授乳期の東洋医学的ケア | 春月の『ちょこっと健康術』

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おはようございます ニコニコ


九州南部で梅雨明けだそうですね。JRの駅には花火大会のポスターが貼られ、ご近所では朝顔やヒマワリを見かけるようになって、夏気分が高まってきました。関東の梅雨明けはいつかな?


東洋医学的マタニティ・ケアもシリーズで、妊娠中」 「分娩期」 「産後」 とお伝えしてきました。今回は「授乳」についてお話しますね。


まずは、乳房を東洋医学でどのようにとらえているか、ご説明しておきましょう。乳房は、そこを通過する経絡との関係から、脾胃肝胆とが深く関わる部位となります。このため、飲食と精神の状態が反映されやすいところとなります。また、乳房は胸部にあり、からの影響を受けることもあります。


経絡についてはこちら→「東洋エステに使われた経絡って何?」

脾の働きについてはこちら→「東洋医学講座 No.11 五臓の生理 その4」

肝の働きについてはこちら→ 「東洋医学講座 No.10 五臓の生理 その3」

胃と胆の働きについてはこちら→「東洋医学講座 No.15 六腑の生理」

心の働きについてはこちら→「東洋医学講座 No.9 五臓の生理 その2」

肺の働きについてはこちら→「東洋医学講座 No.12 五臓の生理 その5」


乳腺に相当する乳汁の流れる通路を乳絡といい、乳房に集まった気血が乳汁となって、乳絡から乳頭へ分泌されます。母体の回復と授乳による乳頭刺激により、全身の気のめぐりが徐々によくなって、乳房の気血が充実し、乳絡における気血と乳汁の流れもよくなります。


1 乳房のケア

①肝胆の働きを損ねるストレスを避ける

適度な休息と活動で、全身の気のめぐりをととのえる。

食生活をととのえて、脾胃の経絡上に気の滞りを起こさない。

④気の流れに支障をきたさないように、乳房や胸部を締めつけ過ぎない

⑤必要に応じて、乳房マッサージで気血のめぐりを改善し、乳絡の流れをととのえる。


2 授乳のケア

授乳は、母体にとって気血を消耗する行為です。自分の気血を乳汁に変えて、赤ちゃんに与えるからです。しかし、赤ちゃんの吸引による乳頭刺激は、同時に母体の気のめぐりをよくしてくれるものであり、肝の働きをととのえ、脾胃の働きを刺激しますので、結果的に気血をつくることにつながるものでもあるのです。

このことをふまえて、

①授乳時間を母子の状態に応じて考慮する。

②搾乳する場合は、痛みによるストレスが過大にならないように注意する。


3 乳汁分泌の過不足

もともと気血不足だったり、分娩時の疲労や産後の過労によって気血を消耗している場合は、乳汁の不足を招きます。また、ストレスによって気が滞り、気血が乳房に運ばれない場合も、乳汁の分泌が不足します。反対に、飲食の過剰や気のめぐりを調節できない状態になると、分泌が過剰になります。「産後の東洋医学的ケア」 を参考にして、気血の回復あるいはコントロールをはかりましょう。


これまでのマタニティ・ケアについてはこちら→マタニティ・ケアの目次

今日もいい1日になりますように。


春月の『ちょこっと健康術』-アベリア


ピンクのアベリアです。