おはようございます
東洋医学的マタニティ・ケアについて、「妊娠中」 、「分娩期」 、「産後」 、「授乳」 とお伝えしてきました。今回と次回の2回は、子供についてお話しますね。
これまでのマタニティ・ケアについてはこちら→「マタニティ・ケアの目次 」
以前、「子供には子供用の薬」 で、子供の身体は大人の身体とは違うんだと言いました。西洋医学的にみて、肝臓や免疫機能などいろんなものが未熟だから…というのは、わかっていただけましたよね?
東洋医学的にみても、子供の身体は、気血も臓腑も、やっぱり未熟なんです。そして、心身の維持だけでなく、成長のためにも必要なので、気血の需要が大人よりも多いんです。
血を消耗しやすく、気が盛んになりやすい
成長発育の栄養分となるのは、血です。したがって、血の消耗は気の消耗以上に大きくなりがち。その結果、子供の身体では、相対的に気が盛んになりやすいのです。しかも、成長発育のために、腎気(腎精)が盛んに働くため、子供は活発で体温も高い。特に、午後から体温が上がりやすく、手足のほてりや顔のほてりなどが生理的に起こります。
気血についてはこちら→東洋医学講座 No.19 No.20 No.21 No.22
脾の負担が大きい
臓腑機能が未熟であるのに、成長発育に必要な気血をつくらなければならない子供の脾には、大人以上に負担がかかります。したがって、食後に眠くなったり、嘔吐や下痢あるいは便秘を起こしやすかったり、ときには消化管からの出血や腸重責のような消化器系のトラブルを起こしやすいのです。
脾の働きについてはこちら→「東洋医学講座 No.11 五臓の生理 その4」
肺の防衛能力が未熟である
肺の機能も衛気の働きも、当然のことながら未熟です。そのため、外邪が侵入しやすく、風邪やインフルエンザ、風疹、はしかなどに感染しやすいんですね。
肺の働きについてはこちら→「東洋医学講座 No.12 五臓の生理 その5」
肝の働きが失調しやすい
肝の機能が未熟なところに、血の消耗と気の偏盛が起こりやすいために、肝気はうっ滞を起こしやすくなります。よって、子供がストレスを受けやすく、感情のコントロールがうまくできないのは、当然のことと言えます。
肝の働きについてはこちら→「東洋医学講座 No.10 五臓の生理 その3」
腎精を消耗しやすい
成長発育のための腎精(腎気)は、後天の精すなわち気血によって補充されますが、気血自体も成長発育に使われていくため、不足しやすい。したがって、病気や怪我などでさらに気血が消耗されると、腎精への補充が不十分になります。
腎の働きについてはこちら→「東洋医学講座 No.13 五臓の生理 その6」
精についてはこちら→「東洋医学講座 No.24 精と神」
心の働きが安定しにくい
成長発育のために血が消耗されるため、心の働きも安定しづらく、精神的に不安定です。そのため、大人よりも不安に陥りやすく、おびえやすいのです。
心の働きについてはこちら→「東洋医学講座 No.9 五臓の生理 その2」
以上をふまえて、次回は、子供のケアについてお話しますね。今日もいい1日にしましょう。