こんにちは。

 

ドバイワールドカップデー展望、最後の2レースとなります。前編と中編は下のリンクからどうぞ。

 

 

 

 

残すは芝の頂上決戦とダートの頂上決戦。それではスタート。

 

3/30 25:00 GⅠドバイシーマクラシック(T2400)

日本4頭、イギリス2頭、アイルランド2頭、フランス1頭、ドイツ1頭、カタール1頭、UAE1頭、12頭立てのレースです。

 

1「装苑のトップランナー」ジュンコ
2「万里の宮殿」ジャスティンパレス
3「ヴァイオレットボクサー」ポイントロンズデール
4「叛徒の純愛」レベルスロマンス
5「偉大なる王」シャフリヤール
6「パリカタールラリー」シムカミル
7「ドイツの真珠」シスファハン
8「赤い悪魔の魂」スピリットダンサー
9「衝撃の彫刻家」オーギュストロダン
10「薄幸の佳人」エミリーアップジョン
11「星継ぐ血筋」スターズオンアース
12「自由の令嬢」リバティアイランド
 

※人気は英ブックメーカーBEST ODDSを参考にしています。

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推定1番人気はイギリスダービー馬、「衝撃の彫刻家」オーギュストロダン(ライアン・ムーア騎手)。英愛米でGⅠ5勝の圧倒的実績を誇っています。欧州の名門クールモアが送り出したディープインパクトのラストクロップは、父の名をより輝かしいものとするクラシック制覇を成し遂げました。3歳以降に負けた2戦(英2000ギニー・キングジョージ)はいずれも二けた着順の大敗で、それが不安要素として挙げられます。陣営が言うには飛行機輸送が嫌いみたいで、実際船で輸送したフューチュリティトロフィーとエプソムダービーは勝利しています。とはいえ前走BCターフは飛行機輸送だったので克服してるとみてもいいのですが……今回も当然飛行機輸送です。4頭の激戦を制した愛チャンピオンS、米日のトップホースを退けたBCターフと直近の2連勝は圧巻の一言で、能力的には疑いの余地がありません。

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推定2番人気は日本が誇る三冠牝馬、「自由の令嬢」リバティアイランド(川田将雅騎手)。豪脚一閃、ライバルをねじ伏せた桜舞台、格の違いを見せつけた樫の舞台、三冠すら人馬が見据える夢の途中(以上、川島アナの口上を引用)とした天才少女が海外初お披露目となります。前走のジャパンカップは世界最強馬イクイノックスに4馬身差の完敗を喫し、勝ち逃げを許してしまいました。道中はスターズオンアースとバチバチにやりあったり、やはり12ハロンだと若干折り合いに不安があったりと敗因はいくつか挙げられますが、心配なのは全力を出して尚届かなかったことで気持ちが切れていないかということ。やはり牝馬の心は秋の空、一度気持ちが途切れると途端に走らなくなる名牝というのは珍しくないわけで、川田騎手がインタビューにて精神面に言及していたのはそういう背景があるのだと思います。それでも、川田騎手は「リバティなら大丈夫」とおっしゃられていましたし、私もそう思います。今年は去年が霞むほどの大活躍を見せ、「4歳の時にイクイノックスと当たっていたら勝てたかもしれない」という世論を形成してほしい。

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推定3番人気はイギリスのGⅠ2勝馬「薄幸の佳人」エミリーアップジョン(キーラン・シューマーク騎手)。昨年の世界ランキングにて、リバティアイランドと同値のレーティング121をたたき出し、牝馬最高値を記録しました。英オークスはゲートをうまく出ることが出来ず最後は大外を回す形になってしまい、チューズデーに届かず無敗が途切れてしまい、捲土重来を期した愛ダービーはバードストライクのせいで飛行機が飛ばず無念の出走取消、その後初の古馬・牡馬混合戦となったキングジョージはアスコットを攻略できずに最下位と、22年の3歳春シーズンは踏んだり蹴ったり。しかしながら立て直しに成功した秋シーズン以降は英チャンピオンズフィリーズ&メアズSでアスコット攻略に成功し、4歳緒戦のコロネーションカップはウエストオーヴァーを上り33秒台の豪脚で打ち破り、牡馬混合すら克服。後方からの競馬にこだわるため多頭数がそこまで得意なわけではないですが、日本の馬場でも通用するほどの豪脚が炸裂すれば、様々な壁を易々と乗り越えていくであろうことは想像に難くありません。

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推定4番人気は日本が誇る二冠牝馬「星継ぐ血筋」スターズオンアース(クリストフ・ルメール騎手)。エミリーアップジョン以上に不運ともいえるゴタゴタがずーっと続いていますが、昨シーズンの裏MVPはこの子で間違いないでしょう。昨年GⅠを獲れていないことが本当に信じられない。ローテーションに一切の妥協がなく、その路線の最強馬に堂々と挑み追い詰める姿は牝馬なのにもかかわらず実に漢らしい。前走では最恐と名高い大外枠のジンクスを粉々に破壊し複勝10割をキープしました。前例を鑑みるともはやルメール騎手が逃がしにかかるのではと疑わざるをえないのですが、彼女がGⅠを獲る姿が久しぶりに見られるのであれば、いくら私の心臓がもたない騎乗だろうとかまいません。やはり日本人気質な私は完璧な馬よりもどこか欠点がありつつそれを乗り越えようと思考錯誤する馬に惹かれてしまう。タイトルホルダーはお父さんの忘れ物を国内で回収し終えました。あと一つ、ドゥラメンテの忘れ物としてのこされているのは、まさにドバイシーマクラシックのタイトル。スターズオンアースリバティアイランド、どちらかが獲らないわけがない。くれぐれもお父さんみたいに調教師の眼鏡吹っ飛ばして裸足で走ったりはしないように。

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推定5番人気は天皇賞馬「万里の宮殿」ジャスティンパレス(ジョアン・モレイラ騎手)。私にとっては苦々しい現地観戦となったとはいえ、天皇賞春でのパフォーマンスは素晴らしかった。その実力を裏付けるかのように、その後の3戦も勝利にこそ手が届かなかったものの立派な走りを見せてくれました。遊びが多い悪癖がだんだんと解消されてきたのは良いものの、競馬スタイルはすっかり追込み馬に。その代償か、春秋グランプリはどちらも消化不良感がありましたが、直線が長いコースであればそれも問題ないため、今回のレースは大丈夫であるはずです。それにしても、この舞台に3頭も産駒を送り出すディープインパクトというのは本当にすごいなとしみじみ感じ居る次第です(2頭送り出している去年のリーディングサイアーも十分凄いですけどね!)。

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推定6番人気は国外でGⅠを2勝したフランスの国際派「装苑のトップランナー」ジュンコ(マキシム・ギュイヨン騎手)。重馬場とはいえペースも時計もあまりに遅すぎで、序盤なんかお散歩みたいだったバイエルン大賞を勝利し、私はレースレベルの低さを理由に香港ヴァーズでは思いっきり軽視していました。しかしながら手痛いしっぺ返しを食らい、彼はGⅠ2勝目を達成。しかしやっぱり香港ヴァーズにしては時計が遅め…。時計がかかる展開にならないと今回の舞台ではさすがに難しいのではと思うんですけども。これで上位に食い込んで来たら私は何も学んでいない。

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推定7番人気はGⅠ3勝、5か国の重賞を制覇している地元の雄「叛徒の純愛」レベルスロマンス(ウィリアム・ビュイック騎手)。ドバイターフに出走する半弟メジャードタイムと同じく、ゴドルフィン×アップルビー×ビュイックの鉄板コネクションです。独米GⅠ3連勝で挑んだ去年は手も足も出ず7着敗戦。その後アメリカ遠征も落馬アクシデントなどで不完全燃焼に終わり、ジュンコが勝利したバイエルン大賞も直前で回避。12月にイギリスで一叩きし、2月にカタールのGⅢアミールトロフィーにて日本馬3頭を抑えきって逃げ切り勝利を収めました。満足な状態で走っていないことも多いですが、幾たびの遠征にも耐えうる強靭なメンタルがあり、脚質も自在。3年前のUAEダービー以来となるメイダン競馬場での勝利を期しています。

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推定8番人気は中東が水に合っているイギリス馬「赤い悪魔の魂」スピリットダンサー(オイシン・オーア騎手)。共同馬主の一人である、マンチェスター・ユナイテッドのレジェンド監督、サー・アレックス・ファーガソンがカメラに抜かれることが今から楽しみです。82歳のヘアドライヤーがサウジアラビアで飛び跳ねながら喜んでいるのをみてニヤニヤしないサッカーファンはいない。あれほどの熱量がないと、トップオブトップで28年も監督できないんでしょうね。この馬の話となるとどうしてもサッカーの話の方が多くなってしまいますが、この馬自体は11月から中東遠征を敢行し、バーレーンGⅡとサウジGⅡネオムターフカップを勝利しています。前々走ジェベルハッタ4着はいかにも距離が不足している印象です。12ハロンの適性自体はあるでしょうが、メンバーレベルが一気に強化されすぎているのが不安です。

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推定9番人気は誇り高き日本ダービー馬「偉大なる王」シャフリヤール(クリスチャン・デムーロ騎手)。一昨年のイギリス遠征以降全ての歯車が狂ってしまった印象ですが、ここ2戦は復活気配を漂わせています。前々走BCターフは「衝撃の彫刻家」オーギュストロダンとの位置取りの違い、そしてアメリカ総大将「気分上々」アップトゥザマークに終始外から被せられる形で苦しかったにもかかわらず3着に好走。香港で門前払いを食らって決して万全の状態とは言えなかった前走有馬記念は2世代下の後輩ダービー馬「ファーストクラウン」タスティエーラを退けての掲示板確保に成功しています。なにより出走馬の中で2回目のドバイシーマクラシック制覇が狙えるのは当然この馬だけです。「時代の継承」エフフォーリアと「その名は」タイトルホルダーが引退して尚走り続ける6歳世代の大将として、立派な走りをしてくれるものと思います。出来れば国内で「再生の物語」ステラヴェローチェが好走してくれるとドラマ性がより上がるのですが。

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その他、

前走は失敗してしまった逃げをとにかく打ちたいクールモアの重賞5勝馬「ヴァイオレットボクサー」ポイントロンズデール(ウェイン・ローダン騎手)、

フランスからカタールに移籍したGⅠ馬「パリカタールラリー」シムカミル(ジェームズ・ドイル騎手)、

前哨戦3着の叩き良化型にしてみれば上々、3年前のドイツダービー馬「ドイツの真珠」シスファハン(ルーカス・ディロジール騎手)、

 

以上12頭の紹介でした。

3/30 25:35 GⅠドバイワールドカップ(D2000)

※日本馬の重賞勝利数は交流重賞含む

 

日本4頭、アメリカ4頭、UAE3頭、サウジアラビア1頭の12頭立てのレースです。日本vs米国vs中東の三つ巴で総省金16億9200万円、1着賞金10億円のビリオンロードで覇を競います。

 

1「ロックギターの神様」クラプトン
2「BMXレーサー」クルッピ
3「不破の金庫番」ディファンデッド
4「驚愕の決まり手」デルマソトガケ
5「破天荒な後継者」ドゥラエレーデ
6「名作映画監督」カビールカーン
7「冠下の鏡水」ローレルリヴァー
8「海の法務官」ミリタリーロー
9「新時代の扉」ニューゲート
10「夢追うスペイン男」セニョールブスカドール
11「金鉱眠る鋭鋒」ウシュバテソーロ
12「大統領は外交へ」ウィルソンテソーロ
 

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推定1番人気は連覇を狙う日本の大将格「金鉱眠る鋭鋒」ウシュバテソーロ(川田将雅騎手)。今回はまともな追切をしているようで、むしろ競馬ファンがざわつくという強烈な個性を有しています。不真面目だけど決めるところはバシッと決める、とても魅力的な馬としか言いようがありません。ダート転向で才能が開花したあとは11戦8勝、GⅠ3勝(川崎記念含む)と最強馬に覚醒し、ドバイワールドカップではダート開催の下で日本馬初の勝利をつかみ取りました。日本テレビ盃は他馬を子ども扱いし、BCクラシックは狭いゲートが気に入らなかったのもあり(?)5着に敗退、圧巻だったのは1頭だけ大外を悠々と差し切った東京大賞典。日本の最強は誰か、改めて思い知らされました。そして前走のサウジカップは良くも悪くもオルフェーヴルの息子なのだということを再認識させられるような2着惜敗。調教に行きたくないと駄々をこねていたのを川田騎手に半笑いで暴露された馬とは思えない立派な走りでした。サウジの雪辱を、そして連覇の栄光を掴むために、後方待機から最後に襲い掛かる自分の競馬を披露してきてくれることでしょう。

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推定2番人気はいまだかつて類を見ないほど海外経験豊富な4歳馬「驚愕の決め手」デルマソトガケ(クリストフ・ルメール騎手)。結局3歳で走った4戦はすべて海外で、かつてここまで海外に特化した馬がいたかと思考を巡らせてしまうほどです。UAEダービーを制したのち、ケンタッキーダービーでは痛恨の出遅れが響いて6着。日本テレビ盃を挟む予定でしたが状態整わずBCクラシックに直行し、完璧な競馬で2着に入る大偉業(あまりフィーチャーされないのが不満なのですが)を成し遂げました。前走サウジカップは5着でしたが、昨年の成績を見るにサウジよりドバイの方が水に合っていそう(適当)なので、今回の方がいい走りを見せてくれるはずです。よくよく考えると、ウシュバテソーロとガチンコ勝負を繰り広げているのもなかなかすごい実績です。

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推定3番人気は「名作映画監督」カビールカーン(ダグ・ワトソン騎手)。前走のパフォーマンスとその特異すぎる経歴については前に記事でも触れました。

どうやら馬名は人名由来じゃないとの記事をどこかで見たのですが、おさまりがいいし二つ名はこのままにしておきます。前哨戦ながら初GⅠ制覇となった前走アルマクトゥームチャレンジでは、2着以下を4 3/4馬身引き離す完勝劇。破った相手もクラプトンミリタリーロー(ドバイWCに出走)、デザートウィズダムウォークオブスターズ(ゴドルフィンMに出走)とドバイの一流どころばかりでした。カザフスタンの威信を世界最高峰の舞台で見せつける、そんなシンデレラストーリーを私たちの目に映し出してくれるかもしれません。

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推定4番人気はアメリカのサンタアニタマスター、「新時代の扉」ニューゲート(ランフランコ・デットーリ騎手)。ウマ娘サイン馬券を狙っている人には注目の1頭なんじゃないでしょうか。5年連続リーディングサイアーのイントゥミスチーフ産駒、西海岸の名門バファート厩舎、三冠馬ジャスティファイや2020年のエクリプス賞年度代表馬オーセンティックの共同オーナーとして名高いスターライトレーシング(勝負服がカッコいい)とアメリカの威信を背負うにふさわしい。前走初GⅠ挑戦ながらサンタアニタハンデキャップをクビ差差し切り勝ち。ドバイへと来ることが出来なかったニューグランジの思いも胸に、ダート新時代の開拓者として西海岸からドバイへと飛び立ちました。

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推定5番人気はサウジで夢をつかみ取ったアメリカ馬「夢追うスペイン男」セニョールブスカドール(フニオール・アルバラード騎手)。表記揺れの問題なので聞き流してほしいのですが、スペイン語の発音準拠で表記しています。大外ぶん回しの豪快な競馬でペガサスワールドカップ2着、サウジカップ1着と大出世。「白き豊穣」ホワイトアバリオ及び「米国の至宝」ナショナルトレジャーが帰国してしまったことで少し層が薄くなってしまったアメリカ勢の大将格としてドバイに挑みますが、心配なのは10ハロンという距離。前走9ハロンの勝利ですら生涯最長距離での勝利で、10ハロン戦に至っては5着、4着、7着と3戦全敗。もちろんすべてGⅠでメンバーレベルが高かったというのはあるでしょうが、ウシュバテソーロに逆転される要素は非常に多くあり、それどころか着の確保すら危ぶまれるがためにこの人気になっているといえます。成長力で距離の壁を打ち破れるか、それとも跳ね返されるか、その見極めが重要となります。

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推定6番人気はジャドモントファームが送り出す地元UAEの快速馬「冠下の鏡水」ローレルリヴァー(タドホグ・オシェイ騎手)。前哨戦である首GⅢバージナハールを6 3/4馬身差で圧勝しています。しかしこの馬に関しても距離不安が大いにあります。そもそもバージナハールはゴドルフィンマイルの前哨戦であるはずで、10ハロンへの挑戦自体が驚きです。これまでの勝鞍はマイルまで。2ハロンの距離延長などお構いなしに逃げるとは思うのですが、大外枠に放り込まれてさてどうするか。マイル戦と同じように逃げてしまうとなると、去年同じように大外枠に放り込まれたパンサラッサのようにハイペースを作り出す要因となることも考えられますが……

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推定7番人気は「大統領は外交へ」ウィルソンテソーロ(原優介騎手)。フェブラリーを負傷で騎乗できなかった原騎手を乗せてくれるのも非常に嬉しい。小手川調教師、了徳寺オーナー、そしてドバイレーシングにお礼を言いたい。チャンピオンズカップと東京大賞典で正反対の競馬を見せた自在性を武器に、初の海外遠征へと挑みます。正直ウシュバテソーロという規格外の化け物を逆転するにはいくつかの要素が必要ではあるのでしょうが、レース展開に合わせてスタイルを変えられるのは自分だけの武器に違いありません。23歳の若武者のGⅠ初制覇が賞金10億円の世界一決定戦だったならば、競馬の常識をすべて破壊するような大偉業となるでしょう。

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推定8番人気は別に父の忘れ物を取りに来たわけではなさそうな「破天荒な後継者」ドゥラエレーデ(バウイルジャン・ムルザバエフ騎手)。正直ドゥラ産駒だからどうこうというよりネタ要素があまりに強すぎて、最近の私は馬名を聞いただけで笑いが止まらなくなってしまうようになってしまった馬です。この馬にかける期待値が一番高かったのはデビュー前だったかもしれない。そろそろ賞金やレーティングを稼いでおかないと今後のレース選択で好き放題出来なくなってしまいます。実際川崎記念を除外されそうでしたし。それで大阪杯と両にらみした挙句にドバイへと飛んでくるのがいかにもこの馬らしくて大爆笑しました。もうなんか、実戦でどんな走りするかというより、レース間の情報の方が注目されるなんともいえない話題性を持つようになってしまいましたが、昨年の秋を見てもわかるように、一線級に通用する実力は十分あります。前走フェブラリーステークスは明らかに距離が忙しすぎますし、メイダンではUAEダービー2着の実績もあります。あそこで別れたデルマソトガケと1年ぶりに感動の再会を果たし、どちらのローテーションがより挑戦的か競う決戦をするとなると盛り上がらずにはいられません(違

 

多分本命にしないといけないんだろうな……ここで勝ったら(それこそパンサラッサのサウジカップ制覇級に)めちゃくちゃ面白いのですけども。ここ走ったら次は春天出てみてほしいなあ。

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以上に加えて、

前走ペガサスワールドカップ3着馬の「BMXレーサー」クルッピ(ルイス・サエス騎手)、

前哨戦アルマクトゥームクラシックを制した地元のたたき上げ「海の法務官」ミリタリーロー(オスカル・チャベス騎手)、

メイダン1900メートルの重賞で2戦連続3着に入りじっくり調整を重ねた「ロックギターの神様」クラプトン(ディラン・デイヴィス騎手)、

サウジに引き続き参戦のGⅠ2勝馬「不破の金庫番」ディファンデッド(アデル・アルフライディ騎手)、

以上16頭となります。

 

OUTRO

何とか書き上げました!私のブログは書きたいことをとにかくダラダラ書くので、どうにも書くのに時間はかかってしまいます。書きながら自分なりに楽しめるポイントを見つけられてるからいいんですけれども。ドバイシーマクラシックでドゥラメンテの娘たちが勝たないなんてことがあったならば(万が一にも信じたくはないですが)、ただでさえドゥレッツァルガルで傷心なのにあまりのショックに襲われた私は寝込むかもしれません。そうなったらお察しください。

 

去年のドバイ然り、ジャパンカップのレーティング然り、日本競馬こそが世界の頂点に君臨しているのだ、と豪語できるようなレースを期待しましょう。夜更かしの準備は万全です。

 

それではまた。

こんにちは。

 

ドバイワールドカップデー展望の中編をお送りします。前編はこちらから↓

 

 

それではスタート。

 

3/30 23:25 GⅠドバイゴールデンシャヒーン(D1200)

※日本馬の重賞勝利数は交流重賞を含んでいます。

 

上半期のダートスプリント頂上決戦です。国際色豊かな他レースと対照的に、三か国の英傑たちが激突します。地元UAEから5頭、ダートでは負けられないアメリカから5頭、そして日本から4頭の、14頭立てです。

 

UAE調教馬は実績的に一枚劣る印象ですので、日米の争いになのではと思います。

 

日本の大将格は「温故知新」リメイク(川田将雅騎手)でしょう。中央・地方・韓国・サウジで重賞4勝と馬場不問で遠征も全く問題なし。前年の中東遠征では昨年のエクリプス賞最優秀短距離馬である「強大な権力者」エリートパワーをはじめとした強力なアメリカ勢の前に膝をつきましたが、それでも健闘をみせました。今年初戦のGⅢリヤドダートスプリントは余力すら感じるほどの快勝を収め、いよいよ馬体は完成の域に近づいてきています。サウジより層を厚くしたアメリカ勢すら横綱相撲で打破できる期待感をもてます。

 

そんなリメイクを昨年のJBCスプリントで封じたのが2年連続でNAR年度代表馬に輝いている「園田の英雄」イグナイター(笹川翼騎手)。好位追走から先行勢を競り落とし、後方勢の末脚を完封する綺麗な競馬で、中央馬の壁すら打ち破りました。今回は最内枠に入り、迷いなく自分の得意な競馬ができるでしょう。「大井の無敗三冠馬」ミックファイアともども、ダート新時代の第零章はあまりに鮮烈で、このタイミングでこういった馬が出てくるのは、競馬の神様も面白いことをするなあと思わざるを得ない。前走の敗因は距離で片付けられます。園田から中央へ、そして一足跳びに世界へ。しかも笹川騎手で。こんな挑戦ワクワクせずにはいられない。

 

日本から参戦する個性派はまだまだいます。「巨躯の首領」ドンフランキー(クリスチャン・デムーロ騎手)。最高体重は598キロを記録する巨体が目を引きますが、それでいて強い。先頭に躍りだしたかと思うと大迫力で粘り込む競馬で15戦7勝、重賞2勝。惜しむらくは昨年のJBCスプリント回避でしょう。なまじ大きいだけに脚への負担も大きいのだろうなと思うのですが、今年はフェブラリー9着から大きな問題なくドバイ遠征へとこぎつけることが出来ました。世界中にあの巨体が逃げる様子を見せつけることができるなんて、これまたワクワクせずにはいられない。……なんで池添騎手じゃないん?

 

日本馬ラストの紹介は「長閑な釣り人」ケイアイドリー(クリストフ・ルメール騎手)。門別で重賞1勝で、GⅠ初挑戦となった昨年のJBCスプリントは9着。前走は海外に初挑戦してリヤドダートスプリント6着でした。スプリント能力は水準以上のものを有していますが、正直この舞台は格上ばかり。どこまで通用するかという見立てとなります。

 

推定1番人気はリメイクでしょうが、サウジにいなかったアメリカ勢2頭がとりあえずの対抗馬。

 

ノットディスタイム産駒の6歳騙馬、「湖沼の音楽家」シベリウス(ライアン・ムーア騎手)。前年の覇者です。前年のドバイゴールデンシャヒーンは非常に熱いレースで、エクリプス賞短距離部門2位のガナイトホプキンスの競り合いを最内からシベリウス、大外から22年の覇者スイッツァランドが強襲し、決着はハナ差でした。シベリウスはその後3連敗を喫してダートスプリント王争いからは脱落しましたが、12月から去年と全く同じローテーションで2連勝と復調。去年は最内枠の妙もありましたが、今年は6番枠。先行する位置取りにつけたいところです。

 

続いて、ファイアリングライン産駒の5歳牡馬、「望月の始祖」ナカトミ(ジェイミー・スペンサー騎手)。エリートパワーガナイトという23年のダートスプリント2強に食い下がったBCスプリント3着が評価できますが、叩き仕上げとはいえ前走のリステッドでシベリウスに敗れていることと、初の海外遠征であることが気になります。なんでこの名前になったのかはよく分かりません。

 

その他、

 

アメリカ代表/クオリティロード産駒の6歳牡馬/昨年は僅差の4着、ドンフランキーとハナ争いをするであろうホプキンス(ルイス・サエス騎手)

 

アメリカ代表/ハードスパン産駒の5歳牡馬/前年エクリプス賞最優秀調教師に輝いたモット師が送り出す前走リヤドDS3着馬ボールドジャーニー(ランフランコ・デットーリ騎手)。

 

UAE代表/オックスボウ産駒の7歳騙馬/ロシアでデビューしドバイWCデー4年連続出走の重賞3勝馬タズ(タドホグ・オシェイ騎手)。

 

UAE代表/フラッター産駒の6歳牡馬/長期休養明けの前走首GⅢアルシンダガスプリントを6 3/4馬身差で圧勝した重賞2勝馬ムーヒーブ(ベン・コーエン騎手)。

 

こんなところです。

3/30 24:10 GⅠドバイターフ(T1800)

 

日本4頭、UAE3頭、イギリス3頭、アイルランド2頭、香港2頭、フランス1頭、アメリカ1頭、以上16頭立てのレースです。一度出走メンバーをオリジナル二つ名と共にさらってみます。

 

1「巨河の盟主」カイロ
2「桜の果」カリフ

3「鼠神の牙」キャットニップ
4「遠洋の光」ダノンベルーガ
5「日本総大将」ドウデュース
6「勝利の郵便」ファクトゥールシュヴァル
7「不屈の愛国王」ルクセンブルク
8「北の旅人」ロードノース
9「大都会の眼差し」マテンロウスカイ
10「堅物な弟」メジャードタイム
11「群青の顕界」リアルワールド
12「砲塔の冠」サンドナート
13「望夜の帝」ストレートアロン
14「逆さ船の航海士」ヴォイッジバブル
15「真珠の鐘楼」ナミュール
16「陶酔の香」ナシュワ
 

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推定1番人気は「日本総大将」ドウデュース武豊騎手)。GⅠ3勝、昨年は有馬記念を勝利し、イクイノックス後の日本競馬において、牡馬の横綱に君臨しています。その視線はすでに10月のフランスへと向けられているはずで、調教でもハーパーを子ども扱いしながら猛時計を記録しました。レジェンドの精神的支えでもあったという特別な馬が、昨年は出走する事さえ叶わなかった舞台へと歩を進めます。獣医師検査も一発クリアでひとまずは安心です。改めて、武豊騎手の勝利というのは、全ての競馬ファンの活力になるということを感じます。日本競馬の希望となるような走りを期待しましょう。

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推定2番人気は地元UAEの最有力「堅物な弟」メジャードタイム(ウィリアム・ビュイック騎手)。ゴドルフィン×アップルビー師が兄レベルスロマンス(ドバイシーマクラシックに出走)とともに自信をもって送り出す、6戦5勝2着1回の天才ホースです。勝利したレースではすべて1 3/4馬身差以上の差をつけています。

 

 

ジェベルハッタの振り返り記事で書いたように、日本馬の壁となって立ちはだかってきました。競馬スタイルは好位抜出しの横綱競馬。真横の枠のドウデュースよりは前にいると思われます。

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推定3番人気はイギリス馬最有力の「北の旅人」ロードノース(ランフランコ・デットーリ騎手)。前人未到のドバイターフ四連覇がかかっています(二回目の優勝は誰かさんのおかげで同着でしたが)。去年にダノンベルーガを封じて三連覇を達成してからは長期休養を取り、復帰は11か月後。地元英国のGⅢで2着でしたが、勝利した馬はアダイヤーの半弟というんだからかなりの素質馬なんでしょう。それまでの臨戦過程がどんなものであってもドバイターフの1着だけは譲らない、そんな馬なので日本にとってはかなり厄介な相手です。

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推定4番人気は日本馬の副将といっていいでしょう。「遠洋の光」ダノンベルーガ(ジョアン・モレイラ騎手)。モレイラ騎手は継続騎乗5戦目となります。去年の2着馬はGⅠタイトルに手が届かないもどかしさを抱えたまま再びドバイの舞台に帰ってきました。瞬間的な加速は現役場の中でも随一とは思うのですが、反応が若干悪かったり、馬体が理想的な状態でなかったりと、能力とパフォーマンスがなかなかかみ合わないなという印象です。ジャパンカップ6着も、掲示板組の豪華さを考えると健闘と思っていいのですが、どうにも惜しい印象がつきまといます。2年前の共同通信杯以来の勝利は一体いつになるのか。あるいはここか。

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推定5番人気はアイルランド馬の最有力、「不屈の愛国王」ルクセンブルク(ライアン・ムーア騎手)。12ハロンもこなせる馬だと思うので、邪推ですがなんとなくオーギュストロダンとの使い分けといった感じもあります。GⅠ3勝ながら、去年はタタソールズ金杯制覇以降にGⅠ2着3回。大崩れもしなければ突き抜けもしない競馬が続いています。昨年における名レースの一つ、アイリッシュチャンピオンステークスでの4頭大激戦や香港カップで「浪漫の闘士」ロマンチックウォリアーに肉薄するなど、自分の力をレースですべて出し切るすべは心得ているように思います。前走は大外枠+サウジの気分屋な芝に足を取られた感もあり、むしろ良い叩きになっているかもしれません。叩き2戦目で無敗を誇っているという実績もあります。

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推定6番人気は香港馬の最有力、「逆さ船の航海士」ヴォイッジバブル(ミカエル・バルザローナ騎手)。最内枠に入りました。香港競馬の二強と言えば「現在進行形の伝説」ゴールデンシックスティと「浪漫の闘士」ロマンチックウォリアーですが、その二強に次ぐ位置にいます。12月の香港マイルでゴールデンシックスティの2着、1月のスチュワーズカップでは二強不在の中完勝でGⅠ初制覇を達成し、2月の香港ゴールドカップではロマンチックウォリアーにただ1頭追いすがり2着。イウ調教師は海外遠征にかなり積極的な姿勢をみせており、将来的には日本遠征も視野に入るのではないでしょうか。香港の新時代を担う馬として注目です。

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推定7番人気は欧州牝馬の代表、「陶酔の香」ナシュワ(ホリー・ドイル騎手)。カルティエ賞最優秀古馬にもノミネートされた名牝は、僚馬ロードノースとともに初の中東遠征へと挑みます。GⅠ3勝はいずれも牝馬限定戦ですが、昨年の下半期には積極的に牡馬混合戦にも挑んで、インターナショナルSは「シャドウェルのスナイパー」モスターダフに真っ向勝負を挑んで2着、愛チャンピオンSは大外強襲で4頭大激戦を演出し微差の3着、クイーンエリザベス2世Sは重馬場と状態の悪さに苦しみ6着敗戦。後方待機からの豪脚は牡馬に少しも見劣りしません。フランスクラシックを女性騎手として初めて制するという偉業を共に成し遂げた心の相棒ホリー・ドイル騎手とともに、大外枠という不運を乗り越えて牡馬を蹴散らす用意は整っています。

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推定8番人気はフランスからただ1頭の参戦となる「勝利の郵便」ファクトゥールシュヴァル(マキシム・ギュイヨン騎手)。成績見たら面白すぎて笑えて来るのですが、去年の6戦は3着2着3着2着3着2着。マイルのGⅠ戦線に初めて乗ったにもかかわらずこんな調子なので、強いのは間違いないのですが重賞1勝馬に甘んじています。「紳士な主人公」パディントンや「テンからかませ」ビッグロックの被害者ポジションとして定着してしまいましたが、地味にGⅠ初挑戦でもイギリスへの初遠征でも崩れないあたり、本当に堅実という表現があてはまる。善戦マンはドバイの地で父リブチェスターに産駒初のGⅠを届けることができるか。

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推定9番人気は日本のマイル女王、「真珠の鐘楼」ナミュール(クリスチャン・デムーロ騎手)。上半期はフォームを崩しましたが、下半期はマイル界を見事統一。香港マイルでも日本馬最先着の3着で、「府中の歌姫」ソングライン以後のマイル戦線において女王として君臨しています。1ハロンの距離延長ではありますが、オークス3着・秋華賞2着の実績が非常に心強い。外枠に入れられてしまいましたが、この馬が逆境になるほど強いのはマイルCSで思い知りました。初の海外遠征となりますが、馬群を叩き割る末脚を見せてくれることを期待しましょう。

ーーー

推定10番人気は日本馬最後の紹介となる「大都会の眼差し」マテンロウスカイ(横山典弘騎手)。マテンロウ冠で有名に寺田千代乃さんはアート引越センターの創業者です。魑魅魍魎が跋扈した中山記念において、好位追走からただ1頭ドーブネを捉え切り突き放す完勝を収めました。3着「二色の地上絵」ジオグリフ、4着「朝日は昇る」ソールオリエンス、その他エルトンバローズヒシイグアス、ソーヴァリアントという相手関係を考えてもとても価値ある1勝でした。そもそも中山記念自体が海外の前哨戦としては非常にちょうどいい1戦(近年だけ見てもウインブライトパンサラッサがいますし)なので、重賞実績のなさでいくら軽視されてようと侮ることはできません。しかしまあ、ユタカさんとノリさんがそろってドバイ行くとは。ノリさんなんか今年は息子たちより重賞勝ってるし。

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以上有力10頭をグダグダと紹介しました。

香港の王道路線を歩んできた「望之夜の帝」ストレートアロン(ブレントン・アヴドゥラ騎手)、

アメリカ芝路線を歩んできたペガサスWCT3着馬「鼠神の牙」キャットニップ(クリストフ・ルメール騎手)、

ドバイに移籍したのち8~9ハロンで安定した成績を見せる「砲塔の冠」サンドナート(パット・ドッブス騎手)、

中東を渡り歩いているゴドルフィンのベテランホース「群青の顕界」リアルワールド(ケヴィン・ストット騎手)、

愛2000ギニー2着馬「巨河の盟主」カイロ(ウェイン・ローダン騎手)、

ドイツからバーレーンに移籍して前走ネオムターフカップ3着の「桜の果」カリフ(アドリー・デフリース騎手)、

以上16頭となります。

 

 

OUTRO

 

後編(ドバイシーマクラシック・ドバイワールドカップ)も続けて書きます。ギリギリでの投稿になったらごめんなさい。

 

それではまた。

こんにちは。

 

いやあ、いよいよドバイワールドカップデーが近づいてまいりました。あまりに楽しみすぎる。楽しみすぎて、今月中旬まで高松宮記念の週に開催だと早とちりしておりました。ドバイワールドカップデーは原則3月の最終土曜に開催のため、高松宮記念と同週のことが多いのですが、開催日程によっては大阪杯と同週となることもあります(実際5年前はそうでした)。

 

UAE33頭、日本24頭、アメリカ16頭、イギリス15頭、アイルランド7頭、フランス7頭、サウジアラビア5頭、香港4頭、カタール2頭、ウルグアイ2頭、オマーン1頭、バーレーン1頭、チェコ1頭、ドイツ1頭。14か国から119頭がエントリーしています。

 

正直8レース(アラブ種のGⅠ含めれば9レースですが)もあると語れることが多すぎるので、できるだけ分量は抑えめにしつつ、前中後編の3部作で展望をお届けします。

 

前編はゴドルフィンマイル、ドバイゴールドカップ、アルクオーツスプリント、UAEダービーの4レース。

 

中編は出馬表付きでドバイゴールデンシャヒーンとドバイターフの2レース。

 

後編は出馬表付きでドバイシーマクラシックとドバイワールドカップの2レース。

 

書き終えられるかな…すこぶる不安。

 

とりあえず見切り発車。

 

2月に書いたドバイ関係の記事を貼付しておきます↓

 

※出走時間は日本時間で表記

 

3/30 21:05 GⅡゴドルフィンマイル(D1600)

近年のダート競馬においてますますその地位を高めつつあるマイル路線。

 

日本のダートマイル最強馬である「弾ける爽快感」レモンポップ、一昨年の覇者にして3年連続出走を狙っていた「神出鬼没の獅子」バスラットレオンが不出走となってしまったことが響き、日本馬の出走は残念ながらありません。

 

出走馬13頭の内訳は、地元UAEが7頭で最多勢力を形成しています。ダート王国アメリカは3頭、イギリス1頭、サウジアラビア1頭、そして珍しいことにウルグアイから1頭。南米競馬は話題になることこそ少ないものの、ある程度の盛り上がりはあり、生産国としても優秀です。アメリカ競馬にアルゼンチンやブラジルから移籍してきた馬がいることもざらにあります。それにしたってウルグアイ競馬はあまり聞きませんけれども。

 

 

でも詳しい人いるんですね。ニッチもニッチ、どニッチなんですけど、人間の知識欲って怖いです。

 

ということで少し気になるウルグアイ代表の牝馬パチョーリ(ジョゼ・ダ・シウヴァ騎手)については上の記事を見てもらうことにいたしまして、紹介するのは2強を形成する2頭です。

 

推定1番人気、アメリカ馬筆頭はオールウェイズドリーミング産駒の4歳牡馬、「白熱の王冠」サウジクラウン(フローレン・ジェルー騎手)。8戦4勝、GⅠ1勝と出走馬の中では随一の実績を誇り、前走サウジカップでは望外の3着健闘。その武器は、アメリカのダート勢の中でも群を抜く先行力にあります。サウジカップのレースレコードを作り出したのは紛れもなくこの芦毛の軽快な逃げであり、自らが作り出した激流に耐えきる勝負根性を有していることすら証明しました。10ハロンのワールドカップではなくマイル戦を選んだのも実に理にかなっており、距離短縮でよくなるイメージしかありません。

 

推定2番人気、地元UAEの大将格はマークヴァレスキ産駒の6歳牡馬、「孤独のパロディ」アイソレート(ルイス・サエス騎手)。17戦8勝、メイダンで重賞2勝の実績馬です。アメリカから移籍後、メイダンでは2-2-0-0で連対を外したことはなく、2着に敗れた2戦も6ハロン戦でスプリンターに敗れたもの。すなわちメイダンのダートマイル戦では負けなしを誇る、前回王者です。前走のサウジカップでは初の9ハロン戦にてサウジクラウンにペースを握られ、懸命に追走するも離された6着に終わりました。先行力の差から、今回もサウジクラウンを追走する形になるとは思われますが、前回と違うのは、舞台と距離がアイソレートの最適条件ということ。虎視眈々と逆転を狙います。

 

その他、有力馬としては

 

アメリカ代表/タマークズ産駒の4歳騙馬/14戦4勝のトゥーリヴァーズオーヴァー(エドウィン・マルドナード騎手)

 

イギリス代表/シャマーダル産駒の4歳騙馬/ジュベルアリ競馬場マイスターのスウィングヴォート(ウィリアム・ビュイック騎手)

 

UAE代表/ドバウィ産駒の5歳騙馬/前哨戦アルマクトゥームクラシック2着馬ウォークオブスターズ(タドホグ・オシェイ騎手)

 

が挙げられるでしょうか。

 

3/30 21:40 GⅡドバイゴールドカップ(T3200)

もはやクラシックディスタンスと交わることのない、スペシャリストなステイヤーが大集合するレースです。さすがに南半球からの参戦はありませんでしたが、先月のレッドシーターフハンデキャップと比べ、欧州勢の層がより厚くなっています。日本馬は挑戦者という構図です。

 

「破天の極光」ブレークアップはドバイに到着していたものの歩様の乱れで回避となりました。それによる出走馬の入れ替わりや増加もあり、結局フルゲート16頭立てとなっています。内訳はイギリスが最多6頭、UAEが4頭、フランスが3頭、日本が2頭、アイルランドが1頭です。

 

カルティエ賞最優秀ステイヤーに輝いた「晴天嫌い」トゥルーシャンこそ不在ですが、最優秀ステイヤーにノミネートされた10頭の内4頭が集結しています。また、サウジGⅢレッドシーターフハンデキャップの上位馬もそろって参戦。メンバー構成は混沌の一言。とりあえず有力2頭を紹介。

 

推定1番人気はアイルランドの名伯楽が送り出すガリレオ産駒の4歳牡馬、「恐怖の城塞」タワーオブロンドン(ライアン・ムーア騎手)。ムーア×エイダン×クールモア×ガリレオ産駒×カプリの弟という欧州のメインストリームを形成するそのパーソナリティは、4歳春のサウジアラビアにて凄まじさをまざまざと見せつけました。ハイペースを作り出した日本馬が沈んでいくのを尻目に、鋭くスパートをかけると最後にエネミーを際どく差し切り、GⅠ初制覇。サウジ振り返りの際にも少し書きましたが、イギリス代表の「エネミー」がアイルランドの「ロンドン塔」にぶちこまれる……みたいな(アイルランドがブリテン島を征服した世界線じゃん)ヤバいストーリー性を秘めたレースなのではと要らない妄想を膨らませてしまいました。サウジの馬場が良く分からないことになっていたとはいえ、勝ち時計3分04秒43がかなり優秀に思えます。4歳馬は5歳以上の馬より軽量の利があるレースのため、中東の地で連勝を飾れば、欧州上半期の長距離戦線にて主役へと躍り出るでしょう。

 

推定2番人気はイギリス代表/ゴールデンホーン産駒の6歳騙馬、「一網打尽」トローラーマン(キーラン・シューマーク騎手)。5歳春まではトップクラスに届かない戦いが続き、中東遠征でも完敗。しかし休養を挟んだ5歳秋に覚醒。条件戦、リステッドと楽勝の2連勝を飾り臨んだのは欧州ステイヤー王道路線のシーズン最終戦、GⅡ英チャンピオンズロングディスタンスカップ。立ちはだかる22年度最優秀ステイヤー、「錆びぬ青銅」キプリオス相手に直線一度交わされながらも、もう一度捲り返して壮絶なたたき合いをクビ差制しました。3着以下(スウィートウィリアム、トゥルーシャン、コルトレーンら掛け値なしにすごいメンバー)を13馬身引き離して、復活気配の最強馬とタイマンを張るまでに成長し、化け物級のステイヤーへと才能が開花しています。4連勝・GⅠ連勝を賭け、昨年の雪辱を果たさんと乗り込んできました。

 

その他、有力馬は

 

イギリス代表/ドバウィ産駒の5歳牡馬/GⅠ2勝の「総合格闘家」エルダーエルダロフ(ジェームズ・ドイル騎手)

 

UAE代表/ドバウィ産駒の6歳騙馬/メイダン14ハロンで連勝中の前年2着馬シスカニー(ウィリアム・ビュイック騎手)

 

イギリス代表/マスタークラフツマン産駒の7歳騙馬/GⅡで強くGⅠで届かない善戦マンの「約束のジャズサックス」コルトレーン(オイシン・マーフィー騎手)

 

イギリス代表/ムハーラー産駒の7歳騙馬/前走レッドシーターフHはアタマ差2着だったエネミー(リチャード・キングスコート騎手)

 

イギリス代表/マスタークラフツマン産駒の5歳牡馬/重賞1勝、前走レッドシーターフHはトップハンデ62キロで惜敗の3着だった「匠の名槍」ジャヴェロット(ベン・コーエン騎手)

 

フランス代表/キャメロット産駒の5歳騙馬/長距離重賞2勝の「酔醒」ソーバー(マキシム・ギュイヨン騎手)

 

サウジアラビアでの惨敗からか、はたまた欧州勢の強力さが影響しているのか、日本勢2頭、「宇宙発電機」リビアングラス(坂井瑠星騎手)および「鋼鉄の長距離砲」アイアンバローズクリスチャン・デムーロ騎手)の評価は低めです。レッドシーターフHにてリビアングラスは10着、アイアンバローズは12着と敗れ去り、そこからの一変があるかどうか。どちらもスタートが上手いためすんなりハナはとれるでしょう。ペース管理が難しかったであろうサウジの馬場と比べるとメイダンの方が楽だとは思うのですが。特にアイアンバローズには去年のステイヤーズステークスで度肝を抜かれた幻惑逃げを再び期待しています。なんかまた弟の付き添いみたいになっても困ります。過保護な兄キャラと思っていいものかどうか。

3/30 22:15 GⅠアルクオーツスプリント(T1200)

ドバイワールドカップデーの中で最も国際色が豊かなレースです。芝短距離はえてしてそうなりやすい傾向がありますが(去年の英GⅠクイーンエリザベス2世ジュビリーSは6か国決戦でしたし)、このレースは特に多士済々。去年の8か国には及ばずとも、今年は7か国から12頭が集結。内訳はUAE3頭、イギリス3頭、香港2頭、アメリカ1頭、フランス1頭、日本1頭、チェコ1頭。

 

チェコ?

 

競馬で聞いたことのない国名が出てきたな…と思いましたが、ミナリク騎手やムルザバエフ騎手が拠点としていたことがあるという蜘蛛の糸のような情報が引っかかりました。パートⅢ国かあ……

 

2000年代のサッカーチェコ代表好きだったなあ。チェフ、ネドヴェド、ロシツキー、コレル、バロシュ、ヤンクロフスキ……

 

正味チェコの競馬については何も知らないので色々調べてみたのですが、いやあ、なかなかに面白い。ここで紹介すると永遠にレースの話に戻ってこられないのでやめときますけど。

 

チェコ調教馬のパワー(!)産駒の6歳牡馬ポントス(アントニオ・フレス騎手)はチェコ、ドイツ、イタリア、フランス、スロバキア、イギリス、UAEの競馬場で出走歴がある愉快な馬です。フランスのGⅢ1勝してるの冷静に考えてすごいな。ブラチスラヴァに競馬場あるの初めて知ったし。

 

面白そうなトピックがあると脱線已む無しとなってしまいます。本線に戻りましょう。有力馬3頭、日本馬1頭、その他有力馬をふんわりと紹介します。

 

推定1番人気は地元の雄、コディアック産駒の3歳牝馬、「謎めいた星の少女」スターオブミステリー(ランフランコ・デットーリ騎手)。え!?3歳牝馬?ま、まあ3歳馬の参戦自体は何例かあるにしたって、1番人気にまで推されるとは。兄に加GⅠ馬ミステリアスナイト、姉に重賞馬アルシカがいるなど良血を誇るゴドルフィンの天才少女はデビュー8戦4勝2着3回。前々走、首GⅡブループリントスプリントはチェコの奴ことポントスを2着に退け、前走、首GⅢナドアルシバターフスプリントは同じく3歳牝馬のフロストアトドーンに不覚を取り2着。もうなんか、色々ツッコミどころ多いな。多分夏にはイギリスに戻すんでしょうけど、どこを走らせるのでしょうか。

 

推定2番人気は香港代表、スタースパングルドバナー産駒の6歳騙馬、「太陽の輝き」カリフォルニアスパングル(ブレントン・アヴドゥラ騎手)。前走クイーンズシルバージュビリーカップは大復活のGⅠ2勝目を飾りました。好発からの逃げを得意としており、重賞舞台では初の6ハロン挑戦でもそのスピード能力は疑いようがありません。海外遠征は初めて、それどころかシャティンしか走っていなかったので左回りが初めてですが、正味香港馬については高松宮でもそうだったように走ってみないと分からない。馬生が非常にドラマチックで私の好みなので、個人的な応援の感情が強いです。

 

推定3番人気はアメリカ代表、ジミークリード産駒の8歳牡馬、「ターフの大黒柱」カサクリード(ルイス・サエス騎手)。34戦9勝、GⅠ4勝と積み重ねてきた実績は他の追随を許しません。7歳シーズンは複勝圏を外さない大活躍で衰えの言葉が彼の辞書にはありません。昨年最終戦はハイレベルなBCマイル3着。悲願の1351スプリント制覇を目指すも出走すら叶わなかった今年はここが初戦となります。

 

日本からただ1頭挑むは「碧玉の王冠」ジャスパークローネ(団野大成騎手)。海外遠征が続いており、国外4連戦目。前走は初ダートだったにもかかわらず4着に健闘しました。まあ、1351の方は彼にとっては少し長かったでしょうからね、ダートだろうが距離適性の方を優先させたんでしょう。その結果別ベクトルに才能が開花したかもしれません。とはいえ、やることがただ一つ、先頭で走ってそのままゴールするだけとシンプルなので迷いもないはず。無欲の逃げで一発を狙え。

 

その他、GⅠ馬・GⅠ連対馬の注目馬を紹介いたしますと、

 

フランス代表/アノダン産駒の7歳牡馬/去年にモーリスドゲスト賞を制した「針穴縫う偏諱」キングゴールド(ステファン・パスキエ騎手)

 

イギリス代表/シャマーダル産駒の8歳騙馬/3年前に英GⅠスプリントカップを制したエマラーティアナ(サフィー・オズボーン騎手)

 

香港代表/マグナス産駒の7歳騙馬/2年前に香港スプリント2着の重賞2勝馬「鋭い眼光」サイトサクセス(ライアン・ムーア騎手)

 

以上のようになります。

 

そういえば、高松宮を冷やかしで登録していたアナフは結局ドバイ輸送中に呼吸器疾患を発症してしまいこのレースにすら出られません。輸送そんなに好きじゃないんでしょうね。安易に極東来いなんて言ってすいません。ご自愛ください。

3/30 22:50 GⅡUAEダービー(D1900)

日本馬が2連覇中の3歳戦。勝利すればケンタッキーダービー出走権をほぼほぼ手に入れることが出来ます。昨年のデルマソトガケの挑戦は記憶に新しいですね!2着にいた誰かさんの挑戦?も記憶に新しいですね()

 

出走は12頭、内訳はUAE5頭、日本3頭、アイルランド2頭、アメリカ1頭、ウルグアイ1頭。ダートの本場アメリカからの参戦が少ないですが、言うてそこまで珍しいことでもないです。わざわざ海外遠征せずとも、国内レースでケンタッキーダービー出走を目指せば問題ないわけですからね。

 

「不撓不屈の炎」サトノフェニックスの回避は残念無念。きっとセガサミーフェニックスがレギュラーシーズン敗退濃厚(書いている間に敗退が決まりそうです)なのでショックだったんでしょうね。ABEMASはセミファイナル行けそうなので、藤田さんの馬は好調なんでしょうね(適当)

 

それはともかく、全てのダート競馬ファンの視線を集めているのが4戦4勝、重賞3連勝中の「はじまりの日」フォーエバーヤング(坂井瑠星騎手)。国内での三連勝で見せつけた世界レベルの可能性、そしてサウジダービーで見せつけた怪物級の才能。アメリカ競馬界は侵略の可能性に打ち震えているに違いありません。リアルスティール産駒の大物がこんなところに生まれるとは、生産とは本当にブラックボックスがすぎる。ストームキャットの血が出たりしてるのかな?ダービーサイアー争いでドゥラとキタサンを出し抜いたクラウンみたいな感じで、ケンタッキーダービーサイアーとなったら私的には面白すぎておかしくなりそう。

 

ジョージテソーロ(川田将雅騎手)は原騎手じゃないのか…カトレアS2着で実はケンタッキーダービー出走のためのポイントを5ポイント稼いでおり、この馬も目標はアメリカでしょう。了徳寺健二ホールディングスはダートに強いのなんでなん。サッカー好きとしては大層な名前をつけたなと慄くしかないバロンドール(横山典弘騎手)。ノリさんとユタカさんがドバイ行くんだからなあ。この馬もヒヤシンスS使ってる当たりアメリカ行きたいんでしょうね。実際ヒヤシンスSを勝利したラムジェットはアメリカ遠征を明言しましたし。

 

その他、有力馬を簡単に紹介。

 

アメリカから唯一の参戦となったアロゲート産駒のパンダゲート(ディラン・デイヴィス騎手)。3戦2勝で勝利した2戦はどちらも完勝です。

 

アイルランド代表/ノーネイネヴァー産駒のヘンリーアダムズ(ライアンムーア騎手)。4戦2勝で2歳芝GⅠ戦線にのってましたが、ダート初挑戦を敢行します。

 

UAE代表/メンデルスゾーン産駒のメンデルスゾーンベイ(パット・コスグレーヴ騎手)。3戦2勝で前走首GⅢUAE2000ギニーを制しています。父メンデルスゾーンも2018年にこのレースを制しており、親子制覇を狙います。

 

 

OUTRO

 

中編、後編と続けて書きます。多分金曜~土曜午前にかけて2本投稿すると思いますので、よろしくお願いいたします。

 

それではまた。

 

こんにちは。

 

 

  高松宮記念振り返り

 

私の春競馬は傷心の高松宮からはじまりました。ルガルがどう考えても届かないとみた私は残り300はナムラクレアに目をむけて声援を送っていました。しかしながら、無冠の女王という称号を返上することはまたも叶わず。「頑張れ」という気持ちと同時に、「あ、これまた届かないパターンじゃ…」という感情も生まれてしまっていたことが、なんともいえない。マッドクールと坂井瑠星騎手、おめでとうございます。完璧な競馬でした。

 

ルガルが来ないなんてつゆほども考えていなかった私の馬券は全滅でした。来ない要素ないと思ったのになあ。1番人気の呪いが強すぎたかな?

 

メイケイエール、ディヴィーナ、ロータスランドもお疲れさまでした。

 

 

メイケイエールの限界ファンもとい岡安譲アナウンサーがこんなことを申しております。

 

 

この動画でもそうですが、本当に楽しそうに馬のことを語ってくれています。レース中の競馬BEATのスタジオの様子が映されていましたが、めちゃくちゃ楽しそうに競馬観戦していて、本当に好きを仕事に出来ているんだなあ、と。

 

 

  2023年の世界ランキングをダラダラ書くだけ

※数字はレーティング、英字はSMILE区分、Dはダート、レースはレーティング参考レース

 

1位:「完成されし天才」イクイノックス(L135・日本)

ジャパンカップ1着

→引退、社台SSで種牡馬入り

 

2位:「欧州のエース」エースインパクト(L128・フランス)

凱旋門賞1着

→引退、アラスデボーモンで種牡馬入り

 

2位:「シャドウェルのスナイパー」モスターダフ(I128・イギリス)

プリンスオブウェールズS1着

→引退、ビーチハウススタッドで種牡馬入り

 

4位:「テンからかませ」ビッグロック(M127・フランス)

クイーンエリザベス2世S1着

→現役続行を明言

 

4位:「殿下の遺志継ぐ兄君」フクム(L127・イギリス)

キングジョージ1着

→引退、ダーレージャパンスタリオンで種牡馬入り

 

6位:「現在進行形の伝説」ゴールデンシックスティ(M126・香港)

香港マイル1着

→5月のチャンピオンズマイルで引退予定

 

6位:「伝説の立会人」ウエストオーヴァ―(L126・イギリス)

キングジョージ2着

→引退、優駿SSで種牡馬入り

 

8位:「衝撃の彫刻家」オーギュストロダン(L125・アイルランド)

BCターフ1着

ドバイシーマクラシック出走

 

8位:「香港短距離三冠馬」ラッキースワイネス(S125・香港)

チェアマンズスプリントプライズ1着ほか

→現役、次走予定はチェアマンズスプリントプライズ

 

10位:「コディーの願い」コディーズウィッシュ(DM124・アメリカ)

メトロポリタンH1着

→引退、ジョベナルファームで種牡馬入り

 

10位:「伝説の帰還」ドウデュース(L124・日本)

有馬記念1着

ドバイターフ出走

 

10位:「紳士な主人公」パディントン(I124・アイルランド)

エクリプス賞1着

→引退、クールモアSで種牡馬入り(シャトル種牡馬としてNZでも供用)

 

10位:「その名は」タイトルホルダー(L124・日本)

GⅡ日経賞1着

→引退、レックススタッドで種牡馬入り

 

10位:「白き豊穣」ホワイトアバリオ(DM124・アメリカ)

ホイットニーS1着

→現役、サウジカップ10着後に帰国、大目標はGⅠホイットニーSか

 

15位:「太陽の輝き」カリフォルニアスパングル(M123・香港)

GⅡシャティントロフィー1着

アルクオーツスプリント出走

 

15位:「不屈の愛国王」ルクセンブルク(I123・アイルランド)

愛チャンピオンS2着

ドバイターフ出走

 

15位:「気高く実直に」オネスト(L123・フランス)

凱旋門賞3着

→引退、アラス・エトレアムで種牡馬入り

 

15位:「浪漫の闘士」ロマンチックウォリアー(MI123・香港)

スチュワーズカップ2着・クイーンエリザベス2世C1着

→現役、次走予定はクイーンエリザベス2世C、安田記念も視野に

 

19位:「強大な権力者」エリートパワー(DS122・アメリカ)

GⅢリヤドダートスプリント1着

→引退、ジュドモントファームで種牡馬入り

 

19位:「鋼鉄王」キングオブスティール(I122・イギリス)

愛チャンピオンS4着・英チャンピオンS1着

→現役、上半期の大目標はプリンスオブウェールズS

 

19位:「瞬間の思考」シンクアバウトイット(S122・オーストラリア)

ジエベレスト1着

→現役、前走ジョージライダーS5着

 

19位:「気分上々」アップトゥザマーク(L122・アメリカ)

BCターフ2着

→引退、レーンズエンドファームで種牡馬入り

 

19位:「金鉱眠る鋭鋒」ウシュバテソーロ(DI122・日本)

ドバイワールドカップ1着

ドバイワールドカップ出走

 

24位:「白銀の聖夜」アルカンジェロ(DI121・アメリカ)

トラヴァーズS1着

→引退、レーンズエンドファームで種牡馬入り

 

24位:「名レース収集家」アートコレクター(DM121・アメリカ)

ペガサスワールドカップ1着

→8月17日に蹄葉炎で安楽死処置

 

24位:「ジーニアスキラー」ベイブリッジ(I121・イギリス)

タタソールズゴールドC2着

→引退、アラスドゥメスニルで種牡馬入り

 

24位:「フライト好き」ドバイオナー(I121・イギリス)

ランヴェットS1着・豪クイーンエリザベスS1着

→現役、豪州遠征を断念も、香港のクイーンエリザベス2世Cを視野に

 

24位:「薄幸の佳人」エミリーアップジョン(L121・イギリス・牝馬)

コロネーションC1着

ドバイシーマクラシック出走

 

24位:「勝利の渇望」アイウィッシュアイウィン(S121・オーストラリア)

T.J.スミスS1着・ジエベレスト2着

→現役、3月のウィリアムリードSは回避

 

24位:「万里の宮殿」ジャスティンパレス(IL121・日本)

天皇賞秋2着・有馬記念4着

ドバイシーマクラシック出走

 

24位:「自由の令嬢」リバティアイランド(L121・日本・牝馬)

優駿牝馬1着・ジャパンカップ2着

ドバイシーマクラシック出走

 

24位:「海洋の主」マスターオブザシーズ(M121・イギリス)

ウッドバインマイル1着・GⅡサマーマイル2着

→現役、ペガサスWCTやドバイターフは回避

 

24位:「米国の至宝」ナショナルトレジャー(DM121・アメリカ)

BCダートマイル2着

→現役、サウジカップ4着後に帰国

 

24位:「偉大なる王」シャフリヤール(L121・日本)

BCターフ3着

ドバイシーマクラシック出走

 

24位:「魅惑の三拍子」トリプルタイム(M121・イギリス)

クイーンアンS1着

→引退、ダルハムホールスタッドで種牡馬入り

 

24位:「不戦而勝」ウィズアウトアファイト(E121・オーストラリア)

メルボルンカップ1着

→現役、腱を負傷して休養中

 

OUTRO

海外競馬にて、一つ悲しいニュースがありました。

 

驚愕の中三日ローテや積極的な海外遠征などで世界中のスプリント戦線を盛り上げた名牝、「駆け抜けた王女様」ハイフィールドプリンセスが亡くなりました。7歳になった今季も現役続行を表明していましたが、3月12日に厩舎で手術が不可能なほどの骨折をしてしまい、懸命な治療もむなしく24日に天へと駆けていきました。欧州短距離界では随一に好きな馬だったのでただひたすらに悲しいです。合掌。

 

ドバイ展望もそろそろ投稿していきます。お楽しみに。

 

それではまた。

こんにちは。

 

引っ越し諸々が大体完了しました。といっても、色々面倒くさいことは残っています。ある証明書取るために定額小為替が必要なのですが、休日に取り扱いしてないんですね……見通しが甘かった。証明書取るの間に合うかなあ?脳のリソースを競馬につぎ込めない毎日です。心の潤いが全然足りない。

 

本当はミスタージーティーについてもミアネーロについても夜通し大騒ぎしたかったのですが、私のストレージ容量がいっぱいでした。クラシックに出走してくれた暁には全力で応援します。

 

明日も中山3Rや中京4R、ミモザ賞に大寒桜賞とドゥラっ子の見せ場はたくさんあるのですが、今週はそれも割愛します。高松宮をさらっとふれる回です。

 

 

出馬表をぼちぼち作っていて思ったこと……ビッグシーザーって芦毛なんだなあ。

 

本命は迷うことなくルガル。シルクロードで見せた出色のパフォーマンスに、1頭だけ風格が違う調教と、推せる要素はいくらでもあります。西村騎手の初GⅠはここで達成されるに違いない。初GⅠが成し遂げられやすい舞台でもありますし。正味出遅れだけが怖いのですが、出遅れたとしても今のルガルならぶっちぎるだけの能力はあるはず。道悪も別に不得意ではない。

 

群雄割拠の短距離界を統一するのはこの馬で間違いないでしょう。

 

対抗は状態がすこぶる良好なソーダズリング。単穴に悲願のGⅠタイトル奪取へ試行錯誤を重ねるナムラクレアと牝馬を指名。特にナムラクレアは好きにならずにいられない。彼女と浜中騎手のコンビでGⅠ制覇を見たいのはやまやまなんですが……

 

連下に地力の高さが侮れないマッドクール、ハイペース+重馬場ならぜっこう舞台となりそうな引退レースのロータスランド、逃げ馬ずらりでハイペース想定のため先行馬は買いにくいと思っていながらやはり海外競馬好きとしては逃せないビクターザウィナー。どうしても2005年の安田記念でただ一頭前で粘ったサイレントウィットネスが思い出されてしまいまして。いやあ、本当に来日してくれてありがとうございます。

 

応援枠は2頭。ついにラストランとなった愛されホース、魅力が詰まりすぎてるメイケイエール、そして雨中で再び最高級の輝きを見せたいシャンパンカラー

 

欲を言えば引退レースのディヴィーナだってめちゃくちゃ応援したいし、マテンロウオリオンの後ろポツンとか夢があるし……さすがGⅠ、思い入れがある馬が多すぎて全然決まらない。

 

逃げ争いはビクターザウィナー、モズメイメイ、テイエムスパーダ、ウインカーネリアンらによる熾烈極まるものとなると思われます。となると、先行勢が不利なのか?と思いつつトウシンマカオママコチャは軽視していますが、重馬場だと後方勢の末脚が不発に終わる可能性もあるし…むむむ。

 

まあ、前にいようが後ろにいようが、展開など関係なくルガルが勝つと信じて私みたいなドゥラ狂は馬券を握りしめていればいいのです。

 

 

対戦よろしくお願いします。

 

今週の忙しさが落ち着けば、更新頻度ももうすこし高くできると思います。なにせ来週の競馬はビッグイベント盛りだくさん。心してかからねば。

 

それではまた。

こんにちは。

 

再三のボーダー確認です。桜花賞ボーダーは明日のフラワーカップで本決まりとなります。

 

【桜花賞出走想定】

チューリップ賞1着:スウィープフィート

チューリップ賞2着:セキトバイースト

チューリップ賞3着:ハワイアンティアレ

フィリーズレビュー1着:エトヴプレ

フィリーズレビュー2着:コラソンビート

フィリーズレビュー3着:セシリエプラージュ

アネモネS 1着:キャットファイト

アネモネS 2着:テウメッサ

 

9位:5250:アスコリピチェーノ

10位:2300:イフェイオン

10位:2300:クイーンズウォーク

10位:(2300:フラワーカップ1着馬)

13位:2200:ステレンボッシュ

14位:2000:カルチャーデイ→未定

14位:2000:チェルヴィニア

16位:1650:マスクオールウィン

17位:1600:ライトバック

17位:1600:ワイドラトゥール

ーーー

19位:1200:ルシフェル→毎日杯(→オークス)

ーーー

20位:1150:アルセナール→前走の消耗あり、未定

20位:(1150:フラワーカップ2着馬)

ーーー

22位:1000:エトヴプレ→フィリーズレビュー

22位:1000:コスモディナー→フラワーカップ

22位:1000:サフィラ→放牧中

 

フィリーズレビュー7着のドナベティ(1600万)はボーダーに乗っていたのですが、鼻出血を発症し桜花賞には出走できません。

 

フラワーカップ1着馬が桜花賞を回避すればルシフェルが出走可能になるのですが、毎日杯→桜花賞はあまり現実的ではない。となるとその一つ下の1150万の2頭から抽選になるのですが、アルセナールはいまだ確定情報がでていません。少なくとも、フラワーカップの連対馬が揃って桜花賞に出てくることはできなさそうです。

 

フラワーカップについてですが、ミアネーロがミモザ賞から方針転換して参戦してきました。オークス馬候補だと太鼓判を押せるほどに能力は高いので大きな期待がかかります。元からここを目標に調整してきたマルコタージュもおり、ドゥラっ子不在の桜花賞とならないためにはラストチャンスとなります。勝利したとして、中2週で桜花賞に使うかどうかはまた別の話ですが。

 

 

 

【皐月賞出走想定】

弥生賞1着:コスモキュランダ

弥生賞2着:シンエンペラー

弥生賞3着:シリウスコルト

スプリングS 1着:

スプリングS 2着:

スプリングS 3着:

若葉S 1着:

若葉S 2着:

 

9位:6600:ジャンタルマンタル→皐月賞

10位:3900:レガレイラ→皐月賞

11位:2450:ジャスティンミラノ→皐月賞

11位:2450:ダノンデサイル→皐月賞

11位:2450:ビザンチンドリーム→皐月賞

(2450~:毎日杯1着馬)

14位:2400:エコロヴァルツ→皐月賞?

15位:2090:サンライズジパング→皐月賞

16位:1700:アーバンシック→皐月賞

17位:1600:サンライズアース→皐月賞

18位:1200:ウォーターリヒト→スプリングS

(1200~:毎日杯2着馬)

ーーー

19位:1150:シュバルツクーゲル→皐月賞

20位:1000:シリウスコルト→未定

20位:1000:パワーホール→若葉ステークス

21位:900:ギャンブルルーム→皐月賞

(900万=1勝クラス勝ち馬のため、他多数)

 

蹄に問題を抱えるゴンバデカーブース(2000万)はおそらく間に合わないと思います。ダノンエアズロック(1200万)も骨折が判明し、春のクラシックは出走できません。エコロヴァルツはおそらく皐月賞で間違いないと思います。シュバルツクーゲルウォーターリヒトがスプリングSで優先出走権を確保すれば出走枠が零れ落ちてきます。ギャンブルルームは皐月賞を目指すらしいですが、上位馬4頭の回避+900万の他馬との熾烈な抽選と出走の可能性は針の穴より狭いです。毎日杯組の賞金も一応書きましたが、毎日杯→皐月賞ローテはあまり考慮に入れないでもいいでしょう。

 

とりあえずは若葉ステークスでミスタージーティーの一発回答を期待しましょう。ついに乗り代わりになってしまいましたが、最近なぜか11番人気を頭に持ってくる覚醒ぶりを見せている藤岡佑介騎手の勢いに託します。おそらく1番人気でしょうが、穴だけでなく本命もしっかり持ってきてくれたら嬉しいな。

 

OUTRO

遅ればせながら、ついにメロディーレーンのSサイズぬいが到着です。

 

 

アイドルホースオーディションのSサイズ選抜なんて、ほとんど彼女のために用意された部門でしょう。清き一票がしっかり結実して嬉しい限りです。

 

もう少しで引っ越しするというのに、荷物を自ら増やしていくスタイル。引っ越し準備で忙しいので、週末競馬まとめが投稿できないかもしれません。投稿できたとしてもさらっと終わるかも。

 

それではまた。

こんにちは。

 

トランセンドのスピード実装にひっくり返りましたが、

 

 

撤退覚悟の20連で無事迎えられたのでよしとしましょう。

 

私は実馬の現役期間をリアルタイムで見てはいなかったのですが、競馬史を振り返った時にやはり2011年のドバイワールドカップは特別なものでして、「ニッポンワンツー!」の実況は耳に残りました。あと、スマートファルコンの覇道を振り返った時、ジャパンカップダートでトランセンドとの対決が幻に終わったのが少し残念だったかな……といった程度で、実はトランセンド自体にそこまで深い印象があるわけではないです。

 

強いのは重々承知していますが、ダート馬はキャリアの全貌を後から把握することがどうにも難しい。どの馬もキャリアが長く、どの馬が何のレースに出走してどれに勝ったのか覚えることは容易な事ではありません。コパノリッキーやホッコータルマエなんか、勝利したGⅠだけで2桁になるわけで、どれを連覇していてどれを連覇していないか何回振り返っても覚えられない。でもただただ強いのは分かっています。むしろニホンピロアワーズとかサンビスタの方が覚えやすいまである。

 

まあ、育成しながらより深く実馬についても知っていけるでしょう。ていうか、ファルコンとアキュート持ってる状態でトランセンド引いたらフリオーソとエスポワールシチーを引かないとおさまりがつかない気がします。沼は深い。

 

 

沼に引き込まれた人がここにも一人……

 

しかしまあ、勝負服を見てみるとノースヒルズがついに解放されたということにしみじみとした感慨を覚えます。デアリングタクトがいるなら、あの子がいて然るべき、という子がいますよね?きっとキングヘイローとかラインクラフトとかシーザリオとかと仲いいんやろなあ。タクトみたいに、メインストーリー第2章の最終話でカメオ出演する光景までばっちり見えましたね。

 

さて、オタクのウマ娘談義はいつまでも続けられるのでこの辺にしておいて、競馬の話題をいくつか。今回は1~3月の香港競馬の振り返りをお送りします。それではいってみましょう。

 

  香港GⅠ振り返り

1月~3月に行われたGⅠ4レースを紹介します。

 

香港短距離三冠の第1戦センテナリースプリントカップ、第2戦クイーンズシルバージュビリーカップ、および香港トリプルクラウンの第1戦スチュワーズカップ、第2戦ゴールドカップが終了していますが、有力馬の回避もあり新星の誕生や見事な復活劇などが目立つ結果となっています。

 

「現在進行形の伝説」ゴールデンシックスティは今シーズンでの引退を発表し、引退までのローテーションを香港マイル→スチュワーズカップ→チャンピオンズマイルの3戦に設定。香港マイルこそ完勝でしたが、スチュワーズカップは脚部不安で回避してしまいました。予定通りチャンピオンズマイルで引退が濃厚とは思いますが、引退のシーズンがたった2戦で終わってしまっては勿体ない。ぜひとも最後には日本で走ってほしいものです。どうせ引退後は日本に来るんだから!一昨年、昨年と出走が叶わなかった悲願を叶えに安田記念参戦の夢を見たい。「浪漫の闘士」ロマンチックウォリアーとともに香港競馬が誇る二頭が来てくれるとなると、否が応にもテンションが上がります。

 

 

最強馬が不在となった年明けですが、中東遠征や日本遠征を敢行する馬などもいて、香港調教馬もワールドワイドな活躍を見せています。高松宮記念やドバイの招待競走を見るにあたっての前情報としても面白い。

 

1/21 スチュワーズカップ(1600)

 

 

 

ゴールデンシックスティが脚部不安、ロマンチックウォリアーが連戦の疲労で回避し、二強不在でトリプルクラウンが開幕しました。

 

勝利したのはディープフィールド産駒の5歳馬。香港マイルで11番人気2着の激走を見せた「逆さ船の航海士」ヴォイッジバブル【遨遊氣泡】(ジェームズ・マクドナルド騎手)が抜群のスタートから3番手につけ、直線でスムーズに一伸びし後続を突き放す競馬でGⅠ初制覇を達成しました。去年の香港ダービー馬は、そもそも香港マイルで軽視されすぎだったことを証明するとともに、1番人気に応えましたが、個人的には、勝利を祝う気持ちもありつつ、じゃあこいつに香港マイルで完勝したゴールデンシックスティって一体……とならざるを得なかったです。

 

番手から粘るも交わされたスタースパングルドバナー産駒の6歳馬ビューティーエターナル【永遠美麗】が2着、直線で大外に進路を求めて追い込んだセブリング産駒の6歳馬ビューティージョイ【美麗同享】が3着。3戦連続で仲良くならんでゴール板を通過した仲良しなビューティーたちがなんともいえない安定感をみせつけました。

 

逃げて上手くペースを作るも、なかなか全盛期のパフォーマンスが戻らないスタースパングルドバナー産駒の6歳馬、「太陽の輝き」カリフォルニアスパングル【加州星球】が4着。惨敗続きながらも3番人気に押されており、逃げ馬+黄色と赤の鮮やかな勝負服は分かりやすくて人気になりやすいのかもしれないと適当に思ってみたり。

 

激戦の香港カップ4着、ファストネットロック産駒の6歳馬、「望夜の帝」ストレートアロン【直線力山】が6着、ガリレオ産駒の7歳馬にして12ハロンマイスターのロシアンエンペラー【將王】はさすがに適性外の舞台で能力を発揮できずブービーの7着に敗れました。なんで君は香港ヴァーズにいつも不在なんだい?

 

4月のマイルGⅠ、チャンピオンズマイルまでにもう一叩きする馬が多く、その際はスプリント路線か中距離路線かという選択が入ります。前者であればクイーンズシルバージュビリーカップへと向かうコースで、今年はビューティーエターナル、カリフォルニアスパングルが該当。後者であれば香港ゴールドカップへと向かうトリプルクラウンコースで、二冠を狙うヴォイッジバブルのほか、ストレートアロンが該当しました。

 

面白いローテを組んだのは別路線の二択をどちらも選ぶ強欲ローテを組み、香港ゴールドカップ→クイーンズシルバージュビリーカップとどちらも走ったビューティージョイ。それから去年の成功体験に導かれカタールへと再び出かけていったロシアンエンペラーでしょう。今年はメンバーレベルが上がりすぎて負けちゃいましたけど。

1/28 センテナリースプリントカップ(1200)

 

 

1週間後には香港短距離三冠も開幕しました。こちらは絶対的主役がしっかり出走していましたが、まさかの結末に終わって大混乱でした。

 

昨シーズンは香港短距離三冠を圧倒的な強さで全て制覇し、12月に香港スプリントを完勝した紛うことなき最強馬、スワイネス産駒の6歳馬、「香港短距離三冠馬」ラッキースワイネス【金鑽貴人】がまさかの6着完敗。鈍いスタートから後方で進路を失ったようにも見えましたが、行きっぷり自体も悪かった。実際、レースの翌朝に右前脚跛行の症状が見られたようで、競馬に絶対はないことを改めて思い知りました。香港の獣医検査って結構厳しいですし、レース後に馬体上の問題点がみつかるのは珍しいケースのように感じます。幸いなことに跛行がかなり軽症ではあったみたいで、すぐに戦列に復帰できました。もしかしたら軽症だったからこそ見逃されたのかもしれません。

 

怪我の参考記事↓

 

勝利したのは7番人気の伏兵、トロナード産駒の6歳馬、「必勝期す征服王」ヴィクターザウィナー【維港智能】(デレク・リョン騎手)。清々しい逃げ切り勝ちでGⅠ初制覇を遂げた新時代のスプリント王が、次に見据えるは短距離二冠ではなく何と高松宮記念への参戦でした。

 

高松宮記念に外国調教馬が出走できるようになったのは2001年。参戦した馬は何頭くらいいるのか気になったので調べてみました。抜けあったらすいません。

 

2003年

ディスタービングザピース Disturbing the Peace(アメリカ)13着

エコーエディ Echo Eddie(アメリカ)17着

2015年

エアロヴェロシティ Aerovelocity(香港)1着

2018年

ブリザード Blizzard(香港)5着

 

以上4頭ですので、5頭目の参戦となります。香港調教馬としては3頭目。先達は掲示板を外していないため、香港の短距離馬がいかにハイレベルか推して知れるというものです。

 

香港馬の海外遠征に際して、毎度の問題点として表出するのは左回りコースへの対応です。シャティンは(ついでに言うとハッピーバレーも)右回りのため、当然左回りコースでの実戦は初めてになります。ただ、シャム調教師はヴィクターザウィナーについて「左回りが得意で、海外で走る機会を以前より検討していた」という趣旨のコメントを出しているため、あまり考える必要はないかもしれません。

 

レースに話を戻すと、香港スプリント2着だったアーティーシラー産駒の7歳馬ラッキーウィズユー【幸運有您】が悔しい2戦連続の2着。前スプリント王の「偉大なる英雄」ウェリントン【福逸】が3着でした。

 

オールトゥハード産駒ウェリントンはクイーンズシルバージュビリーカップに向けての調整中に、怪我をしてしまい8歳にして引退を発表しました。名コンビとして名をはせたアレクシス・バデル騎手が感謝のコメントを寄せていました。

 

 

通算成績は27戦12勝、GⅠ4勝。特筆すべきは2021-22シーズンのGⅠクイーンシルバージュビリーカップ、GⅡスプリントカップ、GⅠチェアマンズスプリントプライズでのパフォーマンスでしょう。覚醒前のラッキースワイネスの壁として立ちはだかり、世代交代されたあとも安定感抜群の成績で古豪の意地を見せました。お疲れさまでした。

 

2/25 香港ゴールドカップ(2000)

 

 

説明不要、香港10ハロンの最強馬が今年の初陣を飾りました。

 

アキュラメーション産駒の6歳馬、「浪漫の闘士」ロマンチックウォリアー【浪漫勇士】(ジェームズ・マクドナルド騎手)が大外枠ものかは、好位追走からGⅠ6勝目を達成。23-24シーズンはコックスプレート、香港カップ、香港ゴールドカップとGⅠ3連勝中です。昨季は「現在進行形の伝説」ゴールデンシックスティ相手に二度地に伏しましたが、魔王が不在なら王座を明け渡すわけにはいきません。シーズン残りのローテをどうするかは不明ですが、安田記念も視野に入るとのことで、期待して待ちましょう。

 

そんな絶対王者に最後の最後まで食い下がり、火の出るような叩きあいの末にクビ差2着と健闘したのがトリプルクラウン初戦の覇者、「逆さ船の航海士」ヴォイッジバブル【遨遊氣泡】。二冠達成は夢と消えましたが、二強不在で制したGⅠ制覇の価値を、自身の走りで改めて証明しました。現在のロマンチックウォリアー相手にシャティンの10ハロンであそこまで抵抗できる馬はそうはいません。次走はドバイターフ。香港総大将として、二強に次ぐ誇り高きGⅠ馬として、7か国決戦に挑みます。

 

他馬は離されており、2頭との間に実力差を感じる結果に。後方から追い込み4着を確保した「望夜の帝」ストレートアロン【直線力山】もドバイターフに出走します。この馬に関しては、去年の香港カップで差のない4着に入っていることが評価できます。1~3着は「浪漫の闘士」ロマンチックウォリアー、「不屈の愛国王」ルクセンブルク、「悠久の瀑布」ヒシイグアスであること、そして1/4馬身退けた5着には記憶に新しい「大成の予知」プログノーシスがいること。改めて海外競馬は魔境ですね。

 

3/10 クイーンズシルバージュビリーカップ(1400)

 

 

現スプリント王として受け入れがたい敗戦を経験した「短距離三冠馬」ラッキースワイネス【幸運有您。敗戦を喫したことのない1400メートルにて名誉挽回を狙いましたが、まさかの5着に終わり連敗を喫してしまいました。道中最後方まで下げたのがそもそも彼らしくなかったですが、外枠を引いてしまった関係もあったのでしょう。何よりも、内にいたビューティーエターナル【永遠美麗】(4着)との兼ね合いで一度後退せざるを得なかったとのこと。

 

 

私はよくXにて青嶋坂学会さんのポストを拝見しているのですが、海外競馬をニッチな所まで面白おかしく紹介してくれているので、ぜひ見てみてください。インド競馬に大量発生している偽物の名馬の情報とかどこで仕入れてくるのやら。

 

勝利したのは「太陽の輝き」カリフォルニアスパングル【加州星球】(ブレントン・アヴドゥラ騎手)。世代交代を成し遂げきれず、自身のフォームすら崩して屈辱の4連敗を喫し、鬱屈とした日々を過ごしていた6歳馬は、昨年2着の雪辱を見事に果たしました。これでGⅠは2勝目となります。初GⅠは一度見たら忘れられない2022年の香港マイル。最強馬を打ち破った彼にそのあと待ち構えていたのは倍返しの暴力と後輩の突き上げ。それでも自分の競馬を、逃げの競馬を信じ続けていた彼が再び日の目を見ることになろうとは。非常にドラマチックな逃げ切りでした。

 

思えば、22年の香港クラシック三冠(トリプルクラウンとは別の、4歳限定戦:香港クラシックマイル、香港クラシックカップ、香港ダービー。いずれも香港GⅠで国際格付けはリステッド)にて凌ぎを削ったのがカリフォルニアスパングルロマンチックウォリアーでした。香港の6歳世代は総じてレベルが高いですね。

 

そしてカリフォルニアスパングルはその勢いのままドバイ遠征を敢行するとのこと。出走するのはGⅠアルクオーツスプリント。彼と共にサイトサクセスも香港から出走します。サイトサクセスは重賞2勝、去年の同レース4着、前走センテナリースプリントカップ12着馬です。

 

OUTRO

さて、香港競馬を振り返っておきたかったのはすべて再来週のドバイに向けての下準備です。出走予定馬もドバイレーシングクラブから発表があったので、最近はもっぱらイニシャルと性別から馬番を割り出しながら出馬表づくりに勤しんでいます。ゲート番も予知能力で分かればいいのになあ。

 

 

ドバイシーマクラシックの作りかけ出馬表の一部ですが、調教国からして面白すぎる。日本、イギリス、フランス、アイルランド、ドイツ、UAE、カタール(元フランス馬ですが)の一線級が揃った最高峰の7か国レースなんてワクワクしないでどうするの。国際色豊かなレースはこれだけにとどまらず、アルクオーツスプリントは日本、イギリス、フランス、アメリカ、香港、UAE、そしてチェコの7か国戦、UAEダービーやゴドルフィンマイルにはウルグアイ調教馬がいたりと、幹から枝葉に至るまで余すところなく楽しめます。思えば一昨年も祖父ハットトリックのトルコダービー馬とかいたわけですけども。

 

出馬表の作成は、私の処理能力の低さもあいまってかなりの労力がかかるので、現状ドバイターフ、ドバイシーマクラシック、ドバイワールドカップの3レースしか作れそうにありません。レースの展望に関しては、サラブレッド競走の重賞については全レース見ていきたいと思っています。ドバイカハイラクラシック(純血アラブ種のGⅠ)については何も知識がないのでスルーさせてください。

 

ドバイワールドカップの出馬表作成して思ったのですが、ホワイトアバリオクラウンプライドが帰国してしまったせいで、勝負服に赤い彩りが不足しています。やたら寒色に寄ったダート決戦において、ピンク色の勝負服を身にまとった「破天荒な後継者」はひときわ目立つ事でしょう。結局、大方の予想通りムルザバエフ騎手が乗ってくれるみたいだし。

 

しかしまあ、この時期にトランセンドを合わせてくるウマ娘も抜かりないというか、なんというか。まだ育成ストーリーを触ってはいないのですが、例の描写が出てくることは情報として流れてきました。心してかかります。ヴィクトワールピサブエナビスタは実装待ったなしと考えてもよろしい?

 

明日は桜花賞についての話を少しできたらいいなと思っています。ミアネーロ全力応援のフラワーカップは土曜日にありますし、賞金ボーダーの最終決定前夜に大まかな整理だけしておきたい。毎回のことですが、投稿できるかどうかは分かりません。期待しないでお待ちください。

 

それではまた。

こんにちは。

 

今回は、何とか毎週恒例に出来つつある国内競馬の振り返り&展望です。当たり前のようにドゥラ要素強めです。それではスタート。

 

  土曜競馬振り返り

ドゥラっ子は10頭が出走。1着馬が1頭、3着馬が1頭でした。

 

中京2R、3歳未勝利(芝1400)を勝利したのはメリージェーン(木幡育也騎手)。大半が初出走馬の中、4戦目のキャリアを見せつける好発から番手につけて、新馬・未勝利戦4回複勝圏に入っていた圧倒的1番人気、リアルスティール産駒のシアター(藤岡康太騎手)との競り合いをハナ差制しました。新馬戦は出遅れてコスモディナーの5着でしたが、着実に競馬を覚えています。母は早熟の欧州馬トゥアーニー、母父はダンジグ産駒の欧州馬カントリーリール……正直よく分からない。馬名はつのだ☆ひろ氏のソウルミュージックでしょう。生産面で言うとタイヘイ牧場がオーナーブリーダーです。タイヘイ牧場は生産者として名障害馬ゴーカイ、日本におけるゴドルフィンアラビアン系(多分)最後のGⅠ馬サニングデール、出走レースを必ずハイペースにするシルポートと個性豊かな馬を輩出しています。

 

未勝利馬1頭を語るだけでも芋づる式に話題が出てきてグダグダ書けてしまうのが競馬の怖いところ。面白いところ、恐ろしいところ(馬場、2009エリ女)。

 

中京11R、3勝クラスの中京スポーツ杯(ダ1400)で5着に敗れてしまったのはイグザルト。正直負ける要素など何もないと思っていたのですが、直線の進路取りに大失敗して、むしろよく5着まで来れたなという競馬でした。次は必ずオープン入りを果たせるはずです。

 

GⅢ中山牝馬ステークス(中山芝1800)

タフなレースとなりましたが、緩みなく逃げたコンクシェル(岩田望来騎手)の粘り勝ち。外からククナが2着、内からシンリョクカが3着。シンリョクカも新聞を読む馬枠になりつつあります。

 

思えば去年はスルーセブンシーズが制した重賞なわけでして、去年の今頃は期待というものをまるでしていなかったな、と反省と共に思い返してみたりします。まさか宝塚で世界最強を追い詰め、日本の希望を背負って戦う馬になろうとは。

 

また大外枠に放り込まれたラヴェル、レースを途中で投げてしまったヒップホップソウルはもう一度仕切り直し。ラヴェルは府中でこそ輝く馬だと思うので、府中牝馬に出たら本命候補かも。

 

  日曜競馬展望

デビュー早かったからか、もう7戦目の未勝利馬、マックスセレナーデ(鮫島克駿騎手)、阪神1Rに出走!

 

スタートド下手なミッキーストライク(坂井瑠星騎手)、遅れてきた大物候補だと勝手に思っているブリオメンテ(武豊騎手)、阪神4Rに出走!

 

2着4回、3着2回。未勝利ながら中央の激流に揉まれ続ける不屈の闘魂、ショウナンアキドン(西村淳也騎手)、阪神7Rに出走!

 

2月にドゥラワンツーを披露した才媛ラファドゥラ(木幡巧也騎手)、ヌーヴォレコルトの妹ソバナ(横山和生騎手)、中山9Rに出走!

 

メインに出走する妹の背中を押したいお姉ちゃんは距離延長でオープン初勝利に活路を見出せるか、スコールユニバンス(富田暁騎手)、中山10R、L東風ステークスに出走!

 

ホウオウムサシ、レディズビーク、ノットファウンド、ウルトラソニック、ロードブライト、アルシオーネ、アイノセンシもみんな頑張れ!

 

GⅡ金鯱賞(中京芝2000)

菊花賞馬ドゥレッツァ(クリストフ・ルメール騎手)の今年初戦です。彼のポテンシャルは誰もが認めるところですし、今年もドゥラ色に染めたい私は牡馬の大将格として熱視線を送っています。有馬記念に出走できなかったように、決してスムーズな調整過程とは言えないでしょうし、春の大目標はこの後の春天・宝塚である以上、どこまで仕上げ切っているかは分かりません。菊花賞馬という重みをそのまま換算された初の59キロも不安要素でしょう。ルメール騎手も重賞ではいまだに冬眠中。

 

でも、それがどうしたと言わんばかりに圧勝してくれる期待しか持てません。類稀なる自在性を持ち、どんなレース展開であろうとすんなりポジションをとり、そして最後に手ごたえ楽に突き抜ける。現役最強馬候補に名乗りを上げるのはこの馬です。

 

非常に困るのがドゥラっ子が大集合していること。なんで日経新春杯にもAJCCにも京都記念にも顔を見せなかったドゥラ産駒がわざわざここに集まってくるんだか。ブレイヴロッカー(丸山元気騎手)もシーズンリッチ(吉田隼人騎手)も期待馬なので、単勝を買わない理由はないのですが……

 

 

ドゥラっ子以外だとヤマニンサルバム(三浦皇成騎手)はかなり目を引きます。それこそ去年の金鯱賞で本命にしたのですが、9か月後に中日新聞杯を制覇。その時には特に注目していなかったという……どこか私とはかみ合わせが悪い。いや、忘れてた私が悪いんですけど。逃げ馬天国でおなじみの金鯱賞において、今回逃げる馬を見つけるのは至難ですが、ヤマニンサルバムは候補の1頭。よしんば逃げられなかったとしても前目の有利な位置につけることが出来れば、あとは大得意コースを来るっと回ってくるだけです。

 

ドゥレッツァがどんな騎乗をするのかは正味さっぱり分かりません。さすがに中距離戦だと菊花賞みたいな逃げ(逃げと言っていいのかは分かりませんが)はしないだろうと思いますけど、だからと言って日本海ステークスのように後ろからいくかと言われると言葉に詰まる。プログノーシスと同じような位置取りをしていたらかなり心臓に悪いレースになることでしょう。ルメール騎手は馬の能力が高く操縦性も良いのであれば、無理に抑えず積極的に好位をとりにいけるので、多分好位内目追走になるとは思いますし、そうなったらまず負けないでしょう。破竹の6連勝で既に見据えるは春盾奪取。秋には夢の凱旋門まで……

GⅡフィリーズレビュー(阪神芝1400)

牝馬トライアル第2弾。3着馬までに桜花賞への優先出走権が与えられます。今年は賞金上位馬も多く参戦し、かなりハイレベルなメンバー構成となりました。

 

阪神JF3着馬「情熱の鼓動」コラソンビート(横山武史騎手)、つわぶき賞快勝の尾花栗毛バウンシーステップ(菱田裕二騎手)、激流の阪神JFで粘りの5着シカゴスティング(鮫島克駿騎手)、ファンタジーS1着の快速馬カルチャーデイ(酒井学騎手)と人気馬は魅力的ですが、チューリップ賞の荒れ方を見るに、牝馬戦はやはり怖い(弥生賞も荒れてたので牝馬がどうこうというわけではないかもですが)。

 

ということで、はっきりと穴狙いでいってみます。オアシスドール(松若風馬騎手)なんていかがでしょう。3戦目にして初の芝コースとなりますが、ダートでかなり早いペースを経験しており、キタサンブラックならばあっさり順応してもおかしくありません。調教は他馬と同水準かそれ以上で動けていた以上、能力が足りないからダートを使っていたような印象は全くない。

 

まあ、穴馬狙いというのは非常に分かりやすいもので、来ない時にはさっぱり来ない。「ああ、流石に無理かあ」と何とも言えない残念感に襲われることもしばしばです。思い返してみれば阪神JFは穴狙いのカルチャーデイスプリングノヴァで大外れ。チューリップ賞は比較的固くミラビリスマジックを狙って大外れ。24牝馬クラシックのレースを私はもう予想しない方がいいのではと思いつつあります。まあ、予想するだけならお金かかりませんし好きにしろよという感じですが。

 

Lアネモネステークス(中山芝1600)

桜花賞トライアル第3弾にして最終戦。2着以内に桜花賞の優先出走権が与えられます。これが終わると桜花賞への最短ルートはフラワーカップ経由しか残されていません。ただ、フラワーカップから桜花賞というローテはあまり連関がないので過酷な道と言って差し支えないでしょう。

 

だからといってアネモネ→桜花賞も連関はないので、トライアル戦とはいえ厳しい戦いが待ち受けていることは間違いありません。いずれにせよ、出走できないレースにはそもそも勝利しようがない。桜花賞に出て一泡吹かせたいと思う気持ちは出走馬の陣営皆同じはず。

 

結論は分かり切っています。ドゥラっ子が出るならその子しかありえない。本命はラブスコール(横山和生騎手)。24世代のドゥラっ子初勝利を飾った牝馬は紆余曲折ありながらなんとかトライアル出走にこぎつけました。全姉であるスコールユニバンスと同日に連続してレースに出るというプチドラマがありますし、連勝なんてしようものなら「お姉ちゃんが頑張ってるのを見て勇気をもらった」的な誰でも思いつくような安いストーリーが私の頭の中で出来上がります。

 

 

ニシノティアモがミモザ賞に流れた今、牝馬戦線で桜花賞出走の可能性が残されているのはラヴスコールマルコタージュ(フラワーカップ)の2頭のみ。牡馬に至ってはミスタージーティー(若葉ステークス)の1頭のみだと思われます。去年あれだけ猛威を振るったドゥラが何で今年はこんなに不作なのか分かりませんが、とにかく1頭でも多くクラシックに出てほしい。

 

まあ、不作というか有力馬が順調でなかったのも大きいんでしょうね。ドゥマイシング、ストーンズ、シャハザマーン、シュネルラウフェン、シュガークン……5月かもしくは秋以降に「主役は遅れてやってきた!」(川島、2022菊花)してくれてもいいんですけどね。

 

OUTRO 

 

全然書き終わらずに阪神1Rがすでに終わってしまいました。マックスセレナーデは4着。無念。

 

もしかしたら来週は週末競馬の記事すら投稿できないかもしれません。平日に何かしら投稿する予定ではあります。とりあえず香港競馬振り返りはやるつもりでいます。牝馬戦線の賞金ボーダーを今一度振り返るでもいいですしね。再来週には高松宮とドバイも迫ってるし……ウマ娘のライブもあるし……趣味で忙しくて死にそう。贅沢なことで。

 

それではまた。

こんにちは。

 

出来るだけ恒例にしたい競馬クイズ↓

Q. 今年の弥生賞はレコード決着となり、去年までのレースレコードである1分59秒9を記録したマカヒキに再び注目が集まりましたが、弥生賞におけるマカヒキの鞍上は次の4人の内誰でしょう?(難易度:★★☆☆☆)

1.ミルコ・デムーロ

2.クリストフ・ルメール

3.川田将雅

4.内田博幸

 

今回は弥生賞振り返りと賞金ボーダーの再確認です。それではいってみましょう。

 

  弥生賞ほか 振り返り

まさかまさかのコスモキュランダ、ミルコ・デムーロ騎手!タイムはレースレコードをコンマ1秒更新する、1分59秒8!

 

ここでミルコスペシャルが炸裂するとは。去年はかわいそうなほど不運が続いていたミルコに、やっといい風が吹いてきました。不運が…といいつつ重賞しっかり勝ってるんですけどね。

 

 

ミルコのインタビューはいつも嬉しさがあふれ出てきていて、見ているこちらがニコニコしてしまいます。イタリア系関西人と形容される日本語の巧さは言わずもがな。

 

感覚でペースを読み切り、捲りを敢行する大胆さ。ミルコで捲りと言えば2018年の大阪杯、スワ―ヴリチャードで勝利した際の「ミルコ・デムーロ、神騎乗!」(吉原アナの実況)が思い出されるわけで、あの頃の良いフォームが戻ってきているように思ってしまう勝利でした。

 

アルアイン産駒も重賞初制覇。シャフリヤールが引退できなかった所以はこういうところにもあるんでしょうね。ディープ系種牡馬大渋滞の中で初年度が結果をだしたのは吉報以外の何物でもない。思えばドゥラメンテも弥生賞が産駒の重賞初制覇だったなあ……。今のアルアインの種牡馬評価を考えると、当時はどんな期待度だったか推して知るべしといったところですが、もはや失敗の烙印を押されかけていたことなど忘れるほどに大活躍し、リーディングサイアーに輝いてしまうんですから、本当に何が起こるか分からない。

 

ということで、固い決着を予想したのですが大外れ。シンエンペラーは2戦連続2着で戴冠式はクラシックまでお預けです。優先出走権枠を一つ潰したことで賞金ボーダーあたりの子に希望をもたらしていたりするのですが、これはまた後述。

 

シリウスコルトも全くのノーマーク。とはいえ前残りの馬場だったのは間違いないため、GⅠの舞台で勝負するにはさらなるレベルアップが必要でしょう。今年の弥生賞は逃げ馬を見つけるのが非常に難しく(それこそシュバルツクーゲルかな?と思っていましたが)、結論「お前かい!」という逃げになってましたし。三浦騎手もペースが速くならないことと馬場傾向を見越しての好騎乗と言っていいでしょう。

 

優先出走権を獲得した3頭には現時点での二つ名を考えておきましょう。「新たな皇帝」シンエンペラーは段々シルコレっぽくなってネタに思えてきました。強いのは間違いないなのでこのままにしておきますが。コスモキュランダは「森の雫」、シリウスコルトは「武装狼」とかでどうでしょう。変えるかもしれませんが。

 

弥生賞以外のトピックとしては、前記事であれだけ力説したサーマルソアリングが負けてしまったり、その総武ステークスをレイチェル・キング騎手が鮮やかな騎乗で制し短期免許最終日も大暴れしていたり、ステラヴェローチェが大阪城ステークスで大復活したり。次走大阪杯を予定しているそうで、非常に楽しみです。

 

ドゥラっ子は日曜に3頭が勝利。3歳馬キーチパルフェが初勝利、パープルクラウドが2勝目、そして驚きは13番人気ながら最後方から3~4角で仕掛けて全馬をぶち抜いたヒドゥンキングの2勝目。道中ホントにhiddenしていて名は体を表すといったところ。しかも単勝万馬券だったという……

 

  賞金ボーダー確認

現時点で別路線と考えられる子は表から外しています。漏れがあるかもですが悪しからず。

 

【皐月賞ボーダー】

弥生賞1着:コスモキュランダ

弥生賞2着:シンエンペラー

弥生賞3着:シリウスコルト

スプリングS 1着:

スプリングS 2着:

スプリングS 3着:

若葉S 1着:

若葉S 2着:

 

6600:ジャンタルマンタル→皐月賞?

3900:レガレイラ→皐月賞

2450:ジャスティンミラノ→皐月賞

2450:ダノンデサイル→皐月賞

2450:ビザンチンドリーム→皐月賞

2400:エコロヴァルツ→皐月賞

2090:サンライズジパング→皐月賞

2000:ゴンバデカーブース→蹄にトラブル、調整中

1700:アーバンシック→未定

1600:サンライズアース→皐月賞

ーーー

1200:ウォーターリヒト→スプリングS

1200:ダノンエアズロック→未定

1150:シュバルツクーゲル→未定

1000:シリウスコルト→未定

1000:パワーホール→若葉ステークス

 

賞金上位のシンエンペラー(3400万)が優先出走枠をつぶしてくれたおかげでサンライズアースがほぼ安泰に。クラシック登録のないノーブルロジャー(2450万)が追加登録+賞金上位馬が全て出走という状況が起きない限りは直行でOKとなりました。

 

賞金上位馬の中で皐月賞出走が判然としないのは3頭。ジャンタルマンタルはNHKマイルカップとの兼ね合いを考えているのか、次走を明言せず。ゴンバデカーブースは米三冠に登録したりと最初から来るのかどうか疑問でしたが、ここにきて蹄にトラブル発生。アーバンシックも情報が全くありません。

 

 

【桜花賞ボーダー】

チューリップ賞1着:スウィープフィート

チューリップ賞2着:セキトバイースト

チューリップ賞3着:ハワイアンティアレ

フィリーズレビュー1着:

フィリーズレビュー2着:

フィリーズレビュー3着:

アネモネS 1着:

アネモネS 2着:

 

5250:アスコリピチェーノ→桜花賞

2900:コラソンビート→フィリーズレビュー

2300:イフェイオン→桜花賞

2300:クイーンズウォーク→桜花賞

2200:ステレンボッシュ→桜花賞

2000:カルチャーデイ→フィリーズレビュー

2000:チェルヴィニア→桜花賞

1650:マスクオールウィン→桜花賞

ーーー

1600:ドナベティ→フィリーズレビュー

1600:ライトバック→桜花賞

1600:ワイドラトゥール→未定

ーーー

1200:ルシフェル→毎日杯(→オークス)

1150:アルセナール→前走の消耗あり、未定

1000:エトヴプレ→フィリーズレビュー

1000:コスモディナー→フラワーカップ

1000:サフィラ→放牧中

 

チューリップ賞に出走したワイドラトゥールは13着で出走権確保ならず。しかしながら賞金上位にはフィリーズレビュー出走を決めている馬が3頭(コラソンビート、カルチャーデイ、ドナベティ)いるので、いずれかが3着以内に入ればボーダーが下がり出走が可能になります。何回でも言いますが、ルシフェルのローテはかなり謎です。桜花賞とオークスにのみクラシック登録をしているので、毎日杯を使うのであればその次はオークスということしか考えられない。

 

OUTRO 

クイズの答えをば。

 

正解は2番のクリストフ・ルメール騎手でした。

 

皐月賞では、ルメール騎手が3戦3勝のきさらぎ賞勝者サトノダイヤモンドに騎乗するため、川田騎手に乗り替わり。その後川田騎手は悲願のダービー初制覇を成し遂げることとなります。

 

ミルコ騎手は新馬戦、内田博幸騎手は4歳秋の3戦に騎乗。ルメール騎手は若駒S・弥生賞のほかに、3歳秋のフランス遠征および5歳時の札幌記念の鞍上も務めています。

 

その他、ライアン・ムーア騎手、武豊騎手、岩田康誠騎手、ライル・ヒューイットソン騎手、藤岡康太騎手、岩田望来騎手と、その長いキャリアに違わぬ鞍上の遍歴です。個人的にはダービーを制した川田騎手と京都大賞典を制した康太騎手のイメージが強いです。

 

各トライアル後に賞金ボーダーが更新できそうであれば、ちょくちょくしていきます。土曜にはいつものように今週の競馬をざっと見しますが、その前に何かしら投稿できればいいな。ウマ娘のドゥラシナリオの話とかしたいんですが、記事一つで終わる気がしないのが何とも。

 

それではまた。

こんにちは。

 

突然ですが競馬クイズを一つ。

 

Q.

1983年以降、歴代の弥生賞優勝馬でなおかつクラシック三冠の内どれか一つのみを制している馬(すなわち三冠馬や二冠馬は除く)は12頭います。例えば、昨年の弥生賞ウィナーであるタスティエーラは日本ダービーのみを、一昨年の弥生賞ウィナーであるアスクビクターモアは菊花賞のみを勝利しているため、条件を満たしています。

条件に該当している弥生賞ウィナー12頭がのちに勝利したクラシック三冠レースのうち、最も多いものはなんでしょう?

 

答えはいつものように、記事の最後に。

 

  土曜競馬振り返り

土曜のドゥラっ子5頭は全敗でした。ラスクが5着、メイショウオオミネが11着、ワイルドベティが8着。デビュー2戦連続2着のホウショウリナは6着。

 

注目していたのは阪神12R、4歳以上2勝クラス(芝1400)に出走したファルヴォーレ。ドゥラの初年度産駒にして一番最初に重賞に出てきた子だと記憶していますが、障害からの出戻りで9着。よく頑張りました。

 

この阪神12Rはクラスを考えれば結構レベルが高いと感じました。池添騎手負傷で乗り替わったメイショウアメリア今村聖奈騎手が作り出した激流もあり、タイムも相当に速かった。決着は前3頭が飛びぬけており、特に勝ち馬、ミッキーロケット産駒のジョウショーホープはスムーズに直線運べなかった前走、トラベログがただ化け物だった前々走とみても、どんな展開だろうと最後の脚は鋭く、能力が高い。次は3勝クラスですが、今年中に重賞勝ち負けまではいくのではと期待が膨らみます。父ミッキーロケット×母父アグネスデジタルってニッチで面白そうだし。祖母ホシノキンカは多分ドラマから名付けられたんでしょうね。

 

GⅢオーシャンステークス(中山1200)振り返り

買うわけでもないので、1200ならビッグアーサー産駒のワンツーしかないやろとか無責任な適当予想してたんですが、それが当たってたみたいです。無欲って大事ですね。

 

トウシンマカオ(横山武史騎手)にしろビッグシーザー(坂井瑠星騎手)にしろ、いかにもビッグアーサーの距離適性といった感じ。トウシンマカオはどうにかして1400いけんかと思えなくもないですが、近3走みたらやっぱり1200に落ち着くんだろうな、と。そのくらい、1200を超えて失速するビッグアーサー産駒というのは印象が強いし、逆に1200だと無類に強い。今回のレースも盤石が過ぎる。高松宮が面白くなりそうです。

 

オーシャン組かつビッグアーサー産駒2トップ参戦は必定として、無冠の女王ナムラクレアに今度こそ取ってほしいという思いもある。香港馬ヴィクターザウィナーも来てくれてめちゃくちゃ嬉しい!競馬の奥深さを楽しませてくれた愛されホースメイケイエールの引退レースでもあるし……でも本命はルガルしかいない!

 

武史騎手もヒヤッとする落馬からしっかりカムバックして、今年は重賞初制覇。息子が勝つ前に重賞をすでに2勝しているお父さんがいるのって、本当にすごいことだと思うんです。

 

GⅡチューリップ賞(阪神1600)振り返り

スウィープフィート(武豊騎手)がただただお見事。スイープトウショウの孫が、お祖母ちゃんと同じような競馬して勝つなんて、血統のロマンが結集されすぎていました。そして全く衰えない武豊騎手はチューリップ賞連覇。騎乗キャリアがチューリップ賞の歴史より長いなんて、いつものように意味が分からない。

 

今年に入ってトーンダウンした感のあったスワ―ヴリチャード産駒でしたが、結局クラシックに複数頭(桜花賞にはスウィープフィートコラソンビートが恐らく出走)送り出すことになりそうで、種牡馬キャリアのロケットスタートはまだまだ継続中です。馬主のYGGホースクラブはドライスタウトと同馬主。生産の聖心台牧場はテイエムトッキュー以来25年ぶりの重賞2勝目……で合ってます?

 

 

一応JBISサーチを参考にすると1988年から生産を開始しているみたいですね。きっと今日は牧場関係者が快哉を叫んだに違いありません。重賞勝利がなくとも、名前を見る機会が少なくとも、丁寧に仕事をしてくれている中小牧場は数多くあります。その努力が実り、こうして多くの人の目に留まるのは何よりうれしいことです。

 

2着セキトバイースト(藤岡佑介騎手)は締まったペースで逃げての逃げ残り。開催が浅いこともあってチューリップ賞は結構前残りになりやすい(反対に桜花賞では差しが決まりやすい)とはいえ、目を見張る粘りでした。そして3着ハワイアンティアレ(西村淳也騎手)は15番人気でいよいよ訳が分からない。牝馬戦ってたまにとんでもない荒れ方しますけどこれはやりすぎです。まだフェブラリーの傷も癒えていないというのに。

 

ともあれ、スウィープフィートセキトバイーストハワイアンティアレは桜花賞のチケットを獲得。今回走った方々で言うと、13着ワイドラトゥールは収得賞金が1600万あるのでフィリーズレビューの結果によっては出走権が回ってくるかもしれません。というか、その可能性が高い。

 

私の本命ミラビリスマジックは6着に敗退。無敗はあっけなく途切れました。脚質転換するかもと鞍上が話していましたが……どうなんでしょう。距離伸びてよいタイプにも思えないのでオークス目指すと言ったらそれは微妙な気もするんですが……どうするんでしょう。まあ、まだ若いから色々挑戦するのも一つの選択です。

 

にしても、今年の牝馬はレベルが相当に高い。阪神JFはレコードでしたし、これまでの3歳牝馬重賞も軒並み高速時計。タイムのみでレースは語れないのは重々承知ですが、牝馬三冠はかなり面白くなりそうです。まあ、「長者の宮殿」レガレイラがいる時点で牝馬のレベルの高さは分かるというものですが、他の馬も全然負けてない。年明け、私は桜花賞で「来光招福」チェルヴィニアが突き抜けると予想していたのですが、今日のスウィープフィートのパフォーマンスを見て早くもブレはじめています。

 

彼女のオリジナル二つ名は「魅了の魔女」にしておきます。スイープトウショウの「Sweep」ってエンドスウィープから来ていることは分かるのですが、箒要素をサマンサ→タバサとつながる「奥さまは魔女」母系と関連させていたりするんでしょうか。そうだとしたら、いやたとえ無意識だったとしても素晴らしい馬名です。それを受け継ぐスイープトウショウの子供たちも、馬名自体が魅力的ですばらしい。スイープアワーズクリーンスイープ

 

ウマ娘のドゥラシナリオでスイープと仲のいい描写出てきてニヤニヤしてしまいました。ウマ娘のスイープのキャラ付けもかなり秀逸でしたね。育成シナリオも素晴らしかった。

 

 

杉浦さんと照井さんがライブに出演する未来はありますか?スイープシナリオもロブロイシナリオも大好きなんです。あ、もっと言うとハーツクライ実装される未来も欲しい。オタクはこういうの語りだすと止まらないので別の機会にしましょう。

 

  日曜競馬展望

期待のドゥラっ子、たくさん出走です。

 

スタートがいつもドヘタな3歳牡馬キーチパルフェ(藤岡康太騎手)、小倉2Rに出走!

 

年明けはやっぱりノリさん×千代乃さんコンビ、なぜか大器感だけはすごくあるプボの弟マテンロウノカゼ(横山典弘騎手)、阪神2Rに出走!

 

逃げという新境地を開拓した4歳牡馬パープルクラウド(鮫島克駿騎手)、小倉9Rに出走!

 

いつもいつももどかしすぎる条件戦。前々走と前走で顔合わせしたレイベリングレベレンシアを打ち破り、久々に重賞戦線に帰ってきてくれ!地味に好きになりつつある血統ベルアリュールⅡの娘、ベルクレスタ(酒井学騎手)、阪神10R戎橋ステークスに出走!

 

その他コンスピリートサユリバナ、ルージュブラゾン、ヘネラリーフェ、プラーヴィ、ヒドゥンキングとかなりの出走頭数になります。みんな頑張れ!

 

そんな中注目したいのが、中山10R、OP総武ステークス(ダ1800)。ドゥラっ子は2頭出走します。私にとっては3年前に本命メモリーコウ、対抗ハヤヤッコでワイドを取った思い出のレース(ついでに言うと、11番人気1着のナムラカメタローも印は打ってました。何故か馬券から外してたため、その悔しさが特に焼き付いています)。2年前にはドゥラっ子バーデンヴァイラーも勝利しており、手が合っているレースでもあります。

 

現状、今年はドゥラ産駒が抜けた1番人気と離れた2番人気。もうそれしか見えない。

 

圧倒的な1番人気はダート界の新女王候補、サーマルソアリング(西村淳也騎手)。中京で驚愕の2.2秒差勝利の後、躓くことなど一度もなく3連勝でオープン入り。クラスアップごとに着差は詰まっていますが、3勝クラスで当たったミラクルティアラはかなりの強敵だったにもかかわらず悠々と差し切っており、3着以下はさらに3馬身後方。重賞、GⅠクラスであることは間違いありません。ここは勝って当然レベルの名牝です。

 

余談ですが、ミラクルティアラは11月に東海S4着ブライアンセンス、1月に怪物ヤマニンウルスのオープン入りも見届けており、ある種のおくりびとみたいになってまして、幸いなことに土曜日にめでたくオープン入りを果たしました。

 

めちゃくちゃ離れた2番人気がキングストンボーイ(クリストフ・ルメール騎手)。一昨年の毎日王冠で本命にした(7着)馬ですが、その年の12月に去勢。にもかかわらず、精神的な問題なのかスタートがずっとド下手で前走からはダートに転向し上々の4着。オープンクラスの猛者たちを相手に模索を続けてきた結果が出るのはいつになるやら。少なくとも今回は厳しいと思います。応援はしたいけど、少し複雑な感情。オークス・秋華賞の時のドゥーラみたいな。

 

対戦よろしくお願いします。

 

GⅡ弥生賞(中山2000)展望

上位3頭までに皐月賞の優先出走権が与えられます。前日オッズは三強気配です。

 

5枠5番、ハイレベルな京都2歳Sを制し、ホープフルでは2着、欧州からやってきた凱旋門賞馬の全弟は、良血とは国境の壁すら打ち破るものだとそのパフォーマンスで証明し続けています。勢いに乗る藤田社長、今年のクラシックエースはその名に期待の高さが伺えます。関西から唯一の参戦となるシユーニ産駒の「新たな皇帝」シンエンペラー(川田将雅騎手)。

 

6枠6番、中山コースで2戦2勝、どちらも完勝で当然のように上りは33秒台最速、それでいて未だ成長過程。ルメールとのコンビも復活し、サンデーレーシングの勝負服の前に抗えるものなどいるはずがない。無敗皐月賞馬の称号を今から見据えるディアドラの姪。レイデオロ産駒の「吟遊詩人」トロヴァトーレ(クリストフ・ルメール騎手)。

 

7枠9番、2022年度1歳馬セレクトセール最高額の4億9500万円で購買されたダイヤモンドホースは見込まれた素質を裏切ることなく2戦2勝でクラシック戦線に乗りました。出色の前走アイビーステークスはレガレイラを下した価値ある1勝。長い休養を経て、ダノン悲願のクラシック制覇を成し遂げるために真の世代最上位がそのベールを脱ぎます。モーリス産駒の「聖なるモノリス」ダノンエアズロック(レイチェル・キング騎手)。

 

え、なにこれ面白すぎる。

 

さらに、新馬戦にてアンドアイラヴハー(1月に未勝利戦を好時計で快勝)やダノンデサイル(京成杯1着)を破った2戦2勝馬ファビュラススター(横山武史騎手)。東スポ杯2着から休養を挟んで参戦のシュバルツクーゲル(西村淳也騎手)、ホープフル4着から巻き返しを狙うライラックの半妹アドミラルシップ(戸崎圭太騎手)、同6着シリウスコルト(三浦皇成騎手)などなど。ドゥラっ子ストーンズが出走をやめたのは残念でなりません。

 

それぞれの馬が置かれている状況的には、シンエンペラーのみがすでに皐月賞出走条件を満たしています。参考記事どうぞ↓

 

 

そのため、彼はここが叩き仕上げでも問題ないですし、むしろ遠征の経験を積ませたいという狙いが大きいのでしょう。こういう馬がいると途端に馬券は難しくなるんですよね。去年のトップナイフとかそんな感じでした。

 

逆に、その他の10頭はここで3着以内に入らないと話にならない。現状出走ボーダーは1600~1700万あたりで推移しそうですので、このチャンスを逃すとダノンエアズロック(収得賞金1200万)やシュバルツクーゲル(1150万)、シリウスコルト(1000万)などに関しては皐月賞出走が他力本願になります。それより収得賞金が下の方々は他力本願ですらなく、本当にここしかチャンスがない。どんな素質馬でも出走できないレースには勝てないですから、皐月賞に出たいのであれば自分でチケットをつかみ取るしかない。

 

シンエンペラーの印はおそらく誰もが落とすでしょうし、実際このレースでどんなパフォーマンスをしようとその評価は難しい。叩き仕上げでもいい舞台で本気の出走馬相手に勝利してしまうようならその能力はすさまじいといっていいでしょうが。

 

色々踏まえて本命はダノンエアズロックにします。結局アイビーを見た段階で2着馬ホウオウプロサンゲ、3着馬レガレイラと共に世代をリードする存在になると確信していたので、その時の確信を曲げずに押し通します。ホウオウプロサンゲはその後普通に負けているので、すでにその確信は幻と化していますが。

 

対抗はシンエンペラー、単穴はトロヴァトーレ。連下1頭にファビュラススター。ガチガチの決着で構いません。強い馬が強いまま皐月賞に臨んでほしい。番手競馬からもう一伸びして押し切るダノンエアズロック、馬場の真ん中を堂々たる主役として突き進むシンエンペラー、大外から全てを薙ぎ払う末脚で一閃するトロヴァトーレ。そんな三つ巴のたたき合いが見られたならば、今年のクラシックの期待度は青天井間違いなし。

 

OUTRO 

 

記事が長くて最早忘れている(超速スクロールしてたどり着いた人を除く)でしょうが、ここでクイズの答えをば。

 

A. 日本ダービー

 

1983年以降の弥生賞勝ち馬のうち、クラシック三冠レース1つのみを勝利した12頭は以下の通り。

 

1988:サクラチヨノオー(日本ダービー)

1993:ウイニングチケット(日本ダービー)

1996:ダンスインザダーク(菊花賞)

1998:スペシャルウィーク(日本ダービー)

1999:ナリタトップロード(菊花賞)

2001:アグネスタキオン(皐月賞)

2009:ロジユニヴァース(日本ダービー)

2010:ヴィクトワールピサ(皐月賞)

2016:マカヒキ(日本ダービー)

2021:タイトルホルダー(菊花賞)

2022:アスクビクターモア(菊花賞)

2023:タスティエーラ(日本ダービー)

 

ということで、皐月賞馬2頭、ダービー馬6頭、菊花賞馬4頭という内訳です。皐月賞トライアルなのにダービー・菊花賞に直結するレースとして機能しつつある不思議な競走というのが分かりますね。

 

なんにせよ、3年連続でクラシックウィナーを輩出している超重要レースを見逃すわけにはいきません。クラシックの幕開けを楽しみましょう。

 

それではまた。