昭和歌謡あれこれ Vol.15 フラフラクラクラ 郷ひろみ『誘われてフラメンコ』 | 茶々吉24時 ー着物と歌劇とわんにゃんとー
しつこくも、本日3回目の更新です。
私がパーソナリティを務めさせていただいている
エフエムあまがさきの番組
「昭和通二丁目ラジオ」木曜日。

昭和の歌をお送りする番組です。
今年度から、昭和歌謡のちょっと不思議な歌詞を掘り下げたり、
その曲の思い出を語る時間を設けています。

そのきっかけとなったのが あいざき進也さん。
私の中で突然のあいざき進也ブームが巻き起こったのでした。

『昭和のアイドル あいざき進也リバイバルマイブーム』
(茶々吉24時 2018年4月7日)

子ども時代にはよくわかっていなかったけど、
今この歳になって聞くと面白い「昭和の歌詞」を
番組内で深堀りするコーナー。


今日は、フラフラユラユラ、
オノマトペ満載の郷ひろみ『誘われてフラメンコ』に注目しました。

私はこの曲に関しては、初めて聞いたときのことを
鮮烈に記憶しています。
『誘われてフラメンコ』がリリースされたのは1975年7月21日。
郷ひろみデビュー3年目、13枚目のシングルです。

私はその年の夏休みに家族で東京に旅行しました。
その際、東京タワーの蝋人形館で撮った写真がこれです。
母にもママにも許可をもらっていないけど、
40年以上前の写真だから、
顔がさす心配もないと思うのでそのまま掲載しちゃいます。

私の笑顔が硬いのは、蝋人形館がひたすら怖かったから。
背後の白雪姫すら怖かった……。



私は顔も腕も足も、真っ黒に日焼けしていますね。
この日焼け具合からみて、
8月のお盆のころだったのかもしれません。

さて、宿泊したのは都内某ホテル。
夏休みということで、宴会場にお子ちゃま向けの
ゲームセンターが作られていました。
夜、私はお小遣いを握りしめて遊びに行きました。
うっすらと記憶にあるのは、
スマートボール、輪投げ、金魚すくい、ヨーヨーすくい……。
多分、端から端まで全部遊ぶにはお金が足りなかったんだと思うんです。
だからパッと目につくものに飛びつかず、
「どれで遊ぼうかなぁ」としばし迷った、
そのとき、BGMの音楽がパッと変わって、
いきなりのカットイン
「アンアンアアア アアアア♪」

ズギューン!!
と、音がしたような気がしました。
「何?!何、この歌?!」
ゲームのこともしばし忘れて、耳を澄ませる。

「真夏のォ〜匂いはァ〜
 危険がァいっぱいぃ♪」

語尾を甘く跳ね上げるような歌い方。
意味はよくわからないけど、
アップテンポだし、
そのうち、フラフラとかクラクラとか、
ユラユラとか言い出すしで、
ただのBGMとして素通りできない気持ちでいっぱいに。
私はその場に立ち尽くして最後まで聞きました。
そして思った。
「この歌好きっ!!!」

その後、何をして遊んだのかは全く記憶にありませんが、
夏になりこの曲を聞くと
子どもたちが遊んでいた某ホテル宴会場を思い出すのでした。

10歳の子どもに、
それほど強烈な印象を与えた歌詞を見ていきましょう。

作詞:橋本じゅん 作曲・編曲:筒美京平

ア…ア…ア…ア…
真夏の匂いは 危険がいっぱい
そよ風みたいに 感じるその髪
素肌にこぼれて 素敵さ
押さえた心に 火がつく
僕から乱れてしまったみたい
誘われてフラフラ 乱されてユラユラ
誘われてフラフラ 乱されてユラユラ


あの頃、しっかり認識したわけではなかったけど、
なんだかイケナイ話なんだなと
子供心に解釈していたように思います。

真夏、開放感いっぱい。
彼女の髪の毛がそよいで、
ボクを誘っている……と。
いかんいかん、と押さえていた心に
火がついちゃったわけね。
その後、彼はフラフラ、ユラユラ、
フラフラ、ユラユラ、
理性を失って、わけがわからない状態に。
「僕から乱れてしまったみたい
って。
みたいって、ちょっと無責任だわね。
ひろみくんだから許すけど。


言葉や仕草は 二人で求めた
互いの秘密を 小部屋で知ったよ
眠りの中でも 僕らは
くちづけ この胸あの指
愛ある世界がつかめたみたい
誘われてフラフラ 目の前がクラクラ
乱されてユラユラ 燃えるのさ こんなに

男の子一人が暴走して、
ご無体な行動をしたわけではないと、
二番の歌詞から わかります。
良かった。
「小部屋で」っていうあたりに、
人目を偲ぶというか、
若干の後ろめたさを感じます。
今の私としては一言。
「二人とも若いなぁ」
さて、気になる「僕」の状態は
さっきまではフラフラ、ユラユラだけだったのが、
クラクラが加わりました。
わけがわからない状態に拍車がかかっていますね。


我慢を重ねて 来たけど
くちづけ この胸あの指
僕から乱れてしまったみたい


僕から乱れてしまったみたい
という表現を、先ほどは無責任と言いましたが、
考えようによっては、
「悪いのは僕、彼女は悪くない」
と言っているとも取れます。
エエ子やん。

誘われてフラフラ 目の前がクラクラ
乱されてユラユラ 燃えるのさ こんなに

誘われてフラフラ 乱されてユラユラ
誘われてフラフラ 乱されてユラユラ
誘われてフラフラ 乱されてユラユラ……


あとはひたすらフラフラ、ユラユラ……。

この歌は、彼女とああなってこうなって……
という状況説明の他は、
ひたすらフラフラ、ユラユラ、クラクラ。
オノマトペの連続なのです。
よくよく考えると「それで?」と
突っ込みたくなるくらいですけど、
アップテンポな曲調が、何もかも押し流してしまい、
なんかわからんけど耳に残る一曲となり、
オリコン2位を記録しております。

以前ご紹介した郷ひろみ『洪水の前』も筒美京平さんの作曲。
筒美京平恐るべし!


それでは、YouTubeからお借りした画像をごらんください。
アップ主さま、ありがとうございます。

『洪水の前』の衣装も珍妙でしたが、
これも相当珍妙。
「フラメンコ」ということで、
マントをひるがえす必要があったのかもしれないけど、
上も下も真っ白で、ひろみくんでなければ、
ただのエノキダケになってしまう。

ちなみに、ひろみくんはマントさばきが あまり上手とは言えません。
宝塚歌劇の男役さんは下級生でももっとうまいよ。

そして、マントを脱いで下に着ている服も
「え?なんでその柄?」。
謎です。


謎といえば、カメラワークも謎すぎます。
そのアップになんの意味がある!!
あれこれチャチャを入れながらご覧になってくださいね。




こちらの「誘われてフラメンコ」を聴いていただくと、
筒美京平さんのメロディーがいかに魅力的かがわかっていただけるかも。
ピアニストは「洪水の前」でもご紹介したsolakazeさんです。



最後に素朴な疑問。
この曲は本当にフラメンコなの?



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第1回 あいざき進也「気になる17才」
第2回 郷ひろみ「花とみつばち」
第3回 西城秀樹「情熱の嵐」
第4回 あいざき進也「君のハートに火をつけて」
第5回 沢田研二「追憶」
第6回 追悼の意をこめて西城秀樹「ラスト・シーン」
第7回 郷ひろみ「洪水の前」
第8回 チューリップ「心の旅」
第9回 あいざき進也「シンデレラは6月生まれ」
第10回 沢田研二「ウィンクでさよなら」
第11回 フォーリーブス「ブルドッグ」
第12回 松本ちえこ「恋人試験」
第13回 あいざき進也「恋のペンダント」
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