昔の家の土台に使ったと思われる石もたくさん出てきた。
この土地で400数十年、何度か家を建て替えながらご先祖さまが暮らしてきたのだから、そりゃ石もゴロゴロ出ることだろう。
土地を更地にして売るには、ある程度の深さ、0.8から2mに残留物を残すことはできないらしい。
解体業者さんが母と私に訊く。
「木とか昔の家の土台以外に、何か残っていると思われるものはないですか」
すると母が思い出したようにいう。
漬物をつけるためにコンクリートのタンクのようなものがあった、と。
私はそれを知らない。
そんな大きなコンクリートの残骸が埋まっているなんて、ちょっと信じられない。
母も結構歳なので、思い違いということはないだろうか
本当にそんなものあったのかしら と思っていた。
しかし、それは出てきた
大きさは横2m、縦1.5mくらいあったと思う。
なかなかの残留物だ
撤去には結構お金がかかりそうだった。
ヤバい
こういう物を残したまま土地を売ってしまうと、次の持ち主から撤去料を請求されるそうだ。
テニスコート6枚分の土地の全ての地中に残留物がないかどうか調べなくてはならない。
敷地にはに防火水槽跡、豚小屋の土台もあると思われる。
そして竹や篠の抜根もある。
井戸、飼料を入れるむろ、氏神様もある。
古い家の残置物もあとどのくらい出てくるかわからない
歴史が古く広い敷地からは、これからまだまだ何かでてきそうだ。
数100年前、ご先祖様たちは、次にこの土地の持ち主になる人のことまで考える人はいなかっただろうから、
「いいや、埋めちゃえ。埋めちゃえ。」
って、ガンガンに物を埋めていた可能性がある。
でも、残留物を処分しなければ、売れる更地にはならない。
実家じまいは家を解体するだけではない、奥が深いものだと思い知った。