【問題文】
ポンプ圧送系管路におけるウォーターハンマ発生の仕組みについて述べよ。また、負圧発生の防止と圧力上昇軽減の観点から、それぞれ複数の防止方法を述べよ。
【解答例】
1 ウォーターハンマが発生する仕組み
ウォーターハンマは、管路内の流速が急激に変化した際の水圧変動であり、送水管路ではポンプが急停止した時に発生する。水圧が-10m程度まで低下すると管路内で水柱分離が生じ、これが再結合する際に衝撃波が発生する。これにより管路の破損事故を招くことがあるため、対策を講じる必要がある。
2 ポンプのウォーターハンマ防止策
ウォーターハンマのシミュレーションを実施し、以下の対策のうち適切なものを実施する。
(1)負圧発生に関する対策
①ポンプにフライホイールを設置する。ポンプの回転軸に慣性効果を持たせ、急停止を回避する。
②送水管にサージタンク又は圧力水槽を設置する。管路内で著しい圧力低下が発生した際、サージタンクや圧力水槽からの補水により負圧を回避する。コンベンショナルサージタンクは、負圧防止だけではなく圧力上昇も抑制できるため有効である。
(2)圧力上昇に関する対策
①ポンプ吐出側に逆流の影響を踏まえた適切な逆止弁を設置する。緩閉式逆止弁は送水管からの逆流を徐々に遮断し水圧変動を抑制できるため有効である。
②ポンプ吐出側に電動弁を設置する。電動弁の開閉速度を調整することにより、ポンプ停止・起動時における流速の変化を抑制する。
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【参考】
●試験対策
※ 技術士合格法のテキストを見たい方は、 こちら をどうぞ。
※ 令和2年の予想問題と解答例を見たい方は、 こちら をどうぞ。
※ 令和元年の試験問題と解答例を見たい方は こちら をどうぞ。
※ 【技術士対策】のコラムを読みたい方は こちら をどうぞ。
●必須科目対策に必要な下水道の基礎
※マネジメントサイクルについては こちら をどうぞ。
※アセットマネジメントとストックマネジメントの違いについては こちら をどうぞ。
※「持続と進化」については こちら をどうぞ。
※「資源の循環」については こちら をどうぞ。
※「水の循環」については こちら をどうぞ。
※「下水道による排除・処理」については こちら をどうぞ。
※「新下水道ビジョン加速戦略」については こちら をどうぞ。