イギリスのミステリ作家・ウィングフィールドが執筆した「フロスト警部シリーズ」は世界中で翻訳された人気シリーズ。 日本でもシリーズ6作がすべて「このミス」ベスト3にランクインしています。
今回は、「クリスマスのフロスト」、「フロスト日和」に続いての第3作「夜のフロスト」を読みました。
流感警報発令中。続出する病気欠勤に、ここデントン警察署も壊滅状態。 それを見透かしたように、町には中傷の手紙がばらまかれ、連続老女切り裂き犯が闇に躍る。
記録破りの死体の山が築かれるなか、流感ウィルスにも見放された名物警部のフロストに、打つ手はあるのか? 日勤夜勤なんでもござれ、下品なジョークを心の糧に、フロスト警部はわが道をゆく。大好評シリーズ第三弾! (文庫裏紹介文)
郵便配達の少女行方不明事件、連続老女切り裂き事件、街に出回る中傷の手紙、コンプトン夫妻への嫌がらせ、墓荒らし、などなど、相変わらず同時並行に様々な事件が発生し、デントン警察署のメンバーがそれらを追いかけます。
事件の数に比例して登場人物の数も非常に多いので、文庫750ページを読んでいるとこれ誰だっけ?と名前を確認することも度々。 それでも、続きが気になって読まされてしまいました。
主人公・フロスト警部も相変わらず。 連発する下品なジョークは9割が下ネタだし、隙あらば同僚の尻に指で「浣腸」をくらわすという・・・笑わせてくれます。
一方、フロスト警部の事件を追う執念も並外れていて、まさに不眠不休。 今回フロストとコンビを組むギルモア部長刑事には・・・同情します(笑)
出世欲に凝り固まった俗物署長のマレットと、とにかく事件の解決優先のフロストのバトルも交えて、ドタバタとしながらも次々と事件を解決していくのがやはり快感ですね。
次の第4作「フロスト気質」は上下巻ということで、さらに長いのかーと思いましたが、やっぱり読んでしまいそうです。