「沈黙の詩人」
「パントマイムの神様」と呼ばれる人。
Marcel Marceau(マルセル・マルソー)様。
1923年3月22日~2007年9月22日。享年84歳。
台詞がない、静寂の世界の中、「動き」だけで、
空間の中に命の物語を紡ぎ出す「神様」。
晩年まで、精力的に舞台に立たれ、日本でも、地方公演まで、
行って下さいました。「行きたいけどどうしよう」と思っているうちに、
2回とも行きそびれてしまいました。今になって地団太。
「行っておけばよかったなあ」という舞台を、端から行っていて、
「ええっ、あれも観たの!?」という、近年出来た友人が居て、
マルセル・マルソー様の舞台も、2回とも行っている。
羨ましい・・・が、彼女の家に行けば、少なくともパンフレットが見れる。
動画で拝見すると、指先の動きの一つ一つにまで、
表情があり、言葉なき言葉を語っておられます。
本来の姓名はMarcel Mangel(マルセル・マンジェル)と、
おっしゃるそうです。お父様がユダヤ人でらして、
第二次大戦中、ユダヤ人であることを隠す為にご改名。
パットン将軍の軍隊で、英語力を生かし渉外係をお勤めに。
しかし、改名の甲斐もなく、お父様はゲシュタポに囚われ、
帽子に力なく飾られた花、ストライプのシャツというキャラクターは、
1947年にマルソー様が創りあげられた「Bip」。
ステージの印象が強いのですが、メイクを落とされたら美男子。
かっこいいおじ様。
シャルル・アズナヴール様と。
モーリス・シュバリエ様と。
ジェリー・ルイス様と。
マイケル・ジャクソン様と。
1900年代半ばには、ジャン=ルイ・バロー様とお二人で、
ムーンウォークの動きを考案しておられたそうです。
さて、こちらが、そのジャン=ルイ・バロー様。
1945年、マルセル・カルネ監督作品「天井桟敷の人々」
・・・すみません、バロー様。今日、本日まで、
わたくし、バチスト役はマルソー様だと勘違いしてました。
ひゃああああ、という大間違い。
バロー様が映画に、マルソー様がパントマイムにと、
道が湧かれるまで、バロー様が立ち上げた劇団で、
共に舞台に立たれておられたのですね。
こうしてちゃんと拝見したら、お顔が全く違うのに、
勘違いを墓場まで持って行かずに済んだわあ。
さすがにアルレッティ様は、正しく覚えておりました。
北野 武様の夜でも、ポスターの話しになりましたが、
お巴里~は、ポスターの街頭での存在感が美しい。
この「存在」「センス」自体が、絶頂おしゃれですが。
おまけ:1976年、メル・ブルックス監督作品
「メル・ブルックスのサイレント・ムービー」。
その名の通り、サイレント・ムービー。
その映画に、わざわざカメオ出演で、ご登場。
映画の中で唯一セリフ、「 Non!」を御披露されました。
メル・ブルックス監督、さすがアン・バンクロフト様を落としたお方。
センスいい!