劇団前進座『松本清張朗読劇』

 

 

観劇した会員の感想を紹介します。

ネタバレを含む場合がありますので、これからこの作品をご覧になる方はご注意ください。

 

 

アンセルモサークル Kさん

若いころ、松本清張の小説が好きで、ずいぶん読んだものだ。

私は、鳥取県の米子で学生生活を送った。コンパというサークルの飲み会で、先輩が、「出雲地方はズーズー弁なんだ。」とズーズー弁で話した。その彼は出雲出身で、松本清張の「砂の器」を読んで、自分の言葉がズーズー弁だと知ったと話した。ズーズー弁は東北以外では出雲地方しか無いという。それからだ、私が松本清張に興味を持ち読み始めたのは…。

その「松本清張」の朗読劇がやってきた。

さすが、前進座。役者が上手い。一人で何役もこなしているけれど、聞いているだけで情景が浮かび、登場人物の表情まで見えるようだ。2本とも十分に楽しませてもらった。

先日、NHKで「帝銀事件」を、ドラマとドキュメンタリーでやっていた。そうだ、私もその小説を読んで、警察は何をしているのだと、ずいぶん憤慨したものだ。そして戦争は人を壊わし、真実も隠してしまうものだと恐ろしくなった。

清張の社会派推理小説は、若い私の青臭い正義感を育ててくれたように思う。

早くロシアとウクライナの戦争が一刻も早く終わることを願った。

 

ももサークル Kさん

演劇鑑賞会言うのが本会の主旨であると思っておりましたので、演劇鑑賞が見慣れた事により、今回の朗読劇が行われるか興味を持っておりました。

以前にも朗読劇を見た事はありましたが、それ程印象に残っておりません。

その為に今回の前進座の朗読劇がどの様に演じられて行くのかと思っておりましたら出演者の方々の努力や工夫御苦労など様々な面で演じられたので、最近らいの演劇会の中でも感じられなかった程すばらしいものであったと思います。

間合いも良く声も良く色々な面で良く、ここ数年鑑賞会を見てきた中でも記憶に残る作品であったと思っており、感動致しました。

 

イフサークル Yさん

朗読劇はあまり観たことがありません。今回が三度目です。朗読劇は、身振り表情がありませんので、演者を間近に感じる小さな劇場で演じられるものと思っていました。ところが、この度は500人の大きな空間を3人の話者が、ほとんど物言う術だけで支えるという芝居です。

実は、私は前進座の芝居を観るのは初めてです。いろいろなものをやる劇団だなという印象しか持っていなかったのです。しかし、役者のなんと達者なこと。一人で数役を演じ分け、それらの登場人物が次々に、そして生き生きと舞台空間に現れてくるではありませんか。

人間の「生きる」様を舞台上に表現する演劇という芸術様式のすごみを感じさせる芝居でした。少し驚き、またとても感動的なドラマ(劇詩)でした。機会があれば、次回はマイクを使わない小さな劇場で直に観たいものだと思いました。

 

アルビレオⅡサークル Tさん

とてもすばらしかった。声での表現がとても良く、場面がしっかりと目に浮かびました。

 

花盗人サークル Oさん

前橋で鑑賞していた時に、「子午線の祀り」という演劇を観たことがある。

源平合戦、壇之浦に関する内容だったと記憶しているが、内容より「群読」という出演者が揃って台詞を述べる迫力に圧倒された記憶がある。

今回は3人の語りのうまさに感心した。台詞だけというのも良いものだ。

しかも20作品が揃っているという。費用のことも含め、2年に一度くらい、別の作品を鑑賞するのも良いかな。

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