※ネタバレか否かは読者の自己責任なのであしからず 


 シネマ#79 


 『だぁれかさんとアソぼ?』


 in新静岡セノバ 


 監督/清水崇


 出演/鎮西寿々歌●星乃あんな●大西利空●オクイシュージ●マキタスポーツ●染谷将太etc 


 2026年●松竹






 採点/72点 


 《ホラー映画W杯2026》

日本代表は前日に選出したが、長年、Jホラーチームを率いる巨匠・清水崇監督の采配が、やはり気になり、劇場を訪ねる。

安定感溢れる恐怖と狂気が畳み掛けるラッシュに心地良く溺れた。

女子校生達がイタズラ心で禁断の遊びを決行。

呪われた使者・タカヤサマを召喚してしまい、死への誘惑から必死に逃れようと試みるオカルトホラー。


学生時代の放課後で、面白半分に挑んだ呪いのゲームと云えば、やっぱし
《コックリさん》
が相場だったが、令和に突入すると、
《タカヤサマ》
へと様変りしているとは、無情に時の流れを痛感する。

学校の階段の13段目で、死んで欲しい人の名前と日時を呟き、ボイスレコーダーでテープに吹き込むと、タカヤサマが願いを叶え、キッチリ殺してくれると云うもの。

令和の今に引き継がれていても、相変わらずアナログなやり取りが何だか妙に微笑ましい。

先輩・貞子✕ビデオテープよりもアナログなのは笑える。

そもそも、ボイスレコーダーを現代のお店で見つけ出す事自体困難やろとツッコミたくなるが、録音機そのものが曰く付きの品であり、効果テキメンの致死率を発揮しているので、シャレにならない恐怖度は、一歩も引いていないのは頼もしさすら感じた。

入り口は、時代遅れでも、呪いの媒介は、スマホやSNSを経由し、パンデミックが爆発してゆくのは、感慨深い怨みの経路を辿っている。

安易に嫌いな人や非難したい標的などをネタ感覚で暴露し、攻撃しやすいネット社会の便利性の代償を皮肉って表現しているのかと勘繰ると、また異なる面白さと恐怖のベクトルを堪能出来るのかもしれない。

平成時代よりJホラーは代々、新進気鋭の女優の登竜門としてバトンタッチされ、醍醐味を高めてゆく分野である。

リングシリーズの仲間由紀恵しかり、『着信アリ』の柴咲コウしかり、etcetc

今作でも、主役の心理カウンセラーに抜擢されたのは、アイドルグループ
《FRUITS ZIPPER》
のリーダー・鎮西寿々歌。




死の標的にされた妹を死守すべく、己の命を投げうってでも懸命に解決手段を探り続ける健気な姿勢が、恐いモノ観たさのシネキチの心を罪深くクスぐっている。

清水崇ワールド独特のやたら関節があらぬ方向に曲がりくねるキャラとその際の不穏な効果音の嵐が顕在しているのも嬉しく、必死になればなるほど救いの無い惨劇の渦に怯え、絶叫しながら呑み込まれてゆく様は、奥底に眠るドSな了見を小突いている感覚に恥ずかしくも陶酔する己に気付く。

其れも恐さのエッセンスの主成分であり、醍醐味なのかとヘンタイなりに受け止め、銀幕に見入ってしまった。

代表作と云えば、
『呪怨』シリーズがあまりにも有名であり、やたら登場人物達が片っ端から殺されまくって、途中で辟易した経験がある。

しかし、今作では、タカヤサマの成り立ちや、若き生贄達の背景を色濃く描いており、噺のスジを辿りやすい親切な修羅場へのガイドは安心して血祭りフルコースを存分に味わえ、満足であった。

今作でも、染谷将太が解決のカギを握るとても重要な役割を連投していたのは、興味深い。



サイコとオカルトのホラー二刀流を投げ切るエースとして、活躍する勇姿に今後も、追い求めていきたいとほくそ笑む夏休みなのであった。

では、最後に短歌を一首

『血とノイズ 刻む渦巻き 呪う名ぞ 探る階(きざはし) 迎えの前に』
by全竜