前回の続きになります。
☆息子、不登校児になる➀。
☆息子、不登校児になる②。担任から返却された驚愕の宿題プリント
☆息子、不登校児になる③。教頭の舌打ち。
☆息子、不登校児になる④。教育委員会に乗り込む。
☆息子、不登校児になる⑤。恐怖の別室への呼び出し。
☆息子、不登校児になる⑥。担任の人権侵害発言。
☆息子、不登校児になる⑦。コミュニケーション能力がない教頭。
☆息子、不登校児になる⑧。人の心を持たない教頭。
☆息子、不登校児になる⑨。突然、教頭現る。
☆息子、不登校児になる⑩。まさかの教頭の教育理念とは。
☆息子、不登校児になる⑪。教頭に課題を出す。
☆息子、不登校児になる⑫。生徒より自分をかばう先生達。
☆息子、不登校児になる⑬。校長登場。
久し振りに学校へ行く事になった。
息子は、友達と会える事、
体育が出来る事をとても楽しみにしていた。
不登校の間、担任の計らいか、
同じクラスの友達が、お手紙を頂いた。
初めて手紙を娘が持って帰ってきた時は、
それはそれは嬉しそうに受け取っていた。
担任と副担任からのお手紙も入っていた。
その二人からの手紙は、
息子は、手紙の束からはねた。
やはり、嫌な気持ち、怖い気持ちが湧き上がってくるのだろう…
と、思った。
登校日。
息子と娘、そして私で登校した。
横断歩道の所に、いつもは教頭が立っているのに、
その日は校長が立っていた。
私は、初めてお会いする事になる。
校長は、殆ど学校にいないので、息子もあまり会った事がない。
しかし、私達に気付き、校長が近づいてきた。
そして、熱烈なハグ。
「よー来てくれた、
ほんまによー来てくれた。」
欧米か！！！
コロナだ、なんだと言いながら、
殆ど初対面の息子にハグとは…
アピールのつもりだろうか。
この学校は違和感だらけだ。
息子も困った顏をしていた。
そのまま、校長に連れられて校長室へ行った。
一ヶ月半前、教頭と担任、副担任と話し合った場所。
この一ヶ月半の事も思い出すと、苦しかった。
壁に掛けられた歴代の校長先生達。
勿論、私の校長先生もいる。
私は、姉が入学してから、いつも連れられてきていたので、
校長先生は何代も知っていた。
どの先生も、おしゃべりで、優しくて、
小さい私も受け入れてくれた。
私の担任だった先生も、写真で飾られていた。
いつも、いつも、楽しそうで、元気で生徒よりも走っていた。
私が卒業後、校長に大抜擢されたそうだ。
この学校で初の女性の校長という事で、最初は断ったそうだ。
しかし、周りに説得され、校長を引き受けたそうだ。
それくらい人格者だったな、と改めて思った。
私が学校が嫌いでも来れたのは、
先生のお陰だったと改めて確認した。
我儘を言うならば、今、この場所に一緒に居て欲しかった。
一緒に話を聞いてくれたら、絶対味方になってくれる。
そう確信していた。
こんなに変わった学校を見たら、悲しむだろう…と思った。
校長室へ入って10分もしていないうちに、
息子のクラスの子供達が、息子を迎えに来てくれた。
久し振りの友達。
とっても嬉しそうだった。
そして、手を繋いで運動場へ駆けて行った。
息子が体育に出席している間、
私、校長、息子を受け持ってくれる〇〇先生と三人で、
運動場を見つめる。
担任は部屋で待機。
隣のクラスの先生が、合同体育という事で受け持ってくれた。
教頭も勿論、先生の部屋から出てはいけない、と言われている。
どう考えても変な体制。
体育は、ドッチボール。
外野をしたい子？と、先生が聞いた時、
息子は率先して手をあげた。
すると、同じクラスの子が、
「〇〇は久しぶりに学校へ来た。
だから譲ってあげよう！」
と、言った。
そして、皆が口々に賛成してくれた。
なんて温かい子供達だろう…
子供達の思いやりに泣きそうになった。
こんなに心優しい子供達が、
担任に密室に連れて行かれ、叩かれたり、
大泣きで帰ってくると思うと、心が痛んだ。
試合は、クラスの運動神経がいい子と、投げ合いになった。
相手が鋭いボールを投げ、取り、相手に向かって投げる。
クラスメートは勿論、
先生まで声を上げる熱闘ぶりだった。
体育が終わって、息子は私の所へ大満足の顏で駆け寄ってきた。
友達は息子と会えて凄く嬉しそうで、次の授業も一緒に行こう！
と、誘ってくれた。
息子は私を見ながら、気まずそうに答えた。
「今日は、体育だけなんだ…」
その一言で察した友達は、
「そうか、分かった。
明日の体育は来る？
今日は、一緒に体育出来て嬉しかった！
ありがとう。
次来るの待っているからね！」
と、言った。
なんて心の通った言葉を言える子達なの！！
彼らの爪の垢を煎じて、皆で飲まなければいけないと思った。
子供達は、名残惜しそうに予鈴と共に教室へ帰って行った。
私と息子、校長と〇〇先生は、校長室に残り、
これからについて話す事になった。
長いお話を、読んで下さってありがとうございます。
読んで下さった方が、素敵な一日を過ごせる様に願っております。
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