昭和歌謡あれこれ Vol.9 あいざき進也「シンデレラは6月生まれ」 | 茶々吉24時 ー着物と歌劇とわんにゃんとー
本日2回目の更新です。
私がパーソナリティを務めさせていただいている
エフエムあまがさきの番組
「昭和通二丁目ラジオ」木曜日。

昭和の歌をお送りする番組です。
今年度から、昭和歌謡のちょっと不思議な歌詞を掘り下げたり、
その曲の思い出を語る時間を設けています。

そのきっかけとなったのが あいざき進也さん。
私の中で突然のあいざき進也ブームが巻き起こったのでした。

『昭和のアイドル あいざき進也リバイバルマイブーム』
(茶々吉24時 2018年4月7日)

子ども時代にはよくわかっていなかったけど、
今この歳になって聞くと面白い「昭和の歌詞」を
番組内で深堀りするコーナー。

来年の3月まで、毎月第1週目は あいざき進也さんの曲を
深掘りすると決めております。
と、放送でも言い、ブログにも書いていたら、
あいざきさんファンのミルキーセピアさんからお手紙をいただきました。
初めてお便りくださったミルキーセピアさんは三重県の方。
なんと、放送日だった6月7日がお誕生日なんですって。
だから、あいざきさんの『愛の誕生日』をかけてもらえませんか?
とおっしゃるのです。
困りました。
だって『愛の誕生日』は10月に深掘りする予定だったんですもの。
なぜ10月か?決まってますやん、私が10月生まれだからです。
つまり、ファンはみんな同じことを考えるわけですね。
ミルキーセピアさんは謙虚で、
「きっと『シンデレラは6月生まれ』を予定されていると思うので、
 『愛の誕生日』は おまけにちょっとだけでも……」
と書いておられました。
そこで深掘り第9回目の昨日は、予告したとおり、
あいざき進也『シンデレラは6月生まれ』を取り上げ、
続けて『愛の誕生日』を時間いっぱいまでおかけしたのでした。
ミルキーセピアさんお誕生日おめでとうございます。


さて『シンデレラは……』の歌詞を見る前に、
時系列を見ていただくと、あいざき進也さんは
1974年 1月25日 「気になる17才」でデビューしたのち、
1974年 5月10日 「シンデレラは6月生まれ」をリリース。
どちらも作詞は安井かずみさん、作曲は穂口雄右さんということで、
登場人物のその後を歌ったもののように受け止められます。

『気になる17才』について掘り下げた拙ブログを
おさらいしていただいてから、続きをお読みくださると、
以下の深掘りがより一層わかりやすいと思います。

『昭和のアイドル あいざき進也リバイバルマイブーム』
(茶々吉24時 2018年4月7日)

『気になる17才』の世界観をおわかりいただきましたか?
では歌詞を見て参りましょう。
送り仮名などは、歌詞カードのままに転記します。


『シンデレラは6月生まれ』
  (作詞:安井かずみ 作曲・編曲:穂口雄右)

好きな歌 ぼくと同んなじで
好きな色 青い空の色
聞き出した 君のことを
胸に胸に 忘れない


『気になる17才』では、
誰よりも好きだと自負していながら、
相手に告白できずにいる「僕」でした。
そればかりか、彼女が誰か他の男性と歩いているのを
こっそり(?)ついていき、
二人が入った喫茶店を外からうかがうという、
今なら完全にストーカー認定される「僕」なのでした。

あれから4ヶ月。
その彼が、頑張ったではありませんか。
ついに、見ているだけではなく話しかけた!
しかし「好きな歌、何?」「好きな色は何?」って、
なんのアンケートですか?
「宝塚おとめ」(※注)ですか?
他にもっと言わなきゃいけないことがあるんじゃないですか?!
ドンドン(机を叩いている)
それから「胸に胸に忘れない」って、
彼女が好きな歌のタイトルや、好きな色が青だとか、
そんな短いセンテンスを忘れるようじゃ、
この恋は成就しませんよ!
母親目線になっている今の私は、叱咤激励したくてしかたない。
本気を出せ〜!!

とはいえ、淡い恋心を抱くティーンエイジャーだったころは、
相手のどんな小さな情報にも胸をときめかせていた気もするナ。

※注
「宝塚おとめ」とは、宝塚歌劇団が年に一度発行するもので、
在籍するタカラジェンヌ全員を組ごとに顔写真付きで紹介する一冊。
芸名やニックネーム、身長、出身地、芸名の由来などの他、
好きな色、好きな花、好きな食べ物などが記載されています。

オレンジの リボン結んで
贈りたい 愛のペンダント
ぼくだけが 知っているよ
君の君の 誕生日

オレンジのリボン結んで、という部分だけ、
音符の数に対して歌詞が1文字たりないのです。
だから、あいざきさんは
「オレンジのリボン むうすんで」
というふうに歌っています。
聞いていてここがちょっと引っかかるというか
違和感を覚えるところ。
でも「僕」が彼女にペンダントをプレゼントするかも……と
聞く人に印象付けるため、
安井さんは わざと字足らずにしたのかも、と、
後の楽曲を知っている今は思います。
そのことについては来月、改めて触れることになるでしょう。
ペンダントのこと、来月まで覚えておいてください。

それにしても「愛のペンダント」っていう言葉は
昭和を感じさせますね。
これ以外にもあいざきさんの曲には
「愛の」「恋の」という枕詞が多用されています。
現代では口に出すのがちょっと恥ずかしいような
ダイレクトな表現ですね。


まぶしい風だよ
ふたりで歩いていても
好きだと 言えない
胸がはりさけそう
アゝ アゝ

肩と肩 ときどき感じる
君だって 心の中には
愛の風 吹きはじめた
君は ぼくのシンデレラ


まぶしい風、という言葉があるから、
梅雨入りする前の季節なのかしら?
曲がリリースされた5月を想定しているのかもね。
もうすぐ彼女のお誕生日だと知ってドキドキしているのね。
しかし、まだ気持ちが伝えられないとは、
まだるっこしいったら。
でも『愛の誕生日』でわかるのですが、
彼女はとても繊細でたおやかな少女みたい。
純情な少年少女の汚れのなさですね。

しかし、並んで歩いていてときどき肩があたったりすると、
彼女の心の中に愛の風が吹き始めたはず、なんて思うところは、
「僕」は『気になる17才』のころと、変わってない!
突然妄想の世界に入る「僕」なのよ。


まぶしい風だよ
ふたりで歩いていても
好きだと 言えない
胸がはりさけそう
アゝ アゝ

肩と肩 並んだ道なら
君んちの方へ 歩こうよ
おくりたい 日暮れまでに
君は ぼくのシンデレラ


好きだったらちょっとでも長く一緒にいたいのが普通だろうに、
「僕」は日暮れまでに彼女を家に送り届けたいという。
親ウケはいいかもしれないけど、
本当に大丈夫なのか、この子は!
と、再びの母親目線。

当時小学生だった私は
どう思ってこの歌を聞いていたんだろ。
私は昔からマッチョが苦手なので、
曲の内容は二の次で、
ただただ可愛らしいプッチを愛でていたのかもね。

ところで、この曲には
歌詞だけでは伝わらないニュアンスがありましてね。
やたらとパーカッションが耳に飛び込んでくるのですよ。
最初はさほどでもないのですが、
「まぶしい風だよ」の辺りから俄然激しくなります。
特に2度目の「まぶしい風だよ」以降は、すごい。
ものすごく張り切って
「チャカポコ チャカポコ」いうてまして、
繊細な悩める「僕」を励ましているようにも
おちょくっているようにも聞こえます。
CDお持ちの方、ぜひ聞き直して下さい。
絶対「チャカポコ」って聞こえるはずです。
このパーカッションのおかげで、
「僕」がいつまでも告白せずウジウジしている印象が薄まり、
ポップな仕上がりになっているのかも。


最後に一言。
日暮れまでに帰すなんて、シンデレラにしては早すぎるよ!




Youtubeにはアップされていませんでしたが、
なんとフランスの動画共有サイト「Daily Motion」で
見つかりました。
アップ主さま、ありがとうございます。

私も映像を見るなんて何十年ぶりか。
キラキラした瞳、やっぱり好みですっ!

振り付けに関しては「ふーん、こんなんだったのか」と思いました。
運動神経抜群なプッチに、
なぜこんな簡単な振り付けしかしなかったのか、
歌手が踊って歌う時代にまだなっていなかった、
その辺りが惜しい!

しかし、この動画の後半のカメラワークはヒドイわ。
観葉植物で、顔が隠れまくりなんだもの。
もー!

ちなみにこのカラオケ(?)は
チャカポコがCDよりちょっと控えめです。





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第1回目 あいざき進也「気になる17才」
第2回目 郷ひろみ「花とみつばち」
第3回目 西城秀樹「情熱の嵐」
第4回目 あいざき進也「君のハートに火をつけて」
第5回目 沢田研二「追憶」
第6回目 追悼の意をこめて西城秀樹「ラスト・シーン」
第7回目 郷ひろみ「洪水の前」
第8回目 チューリップ「心の旅」

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