災害時の養生法 その7 丹田(腹式)呼吸 | 春月の『ちょこっと健康術』

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おはようございます ニコニコ


6月半ばに予定されていた全日本鍼灸学会つくば学術大会が中止になりました。2日間に短縮して、東京で行われるようです。会場に予定されていた国際会議場の修復が間に合わないとか。こんなところにも大震災の影響が…。小学校の遠足以来の筑波山や温泉も楽しみにしてたので、ちょっと残念。


福島原発から30km圏内の避難指示および屋内退避指示の出ている地域の方々へ、東京電力から1世帯100万円(単身世帯は75万円)の仮払保証金が支払われることになりましたね。


避難所にいらっしゃる方には連絡が入るでしょうけど、ご親戚やお知り合いなどのところに避難されている方は、「福島原子力補償相談室」が4月28日(木)に設置されるまでの間は、東京電力カスタマーセンター に問い合わせると、申請に必要な書類を郵送してくれるようです。


長引く避難生活で体調をくずさないためにも、放射性物質からの被曝を最小限に抑えるためにも、被災地の方々を長く支えていくためにも、震災からの復興に働くためにも、私たちひとりひとりが、免疫力を落とさないように、からだをいい状態に保つ努力は必要です。


そのために、災害時の養生法シリーズとして、「その1 背中をほぐそう」「その2 腎の手当て」「その3 肺の手当て」「その4 肝の手当て」「その5 脾の手当て」「その6 棒灸のススメ」 とお届けしてきましたけど、これらはふだんの生活でも同じこと。


ただ、災害時は、とくに感情の変化も大きくなりがちですし、なかなか気分も落ち着きにくいので、こうして記事にまとめている次第です。そこで、とくに重要な腹式呼吸(丹田呼吸)について、おさらいを兼ねて、あらためてまとめることにしました。


免疫力をよい状態に保つには、自律神経のバランスが大切なんですが、大きな災害を受けたときは、どうしたって緊張が続きますから、自律神経が交感神経優位になりやすい。そう、交感神経は「闘争か逃走の神経」ですからね。


交感神経が緊張状態にある間は、ケガをしても痛みを感じにくかったり、カゼを引きにくかったり、元気もあって、それはそれで意味があり、決して悪いことじゃないんです。でも、そればっかりが続いてしまうと、疲れちゃいますね。


そこで、「安静と回復の神経」である副交感神経へ切り替わるようになってるワケですが、交感神経優位が長く続くと、その切り替えがうまく行かなくなってしまう。すると、結果的にからだは疲弊して、免疫力も下がり、元気も出なくなっちゃう。


東洋医学でみると、交感神経→活動→陽、副交感神経→安静→陰という関係で、自律神経バランスのくずれは、陰陽バランスのくずれ。一方で感情の動きが五臓 に影響して、これも気の流れを悪くしますから、やっぱり陰陽バランスをくずします。


気を充実させて、よく流れるようにするのに、すなわち免疫力と健康を保つために、丹田呼吸ほど手軽で有効なものはありません。慣れないと難しいのかもしれませんが、「深呼吸でからだの隅々に酸素を送る」イメージで、「横隔膜をしっかり使って」やってみてくださいね。


丹田呼吸(腹式呼吸)のやり方、

座って行う方法はこちら→「腹式呼吸で自律神経をととのえる」

立つか仰向けに寝て行う方法はこちら→「ダイエットに胸式呼吸、リラックスに腹式呼吸」

貝原益軒先生の方法はこちら→ 『養生訓』 「呼と吸と」  「千金方の呼吸法」


そして、丹田呼吸が五臓の状態をととのえるのによい理由は、こちら→「腹式呼吸でアンチエイジング」 にあります。


日ごろ浅い呼吸にすっかり慣れてしまっていると、横隔膜が硬くなっていて、なかなか深呼吸できないかもしれません。そんなときは、まず、ハッ、ハッ、ハッ、ハッと、腹筋を使って声を出しながら、息を吐いてみてください。すると、横隔膜がやわらかくなるので、深呼吸しやすくなるはずです。


それでも、どうも苦しくて、深呼吸しづらいなぁ…というときは、体操で背中をほぐしたり、だん中に棒灸したりしてから、やってみてください。


息を「吐く」ことは、空気を肺から出すことですが、それには次のふたつの意味があると思います。

① 肺から、からだの外へ出す

② 肺から、からだの隅々に送る


どちらも「肺から出す」ことなんですよ。もちろん①で出すのは濁気で、②で出すのは清気ですけどね。つまり、肺にたまった空気を、体外と体内の2方向へ送り出すってことなんですけど…。


丹田呼吸で「吐く」ことが重視されるのは、この②があるからじゃないかと考えています。それが、「丹田におさめる」と表現されているんじゃないかしら。私見ですが。


これまで意識してやってこられた方は、ふだんよりも多めに。これまでやったことない方は、これをきっかけに、ぜひやってみてくださいね。


一天一笑、今日も笑顔でいい1日にしましょう。


春月の『ちょこっと健康術』-鈴蘭水仙
鈴蘭水仙

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