前回の続きになります。
☆息子、不登校児になる➀。
☆息子、不登校児になる②。担任から返却された驚愕の宿題プリント
☆息子、不登校児になる③。教頭の舌打ち。
☆息子、不登校児になる④。教育委員会に乗り込む。
息子とご飯を食べている時、
ふと生徒の前でも教頭は舌打ちをするのか聞いてみた。
「教頭先生が舌打ちしているのを聞いた事ある？」
「うん、あるよ。
お母さんに内緒にしてたけどさ、話し合いの前の日に、
教頭先生と担任の先生に呼び出されたんだよね。
連れていかれた部屋は、あまり人が来ない部屋。
しかも、その部屋に入った途端、
担任の先生がカーテンまで閉めたからさ、僕怖くて怖くて…。
逃げたくてもさ、先生がドアの方にいるから、
逃げる事も出来ないし…。」
「え？？？そんな事されてたの？！
それは、本当に怖かったでしょう。
言ってくれたら良かったのに…。
それで、何を聞かれたの？」
「…僕怖くてさ、何を聞かれたかよく覚えてないんだ。
だって、どうやって逃げるか、とかそんな事ばっかり考えてたから…。」
「そんなに怖かったんだね…。」
「うん。その時、教頭先生は舌打ちしてたよ。」
小学校低学年の子を、
大人二人がかりで人気のない部屋に呼び出し、
更に舌打ちなんて…
教育者としては、ありえない事だし、
ましてや一人の大人としてもやってはいけない事。
アメリカなら、人の見えない場所へ子供を連れて行ったら、
逮捕もの。
息子は学校が大好きで、これで三校目になるが、
すぐに友達が出来て、先生とも仲良くやってきた。
常に皆勤で、休むのが嫌だった。
学校に行くのが楽しみな子だったのに、
学校に行かない事を決めた理由が分かった。
「よく自分を守れる選択が出来たね。
頑張ったね。
行かない、と選択するくらい、苦しかったんだね。
お母さんは、いつでもあなたの味方だから、何でも言ってよ。
おかしい事は、おかしい！って言っていいんだから。
お母さんも間違う事あるし、そういう時は指摘して欲しいな。
覚えておいて。
お母さんは、あなたの事を全力で守るからね。
学校なんて行かなくても、困る事なんてないからね。
でも、もし行きたいと思う気持ちがあるのなら、
自分が出来る事を考えよう。
あの小学校だけにこだわる必要なんて一切ない。
私立もある。
行かなくても卒業は出来るんだし、
高校や大学に行きたくなったら行ける道もある。
大丈夫だよ！」
息子の顔がどんどん明るくなり、
「僕は、このままこの地域の中学校には行きたくない。
〇〇中学校へ行きたい。
自分で環境を選んで行きたい。
だから、塾に行きたいけどいいかな？」
「勿論！
でもちゃんとお父さんに聞いてね。
お父さんも賛成してくれると思うよ。」
（主人とは、引っ越し以来会っていない。
私は子供達には、ありのままを伝えている。
子供は、子供なりに引っ越し前の主人の行動や発言がおかしかった、と思っていたみたいだった。
でも、なんてったってお父さんは好きだから、
寂しい思いもしているので、よく電話をしている。
私も、最初は主人を責めたけど、
そういう人なんだと受け入れる様にやっとなれた。
でもまだ話すまでには至っていません。
…精進が必要です。
子供の前では、客観的に主人の事を話す。
その先は、子供達が感じるままに任せている。
私が間違っている事もあるから、自分で決めるんだよ、
とも、伝えている。
私達が、生活出来ている事、子供達が習い事が出来ているのは、
お父さんのお陰だから、と、常々伝えている。）
息子はその夜、主人が仕事が終わるのを待ち、電話をしていた。
「お父さん、僕今不登校なんだけどさ。」
「え、何。ふ、不登校？」
突然、自分の頭にない言葉を言われて、パニックを起こす。
普通の親なら、事情を聴いて、電話するなり先生と話す、
という気持ちになるはずだが、そんなつもりもない事に驚き、
呆れた。
「僕ね、〇〇中学に行きたい。
だから、塾に行ってもいい？」
「勿論いいよ。お金の事は心配しな。」
「いえーい！入塾テスト頑張ってくるね！」
そう言われて、息子はとても嬉しそうだった。
私の気持ちは、不登校の理由も聞かずに…
この人は、自分の子供の事になっても、
人の気持ちを考えるという事は出来ない人なんだな…
と、ただただ受け止めた。
そう育っただけ。見えないだけ。
これが彼の精一杯だから、これでいいんだ。
求めてはいけない…。
長い一日で、気持ちの上下もあり、
疲れ切ってその日を終えた。
ここまで読んで下さってありがとうございます。
読んで下さった方が、素敵な一日を過ごされます様願っております。
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