イギリスのリーズで開催されている、2018年リーズ国際ピアノコンクール(公式サイトはこちら)。
9月15日は、ついにファイナルの第2日(最終日)。
ネット配信を聴いた(こちらのサイト)。
ちなみに、2018年リーズコンクールについてのこれまでの記事はこちら。
(2018年リーズ国際ピアノコンクール 1次予選 まもなく開始)
(2018年リーズ国際ピアノコンクール 1次予選通過者発表)
(2018年リーズ国際ピアノコンクール 2次予選の曲目発表)
以下は、いずれもエドワード・ガードナー指揮、ハレ管弦楽団の演奏である。
Xinyuan Wang (age: 23 China)
Schumann – Piano Concerto in A minor Op.54
まったりとした、抒情的な演奏。
音に丸みがあり、素朴な味わいがある。
端正でみずみずしい演奏とか、ロマン派の薫り高い演奏とかいうよりも、独特な親しみやすさのある演奏、といった印象。
もっとキレ味の良いリズム感や、洗練されたスマートさがほしくなる箇所も、ないではない。
とはいえ、全体的に悪くない演奏だと思う。
テクニック的にも安定感がある。
Eric Lu (age: 20 USA)
Beethoven – Concerto No.4 in G major Op.58
先ほどのXinyuan Wangの素朴な味わいに比べ、Eric Luには同じリリカルでもより洗練された、芸術的な香気がある。
また、音の粒のそろい方や打鍵の安定感はかなりのもの。
その他、これといった穴がほとんどない。
ただ、欲を言うと、ゆったりとした箇所での歌わせ方は申し分ないのだが、急速なパッセージにおいてもう少し繊細かつ滑らかに歌ってほしい、と思う瞬間もないわけではない(例えば2017年クライバーンコンクールで同曲を弾いたレイチェル・チャンのように)。
とはいえ、薄めのペダルによる彼ならではの清潔感には、得難いものがある。
そんなわけで、私の中で勝手に順位をつけるとすると
1: Eric Lu (age: 20 USA)
2: Mario Häring (age: 28 Germany)
3: Xinyuan Wang (age: 23 China)
4: Aljoša Jurinić (age: 29 Croatia)
5: Anna Geniushene (age: 27 Russia)
というような感じになる。
あるいは、1と2は逆でもいいかもしれず、3と4と5は入れ替えてもいいかもしれない。
さて、ファイナルの実際の結果は下記のようになった。
【ファイナル結果】
1位: Eric Lu (age: 20 USA)
2位: Mario Häring (age: 28 Germany)
3位: Xinyuan Wang (age: 23 China)
Terence Judd Hallé Orchestra Prize: Eric Lu (age: 20 USA)
Yaltah Menuhin Award: Mario Häring (age: 28 Germany)
http://medici.tv Audience Award: Xinyuan Wang (age: 23 China)
ファイナルに関しては、きわめて妥当な順位付けだと思う。
最後は納得のいく結果になって、良かった。
なお、聴衆賞はXinyuan Wangだったらしい。
私は聴衆賞と気が合うことが多いのだが、今回は違った。
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