僕のお気に入り映画BEST200(洋画編)31位~40位 | あの時の映画日記~黄昏映画館

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あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます

この記事を書く前に、

やっぱり忘れられない50本・僕のお気に入り映画BEST200番外編という7000文字を超える長編の記事を書いたのですが、

何故かアップロードできず。

 

いろいろしているうちに記事が消えてしまい、

ちょっと落ち込んでいます。

 

気を取り直してまいります。

 

 

僕のお気に入り映画BEST200

さて、今回は40位から!

 

40位

『第三の男』(1949)The Third Man

 

第二次大戦直後のウィーン。

そのころ街は米英仏ソによる四分割統治下にあった。

 

そんなウィーンにやってきたアメリカ人作家ホリー(ジョセフ・コットン)。

彼は親友ハリー・ライム(オーソン・ウェルズ)に仕事を依頼されやってきたのだ。

 

だが、

ウィーンにハリーがついた瞬間に物語は急展開を見せる。

ホリーがウィーンについた直後、

ハリーは交通事故にあって死んでしまったという。

 

墓地ではハリーの葬式が行われていたが、

関係者の話を聞いてみるとどうもつじつまが合わない。

ハリーが死んだのを二人が目撃し、

救急車に運んだというのだが、

どうやらもう一人の(第三の)男がいたようなのだ。

 

そして、

親友だと思っていたハリーの、

意外な一面が見え始め・・・

 

ランキングにすると世間の評価よりも低いかもしれないですけど、

そんなことはございません。

 

息詰まる下水道の追跡シーンを始め、

並木道の向こう側からハリーの恋人がやってきて、

無表情でホリーとすれ違うエンドシーンまで名場面の連続。

 

『ボルジア家支配のイタリアでの30年間は戦争、テロ、殺人、流血に満ちていたが、結局はミケランジェロ、ダヴィンチ、ルネサンスを生んだ。スイスの同胞愛、そして500年の平和と民主主義はいったい何をもたらした? 鳩時計だよ』は映画史に残る名セリフ。

 

39位

『めまい』(1958)Vertigo

 

三半規管が弱い人や高所恐怖症の人は観ない方がいいと思います。

それだけ人間の弱いところを突いてくるサスペンスです。

 

犯人追跡中に同僚を墜落死させてしまった自責の念から、
高所恐怖症になってしまった刑事スコティ。
まず、最初にここが見せ場なんですよね。

彼は刑事を辞めることにする。
そこに現れたのが彼の旧友であるエルスター。
エルスターは最近妻マデリンの様子がおかしいので調査してくれと依頼を受ける。

調べていくうちに、
マデリンにはある過去の女の霊が憑りついているということを知る。

マデリンは昼間の自分の行動を覚えておらず、
問いかけるスコティの目の前で、
サンフランシスコ湾に飛び込み自殺しようとする。

スコティも海に飛び込み、
彼女を助けるのだが、
スコティは次第に彼女に惹かれていき・・・

 

“めまいショット”

高いところから下を見た時のあの立ち眩みに似た感覚をカメラワークで見せてしまうテクニックは天下一品!

いったいどうなるのだろうという不安をラストまで引っ張るヒッチコック演出は見事。

 

キム・ノヴァクが美しい。

 

38位

『ライフ・イズ・ビューティフル』(1997)

原題:La vita è bella、英題:Life Is Beautiful

 

美しい妻とかわいい子供と一緒に幸せな生活をしているグイド。

 

しかし、

グイドと息子のジェズエはナチスによるユダヤ人強制収容所に送られてしまう。

さらに妻のドーラはユダヤ人ではないにも関わらず自ら志願して収容所に入る。

 

グイドは収容所生活で息子が不安がらないように、

収容所の中の生活はゲームだと息子に伝える。

ゲームをクリアしたら戦車がもらえるというルールで。

 

強制労働に駆り出されて疲労困憊になっても、

グイドは子供のためにゲームを続けるふりをする・・・

 

父親になった人はぜひ観てほしい。

子供と妻に深い愛情を注ぐというのはどういうことなのかがわかります。

 

なかなか昔のイタリア映画らしい作品がなかったなあと思っていた時期なので、

この作品の登場はとてもうれしかった。

 

37位

『リトル・ロマンス』(1979)A Little Romance

 

共にIQが高いが世間に疎外感を感じている13歳のダニエルとローレン。

老詐欺師のジュリアスに、

「ベネチアにある“ためいき橋”の下で日没の瞬間にキスをした恋人たちは永遠の愛を手に入れることができる」

という、《サンセット・キス》の伝説を聞かされ胸をときめかせ、三人でベネチアに向かう。

 

悪戦苦闘しながらベネチアに向かう。

ジュリアスは誘拐犯の容疑をかけられてしまう。

 

ダニエルが映画ファンなのが楽しくて、

逃亡中に映画館に紛れ込み「スティング」のクライマックスシーンが出てきたり、

彼女をローレン・バコールになぞらえて、

「僕のことをボギーって呼んでくれ」って言ったりとても愛すべき少年として描かれている。

 

ローレンを演じるのがダイアン・レイン。

とても知的でかわいくて素敵な女の子でした。

 

そして忘れることができないのが老詐欺師ジュリアスを演じたローレンス・オリビエ。

優しい語り口で二人の恋の行方を見守ってくれる。

自転車レースで息も切れ切れに激走したりする。

 

全部が爽やかで最高の恋愛映画。

ジョージ・ロイ・ヒル監督いいですね。

 

36位

『アメリカン・グラフィティ』(1973)American Graffiti

 

ある時代の若者の生態を当時のヒット曲を流して再現するというパターンを確立した作品。

 

それぞれの登場人物たちがそれぞれのエピソードの主役を張り、

そのエピソードのどれもが珠玉のような輝きを放つ。

 

そして、あの時代あの場所にいたわけではないのになぜか感じるノスタルジィ。

いろんなことが起こるのに、たった一晩の出来事なんだよね。

新鋭監督、ジョージ・ルーカスの才気が光る。

 

ラストのクレジットに胸が詰まるほどの感動を覚えただけに、

その後作られた続編(アメリカン・グラフィティ2)には酷評されるほどひどい作品ではなかったが、

作ってほしくなかったかな。

 

35位

『現金に手を出すな』(1954)Touchez pas au Grisbi

 

 

今観ても十分に面白いフランスギャング映画の古典。

ジャン・ギャバンがドカンドカンと機関銃をぶっ放す。

 

仲間のほんのちょっとしたミスから計画が破綻していくパターンですけど、

縦移動を多用したカメラワークがカッコよくて、

観るものを緊張させる。

 

この作品に出てる頃のジャン・ギャバンの年齢は超えてしまったけど、

あの渋さは出せない。

あんな親父に憧れる。

 

34位

『ニュー・シネマ・パラダイス』(1988) Nuovo Cinema Paradiso

 

映画ファンなら絶対に外せないでしょう。

当時33歳のイタリア新人監督だったジュゼッペ・トルナトーレ監督の映画への愛が溢れる傑作。

脚本もトルナトーレ自身が書いており、映画への愛をひしひしと感じます。

 

映画館が大好きな少年サルヴァトーレ。

村で唯一の映画館で映写技師をやっているアルフレード。

 

サルヴァトーレは大人になり映画監督として大成するのだが、

そんなサルヴァトーレの元にアルフレードの訃報がもたらされる。

 

少年の日の回想に耽るサルヴァトーレ。

アルフレードはそんな彼のために素晴らしいプレゼントを用意していて、

受け取ったサルヴァトーレは涙する。

 

何を受け取ったかは、

もし、これからご覧になる方がおられるかもしれませんので書かないでおきましょう。

 

教会の検閲がないと映画が上映できなかった時代。

いい場面になると場面がちょん切れてしまうので不満がいっぱいの観客の描写など笑わせてくれるし、

アルフレードの魔法で映写機を外に映して屋外に映画を映してしまうシーンもいい。

 

とても心に残る一篇です。

素晴らしい!

 

33位

『炎のランナー』(1981)Chariots of Fire

本作がロードショーされる前に本作品のテーマ曲が盛んにFMから流れていて、

なんとなくのストーリーは知っていたんですけどこんな感じかなと思っているシーンを想像していたら、

まさに想像通りのオープニングが曲に合わせて始まって鳥肌が立ったのを覚えています。

 

鉛色の空、重い海岸、弾ける若者たち。

ヴァンゲリスの音楽が見事にはまって素晴らしいオープニングでした。

 

全く違う境遇の陸上選手ハロルドとエリック。

ハロルドは自分を否定するものをすべてひれ伏させるため、

エリックは早く走ることによってより神に近づくためにパリオリンピックに参加する。

 

イギリスの上級意識のイヤなところも描写した傑作。

この年のアカデミー作品賞は『レッズ』と『黄昏』の一騎打ちとみられていましたが、

本作がまさかの受賞。

でも、両作よりもはるかに感銘を受ける作品でした。

 

32位

『アニー・ホール』(1977)Annie Hall

 

「私をメンバーにするようなクラブに私は入りたくない」などと宣う皮肉屋でコンプレックスの塊のアルビー。

 

ニューヨーク

40歳過ぎのピンのコメディアン、アルビー(ウディ・アレン)は、風貌は冴えないがTVやクラブで売れている。

独身主義の彼に、ある日友人のTVディレクターのロブ(T・ロバーツ)から一人の女性を紹介される。

 

彼女の名前はアニー(ダイアン・キートン)

時代の最先端をいっているようなおしゃれな女性。

 

ユーモアのある楽しい会話が弾み、アニーとアルビーは付き合うことになる。

 

二人は喧嘩したり、仲直りしたりを繰り返し次第に気まずくなっていく二人の関係。

 

そんなある日、アニーはプロの歌手トニー(ポール・サイモン)に歌を認められカリフォルニアに来るように誘われる。

彼女は浮かれてトニーの元に行く事になるのだが・・・

 

お得意の”後悔先に立たず”的ラブ・ストーリー。

画面の向こうからこちらに語りかけてきて、観客も映画に参加させてしまう実験的手法。

物語のあちらこちらで描かれる、アレンの映画狂ぶり。

開演時間に1分でも遅れると入りたくないところに同志的共感。

 

実際の行動と、裏腹にある心の葛藤を描く鮮やかさ。

小学生時代の頃に帰り、子供時代の性的関心を説く場面。

ダイアン・キートンの実に見事な演技。

 

ウディ・アレンが、

アカデミー作品賞を受賞したにもかかわらず会場には出向かず、

ニューヨークのクラブでクラリネットを吹いていたのは有名な話。

 

31位

『突撃』(1957)Paths of Glory

 

軍の上層部のブルジョアぶりと、

最前線の兵士たちの悲壮感が際立つ傑作。

 

1914年。

独仏戦争の真っただ中。

 

戦争の功を焦るフランス将軍は、

カーク・ダグラス大佐率いる小隊に、

難攻不落のドイツ軍のアリ塚の攻略を命じる。

 

それは無謀ともいえる作戦だったが、

軍の上層部の命令に背くわけにはいかず、

3波に分けての攻撃を開始。

 

最前線で飛び出すカーク・ダグラス一波だったが、

敵の砲撃が激しく前進することができない。

第2波以降は、

壕の中から出ることができないありさま。

 

その様子が弱腰に見えた将軍は、

なんと自軍の壕に向かっての砲撃を命じる。

 

戦闘の後、

カーク・ダグラス小隊のうち3人が、

『敵前逃亡』の罪で軍法会議にかけられる・・・

 

血まみれで戦う兵士をみながら、

ワインを飲み歓談する上層部。

 

頭蓋骨骨折をして、

意識不明なのにもかかわらず、

担架に乗せられ処刑台に括られる兵士の悲哀。

 

勇敢に戦った勇ましい兵士が、

牧師に罪の許しを乞うどうにもならない人間の弱さ。

 

正義漢を発揮するが、

国家の旗の下では無力なカーク・ダグラス。

 

キューブリック監督の見事な横移動撮影も相まって、

この作品の臨場感はすごい。

 

反戦映画の傑作です。

 

いかがでしたでしょうか。

次回もお付き合いの程よろしくお願いします!