自己満企画『僕のお気に入り映画BEST200』。
ここまでお付き合いいただいた皆様本当にありがとうございます。
今日は2位から5位までご紹介したいと思います。
あの作品やこの作品がいまだ出てきていないので、
予想通りの作品ランキングになっているかもしれませんがよろしくお願いいたします。
僕のお気に入り映画BEST200 (6位から200位まで)
- 6位~10位
- 11位~20位
- 21位~30位
- 31位~40位
- 41位~50位
- 51位~60位
- 61位~70位
- 71位~80位
- 81位~90位
- 91位~100位
- 101位~110位
- 111位~120位
- 121位~130位
- 131位~140位
- 141位~150位
- 151位~160位
- 161位~170位
- 171位~180位
- 181位~190位
- 191位~200位
さて、今回は5位から!
5位
『雨に唄えば』(1952)Singin' in the Rain
とにかく楽しくて元気になれる。
落ち込んだ時に僕が観る処方箋的映画。
時代は映画がサイレントからトーキーに移る時代。
初のトーキー映画『ジャズ・シンガー』が大ヒットしたことから、
サイレント映画の大スター、ドン(ジーン・ケリー)とリナ・ラモント(ジーン・ヘイゲン)の人気シリーズも急遽トーキーで撮影することになる。
しかし慣れないトーキー撮影で現場は大混乱。
おまけにリナ・ラモントがとんでもない金切声で歌も歌えなかったことから、
それまでの上品なイメージが崩壊してしまうことをも危惧しなければならなくなった。
いろいろ試行錯誤をしているうち、
ふとしたきっかけでドンの相棒のコズモの発案で、
“吹き替え”という技術を思いつく。
リナの吹き替え役には駆け出し女優のキャシー(デビー・レイノルズ)が演じる事になり、
リナには秘密で吹き替え作業が行われることになるのだが、
ある日リナはその事実を知り、横暴な彼女は無理やりキャシーを専属吹替女優にしようとする。
そのことに傷つくキャシー。
そして苦労して制作したドンとリナの新作披露発表会が行われることになり、
傷心のキャシーも吹き替えとして出演することになるのだが・・・
サイレントからトーキーへの移り変わりの苦労をギャグを交えながら見せてくれるのが楽しい。
リナが隠しマイクを完全に無視して演技するシーンが面白いし、試写会の時に画面と音がずれてしまうシーンは爆笑ものだ。
そのシーンで大スタードンは完全に自信を無くしてしまうのだが、
その夜更けに3人で踊る“Good Morning”でなぜか泣けてくるんですよね。
実際このシーンは午前8時から午後11時までかかっての撮影だったらしい。
シーンのラスト、ソファーに倒れこむシーンは40回撮り直したとか。
希望を取り戻したドンが土砂降りの雨の中傘を放り投げ歌い踊る“Singin' in the Rain”のシーンも感動的で有名なシーンなのですが、
個人的に大好きなのはコズモの身体を張った一人芝居が楽しめるダンスナンバー“Make 'em Laugh”。最高ですね。
あまりにも激しいシーンだったために、このシーンの後ドナルド・オコナーは打撲等で入院したらしいですね。
バックステージものとしても秀逸の作品。
本作がヒントになったんじゃないの?って作品がたくさんありますね。
何回もリピートしても飽きずに楽しめる作品。
全く感動も色褪せないのが名作の証なんだと思います。
4位
『2001年宇宙の旅』(1968)2001: A Space Odyssey
昔シネラマで観た時の感動とはまた違った感覚の衝撃。
何十年たっても忘れられない。
モノリスに導かれて進化する人類。
反乱するコンピューターもモノリスの導きだったのかもしれない。
モノリスは神のアイテム?
ラストに現れたモノリスに触れて時空を超えたボーマン船長は、
スターチャイルドとなって神のしもべしなったのか?
哲学的な深いテーマを持ちながら、
当時の最新鋭の特撮技術でエンターテイメントとしての見せ場も素晴らしい。
スペースシャトルがPan American Airwaysなんですよね。
内装がホテル・ヒルトンだったりして楽しいですよね。
大仰な電子音楽などを使わず、
雄大なシャトルと宇宙ステーションのドッキング場面でのヨハン・シュトラウス二世の「美しく青きドナウ」を、
そしてオープニングや、
ヒトザルがモノリスに触れて文明開化するシーン、
スターチャイルドが地球を見下ろすこれらの重要なシーンにはリヒャルト・シュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語りき」を使用したりしてとても効果を上げている。
原作者のアーサー・C・クラークの完全な科学考証と、
天才キューブリックの完全主義が完璧な化学反応を生んでここまでの傑作となり得た。
本作で生み出された特殊技術の数々がなければ、
「スター・ウォーズ」などの特撮作品は生まれなかったと思いますし、
この作品がきっかけになった映像の技術革新の意欲がなければ現在のCGを見せ場にするような作品もできなかっただろう。
映画はいつでもいろんな旅に誘ってくれますが、
その中でも本作は一番壮大な旅だったと思います。
3位
『地獄の黙示録』(1979)Apocalypse Now
死と官能が隣り合わせになっている本作。
この作品も衝撃でした。
ベトナム戦争中に狂ってジャングルの奥地に自らの帝国を作ってしまったエリート軍人のカーツ大佐(マーロン・ブランド)。
軍はその狂った将校を暗殺するために、
4人の部下とともにウィラード大尉をカーツのもとによこす。
カーツの帝国に向かってボートで川を上っていくのだが、
旅が進んでいくごとにカーツ暗殺の不条理、
そしてベトナム戦争の不条理に気付いていくウィラードだった。
我々観客はウィラードと同じように目を見開いて戦場の現実を目撃し続ける。
その現実というのは史実という意味ではなく観念的な狂気の真実。
自分がサーフィンをしたいからゲリラが密集するジャングルをナパームで焼き払うなんていうのは史実ではないかもしれないが狂気の真実であったともいます。
米軍撮影完全拒否の中、
あるだけの私財をなげうって本作を作り上げたコッポラ監督の執念。
オープニングでドアーズの“The End”が流れる中ジャングルが燃やされる場面だけでも、相当量の火薬が使われたらしいです。
そこから狂気のトリップが始まるわけですが、
作品の中でカーツがつぶやくように、
カミソリの刃の上を這って進むなめくじのように物語が進みます。
1980年の春に70mmで観たのが僕的にはオリジナル版と呼んでいて、
その後2000年に特別完全版、
2020年にファイナルカット版が公開されるのですが、
僕はオリジナルを最も高く評価しています。
オリジナル版は、
例えばフランス人入植者のフッテージやガソリンと交換に慰安に来たプレイメイトとセックスする場面がいろんな事情でカットされて不完全なのですが、
その不完全さがこの作品のテーマを強く打ち出しているように思うのです。
このオリジナル版、
ラストクレジットもなく唐突に終わったために、
次のような全スタッフ・キャスト表が配布されました。
同時公開された35mm版では、
ラストでカーツ帝国が派手に爆破されるシーンが入っていました。
おそらくカンヌ国際映画祭を意識してスタッフが混乱したのでしょう。
公開当時は日本では賛否両論、いや否の評価の方が多かったですね。
ちょっとした社会現象にもなって、
俳優の三浦友和がスクリーン誌上でめちゃくちゃ批判していたのを覚えている。
ちょっと話がそれてしまいました。
CGでは表現できない本物の迫力を体験させてくれた最後の映画でした。
2位
『ウエストサイド物語』(1961)West Side Story
初めて観たのはリバイバルで1980年ごろだったかな。
今は無き梅田花月の地下にあった梅田グランド劇場。
朝一の回で鑑賞したのですが、
あまりの衝撃でそのままその日の最終上映まで続けて4回も観てしまった作品です。
ミュージカル版ロミオとジュリエット。
そのダンスとカメラワークと圧倒的な歌唱力にもろ手をあげて降参でした。
制作時から20年以上たっていたころです。
日本ではたのきんフィーバーの頃。
エンターテイメントでは絶対に勝てないと確信した瞬間でした。
ジョージ・チャキリスとリタ・モレノの存在感が抜群。
クライマックスの四重奏のシーンを超えるエキサイティングなミュージカルシーンはこれ以降体験していません。
リメイク版?
残念でしたね。
今日はここまでにさせていただきます。
1位の作品は思いっきり思い入れがあるので単独で紹介させてください。
引っ張ってごめんなさい。
次回、最終回です!