 

ちょこっと感想

  • 今夜は、素敵な夜になりました。次の演劇も楽しみです。
  • 寒い夜でしたが、いろいろ感慨深く終ったときには、心から拍手していました。よかったです。社長(美芳)とお母さん(久莉子)のやりとり、お互いの気持ちが分かったような気がしました。
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劇団前進座『松本清張朗読劇』

 

 

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アンセルモサークル Kさん

若いころ、松本清張の小説が好きで、ずいぶん読んだものだ。

私は、鳥取県の米子で学生生活を送った。コンパというサークルの飲み会で、先輩が、「出雲地方はズーズー弁なんだ。」とズーズー弁で話した。その彼は出雲出身で、松本清張の「砂の器」を読んで、自分の言葉がズーズー弁だと知ったと話した。ズーズー弁は東北以外では出雲地方しか無いという。それからだ、私が松本清張に興味を持ち読み始めたのは…。

その「松本清張」の朗読劇がやってきた。

さすが、前進座。役者が上手い。一人で何役もこなしているけれど、聞いているだけで情景が浮かび、登場人物の表情まで見えるようだ。2本とも十分に楽しませてもらった。

先日、NHKで「帝銀事件」を、ドラマとドキュメンタリーでやっていた。そうだ、私もその小説を読んで、警察は何をしているのだと、ずいぶん憤慨したものだ。そして戦争は人を壊わし、真実も隠してしまうものだと恐ろしくなった。

清張の社会派推理小説は、若い私の青臭い正義感を育ててくれたように思う。

早くロシアとウクライナの戦争が一刻も早く終わることを願った。

 

ももサークル Kさん

演劇鑑賞会言うのが本会の主旨であると思っておりましたので、演劇鑑賞が見慣れた事により、今回の朗読劇が行われるか興味を持っておりました。

以前にも朗読劇を見た事はありましたが、それ程印象に残っておりません。

その為に今回の前進座の朗読劇がどの様に演じられて行くのかと思っておりましたら出演者の方々の努力や工夫御苦労など様々な面で演じられたので、最近らいの演劇会の中でも感じられなかった程すばらしいものであったと思います。

間合いも良く声も良く色々な面で良く、ここ数年鑑賞会を見てきた中でも記憶に残る作品であったと思っており、感動致しました。

 

イフサークル Yさん

朗読劇はあまり観たことがありません。今回が三度目です。朗読劇は、身振り表情がありませんので、演者を間近に感じる小さな劇場で演じられるものと思っていました。ところが、この度は500人の大きな空間を3人の話者が、ほとんど物言う術だけで支えるという芝居です。

実は、私は前進座の芝居を観るのは初めてです。いろいろなものをやる劇団だなという印象しか持っていなかったのです。しかし、役者のなんと達者なこと。一人で数役を演じ分け、それらの登場人物が次々に、そして生き生きと舞台空間に現れてくるではありませんか。

人間の「生きる」様を舞台上に表現する演劇という芸術様式のすごみを感じさせる芝居でした。少し驚き、またとても感動的なドラマ(劇詩)でした。機会があれば、次回はマイクを使わない小さな劇場で直に観たいものだと思いました。

 

アルビレオⅡサークル Tさん

とてもすばらしかった。声での表現がとても良く、場面がしっかりと目に浮かびました。

 

花盗人サークル Oさん

前橋で鑑賞していた時に、「子午線の祀り」という演劇を観たことがある。

源平合戦、壇之浦に関する内容だったと記憶しているが、内容より「群読」という出演者が揃って台詞を述べる迫力に圧倒された記憶がある。

今回は3人の語りのうまさに感心した。台詞だけというのも良いものだ。

しかも20作品が揃っているという。費用のことも含め、2年に一度くらい、別の作品を鑑賞するのも良いかな。

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劇団文学座『ガラスの動物園』

 

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彩の会サークル Sさん

事前学習会で制作の田中さんより、どのキャラクターにも感情移入出来る、普遍的な家族の物語との説明がありました。確かに、1930年代の物語ですが、引きこもりだったり毒親だったり、今に通じるものがありました。キャラクターも、最後には家族を捨ててしまいましたが、母親にうんざりしながらも、イヤイヤ倉庫で働いていたトムの気持ちも分かります。家族はそうそう捨てられるもんじゃないし。コンプレックスで引きこもりになった、ローラの気持ちも分かります。誰でも、コンプレックスの1つや2つ、持ち合わせがありますからね。ジムの言う通り、コンプレックスは、本人が気にするほど周りは気にしていませんね。しかし、オールドミスなんて言葉、久しぶりに聞きました。ローラの、角が取れたユニコーンは、普通の馬になって生きやすくなったかも知れない、みたいな話しはなんか納得でした。最後の大きな額縁に入ったトムは、お姉さんを心配しながらも父親の様になったのか?ろうそくの火を吹き消したローラは社会に踏み出したのか? 解釈が難しいシーンだと思いました。出演者が4人だったのでセリフの量がスゴかったです。特に母親の塩田さん。出ている時間はずっとしゃべっていた印象です。お疲れ様です。素敵な芝居をありがとうございました。

 

広瀬のほとりサークル Kさん

「ガラスの動物園」例会で、86歳の母が25年ぶりに再入会しました。いせさきで設立準備から父と二人で手伝い、鑑賞してきました。家庭の都合で退会してから長いブランクがある中で、私が誘う気持ちになったのは、秋のつどいに参加した時に、紹介した人と芝居が楽しそうだったのと、昔の仲間から声をかけてもらった事、今回が担当サークルだったからです。聞こえを心配していたら、前の席で観ることができ、ガラスの一角獣やローラの変化する表情を堪能しました。トムの苦悩は現代にも通じるものでした。コロナ禍での久しぶりに楽しいひとときになりました。この会を続けてこられた皆さんのおかげです。ありがとう。

 

彩の会サークル Kさん

家族のそれぞれが思いやりながら、苦難を抱えて生きる人々、どんな時代にも通じる様々な問題が示されていました。何かに熱中できることは、ひとつの救いかとも思われますが、親子でも兄弟、姉妹でも、優しさ故に、もどかしくもあり、そんな様子をみごとに演じた役者さんたちの実力を感じ、見応えのあるお芝居でした。

 

ローズカクテルサークル Hさん

やけに大きな額縁が、不似合いにも舞台の中央にぶらさがっていた。この物語の進行役も務めるトムが登場し、劇が始まる―。トムはこの舞台脚本を書いた、テネシー・ウィリアムズ自身だろう。特に印象的だったのは二幕の場面―。トムがまるで黒子(舞台の登場人物には見えていない)のように舞台上に現れてローラとジムの関係を、トムが操っていたかのようなシーンだ。―ならば、トムに言いたい。「弟ならもう少し姉ローラのために、最後まで夢を見させるストーリーを作ってやれよ!それが姉に対しての愛情なのか!」と。しかし、おとぎ話のようにハッピーエンドで終わるよりも現実を直視したような、ローラにとって悲しい別れ方は確かに心に残った。そして何よりも劇的であった。これは、この作家のスタイルなのかも知れない。―ならば、トムに聞きたい。「ローラの『ガラスの動物園』は、その後どうしたんだい。輝いているのかい?それともくすんでしまったのかい?」と。

誰しも皆、心の中に『ガラスの動物園』を多かれ少なかれ持っているのだろう。今世界は、明るい未来を描きにくい状況に包まれている。今この時代、少しは夢の中や幻想の中に逃げ込んだとしてもおかしくはないだろう。

文学座の財産演目と言われている『ガラスの動物園』。飽きる事のない二時間二十五分だった。もちろん原作のすばらしさもあるが新たな翻訳と解釈で、個々の役者の持つパワーが演劇という世界にリンクしたのだと思う。ラスト近く、アマンダが悲しみと失望の感情を爆発させた流れ溢れる台詞には、思わず引き込まれてしまった。

 

キャロルサークル Oさん

親子で激しく言い争うような場面が何度かあり、それぞれが、それぞれの立場で自己主張しぶつかり合っていました。相手への思いやりや気遣いの無い言葉を聞いていたら、私も両親に対して、同じような言葉を発していたような気がしました。なんて自分勝手だったのだろうと今は亡き両親に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。また、我が息子に対しても押し付けがましい言い方をしていないだろうかと思い返しています。セリフの一言、一言がたいへん身にしみました。

 

広瀬のほとりサークル Mさん

期待通りの名作だと思いました。70年前のアメリカの話ですが、少しも古さを感じさせず、日本で生活している私の心を強く揺さぶる舞台でした。親子の確執、家族のすれ違い、夢と現実の生活との乖離、引きこもりなどのいろいろいな問題が絡み合って、私に迫ってきて、いろいろなことが脳裏に浮かびました。

最初に考えたのが、ジムの存在です。彼はローラの救世主かと思わせて、結果的にはローラや母親を奈落の底に落としてしまいます。しかし、見方を変えれば、ローラの心を開かせた点では素晴らしい人にも見えます。ローラが私もガムが欲しい、というシーンは非常に印象に残っています。つらい結末でしたが、ここにはかすかな光を感じました。

トムの行動も自分の夢をかなえるために行動する点は理解できますが、残された者の後のことを考えると複雑な気持ちになります。また、アマンダのような母親には辟易しますが、少なくともトムをローラに引き合わせ、ローラの心の扉を開けさせた点は良かったと思います。

登場人物たちは問題を抱えながらも精一杯生きようとして、もがいて、結果的には、うまくいかない状況に直面することになります。明るく楽しい舞台とはいいがたい作品ですが、心にしみる舞台であり、「トムのその後の人生はどうだったのか」「父親はなんで家出したのか」など観劇した人といろいろと話をしたくなる作品でした。

 

彩の会サークル Kさん

家族間でそれぞれに思いやりながら、自分の意志も実現したい。家族のシアワセって、むずかしい、せつないです。

 

ブルーベリーサークル Sさん

ローラは力強く生きていけるかと思いましたが、ローソクを吹き消したローラの気持ち、という話をみなさんから聞けて、「きっと力強く生きていくんだ」という安心もあります。家族、親子、母親、娘、深い!!

 

キャロルサークル Hさん

とても、各役者さんの立場がわかる感じで、特にアマンダが娘の将来を考えて、良い相手を探している姿に、自分を置きかえたら、そこまで考えていない事に反省させられました。照明の使い方が、事前学習会で聞いていたので、すごく良かったと思いました。

 

点サークル Oさん

ジムの出現でローラが力強く生きていく姿が見えてきた?観た人の年齢によってそれぞれの感想は違ってくる気がする。

 

ブルーベリーサークル Oさん

70年以上前の作品とは思えない。こんな家族の関係は現在にも通じると思った。親や家族にしばられて自由のない若者は今も多いと思うし、昔にとらわれて現実を見ない大人も多い。幻想的というよりは抽象的な舞台に思えたが、あのアト、母親と娘がどうなったのか気になる。

 

点サークル Kさん

明るい表情、考えさせられる表情、多々あって、舞台観、明暗あり、想像あり、見ごたえありでした。

 

ローズカクテルサークル Aさん

トムの回想という成り立ちで、3種類の描き方に照明が工夫されていて違いがわかるらしいとあったが良くわからず、もんもん・・・。ローラの表情の変化が良くわかり良かった。

 

キャロルサークル Mさん

キャストの適役、力量がすばらしかった。脚本も現在に通じる内容で考え深かった。

いせさき演劇鑑賞会では、いつでも会員募集中です。
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劇団青年座『明日 -1945年8月8日・長崎

 

 

観劇した会員の感想を紹介します。

ネタバレを含む場合がありますので、これからこの作品をご覧になる方はご注意ください。

 

 

5月に乾杯サークル Iさん

目の前の舞台上の人々は、1945年8月8日を昨日と同じように、明日が来ることが当たり前のように生きている。何度「明日は・・・・」という言葉を発しただろうか。翌日の破滅的な原子爆弾投下を知っている私はそのセリフを聞くたびに、心におもりがずんと埋め込まれていく。人々は戦時下という状況の中で、結婚式を行い、出産があり、離れて療養している病気の娘を心配し・・・・、一生懸命平凡な日常を愛して生きていたのだ。そうだ、庶民への理不尽な暴力は突然やってくる。私はウクライナの人々のことを思わずにはいられなかった。2月24日のロシアによる侵攻。報道される映像は過去の歴史の中の出来事ではなく、現在の私たちの目の前にあるという現実。いい劇を観た。

 

リアンサークル Kさん

今年ほど、戦争について思いを巡らすことはないのではないか。まさか、侵略戦争が起こるとは。周りの大国が、それを止めることもできず、ずるずると続いている。すぐに終結すると思っていたそれは、未だ、解決の糸口すら不透明のまま続いている。町や家、家族をなくした人の嘆きのニュースに触れる度、私は、「ああ、七十数年前の日本も同じだったのだろうな」と思っていた。侵略する側もされる側も、市井の人達が被害を受けるのは、昔も今も同じだと痛感する。だから、若い人たちに伝えなくてはならない。戦争ほど愚かなことはないと。

ベートーべンの「悲愴」の調べが静かに流れる中、舞台は始まった。私は、とりわけチェロの音色が好きだ。黄泉の世界からやって来た人たちが現実の時間空に現れて、そして帰って行くという設定は、死者への敬愛の念が感じられた。すてきな演出だと思う。

私は、舞台上の「時計」の時刻が気になってずっと見ていた。刻々と迫る「その時」を、ドキドキしながら見ていた。そうだ、「明日」は何が起こるか誰も知ることができない。こんな世界情勢だからこそ、今、「明日」を上演することは、ことさら意味があることだと思った。たくさんのメッセージを受け取ることができた舞台だった。「劇団青年座」の皆様、ありがとうございました。

 

東皐サークル Kさん

この劇の題は、「明日」だ。明日、何があるのか観客の誰もが知っている。そして、舞台上の人物は誰も何も知らない。彼らは、生きている、あたりまえの日常を。私たちが同じような状況にあれば、同じようにし同じように感じたであろうように。それなのに、彼らの生きる姿から目が離せない。明日の約束をし、明日に希望を抱き、今日を生きている人たちが、尊く見えるのはなぜだろう。明日に起こることがとてつもない悲劇だから今日の彼らが尊く見えるのか。それはおかしい。彼らは何も知らず、私たちと何も変わらない今を生きているだけなのだから。彼らの今がこの上なく尊いものならば、私たちのありふれた毎日も同じように尊いはずだ。

結婚した妹に「わたしがいちばんきれいだった時」(茨木のりこ)という詩を思い出した。全身に光を浴びて姉が新生児を抱いて顔をあげる終幕からは、この世に生を受けることの衝撃と勇気が伝わってくる。明日を生きんとする人間の意志のみが、この世界を覆う暴力に対抗しうるものなのか。

 

つくしサークル Mさん

お話の内容は、どこにでもある日常のでき事を淡々と描いた作品でした。その時、8月9日11時2分が劇的に終わると思っていた予想に反して、とても静かに幕が閉じてしまいました。ピアノとチェロとバイオリンの生演奏の音色がとてもやさしく美しく、悲しい余韻にひたりながら、明日を奪われた人々の無念さをひたひたと感じました。

それにしてもウクライナで同じような状況におかれている人々がいるということに憤りを感じます。おまけに核の使用までにおわせていて、77年前と同じ悲劇が起きたらどうするのでしょう。平和を願わずにはいられません。

 

エーデルワイスサークル Aさん

華やかな婚礼の様子から始まり、最後は出産シーンで終わるという一見ハッピーエンドのようなこの劇の題名は「明日」。「明日」をいう言葉は輝かしい未来さえ感じさせるが、この題に続く「1945年8月8日・長崎」の文字で物語は悲劇へと変わる。観客は、舞台上の人物たちが次の日の11時にこの世から姿を消してしまうということを知っている。儚いものであることを知っている。だから登場人物の言葉や動作の一つ一つが愛おしい。

劇中のピアノ、ヴァイオリン、チェロが奏でるベートーベンの「悲愴」第2楽章。「悲愴」の言葉の意味は、辞書には「悲しくいたましいこと」とある。しかし、当のベートーベンは、自分の苦難を乗り越えようと作った曲であるらしい。長崎での出来事を忘れず、伝え、いかにして乗り越えていくかが、残された者の課題であろう。劇団の皆さんがとても大切にしているテーマであることが伝わってきた。今、世界は大変な時であり、私たちも無関係ではいられない。

 

ひまわりサークル Oさん

  • 戦時下、みんなの懸命に生きる姿を演じてくださった青年座の方々に感謝です。
  • 結婚式でうたわれた数え歌はとても楽しく良かったです。
  • 世話役の声は聞きとりやすかったです。
  • 「悲愴」の生演奏も作品にうまくなじんで、もり上げてくれました。
  • 時間だけが着々と進んでいき、赤ちゃんの元気な産声で終わる。
  • 原爆は悲惨でむごい、祈りしかないのだろうか?
  • 今、憲法改正、大軍拡(軍事費2倍、敵基地攻撃能力の保有…)などがすすめられている。
  • 核兵器のない平和で公正な世界がいい。
  • 今を絶対に「戦前」にしない為に私達一人一人がなんでもできることを。

 

花散里サークル Kさん

「八月の空を見上げて その2」

31年前のその夏、青年座の「明日」に出会った。まだ若かった自分に明日という日が重くのしかかった記憶がある。

3年前の夏、28年振りの「明日」に会うため、劇場へ足を運んだ。その夏、地元では「夏の雲は忘れない」が上演された。いつの頃からか、夏になると空を見上げる。今日の空を見上げて明日を思う。そうして、あの夏の空を思う。あの夏、ヤエさんもハルさんも満江さんも、みんなが明日を思った。誰もが明日、愛しい人との生活を疑うことはなかった。その朝、ツル子さんは愛しい赤子を生んだ。「今日もよか天気になるじゃろう。よか日和たい。ほんなこつ。」その夏奪われてしまった明日と今日。なんびとも誰かの明日を奪うことは許されない。そう強く願って、今日も夏の空を見上げよう。「明日も良い天気になりますように。」

 

【ひとくち感想】

  • 何気ない日常を過ごしている人が一瞬のうちに人生が変わってしまう。今の私たちの日常が…。二度と起きてはいけないことをまた考える時間を持てたことがよかったです。
  • 毎年の様に8月は重苦しい季節でテレビの放送を見るのも気が重いので戦争を題材にしたお芝居を見るのは出来れば見たくない私でしたが、直接的な表現のない(戦争シーン)この「明日」は子供達にも是非鑑賞して頂きたい演劇だと思います。大変良かったです。
  • しっかりした舞台作り、生演奏がよかった。こういうものをもっと増やしていきたい。
  • 生演奏がお芝居を豊かにしていた。
  • 戦時中ということで必死に生きている人々の姿や思いが日常の何気ない会話から伝わってきた。
  • 山場のような場面は特になく淡々と進められていくのが、それだけに終わった後もじんと心にしみる舞台でした。
  • まわり舞台の使い方や中央とまわりの芝居など対照的で興味深かった。
  • とても素晴らしかった。
  • 舞台装置も凝っていたと思う。
  • 戦争のむごいシーンがなくても、これほど強くその恐ろしさを感じられる、その迫力に圧倒された。

 

この公演は、劇団招待の中学生も観劇していました。

学生の皆さんの感想もご紹介します。

 

【中学生の感想】

  • 原爆が落ちる前の平和が一瞬になくなったと思うと、終わった後にちょっと悲しい気持ちになります。いままで、見た中で一番わかりにくく、一番わかりやすかったです。とても心にのこりました。
  • 劇とマッチする曲や、入りのタイミングが良かった。
  • 恐ろしい、一瞬にしてたくさんの命が失われる悲しさを痛感した。
  • 音楽もあって、雰囲気がでてよかったです。
  • とても面白く集中して見ることができました。 少し方言が難しかったです。また機会があったら見にきたいと思います。
  • 戦争時の人々の暮らしや大変さが改めて分かりました。音楽もとてもきれいでよかったです。明日が当たり前にあることに感謝をしたいと思いました。
  • 「悲愴」のイメージと合っていてとても素晴らしかった。
  • 今回は初めてしっかりとお芝居を見ました。とっても感動しました。声の大小や感情の表現など、とても繊細でした。時計にも注目して観劇しました。あと2分で原爆が落ちるということに気づいて無念でした。命の大切さ、一人一人の人生の大切さ、たくさん学ぶことができてよかったです。
  • 最初は、言葉が難しいと思ったのですが、だんだん分かってきて、言葉はみんな「ハキハキ」していて、すごくわかりやすくて、長崎に原爆が落ちる前の平和なお話を聞いて悲しくなりました。来てよかったです‼
  • 説明している人?の一言一言のインパクトがよかった。悲しい時の表現がとてもよかった。かずの歌がおもしろかった。
  • それぞれの人物の見た「明日」が一瞬で灰になってしまった。明日を生きられるかも分からない中で、精一杯生きようとする人々の命が、それでも奪われてしまうことが悲しかった。
  • 原爆が投下される前のできごとは、今、私達がくらしているのと同じで、平和だったが投下された後どんなことが起きたかなどを調べるいい機会になりました。
  • 観劇中、何度も鳥肌が立ちました。感動しました。
  • 明日がかならずしも来るとは限らない。だから明日が来ることを大切にしなければならないと思いました。音楽と物語がとってもあっていてすてきでした。

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