トム・プロジェクト『風を打つ』
観劇した会員の感想を紹介します。
ネタバレを含む場合がありますので、これからこの作品をご覧になる方はご注意ください。
キャロルⅡサークル 青葱さん
「水俣の毒は今も生きている、水俣の禍は今も生きている」。作品を観ながら率直にそう感じた。舞台となる杉坂家は公害の原因である企業を訴えた事によって、却ってその企業に生活基盤を依存している住民達から凄絶な嫌がらせを受ける。「被害を訴える事がそんなに悪い事なのか」。水銀中毒という一生消える事の無い苦しみを背負わされた上に、被害を訴えた事を更に咎められるというあり得ない理不尽すら飲み込まなければならない杉坂家の現状。家族の中でさえ感情の齟齬により揺れ動いて行く。自身のやるせない気持ちを不知火湾の魚に投影して語る栄美子の姿はこれまでの苦悩を敢えて表に出さず、かつての穏やかな漁村の暮らしさえ取り戻す事が出来たら、という哀しくも優しい願いに昇華されて表されている、かつて対立し続けた住民達との和解の願いも込めて。今回の舞台は5人の出演者全員が主役に思える程の熱演、セットも昔風の民家を思わせる丹念な作り込み、音楽や照明等の舞台演出も見事で実に完成度の高い作品に仕上がっている。本編が進行する合間の暗転からの孝史の一人語り、かつての穏やかな漁村の暮らしを懐かしむシーンとの対比がとても良かった。今日は女性俳優2人の魅力的な演技にずっと見とれてしまいました。素晴らしい舞台でした。
リアンサークル Kさん
「風」とは何だろうと考えながら見ていました。「風」とは、「世の中の大きな流れ」「時代」ということでしょうか。一人ひとりの力では、どうがんばってもどうにもならない「風」でしょうか。この家族が、その「風」に翻弄されながらも、強く手を携えて立ち向かおうとする姿が描かれていました。5人の俳優さんたちの熱演に圧倒されました。最後に音無さんが熱く語る場面の「台本」を、運営サークル会議でみんなで読み合いました。その時は、熊本弁がきつくて意味がよく分からない部分がありましたが、音無さんの熱演では、意味がすーっと入ってきました。すばらしいの一言です。
風車サークル Kさん
久しぶりに心に残る舞台だったと思いました。音無美紀子さんと同じ世代として、舞台で見せた主演者としてはりのある声、はつらつとした動きに感動しました。舞台挨拶で今回が110回目の公演で、初演が2019年とのこと、長年演じて来たことによる円熟味を感じました。また、水俣病と言う辛く重いテーマを過去の回想を語りながら、そのことによって、家族が分断された現実を扱い、劇中に笑いやユーモアを入れながら、現代の人にも受け入れやすいように構成された点も良かったと思いました。
風車サークル Mさん
昨日、私も深谷で「風を打つ」を観てきました。本や台本など読んでいたのですが、やはり生は迫力が違いますね。最後の栄美子さんの叫び、分断された水俣の人々(含む水俣で死んでいった魚や動物たち生きとし生けるものたち)に、投げかける言葉に思わず涙しました。「ごめんなさい」というあやまりのことばでなく、祈りんことば「おかげさまでありがとう」ということば。「水俣ん好きなもん、きっと戻って来んなあ」に応える人々が、今もなお続いている、家族や地域のいろいろな課題に立ち向かって行けることを願いました。また、新たな課題が押し寄せている今、私も他人事ではなく、「治せるものは」心して「慣れるわけにはいかない」と、改めて思った観劇でした。
風車サークル Uさん
風車2サークル Mさん
改めて目の前でことばを聞ける、息づかいがわかる、くしゃくしゃになって泣いている、ということに感動していました。本当に久しぶりだったのです。
藤の会サークル Kさん
「水俣病」がテーマと聞き、ほぼ知識はなく重苦しく感じる中で興味を持ち、観劇できるか不安だった。唯一、有名な俳優陣が出演することで、少し気持ちが和らいだ。はじめは、ホームドラマのような和やかな雰囲気だったが、芝居が進むにつれて、「水俣病」がもたらす背景、葛藤など描かれていた。家族一人一人が思いをぶつけ合う場面では、何と表現したらよいか分からないが、胸が苦しく、目頭が熱くなった。実話をもとにしていると言うが、現実はきれい事でなく、複雑で解決しきれない事が多々あったのでは。(家族だからこそ難しいことも?)最後の祭りの場面では、3人の息の合った太鼓に、栄美子の語りと力強さの中に、あたたかさもあり、体全体に響いてきた。(会場全体がステージに集中していた。)家族が一つになり、心の叫びのようなものを感じた。(方言は難しかったが、人や地域の温もりに触れることができた。)そして、自然に拍手を送っていた。上手くまとまらないが、「水俣病」(だけではないが)を過去ではなく現在の問題として、学び、知り、受け止めようと思った。また、ある家族の話で終えてはいけないと。「差別・偏見」もなくならない。人間の醜さを痛感する。表現は、自由でも、風や情に流されることなく、立ち止まって考えてみたい。「自然環境」も頭によぎるが・・・。観劇後、整理しきれないくらいの課題を投げかけてくれた。不安から始まった「風を打つ」だったが、今は、あふれでる感激と感謝の気持ちで、いっぱいになった。これからも、この舞台を通して、俳優・スタッフの熱い思いや感動を全国に届けてほしい。
Familieサークル Nさん
事前学習の時からずっと心待ちにしていました。幕が上がる瞬間、「とうとうこの時が来た」と胸が高鳴り、思わず息をのみこみました。舞台が始まると一瞬で物語の世界に引き込まれました。役者の息づかい、言葉の重み、軽快なやり取り・・・目の前の舞台だけでなく、その向こうにある海や暮らし、人々の人生までもが見えるような感覚になりました。水俣病についても(少しだけ)学んだ(知った)上で観たからこそクライマックスでは胸が締めつけられ、涙がこぼれました。怒りや悲しみだけでなく、それでも前を向いて生きようとする強さに心を揺さぶられました。そして何より音無美紀子さんの演技の素晴らしさ、明るく豪快でありながら情に厚く涙もろい、過酷な現実を背負いながらも生きる覚悟や母の強さ、その存在感に圧倒されました。
Familieサークル Nさん
「あのバス旅の太川陽介さんの舞台が見られるよ。」と言われて入った演劇鑑賞会。正直、最初はその一言がきっかけでした。でも、事前学習会に行った母の話を聞き、すすめられた本を読んでから観劇したことで、作品の見方が変わりました。背景を知っていたからこそ、一つ一つの場面や、言葉が重く感じられました。観ているうちに、自分もその家族の一員のような気持ちになり、悔しさや怒り、そして前を向こうとする強さに胸が熱くなりました。音無美紀子さんの存在感も印象に残りました。オーラが半端なくすごくて、舞台に立っているだけで空気が変わるように感じました。言葉だけでなく、表情や立ち姿からも、その役の人生が伝わってきました。そして最後のお祭りの場面では、悲しい過去の上で鳴り響く太鼓の音から「それでも生きていく」という強いエネルギーを感じました。この作品を通して「生きる」ことについて考えさせられました。
かぶと虫サークル Iさん
今回、初めて演劇鑑賞会に参加しました。水俣病という出来事は知識としては、知っていましたが、実在の家族の物語として舞台で観ると重みが全く違いました。病気以上に周囲の偏見や差別と闘わなければならない家族一人一人の姿が心に残りました。理不尽な状況と孤立した生活環境でも悩み苦しみ、最後に声を上げた姿に胸を打たれました。多分自分にはあんなに信念に満ちた力はないのでは!人が人を理解する事の難しさや大切さは、永遠のテーマではと感じました。又、演者に対する鳴りやまない拍手を聞きながら、演劇とはいいもんだなーと感じた初めての演劇鑑賞会でした。
ブルームーンサークル Aさん
水俣病については知っていたが、その実態を芝居を通して知り原因の解らない体調不良と闘い、又社会の不公平さと闘いながら、真実を求める家族の生き方に深く感銘しました。ややもすれば家族の絆がバラバラになりそうな時、暖かい人間愛により各々が成長して、最後は解り合えたのでほっとしました。各々の演者さんの熱演で久々に深い感動を載きました。
エーデルワイスサークル TMさん
公害病の水俣病のことは、社会科で学習した程度の認識だった。水俣病の被害者と企業や行政、そして世間との対立が描かれるのかとイメージしていたが、その対立を真正面に取り上げるのではなく、ある被害者親子の軋れきを次第に浮かび上がらせる。公害病の痛みだけでなく、家族の苦悩が伝わってくる。意外な展開だった。やがて理解する家族に希望の光が見えて圧巻だったのが、最後の祭りの場面だった。勇壮な太鼓の音、男勝りの母親栄美子さんの女神のような語りは感動的だった。
紫雲サークル Tさん
6時30分ぴったりの開幕、2時間の上演時間中、舞台の人たちの中に私もいるような時間でした。特に座席1列、中央席という最高な観劇時間の中にいました。隣席の方(80歳代)も少し難聴なので喜んでいました。水俣病はマスコミにも報道され人々の話題になっていました。そして病の原因が高度成長期の工場排水のものだったことがわかって、社会問題になったのですが、いつの間にか話題に上がらなくなったのです。あの時から30年も過ぎた今、実話を元にした「風を打つ」に出会えてよかったです。出演者ひとりひとり、あの杉坂家の様子を再現して素晴らしい演技力です。暗転の中で語られた言葉の効果、台詞の中で家族それぞれの思いが伝わってきました。そして昔から変わらない病気への偏見(ハンセン病・原爆・放射能)の中で生き抜いている人々のことを改めて思いました。治らんものには、慣れるしかない。ばってん治せるもんに慣れる訳にはいかんのじゃ、わしらは・・・。この最後の台詞、強く心に残っています。治せるもんは、みんなの力で治さなくてはー。
紫雲サークル Aさん
それぞれの立場での家族愛を痛い程感じました。話は変わり、7年前に夫が病死し私は息子と二人の家族ですが、しっかりと家族をやっています。でもこの5人の家族には少々ジェラシーを感じます。
ゆづるサークル Mさん
昨年9月の秋まつりからサポーターとして「風を打つ」にかかわってきました。水俣病の原因や病状の経過から患者さんが日常生活上の苦しみの他、社会的困難があったと知りました。当日の観劇会では、2時間の短い時間のなかで家族の歴史が時を超えて胸にせまりました。テレビで拝見したなじみのある俳優さん方で、いつもより舞台と客席の一体感を強く感じました。
風車サークル Kさん
家族について考えさせられる素晴らしい作品でした。水俣病と闘いながら、家族愛を強く感じさせられる作品だったと思います。最後の太鼓の演奏は感動しました。
ホープサークル Tさん
水俣病で差別や偏見の嵐の中で崩壊した家族が、愛ある対応とそこからの再生を描いた温かく感動的な舞台で、素晴らしかった。また、水俣病の歴史を知る機会になった。
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