昭和歌謡あれこれ Vol.10 沢田研二「ウィンクでさよなら」 | 茶々吉24時 ー着物と歌劇とわんにゃんとー
本日2回目の更新です。
私がパーソナリティを務めさせていただいている
エフエムあまがさきの番組
「昭和通二丁目ラジオ」木曜日。

昭和の歌をお送りする番組です。
今年度から、昭和歌謡のちょっと不思議な歌詞を掘り下げたり、
その曲の思い出を語る時間を設けています。

そのきっかけとなったのが あいざき進也さん。
私の中で突然のあいざき進也ブームが巻き起こったのでした。

『昭和のアイドル あいざき進也リバイバルマイブーム』
(茶々吉24時 2018年4月7日)

子ども時代にはよくわかっていなかったけど、
今この歳になって聞くと面白い「昭和の歌詞」を
番組内で深堀りするコーナー。

昨日は沢田研二『ウインクでさよなら』に注目しました。

前回はチャチャなど入れる隙のない
文学的な『追憶』を取り上げたのですが、
今回はワイワイ言えそうな『ウィンクでさよなら』です。

ひとことで言うなら
「こんなこと、ジュリーだから許しますけど、
 フツーのおとこはんが口にしてみなはれ、
 えらい目にあいまっせ!!。
 勘違いしたらあきまへんえ!」
(なぜか京都弁ふう)

では、歌詞を見ていきましょう。
今日は歌の中に入り込み、
当事者として語ってみます。


『ウィンクでさよなら』
   (作詞:荒井由実  作曲:加瀬邦彦)

 あなたの写真を裏返し
 別の誰かと 部屋でキッス
 なんだか あわてた浮気では
 心はちっとも燃えなかった


のっけから不穏。

部屋に飾ってあるアタシの写真。
写真たてをパタンと裏向けにして、
別の誰かと部屋でキッスぅ?!
あわてた浮気では心がちっとも燃えなかったぁ?!

燃えたか燃えなかったかなんか問題じゃないんだよ!!
なんで別のオンナを部屋に入れるの?!
写真たてを伏せるなんて姑息なことまでして、
浮気ならよそへ行けッ!!

 あなたと出会ったときめきが
 この頃 色あせて
 塗り替えなくっちゃいけないと
 思っただけなのさ


言うに事欠いて、そんな言い訳か?!
マンネリを打開したかったと。
だからスパイスとして浮気したと。
屁理屈言うな〜っ!!
この馬鹿たれが〜!!


と、一般男性が言った場合は、
このような反応になります。
本当は機関銃のごとく、
もっと汚い言葉をお見舞いするところですが、
ブログですので、手加減してあります。

さて、同じ言葉を、
ジュリーが、あのジュリーが、
潤んだような瞳で、
少し笑っているような唇で言ったと想像してみましょう。
「この馬鹿たれが〜!!」とは言えない気がする。
腕を組み、私は怒っているぞオーラを発しながら、
無言で聞いているだけだと思う。
少なくとも私は。

そしたらね、心から怒っていないことを
見透かしているんですな、ジュリーは。

 I LOVE YOU
 I NEED YOU
 決まりのセリフで悪いけど
 I LOVE YOU
 I NEED YOU
 それしか僕にはいえないよ


ジュリーはね
「I LOVE YOU I NEED YOU」の部分を
跪いて、手を差し伸べながら歌うのですよ。
アカン!!
ジュリーに跪かれて、許さずにいられようか。
いや、いられない。

しかし、もしこれを普通の男性がやったとしたら?
私なら蹴るね。
「なにキザなこと言うてるねん!
 似合わんことすなッ!(似合わないことをするな)」
と、室内だけど赤いハイヒール履いて蹴っちゃうね。

あくまでも脳内イメージです。
DVとか言わないでくださいね💧
ちなみに、自分の脚ではなく、
赤いハイヒールを履いた菜々緒さんの脚が
綺麗に空を切って浮気オトコにキックする様子を想像すると、
かなりスッキリします
京都弁から、大阪弁に変わったのは、
怒りのボルテージが上がったと解釈してください。

さぁ、続きを。

 ベッドに 見慣れぬコンパクト
 あなたは気づかぬふりをする
 どうしてそんなに クールなの
 立場が ますます悪くなる


敵は相当な性悪オンナだな。
コンパクトみたいに大きなものを、
うっかり置き忘れるなんてありえない。
うっかり忘れた、あるいは偶然落ちたと言い訳できるのは、
真珠のピアスぐらいのものでしょ。
(荒井由実『PEARL PIERECE』より)
ワザと置いていったに決まってるわ!
ええ、絶対に。
こんな性悪オンナに負けてたまるかっ!
動揺しているところなんか、絶対に見せないぞ。

 あなたにあっさりウィンクで
 さよならされそうで
 気が気じゃないのは 誠実な
 気持ちのしるしだよ


は?
そんなことが誠実な気持ちの証明になるとでも?

と、普通は思うけど、
ジュリーに言われたらなぁ、
気持ちが揺らぐなぁ。

(普通の男性なら……は割愛します。
 墓穴掘ったな、とだけ)

ジュリーはもう一度だめ押しで跪いてきます。

 I LOVE YOU
 I NEED YOU
 決まりのセリフで悪いけど
 I LOVE YOU
 I NEED YOU
 やっぱり あなたのほかにない


うーん。
怒った態度は続けるかもしれないけど、
心の底から怒れないと思う。
ジュリーだったら。

ということで、この歌は最初から最後まで
ジュリーが言うから(歌うから)成立するのでした。


実は私はこの歌がリリースされた当時から
大のお気に入りでした。
1976年5月に発表されたとき、
私は中学生になったばかり。
相当気に入っていて、気がつけばいつも歌っていました。
学校でも、心の中で口ずさんでいたからでしょうか、
この歌を聞くと、条件反射的に
中学一年生のときの学校が浮かんでくるのです。
小さな山の上に立っていた中学校の、
三つ並んだ校舎の一番南側、その一番西の端が
私のクラスの教室でした。
歌の内容に全然マッチしないのだけど、
その景色がいつも見えてくるんです。
人間の脳って不思議ですね。
ちなみに、当時はこの歌を聞いても
全然怒りの感情は沸き起こりませんでした。
恋愛をしたことがなかったから、
浮気をしたとか、されたとか、
全く気にしていなかったんでしょう。

それにしても
『ウィンクでさよなら』の作詞はユーミンだったんですね。
知らなかった、というか意識していませんでしたワ。
だったら『ウィンクでさよなら』と
1975年2月に発表されたユーミンの『ルージュの伝言』とは
浮気した側とされた側として
対をなすものなのかも。
そう思って、昨日は2曲続けてお届けしましたよ。

歌の中の世界の二人は、
結局うまくいきそうね。
だったら「あわてた浮気」の相手は
ちょっとお気の毒でしたわね👅
ホホホ。

『ウィンクでさよなら』はこちらでご覧いただけます。
埋め込み禁止のようですので、お手数ですが
クリックしてYoutube画面で ご覧ください。
アップ主さま、貴重な動画をありがとうございます。

夜のヒットスタジオだと思うのですが、
5秒から25秒まで謎の暗転が。
ジュリーが歌い始めてもまだ暗いってどういうこと?!

Youtube 沢田研二『ウィンクでさよなら』

ついでに、反対の立場の歌(と決めつけている)
『ルージュの伝言』もお借りしてきました。
アップ主さまありがとうございます。
ユーミンのファッションにびっくり!


来週は、昭和歌謡の中で、
もっとも意味不明ながら
もっとも盛り上がる曲の1つ、
アレを深掘りする予定です。
どの曲か、予想してみて下さいね。



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第1回目 あいざき進也「気になる17才」
第2回目 郷ひろみ「花とみつばち」
第3回目 西城秀樹「情熱の嵐」
第4回目 あいざき進也「君のハートに火をつけて」
第5回目 沢田研二「追憶」
第6回目 追悼の意をこめて西城秀樹「ラスト・シーン」
第7回目 郷ひろみ「洪水の前」
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第9回目 あいざき進也「シンデレラは6月生まれ」

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