駆逐艦の海底画像も梅之助の知る限りの現状では、この記事が最後になります。

今回紹介するのは駆逐艦「五月雨」。

その現在の姿をパラオの北部で直接見る事が出来ます。

 

下の海底画像はパラオでダイビング企画などを行っている「デイドリーム」様のサイトより。

この画像が紹介されていたページには(→こちら)他の「五月雨」の画像もあります。

なかなか充実した各種ダイビング企画を実施されているので、パラオで海底に潜る事に興味のある方は利用されてみては如何でしょうか。

 

「五月雨」の砲身

 

 

(左)シャフトブランケット (右)散乱した部品類

 

海底にある「五月雨」の船体は、あまり多くは残ってはいないようですね。

 

駆逐艦「五月雨」は「白露型」駆逐艦の6番艦として、1937(昭和12)年1月に竣工。「白露型」には日本海軍初の4連装魚雷発射管が2基8門装備されました。

因みに第3次ソロモン海戦で大活躍し、米側から「ソロモンの黒い悪魔」と恐れられた「夕立」は同型艦の4番艦になります。

 

Wikipedia より

 

対米開戦直後は南方作戦に従事。

1942(昭和17)年のガダルカナル島を巡る戦いにおいては当初、護衛と輸送作戦を担当し、第3次ソロモン海戦前からは戦闘にも加わっています。

1943年にガダルカナル島やキスカ島からの撤退作戦に参加。その後の米側との戦闘の際は敵駆逐艦を大破させるなど活躍しています。

1944年からは主に輸送任務に就いたものの、8月にパラオ北部で運悪く座礁。米潜水艦に発見され、魚雷攻撃を受けて「五月雨」も命運が尽きてしまいました。

「夕立」ほど派手な戦果はありませんでしたが、太平洋中をあらゆる任務で働いた駆逐艦と言えます。

 

さて、10隻あった「白露型」駆逐艦も「五月雨」が沈んだ時点で残りは「時雨」のみとなり、その「時雨」も1945年1月に戦没しています。

「時雨」は現在、マレー半島タイ湾の海底約55mで発見されており、ダイビングスポットにもなっているそうです。しかし残念ながら海底画像が確認できておりません。

今後、「時雨」の海底画像が出てきて、このシリーズの続きを書くことが出来れば、と思っています。

 

 

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