Q5 給水装置 600字
直結給水方式と貯水槽方式の特徴と維持管理上の留意点を述べよ。
【解答例】
1 直結給水方式の特徴と維持管理上の留意点
直結給水方式は、配水管から分岐して直接給水する。直結直圧式は、ポンプを介さず直接給水するもので、低コストであり、省エネルギーを実現できる。直結増圧式は、ポンプで加圧して給水するもので、ビル等の給水に際して貯水槽や高置水槽を設ける必要がないため、省スペース、コスト縮減、水質の向上、省エネルギーの実現が可能になる。一方、直結給水方式の採用は、配水管網の整備等により配水管において適正水圧が確保されていることが条件となる。
使用者は、給水停止が発生しないよう給水管、ポンプ等の点検・修繕を適切に実施する必要がある。
2 貯水槽方式の特徴と維持管理上の留意点
貯水槽方式は、配水管から分岐して一旦貯水槽で受け、ポンプで高置水槽に送水した後に給水する。一時に多量の水量を使用する施設では、貯水槽を介することで配水管の水圧低下を回避できる。また、配水管で水圧変動が発生した際、給水の一定水圧、一定水量を確保でき、配水管で断水事故等が発生した際、一定の時間、給水を継続することができる。
使用者は、水槽内部の異物の堆積、金属の腐食、水道水の残留塩素濃度低下等の可能性を踏まえて、貯水槽の定期的な点検、清掃、水質検査を実施する。また、水位調整弁、ポンプ、高置水槽、給水管の点検・修繕を適切に実施する必要がある。
【ポイント】
直結給水方式と貯水槽方式(又は受水槽方式)に関するスタンダードな問題です。
給水装置の勉強する場合は、必ず押さえておくべきテーマです。
この解答は、水需要者目線で作成したものです。
このため、「適切に維持管理を行う」という文言を使っています。
これが、水道事業者目線の場合、「適切な維持管理を行うよう指導する」という書き方になります。
また、水道事業者の取組みとしては、減圧弁の維持管理や管網整備等による水圧確保が重要になります。
給水装置に関する試験は、問題文をよく読んで、主体が水需要者なのか水道事業者なのか見極めた上で、解答を作成する必要があります。
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