一葉です。お付き合いくださってありがとうございます。
こちらはリク魔人の妄想宝物庫を運営されているセーちゃんとのお遊びコラボ連載作です。
お楽しみ頂けたら嬉しいです。
スタート話は完結済みのこちらから↓
破壊神がやって来た【1 ・2 ・3 ・4 ・5 ・6 ・7 ・8 ・9】
前のお話はこちら↓※セはセーちゃんちに飛びます
純情乙女の危険なあしらい【セ1 ・セ2 ・セ3 ・リ4 ・リ5 ・セ6 ・リ7 ・リ8 ・リ9 ・セ10 ・セ11 】
■ 純情乙女の危険なあしらい ◇12 ■
またもやキョーコを逃してしまった数時間後。
「 お疲れ、蓮。ほら、タオル 」
「 ありがとうございます 」
本日の自分の職場である撮影現場でようやく休憩をもらった蓮は、その一角に用意されていた椅子に腰を下ろした。
社から受け取ったタオルで手早く汗を拭い、深いため息を吐き出す。
右肘を右足に乗せた前かがみの姿勢となり、右掌で自身の頭を支えると、数時間前のキョーコとのやりとりが蓮の脳裏を過ぎってズッコケるように手から頭を滑り落した。
「 どうした、蓮。珍しいな、疲れたのか? 」
「 ……いえ、何でもないんです 」
もちろん何でもないはずがない。
改めて思い出す。あれは何だったというのか。
古賀の楽屋であの子は一体なにをしていたというのか。
男の腹を跨ぐなど何がどうなればそうなるというのだろう。
蓮が古賀の楽屋に向かったのは、キョーコに余計なことを言わぬようにと釘を刺すためだった。
しかし目的地を見つけてノックをしようと持ち上げた手がその目的を果たさなかったのは、直前にキョーコの声が聞こえたから。
『 うきゃあ!古賀さん、太もも揉まないでください! 』
何事かと慌ててノブを回した。踏み込んだ楽屋でその光景を目にした途端に血が逆流しそうになった。
無言でキョーコを担いだのはいささか乱暴だったかもしれない。しかし蓮としては古賀に向かって抗議の声を上げたキョーコを一刻も早く避難させたかったのだ。
そしてキョーコを問い詰めようと思った。どうしてそういうことになったのかを。
キョーコを心配する思いこそあったが、それでも蓮は憤慨していた。疑う余地なく心底怒りを覚えていた。
だいたい、自分以外の男と楽屋で二人きりになるなんてそれ自体が信じられない。しかも古賀を跨いでいるとはどんな事情があったというのか。
前から思っていた事だがこの子は少々無防備すぎる。この際そこも厳重に注意してやらなければ、と思った。
そんな人の気も知らないで……。
『 敦賀さん、貴方は少し自重した方がいいと思います! 』
「 どういう意味だ。それは君の方だろう…… 」
『 この前、カバンを抱きしめていた私を使って身体の前面を鍛えていらしたでしょう? 』
「 一体どんな誤解だよ。まさか古賀くん、それを逆手に取った訳じゃないだろうな?こんな鍛え方もあるよ…とか説明されて、簡単に騙されるあの子の姿が目に浮かぶ… 」
挙句の果てがこれだ。
『 あっという間に凄く硬くなっちゃっていましたから、もうそこはそれ以上鍛えなくても平気なんじゃないですかぁぁぁ? 』
「 ……何が、最初に触ったときはふにゃっと柔らかかった、だ!! 」
そもそも当たり前だろう!…と思う。
あの時は予想外のタイミングで好きな子からソコを刺激されたのだ。加えてこのままキョーコを抱けるかもしれないという猛烈な期待を抱いたことであっという間にハッスルしてしまったのだ。
どれだけ紳士の仮面を被ろうとしても無駄だった。生理現象に近い欲求を抑え込むことなど到底できなかったのだ。
「 はぁあぁぁ…… 」
とにかくこの時のキョーコのセリフがあまりにも衝撃的すぎて、腹に抱えた猛烈な怒りはどこかへとぶっ飛んで行ってしまった。
そんな自分の中にかろうじて残った感情といえば、本当にあの子は何も分かっていないのだろうか…という素朴な疑問だけだった。
「 なんだ?なにが最初は柔らかかったんだ、蓮 」
「 別に何でもありません!! 」
「 あ、そ。じゃ、いいけど。それより、今回のゲスト出演の子が挨拶に来てくれてるぞ 」
「 え…… 」
ふと顔を上げると最近騒がれているらしいグラビアアイドルの女の子がそこにいた。見た感じ、キョーコとさほど変わらない年の子のように思える。
蓮と目が合った途端に彼女は今どきの子らしく、よろしくお願いしまーす、と語尾を伸ばしながら中途半端な礼を捧げ、私、敦賀さんの大ファンなんです!…と興奮気味に告白してきた。
その彼女を蓮はじっと見つめた。
グラビアアイドルというだけあってプロポーションは見事なもの。特に胸が特徴的で、かなり開けっ広げなユーボートネックを着用しているせいか胸の谷間が見えている。
鎖骨のくぼみ、腰のくびれ、素足を隠しもしない大胆なミニスカート。
それらを一連眺めてから蓮が視線を顔に移すと、グラドルは一瞬で頬を染めた。その変化すら気にも留めず蓮はじぃっと見つめ続ける。
「 …………… 」
たぶん、この子もそれなりにかわいい部類の顔…ということになるのだろう。そういう世間一般的な受け止められ方は何となく思いつく。
だが、それ以外の感慨は一つも出てこなかった。
「 あ……あの……敦賀さん 」
「 うん? 」
「 そんなに見つめられちゃったら私…… 」
「 あ、ごめんね。ちょっと考え事をしていて意識が飛んでいたかも。他意はないから気にしないでもらえると助かる 」
「 気にします!だって敦賀さん、いま私のことをじっと… 」
「 ううん、本当に何も気にしないで、何でもないから。そうだ、わざわざ挨拶に来てくれてありがとうね 」
そう言うと蓮はそっけなくそっぽを向いて、丸めた手を顎に置いた。
……やっぱりそうだ、と思った。
キョーコ以外の女性を前にしても何の妄想も浮かばない。
つまり最近発見したこの危険な妄想癖は、キョーコ限定で働くものなのだ。
頭の中でキョーコの顔を思い浮かべ、キョーコに向かって好きだよ…と言葉に出さない愛を囁く。それだけで口元がフヨフヨと泳ぎだし、くすぐったい気持ちになった。
こんなことは初めてなのだ。
ドラマの中で与えられた役になりきり、何度か愛を囁いたことはあるものの、ただの一度もこんな気持ちを経験したことはないのだ。キョーコ以外の誰かでは……。
「 ……あの子限定の妄想癖か 」
そう考えれば不思議となにやら愛おしい。
さっき挨拶に来てくれたばかりだというのにもう思い出すことも困難となってしまったグラドルの顔をキョーコに挿げ替えただけで蓮の鼓動はリズムよく弾む。
妄想のキョーコが誘うように敦賀さん…と呼んでくれるのを蓮は脳内でじっと見つめていた。
「 敦賀さん。挨拶に来ちゃいました 」
「 ……やぁ。ここのところ俺の顔を見た途端に逃げ出していたくせに、こういうことはしてくれるんだ? 」
「 当たり前です。だって仕事ですから 」
仕事。
いつもは残念に聞こえるそのセリフも、この時ばかりはありがたい…と思った。
試しに手を差し伸べると想像上のキョーコは従順に自分に近づき、甘えるように目を細めた。
椅子に腰を下ろしたままだった蓮はキョーコを自分の前に導き、両手首をきっちり握ってキョーコの足の間に自分の片足を滑り込ませた。
見上げる自分を見下ろすキョーコはあの日と同じナツ笑顔。
このままこの子の足の内に手を滑らせ、ミニスカートに隠されたその中心を優しく指でなぞったらこの子はどんな反応をするのだろう…。
想像しただけでゾクリと疼いた。またもや蓮の鼓動が弾む。
おそらくエッチと言われるのは避けられない。
ならば…と蓮は思った。
同じエッチと指摘されるのであれば、純情乙女が炸裂したような激しい叫び…敦賀さんのエッチィィィィ…ではなく、その身体の稜線をじっくり辿る自分の動きをビンカンに感じ取りながら、まずはなまめかしく息を殺して欲しいと思うのだ。
「 ……っ…ん……あっ…… 」
たまらず声を漏らし、自分の腕にあの子の手がそっと降りる。
恥ずかし気に頬を染めながら何の抵抗力にもなりえない指で甘く抗議する視線の熱さを感じつつ、こう囁かれたいと思った。
もっとも、それが実現したとしたら自分は我慢できずに押し倒してしまうかも知れないが。
「 ……あ……んっ……敦賀さんのエッチ…… 」
やばい!!これは最高のシチュエーションすぎる。
もう鍛えなくても平気じゃないかとキョーコに指摘されたソコが大ハッスルしそうになる。
「 ……もう鍛えなくてもいいって、それ、本当に何も分かっていないのか? 」
それともわからないふりをしているのか。
真実を突き止めたい、と蓮は思った。ついでに古賀のあれについても説明を求めたい。
「 社さん 」
「 蓮。スタッフが呼んでいるぞ? 」
「 え? 」
「 敦賀くーん!!次のシーンやるから入ってもらえるかな~? 」
「 あ、はい!いま行きます 」
「 それで?何の用だ? 」
「 この現場、巻きで終わらせますからそのあとまた俺に時間をください 」
「 ……ああ、別にいいけど 」
「 ありがとうございます! 」
ドラマ撮影が終わったら再びキョーコを捕えに行く。
妄想を無事終わらせ椅子から腰を上げた蓮は、前を見据えて拳を固く握りしめた。
⇒13話(セ作) に続く
ふふ♡蓮くんのエッチィィィ♡
セーちゃん、よろぉ。
⇒純情乙女の危険なあしらい◇12・拍手
Please do not redistribute without my permission.無断転載禁止
◇有限実践組・主要リンク◇