昭和歌謡あれこれ Vol.26 すぎやまメロディーが美しい あいざき進也『愛の誕生日』 | 茶々吉24時 ー着物と歌劇とわんにゃんとー
私がパーソナリティを務めさせていただいている
エフエムあまがさきの番組
「昭和通二丁目ラジオ」木曜日。

昭和の歌をお送りする番組です。
今年度から、昭和歌謡のちょっと不思議な歌詞を掘り下げたり、
その曲の思い出を語る時間を設けています。

子ども時代にはよくわかっていなかったけど、
今この歳になって聞くと面白い「昭和の歌詞」を
番組内で深堀りするコーナー。

このコーナーは、昭和を彩ったアイドルの一人、
あいざき進也さんがきっかけで誕生しました。

子どもの頃好きだった あいざきさんが
突然私の中に蘇り、4月から毎月第一木曜日は
あいざき進也さんの曲を深掘りしています。

今では、県外からもあいざきさんファンがメッセージをお寄せ下さり、
大変な賑わいに。
(サイマル放送万歳)
エフエムあまがさきスタッフの間では、
第一木曜日は「あいざき進也まつり」と呼ばれております。

さて、昨日は10月の第一木曜日でした。
おそらく あいざきさんファンにとって10月は特別な月だと思います。

だって、あいざき進也さんのお誕生日が10月26日なんですもの。

実は私の誕生日は10月30日。
ふふふふ、近い!嬉しい。
そして偶然なのか必然なのか、
番組ディレクターの誕生日が10月23日!
ということで、昨日は、あいざきさんの
『愛の誕生日』に注目しました。

この曲の発売日は1974年10月25日、
つまりあいざきさんの誕生日の前日です。
あいざきさんのデビューはその年の1月ですから、
17歳最後の日に発売された4枚目のシングルで、
明治チョコレート ハイミルクのCMソングでもありました。


昭和の頃とは「meiji」のロゴが変わったとはいえ、
この赤いパッケージの板チョコは定番商品として今も健在。
私は残念なことに、このCMをほとんど覚えていないのですが、
あいざきさんが 赤いジャンプスーツを着ておられたのは
この頃だったのかもしれません。
商品イメージに合わせてのことかと思いますが、
赤いジャンプスーツがあんなに似合う男性は、
なかなかいらっしゃらなかったと思います。

それでは歌詞を見ていきましょう。
以下、勢いがつくと敬称略になるかも知れません。
失礼します。

『愛の誕生日』
 作詞:岡田冨美子  作曲:すぎやまこういち

花のような君が好き
やわらかな風にも
負けそうな折れそうな
守ってあげたいの

君はひとり夕焼けに
わらべ唄をうたい
泣くという愛しあう
人がいないから

もう淋しくない
僕を信じて
愛の誕生日は二人だけの秘密
いいね

君の肩に止まってる
今日からのしあわせ
やさしさとほほえみが
僕の贈り物



作詞の岡田冨美子さん。
鈴木聖美with Rats & Starが歌った『ロンリー・チャップリン』など
数多くの歌を生み出しておられます。

作曲家はすぎやまこういちさん。
ゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズの作曲はあまりにも有名ですね。
ワクワクする音楽の数々。
私のスマートフォンの着信音は「ロトのテーマ」です。

イントロは、今聞くと「ザ・昭和!」。
レトロですが、美しいメロディー。
そしてまだ17才のプッチ(あいざき進也さん)の
可愛らしいボーカル!!

柔らかい風にも負けそう、折れそうって
コスモスみたいな女の子なんでしょうか?
なんか幸薄そうで、思わず守ってあげたくなるのもわかります。
しかし次のフレーズで私はちょっと引きました。
あなたなら夕焼けに向かってわらべ唄を歌いますか?

場所はどこだろう。河原?
それとも「隣の美代ちゃん(ドラマの中の浅田美代子)」みたいに
屋根の上でギターの弾き語りでもするのでしょうか。
シチュエーション以上に気になるのは曲目です。

わらべ唄というのは本来、
昔から伝わる、子どもが遊びながら歌う歌なんだそうで、
「かごめかごめ」「はないちもんめ」「とうりゃんせ」
「ずいずいずっころがし」などが有名です。
でも、愛し合う人がいなくて泣きながら歌うのには合わないわ。

童謡にまで範囲を広げて、夕方に似合う曲といえば、
「からすなぜ鳴くの からすは山に♫」
「夕焼け小焼けの赤とんぼ♫」
うーむ。
そんな歌を歌いながら涙している女の子……。

男子はそういう女子を守ってあげたくなるんですか?
私の心の奥からむくむくと疑惑が湧き上がってきますよ。
この女の子は
「いつか愛し合う人が現れるのを待ちながら
 夕日に顔を染め、わらべ唄を歌っている私ってステキ。
 頬には涙。完璧ね」
自己愛に浸っているんとちゃいますか?
それにひっかかるこの男子は純真すぎる!!

ちなみにこの曲をリアルタイムで聞いていたときは
「愛の誕生日」は普通にその人が生まれた日だと解釈していましたが、
今聞くと、愛が生まれた日、あるいは付き合い始めた日、
もしくはもうちょっと関係が進んだ日という意味なんでしょうねぇ。


さて内容はさておき、この曲のメロディーの美しさは
クラシック音楽のようです。
一番から二番に移るまでのインストゥルメンタルたるや、
さすが巨匠、すぎやまこういち!と、
何度聞いてもうっとりします。

さて、二番。

君は雨の降る夜に
宛のない手紙を
書くという愛しあう
人が欲しいから

もう淋しくない
僕を信じて
愛の誕生日は二人だけの秘密
いいね

花のような君が好き
たとえ傷ついても
散らないで枯れないで
そばにいてあげる
そばにいてあげる



夕方にはわらべ唄を歌い、
雨の日には宛のない手紙を書く……。
もし、私が解釈したような
超ナルシスト女子でなく、
素でこんな感じなのだとしたら、
かなり内省的な女の子なのですね。

こういう腺病質な女性を守ってあげたくなる男子の心は、
なんとなくわかる気もするのです。

というのも、私は宝塚歌劇ファンなのですが、
娘役さんの場合、
「病弱あるいは幸薄そうな人」を好きになる傾向があるのです。
これまで大好きだった娘役さんの名前を挙げていくと、
姿晴香、洲悠花、星奈優里、花陽みら、咲妃みゆ……
もちろん実像ではなく、舞台で私の目にそう見える人、
ということですが。
(実のところ娘役さんは強くたくましい人が多いと聞いています)

だからちょっとした風にも傷つきそうな女の子を
守りたいっていう男子の気持ちが わからないでもありません。

ただ、言っておきますけど、お花って意外と強いですよ。
強風でなぎ倒されたかのように見えていても、
しばらくするとまた太陽に向かってしなやかに伸びていきます。

「傷ついても枯れちゃダメ、ぼくがそばにいるよ」
って抱きしめてくれる男子の胸に埋められた顔が、
実はニンマリ笑っていたりしてね……。


※番組でご紹介したメッセージを読むと

あいざきさんファンは

この歌の歌詞を素直に受け止めておられました。

それなのに私と来たら……

ブラックな解釈で、お気を悪くされたらすみません!


お口直しに(?)歌を聞きましょう!
Youtubeにアップしてくださっている方がおられまして……。
アップ主さま、ありがとうございます。
意図はわかりませんが、Amebaピグで作られたちょっと妙な画像ですが、
この歌をみんなで共有できるだけでもありがたいと思っています。
ぜひお聞きください.
本編は43秒から始まります。
間奏の美しさもぜひ味わってくださいませ。




【おまけ】

「どうせ あいざき進也しか歌わへんねんやろ?」と、
このごろカラオケに付き合ってくれなくなった夫。
彼は私より年下で、プッチをよく覚えていないんです。

「5曲のうち1曲くらいのペースにするから」と
説得に成功しました。
歌って来ましたよ!
『シンデレラは6月生まれ』で90点超えました〜!

もう少し複雑な採点で『真夏の感触』を歌ったら
こうなりました。

ちなみに夫は長渕剛『RUN』で採点に挑戦。
もっと高得点狙えそうな曲にすれば良いのに。





昭和歌謡のちょっと妙な世界観を深堀りした内容のブログは
「昭和あれこれ」というテーマにして投稿します。
これからも一緒に楽しんでいただけるとありがたいです。
まとめて読んでくださる方は、こちらをクリック。

茶々吉24時 テーマ別記事一覧「昭和あれこれ」


個別に読むならこちらをどうぞ。

第1回 あいざき進也「気になる17才」
第2回 郷ひろみ「花とみつばち」
第3回 西城秀樹「情熱の嵐」
第4回 あいざき進也「君のハートに火をつけて」
第5回 沢田研二「追憶」
第6回 追悼の意をこめて西城秀樹「ラスト・シーン」
第7回 郷ひろみ「洪水の前」
第8回 チューリップ「心の旅」
第9回 あいざき進也「シンデレラは6月生まれ」
第10回 沢田研二「ウィンクでさよなら」
第11回 フォーリーブス「ブルドッグ」
第12回 松本ちえこ「恋人試験」
第13回 あいざき進也「恋のペンダント」
第14回 「ハチのムサシは死んだのさ」VS「勇気一つを友にして」
第15回 郷ひろみ「誘われてフラメンコ」
第16回 山口百恵「夏ひらく青春」
第17回 あいざき進也「恋のリクエスト」
第18回 高田みづえ「硝子坂」
第19回 石野真子『私の首領』
第20回 太川陽介『Lui-Lui』
第21回 五十嵐浩晃『ペガサスの朝』
第22回 あいざき進也『真夏の感触』
第23回 沢田研二『許されない愛』
第24回 郷ひろみ&樹木希林『林檎殺人事件』
第25回 山本達彦『サンライズ・ハイウェイ』


ブログランキングに挑戦しています。
もし記事を気に入っていただけたなら、
ポチッとクリックよろしくお願いします。
   ↓



人気ブログランキング