編集長の富田志乃です
出版のご相談を受けていると
「絵本を書きたいです。」
「漫画を入れた本にしたいです。」
というご希望をよく伺います。
もちろん、憧れること、
具体的にイメージすることはとても素敵なことです。
でも、「なぜ絵本なのですか?」
「なぜ漫画を入れたいのですか?」と理由をお聞きすると、
「文字数が少なくて済むから。」
という答えが返ってくることが多々あります。
実は、ここには大きな勘違いがあります。
文字数が少ない本ほど、実は難しいのです。
四コマ漫画を思い浮かべてみてください。
限られたコマ数、限られた言葉の中で、
登場人物の魅力を伝え、世界観をつくり、
起承転結まで成立させています。
絵本も同じです。
ほんの数百文字、多くても千文字程度の中で、
読者の心を動かし、物語を届けなければなりません。
「短いから簡単」ではなく、
「短いからこそ、高い表現力が必要」なのです。
もし、「文章をたくさん書く自信がない」
「文字数が埋められない」という理由で
絵本を選ぼうとしているなら、一度立ち止まって考えてみてほしいと思います。
そのテーマで、本当に伝えたいことは何でしょうか。
本当に伝えたい想いがあるなら、
自然と言葉はあふれてくるものです。
もちろん、あとから削ることはできます。
でも、最初から「少ない文字で済ませよう」と考えてしまうと、
自分の世界観まで小さくまとめてしまうことになりかねません。
それは、とてももったいないことです。
本は、あなたの想いを届けるためのもの。
「何文字で書くか」ではなく、「何を届けたいのか」が先にあるはずです。
もちろん、読者によって適切な文字数は変わります。
たとえば、小さなお子さん向けの絵本であれば、
文字数は自然と少なくなります。
だからといって、簡単なわけではありません。
むしろ、小さい子どもほど、わかりやすい言葉で、
飽きずに最後まで読んでもらう工夫が必要です。
一つひとつの言葉を選び抜き、絵とのバランスも考えながら、
一冊の世界をつくり上げていきます。
だからこそ、子ども向けの絵本は、
とても奥が深いジャンルなのです。
もしあなたが本を書きたいと思っているなら、
「どんな形式なら楽に書けるか」
ではなく、
「私は何を伝えたいのか」
を、まず考えてみてください。
伝えたいことが明確になれば、
その内容に合った表現方法は自然と見えてきます。
文章が中心の本なのか。
絵本なのか。
漫画を取り入れた方が伝わるのか。
それとも別の形なのか。
形式はゴールではありません。
あなたの想いを、
一番伝えられる手段を選ぶことが大切です。
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