Q1 高度浄水処理【600字】
浄水場で粉末活性炭を注入することにより処理できる物質を3種類以上挙げ、注入時に留意するべき点を述べよ。
【解答例】
1 粉末活性炭により処理できる物質
粉末活性炭(これ以降「粉炭」と言う)は、浄水処理工程で原水に注入する。通常の凝集沈澱ろ過処理では除去できない物資を吸着することにより、処理することがでできる。処理できる物質としては、①車両や重油タンク等から公共用水域に流出した油類、②ダム湖等に生息する藻類が発する2-MIBやジェオスミン、③河川に排出された洗剤等に含まれる界面活性剤、④有機物に起因する色度成分等がある。
2 粉炭注入時の留意点
粉炭は、吸着効果を得るため接触時間を20分以上確保する必要がある。このため、適切な注入点を設定し、接触時間を確保できない場合は、取水量を減少して対応する。
処理対象物質を確実に除去するため、水質検査を行い、原水中の濃度結果を把握した上で、粉炭による除去率を考慮し、適切な注入量を設定する。一方、粉炭の過注入は、汚泥の増加やろ過池からの微細粉炭の流出に繋がるため、最適な注入量を設定する。
粉炭は、湿式と乾式に大別される。湿式は、溶解作業が必要になるため、水源において処理対象物質の発生が確認された場合、速やかに事前準備を行う必要がある。乾式は、注入装置の貯蔵槽や注入管に粉炭が固着しないよう、定期的に振動やブロワーを実施する必要がある。
【ポイント】
粉末活性炭は、着水井や取水場で注入して、処理対象物質を吸着し、凝集沈澱ろ過工程で除去します。
粉炭の処理対象物質は、以下の通りです。
①油類
②2-MIBやジェオスミン
③界面活性剤
④色度成分
これらのち、①油類が重要になります。
粒炭を整備したとしても、油類が流入した時には、粉炭が必要になります。
つまり、粉炭の第一目的は、油類対策になるわけです。
また、接触時間を20分以上確保することが、設計指針に明記されています。
留意点としては、最も重要な事柄になります。
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