こんばんは。

ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日想像力と80年代ビデオ・ホラーというテーマで

 

 

SF異星獣ガー(1985)

(原題:STAR CRYSTAL)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

★想像力と80年代ビデオ・ホラーとは?

 

私のブログでは毎年10月を、年に一度のホラー特集として、様々なテーマでホラーやサスペンスなどをご紹介しております。

 

本年のテーマは、80年代のビデオ・ブームに量産された、ビデオ発売を意識したようなホラー作品!

 

映画館の巨大スクリーンで鑑賞に耐えられないかもしれない作品でも、家のソファに座って友達と一緒にワイワイ観れば、スクリーンとは趣の違った映画の楽しみ方ができる事に気づいた映画の作り手と観客は、まるで共犯関係のように、ビデオで観るために作られたようなホラー作品をご紹介させて頂ければと思っております🎃👻💀😆

 

 

 

 

 

スター・クリスタルじゃダメですか?

 

本作は1985年に公開されたアメリカ映画。

 

原題が「スター・クリスタル (STAR CRYSTAL)」という日本人にも馴染みやすいタイトルにかかわらず「SF異星獣ガー」という、最近のクレーマーの叫びのようなタイトルとなってしまったのは一体何故なのでしょうか?

 

「SFガー!」「異星ガー!」「獣ガー!」

「SF異星獣ガー!」という

クレームを叫んでいる訳ではありません😓

 

 

これは私の想像なのですが、本作がこんな奇妙なタイトルとなってしまった一因は1982年に公開されヒットしたファンタジー映画「ダーククリスタル」の類似作品だと思われたくなかったからではないでしょうか?

 

ジム・ヘンソン監督の「ダーククリスタル」。

 

 

ちなみに「ダーククリスタル」は、ジム・ヘンソンによる神がかった人形操演で作られたファンタジー作品の金字塔的な作品!

 

「ダーククリスタル」はの生きていると見紛う

人形操演(マペット)作品!

 

 

それに対して本作に登場するエイリアンの造形レベルは、残念ながら遠く及ばないものとなっているのです…

 

特撮の造形だけで見れば

「ダーククリスタル」に遠く及ばない本作!

果たしてこのエイリアンの正体は!?

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば、本作の解説は以下の通り。
 

『バトル・サバイバー』のランス・リンゼイ監督による異色のSF映画。

大爆発を起こした宇宙ステーションから脱出したクルーたち。

だが、救命艇には謎のエイリアンが侵入しており、彼らは次々と殺害される。生き残りのクルーたちは必死に抵抗するが…。

監督・脚本:ランス・リンゼイ 特撮:ルイス・アバナシー 音楽:ダグ・カトサロス 出演:ジャトソン・キャンベル/ジョン・スミス/フェイ・ボルト/テイラー・キングスレイ/マーシア・リン

 

 

 

 

 

…バトル・サバイバーって何??
 
「allcinema」さんのデータベースによるとランス・リンゼイ監督は、本作と「バトル・サバイバー」の2作しか撮られていないようですので、インディーズな作品の監督なのではないかと思われます。
 
ちなみに「バトル・サバイバー」はこんな作品!
どんなバトルなのでしょう汗
日本語での解説が全く存在しない謎作品です!
 
 
そんなランス・リンゼイ監督の処女作となった本作は「エイリアン」によく似た展開の作品!
 

 

 

 

映画の冒頭の舞台は2032年の火星。
 
火星の調査に来ていた調査員は、地表の下に埋もれていた謎の卵を発見して宇宙船SC-37号へと持ち帰ります。
 
火星で卵を掘り当てた調査員たち!
 
 
卵は宇宙船の中で孵化し、クリスタルのような鉱石とヌルヌルとした生物が出現しますが、乗組員たちが生物を解剖して調べようとする前にSC-37号の空調装置に異常が発生し、船内の酸素が欠乏して乗組員が全滅してしまいます。
 
突然、船内の空調が異常をきたし
酸素が欠乏して全滅してしまった乗組員。
 
 
無人となってしまったSC-37号ですが、自動運転が作動して2 か月後に宇宙ステーションへと漂着しますが、宇宙ステーションのクルーがSC-37号の船内を調査し始めと、今度は宇宙ステーション内の原子炉が暴走してしまい、SC-37号を調査していた5人の調査員が緊急発進した直後に、宇宙ステーションは大爆発してしまったのです!!
 
宇宙ステーションが爆発する寸前に
SC-37号に乗り込んで離脱に成功したのは
男性2人、女性3人の計5人。
 
 
…次々とアクシデントが発生するのは偶然とは思えませんね。
 
ひょっとして、これらの惨事はエイリアンが引き起こしたもの!?
 
 
 
いいえ。
 
ここまでのシーンでエイリアンが直接人間を襲うシーンが描かれておらず、2つの事故も物理的なものではなく、宇宙船や宇宙ステーションの制御装置の不具合が原因なのです!!
 
 
 
さて、宇宙人が生息しているSC-37号に乗り組んで宇宙を漂流する事になった5人には、一体どんな運命が待っていたのでしょうか?
 
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
 
尚、九死に一生を得た乗組員は
コンピュータ技師のキンバリー (男)
生物学のキンバリー博士 (女)
キンバリーの友人で軍人のカル (男)
エンジニアのビリ・リン中尉 (女)
カフェテリアの従業員のシェリー (女)
 
そして姿を隠して潜伏していた
エイリアンだったのです…

 

 
 
【私の感想】スマホ時代の新人類たちへ…

 

皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作は海外も含めて駄作だと酷評されているSF映画であり「エイリアン」のパクリだと言われているのですが、作品をキチンと検証すれば、本作は「エイリアン」とは似ても似つかない、大変哲学的な作品だという事が分かって頂けると思います😊

 

 

ただしそれが分かるのは、本作のオチが分かった後に、作品の細部に張り巡らされている伏線を回収できた人だけ!!

 

ですので本作は映画よりも、コミックやアニメなどの“見返す事が容易なメディア向けの作品”だと言えると思います。

 

 

 

少しだけヒントととなる部分を挙げさせて頂くと、宇宙人の卵が孵化した時、幼体のエイリアンには歯も牙も爪も目もない未成熟な体であり、エイリアンのように誕生後にすぐに人を襲う事はできませんが、卵の中にはクリスタルが入っており、クリスタルは光を発して何かの行動を開始しています!

 

産まれたばかりのエイリアンは未成熟ですが

クリスタルは自発的に何かをしています!

 

 

その後、SC-37号の乗組員たちは原因不明の宇宙船内の酸素欠乏で死亡しますが、もし彼らが生きていたとしたら、次にやろうとしていたのは火星から回収してきた卵の破壊や解剖でした…

 

 

 

ん?

 

という事は、エイリアンが人間を攻撃したのではなく、人間が先にエイリアンに危害を加えようとしていたという事?

 

 

 

はい。

 

この展開は宇宙ステーションでも繰り返され、SC-37号の船内にエイリアンの卵がある事を知っていた上層部の人間たちが、卵を回収し分析、解剖をする事を決定した直後、宇宙ステーションの原子炉が暴走を開始したのです!

 

破壊されて解剖される事が分かった途端

暴れ出したエイリアンの卵!

 

その後たどり着いた宇宙ステーションでも

上層部が卵を解剖すると決定した瞬間

原子炉が暴走してしまったのです!

 

 

 

 

そう。

 

 

本作においてエイリアン側が行っているのは“後の先を取る”と言われている行為!!

 

後の先を取るとは、相手が仕掛けてきた技に合わせて掛ける技の事!

 

 

自分が何もしていないのに、破壊や解剖をされると知ったら、我々だって抵抗しますよね!!

 

ですが生まれたてのエイリアンには後の先を取るなんて芸当は出来ないのですから、実行したのは…エイリアンの成長をサポートするために卵の中に収納されていたクリスタルだったのです!

 

クリスタイルはエイリアンを守るために

最適の解を導き出すコンピュータのような存在!

そんなクリスタルは人間の作った

コンピュータにもアクセス可能!!

クリスタルは人間の行為を見極めた上で

返し技をかけていたのです!

 

 

 

はい。

 

ここまで解説させて頂ければ、本作は「エイリアン」とは全く異なるタイプの作品であると分かって頂けるのではないかと思います😊

 

 

 

私見ですがそんな本作は人類とエイリアンとの接触は、どのようか過程を通じて行われるべきなのかを描いた作品であると同時にもし人類が、イデオロギーや先入観にまみれた大人からではなく、常に最適の解を導き出してくれるクリスタルのような存在と共に成長したとしたら、より高度な知能にたどり着けるかもしれないという事を描いた作品ではないかと思うのですが、皆様はどう思われるでしょうか?

 

成長したエイリアンはクリスタルを通じて

SC-37号のコンピュータにアクセスし

人類の歴史を学び始めます。

 

…それって人類を滅ぼすため?

 

いいえ。

エイリアンは人類の歴史で

争いがとうやって止められるのかを

検索していたのです!!

 

そんな本作のラストに流れる曲は

インディラ・ステファニアナの

「Star Crystal」という

平和を希求するメロディアスな曲。

 

こんな美しい曲が流れる本作は

異星獣が暴れるホラー映画ではないのです…

 

 

 

 

 

という訳で次回は

 

お長いのがお好き?①

 

というテーマで

 

アストラル・ファクター

サイキック・マーダーの復讐

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

★おまけ★

併せて観たい"エイリアンとの対峙”を描いた80年代の作品

「エクスプロラーズ」

80年代のエイリアンとの遭遇映画は

「人類は何も知らない」という

謙虚さにあふれたものが多く

新時代は考え方を変えようという

進取の気取りに満ちています。

 

宇宙人が地球に来た理由だって

私たちが考えているものとは

全くちがうのかもしれないのです😆