世界で一番キケンな生きもの/千石正一
獰猛な野獣や毒のある生物など、人間にとって危険な生き物たちを、フルカラーで紹介する本。
迫力ある写真が素晴らしい。
ただし、説明はかなりあっさり。
事典系ではなく写真集・絵本的なものと考えた方がよい。
生きものと銘打ちつつ、植物や微生物が無いのは残念だね。まあ、動物写真家の本だから致し方ないが。
千石正一
世界で一番キケンな生きもの
迫力ある写真が素晴らしい。
ただし、説明はかなりあっさり。
事典系ではなく写真集・絵本的なものと考えた方がよい。
生きものと銘打ちつつ、植物や微生物が無いのは残念だね。まあ、動物写真家の本だから致し方ないが。
君に届け FANBOOK/椎名軽穂
もう、12巻は当分来そうにないです。
焦れて焦れて、とうとうファンブックを買ってしまった。
客観的に分析すると、ハマり方・熱の上げ方が、かなりヤバイ水準に達しているなあ、とひしひし感じる。
そのうち毎月別マを買って君届プレゼントグッズまで集め出す事になるのでしょうか?
と危惧しているのは、まあ半分は冗談ではあるのだが。
個人的には、ファンブックというものは嫌いではない。フルバも結界師もファンブックはちゃんと入手済みだ。
いろいろ楽しいポイントがあるのだが、まず、著者インタビューや対談などが読めるというのは良い。特に自作についてつっこんで語っていたりすると大変参考になる。この本では仲が良いという河原和音とのクロスインタビューがあり、大変興味深い内容だったので満足である。
また、設定資料的なデータがあるとぼーっと楽しめる。ただ、この本に掲載されている内容は、コミックス掲載分をまとめたもの以上の内容は少なかったのでやや残念だ。カラーページが多数入っているのは嬉しい。
メイキングと言うことで作成過程のプロット、ネーム、下絵などのサンプルが掲載されていたが、これが大変興味深く、特にネームと下絵の丁寧さには驚愕した。
そしてもちろん、おまけ漫画9pである。11巻の初デート直後のミニエピソードで、大変素晴らしい。特に爽子のイラストが秀逸かと。
ノベライズ版のおまけエピソードも入っているが、これはちょっと違和感がある。
私は、ノベライズというものでは漫画版と異なる解釈で人物や物語を紡いでいっても構わないと思う。が、しかし、それをここに入れてしまうとやはり直接比較した差異だけが浮き彫りになってしまうし、やはりこれを手にする人の多くは漫画版のファンなので、パッと見で「これは爽子ではない」と思われるだけだろう。小説版の宣伝にはならないと思う。まあ、それ以前にあまり上手い文章をかく著者ではないようだが。
椎名軽穂
君に届け FANBOOK
焦れて焦れて、とうとうファンブックを買ってしまった。
客観的に分析すると、ハマり方・熱の上げ方が、かなりヤバイ水準に達しているなあ、とひしひし感じる。
そのうち毎月別マを買って君届プレゼントグッズまで集め出す事になるのでしょうか?
と危惧しているのは、まあ半分は冗談ではあるのだが。
個人的には、ファンブックというものは嫌いではない。フルバも結界師もファンブックはちゃんと入手済みだ。
いろいろ楽しいポイントがあるのだが、まず、著者インタビューや対談などが読めるというのは良い。特に自作についてつっこんで語っていたりすると大変参考になる。この本では仲が良いという河原和音とのクロスインタビューがあり、大変興味深い内容だったので満足である。
また、設定資料的なデータがあるとぼーっと楽しめる。ただ、この本に掲載されている内容は、コミックス掲載分をまとめたもの以上の内容は少なかったのでやや残念だ。カラーページが多数入っているのは嬉しい。
メイキングと言うことで作成過程のプロット、ネーム、下絵などのサンプルが掲載されていたが、これが大変興味深く、特にネームと下絵の丁寧さには驚愕した。
そしてもちろん、おまけ漫画9pである。11巻の初デート直後のミニエピソードで、大変素晴らしい。特に爽子のイラストが秀逸かと。
ノベライズ版のおまけエピソードも入っているが、これはちょっと違和感がある。
私は、ノベライズというものでは漫画版と異なる解釈で人物や物語を紡いでいっても構わないと思う。が、しかし、それをここに入れてしまうとやはり直接比較した差異だけが浮き彫りになってしまうし、やはりこれを手にする人の多くは漫画版のファンなので、パッと見で「これは爽子ではない」と思われるだけだろう。小説版の宣伝にはならないと思う。まあ、それ以前にあまり上手い文章をかく著者ではないようだが。
Wii/Hula Wii フラで始める 美と健康!/マイルストーン
人間には体を動かすことに対する根元的な快楽及び欲求があるだろうことは多くの人が理解できるだろうし、理解できずともほとんどの人は知識としては首肯してくれるだろう。この分類で言うなら、私も妻も知識派だと思っていたが、特に妻は、このところダンス・フィットネスが結構好きなようだ。Wiiで色々とプレイしたダンス系フィットネス系ゲームを通じてその楽しさを知った訳である。ここだけの話ではあるが、妻など、正直ダンスからはかなり縁遠い嗜好及び運動神経の持ち主だとばかり思っていたので、驚きもひとしおだ。
そのような訳で以前から注目していたソフトがこれ。タイトル通り、フラダンスを楽しむことの出来るソフトで、2ヶ月ほど前に入手し、時々プレイしている。
まず、ゲームそのものとしての評価は、厳しい点を付けなければならない。
それは、フラダンス入門用ツールとしての性能が、かなり貧弱と言わざるを得ないからだ。
フラダンスはそれほど激しい舞踏ではないが、それでも多少はステップや振りを習得しなければまともに踊ることは適わないのは当然だ。その為に必要な、学習・練習・評価の機能が、大変貧弱なのである。画面に表示されるのは、ステップのおおざっぱな動きと、フラ名人の舞踊ムービーと音楽、そして変なMiiもどきの分かりづらい舞踊アニメだけである。リモコンを手に持ちその傾きなどで上手く踊れたか評価しているらしいが、ムービーも小さいし細かな手のひらの向きなども一瞬だとよく分からない。通しでムービーに合わせてバタバタしながら覚えるしかないのだ。
普通ダンスの練習と言えば、まず全体動きの流れを記した音楽で言う所の楽譜のようなものを見て全体の流れを理解し、次に各場面毎にステップや動きを練習し、特に難しい所はゆっくり何度も練習し、しかる後に各場面を続けて練習していき、最後に全体を通して踊れるようになる、と言うのが基本的な習得方法だろう。
とりあえず動きさえすれば運動になるだろうというフィットネス系ゲームではないのだから、最終的にきちんと踊れるようになる為の手順が入っているべきだが、それがない。通しムービーを何度も見て覚えろ、ではDVD教材との違いが何もない。むしろスローで再生できる分DVDの方が有利かも知れない。
基本のステップや手の動きだけを練習できるメニューはあるが、実際の踊りの中での使われ方でないし、メニューも離れていて使いづらく全く役に立たない。
このステップを4回やった後、こっちのステップを1回、また最初のステップを4回、と言うような情報を覚えたいのに、そうした機能が本当に何もないのだ。
素人がパッと考えて思いつく程度の、スロー・一時停止・巻き戻しや再生位置指定、区間リピートなど動きをよく見たり何度も繰り返すような機能、現在の動き・ステップを分かりやすく図示してくれる機能、次のステップや振りを直前に教えてくれるアドバイス機能、見えづらい手先などの拡大機能、フラでは手の動きには全て意味があるので、その意味や歌詞及びその対訳を表示する機能、メトロノーム機能、どれぐらい練習してどの程度踊れるようになったかの記録機能など、この程度の初歩的機能すら、本当に笑ってしまうほど何もないのだ。
このようにシステム的な評価は最低に近い。
はっきり言って、本気でフラを学びたいと思っているなら、このソフトには手を出さず、まともなDVD教材などを選択すべきだろう(そうした物があるかどうかは分からないが)。
だが、プレイしていて楽しいかと聞かれれば、はっきり言って楽しいのだ。
もちろんそれは、ただ単に、フラが楽しいからだ。ソフトの寄与は皆無に近い。
ハワイアンが流れるとすごく癒される気分になるし、実際に踊るともっと癒される気分だ。しかも優雅に見えて、実はかなり運動量もある。
収録曲が多いのは、数少ない評価できる点だろう。
マイルストーン
Hula Wii フラで始める 美と健康!
そのような訳で以前から注目していたソフトがこれ。タイトル通り、フラダンスを楽しむことの出来るソフトで、2ヶ月ほど前に入手し、時々プレイしている。
まず、ゲームそのものとしての評価は、厳しい点を付けなければならない。
それは、フラダンス入門用ツールとしての性能が、かなり貧弱と言わざるを得ないからだ。
フラダンスはそれほど激しい舞踏ではないが、それでも多少はステップや振りを習得しなければまともに踊ることは適わないのは当然だ。その為に必要な、学習・練習・評価の機能が、大変貧弱なのである。画面に表示されるのは、ステップのおおざっぱな動きと、フラ名人の舞踊ムービーと音楽、そして変なMiiもどきの分かりづらい舞踊アニメだけである。リモコンを手に持ちその傾きなどで上手く踊れたか評価しているらしいが、ムービーも小さいし細かな手のひらの向きなども一瞬だとよく分からない。通しでムービーに合わせてバタバタしながら覚えるしかないのだ。
普通ダンスの練習と言えば、まず全体動きの流れを記した音楽で言う所の楽譜のようなものを見て全体の流れを理解し、次に各場面毎にステップや動きを練習し、特に難しい所はゆっくり何度も練習し、しかる後に各場面を続けて練習していき、最後に全体を通して踊れるようになる、と言うのが基本的な習得方法だろう。
とりあえず動きさえすれば運動になるだろうというフィットネス系ゲームではないのだから、最終的にきちんと踊れるようになる為の手順が入っているべきだが、それがない。通しムービーを何度も見て覚えろ、ではDVD教材との違いが何もない。むしろスローで再生できる分DVDの方が有利かも知れない。
基本のステップや手の動きだけを練習できるメニューはあるが、実際の踊りの中での使われ方でないし、メニューも離れていて使いづらく全く役に立たない。
このステップを4回やった後、こっちのステップを1回、また最初のステップを4回、と言うような情報を覚えたいのに、そうした機能が本当に何もないのだ。
素人がパッと考えて思いつく程度の、スロー・一時停止・巻き戻しや再生位置指定、区間リピートなど動きをよく見たり何度も繰り返すような機能、現在の動き・ステップを分かりやすく図示してくれる機能、次のステップや振りを直前に教えてくれるアドバイス機能、見えづらい手先などの拡大機能、フラでは手の動きには全て意味があるので、その意味や歌詞及びその対訳を表示する機能、メトロノーム機能、どれぐらい練習してどの程度踊れるようになったかの記録機能など、この程度の初歩的機能すら、本当に笑ってしまうほど何もないのだ。
このようにシステム的な評価は最低に近い。
はっきり言って、本気でフラを学びたいと思っているなら、このソフトには手を出さず、まともなDVD教材などを選択すべきだろう(そうした物があるかどうかは分からないが)。
だが、プレイしていて楽しいかと聞かれれば、はっきり言って楽しいのだ。
もちろんそれは、ただ単に、フラが楽しいからだ。ソフトの寄与は皆無に近い。
ハワイアンが流れるとすごく癒される気分になるし、実際に踊るともっと癒される気分だ。しかも優雅に見えて、実はかなり運動量もある。
収録曲が多いのは、数少ない評価できる点だろう。
チャンネルはそのまま!/佐々木倫子
最近職場に1,2巻のセットが落ちていた。もちろん佐々木さんのファンなので即ゲット。
早速読んでみたが、期待に違わず面白い。
著者の本は全て読んだ訳ではないが、作中の登場人物の傾向としては、強引・マイペース・バイタリティ・異端などから性格をミックスチョイスした引っかき回しキャラと、押しに弱い・諦観・誠実などで構成されるサポートキャラが主人公・準主人公を担うことが多かったように思う。
しかし、この作品では、ローカルテレビ局にバカ枠で採用されたという、ヘヴンの河合君のような天然系キャラ雪丸花子を主人公に据え、上記のような典型キャラを周囲に配している点が新鮮だ。特に、ライバルの山根(と山根が思っているだけ)との絡みは非常に味があって良い。
今後の展開が非常に期待である。
佐々木倫子
チャンネルはそのまま!
早速読んでみたが、期待に違わず面白い。
著者の本は全て読んだ訳ではないが、作中の登場人物の傾向としては、強引・マイペース・バイタリティ・異端などから性格をミックスチョイスした引っかき回しキャラと、押しに弱い・諦観・誠実などで構成されるサポートキャラが主人公・準主人公を担うことが多かったように思う。
しかし、この作品では、ローカルテレビ局にバカ枠で採用されたという、ヘヴンの河合君のような天然系キャラ雪丸花子を主人公に据え、上記のような典型キャラを周囲に配している点が新鮮だ。特に、ライバルの山根(と山根が思っているだけ)との絡みは非常に味があって良い。
今後の展開が非常に期待である。
PS/アークザラッド3/SCE
長いことかかってプレイし、先日ようやくクリアした。
総プレイ時間は、ゲーム内カウントだと80時間弱だが、実時間では90弱ぐらいだろう。4月中旬からほぼ1ヶ月半を費やした事になる。
感想を一言で言うと、まあ、長期間興味を引っ張るぐらいには面白かったと思う。
まず、シナリオ進行をすべてギルドのクエストシステムに組み込んである点が非常に斬新だった。ギルドで仕事の依頼を受けないことには、本当に何一つ発生しないし動かないというのは当然賛否両論あるだろう。平たく言えば、「何だこのおつかいRPGは」となるわけだが、自分としては、全く問題ないと思う。
それは、主人公アレクは決して世界を救うために立ち上がった勇者などでは無く、ギルドに所属し困った人からの依頼をこなすハンターに憧れる少年だからだ。ギルドの一員として、ハンターとしてどう行動するのか、それを忠実に再現したRPGなのである。よって「おつかい」の批評は不当である。自由に行動する冒険者が主人公では無いのだから。
また、「おつかい」=クエスト・イベントが単調という意味でもしばしば使用されるわけだが、このゲームの多彩でよく練られたクエストの数々を見れば、それも全く該当しないだろう。
ただし、もちろんそうしたシステムのRPGを面白いと感じるかどうかは個人の嗜好である。
個人的には、ラストストーリーが、このシステムだったらなあとしばしば思わずにいられなかった。本当に単なる一傭兵団のこつこつと仕事をこなすだけの、そんな日々の仕事の中で少しずつ仲間の絆を深め、仕事で関わる人たちとの交友を暖める、そんな些細な物語が見たかったと思う。もちろん世界の破滅とそれを救うバックストーリーはあっても良いが、あそこまで派手に押し出さず、自然に上り詰める、そんな感じならまた別のタイプの素晴らしいゲームになり得たのでは無いか。
まさにこのゲームは、そんな仲間との絆を深め合う地味で暖かいゲームだった。
タッチとしては割と軽めで明るい話が多かったが、大災害後の世界が舞台なので、そうしたベースによる引き締めもあるし、主人公キャラの中でも、ルッツを頂点とした軽くて明るい言動に対比して、ベルファルトのぶっきらぼうな直情や、マーシアの超毒舌、アレクの完全無視など、結構毒のある表現もあり飽きさせない。
所持していれば一瞬で終わってしまうアイテム探しの依頼から、世界を滅ぼすラスボスに対抗するアイテムを作れ!という、最後の依頼まで、クエストも全102とかなり多くしかも多彩だ。
シーンの進行に関係の無い依頼は受けなくても良いし、受け方によっては時間切れで消えてしまったりする。一応101個を受けて99個を完遂した。
また、虹の橋団シリーズや行商一家シリーズなど、複数のクエストに渡って長い話が展開する物もある。
印象に残っているクエストは、まず、ライアのバックダンサー募集のクエスト。歌手を目指す若い女性ライアがオーディションを受けるので、バックダンサーを募るという筋だが、このクエストのステージのシーンで使うためだけに、シェリルとマーシアがドレスで踊るドット絵アニメを描き起こしているのである。また、ライアが歌う歌は、一応挿入歌としてほかでも使用するのでこのクエストのためだけに作った物では無いが、一曲まるまる作っているし、ほかのオーディション参加者の歌う歌も、各種BGMに合わせて歌詞の字幕を流すとなんだか歌っているように聞こえる、という技法で、全部ちゃんと作ってあるのだ。そしてこのイベントは必須では無いので、受けなくてもストーリーは進む。結構長時間のイベントだし手間かかってるなーと感心した。
ほかに印象に残っているのは、各キャラの戦闘時のアクションボイスだけを使って、全キャラ分の寸劇が作ってあったクエストだ。宝箱の中身を調べて欲しいという依頼で、中身は自分が全く考えていない白昼夢を見るガス、ということだったのだが、そのガスを吸ってしまった主人公たちが、次々と夢を見てそれを再現していくのだが、それを、バトル時の「おまえの負けだ!」「(アイテムを拾って)これは良い」などの短いボイスだけを使って、フルボイスの寸劇に仕立ててあるのだ。よく聞くあの台詞をこういうシチュエーションで使うと、こういう意味になるのか!という驚きと笑いの連続である。
登場するキャラクターたちも、個性的で、また上記に挙げたような多数のクエストをこなすことで内面を吐露したり理解が深まり親密感が非常に増すのを感じる。
どのキャラも個性的で印象深いが、一人選べとなると、やはりアンリエッタ・ロシュフォールだろう。
彼女はプレイヤーキャラでは無いが、大災害後の一番の大都市に住む、大金持ちの令嬢というキャラで、プライドが高くわがままで周囲を引っかき回すが、実は多忙な父親に寂しさを募らせている少女、という設定だが、とある依頼で警備を担当したアレクに惚れ込み、無理矢理な依頼を出してはアレクと親密になろうと画策し、とうとう最後には不自由なお嬢様をやめたいと家出をしてしまう。執事からの依頼で彼女を追うアレクは、紆余曲折の末何とか発見し、籠の鳥は嫌だ、自由に生きたいとだだをこねる彼女を諭し連れ戻す。自宅に戻ったアンリエッタは自らの寂しかった気持ちを吐露し、意表を突いて殊勝にもこれまでのわがまま放題を詫びる。そして自らの宿命を悟った彼女は今後は課せられた義務と期待に背かぬよう生きることを受け入れる。最後にもう一つだけわがままを聞いて欲しいと彼女は言う。最後の思い出に、1曲だけ私と踊って欲しいと。久々にうるっときたシーンだった。当然の事だが、たとえ古いPSのドット絵紙芝居だろうと、いくらでも感動することはできるのである。
ちなみに、アンリエッタはこのクエストでもほかのクエストでも、バトルシーンを行う事があった。アクションボイスも技のエフェクトもステータスも作り込んであるのだ。また、上記家出クエストの評価に、アンリエッタは元の上流階級の世界に戻ったのだが本当にそれで良かったのか?などと意味深なことが書いてある。つまり、たぶん、フラグの立て方によっては、アンリエッタはパーティキャラにスカウトできるのだろうと思う。
このように楽しめるゲームではあるが、アーク2に比べると、特に戦闘時の表現が一段レベルが下がっているような気がするので、そこは残念だった。
また、しばしばフリーズした。とくにテオのアタッカード演出後に止まることが多いようだった。数時間は確実に無駄になっていると思う。
最後に、今の時期的に、非常にテーマが興味深い物だった点が面白い。
このゲームでは、人間が自分の身の丈を超える危険なエネルギーを扱うことの是非がテーマとして問われているのだ。暗黒の支配者という名の悪なる存在を夢のフリーエネルギーと勘違いして、それが先の大災害を引き起こした原因でもあるにかかわらず、何とか復活し制御して世界の復興を目指そう、そのためには少々の不法行為や犠牲はやむを得ないと考える猪突猛進団体アカデミーが、本作では一応敵側の団体となっている。アカデミーの暴走を止め、暗黒の支配者の封印を目指すのが本作の最終的な目的となるわけだが、アカデミーが科学者集団である事もあり、暴走してしまうと実は人間の手には負えない莫大なエネルギー=核エネルギー(原発)という、反原発のアナロジーに、どうしても見えてしまう。
アカデミーが少々強引な原発推進団体だとすれば、アレクたちギルド派は草の根で原発阻止を目指す市民団体のようだ。この物語では、暗黒の支配者をコントロールすることは絶対にできないという前提は揺らぐことはないが、もしそれが揺らぐようなシナリオがあればさらに味わい深い物語となっていた可能性はある。目的のためには手段を選ばないアカデミーは確かに悪のそしりを免れないが、コントロール可能というアカデミーの主張に全く貸す耳の無いギルド派も頑迷過ぎやしないだろうか。
SCE
アークザラッド3
総プレイ時間は、ゲーム内カウントだと80時間弱だが、実時間では90弱ぐらいだろう。4月中旬からほぼ1ヶ月半を費やした事になる。
感想を一言で言うと、まあ、長期間興味を引っ張るぐらいには面白かったと思う。
まず、シナリオ進行をすべてギルドのクエストシステムに組み込んである点が非常に斬新だった。ギルドで仕事の依頼を受けないことには、本当に何一つ発生しないし動かないというのは当然賛否両論あるだろう。平たく言えば、「何だこのおつかいRPGは」となるわけだが、自分としては、全く問題ないと思う。
それは、主人公アレクは決して世界を救うために立ち上がった勇者などでは無く、ギルドに所属し困った人からの依頼をこなすハンターに憧れる少年だからだ。ギルドの一員として、ハンターとしてどう行動するのか、それを忠実に再現したRPGなのである。よって「おつかい」の批評は不当である。自由に行動する冒険者が主人公では無いのだから。
また、「おつかい」=クエスト・イベントが単調という意味でもしばしば使用されるわけだが、このゲームの多彩でよく練られたクエストの数々を見れば、それも全く該当しないだろう。
ただし、もちろんそうしたシステムのRPGを面白いと感じるかどうかは個人の嗜好である。
個人的には、ラストストーリーが、このシステムだったらなあとしばしば思わずにいられなかった。本当に単なる一傭兵団のこつこつと仕事をこなすだけの、そんな日々の仕事の中で少しずつ仲間の絆を深め、仕事で関わる人たちとの交友を暖める、そんな些細な物語が見たかったと思う。もちろん世界の破滅とそれを救うバックストーリーはあっても良いが、あそこまで派手に押し出さず、自然に上り詰める、そんな感じならまた別のタイプの素晴らしいゲームになり得たのでは無いか。
まさにこのゲームは、そんな仲間との絆を深め合う地味で暖かいゲームだった。
タッチとしては割と軽めで明るい話が多かったが、大災害後の世界が舞台なので、そうしたベースによる引き締めもあるし、主人公キャラの中でも、ルッツを頂点とした軽くて明るい言動に対比して、ベルファルトのぶっきらぼうな直情や、マーシアの超毒舌、アレクの完全無視など、結構毒のある表現もあり飽きさせない。
所持していれば一瞬で終わってしまうアイテム探しの依頼から、世界を滅ぼすラスボスに対抗するアイテムを作れ!という、最後の依頼まで、クエストも全102とかなり多くしかも多彩だ。
シーンの進行に関係の無い依頼は受けなくても良いし、受け方によっては時間切れで消えてしまったりする。一応101個を受けて99個を完遂した。
また、虹の橋団シリーズや行商一家シリーズなど、複数のクエストに渡って長い話が展開する物もある。
印象に残っているクエストは、まず、ライアのバックダンサー募集のクエスト。歌手を目指す若い女性ライアがオーディションを受けるので、バックダンサーを募るという筋だが、このクエストのステージのシーンで使うためだけに、シェリルとマーシアがドレスで踊るドット絵アニメを描き起こしているのである。また、ライアが歌う歌は、一応挿入歌としてほかでも使用するのでこのクエストのためだけに作った物では無いが、一曲まるまる作っているし、ほかのオーディション参加者の歌う歌も、各種BGMに合わせて歌詞の字幕を流すとなんだか歌っているように聞こえる、という技法で、全部ちゃんと作ってあるのだ。そしてこのイベントは必須では無いので、受けなくてもストーリーは進む。結構長時間のイベントだし手間かかってるなーと感心した。
ほかに印象に残っているのは、各キャラの戦闘時のアクションボイスだけを使って、全キャラ分の寸劇が作ってあったクエストだ。宝箱の中身を調べて欲しいという依頼で、中身は自分が全く考えていない白昼夢を見るガス、ということだったのだが、そのガスを吸ってしまった主人公たちが、次々と夢を見てそれを再現していくのだが、それを、バトル時の「おまえの負けだ!」「(アイテムを拾って)これは良い」などの短いボイスだけを使って、フルボイスの寸劇に仕立ててあるのだ。よく聞くあの台詞をこういうシチュエーションで使うと、こういう意味になるのか!という驚きと笑いの連続である。
登場するキャラクターたちも、個性的で、また上記に挙げたような多数のクエストをこなすことで内面を吐露したり理解が深まり親密感が非常に増すのを感じる。
どのキャラも個性的で印象深いが、一人選べとなると、やはりアンリエッタ・ロシュフォールだろう。
彼女はプレイヤーキャラでは無いが、大災害後の一番の大都市に住む、大金持ちの令嬢というキャラで、プライドが高くわがままで周囲を引っかき回すが、実は多忙な父親に寂しさを募らせている少女、という設定だが、とある依頼で警備を担当したアレクに惚れ込み、無理矢理な依頼を出してはアレクと親密になろうと画策し、とうとう最後には不自由なお嬢様をやめたいと家出をしてしまう。執事からの依頼で彼女を追うアレクは、紆余曲折の末何とか発見し、籠の鳥は嫌だ、自由に生きたいとだだをこねる彼女を諭し連れ戻す。自宅に戻ったアンリエッタは自らの寂しかった気持ちを吐露し、意表を突いて殊勝にもこれまでのわがまま放題を詫びる。そして自らの宿命を悟った彼女は今後は課せられた義務と期待に背かぬよう生きることを受け入れる。最後にもう一つだけわがままを聞いて欲しいと彼女は言う。最後の思い出に、1曲だけ私と踊って欲しいと。久々にうるっときたシーンだった。当然の事だが、たとえ古いPSのドット絵紙芝居だろうと、いくらでも感動することはできるのである。
ちなみに、アンリエッタはこのクエストでもほかのクエストでも、バトルシーンを行う事があった。アクションボイスも技のエフェクトもステータスも作り込んであるのだ。また、上記家出クエストの評価に、アンリエッタは元の上流階級の世界に戻ったのだが本当にそれで良かったのか?などと意味深なことが書いてある。つまり、たぶん、フラグの立て方によっては、アンリエッタはパーティキャラにスカウトできるのだろうと思う。
このように楽しめるゲームではあるが、アーク2に比べると、特に戦闘時の表現が一段レベルが下がっているような気がするので、そこは残念だった。
また、しばしばフリーズした。とくにテオのアタッカード演出後に止まることが多いようだった。数時間は確実に無駄になっていると思う。
最後に、今の時期的に、非常にテーマが興味深い物だった点が面白い。
このゲームでは、人間が自分の身の丈を超える危険なエネルギーを扱うことの是非がテーマとして問われているのだ。暗黒の支配者という名の悪なる存在を夢のフリーエネルギーと勘違いして、それが先の大災害を引き起こした原因でもあるにかかわらず、何とか復活し制御して世界の復興を目指そう、そのためには少々の不法行為や犠牲はやむを得ないと考える猪突猛進団体アカデミーが、本作では一応敵側の団体となっている。アカデミーの暴走を止め、暗黒の支配者の封印を目指すのが本作の最終的な目的となるわけだが、アカデミーが科学者集団である事もあり、暴走してしまうと実は人間の手には負えない莫大なエネルギー=核エネルギー(原発)という、反原発のアナロジーに、どうしても見えてしまう。
アカデミーが少々強引な原発推進団体だとすれば、アレクたちギルド派は草の根で原発阻止を目指す市民団体のようだ。この物語では、暗黒の支配者をコントロールすることは絶対にできないという前提は揺らぐことはないが、もしそれが揺らぐようなシナリオがあればさらに味わい深い物語となっていた可能性はある。目的のためには手段を選ばないアカデミーは確かに悪のそしりを免れないが、コントロール可能というアカデミーの主張に全く貸す耳の無いギルド派も頑迷過ぎやしないだろうか。
君に届け 12巻/椎名軽穂
と、浮かれていると、12巻が待てど暮らせど届かない。
おかしいなあと思ってネットショップの配送履歴を見ると、なんと品切れ入荷待ち。
あわてて調べるとAmazonはじめ大手から弱小まで軒並み12巻は売ってない。
マケプレやネット古本系でも品切れが目立つ状態。
もちろん、近所の本屋にも見に行ったもんだ。
どこも12巻は売り切れ。11巻も無い店が多い。13巻はたくさんあるのにさ。
そう、13巻は前回のエントリを書いた翌日にとっくに近所の本屋で入手済みなのである。
ここ数日すごく楽しみにしていたので、かなり空気が抜けたような感じ。思わずネット古本をポチろうかと思ったが、作者に対価を払いたいし、おとなしく増刷を待つことにした。
まあ、もっかい1巻から読み返して気長に待つさ。
椎名軽穂
君に届け 12巻
おかしいなあと思ってネットショップの配送履歴を見ると、なんと品切れ入荷待ち。
あわてて調べるとAmazonはじめ大手から弱小まで軒並み12巻は売ってない。
マケプレやネット古本系でも品切れが目立つ状態。
もちろん、近所の本屋にも見に行ったもんだ。
どこも12巻は売り切れ。11巻も無い店が多い。13巻はたくさんあるのにさ。
そう、13巻は前回のエントリを書いた翌日にとっくに近所の本屋で入手済みなのである。
ここ数日すごく楽しみにしていたので、かなり空気が抜けたような感じ。思わずネット古本をポチろうかと思ったが、作者に対価を払いたいし、おとなしく増刷を待つことにした。
まあ、もっかい1巻から読み返して気長に待つさ。
ドンキーコングリターンズ オリジナルサウンドトラック/任天堂
クラニンの新アイテムに、ドンキーコングリターンズのサントラが追加された。
ソフト購入者は僅か250の優待ポイントで交換できるとのことで、発表即日申し込んだ。
2,3週間後の忘れた頃に届いて、それからずっと仕事中にかけている。
本当にドンキーは良い曲が多いなあ、としみじみ。聴くほどに味が出る。そしてまたプレイしたくなる。
今は義弟に貸しているが、帰ってきたらまたパズルピース集めとタイムアタックでも始めようかな。
全25曲たぶん全曲収録じゃ無い、簡易版のサントラだろうけど、こういうサービスは是非続けて欲しい。
すでにゼルダについては、今年の2本はクラニンでのサントラ配布をすると、E3で宮ほんが公表していたので期待。時オカは悩むが、スカイウォードソードは予約購入の予定。
気になったのは、コンポーザーが山本健誌さんという方らしいが、CDには全くクレジットが無い点。調べてみるとメトロイドシリーズやあのギャラクティックピンボールで音楽を担当されているらしいので、なるほどなあという感じ。
ソフト購入者は僅か250の優待ポイントで交換できるとのことで、発表即日申し込んだ。
2,3週間後の忘れた頃に届いて、それからずっと仕事中にかけている。
本当にドンキーは良い曲が多いなあ、としみじみ。聴くほどに味が出る。そしてまたプレイしたくなる。
今は義弟に貸しているが、帰ってきたらまたパズルピース集めとタイムアタックでも始めようかな。
全25曲たぶん全曲収録じゃ無い、簡易版のサントラだろうけど、こういうサービスは是非続けて欲しい。
すでにゼルダについては、今年の2本はクラニンでのサントラ配布をすると、E3で宮ほんが公表していたので期待。時オカは悩むが、スカイウォードソードは予約購入の予定。
気になったのは、コンポーザーが山本健誌さんという方らしいが、CDには全くクレジットが無い点。調べてみるとメトロイドシリーズやあのギャラクティックピンボールで音楽を担当されているらしいので、なるほどなあという感じ。
君に届け/椎名軽穂
もちろん、この作品の事は既に書いている訳だが、もう一回書いてみた。
最近、この作品にかなり心酔しているのである。平たく言えばメロメロだ。
前回は2巻まで読んだところでかなりの好印象と評したと記憶しているが、今現在11巻を読み終えた時点で、その評価は比較にならないほど高まっていると言わざるを得ない。今のところ本年読んだ漫画の評価ではぶっちぎりの1位である。
これまで、こつこつと1巻ずつ購入してきたのだが、9巻末の引きでどうしても爽子の決意を見届けたくなり、翌週すぐに妻が10巻を購入。最高の盛り上がりと展開ですっかり心を鷲掴みにされた。その素晴らしい10巻を何度か読み返すうちとうとう我慢できず徹夜で1巻から読み返してしまい、そのまま勢いで翌日11巻購入、というような流れである。
なぜこれほどまでに心惹かれるのだろう。
前回のエントリでも書いたような構成の巧みさはもちろんあるが、冷静に要素を分析すれば、それほど上手な絵という訳でもないし、描き込みもプレーン、ストーリーはド平凡で展開は超スローとそれほど飛び抜けた物は無い。表情の表現と台詞にはかなりセンスを感じる部分もあるが超一流という程では無い。
しかし、これらの要素が一体となって眼前のページとして存在したとき、立ち上がってくる物語世界の瑞々しさ、その空気感には素晴らしい存在感がある。それも、圧倒的な威力で畳み掛けてくるようなギラギラとした輝きではなく、ポカポカとした甘いだけの暖かさでも無く、すっと背筋が伸びるような清涼感を持った、ほのかでそれでいて決して弱々しくない青い月明かりの確かさである。爽子と風早が初めて打ち解けて会話した肝試しの夜、あのシーンで二人を包む、涼やかで静かで、そして不安と恍惚のないまぜになった息苦しいようなまだ名前の無い気持ち。この印象が私にとってはこの漫画の象徴としてまず真っ先に浮かぶのである。この目に見えないほど細い蜘蛛の糸のような、しかし決して切れることの無いじっとりとした緊張の糸がピンと一本張っていることで、物語に素晴らしい共感とリアリティを呼び起こすのだ。
作者も柱で書いていたように、前作がどろどろの愛憎劇だっただけに、今作はアホかというほどの爽やかな話にしたいという狙いでの設定だったようだ。表向きはその通りぱっと見非常に爽やかで明るいストーリーのように見えるが、前作の後遺症かはたまた作者の力量か、どんなに爽やかに人物を描いても、隠しきれない生々しい感情がかすかにじんわりと匂ってくるのだ。匂うか匂わないかという程のかすかなものでも、いやむしろかすかであれば却って、香りは人間の感情や記憶に多大な影響を与える。これが、この漫画を生気の無い人工物のような爽やか人形劇から峻別するものである。
ある意味、作者の圧倒的筆力と言っても間違いでは無い。ただ、これはあくまで想像だが、たぶんそうした計算の元に描かれているわけでは無いと思う。そうでは無くて、作者の中では、君に届けの登場人物が本当に生きて考えている人間として存在しているのだろうと思う。それほどしっかりとキャラを掴んでいるから、ぶれないし、気持ちや言葉や行動に作為が無い。無理が無いのだ。この作品がきわめて自然でリラックスした雰囲気を持つのはこのためである。
そして、斜に構えたところが無い。すべて直球勝負である。下手をすると芸の無いつまらない話となってもおかしくないほどのまっすぐさである。普通なら箸にも棒にもかからない、ありきたりで平凡なストーリーの漫画になるのが落ちだろう。
しかし、上記に挙げたような、胸ぐらを掴んで引きずられるような没入感の土壌の上でこうした王道ストーリーをやられては、もう逃げようが無い。作者の中に生きるキャラたちのドラマがそのまま直に流れ込んでくるかのように、どんなストーリーだろうと頭から丸呑みしてしまうのだ。そしてその心地よさと言ったら無い。
この漫画のファンは若い女性が大多数だろうと思うが、最終的には共感しうる心情的経験の有無が評価を分けるのは当然のことだろう。いくら素晴らしいリアリティが表現されていても、恋の経験の無い人には響く物は無い。ただ、性別はこの漫画の共感度にはあまり関係が無いと思う。爽子と風早の真摯で一途な感情の波は性差を超えた人間として不偏な本質であふれているからだ。この漫画のファンであればあるほど、彼らの言葉と気持ちに敬虔に打たれる事が多々あるだろう。爽子と風早の恋愛の持つリアリティは、取りも直さず、そのリアリティを感じている本人の経験に裏打ちされているものだから、彼らの一挙手一投足を固唾をのんで見守りつつ、自身の恋も同時に追体験している事になる。もちろんどんな恋愛物でもそうした構造は一緒である。だが、一般的なドラマとは共感度の量的な違いが大きすぎて、もはや質的な違いと言っても良いほどなのである。だから自身の恋愛経験との形式的表面的な差違がどれほどあろうとも、その一点中心の本質からだけで、この恋愛物語の存在すべてを受容できるほどに共感することができるのだ。
そして例えば、10巻での告白の際に風早が告げた台詞であり、11巻で爽子が心で誓った「大事にするから」という言葉。こうした言葉が刺さってくる。妻と交際を始めて早16年。大事にしてこれただろうか。大事に、できてない時もあったよなあ。爽子と風早に生まれたばかりのこの気持ちのように、新鮮な気持ちで新たに妻を愛しんでいきたいなあ。と一人反省会が始まったりする。初めて行ったデートの、コースや情景を思い出す。その時の感情や感覚を匂うような鮮明さで思い出せるだろうか。妻の言葉は?その表情は?そして自分は何を考えただろうか。
最初、読者の前に健気でいじらしい存在として現れる爽子だが、それは(計算された)読者の早とちりであって、巻を読み進むにつれその印象は大きく修正される。その誠実さ、心の強さ、勇気、努力、明るさ、聡明さ、優しさなど、エピソードを重ねることでそうした爽子の素晴らしい特質を十二分に知り、爽子というキャラクターの魅力を芯から理解することができる。だから、健気キャラが王子様に振り向いてもらえると言う単なるシンデレラストーリーに陥ることが無く、風早の「べたぼれ」の台詞に、微塵もご都合主義的作為を感じることが無い。風早が爽子を好きになった理由が心から納得できるし、風早なら好きにならずにはいられなかっただろうとまで思えるほどだ。
一方で、爽やかなだけの軽いキャラかと思わせる風早も、その空回りする情熱の熱さも苦悩も、そして爽子と共通する誠実さや優しさなども備えた、魅力のある芯の強い人物として徐々に浸透してくる。そして爽子が風早に惚れた訳もじんわりと腑に落ちてくるのである。ケントが言う、お似合いだと思うよ、の言葉に、本当に何の違和感も感じないのは、ここまで10巻をかけて丁寧に丁寧に二人の心情を描いてきたからに他ならない。そして本当にその過程こそがこの珠玉の作品の命であって、いくら上手な絵で表面的な人物設定やストーリー展開だけ真似したとしても絶対に生み出すことのできない本物の魅力なのである。さらにこの過程が作者の中のキャラクターに新たな命を吹き込み、より精緻に造形されたキャラクターを生み出していくスパイラルとなるのだろう。
君に届け、というタイトルが、ひとまずの告白を意味するのであるなら、この漫画のクライマックスは10巻前後でありプロットとしてはそこで終了に持ち込んでも全くおかしくない。むしろきれいに終われるだろう。
しかし、現在13巻まで出てなお連載中である。気持ちが届いた二人を、今後はどのように描いていくのだろうか。
これにはファンも賛否両論あるようだが、個人的にはだらだらと続けて欲しいと思う。それは以前にも書いたように、この漫画の神髄は、そのストーリーの展開にあるのでは無くて、その展開を描く表現のすばらしさにあるからだ。
普通の高校生が、きわめて普通に交際するさまを、これまで通り丁寧に描いてくれたら最高である。
ストーリーもプロットも分かりきっていても、それでも読みたくなるのが本当に良い漫画だと思う。そしてこの漫画は、何度も読み返したいし、何度も読んで何度も浸りたい世界を持っている。
作者なら自分の生み出したキャラに愛着が無いわけでは無いだろうが、ただ、この後の話をサブキャラメインで進めることはやめて欲しい。もちろん爽子や風早に劣らず魅力的な脇役陣だが、むやみにそこばかりを描いて無理に連載の延命を図るようでは、神がかった前半の印象が台無しになってしまうからだ。
明日あたり12巻が届くので非常に楽しみだ。たぶん、即日13巻も買ってしまうだろう。
願わくば素晴らしい漫画のままでエンドを迎えますように。
完結し読み切ったらまた感想を書きたいと思う。
椎名軽穂
君に届け
最近、この作品にかなり心酔しているのである。平たく言えばメロメロだ。
前回は2巻まで読んだところでかなりの好印象と評したと記憶しているが、今現在11巻を読み終えた時点で、その評価は比較にならないほど高まっていると言わざるを得ない。今のところ本年読んだ漫画の評価ではぶっちぎりの1位である。
これまで、こつこつと1巻ずつ購入してきたのだが、9巻末の引きでどうしても爽子の決意を見届けたくなり、翌週すぐに妻が10巻を購入。最高の盛り上がりと展開ですっかり心を鷲掴みにされた。その素晴らしい10巻を何度か読み返すうちとうとう我慢できず徹夜で1巻から読み返してしまい、そのまま勢いで翌日11巻購入、というような流れである。
なぜこれほどまでに心惹かれるのだろう。
前回のエントリでも書いたような構成の巧みさはもちろんあるが、冷静に要素を分析すれば、それほど上手な絵という訳でもないし、描き込みもプレーン、ストーリーはド平凡で展開は超スローとそれほど飛び抜けた物は無い。表情の表現と台詞にはかなりセンスを感じる部分もあるが超一流という程では無い。
しかし、これらの要素が一体となって眼前のページとして存在したとき、立ち上がってくる物語世界の瑞々しさ、その空気感には素晴らしい存在感がある。それも、圧倒的な威力で畳み掛けてくるようなギラギラとした輝きではなく、ポカポカとした甘いだけの暖かさでも無く、すっと背筋が伸びるような清涼感を持った、ほのかでそれでいて決して弱々しくない青い月明かりの確かさである。爽子と風早が初めて打ち解けて会話した肝試しの夜、あのシーンで二人を包む、涼やかで静かで、そして不安と恍惚のないまぜになった息苦しいようなまだ名前の無い気持ち。この印象が私にとってはこの漫画の象徴としてまず真っ先に浮かぶのである。この目に見えないほど細い蜘蛛の糸のような、しかし決して切れることの無いじっとりとした緊張の糸がピンと一本張っていることで、物語に素晴らしい共感とリアリティを呼び起こすのだ。
作者も柱で書いていたように、前作がどろどろの愛憎劇だっただけに、今作はアホかというほどの爽やかな話にしたいという狙いでの設定だったようだ。表向きはその通りぱっと見非常に爽やかで明るいストーリーのように見えるが、前作の後遺症かはたまた作者の力量か、どんなに爽やかに人物を描いても、隠しきれない生々しい感情がかすかにじんわりと匂ってくるのだ。匂うか匂わないかという程のかすかなものでも、いやむしろかすかであれば却って、香りは人間の感情や記憶に多大な影響を与える。これが、この漫画を生気の無い人工物のような爽やか人形劇から峻別するものである。
ある意味、作者の圧倒的筆力と言っても間違いでは無い。ただ、これはあくまで想像だが、たぶんそうした計算の元に描かれているわけでは無いと思う。そうでは無くて、作者の中では、君に届けの登場人物が本当に生きて考えている人間として存在しているのだろうと思う。それほどしっかりとキャラを掴んでいるから、ぶれないし、気持ちや言葉や行動に作為が無い。無理が無いのだ。この作品がきわめて自然でリラックスした雰囲気を持つのはこのためである。
そして、斜に構えたところが無い。すべて直球勝負である。下手をすると芸の無いつまらない話となってもおかしくないほどのまっすぐさである。普通なら箸にも棒にもかからない、ありきたりで平凡なストーリーの漫画になるのが落ちだろう。
しかし、上記に挙げたような、胸ぐらを掴んで引きずられるような没入感の土壌の上でこうした王道ストーリーをやられては、もう逃げようが無い。作者の中に生きるキャラたちのドラマがそのまま直に流れ込んでくるかのように、どんなストーリーだろうと頭から丸呑みしてしまうのだ。そしてその心地よさと言ったら無い。
この漫画のファンは若い女性が大多数だろうと思うが、最終的には共感しうる心情的経験の有無が評価を分けるのは当然のことだろう。いくら素晴らしいリアリティが表現されていても、恋の経験の無い人には響く物は無い。ただ、性別はこの漫画の共感度にはあまり関係が無いと思う。爽子と風早の真摯で一途な感情の波は性差を超えた人間として不偏な本質であふれているからだ。この漫画のファンであればあるほど、彼らの言葉と気持ちに敬虔に打たれる事が多々あるだろう。爽子と風早の恋愛の持つリアリティは、取りも直さず、そのリアリティを感じている本人の経験に裏打ちされているものだから、彼らの一挙手一投足を固唾をのんで見守りつつ、自身の恋も同時に追体験している事になる。もちろんどんな恋愛物でもそうした構造は一緒である。だが、一般的なドラマとは共感度の量的な違いが大きすぎて、もはや質的な違いと言っても良いほどなのである。だから自身の恋愛経験との形式的表面的な差違がどれほどあろうとも、その一点中心の本質からだけで、この恋愛物語の存在すべてを受容できるほどに共感することができるのだ。
そして例えば、10巻での告白の際に風早が告げた台詞であり、11巻で爽子が心で誓った「大事にするから」という言葉。こうした言葉が刺さってくる。妻と交際を始めて早16年。大事にしてこれただろうか。大事に、できてない時もあったよなあ。爽子と風早に生まれたばかりのこの気持ちのように、新鮮な気持ちで新たに妻を愛しんでいきたいなあ。と一人反省会が始まったりする。初めて行ったデートの、コースや情景を思い出す。その時の感情や感覚を匂うような鮮明さで思い出せるだろうか。妻の言葉は?その表情は?そして自分は何を考えただろうか。
最初、読者の前に健気でいじらしい存在として現れる爽子だが、それは(計算された)読者の早とちりであって、巻を読み進むにつれその印象は大きく修正される。その誠実さ、心の強さ、勇気、努力、明るさ、聡明さ、優しさなど、エピソードを重ねることでそうした爽子の素晴らしい特質を十二分に知り、爽子というキャラクターの魅力を芯から理解することができる。だから、健気キャラが王子様に振り向いてもらえると言う単なるシンデレラストーリーに陥ることが無く、風早の「べたぼれ」の台詞に、微塵もご都合主義的作為を感じることが無い。風早が爽子を好きになった理由が心から納得できるし、風早なら好きにならずにはいられなかっただろうとまで思えるほどだ。
一方で、爽やかなだけの軽いキャラかと思わせる風早も、その空回りする情熱の熱さも苦悩も、そして爽子と共通する誠実さや優しさなども備えた、魅力のある芯の強い人物として徐々に浸透してくる。そして爽子が風早に惚れた訳もじんわりと腑に落ちてくるのである。ケントが言う、お似合いだと思うよ、の言葉に、本当に何の違和感も感じないのは、ここまで10巻をかけて丁寧に丁寧に二人の心情を描いてきたからに他ならない。そして本当にその過程こそがこの珠玉の作品の命であって、いくら上手な絵で表面的な人物設定やストーリー展開だけ真似したとしても絶対に生み出すことのできない本物の魅力なのである。さらにこの過程が作者の中のキャラクターに新たな命を吹き込み、より精緻に造形されたキャラクターを生み出していくスパイラルとなるのだろう。
君に届け、というタイトルが、ひとまずの告白を意味するのであるなら、この漫画のクライマックスは10巻前後でありプロットとしてはそこで終了に持ち込んでも全くおかしくない。むしろきれいに終われるだろう。
しかし、現在13巻まで出てなお連載中である。気持ちが届いた二人を、今後はどのように描いていくのだろうか。
これにはファンも賛否両論あるようだが、個人的にはだらだらと続けて欲しいと思う。それは以前にも書いたように、この漫画の神髄は、そのストーリーの展開にあるのでは無くて、その展開を描く表現のすばらしさにあるからだ。
普通の高校生が、きわめて普通に交際するさまを、これまで通り丁寧に描いてくれたら最高である。
ストーリーもプロットも分かりきっていても、それでも読みたくなるのが本当に良い漫画だと思う。そしてこの漫画は、何度も読み返したいし、何度も読んで何度も浸りたい世界を持っている。
作者なら自分の生み出したキャラに愛着が無いわけでは無いだろうが、ただ、この後の話をサブキャラメインで進めることはやめて欲しい。もちろん爽子や風早に劣らず魅力的な脇役陣だが、むやみにそこばかりを描いて無理に連載の延命を図るようでは、神がかった前半の印象が台無しになってしまうからだ。
明日あたり12巻が届くので非常に楽しみだ。たぶん、即日13巻も買ってしまうだろう。
願わくば素晴らしい漫画のままでエンドを迎えますように。
完結し読み切ったらまた感想を書きたいと思う。
Wii/リンクのボウガントレーニング/任天堂
結構前に遊んだゲーム。書き忘れていたので。
たまたまなぜかWiiザッパーだけ持っていたので、中古屋でソフトのみの安い所をゲットしておいたものをプレイした。
ゼルダのトワイライトプリンセスの世界を舞台に、リンクのボウガンを使って各種シューティングゲームを楽しむソフトだ。
ゲームを起動した瞬間、感じたのは郷愁。音も絵も、ああ、あの世界に帰ってきたんだな、という思いがわき上がる。
平たく言えば単なる素材使い回しだが、ファンディスク的な需要には応えていると思うのでありだろう。
ゲームとしてはシューティングとして結構いろいろなタイプ・シチュエーションで遊べるので楽しい。コンボや隠しアイテムなど高得点を目指すための仕組みがいろいろあるので、探求してやり込む楽しみもある。
任天堂 リンクのボウガントレーニング
たまたまなぜかWiiザッパーだけ持っていたので、中古屋でソフトのみの安い所をゲットしておいたものをプレイした。
ゼルダのトワイライトプリンセスの世界を舞台に、リンクのボウガンを使って各種シューティングゲームを楽しむソフトだ。
ゲームを起動した瞬間、感じたのは郷愁。音も絵も、ああ、あの世界に帰ってきたんだな、という思いがわき上がる。
平たく言えば単なる素材使い回しだが、ファンディスク的な需要には応えていると思うのでありだろう。
ゲームとしてはシューティングとして結構いろいろなタイプ・シチュエーションで遊べるので楽しい。コンボや隠しアイテムなど高得点を目指すための仕組みがいろいろあるので、探求してやり込む楽しみもある。