読んだり観たり聴いたりしたもの -127ページ目

3DS/コンバット オブ ジャイアント ダイナソー3D/UBI

購入した訳ではない。借りたのだ。

うちの新しいスタッフがゲーマーで3DSを持っていることは書いたが、その彼女の友だちの子供が、どうもこのゲームソフトのカートリッジだけを道ばたで拾ったらしいのだ。
就学前の恐竜好きの少年らしく、スタッフは早速その家に呼ばれてプレイさせてあげることになったらしい。
どうも本体を買うつもりはないらしく、ソフトはスタッフの預かりになった。そして次の週末にまたその子にプレイさせてあげるまでの間、貸してあげますよ、とこちらに回ってきた訳だ。

興味がないと言えば嘘になるが、ネットでもあまり芳しくない評価なので、感涙歓喜という訳ではないがとりあえず借りた。そしてプレイしてみた。

画面は美しい。モデリングもテクスチャもきちんとしているし、モーションもメリハリがある。エフェクトも十分。何より3Dの恐竜の迫力は堪能できるだろう。

肝心のゲーム部分。これがかなり単調だ。基本はモグラ叩きである。シーソーの上に2匹の恐竜が対峙して、アタック・プッシュ・避けを入力し、体力を削りきるか、端まで押して落とせば勝ちである。カウンターを食らわないようにカウンターを当てる。敵のモーションを観察して狙うのだが、親切にも攻撃前に赤く光るので、「軽くジャブ→赤く光ったら左右適切な方向に避ける→カウンターで大打撃」の繰り返しで倒せるし、寧ろこれ以外にすることがない。

フィールドは一本道で、最初に選択した恐竜に、なぜか木や岩を踏ませながら進む。道中に配置された数匹の手下を倒し最後のボスを倒せば1ルート終わりだ。1ワールドに数フィールドがあり連戦する。現在6つのワールドが見えている。
1ワールドクリアしたら、なぜか違う恐竜を選んでもう一回同じルートをやれと言われる。

戦っているのは、どうも悪い恐竜とその手下達らしいのだが、よく分からない。ストーリー的な部分は謎である。
これはまあ取説がないので仕方ないだろう。

アクションも眠くなってくるし、スキルアップアイテムも非常に使いづらいメニュー構成だし、あまり良い所がない。
ただし、恐竜の種類だけはかなり豊富なので、非常な恐竜好きが恐竜の立体視観賞用には良いかも知れない。

そもそもの持ち主がどうしているのか、やや胸が痛む所ではあるが、第三者だし詳細な状況が分からないので何とも言えない。さすがに、窓から投げ捨てた、という訳ではないだろうが、これもまあ何とも言えない。

UBI
コンバット オブ ジャイアント ダイナソー3D

Wii/METROID Other M/任天堂

社長が訊くで興味を持って、最初は発売当初に買おうと思っていたが、ネットで散見する評判があまりマニアに評価が高くないので、これは値崩れするだろうと待ち、予想通りワゴン千円台の所をゲット。

プレイ時間20時間少々でひとまずクリアした。

ポイントであるTeam Ninjaのアクションは、きびきびしていてなかなか良かった。ただ、一部操作し辛い所があり、ファミコン持ちとポイントを切り替えて使うアイデアは良かったが、意図に反したポインタのオートロックなど、特に持ち替え時にイライラすることもあった。
自分で移動ジャンプを駆使して回避するのではなく、どれだけ素早くセンスムーブ対応できるか、というゲームなんだ、と言うことに気づかないとアクションが難しいだろう。
それ以外は、簡単操作で多彩なアクションが楽しめるし、難易度もメトプラに比べたら非常に簡単だし、後半、強くなった感を堪能できるし、良作アクションと言って良いかと思う。

ムービーシーンは素直に凄かったと思う。かなりのクオリティで、ボリュームもたっぷりあり、金掛かってんなーというのがまず浮かぶ感想だ。

しかし、そこに乗せるシナリオ・ストーリーが今ひとつであった。
まず、そもそもサムスアランがゲーム中にこんなにべらべら喋ると言うことが違和感である。死と隣り合わせの寡黙で孤独な探索とバトルのアクション、これがメトロイドの神髄ではなかったか。加えてメトプラの寂寥感があれば最高である。

何もかもセリフで説明するのは、表現方法としては下の下である。サムスなど、押し黙って眉の一つでも動かしておけば、ファンがどうとでも好きなように解釈して「奥深い表現だ」と感激して持ち上げてくれるのだから、わざわざ予算をかけて無駄な表現を作ってはいけない。今作など、どうしても声優にたくさんギャラを払いたかったとしか思えない。


任天堂
METROID Other M

カラー版 小惑星探査機はやぶさ 「玉手箱」は開かれた/川口淳一郎

はやぶさ本2冊目。
今回はプロマネの川口さんの筆。
図表が多く、丁寧で易しい語り口で分かりやすい。
プロジェクト全般を網羅し、技術的ポイントを詳解しているので、とりあえずこの本を読んでおけばはやぶさ入門は完璧だろう。

川口さんは科学者で、この本は世界初のサンプルリターンを成し遂げた惑星探査機のプロジェクトを一般向けに解説した科学系書籍の良書であることは間違いない。

しかし、はやぶさの、その艱難辛苦と奇跡的な克服の航跡ゆえか、後半に入って特に、科学書というより伝記の様なテイストが強くなるのに驚いた。

日本人には普遍的な感情だろうが、ただの機械に過ぎない惑星探査機にある種の人格を見いだし、その行動と反応に目的と意志を想像し、その存在に生の煌めきを感じ、その消滅に死の悲哀を嘆く。
科学者として妥協のない判断とスバ抜けたリーダーシップをもってプロジェクトを率いながら、個人としての心情は、日本的アニミズムの極致とでも言うような愛情を探査機に注ぐ。このギャップは何事だろう。この相反する認識の同居という事態に、そしてそれを何の迷いもなく公表できる事に、本当に驚いた。

15年の長きに亘るプロジェクトの中で、7年間に及ぶ飛翔を見守ってきた探査機である。愛着もただ事ではないだろうし、我が子のように想って来たことだろう。しかし、この本での彼の心情を見るに、我が子のように、というような比喩的なレベルはとうに超えてしまっているように感じた。科学者としての記録と分析の言葉の端々で、科学とは異なる真情の吐露が滲んでくる。それがだんだん大きくなってくる。はたして、再突入する探査機が「苦しまなくてよかった」というのは科学者の言葉であろうか。

2010年6月13日、はやぶさはリターンサンプルの入ったカプセルを放出し、その役目を終えた。カプセルは一分の隙もないほど完璧に回収された。
紆余曲折はあり、為し得なかったミッションもありはしたが、予算やプロジェクト規模、そして道中の最悪の状況から振り返れば、プロジェクトは大成功と言っても過言ではないだろう。極めて長期間に亘るプロジェクトを成功裡に導いたリーダーの心情は、本来、歓喜の一言だろう。しかし、文面からにじみ出るのは、哀れみ、悲しみ、喪失感、戸惑い、などである。帰還の翌日、無人となって灯りの消された運用室に「自分を納得させることができない」という言葉に、川口さんがもはや存在するはずのないはやぶさをどこかに求めずには居られない様を想像してしまうのは、愛猫を失ったばかり私の穿ちすぎる読み方だろうか。

半分は多分、私の過剰な想像だろうと思う。それでも、ウーメラの夜空に消えていったはやぶさを想う川口さんの気持ちが、非常に腑に浸みた思いだった。はやぶさ人気の一端は、こうしたある種特殊な感情移入をしてしまう人々によってもたらされていたのではないか。


川口淳一郎
カラー版 小惑星探査機はやぶさ 「玉手箱」は開かれた

DS/プラネタリア/任天堂

例によって、任天堂ゲームセミナー作品。震災の影響で配信が遅れていたが、今日からスタート。
早速DLしてみた。

まずは、宇宙を進む彗星を重力でコントロールするアクションパズルのプラネタリア。

宇宙を感じさせる音楽は良かったが、肝心のアクションが今ひとつ。彗星の動きが単調で、爽快感がない。タッチしたポイントを中心に円運動を起こすのだが、それでは宇宙感がない。重力というなら、速度のベクトル合成にしたほうが絶対に面白かったはず。
目的は、ステージに数個の惑星を周回することだが、それ以外に取得できるポイントとして星が散らばっている。この星を取るモチベーションが続かない。取った星の総数が記録されるだけでは寂しい。もう少し、取ろうとさせる何かがあれば面白かったろう。例えば、取った星は彗星の周りをグルグル回ってキープされ、惑星にたどり着いたときに、それまでに取った星の数に応じてボーナスを付けてどんと得点が入るようにするとか。もちろんたどり着く前に障害物に当たると、星は全部こぼれてしまうというジャングルビート方式だ。そして、エリアの星を一定量以上回収して惑星に注ぎ込むと面クリアという感じでどうだろうか。

Wii/アイソメトリック&カラテエクササイズ Wiiで骨盤フィットネス/IEインスティテュート

昨年の秋頃に妻がネットでセール品を見つけてきた。

アイソメトリックとは、筋肉を動かさない等尺性収縮によるアイソメトリックトレーニングの事。筋肉は力を入れると縮み、力を抜くと延びる。そしてこの伸び縮みには、縮みながら力をかける(コンセントリック)・延びながら力をかける(エキセントリック)・延びも縮みもせず力をかける(アイソメトリック)の3パターンがある。懸垂で言うと、腕を曲げてぐっと上がるときがコンセントリック、上がった状態でぷるぷる保持している状態がアイソメトリック、ゆっくり下がっていくときがエキセントリックとなる。このうち筋肉痛(筋繊維の断裂)になりやすいのがエキセントリックで、アイソメトリックは動作を伴わないので、筋肉痛やケガをしにくい安全な運動と言われている。
要は体を動かさないようにして筋肉にぎゅっと力を入れさえすればいいので、いつでもどこでも鍛錬ができる方法だ。

このソフトはそうしたアイソメトリックトレーニングに空手の動きを取り入れたプログラムが中心となる。

まず、ソフトとしての見栄えは芳しくない。画面に華が無く、トレーナーものっぺりして、ポリゴンも荒い上に、モーションもキャプチャじゃなく手入力のぎこちない動きだ。先行するWiiFitにも後発のFitnessPartyにも、10歩も20歩も離されていると言わざるを得ない。メニュー周りもこなれていない。

トレーニングとしてのわかりやすさは、もう一つか。力を入れるべき筋肉が赤く表示されるのは分かりやすくて画期的だと思うが、小さくて見辛いときがあるし、ポーズの動きの説明がもう少し丁寧だと良かった。

トレーニング自体の効果は、割と良いと思う。ポーズを取ってじっと力を入れるだけなのに、プログラムをこなすとかなりの疲労感がある。特に腹筋系のトレーニングはハードだ。
腹筋運動は、妻のように腹筋力がなさすぎると、普通に上半身を寝て起こすタイプの腹筋運動ではそもそも1回も起きられず背中も離れずで、首だけ上がって腹筋は疲労度ゼロ、ほとんどトレーニングにならないという場合があるが、このソフトで妻は初めて腹筋のトレーニングができたように思う。それだけでも購入した甲斐があったというものだ。

アイソメトリックトレーニングという独自の方向性を打ち出しているため、トレーニング効果での他のソフトとの差別化は付けやすく持っていて損はないだろう。

内容も見た目も地味なので、多分同じメーカーのモムチャンダイエットには売上でボロ負けしていると思うが、内容的にははるかにこちらの方が良いようである。

テーマ曲がなんとなく耳について仕事中とかに脳内再生されてしまうのが困る。


IEインスティテュート
アイソメトリック&カラテエクササイズ Wiiで骨盤フィットネス

DS/なぞっておぼえる 大人の漢字練習 改訂版/ナウプロダクション

妻が漢字の練習に買ってきたソフトをやらせてもらっている。

相当くずした入力でも結構頑張って判定していて凄い。それでも私のように多少癖があると、気を付けて丁寧に書かないと認識されないことも多々あるのはまあ仕方ないだろう。逆に書ききる前に判定されてしまうこともある。ひらがなの「き」などは、ほぼ毎回最後まで書かずに判定される。

漢字検定上級とか難字・難読専門と言う訳ではなくて、常識的な常用漢字メインのなので、割と易しい内容。
読みはほぼ99%OKだが、やはり書きは意外と忘れている。え、こんな普通の常識的な漢字が何故思い出せない?と焦ることもしばしばで、やっぱりやればやるだけ練習になる。
それでもかなりすらすらできるので、やっていて楽しいソフトだ。ミニゲームも問題が沢山あって楽しい。


ナウプロダクション
なぞっておぼえる 大人の漢字練習 改訂版

Wii/ラストストーリー/任天堂

FFの坂口博信(ミストウォーカー)による、Wii待望のRPG。
なかなかまとまらずに発売が延びていたが、ようやく2011年1月下旬に発売となった。
以前から楽しみにしていたので、限定版を予約し、発売日からプレイ。

2週間、40時間ほど掛けてゆっくりクリア。
愛猫みけぼんと一緒にプレイしてクリアした、最後のゲームとなった。

丁寧に作られた、とても良いゲームだったと思う。
コアゲーマー・マニアに向けたゲームではない。ゲームが一般的な娯楽として、良い意味で安易に消費されるためにはどうしたらよいか、と言う事をかなり意図して作られているように感じた。
ゲームは好きだったんだが、大人になってゲームに割く時間もない、情熱もない、根性もない、といった20~40代の特にやや高めの年齢層、それこそ小中学生のゲーム盛りに初代FF・DQの洗礼を受けたような世代を狙った感じだった。

まず業界に蔓延るボリューム信仰を捨て去った。100時間もプレイしなければクリアできないゲームではまずい。多分ストーリーの本筋を楽しむだけなら20~30時間でクリア可能だろうというボリュームにシュリンクしてある。これを実現するために、各所に工夫がある。

まずストーリーや展開を説明する会話シーンを、ダンジョンやバトルシーンに埋め込んだ。これによりノンストップでの進行によりエピソードの消化が凄くスムーズになった上に、冒険の臨場感や仲間とのコミュニケーションのライブ感を醸し出す事にも成功した。ただし、反面、特にバトル中での聞き漏らしや、移動などに伴う上位イベント発生による会話キャンセルなどによる読み漏らしなどが起こってしまう点はデメリットだ。しかし多分そうした部分も含めてのリアル感の演出と言う事で割り切ったのだろう。

次に、経験値稼ぎをほぼ不要の調整とし、そしてクリアダンジョンでは経験値がもらえないという事で基本的に禁止し、ボス前などには、敵が無限に湧き出すサモンサークルというレベル上げポイントを設置した。これにより経験値稼ぎに時間を掛ける必要性が無くなった。

そして、アイテム、装備品、魔法などRPGでごちゃごちゃしやすい要素を、吃驚するほど思い切って簡素化し、記憶や学習に頼らず、その場で判断できる分量に絞り込んで設計されている。アイテム装備系は種類を思い切って絞り込み、リストのソートなども導入し、またオートイクイップも実装されている。その一方で装備品の見た目の拘りをかなりカスタマイズできるようにして、プレイ要求のカウンターバランスを取っているようだ。戦闘後の状態異常とその回復系アイテムや魔法は全て排除。魔法自体も、キャラ毎にリモコンの十字キーに割り当てられる4つのみと極限まで絞り込んである。
プレイヤーに無言のプレッシャーをかける図鑑やタスクリストなどは敢えて実装しなかったのだろう。やりたい人がやりたいだけやればよいと言うスタンスだ。

ダンジョンは基本的には最初の俯瞰図で全て把握できる程度+αの広さ複雑さのバトルフィールドで構成され、それらを順に組み合わせて全体のダンジョンが表現され、こまめに配置されたセーブポイントとオートセーブにより、ちょっと空いた時間で続きを少しだけしようか、という気にさせるように配慮されている。
もちろん全滅時のリトライも迅速だ。そもそも坂口ゲーの特徴でもあるが、まずタイトル画面が出るまでが早い。メーカーロゴや無意味なミドルウェアロゴなど皆無である。起動後即座にタイトル画面、セーブデータを選んで即開始である。本当にこの点はどれだけ評価してもしすぎる事はないと思う。セーブデータ選択時にあらすじが表示されるのも親切だ。

肝心のバトルは、スティックによるオート攻撃と仲間のAI行動で、かなり易しめの調整であるが、主人公エルザの特殊能力ギャザリングや風魔法による魔法拡散などを上手く使って作戦奏功に酔うこともできるし、ひたすらゴリ押しリトライで突破することもできる。先にも触れた会話システムで、バトル中に仲間と連携している感じがよく表現されており楽しい。バトルアクションも上に挙げた特殊能力以外に、ハイド&スラッシュやガード、垂直切りなど、多彩で工夫しがいがある。グラフィックスもモーションやエフェクトなど割とそこそこ派手で楽しめる。

キャラクターは、良い意味でシンプルかつ地味にまとめられている。突飛なキャラ・神経に障るキャラがいないので、安心してプレイできる。それでいて、各キャラの個性はきっちりと立てており、それぞれ印象に残る。登場キャラクター達の年齢層が若干高めになっているのもターゲットに合わせての事だろう。良い声優を使って丁寧に演じているので、セリフの表現としてはかなりレベルが高いものとなっている。

ストーリーは王道中の王道といった展開で、安心して冒険活劇を楽しむ事ができる。若干突っ込みたくなるような無理展開も無いではないが、それは坂口節としてのある意味ファンサービスなのかな、とも思った。随所にあるベタなギャグも同様に坂口節である。
シナリオの展開自体はかなりのボリュームがあると思う。とくにボイスの量は壮絶だ。しかしそれを上でも書いたようにかなり圧縮して入れてあるので、短時間で充足感が得られる。

音楽は植松伸夫で、まずまずではないか。サントラで聴く方が良く聞こえる。

ムービーや映像シーンはかなり凝っている方だろう。素直に綺麗な画面だったと感じた。個人的には雨のシーンでのレンズに落ちた雨粒のような表現が好きだった。メトロイドプライムを思い出した。
イベントムービーへの装備反映は面白いが、シリアスシーンでうっかり全裸だとちょっと雰囲気が台無しだ。

オンライン対戦も結構楽しい。特に、定型文ボイスチャットに本編での全キャラボイスを使用可能というシステムは、革命的な発明ではないか。これが本当に面白い。ただし裏返せば壮絶なるネタバレシステムという諸刃の剣ではある。

不満点ももちろんある。
まず、ジャッカルとセイレン、クォークのエピソードイベントを入れるべきだったろう。当初の予定にはあったのだろうが時間的予算的にカットだったのかも知れない。パッケージにデカデカと描かれた神獣の使いもほとんど出てこずカットされている節があった。
仲間との絆がテーマではあるが、仲間相互の絆はよく表現されていたが、主人公エルザと仲間達との絆が、やや薄いように感じた。もう少しエルザと仲間の相互作用を増やしても良かったと思う。またカナンとの恋が、やや説明不足か。
また、バトル会話の、特にギミック説明系のものが、やや繰り返しがしつこくて気に触るときがあった。もうすこしパターンがあれば良かったかも知れない。

全体としては、かなり楽しめた作品だと思う。
システムもキャラもこれ一作で終わりでは勿体ない。ぜひ次作で活かして欲しいと思う。

最後にネタバレあり順不同で印象に残ったシーンを。

最初にカナンと出会う街中のシーンの雰囲気は良かった。逃走イベントでは無理矢理手をつなぐボタンを割り振ってイコ方式の操作だと感情移入度が上がったかも。星見の塔の星探しも良かった。
クリア後のエピソードのカナンとの結婚式で誓いを拒否したときのカナンの怒りの形相が忘れられない。というかゲームオーバーってどういう事なの。そう言えば主人公とヒロインが一夜を共にした表現が入るのはRPGでは珍しいように感じた。

タシャとの決闘はまさに王道という感じで良かった。もちろん港での助太刀シーンもよい。タシャは基本的に最初は好かれないが、後で人気が出るキャラとして格好良く上手く作ってあると思う。

海に投げ出されて溺れながらカナンを探して漂流するシーンの演出は良かったと思う。船中でもそうだが、視点の揺れは結構臨場感を盛り立てる。

宿でユーリスが眼帯を取るシーンは、結構胸中ざわつくものを感じた。それがラストにも繋がっているので印象深い。

エンド前、ジャッカルをクォークと見間違えるシーンは印象深かった。特にプレイ当時より、今になってより一層そう思う。そしてクォークの墓石の前に皆が集まる夕焼けのシーン。

任天堂
ラストストーリー

エリア88/新谷かおる

以前にSFCのシューティングの話を描いたが、原作をまともに読んだ事はなかった。
今回、やはり例によって妻がお奨めマンガと言う事で調べてきて読み始めたので、これを機会にじっくりと文庫版で読んでみた。

素晴らしい漫画だろう。

こんなに夢中でわくわくしながら読んだ漫画も久しい。
アクション、サスペンス、そしてもちろん空戦シーン。テンポが良く、展開も早い。それでいて心情も背景も描き漏らしがない。密度の高い、ぎゅっと身の詰まった漫画だと思う。

主人公の真は血に染まった自分の手を呪いながら、それでもやはり戦場に戻ってしまう。戦場でしか「生き」られなくなった真が、最後に幸せを掴むためには、一旦自分自身を殺し、そして生まれ変わるしかなかった。しかし眠れる記憶がいつ戻るかも知れない不安ゆえ、涼子との未来から消えて無くなる事はない闇の暗示。業としか言い様のない、圧倒的な哀しみが物語の幕を引く。

戦場とは人が死んでいく場所である。ついさっきまで笑っていた奴が、今はもう死んでいる。どんな登場人物も、いつ死んでもおかしくない緊張感に包まれている。真ですら振り払えない死の気配が、物語の絶対的ルールとして真ん中を貫いていることによるリアリティ。

魅力的なキャラクターに、多彩なイベント、本筋の展開も緩急自在で目が離せない。

同じパイロット物語でも、スカイクロラとはかなり趣が違う。
本作では、人間は人を殺さない、という前提で構築されるヒューマニティーを基盤に、それが徹底的に破壊される場所としての戦場を描き、そのヒューマニティーの十戒に苦しむ人間としての心情を描いている。空を飛ぶ事自体は、自己表現・自己実現の重要な要素であるが、それ自体が純粋な目的ではない。
一方でスカイクロラは、人間は人を殺す、という前提で構築されるヒューマニティーを基盤とし、空を飛ぶという絶対的で純粋な目的のために、ヒューマニティーの盲目的で局部的な仮初めの実行がなされる場所、それが戦場となっている。
後者は一見知的に見えるが、物語としては紡ぐのが楽で、ただしその分心象が薄くなりがちである。前者は平凡で泥臭く見えるかも知れないが、これで本当に濃い物語を作りきるのは並大抵の力量ではできないだろう。


新谷かおる
エリア88

3DS/リッジレーサー3D/バンダイナムコゲームス

3DSの初ソフトはこれになりました。
3D写真も良いが、やはり「ゲームでの」3Dを体験したいという事で、とりあえず何か選んで買おう、という勢いでのチョイス。

リッジレーサーは、PS版を大学生の頃やり込んだ。下宿に集まった友人たちと、徹夜でコンマ1秒を削り合ったものだ。もちろんネジコンも買った。続編のレボリューションも多少はプレイした。

そして今回のリッジ3Dは、それ以来十数年ぶりのリッジレーサーとなる訳だ。

とりあえず走ってみて、ゲームの3D空間内を高速移動する感触、を得られたのは良かった。非常に臨場感がありコースの状態も分かりやすい。
レースゲームとしても非常にお手軽に遊べる作りで、ダメージやペナルティも全然シビアじゃないので気軽に楽しめるのはよい。ドリフトも楽しい。
そして、やっぱり音質がよいのでBGMが特に素晴らしく感じる。

残念な点もある。
まず、グラフィックスが相当残念だ。必死にごまかしているが、走行中のグラなどどう見ても64レベルだ。テクスチャパターンも少なく、せっかくの疾走感が2割減といった所。
つぎに、レース開始前のロードがかなり長い点。これは地味に辛い。ボディーブローのようにじわじわ効いてくる。せっかくのROMカートリッジなので何とかして欲しかった所。
また、レース前のBGM選択で、曲をテスト再生できないのも非常につれない仕様と言わざるを得ない。
あと、すれちがい通信対応なのはよいが、ネットランキングを実装せず、バケツリレー方式のすれちがいランキングのみと言うのは果たしてどうだろうか。ちなみに購入1ヶ月で、まだ2回しかリッジプレーヤーとはすれ違えていない。

最後にこれはリッジではなく3DSの仕様だから仕方ないが、やはり3D立体視可能なポイントが狭すぎて、興奮して操作して、うっかり本体を微妙に動かしてしまうと立体視が崩れてしまう点。本体と頭を確実に固定できる姿勢でないとなかなか集中できない。そしてそんな固定姿勢だとかなり肩が凝るという苦悩。

総評としては、ロード長いけどまあまあ面白い、と言う所。毎晩こつこつグランプリを走っている。


バンダイナムコゲームス
リッジレーサー3D

SFC(VC)/パイロットウイングス/任天堂

震災の影響で延期かも知れないとヤキモキしていたパイロットウイングスリゾートが、予定通り14日発売の運びとなった。
まずは目出度い。
ずっと更新されなかったみんなのニンテンドーチャンネルなども更新が始まり、パイロットウイングスリゾートの紹介映像が出たり、パンドラの塔のトレイラーが出たりと、ようやくゲーム業界も動き始めてきたように感じて素直に嬉しい限りだ。

で、肝心のパイロットウイングスリゾートの動画を見ると、本当に楽しみでしょうがない。
海外サイトで、ミッションの単調さやボリュームの少なさが批判されていても関係ない。
3D立体視空間でのフライト体験、これができるだけで十分価格分の価値があると思うからだ。言うならゲーム性はおまけで十分だ。もちろん、さすがに任天堂の事であるからゲーム性も十分あるとは思っているが。

わくわくしながら動画を見ていたらどうにも我慢できなくなって、スーパーファミコン版の初代パイロットウイングスをDLしてしまった。もちろんカセットももっているので実機でも良いのだが、セーブのないこのゲームにはVCの便利さが活きる。

懐かしの画面、懐かしのテーマ。こんなに荒い画面だったのかと驚きながら、それでもプレイすると実に楽しい。妻と交代で、かなり遊んでしまった。
発売当初は、高校時代になる訳だが、友人宅でかなりやり込んだものだ。その後大学生になった後、SFC購入時に中古でそろえた記憶がある。で、その時もかなり遊んだのだが、恥ずかしながら言うと、実は完クリはしていない。夜のヘリが難しすぎるからだ。昼のヘリは何とかクリアできた。短いステージのおまけゲーム的なものだが、当時のどんなゲームよりも、飛び抜けてリアルなヘリシューティングに驚愕したものだ。

無いと分かっていながら、それでもひょっとしてリゾートにもヘリが入っていないかなと夢想せずにはいられない。


任天堂
パイロットウイングス